JP2002208596A - シリコン単結晶ウエハ - Google Patents

シリコン単結晶ウエハ

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JP2002208596A
JP2002208596A JP2001001298A JP2001001298A JP2002208596A JP 2002208596 A JP2002208596 A JP 2002208596A JP 2001001298 A JP2001001298 A JP 2001001298A JP 2001001298 A JP2001001298 A JP 2001001298A JP 2002208596 A JP2002208596 A JP 2002208596A
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silicon single
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concentration
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JP2001001298A
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Ryuji Takeda
隆二 竹田
Yasutoshi Takamori
康利 高森
Toshiro Minami
俊郎 南
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Coorstek KK
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Toshiba Ceramics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 従来のIG法による弊害が回避され、ゲッタ
リング効果を良好に発揮できるシリコン単結晶ウエハを
提供すること、デバイス形成側面の表層には不純物や結
晶歪みがほとんど存在せず、しかも強度特性、電気抵抗
特性等の諸特性を損なうことなくウエハ内部(バルク)
にゲッタリングサイトが密に存在するシリコン単結晶ウ
エハを提供すること。 【解決手段】 シリコン単結晶ウエハは、酸素濃度が
0.5×1018atoms/cm3以上で、ドーパントを1.0
×1012atoms/cm3 以上の濃度で含み、結晶格子歪みが
1×10-9〜2×10-5(原子単位)の範囲にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子製造用
の高品位なシリコン単結晶ウエハに関し、より詳細に
は、重金属等のゲッタリング性能に優れ、しかも結晶格
子歪みが過大でないため、半導体素子形成用ウエハとし
ての諸特性に優れたシリコン単結晶ウエハ、および、バ
ルク内部に比べデバイスを形成する表層部の結晶歪みが
小さく、かつその表面が清浄化されたシリコン単結晶ウ
エハに関する。
【0002】
【従来の技術】IC、LSI,ULSI等の集積回路製
造プロセスにおける清浄化技術は、近年著しく進歩して
いるが、工程数の増加や新プロセスの導入等により、そ
の処理工程途中におけるウエハの重金属汚染を避けるこ
とができないのが現状である。重金属等の不純物汚染に
対しては、洗浄、その他の清浄化技術が重要であること
はもちろんであるが、それを補うものとしてゲッタリン
グ技術がある。
【0003】ゲッタリング技術は、汚染等によりウエハ
中に進入した不純物金属をデバイスを形成するウエハの
素子活性領域以外の部分(例えば、ウエハのバルク内部
や裏面側)に吸収捕獲(ゲッタ)することで、素子活性
領域から不純物重金属を拡散除去してその清浄度を高
め、重金属およびそれに起因する結晶欠陥によるデバイ
ス特性への悪影響を低減する技術である。したがって、
ゲッタリングウエハは重金属等の不純物を吸収捕獲する
ためのソース(ゲッタリングサイト)を備え、このゲッ
タリングサイトの種類によりイントリンシックゲッタリ
ング(IG法)とエクストリンシックゲッタリング(E
G法)とに分けられる。
【0004】エクストリンシックゲッタリング(EG
法)は、ウエハの外部、例えば、ウエハの裏面に損傷や
多結晶膜などを意図的に設け、その結果生ずる歪み場に
重金属等の不純物を吸収して捕獲するものである。一
方、イントリンシックゲッタリング(IG法)は、シリ
コンウエハの内部に分布された高密度の微少欠陥をゲッ
タリングサイトとするもので、チョクラルスキー法(C
Z法)で引き上げたシリコン単結晶ウエハの場合、その
多くはウエハのバルク中に存在する酸素析出物であり、
厳密には、その酸素析出物により発生する格子歪み場で
ある。
【0005】即ち、CZ法で引き上げられたシリコン単
結晶中には格子間酸素が過飽和に存在するが、この格子
間酸素は熱処理工程中にSiと反応してSiO2 となり
析出する。この時、SiからSiO2 への変態により約
2倍体積膨張し、余分なSiは格子間Siとして放出さ
れ、転位や積層欠陥が結晶内に二次欠陥として形成され
る。このような酸素の析出物をBMD(Bulk Micro-Def
ect )と呼び、既に述べた通り、IG法ではこのBMD
がゲッタリングサイトとなる。
【0006】IG法はEG法に比べてプロセス中でのゲ
ッタリング能力の持続性が高いことが特徴とされ、最近
では多く用いられるようになっている。しかし、当然の
ことながら、IG法では、ウエハの内部に酸素析出物
(BMD)による格子歪み場をある程度以上確保する必
要があるが、この格子歪みの内在は、それが過大である
と、結晶的に強度低下を招来すると共にBMDは当然結
晶欠陥発生源として働く。
【0007】また、BMDは小数キャリアの発生・再結
合中心として働くため、もしBMDがデバイスを形成す
る表層中に導入されると接合リークの原因となる。BM
Dの種類や存在密度(分布状態)等は、結晶中に含まれ
ている酸素以外の他の微量成分および結晶育成時に導入
された析出核、BMD形成時の熱処理条件等に大きく影
響されることも定性的に知られている。
【0008】したがって、IG法では、上記弊害を回避
して、ゲッタリング効果を良好に発揮させるには、酸素
濃度や他微量成分の存在量、分布状態等を適切にコント
ロールし、かつ、結晶熱履歴を正確に管理することが求
められる。特に、最近では、デバイス形成工程での処理
が低温化される傾向にあり、不純物金属のゲッタリング
サイトへの完全な取り込みが難しくなる傾向にあり、こ
の点からもより厳密な条件設定、管理が求められてい
る。一方、従来からCZ法では、主としてウエハの酸素
析出物密度や抵抗値をコントロールする目的で、例え
ば、微量のホウ素、リン、アンチモン等をドーパントと
してドープすることを行っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これらドーパントの添
加量は前記IGウエハにおける内部歪み場の生成状態に
影響を及ぼすものと考えられるが、意外なことに、従
来、ドーパント量と結晶格子歪みの関係についてはあま
り着目されず、少なくともそれらの定量的関係について
はほとんど解明がなされていなかった。上記のような事
情もあり、従来は、IG法での上記弊害を回避し、良好
なゲッタリング効果を有効に発揮させる適正条件の把握
が充分になされているとは言い難かった。
【0010】本発明者らは、上記背景に基づき、良好な
ゲッタリング効果を得るための条件、特に、ドーパント
量との関係に着目して鋭意検討した結果、結晶格子の歪
み程度が特定範囲内にある時に、前記良好なゲッタリン
グ効果が得られること、および、これにはドーパントを
特定範囲濃度に制御することが重要であることを見出
し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0011】本発明の第1の目的は、従来のIG法によ
る弊害が回避され、ゲッタリング効果を良好に発揮でき
るシリコン単結晶ウエハを提供することにある。本発明
の第2の目的は、デバイス形成側面の表層には不純物や
結晶歪みがほとんど存在せず、しかも強度特性、電気抵
抗特性等の諸特性を損なうことなくウエハ内部(バル
ク)にゲッタリングサイトが密に存在するシリコン単結
晶ウエハを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るためになされた第1の本発明によれば、酸素濃度が
0.5×1018atoms/cm3 以上で、ドーパントを1.0
×1012atoms/cm3 以上の濃度で含み、結晶格子歪みが
1×10-9〜2×10-5(原子単位)の範囲であること
を特徴とするシリコン単結晶ウエハが提供される。
【0013】ここで、前記ドーパントがホウ素、リン、
アンチモン、ヒ素、スズ、ゲルマニウム、炭素、窒素か
ら選ばれた少なくとも一種であることが望ましい。ま
た、前記ドーパントの濃度が1.0×1012〜2.0×
1018atoms/cm3 の範囲内にあることが望ましい。更
に、前記ドーパントが窒素であり、濃度が1.0×10
12〜1.0×1014atoms/cm3 の範囲にあることが望ま
しい。
【0014】上記技術的課題を解決するためになされた
第2の本発明によれば、酸素濃度が0.5×1018atom
s/cm3 以上で、ホウ素、リン、アンチモン、ヒ素、ス
ズ、ゲルマニウム、炭素から選ばれた少なくとも一種の
ドーパントを1.0×1013〜2.0×1018 atoms/c
m3の濃度範囲で含有したシリコン単結晶に、窒素を1.
0×1013〜2.0×1018 atoms/cm3の濃度範囲でド
ープし、更に、還元性ガスまたは不活性ガス、あるいは
両者の混合ガス雰囲気下、1000℃以上で高温処理
し、表面の窒素濃度を1.0×1013atoms/cm3 以下、
結晶格子歪みを該ウエハ表面から20μmの深さで2×
10-6(原子単位)以下としたことを特徴とするシリコ
ン単結晶ウエハが提供される。
【0015】ここで、前記高温処理における雰囲気ガス
が、水素、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオンから選ば
れた少なくとも一種であることが望ましい。また、前記
高温処理温度が1000〜1350℃であり、雰囲気ガ
スが水素ガスであることが望ましい。
【0016】第1の本発明にかかるシリコン単結晶ウエ
ハは、シリコン単結晶ウエハの内部バルク部分の格子歪
みが1×10-9〜2×10-5(原子単位)の範囲であ
り、ドーパントを1.0×1012atoms/cm3 以上、好適
には、1×1012〜2×1018atoms/cm3 の特定濃度範
囲で含む点に構成上の特徴を有するものである。シリコ
ン結晶中にドーパント入れると、シリコン(Si)の格
子に圧縮や引張り応力が発生し、ドープした元素の種類
と量に対応して歪みが生ずる。後述する実施例からも明
らかなように、CZ法シリコン単結晶ウエハで、ドーパ
ントのドープ量を上記特定範囲内に制御してウエハの内
部バルクの格子歪みを上記範囲とした場合にのみウエハ
は良好なゲッタリング性能を有する。
【0017】そして上記の発明において、好適なドーパ
ントは、ホウ素、リン、アンチモン、ヒ素、スズ、ゲル
マニウム、炭素、窒素から選ばれた少なくとも一種であ
る。特に、窒素は、酸素や他のドーパントに比べて当量
当たりのSi結晶の歪み度合い(収縮係数)が絶対値と
して非常に大きく、しかも、高温での拡散速度が酸素に
比べて速いため、熱処理時にウエハ表層から容易に外拡
散し、更に、ドープ量(濃度)を正確かつ容易に調節で
きる等の多くの利点があるため最も好適である。
【0018】また、第2の本発明にかかるシリコン単結
晶ウエハは、窒素以外のドーパント、即ち、ホウ素、リ
ン、アンチモン、ヒ素、スズ、ゲルマニウム、炭素から
選ばれた少なくとも一種を1.0×1013〜2.0×1
18 atoms/cm3の濃度範囲でドープしたシリコン単結晶
に、更に、窒素を1.0×1013〜2.0×1018 ato
ms/cm3の濃度範囲でドープし、このウエハを、水素等の
還元性ガス、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等の不
活性ガス、または還元性ガスと不活性ガスの混合ガスの
雰囲気下、1000℃以上、好ましくは1000〜13
50℃で高温処理し、表面の窒素濃度を1.0×1013
atoms/cm3 以下、結晶格子歪みが該表面から20μmの
深さで2×10-6(原子単位)以下とした点が構成上の
特徴である。このシリコン単結晶ウエハは、デバイスを
形成する表層には不純物や結晶歪みがほとんどなく、バ
ルクにはゲッタリングサイトが密に存在するIGウエハ
として特に好適な態様のものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、第1、第2の本発明を図
に基づいて、詳細に説明する。第1の本発明にかかるシ
リコン単結晶ウエハは、酸素濃度が、old ASTM試験規格
で、0.5×1018atoms/cm3 以上であり、ドーパント
を1.0×1012atoms/cm3 以上の濃度で含み、かつ、
結晶格子歪みが、原子単位で1×10-9〜2×10-5
範囲にあるCZ法単結晶インゴットから製作されたもの
である。工業的に製造されるCZ法シリコン単結晶中の
酸素濃度は、通常0.5×10 18〜1×1018atoms/cm
3 であるため、酸素濃度に関する限り特に制限されるも
のではない。
【0020】また、用いられるドーパントとしては、こ
れも通常ドーパントとして使用されるものを特に限定さ
れることなく使用することができ、ホウ素、リン、アン
チモン、ヒ素、スズ、ゲルマニウム、炭素、窒素、及び
これらの2種以上の併用を例示することができる。これ
らの内でも本発明においては、特に窒素の使用が好まし
いが、これについては後に詳細に述べる。
【0021】第1の本発明にかかるシリコン単結晶ウエ
ハにおいては、ドーパントを1.0×1012atoms/cm3
以上、好ましくは1×1012〜2×1018atoms/cm3
濃度範囲内でドープし、これによりウエハ内部のバルク
におけるシリコン単結晶の格子歪みを1×10-9〜2×
10-5(原子単位)の範囲にコントロールする。
【0022】後記の実施例にも示したとおり、上記ドー
パント、特に窒素を、本発明で規定した特定濃度範囲で
ドープし、ウエハのバルク単結晶の格子歪みを1×10
-9〜2×10-5(原子単位)の範囲としたものは、例え
ばNi等の重金汚染属に対して優れたゲッタリング能力
を発揮する。一方、格子歪みが上記下限を下回るもの
は、ゲッタリング性能が乏しく、上限を上回るものは結
晶的に強度が充分でなく(すべり転位等の結晶欠陥を生
じやすい)、表層に形成したデバイスにも欠陥が残留し
やすい等の欠点を有し、いずれの場合にも好ましくな
い。
【0023】次に、図1〜3を参照しながら更に詳細に
説明する。不純物を含まない純粋なシリコン単結晶(格
子定数5.43010 Å)中にドーパントとして不純物元素を
入れると、シリコン(Si)の格子に圧縮や引っ張り応
力が発生する。この状態は、不純物を含まない純粋シリ
コン単結晶(完全結晶)と各種ドーパントを種々の濃度
でドープしたシリコン単結晶(不完全結晶)との精密格
子定数を夫々測定しこれらを比較することにより明瞭に
知ることができる。
【0024】このような格子定数の精密測定には、例え
ば、X線回折法(ボンド法:bond法)を用いることがで
きる。ボンド法は、シリコンなどのような完全結晶の絶
対格子定数の計測に用いられる方法であって、図1は、
この方法により求めた格子定数値を用いて作製された線
図である。この図1は、酸素を含めた各種ドーパントの
ドープ濃度(atoms/cm3 )と夫々の場合のSiの精密格
子定数(Å)との関係を示している。なお、図1の格子
定数は、X線波長0.154nm (ターゲット:Cu)、加速
電圧20kV、加速電流30mA、の測定条件下に(4
00)反射を用いて回折強度が最大となる角度(ブラッ
ク角)から求めたものである。
【0025】ちなみに、ブラック角(θB )から、ドー
パントを含む結晶の格子歪み(ε)を求めるには、ま
ず、夫々の結晶について、ブラックの式(1)を用いて
格子面の面間隔(d)を求め、 2dsinθB =nλ…(1) 面間隔(d)から夫々の格子定数を算出する。
【0026】そして、不純物を含まないシリコンの格子
定数(a0 )とドーパントを含むシリコンの格子定数
(ai )から、次式(2)により格子歪み(ε)を求め
る。 ε=(a0 ーai )/a0 =βC…(2) なお、Cはドーパント濃度、βは収縮係数と呼ばれる係
数である。図1に示した各種ドーパントの各ドープ濃度
における夫々のシリコン結晶の精密格子定数から上記方
法で各ドープ結晶の各濃度での格子歪みを算出すると図
3のようになる。図3において、格子歪みはマイナス
(収縮)のものもプラス(膨張)ものも存在するが、線
図では歪みを絶対値として表示している。
【0027】一方、後述の実施例に明瞭に示されている
ように、ドーパントを含むCZ法シリコン単結晶ウエハ
は、その内部バルク部分の結晶格子歪みが1×10-9
2×10-5原子単位の範囲であるとき、良好なゲッタリ
ング効果を示し、デバイス形成表層の状態も良好で、か
つウエハ強度も低下しない。従って、図3から、ホウ
素、リン、アンチモン、ヒ素、スズ、ゲルマニウム、炭
素、窒素等のドーパント濃度は1.0×1012〜2.0
×1018atoms/cm3 の範囲内にあるのが好適であること
が判る。
【0028】次に、本発明において特に好適なドーパン
トとして挙げることのできる窒素について述べる。図
1、図3に示されているように、ドーパントとして窒素
は、濃度が1×10 12から1×1014atoms/cm3 の低濃
度範囲で酸素、炭素、ホウ素等の他種ドーパントと同等
の格子歪みを示す。また、窒素は酸素と同様シリコンの
格子定数を大きくする方向(膨張)に作用する。通常、
例えば、炭素やホウ素などシリコン(Si)より原子番
号の小さい元素は、共有結合半径が小さく、格子定数を
小さくする。一方、アンチモン(Sb)やスズ(Sn)
のような大きい原子番号の元素は、共有結合半径が大き
く格子間隔を押し広げる。これら元素はいずれも、シリ
コン単結晶の置換位置に入り、結合する。
【0029】一方、酸素に注目してみると、原子半径が
シリコンよりも小さいにもかかわらず、シリコンの格子
定数を大きくする作用をしている(図1、図2参照)。
また、酸素はシリコン単結晶中で格子間位置に、格子間
酸素として単原子でない状態で存在していることが知ら
れている。ここで、窒素について見ると、共有半径が異
常に大きくなり(図2参照)、置換位置にあるとは考え
られない。つまり、窒素は酸素同様シリコン単結晶中で
は格子間位置に存在し、単原子でない状態で存在すると
結論付けられる。従って、窒素は、ドーパントの結晶格
子歪み生成のメカニズムにおいては酸素とほぼ同様に挙
動し、しかも、その効果は酸素に比較して大きい(共有
結合半径が、酸素1.48に対して窒素は18.7、図
2参照)。
【0030】窒素ドーパントの場合、ドーパント濃度を
他のドーパントに比べて4桁以上低くしてもほぼ同等の
結晶格子歪みを発現させることができる。即ち、ウエハ
に前記1×10-9〜2×10-5原子単位の結晶格子歪み
を生じさせるには、ドープ濃度が、1.0×1012
1.0×1014atoms/cm3 の低濃度で足りる。そのため、
ドーパント等の不純物元素が多く混入することによるウ
エハの素子形成性能阻害を回避でき好適である。
【0031】次に、第2の本発明にかかるシリコン単結
晶ウエハについて述べる。このシリコン単結晶ウエハ
は、窒素とそれ以外のドーパントを共に夫々特定濃度範
囲でドープしたチョクラルスキー法(CZ法)シリコン
単結晶を、更に、還元性ガス、不活性ガス等の雰囲気
下、1000℃以上で高温処理し、表面の窒素濃度を
1.0×1013atoms/cm3 以下、結晶格子歪みを表面か
ら20μmの深さで2×10-6(原子単位)以下とした
ものである。窒素やその他のドーパントが該シリコン単
結晶ウエハの内部バルク部分で奏する結晶格子歪み生成
のメカニズムは、前記第1の発明のウエハで述べたのと
同様である。
【0032】この本発明にかかるウエハでは、窒素がド
ーピングされた後に、該ウエハは水素等の還元性ガス、
または、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等の不活性
ガス、あるいはこれらのガスの二種以上の混合ガスの雰
囲気下で1000℃以上、より好ましくは、1000〜
1350℃の温度で、通常0.1〜4時間、高温処理さ
れる。この時、シリコン単結晶ウエハ中の窒素はシリコ
ン単結晶ウエハの表面から外へ拡散する。酸素も同様に
拡散するが、窒素の拡散係数は酸素の拡散係数に比べて
3桁程度大きく、同一条件では窒素は酸素よりずっと速
く拡散する。その結果シリコン単結晶ウエハの表層部の
窒素濃度は低下する。
【0033】図4に、上記窒素ドープされたシリコン単
結晶ウエハを水素雰囲気中で、1200℃、1時間処理
した時の表面から深さ方向の残留窒素濃度の分布を線図
として示す。このように、例えば、熱処理前のウエハ中
の窒素濃度が1×1015atoms/cm3程度であった場合、
上記水素アニール処理後の表層窒素濃度は分析検出限界
(SIMS(二次イオン質量分析法)法では、約1×1
13atoms/cm3 以下)以下となる。
【0034】また、この時のウエハの深さ方向結晶格子
歪み分布は、これも図4に線図として示したように、窒
素等の不純物濃度に対応して増加あるいは減少し、表面
から表層を経て内部バルクに行くに従い格子歪みの程度
が増加する。このように第2の本発明にかかるシリコン
単結晶ウエハは、デバイスを形成するウエハの表層(素
子活性領域層)がほぼ無欠陥層で、しかも、内部バルク
には適正な密度のゲッタリングサイトが形成されるので
半導体製造用のシリコン単結晶ウエハとして極めて好適
である。
【0035】
【実施例】「実施例1」ホウ素を1.34×1015atom
s/cm3 の濃度でドープした直径200mmのCZ〈10
0〉シリコン単結晶ウエハ(比較例品1)、前記と同じ
CZウエハを、水素雰囲気中、1200℃で1時間アニ
ーリング熱処理したHiウエハ(比較例品2)、ドーパ
ント(ホウ素)濃度が1.34×1015 atoms/cm3のC
Zウエハに、窒素を4×1013 atoms/cm3の濃度で更に
ドープし、これをを水素雰囲気中、1200℃で1時間
アニーリング熱処理したウエハ(本発明品)をそれぞれ
用意した。
【0036】これらの各ウエハに対して、Ni汚染を施
し、1000℃の回復熱処理を実施し、発生ライフタイ
ム(Generation Lifetime )の回復をモニタした。Ni
の汚染は、NH4 OHとH22 の混合液にNiClを
滴下し、約60℃に温めた後、各ウエハをこの液中に約
1時間浸し、数秒間水洗いした後、回転乾燥機にて乾燥
させて行った。この時のNiのシリコン単結晶ウエハ表
面への汚染量は、5〜6×1012atoms/cm2 (ICP-MS)
であった。
【0037】これらのNi汚染各ウエハに対して、10
00℃(アルゴン雰囲気中)で50分から9時間までの
熱処理を行い、その後、各シリコン単結晶ウエハの表面
上に45nmの酸化膜を形成し、400nm厚さのアル
ミ電極(3.14mm2 )を形成した(MOS構造)。これら
のMOS構造に対して、C−t特性を測るため、5Vの
パルス状電圧を加えた。この条件では、空乏層(無欠陥
層)が約2.5μmほど伸びる。即ち、表面より2.5
μmの領域の完全性(欠陥、重金属などが無い状態)を
評価することができる。その結果を図5に示した。
【0038】図5より、通常のCZウエハである比較例
品1では、熱処理をいくら加えても、発生ライフタイム
の回復が視られないが、水素アニールした比較例品2の
ウエハでは、回復が認められ、更に窒素ドープがなされ
たCZウエハに高温アニールを行った本発明品では更に
強い回復が認められた。
【0039】
【発明の効果】本発明にかかるシリコン単結晶ウエハ
は、窒素等のドーパント不純物を特定濃度でド−プし
て、結晶格子歪みが所定の範囲になるように構成したこ
とにより、優れた重金属不純物ゲッタリング性能を有す
る。また、窒素とそれ以外のドーパントとを併せて夫々
特定濃度でド−プしたシリコン単結晶に、還元性ガス、
または不活性ガス雰囲気下、特定温度で高温処理した本
発明にかかるシリコン単結晶ウエハは、デバイスを形成
する表層が、極めて清浄な表面を有する無欠陥層とな
り、他方、内部のバルクにはゲッタリングサイトが密に
分布する半導体製造用として極めて好適なシリコン単結
晶ウエハとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、各種ドーパントの濃度とSiの結晶格
子定数の関係を示した図である。
【図2】図2は、ドーパント元素の原子番号と共有結合
半径との関係を示す図である。
【図3】図3は、各種ドーパントの濃度とSi結晶の格
子歪みとの関係を示した図である。
【図4】図4は、水素アニール後のウエハの深さ方向の
格子歪み変化を示した図である。
【図5】図5は、Ni金属汚染した各種ウエハの発生ラ
イフタイムの変化を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南 俊郎 新潟県北蒲原郡聖籠町東港6丁目861番5 号 新潟東芝セラミックス株式会社内 Fターム(参考) 4G077 AA02 AB01 BA04 CF10 EB01 FB03 FE05 FE11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素濃度が0.5×1018atoms/cm3
    上で、ドーパントを1.0×1012atoms/cm3 以上の濃
    度で含み、結晶格子歪みが1×10-9〜2×10-5(原
    子単位)の範囲であることを特徴とするシリコン単結晶
    ウエハ。
  2. 【請求項2】 前記ドーパントがホウ素、リン、アンチ
    モン、ヒ素、スズ、ゲルマニウム、炭素、窒素から選ば
    れた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1記
    載のシリコン単結晶ウエハ。
  3. 【請求項3】 前記ドーパントの濃度が1.0×1012
    〜2.0×1018atoms/cm3 の範囲内にあることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載のシリコン単結晶
    ウエハ。
  4. 【請求項4】 前記ドーパントが窒素であり、濃度が
    1.0×1012〜1.0×1014atoms/cm3 の範囲にあ
    ることを特徴とする請求項3に記載のシリコン単結晶ウ
    エハ。
  5. 【請求項5】 酸素濃度が0.5×1018atoms/cm3
    上で、ホウ素、リン、アンチモン、ヒ素、スズ、ゲルマ
    ニウム、炭素から選ばれた少なくとも一種のドーパント
    を1.0×1013〜2.0×1018 atoms/cm3の濃度範
    囲で含有したシリコン単結晶に、窒素を1.0×1013
    〜2.0×1018 atoms/cm3の濃度範囲でドープし、更
    に、還元性ガスまたは不活性ガス、あるいは両者の混合
    ガス雰囲気下、1000℃以上で高温処理し、表面の窒
    素濃度を1.0×1013atoms/cm3 以下、結晶格子歪み
    を該表面から20μmの深さで2×10-6(原子単位)
    以下としたことを特徴とするシリコン単結晶ウエハ。
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