JP2002214119A - 塩水噴霧試験装置 - Google Patents

塩水噴霧試験装置

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JP2002214119A JP2001010583A JP2001010583A JP2002214119A JP 2002214119 A JP2002214119 A JP 2002214119A JP 2001010583 A JP2001010583 A JP 2001010583A JP 2001010583 A JP2001010583 A JP 2001010583A JP 2002214119 A JP2002214119 A JP 2002214119A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試験槽内の温度分布のばらつきや採取液の塩
濃度及び比重の変動が一定範囲内であるように、且つ試
験槽内の温度を試験温度まで迅速に上昇できるように試
験槽内を加熱すること。 【解決手段】 蒸気発生機及び発生させた水蒸気を試験
槽内の底部に吹き付ける手段を試験槽に取り付けて、試
験槽内に水蒸気を一定の割合で供給することにより、湿
度を下げることなく、試験槽内の温度を一定に保持し
て、塩水噴霧試験を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腐食試験に用いら
れる塩水噴霧試験装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩水噴霧試験は、腐食液を噴霧し、被試
験体を腐食させて試験を行うものである。詳細には、腐
食液を飽和空気とともに噴霧ノズルからミストとして噴
霧塔より試験槽内に噴霧させ、槽内に配置された試験片
にミストを上方より自然落下させ接触させることにより
行われる。そして、試験片はミストにより腐食が促進さ
れる。当該試験に用いられる塩水噴霧試験装置は、試験
槽内に噴霧ノズルを設けてあり、噴霧ノズルに飽和空気
を送り、塩溶液を吸い上げて噴霧させる構成となってい
る。
【0003】塩水噴霧試験においては、JIS Z 2
371:2000に規定されているように、試験槽内の
温度は試験中、35±2℃を保持しなければならない。
従来の塩水噴霧試験装置においては、ヒーター方式で試
験槽の加温を行っていた。ヒーター方式には4種類あ
る。
【0004】ひとつは、試験槽内にヒーターを直接入れ
るタイプである。また、2つめは、特公昭40−254
00号に述べられているような、噴霧する前の腐食溶液
にヒーターを入れて腐食液を加熱するタイプである。一
方、3つめは、実開昭56−122942号や実公昭5
4−23919号に述べられているような、試験槽を2
重槽にして槽間の空隙にヒーターを入れるタイプであ
る。そして、4つめは、実公昭58−8361号や実開
昭64−36063号に述べられているような、試験槽
を2重槽にして槽間に水を入れてヒーターで水を加熱す
るタイプである。
【0005】なお、実開昭52−114087号に述べ
られている塩害試験装置は、試験槽上部の蒸気発生機に
接続された加湿スプレ、冷凍機に接続された冷却器及び
ヒーターに接続された加熱器により温度と湿度を調整し
ている。上記の方式では自然対流状態にはならないの
で、塩水噴霧試験には適用できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】試験槽内にヒーターを
直接入れるタイプでは、ヒーター付近における水分の蒸
発により、試験槽内で噴霧液ミストの塩濃度が上昇して
しまう問題があった。噴霧する前の腐食溶液にヒーター
を入れて腐食液を加熱するタイプでは、ヒーター付近に
おける水分の蒸発及び試験槽壁からの放熱による水分の
凝縮により、噴霧する前に噴霧液の塩濃度が上昇してし
まう問題があった。試験槽を2重槽にして槽間の空隙に
ヒーターを入れるタイプ及び試験槽を2重槽にして槽間
に水を入れてヒーターで水を加熱するタイプでは、試験
槽の温度を試験温度まで上昇させるのに時間がかかった
り、試験槽作製コストが高いという問題があった。
【0007】噴霧液ミストの塩濃度に関しては、採取液
の比重で一定の範囲内にあることが求められる。JIS
Z 2371:2000に規定されているように、噴
霧したときに採取した噴霧液の比重が25℃において、
1.029以上1.036以下であるようにしなければ
ならない。比重が上記範囲内である時の塩濃度は50±
5g/Lであるとされている。
【0008】しかし、試験槽内にヒーターを直接入れる
上記の従来タイプでは、噴霧前には25℃における比重
が1.0323、つまり塩濃度が50g/Lであった噴
霧液が、噴霧後の採取液では塩濃度が6.6wt%、す
なわち66g/L、言い換えれば比重が1.048にな
るという問題があった。
【0009】採取した噴霧液の塩濃度及び比重が規定か
ら外れると、試験結果の信頼性に影響を及ぼすおそれが
ある。
【0010】一方、温度上昇速度については、上記した
従来の2重槽タイプでは遅く、例えば、試験槽を2重槽
にして槽間に水を入れてヒーターで水を加熱するタイプ
では、20℃から35℃まで上昇させるのに48分、2
5℃から50℃まで上昇させるのに1時間半かかり、試
験を始めるまでに時間がかかるという問題があった。
【0011】つまり、従来の塩水噴霧試験装置では、試
験槽作製コストをかけずに、試験槽内を短時間で均一に
加熱させて試験温度を保持しつつ、採取液の塩濃度が規
定内であるようにすることが出来ず、試験の信頼性が低
くなるおそれがあるという問題点を有していた。
【0012】従って、本発明の目的は、従来技術の有す
る上記問題点を解決し、試験槽作製コストを抑えなが
ら、塩濃度が規定の範囲内で、なお且つ試験槽内の温度
分布の均一性を向上させることができ、また、試験槽を
迅速に加熱することが可能な塩水噴霧試験装置を提供し
ようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の塩水噴霧試験装
置は、(a)水蒸気を発生させる蒸気発生機、(b)当
該蒸気発生機に接続され、試験槽の底部を貫通する蒸気
導入口、(c)当該試験槽の槽内温度を一定の範囲に保
持し、且つ採取液の塩濃度を一定範囲内に保つように、
当該蒸気導入口から当該試験槽内へ水蒸気を当該試験槽
の底面及び/又は側面の方向に向かって噴出させること
ができる手段を有することを特徴とする。
【0014】そして、当該蒸気導入口から当該試験槽内
へ水蒸気を試験槽の底面及び/又は側面の方向に向かっ
て噴出させることができる手段が、当該蒸気導入口を起
点とし、当該試験槽の底面方向に水蒸気が噴き出すよう
に下向き及び/又は当該試験槽の側面方向にあいた複数
の孔を有する、当該試験槽内下方に設けられた1以上の
配管であることが好ましい。
【0015】当該配管は、筒状又は板状であることが好
ましい。
【0016】蒸気発生機で作られた水蒸気は、蒸気発生
機と試験槽内部とを繋ぐ上記蒸気導入口を介して、上記
配管の各々へ送られ、更に、各配管に設けられた下向き
及び/又は試験槽の側面方向の複数の孔より試験槽の底
面に向けて飽和蒸気として試験槽内に供給される。
【0017】蒸気発生機中では水蒸気の温度は100℃
であるが、蒸気導入口、配管そして孔へと水蒸気が流れ
るにつれて配管を通じて放熱し、水蒸気の温度は下が
る。
【0018】また、蒸気導入口から当該試験槽内へ水蒸
気を試験槽の底面及び/又は側面の方向に向かって噴出
させることができる手段が、当該蒸気導入口より上方に
噴出された水蒸気と接触し、水蒸気の噴出方向を当該試
験槽の下方及び側面方向に向けることができるように、
当該蒸気導入口の上方に設けられた板であってもよい。
【0019】蒸気発生機で作られた水蒸気は、蒸気発生
機と試験槽内部とを繋ぐ上記蒸気導入口より噴出し、上
記板に接触して放熱し、噴出方向を上方向から下方向及
び側面方向へと変えて、試験槽底面に向けて飽和蒸気と
して試験槽内に供給される。
【0020】上記板の代わりに、底面のない箱を設け
て、当該蒸気導入口より上方に噴出された水蒸気が箱に
接触し、水蒸気の噴出方向を当該試験槽下方及び側面方
向に向けることができるようにしてもよい。
【0021】さらに、当該試験槽内の温度分布のばらつ
きが0.5℃以内であり、また、採取液の比重が25℃
において、1.029以上1.036以下であることが
好ましい。
【0022】また、蒸気発生機から試験槽内へ供給され
る水蒸気量が、当該試験槽内の結露により失われる水蒸
気量相当であることが好ましい。
【0023】さらに、蒸気発生機に供給する水を浄化す
るフィルターを有することが好ましい。
【0024】
【実施例】本発明を以下の実施例により、図面を参照し
て、更に詳細に説明する。
【0025】図1は本発明を適用した塩水噴霧試験装置
の一構成例を一部破断して示す概略正面図である。図1
に示した一構成例である実施例1の装置は、試験槽(1
0)内を蒸気発生機(1)から蒸気配管(3)を通じて
供給された水蒸気により加温し、試験温度で保持し、溶
液補給タンク(13)からフロートを用いて供給される
塩溶液を噴霧ノズル(8)からミストとして、噴霧塔
(9)より、空気飽和器(7)で飽和させた空気ととも
に、試験槽(10)内に噴霧させ、槽内に配置された試
験片(11)に当該ミストを上方より自然落下させ接触
させることにより、腐食試験される塩水噴霧試験装置
(12)であり、噴霧されたミストは採取器(15)で
採取される。試験槽(10)内に供給された水蒸気が、
直接試験片(11)に接触しないように構成されてい
る。
【0026】図2は図1に示した本発明の実施例1の試
験槽内の要部斜視図である。図3は、本発明の実施例1
の蒸気供給部分の要部斜視図である。実施例1におい
て、水蒸気は、蒸気発生機(1)から蒸気導入口(2)
へ、更に試験槽(10)内の下方に設けられた蒸気配管
(3)、試験槽(10)の底面方向に水蒸気が噴き出す
ように配管(3)に設けられた下向きにあいた複数の蒸
気噴出口(4)へと流れ、試験槽(10)内に供給され
る。蒸気発生機(1)には、蒸気発生機に供給する水を
浄化するための水フィルター(6)を設けてある。噴霧
塔の真下には、排気口(14)が設けてある。
【0027】水蒸気が配管(3)を流れると、配管に水
蒸気の熱が伝わり、配管を通して試験槽(10)内に放
熱される。
【0028】図1及び図2に示した実施例1において
は、蒸気配管(3)は筒状であるが、その他の形状であ
っても、放熱媒体の役目をするならば使用してもよい。
【0029】噴霧ミストは試験中300mL/時間の割
合で試験槽に供給される。よって、試験槽内は試験する
間、噴霧ミスト及び蒸気発生機から供給された水蒸気に
より飽和状態となり、相対湿度は98%RH以上であ
る。一方、試験槽内は試験温度である35±2℃に保た
れる。よって、試験槽内温度は外気温より一般に高く、
且つ飽和状態にあるので、試験槽の内壁に結露する。そ
のため、水蒸気を供給しない場合は、噴霧ミストの塩濃
度が上昇してしまい、採取液の比重が、25℃において
1.036以上となって、規定範囲を超えてしまう。し
かし、試験槽の内壁における結露量と同量である水蒸気
を供給することにより、塩濃度の上昇は防止することが
できる。
【0030】温度の面からみると、外気温との温度差に
より、試験槽内の熱は、試験槽の壁を通して外気に放熱
される。そこで、蒸気発生機で水を温め水蒸気とし、温
めた水蒸気を配管に通すことによって、配管の壁を通じ
て熱量を与えるとともに、一部の水蒸気を試験槽内へ噴
出させることによっても熱を与える。
【0031】本発明は、温度と湿度を別々にコントロー
ルするのではなく、互いに関連付けて、言い換えるなら
互いに干渉させて、一緒にコントロールできる構成とな
っている。本出願人らは、一緒にコントロールされた温
度及び湿度を干渉温度及び干渉湿度とも呼ぶ。
【0032】試験槽としては、断熱性のある樹脂からな
る一重槽を用いる。
【0033】実施例1では、蒸気発生機に1kWのヒー
ターを1本使用する。試験槽内の温度が試験温度まで上
昇した後、20秒をヒーターのオン・オフの1クールと
し、5秒間オンにして、15秒間オフにする。そのとき
に、ヒーターから水へ与えられる1時間当りの熱量は、
数1より900kJ/時間である。数1において、Q
(kJ/時間)はヒーターから水へ与えられる1時間当
りの熱量、A(kW)はヒーター容量、a(秒)及びb
(秒)はそれぞれヒーターをオンにする時間、オフにす
る時間である。
【0034】
【数1】
【0035】ヒーターの制御は、試験槽内に差し込んだ
センサーで得た試験槽内温度に基づき、PID制御方法
で行う。
【0036】なお、水フィルター(6)により、蒸気発
生機に供給される水に含まれる不純物が除去されるの
で、余分な熱量を必要としなくてすむ。
【0037】実施例1では、蒸気発生機に、23℃の水
を0.3kg/時間の割合で供給する。100℃におけ
る水の比熱は4.21kJ/kg・Kであるので、供給
した分の水を100℃に温めるのに必要な1時間当りの
熱量は、数2より97kJ/時間である。数2におい
て、Q(kJ/時間)は供給した水を100℃に温め
るのに必要な1時間当りの熱量、y(kg/時間)は供
給する1時間当りの水量、c(kJ/kg・K)は10
0℃における水の比熱である。
【0038】
【数2】
【0039】蒸気発生機は、表面積が0.256m
あり、壁の厚さが15mmで熱伝導率が0.029W/
(m・K)であるステンレスからなるので、外気温が2
3℃のときに、ヒーターから水に与えた熱量のうち、蒸
気発生機の周囲に放熱される逸失熱量は、数3及び数4
から98kJ/時間である。数3において、Q(kJ
/時間)は蒸気発生機の周囲に放熱される1時間当りの
熱量、κ[W/(m ・K)]は蒸気発生機内部から
壁を通じて外気へ移動する熱通過率、F(m )は壁
の表面積、ΔT(K)は蒸気発生機内の温度と外気温
との温度差である。数4において、α[W/(m
K)]は蒸気発生機内の空気の熱伝達率、α[W/
(m・K)]は外気の空気の熱伝達率、L(m)は
壁の厚さ、λ[W/(m・K)]は壁の熱伝導率であ
る。なお、経験的に、αは582W/(m・K)、
αは4.93W/(m・K)であることが分かって
いる。
【0040】
【数3】
【0041】
【数4】
【0042】蒸気発生機で生じた0.3kg/時間の水
蒸気は、蒸気発生機から蒸気導入口、そして配管へと流
れる。その一部は水蒸気として試験槽内に供給され、試
験槽内に熱を与えるとともに湿度を一定に保ち、塩濃度
を一定に保つ役割をする。残りの水蒸気は、配管内で結
露して試験槽内に熱のみ与え、温度を一定に保つ役割を
する。
【0043】一方、実施例1において、試験槽の全表面
積が3.82mであり、厚さが5mmで熱伝導率が
0.163W/(m・K)である塩化ビニル樹脂からな
る試験槽を用いて試験をする場合、外気温が23℃のと
きに35℃で試験している間に試験槽の壁から放熱され
る熱量は、数5及び数6から702kJ/時間である。
数5において、Q(kJ/時間)は試験中に試験槽の
壁を通じて外気に放熱される1時間当りの熱量、κ
[W/(m・K)]は試験槽内部から壁を通じて外
気へ移動する熱通過率、F(m)は壁の表面積、Δ
(K)は試験槽内の温度と外気温との温度差であ
る。数6において、α[W/(m・K)]は試験槽
内の空気の熱伝達率、L(m)は壁の厚さ、λ[W
/(m・K)]は壁の熱伝導率である。なお、経験的
に、αは582W/(m・K)であることが分かっ
ている。
【0044】
【数5】
【0045】
【数6】
【0046】さらに、試験槽内に0.3kg/時間で流
入された35℃の飽和空気が23℃の外気へ排気口から
排気されるために放熱される熱量は、3.6kJ/時間
である。
【0047】よって、試験槽壁からの放熱と排気による
放熱は、ヒーターによって与えられる熱量から蒸気発生
機の壁からの逸失熱量と水の加熱により消費される熱量
を差し引いたもの、つまりは、蒸気発生機より試験槽内
に与えられる熱量とほぼ同じになる。
【0048】したがって、蒸気発生機により試験槽内の
温度は一定に保たれる。
【0049】実施例1において、蒸気配管として、内径
13mm、外径が18mm、全長は1.51mで、熱伝
導率が0.163W/(m・K)である配管を用いる場
合、配管の壁を通じて試験槽内部に放熱される1時間当
りの熱量(kJ/時間)は、配管内温度は100℃、試
験槽内温度は35℃であることから、数7より520k
J/時間である。数7で、Q(kJ/時間)は配管の
壁を通じて試験槽内部に放熱される1時間当りの熱量、
κ[W/(m・K)]は配管内から配管の壁を通じ
て試験槽内に移動する熱通過率、L(m)は配管壁の
全長、ΔT(K)は配管内と試験槽内の温度差であ
る。数8で、r(m)は配管の内径、r (m)は配
管の外径、α[W/(m・K)]は配管内の空気の
熱伝達率、λ[W/(m・K)]は配管壁の熱伝導率
である。なお、経験的に、αは23.3W/(m
K)であることが分かっている。
【0050】
【数7】
【0051】
【数8】
【0052】一方、水分量については、蒸気発生機なし
でヒーターを直接試験槽内に入れるタイプで採取液の塩
濃度が6.6wt%になったことから、0.3kg/時
間の割合で供給される5%塩溶液のうち、水分が0.0
7kg/時間減少していることが分かった。
【0053】蒸気発生機で発生した0.3kg/時間の
水蒸気のうち、配管で結露する分以外は水蒸気として試
験槽内に供給される。
【0054】ここで、配管で結露する1時間当りの水分
量は、100℃における水の凝縮潜熱は2263kJ/
kgであることから、数9より0.23kg/時間であ
る。数9で、K(kg/時間)は結露する1時間当りの
水分量、qは100℃における水の凝縮潜熱である。
【0055】
【数9】
【0056】したがって、試験槽内に供給される水蒸気
は、蒸気発生機で発生させた水蒸気のうち、結露した分
を差し引いて算出される。上記の場合、試験槽内に供給
される水蒸気量は0.07kg/時間となる。
【0057】よって、上記条件のときには、減少した水
蒸気は、蒸気発生機から試験槽へ送られる水蒸気により
補充される。
【0058】図4は、本発明の実施例1及び比較例1の
試験槽温度の経時変化を示す特性図であり、試験槽温度
上昇に要する時間を測定した結果を比較したものであ
る。ここで比較した比較例1は、試験槽を2重槽にして
槽間に水を入れてヒーターで水を加熱する従来のタイプ
である。図5は、温度測定点の位置表示図であり、温度
は、図中のaからeまでの5点で測定した。実施例1で
は、試験槽内部の温度を外気温から試験温度まで上昇さ
せるのに必要な時間は、比較例1より短かった。
【0059】図6は、本発明の実施例2の要部斜視図で
ある。実施例2では、実施例1における蒸気配管の代り
に、蒸気導入口(2)の上方に、当該蒸気導入口より上
方に噴出された水蒸気と接触し、水蒸気の噴出方向を試
験槽下方及び側面方向に向けることができる板(5)を
設ける。板(5)は、試験槽底面に設けられた支え棒に
より保持される。
【0060】板(5)に接触した水蒸気の一部は板の下
面で結露し、試験槽内に放熱する。試験槽内に供給され
た水蒸気が直接試験片に接触しないように、水蒸気の噴
出方向を試験槽下方及び側面方向に向けるようにして構
成されている。
【0061】図7は本発明の実施例3の一部破断して示
す要部斜視図である。実施例3では、実施例2の板の代
りに、底面のない中空の箱(16)を、蒸気導入口の上
方に、当該蒸気導入口より上方に噴出された水蒸気が箱
(16)に接触し、水蒸気の噴出方向を当該試験槽下方
及び側面方向に向けることができるように設ける。
【0062】実施例2及び実施例3においても、試験温
度まで試験槽内の温度を上昇させるのに要する時間は実
施例1と同程度であった。
【0063】図8は、本発明の実施例1、実施例2、実
施例3及び比較例2の噴霧量分布図である。図8(a)
は実施例1の、図8(b)は実施例2の、図8(c)は
実施例3の、図8(d)は比較例2の噴霧量分布図であ
る。比較例2は、試験槽内にヒーターを直接入れる従来
のタイプである。ここで、円の中の数値は、水平採取面
積各80cmに対しての、1時間当りの採取量(mL
/時間)である。
【0064】また、表1は、本発明の実施例1と比較例
2における槽内温度のばらつき、噴霧量平均及び噴霧分
布、採取液塩濃度測定値、並びに、比重測定値及び比重
測定値から算出した塩濃度の比較一覧表である。塩濃度
測定値はデジタル塩濃度計を用いて採取液の塩濃度を測
定した値である。採取液の比重はボーアの比重計を用い
て測定し、25℃における比重に換算した。さらに、比
重から塩濃度を、JIS Z 2371:1994の解
説図2より算出した。
【0065】
【表1】
【0066】実施例1では、採取液の比重測定値及び比
重測定値から算出した塩濃度は、比重測定値が25℃に
おいて、1.029以上1.036以下であることとい
う規定に合致し、比重測定値から算出した塩濃度は、
5.0±0.5wt%、つまり50±5g/Lの範囲内
であった。また、噴霧分布は、1.5±0.5mL/時
間の規定範囲内であった。さらに、温度分布のばらつき
も比較例2より小さかった。一方、比較例2において
は、比重が1.045を超え、比重の測定ができなかっ
た。また、噴霧分布や温度分布とも、実施例1、実施例
2及び実施例3より悪かった。
【0067】なお、比較例1の採取液塩濃度及び比重は
実施例1と同等で、温度のばらつき及び噴霧分布は比較
例2と同等であった。さらに、ヒーター容量について
は、比較例1では3.0kW、比較例2では1.5kW
であるのに対し、実施例1、実施例2及び実施例3では
必要な熱量が少ないので1.0kWですむ。つまり、試
験開始までの時間短縮、温度及び噴霧の均一性、塩濃度
及び比重、並びに必要とする熱量という観点からみる
と、実施例1、実施例2及び実施例3は、従来タイプで
ある比較例1及び比較例2よりも総合的に優れていると
いえる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の塩水噴霧
試験装置においては、蒸気発生機及び蒸気導入口、試験
槽の底面及び/又は側面の方向に向かって水蒸気を噴出
させることができる手段を用いて試験槽内の加温をする
ので、試験槽内の湿度を一定に保ったまま、試験温度を
保つことができる。よって、噴霧ミストの塩濃度を一定
に保ったまま、試験することができる。このため、採取
液の塩濃度及び比重を規定範囲内にすることができる。
また、塩濃度の均一性を向上できる。また、試験槽内の
温度分布の均一性を向上させることができる。従って、
腐食試験の信頼性を向上させることができる。
【0069】また、本発明の塩水噴霧試験装置において
は上記のような構成であるので、迅速に温度上昇させる
ことができ、また、必要な熱量が従来のタイプより少な
い。また、試験槽を2重槽にする必要がなく、試験槽作
製コストが安い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した塩水噴霧試験装置の一構成例
を一部破断して示す概略正面図である。
【図2】本発明の実施例1の試験槽内の要部斜視図であ
る。
【図3】本発明の実施例1の蒸気供給部分の要部斜視図
である。
【図4】本発明の実施例1及び比較例1の試験槽温度の
経時変化を示す特性図である。
【図5】温度測定点の位置表示図である。
【図6】本発明の実施例2の要部斜視図である。
【図7】本発明の実施例3の一部破断して示す要部斜視
図である。
【図8】本発明の実施例及び比較例2の噴霧量分布図で
ある。
【符号の説明】
1 蒸気発生機 2 蒸気導入口 3 蒸気配管 4 蒸気噴出口 5 板 6 水フィルター 7 空気飽和器 8 噴霧ノズル 9 噴霧塔 10 試験槽 11 試験片 12 塩水噴霧試験装置 13 溶液補給タンク 14 排気口 15 採取器 16 箱

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)水蒸気を発生させる蒸気発生機、
    (b)当該蒸気発生機に接続され、試験槽の底部を貫通
    する蒸気導入口、(c)当該試験槽の槽内温度を一定の
    範囲に保持し、且つ採取液の塩濃度を一定範囲内に保つ
    ように、当該蒸気導入口から当該試験槽内へ水蒸気を当
    該試験槽の底面及び/又は側面の方向に向かって噴出さ
    せることができる手段を有することを特徴とする塩水噴
    霧試験装置。
  2. 【請求項2】 当該蒸気導入口から当該試験槽内へ水蒸
    気を当該試験槽の底面及び/又は側面の方向に向かって
    噴出させることができる手段が、当該蒸気導入口を起点
    とし、当該試験槽の底面方向に水蒸気が噴き出すように
    下向き及び/又は当該試験槽の側面方向にあいた複数の
    孔を有する、当該試験槽内下方に設けられた1以上の配
    管であることを特徴とする請求項1記載の塩水噴霧試験
    装置。
  3. 【請求項3】 当該蒸気導入口から当該試験槽内へ水蒸
    気を当該試験槽の底面及び/又は側面の方向に向かって
    噴出させることができる手段が、当該蒸気導入口より上
    方に噴出された水蒸気と接触し、水蒸気の噴出方向を当
    該試験槽の下方及び側面方向に向けることができるよう
    に、当該蒸気導入口の上方に設けられた板又は底面のな
    い箱であることを特徴とする請求項1記載の塩水噴霧試
    験装置。
  4. 【請求項4】 当該蒸気発生機から当該試験槽内へ供給
    される水蒸気量が、当該試験槽内の結露により失われる
    水蒸気量相当であることを特徴とする請求項1から請求
    項3記載の塩水噴霧試験装置。
  5. 【請求項5】 当該蒸気発生機に供給する水を浄化する
    フィルターを有することを特徴とする請求項1から請求
    項3記載の塩水噴霧試験装置。
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