JP2002212421A - ガラスフレーク用集束剤、ガラスフレーク及びポリフェニレンサルファイド樹脂組成物 - Google Patents
ガラスフレーク用集束剤、ガラスフレーク及びポリフェニレンサルファイド樹脂組成物Info
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- JP2002212421A JP2002212421A JP2001005287A JP2001005287A JP2002212421A JP 2002212421 A JP2002212421 A JP 2002212421A JP 2001005287 A JP2001005287 A JP 2001005287A JP 2001005287 A JP2001005287 A JP 2001005287A JP 2002212421 A JP2002212421 A JP 2002212421A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ポリフェニレンサルファイド樹脂に対するガ
ラスフレークの接着性を高め、これにより、初期強度が
高く、耐熱水強度保持率にも優れたガラスフレーク強化
ＰＰＳ樹脂成形品を得る。 【解決手段】 アミノシランカップリング剤、エポキシ
樹脂及びウレタン樹脂を含有するガラスフレーク用集束
剤。この集束剤で処理してなるガラスフレーク。このガ
ラスフレークを配合したポリフェニレンサルファイド樹
脂組成物。
ラスフレークの接着性を高め、これにより、初期強度が
高く、耐熱水強度保持率にも優れたガラスフレーク強化
ＰＰＳ樹脂成形品を得る。 【解決手段】 アミノシランカップリング剤、エポキシ
樹脂及びウレタン樹脂を含有するガラスフレーク用集束
剤。この集束剤で処理してなるガラスフレーク。このガ
ラスフレークを配合したポリフェニレンサルファイド樹
脂組成物。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラスフレーク用
集束剤と、この集束剤で処理してなるガラスフレーク
と、このガラスフレークで補強してなるポリフェニレン
サルファイド（ＰＰＳ）樹脂組成物に係り、特に、ＰＰ
Ｓ樹脂に対する接着性に優れ、ＰＰＳ樹脂に補強材とし
て配合するガラスフレークの集束剤として好適なガラス
フレーク用集束剤と、この集束剤を付着させたガラスフ
レークと、このガラスフレークを配合することにより、
初期強度と耐熱水強度保持率に優れた成形品を得ること
を可能としたＰＰＳ樹脂組成物に関する。
集束剤と、この集束剤で処理してなるガラスフレーク
と、このガラスフレークで補強してなるポリフェニレン
サルファイド（ＰＰＳ）樹脂組成物に係り、特に、ＰＰ
Ｓ樹脂に対する接着性に優れ、ＰＰＳ樹脂に補強材とし
て配合するガラスフレークの集束剤として好適なガラス
フレーク用集束剤と、この集束剤を付着させたガラスフ
レークと、このガラスフレークを配合することにより、
初期強度と耐熱水強度保持率に優れた成形品を得ること
を可能としたＰＰＳ樹脂組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】ＰＰＳ樹脂は、耐熱性、耐薬品性などに
優れた熱可塑性樹脂であるため、これらの優れた特性を
利用して、電気・電子部品、ＯＡ機器、精密機械、自動
車などの成形材料として広く用いられている。従来、Ｐ
ＰＳ樹脂の使用に当たっては、ＰＰＳ樹脂本来の優れた
物性を更に向上させるために、補強材としてガラスチョ
ップドストランドを配合することが行われている。しか
しながら、ガラスチョップドストランドのみの配合で
は、成形品にソリが生じたり、また、耐磨耗性が不足す
るなどの問題があることから、この問題を解決するため
に、ガラスフレークを併用することが提案されている
（特開平６−１２２８２４号公報）。
優れた熱可塑性樹脂であるため、これらの優れた特性を
利用して、電気・電子部品、ＯＡ機器、精密機械、自動
車などの成形材料として広く用いられている。従来、Ｐ
ＰＳ樹脂の使用に当たっては、ＰＰＳ樹脂本来の優れた
物性を更に向上させるために、補強材としてガラスチョ
ップドストランドを配合することが行われている。しか
しながら、ガラスチョップドストランドのみの配合で
は、成形品にソリが生じたり、また、耐磨耗性が不足す
るなどの問題があることから、この問題を解決するため
に、ガラスフレークを併用することが提案されている
（特開平６−１２２８２４号公報）。
【０００３】ところで、ガラスフレークはアスペクト比
（粒径／厚さ）が約２〜１０００の鱗片状ガラスであ
り、複合材の物性（例えば、バリヤー性、剛性、引張強
度、曲げ強度、寸法安定性、ソリ防止など）の改良を目
的として、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂に配合使用され
ている。特に、熱可塑性樹脂にガラスフレークを配合し
た場合には、ガラスフレークの２次元的な補強効果によ
り引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率及び熱変形温度、寸
法精度等が改善され、またバリヤー性も付与され、優れ
た特性を有する樹脂組成物が得られるようになる。この
ようなガラスフレークで強化された樹脂の成形品は、樹
脂の流れ方向の成形収縮率と樹脂の流れに直角な方向の
成形収縮率がほぼ等しいため、成形品のソリが極めて小
さくなる。
（粒径／厚さ）が約２〜１０００の鱗片状ガラスであ
り、複合材の物性（例えば、バリヤー性、剛性、引張強
度、曲げ強度、寸法安定性、ソリ防止など）の改良を目
的として、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂に配合使用され
ている。特に、熱可塑性樹脂にガラスフレークを配合し
た場合には、ガラスフレークの２次元的な補強効果によ
り引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率及び熱変形温度、寸
法精度等が改善され、またバリヤー性も付与され、優れ
た特性を有する樹脂組成物が得られるようになる。この
ようなガラスフレークで強化された樹脂の成形品は、樹
脂の流れ方向の成形収縮率と樹脂の流れに直角な方向の
成形収縮率がほぼ等しいため、成形品のソリが極めて小
さくなる。
【０００４】現在、製品として供給されているガラスフ
レークは、厚さ数μｍ、大きさ（粒径）１０〜４０００
μｍの鱗片状であり、しかも、水分率０．２重量％以下
の乾燥状態にあり、殆どのガラスフレークは互いに接着
することなく分離しており、極めて飛散し易い。
レークは、厚さ数μｍ、大きさ（粒径）１０〜４０００
μｍの鱗片状であり、しかも、水分率０．２重量％以下
の乾燥状態にあり、殆どのガラスフレークは互いに接着
することなく分離しており、極めて飛散し易い。
【０００５】このため、この飛散防止と、樹脂に配合し
たときの樹脂とガラスフレークとの接着性の向上を目的
として、一般には、ガラスフレークに集束剤（サイジン
グ剤）を付着させ、互いに接着して顆粒状としたものが
用いられている。
たときの樹脂とガラスフレークとの接着性の向上を目的
として、一般には、ガラスフレークに集束剤（サイジン
グ剤）を付着させ、互いに接着して顆粒状としたものが
用いられている。
【０００６】従来、このガラスフレーク用集束剤として
は、シラン系カップリング剤や、ウレタン系カップリン
グ剤、エポキシ系カップリング剤が用いられている。
は、シラン系カップリング剤や、ウレタン系カップリン
グ剤、エポキシ系カップリング剤が用いられている。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
集束剤を用いたガラスフレークでは、ＰＰＳ樹脂に対す
る接着性が十分ではないために、得られる成形品の物
性、特に耐熱水強度保持率が小さく、その用途に制約を
受けるという欠点があった。
集束剤を用いたガラスフレークでは、ＰＰＳ樹脂に対す
る接着性が十分ではないために、得られる成形品の物
性、特に耐熱水強度保持率が小さく、その用途に制約を
受けるという欠点があった。
【０００８】本発明は上記従来の問題点を解決し、ＰＰ
Ｓ樹脂との接着性に優れ、初期強度も高く、耐熱水強度
保持率にも優れたガラスフレーク強化ＰＰＳ樹脂成形品
を得ることができるガラスフレーク用集束剤と、この集
束剤を付着させたガラスフレークと、このガラスフレー
クを配合して得られるＰＰＳ樹脂組成物を提供すること
を目的とする。
Ｓ樹脂との接着性に優れ、初期強度も高く、耐熱水強度
保持率にも優れたガラスフレーク強化ＰＰＳ樹脂成形品
を得ることができるガラスフレーク用集束剤と、この集
束剤を付着させたガラスフレークと、このガラスフレー
クを配合して得られるＰＰＳ樹脂組成物を提供すること
を目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明のガラスフレーク
用集束剤は、アミノシランカップリング剤、エポキシ樹
脂及びウレタン樹脂を含有することを特徴とする。
用集束剤は、アミノシランカップリング剤、エポキシ樹
脂及びウレタン樹脂を含有することを特徴とする。
【００１０】本発明では、アミノシランカップリング剤
とエポキシ樹脂とウレタン樹脂とを併用したことによ
り、ガラスフレークのＰＰＳ樹脂に対する接着性を著し
く高めることができ、これにより、初期強度のみなら
ず、耐熱水強度保持率にも優れたＰＰＳ樹脂成形品を提
供することが可能となる。
とエポキシ樹脂とウレタン樹脂とを併用したことによ
り、ガラスフレークのＰＰＳ樹脂に対する接着性を著し
く高めることができ、これにより、初期強度のみなら
ず、耐熱水強度保持率にも優れたＰＰＳ樹脂成形品を提
供することが可能となる。
【００１１】これに対して、アミノシランカップリング
剤とエポキシ樹脂を含有しウレタン樹脂を含有しない集
束剤で処理したガラスフレークでは、アミノシランカッ
プリング剤のみや無処理のガラスフレークの場合に比
べ、ＰＰＳ樹脂成形品の初期強度は向上するものの耐熱
水強度保持率が低い。また、アミノシランカップリング
剤とウレタン樹脂を含有しエポキシ樹脂を含有しない集
束剤で処理したガラスフレークでは十分な初期強度が得
られない。
剤とエポキシ樹脂を含有しウレタン樹脂を含有しない集
束剤で処理したガラスフレークでは、アミノシランカッ
プリング剤のみや無処理のガラスフレークの場合に比
べ、ＰＰＳ樹脂成形品の初期強度は向上するものの耐熱
水強度保持率が低い。また、アミノシランカップリング
剤とウレタン樹脂を含有しエポキシ樹脂を含有しない集
束剤で処理したガラスフレークでは十分な初期強度が得
られない。
【００１２】集束剤中のアミノシランカップリング剤、
エポキシ樹脂及びウレタン樹脂の含有割合は、集束剤の
全固形分重量に対してアミノシランカップリング剤が１
０〜８０重量％、エポキシ樹脂が５〜５０重量％、ウレ
タン樹脂が５〜５０重量％であることが好ましい。
エポキシ樹脂及びウレタン樹脂の含有割合は、集束剤の
全固形分重量に対してアミノシランカップリング剤が１
０〜８０重量％、エポキシ樹脂が５〜５０重量％、ウレ
タン樹脂が５〜５０重量％であることが好ましい。
【００１３】本発明のガラスフレークは、このような本
発明のガラスフレーク用集束剤で処理してなるものであ
る。
発明のガラスフレーク用集束剤で処理してなるものであ
る。
【００１４】このガラスフレークにおいて、集束剤の付
着量はガラスフレーク１００重量部に対して、アミノシ
ランカップリング剤、エポキシ樹脂及びウレタン樹脂の
合計で０．１〜５．０重量部であることが好ましい。
着量はガラスフレーク１００重量部に対して、アミノシ
ランカップリング剤、エポキシ樹脂及びウレタン樹脂の
合計で０．１〜５．０重量部であることが好ましい。
【００１５】このような本発明のガラスフレークは、好
ましくは、集束剤を付着させて顆粒状とする。
ましくは、集束剤を付着させて顆粒状とする。
【００１６】本発明のガラスフレークは、特に、ＰＰＳ
樹脂の補強材として好適である。
樹脂の補強材として好適である。
【００１７】本発明のＰＰＳ樹脂組成物は、このような
本発明のガラスフレークを配合してなるものであり、ガ
ラスフレークの配合量はＰＰＳ樹脂１００重量部に対し
て１０〜７０重量部であることが好ましい。
本発明のガラスフレークを配合してなるものであり、ガ
ラスフレークの配合量はＰＰＳ樹脂１００重量部に対し
て１０〜７０重量部であることが好ましい。
【００１８】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。
する。
【００１９】本発明のガラスフレーク用集束剤は、アミ
ノシランカップリング剤とエポキシ樹脂とウレタン樹脂
の３成分を有効成分とするものであり、通常、アミノシ
ランカップリング剤、エポキシ樹脂及びウレタン樹脂を
所定の濃度で水に添加混合して調製される。
ノシランカップリング剤とエポキシ樹脂とウレタン樹脂
の３成分を有効成分とするものであり、通常、アミノシ
ランカップリング剤、エポキシ樹脂及びウレタン樹脂を
所定の濃度で水に添加混合して調製される。
【００２０】本発明のガラスフレーク用集束剤において
は、アミノシランカップリング剤、エポキシ樹脂及びウ
レタン樹脂の各成分が、集束剤の全固形分重量に対し
て、アミノシランカップリング剤１０〜８０重量％、エ
ポキシ樹脂５〜５０重量％、ウレタン樹脂５〜５０重量
％となるような配合割合で含有されていることが好まし
い。この割合よりもアミノシランカップリング剤又はエ
ポキシ樹脂の配合量が少ないとＰＰＳ樹脂成形品の初期
強度が不十分となり、ウレタン樹脂の配合量が少ないと
同成形品の耐熱水強度保持率が不十分となる。
は、アミノシランカップリング剤、エポキシ樹脂及びウ
レタン樹脂の各成分が、集束剤の全固形分重量に対し
て、アミノシランカップリング剤１０〜８０重量％、エ
ポキシ樹脂５〜５０重量％、ウレタン樹脂５〜５０重量
％となるような配合割合で含有されていることが好まし
い。この割合よりもアミノシランカップリング剤又はエ
ポキシ樹脂の配合量が少ないとＰＰＳ樹脂成形品の初期
強度が不十分となり、ウレタン樹脂の配合量が少ないと
同成形品の耐熱水強度保持率が不十分となる。
【００２１】一般的には、本発明のガラスフレーク用集
束剤は、水を溶媒としてアミノシランカップリング剤濃
度が０．１〜１．５重量％、エポキシ樹脂濃度が０．０
５〜１．５重量％、ウレタン樹脂濃度が０．０５〜１．
５重量％となるように添加混合して調製される。
束剤は、水を溶媒としてアミノシランカップリング剤濃
度が０．１〜１．５重量％、エポキシ樹脂濃度が０．０
５〜１．５重量％、ウレタン樹脂濃度が０．０５〜１．
５重量％となるように添加混合して調製される。
【００２２】なお、本発明のガラスフレーク用集束剤
は、アミノシランカップリング剤、エポキシ樹脂及びウ
レタン樹脂の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、
他の添加剤、例えば、消泡剤、帯電防止剤又は界面活性
剤を含有していても良い。
は、アミノシランカップリング剤、エポキシ樹脂及びウ
レタン樹脂の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、
他の添加剤、例えば、消泡剤、帯電防止剤又は界面活性
剤を含有していても良い。
【００２３】本発明のガラスフレークは、このような本
発明の集束剤で処理したものであるが、集束剤の付着量
が少な過ぎると、集束剤による十分な効果が得られず多
過ぎても不経済であることから、ガラスフレーク１００
重量部に対して有効成分の合計付着量、即ち、アミノシ
ランカップリング剤、エポキシ樹脂及びウレタン樹脂の
合計の付着量で０．１〜５．０重量部となるように付着
させることが好ましい。
発明の集束剤で処理したものであるが、集束剤の付着量
が少な過ぎると、集束剤による十分な効果が得られず多
過ぎても不経済であることから、ガラスフレーク１００
重量部に対して有効成分の合計付着量、即ち、アミノシ
ランカップリング剤、エポキシ樹脂及びウレタン樹脂の
合計の付着量で０．１〜５．０重量部となるように付着
させることが好ましい。
【００２４】ガラスフレークへの集束剤の付着方法とし
ては特に制限はないが、水平振動型造粒機等を用いて、
ガラスフレークに対して集束剤をスプレーしながら振動
造粒した後乾燥させる方法が好ましい。
ては特に制限はないが、水平振動型造粒機等を用いて、
ガラスフレークに対して集束剤をスプレーしながら振動
造粒した後乾燥させる方法が好ましい。
【００２５】なお、本発明のガラスフレークは、集束剤
の付着により顆粒状に造粒したものであることが、その
取り扱い性等の面で好適であるが、必ずしも顆粒状であ
る必要はない。顆粒状のガラスフレークとする場合、平
均厚さ０．５〜２０μｍで平均粒径１０〜２０００μｍ
程度のガラスフレークに集束剤を付着させて、平均粒径
２０〜３０００μｍ程度の顆粒状に造粒することが好ま
しい。
の付着により顆粒状に造粒したものであることが、その
取り扱い性等の面で好適であるが、必ずしも顆粒状であ
る必要はない。顆粒状のガラスフレークとする場合、平
均厚さ０．５〜２０μｍで平均粒径１０〜２０００μｍ
程度のガラスフレークに集束剤を付着させて、平均粒径
２０〜３０００μｍ程度の顆粒状に造粒することが好ま
しい。
【００２６】このような本発明のガラスフレーク用集束
剤及びガラスフレークは、ＰＰＳ樹脂に対する接着性に
優れることからＰＰＳ樹脂用補強材としてのガラスフレ
ーク用集束剤及びガラスフレークとして好適であるが、
何らＰＰＳ樹脂に限定されるものではなく、同様に高い
接着性を得ることができる樹脂であれば、ＰＰＳ樹脂以
外の樹脂にも適用可能である。
剤及びガラスフレークは、ＰＰＳ樹脂に対する接着性に
優れることからＰＰＳ樹脂用補強材としてのガラスフレ
ーク用集束剤及びガラスフレークとして好適であるが、
何らＰＰＳ樹脂に限定されるものではなく、同様に高い
接着性を得ることができる樹脂であれば、ＰＰＳ樹脂以
外の樹脂にも適用可能である。
【００２７】本発明のＰＰＳ樹脂組成物は、ＰＰＳ樹脂
にこのような本発明のガラスフレークを配合したもので
あり、ガラスフレークの配合量はガラス繊維等の他の補
強材等の配合の有無、その配合量等によっても異なる
が、通常の場合、ＰＰＳ樹脂１００重量部に対して１０
〜７０重量部とするのが好ましい。この配合割合が少な
過ぎるとガラスフレークを配合したことによる十分な特
性向上効果が得られず、多過ぎると成形性、その他の物
性に悪影響を及ぼす場合がある。
にこのような本発明のガラスフレークを配合したもので
あり、ガラスフレークの配合量はガラス繊維等の他の補
強材等の配合の有無、その配合量等によっても異なる
が、通常の場合、ＰＰＳ樹脂１００重量部に対して１０
〜７０重量部とするのが好ましい。この配合割合が少な
過ぎるとガラスフレークを配合したことによる十分な特
性向上効果が得られず、多過ぎると成形性、その他の物
性に悪影響を及ぼす場合がある。
【００２８】なお、ＰＰＳ樹脂は特に限定されるもので
はないが、溶融粘度が５００〜２００００ｐｏｉｓｅ
（３００℃、荷重１０ｋｇｆ高化式フローテスターによ
る測定）のものが強度、流動性のバランスの点から好ま
しい。また、数平均分子量が２０００以上、且つ重量平
均分子量が１００００〜６００００程度のものが流動
性、強度のバランスの点から望ましく、この範囲にある
ものであれば、ＰＰＳ樹脂は直鎖型、架橋型いずれでも
良く、その物性を損なわない程度のグラフトタイプ、ブ
ロックタイプ、ランダムタイプ等の他の成分との共重合
体又はエラストマー、重合体等とのアロイも使用するこ
とができる。
はないが、溶融粘度が５００〜２００００ｐｏｉｓｅ
（３００℃、荷重１０ｋｇｆ高化式フローテスターによ
る測定）のものが強度、流動性のバランスの点から好ま
しい。また、数平均分子量が２０００以上、且つ重量平
均分子量が１００００〜６００００程度のものが流動
性、強度のバランスの点から望ましく、この範囲にある
ものであれば、ＰＰＳ樹脂は直鎖型、架橋型いずれでも
良く、その物性を損なわない程度のグラフトタイプ、ブ
ロックタイプ、ランダムタイプ等の他の成分との共重合
体又はエラストマー、重合体等とのアロイも使用するこ
とができる。
【００２９】このような本発明のＰＰＳ樹脂組成物は、
常法に従って成形加工することにより、初期強度や耐熱
水強度保持率を損なうことなく、ガラスフレークを配合
したことによる各種特性の改善効果を有効に得ることが
でき、電気・電子部品、ＯＡ機器、精密機械、自動車な
どの幅広い用途に好適な、初期強度及び耐熱水強度保持
率が共に優れたＰＰＳ樹脂成形品を提供することができ
る。
常法に従って成形加工することにより、初期強度や耐熱
水強度保持率を損なうことなく、ガラスフレークを配合
したことによる各種特性の改善効果を有効に得ることが
でき、電気・電子部品、ＯＡ機器、精密機械、自動車な
どの幅広い用途に好適な、初期強度及び耐熱水強度保持
率が共に優れたＰＰＳ樹脂成形品を提供することができ
る。
【００３０】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
り具体的に説明する。
【００３１】なお、以下において、ガラスフレークとし
ては、平均厚さ５μｍ、平均粒径６００μｍのものを用
いた。また、ＰＰＳ樹脂としては溶融粘度が１０００ｐ
ｏｉｓｅのものを用いた。
ては、平均厚さ５μｍ、平均粒径６００μｍのものを用
いた。また、ＰＰＳ樹脂としては溶融粘度が１０００ｐ
ｏｉｓｅのものを用いた。
【００３２】実施例１ 水にアミノシランカップリング剤（日本ユニカー（株）
製「Ａ１００」）とエポキシ樹脂（フェノールノボラッ
クタイプ）とウレタン樹脂（エーテル系）を混合し、表
１に示す配合のガラスフレーク用集束剤を調製した。
製「Ａ１００」）とエポキシ樹脂（フェノールノボラッ
クタイプ）とウレタン樹脂（エーテル系）を混合し、表
１に示す配合のガラスフレーク用集束剤を調製した。
【００３３】この集束剤をガラスフレークに、アミノシ
ランカップリング剤とエポキシ樹脂とウレタン樹脂との
合計の付着量が表１に示す割合となるようにスプレーで
噴霧することにより付着させて造粒し、平均粒径１００
０μｍの顆粒状のガラスフレークを得た。
ランカップリング剤とエポキシ樹脂とウレタン樹脂との
合計の付着量が表１に示す割合となるようにスプレーで
噴霧することにより付着させて造粒し、平均粒径１００
０μｍの顆粒状のガラスフレークを得た。
【００３４】この顆粒状のガラスフレーク６７重量部を
ＰＰＳ樹脂１００重量部と共に３２０℃で混練してペレ
ットを製造し、このペレットを射出成形することにより
所定形状の成形品を得、各成形品について、下記初期強
度と１２０℃の熱水中に２００時間浸漬した後の耐熱水
強度保持率（初期引張強度に対する熱水浸漬後の引張強
度の割合）を調べ、結果を表１に示した。
ＰＰＳ樹脂１００重量部と共に３２０℃で混練してペレ
ットを製造し、このペレットを射出成形することにより
所定形状の成形品を得、各成形品について、下記初期強
度と１２０℃の熱水中に２００時間浸漬した後の耐熱水
強度保持率（初期引張強度に対する熱水浸漬後の引張強
度の割合）を調べ、結果を表１に示した。
【００３５】［初期強度］ 引張強度：ＡＳＴＭ−Ｄ６３８に準拠して測定 曲げ強度：ＡＳＴＭ−Ｄ７９０に準拠して測定 アイゾット衝撃値：ＡＳＴＭ−Ｄ２５６に準拠して測定
【００３６】比較例１〜３ 集束剤の有効成分及びその付着量を表１に示す割合とし
たこと以外は実施例１と同様にして顆粒状のガラスフレ
ークを得、同様にして成形品の初期強度と耐熱水強度保
持率を調べ、結果を表１に示した。
たこと以外は実施例１と同様にして顆粒状のガラスフレ
ークを得、同様にして成形品の初期強度と耐熱水強度保
持率を調べ、結果を表１に示した。
【００３７】なお、アミノシランカップリング剤のみを
用いた比較例３では、ガラスフレークは顆粒化しなかっ
た。
用いた比較例３では、ガラスフレークは顆粒化しなかっ
た。
【００３８】比較例４ 未処理のガラスフレーク（非顆粒状）をＰＰＳ樹脂に配
合したこと以外は実施例１と同様にして成形品の初期強
度と耐熱水強度保持率を調べ、結果を表１に示した。
合したこと以外は実施例１と同様にして成形品の初期強
度と耐熱水強度保持率を調べ、結果を表１に示した。
【００３９】
【表１】
【００４０】表１より、本発明によれば、初期強度及び
耐熱水強度保持率に優れたガラスフレーク強化ＰＰＳ樹
脂成形品を得ることができることがわかる。
耐熱水強度保持率に優れたガラスフレーク強化ＰＰＳ樹
脂成形品を得ることができることがわかる。
【００４１】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、ガ
ラスフレークのＰＰＳ樹脂に対する接着性、密着性を著
しく高めることができ、このようなガラスフレークを用
いて初期強度及び耐熱水強度保持率に優れたガラスフレ
ーク強化ＰＰＳ樹脂成形品を得ることができる。
ラスフレークのＰＰＳ樹脂に対する接着性、密着性を著
しく高めることができ、このようなガラスフレークを用
いて初期強度及び耐熱水強度保持率に優れたガラスフレ
ーク強化ＰＰＳ樹脂成形品を得ることができる。
Claims (8)
- 【請求項１】 アミノシランカップリング剤、エポキシ
樹脂及びウレタン樹脂を含有することを特徴とするガラ
スフレーク用集束剤。 - 【請求項２】 請求項１において、アミノシランカップ
リング剤、エポキシ樹脂及びウレタン樹脂の含有割合
が、集束剤の全固形分重量に対してアミノシランカップ
リング剤が１０〜８０重量％、エポキシ樹脂が５〜５０
重量％、ウレタン樹脂が５〜５０重量％であることを特
徴とするガラスフレーク用集束剤。 - 【請求項３】 請求項１又は２に記載のガラスフレーク
用集束剤で処理してなるガラスフレーク。 - 【請求項４】 請求項３において、該集束剤の付着量が
ガラスフレーク１００重量部に対して、アミノシランカ
ップリング剤、エポキシ樹脂及びウレタン樹脂の合計で
０．１〜５．０重量部であることを特徴とするガラスフ
レーク。 - 【請求項５】 請求項３又は４において、該集束剤を付
着させて顆粒状としたことを特徴とするガラスフレー
ク。 - 【請求項６】 請求項３ないし５のいずれか１項におい
て、ポリフェニレンサルファイド樹脂の補強材であるこ
とを特徴とするガラスフレーク。 - 【請求項７】 請求項３ないし６のいずれか１項に記載
のガラスフレークを配合してなるポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂組成物。 - 【請求項８】 請求項７において、ポリフェニレンサル
ファイド樹脂１００重量部に対するガラスフレークの配
合量が１０〜７０重量部であることを特徴とするポリフ
ェニレンサルファイド樹脂組成物。
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