JP2002210662A - ブラシ状砥石、バリ取り並びに研磨方法 - Google Patents

ブラシ状砥石、バリ取り並びに研磨方法

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JP2002210662A JP2001007414A JP2001007414A JP2002210662A JP 2002210662 A JP2002210662 A JP 2002210662A JP 2001007414 A JP2001007414 A JP 2001007414A JP 2001007414 A JP2001007414 A JP 2001007414A JP 2002210662 A JP2002210662 A JP 2002210662A
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polishing
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Kenji Kikuzawa
賢二 菊澤
Tadahiro Hashizume
忠広 橋爪
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Taimei Chemicals Co Ltd
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Taimei Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステンレス鋼材からなるワークに対するバリ
取り並びに研磨を好適に行うことのできるブラシ状砥
石、およびバリ取り並びに研磨方法を提供すること。 【解決手段】 ブラシ状砥石1では、複数本の炭化けい
素質長繊維からなる集合糸にバインダー樹脂を含浸、硬
化させた線状体2、またはその複数本が結束され、線状
体2の自由端5で、ステンレス鋼材からなるワークWに
対して、バリ取り並びに研磨加工を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バリ取り並びに研
磨加工用のブラシ状砥石、およびこのブラシ状砥石を用
いたバリ取り並びに研磨方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種部品を成形するための金型等、多数
のワークがステンレス鋼材から構成されている。これら
のワークについては、各種の機械加工の後、バリ取り加
工や表面研磨を行う必要があり、このような加工を行う
ための工具として、従来は、ワイヤーブラシや砥粒入り
ナイロンフィラメントブラシ、アルミナ長繊維を樹脂で
固めたブラシ状砥石が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ワイヤ
ーブラシ、砥粒入りナイロンフィラメントブラシ、アル
ミナ長繊維を樹脂で固めたブラシ状砥石では、研磨能力
が低く、ステンレス鋼材からなるワークに対して、効率
よくバリ取りや研磨を行うことができないという問題点
があった。
【0004】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、
ステンレス鋼材からなるワークに対するバリ取り並びに
研磨を好適に行うことのできるブラシ状砥石、およびバ
リ取り並びに研磨方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明に係るブラシ状砥石は、複数本の炭化けい
素質長繊維からなる集合糸に樹脂を含浸、硬化させた線
状体またはその複数本が結束され、該線状体の自由端
が、ステンレス鋼材からなるワークに対して相対的に移
動することにより当該ワークに対するバリ取り並びに研
磨加工を行うことを特徴とする。
【0006】すなわち、本発明に係るバリ取り並びに研
磨方法では、複数本の炭化けい素質長繊維からなる集合
糸に樹脂を含浸、硬化させた線状体またはその複数本が
結束されたブラシ状砥石の自由端を、ステンレス鋼材か
らなるワークに対して相対的に移動させることにより当
該ワークに対するバリ取り並びに研磨を行うことを特徴
とする。
【0007】本発明において、ブラシ状砥石を構成する
線状体は、炭化けい素質長繊維の集合糸にバインダー樹
脂を含浸、硬化させたものであるため、ワイヤーブラ
シ、砥粒入りナイロンフィラメントブラシ、アルミナ長
繊維を樹脂で固めたブラシ状砥石に比較して、高硬度
で、研磨能力が高い。従って、粘りのあるステンレス鋼
材からなるワークに対して切削、研磨能力が高いため、
ワークのバリ取り並びに研磨を効率よく行うことができ
る。また、炭化けい素質長繊維は、ステンレス鋼材から
なるワークをバリ取り並びに研磨するのに適した硬度を
有しており、これらの材料を加工していくうちに、線状
体自身が適度に摩耗し、新たな面が露出してくる。すな
わち、ワークを好適にバリ取り並びに研磨するには、ワ
ークとブラシ状砥石との間で硬度のバランスがとれてい
る必要があるが、本発明に係るブラシ状砥石と、ステン
レス鋼材との間では、硬度のバランスがよい。それ故、
これらのワークを長期間にわたって効率よくバリ取り並
びに研磨を行うことができ、かつ、その仕上がりも良好
である。
【0008】本発明のブラシ状砥石において、前記線状
体では、前記集合糸がストレートに延びて当該集合糸に
撚りが加えられていないのが一般的であるが、前記集合
糸に撚りが加えられていてもよい。このような撚りを加
えると、線状体の腰がさらに強まるので、ステンレス鋼
材からなるワークに対するバリ取りや研磨を効率よく行
うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図面を参照して、本発明を適用し
たバリ取り並びに研磨用のブラシ状砥石、およびこのブ
ラシ状砥石を用いたバリ取り並びに研磨方法を説明す
る。
【0010】(ブラシ状砥石の構成)図1および図2
は、本発明を適用したブラシ状砥石の一例を示す斜視
図、およびこのブラシ状砥石を用いたバリ取り並びに研
磨方法の一例を示す説明図である。
【0011】図1において、本発明を適用したブラシ状
砥石1では、炭化けい素質長繊維の集合糸にバインダー
樹脂を含浸、硬化させた線状体2を、複数本を結束した
ものである。集合糸として、例えば、繊維径が8〜50
μmの炭化けい素質長繊維、100〜3000本からな
るものを用い、集合糸の径は、0.1mm〜2mmであ
る。
【0012】線状体2としては、通常、集合糸に撚りが
加えられていないものを用い、この集合糸にバインダー
樹脂を含浸、硬化させて線状体2を形成する。また、集
合糸に撚りが加えられた線状体2を用い、この集合糸に
バインダー樹脂を含浸、硬化させて線状体2を形成する
こともある。
【0013】集合糸に含浸、硬化させるバインダー樹脂
としては、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、ポリイミド樹脂、ポリマレイミド樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができ
る。
【0014】炭化けい素質長繊維の集合糸にバインダー
樹脂を含浸、硬化させた線状体2は、いわゆるトウプリ
プレグの製造方法として知られている各種方法で線状プ
リプレグを製造し、この線状プリプレグを硬化させるこ
とによって製造できる。例えば、炭化けい素質長繊維の
ストランドやヤーンからなる集合糸をボビンから引き出
して連続的にエポキシ樹脂等の樹脂バインダーを含浸さ
せ、これを適当な巻き取り機に重なり合わないように巻
き取って乾燥させた後、加熱硬化させて線状体2を得る
方法、あるいは、炭化けい素質長繊維のストランドやヤ
ーンからなる集合糸をボビンから引き出して連続的にエ
ポキシ樹脂等の樹脂バインダーを含浸させ、これを加熱
炉の中を通して加熱硬化させながら、直径80cm程度
のドラムに線状体2を巻き取っていく方法等がある。
【0015】そして、線状体2を所望の長さに切り揃え
た後、数十本から数千本、束ねて一方の端部4をパイプ
3内に挿入し、このパイプ3内などにおいて、線状体2
の一方の端部5を、エポキシ樹脂などのバインダ樹脂等
で接着することにより結束し、ブラシ状砥石1を製造す
る。
【0016】このようにして製造したブラシ状砥石1
は、例えば、図2に示すように、線状体2をパイプ状の
キャップ6内に挿通し、その自由端5を、ステンレス鋼
材からなるワークWの形状に合わせて、数mmから数十
cm程度、露出させて用いる。
【0017】(バリ取り並びに研磨方法)このようなブ
ラシ状砥石1を用いて、ステンレス鋼材からなるワーク
Wに対してバリ取り並びに研磨を行うにあたっては、ま
ず、これらのワークWを作業台上に固定する。
【0018】一方、ブラシ状砥石1については、矢印A
で示すように、線状体2が延びている方向と平行な軸線
L1を中心にしてブラシ状砥石1を回転させながら、ブ
ラシ状砥石1の自由端5をワークWに押し当てることに
より、ワークWに対するバリ取り並びに研磨加工を行
う。この際に、バリを除去すべき領域が狭い場合には、
この状態を所定の時間、維持するが、バリを除去すべき
領域が広い場合には、ブラシ状砥石1を軸線L1と直交
する方向(矢印Cの方向)に移動させて、ワークWにお
いてバリ取りを行うべき全ての領域にブラシ状砥石5を
移動させる。
【0019】その結果、ステンレス鋼材からなるワーク
Wは、ブラシ状砥石1の線状体2によって、切削、研磨
されてバリ取り並びに研磨される。この際、ブラシ状砥
石1を構成する線状体2は、炭化けい素質長繊維の集合
糸にバインダー樹脂を含浸、硬化させたものであるた
め、ワイヤーブラシ、砥粒入りナイロンフィラメントブ
ラシ、アルミナ長繊維を樹脂で固めたブラシ状砥石に比
較して、高硬度で、研磨能力が高い。従って、粘りのあ
るワークWに対しても切削、研磨能力が高いため、ワー
クのバリ取り並びに研磨を効率よく行うことができる。
【0020】また、炭化けい素質長繊維は、ステンレス
鋼材からなるワークWをバリ取り並びに研磨するのに適
した硬度を有しており、これらの材料を加工していくう
ちに、線状体自身が適度に摩耗し、新たな面が露出して
くる。すなわち、ワークWを好適にバリ取り並びに研磨
するには、ワークWとブラシ状砥石1との間で硬度のバ
ランスがとれている必要があるが、本発明に係るブラシ
状砥石1と、ステンレス鋼材との間では、硬度のバラン
スがよい。それ故、これらのワークWを長期間にわたっ
て効率よくバリ取り並びに研磨を行うことができ、か
つ、その仕上がりも良好である。
【0021】このような炭化けい素質長繊維を用いたブ
ラシ状砥石によるバリ取り並びに研磨に適したステンレ
ス鋼材としては、鉄(Fe)以外の合金元素の総量が5
0%を超えない範囲で配合されるクロム(Cr)および
ニッケル(Ni)の含有量の違いによって、オーステナ
イト系、フェライト系、オーステナイト・フェライト
系、マルテンサイト系、析出硬化系、二相ステンレス鋼
の6種類があげられる。
【0022】(評価1)ステンレス鋼材のうち、オース
テナイト系のステンレス鋼材であるSUS303の板材
をワークWとして、ブラシ状砥石1を1800rpmで
回転させながらワークWの表面を研磨したときのワーク
Wの減量、表面粗さ、および表面粗さの最高値をそれぞ
れ評価した結果を、図3、図4および図5に示す。ここ
で、SUS303は、オーステナイト系のステンレス鋼
であり、靭性が高いため、研磨などの加工を行いにく
い。それ故、このSUS303に対して、バリ取り並び
に研磨を良好に行うことができれば、他のステンレス鋼
からなるワークに対して、バリ取り並びに研磨を良好に
行うことができる。
【0023】図3は、各種のブラシ状砥石でワークWを
研磨したときのワーク減量の時間的変化を示すグラフで
あり、このグラフにおいて、減量が大きいほど、ブラシ
状砥石がワークWを切削、研磨する能力が高い。図4お
よび図5はそれぞれ、各種のブラシ状砥石でワークWを
研磨したときの表面粗さの時間的変化、および表面粗さ
の最高値の時間的を示すグラフであり、値が小さいほ
ど、研磨の仕上がり状態がよい。この評価では、本発明
の実施例として、太さが14μmの炭化けい素質長繊維
の集合糸からなる線状体2を用いたブラシ状砥石1によ
って研磨を行った結果を実線L1で示す。また、比較例
として、太さが15μmのアルミナ長繊維の集合糸から
なる線状体により形成されたブラシ状砥石を用いた結果
を点線L2で示し、砥粒入りナイロンブラシを用いた結
果を一点鎖線L3で示す。
【0024】図3に示すように、SUS303からなる
ワークWに対する切削、研磨能力が高いのは、炭化けい
素質長繊維の集合糸からなる線状体2を用いたブラシ状
砥石、アルミナ長繊維の集合糸からなる線状体を用いた
ブラシ状砥石、砥粒入りナイロンブラシの順である。
【0025】また、図4および図5に示すように、SU
S303からなるワークWに対する研磨の仕上がり状態
がよいのは、炭化けい素質長繊維の集合糸からなる線状
体2を用いたブラシ状砥石、アルミナ長繊維の集合糸か
らなる線状体を用いたブラシ状砥石、砥粒入りナイロン
ブラシの順である。
【0026】このように、炭化けい素質長繊維の集合糸
からなる線状体2を用いたブラシ状砥石1は、SUS3
03からなるワークWに対する切削、研磨能力が高く、
かつ、研磨の仕上がり状態もよい。
【0027】(評価2)次に、ステンレス鋼材のうち、
マルテンサイト系のステンレス鋼材であるSUS420
J1の板材(ウッディホルム社製、商品名:STAVA
X)をワークWとして、ブラシ径が42Φ、ブラシの刃
先が13mmのブラシ状砥石1を2400rpmで回転
させながらワークWの表面を3m/minの速度で往復
運動させながらワークWを研磨したときのワークWの減
量、表面粗さ、および表面粗さの最高値をそれぞれ評価
した結果を、図6、図7および図8に示す。ここで、S
US420JIは、マルテンサイト系のステンレス鋼で
あり、樹脂成形金型など、広い分野で使用されている。
【0028】図6は、各種のブラシ状砥石でワークWを
研磨したときのワーク減量の時間的変化を示すグラフで
あり、このグラフにおいて、減量が大きいほど、ブラシ
状砥石がワークWを切削、研磨する能力が高い。図7お
よび図8はそれぞれ、各種のブラシ状砥石でワークWを
研磨したときの表面粗さの時間的変化、および表面粗さ
の最高値の時間的を示すグラフであり、値が小さいほ
ど、研磨の仕上がり状態がよい。この評価では、本発明
の実施例として、太さが14μmの炭化けい素質長繊維
の集合糸からなる線状体2を用いたブラシ状砥石1によ
って研磨を行った結果を実線L1で示す。また、比較例
として、太さが15μmのアルミナ長繊維の集合糸から
なる線状体により形成されたブラシ状砥石を用いた結果
を点線L2で示す。
【0029】図6に示すように、SUS420J1から
なるワークWに対する切削、研磨能力は、アルミナ長繊
維の集合糸からなる線状体を用いたブラシ状砥石と比較
して、炭化けい素質長繊維の集合糸からなる線状体2を
用いたブラシ状砥石の方がはるかに高いことがわかる。
【0030】また、図7および図8に示すように、SU
S420J1からなるワークWに対する研磨の仕上がり
状態は、アルミナ長繊維の集合糸からなる線状体を用い
たブラシ状砥石と比較して、炭化けい素質長繊維の集合
糸からなる線状体2を用いたブラシ状砥石の方が良好で
あるという結果が得られた。
【0031】このように、炭化けい素質長繊維の集合糸
からなる線状体2を用いたブラシ状砥石1は、SUS4
20J1からなるワークWに対しても、切削、研磨能力
が高く、かつ、研磨の仕上がり状態もよい。
【0032】(ブラシ状砥石1の製造方法)このような
ブラシ状砥石1は、例えば、本願出願人が行った特許出
願の特開2000−210847号公報に開示されてい
るような方法で製造することができる。例えば、直径が
10μm〜15μmの炭化けい素質長繊維からなるフィ
ラメント500本を無撚の状態のまま、あるいは撚りを
加えた後、束ねて連続的に巻き取った炭化けい素質長繊
維のストランドのボビンを繊維解除用のクリールにセッ
トし、このボビンからストランドを引き出して、エポキ
シ樹脂(油化シェルエポキシ社製の商品名、エピコート
828を100重量部、三弗化ホウ酸エチルアミンを3
重量部、イミダゾールを0.7重量部、メチルエチルケ
トンを35重量部を含む)にディッピングして、樹脂を
含浸し、次に、絞りローラで余剰な樹脂を除去しなが
ら、連続的に糸巻きに巻き取った後、温風乾燥機内にお
いて、160℃、1時間、加熱して樹脂を硬化させ、細
い針金状の炭化けい素質繊維強化樹脂の成形体(線状体
2)を得る。次に、この成形体を糸巻きから切り取った
後、長さ100mmの線状体2に切り揃える。次に、図
1および図2に示すように、これらの線状体2の一方の
端部4をパイプ3に埋め込んだ後、パイプ3に埋め込ん
だ線状体2の一方の端部4をエポキシ樹脂またはシリコ
ーン樹脂で固定することにより、他方の端部が自由端5
になっているブラシ状砥石1を製造する。
【0033】[その他の実施の形態]なお、表面に深い
凹凸があるワークWに対するバリ取り並びに研磨を行う
際には、図2に示すように、ブラシ状砥石1を回転させ
ながら、矢印B1、B2で示すように、線状体2が延び
ている方向に沿ってブラシ状砥石1を振動させることが
好ましい。
【0034】このような動きを組み合わせると、ワーク
Wの表面に凹凸があっても、矢印B1で示すように、ブ
ラシ状砥石1がワークWに接近する方向に動いたとき、
線状体2の自由端5がワークWに凹部に入り込むので、
ワークWの表面が研磨されるとともに、凹凸の隅々まで
バリ取り、研磨が施される。ここで、ブラシ状砥石1に
用いた炭化けい素質長繊維は、高硬度であるため、切
削、研磨能力が高いが、その分、折れやすい傾向にあ
り、かつ、矢印B1で示すように、ブラシ状砥石1がワ
ークWに接近する方向に動いたとき、線状体2の自由端
5がワークWに対して強く押し当てられ、バリ取り並び
に研磨・切削能力が高まる代わりに、線状体2が大きく
変形することになる。しかしながら、ここに説明した方
法によれば、矢印B1、B2で示す振動に起因する線状
体2の変形は、矢印A、Cで示す動作によって開放され
るので、線状体2の折れが回避される。従って、表面に
凹凸があるワークWのバリ取り、研磨を行ったときで
も、ブラシ状砥石1において線状体2が折れるのを防止
することができるので、凹凸のあるワークWに対するバ
リ取り、並びに研磨を効率よく行うことができ、自動化
することも可能である。
【0035】上記形態では、ブラシ状砥石2として、図
2に示すように、線状体2を1つの束にしたものを用い
たが、図9(A)に示すように、円柱形の本体8Aの下
端面81Aにおいて、複数束の線状体2が下端面81A
の周囲に沿って保持されたもの、図9(B)に示すよう
に、矩形の本体8Bの下端面81Bに複数束の線状体2
が所定の分布をもって歯ブラシ状に保持されたもの、図
9(C)に示すように、円盤状の本体8Cの外周面81
Cに対して、複数束の線状体2が所定の間隔で保持され
たものであってもよい。また、図9(D)に示すよう
に、線状体2そのものが円盤状の本体8Dの外周面81
Dに埋め込まれ、保持されているものであってもよい。
【0036】また、上記実施形態では、ブラシ状砥石1
の自由端5をワークWの表面に沿って移動させるにあた
って、矢印Aで示す回転運動を利用したが、このような
動きに限らず、ブラシ状砥石2の自由端をワークWの加
工面上で、往復動作、あるいはオシレーション動作、さ
らには、これらを組合わせた動きを行わせてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において、
ブラシ状砥石を構成する線状体は、炭化けい素質長繊維
の集合糸にバインダー樹脂を含浸、硬化させたものであ
るため、ワイヤーブラシ、砥粒入りナイロンフィラメン
トブラシ、アルミナ長繊維を樹脂で固めたブラシ状砥石
に比較して、高硬度で、研磨能力が高い。従って、粘り
のあるステンレス鋼材からなるワークに対する切削、研
磨能力が高いため、ワークのバリ取り並びに研磨を効率
よく行うことができる。また、炭化けい素質長繊維は、
ステンレス鋼材からなるワークをバリ取り並びに研磨す
るのに適した硬度を有しているため、これらのワークを
長期間にわたって効率よくバリ取り並びに研磨を行うこ
とができ、かつ、その仕上がりも良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したブラシ状砥石の説明図であ
る。
【図2】本発明を適用したブラシ状砥石を用いたバリ取
り並びに研磨方法を示す説明図である。
【図3】SUS303からなるワークを各種のブラシ状
砥石で研磨したときの減量の時間的変化を示すグラフで
ある。
【図4】SUS303からなるワークを各種のブラシ状
砥石で研磨したときの表面粗さの時間的変化を示すグラ
フである。
【図5】SUS303からなるワークを各種のブラシ状
砥石で研磨したときの表面粗さの最高値の時間的変化を
示すグラフである。
【図6】SUS420J1からなるワークを各種のブラ
シ状砥石で研磨したときの減量の時間的変化を示すグラ
フである。
【図7】SUS420J1からなるワークを各種のブラ
シ状砥石で研磨したときの表面粗さの時間的変化を示す
グラフである。
【図8】SUS420J1からなるワークを各種のブラ
シ状砥石で研磨したときの表面粗さの最高値の時間的変
化を示すグラフである。
【図9】(A)、(B)、(C)、(D)はいずれも、
本発明を適用可能なブラシ状砥石の構造を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 ブラシ状砥石 2 線状体 3 パイプ 4 一方の端部 5 自由端 6 キャップ W ステンレス鋼材からなるワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C058 AA06 AA09 CA01 CA04 3C063 AA07 AB03 AB05 AB09 BA17 BB04 BB11 BC03 EE29

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本の炭化けい素質長繊維からなる集
    合糸に樹脂を含浸、硬化させた線状体またはその複数本
    が結束され、該線状体の自由端が、ステンレス鋼材から
    なるワークに対して相対的に移動することにより当該ワ
    ークに対するバリ取り並びに研磨加工を行うことを特徴
    とするブラシ状砥石。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記線状体では、前
    記集合糸がストレートに延びて当該集合糸に撚りが加え
    られていないことを特徴とするブラシ状砥石。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記線状体では、前
    記集合糸に撚りが加えられていることを特徴とするブラ
    シ状砥石。
  4. 【請求項4】 複数本の炭化けい素質長繊維からなる集
    合糸に樹脂を含浸、硬化させた線状体またはその複数本
    が結束されたブラシ状砥石の自由端を、ステンレス鋼材
    からなるワークに対して相対的に移動させることにより
    当該ワークに対するバリ取り並びに研磨を行うことを特
    徴とするバリ取り並びに研磨方法。
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