JP2002205243A - 回転工具による加工方法 - Google Patents
回転工具による加工方法Info
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Abstract
摩耗発生を抑えることができる加工方法の提供。 【解決手段】 回転工具が閉ループ線上を移動し、か
つ、所定の切込量ずつ加工進行方向にずらして加工する
プログラムにおいて、該閉ループ線上のうち加工してい
る部分を回転工具が移動する場合は、回転工具の先端部
が既加工面に接するようにし、加工していない部分を移
動する場合は、工具先端部を既加工面に接しないよう若
干の逃がし量を付与しZ軸方向に逃げるようにした回転
工具経路をプログラムする。
Description
工具を備えた数値制御工作機械による金型等の加工方法
に関する。
曲線状軌跡あるいはトロコイド軌跡等を描かせ、この軌
跡を回転工具の進行方向にずらせて加工面を所定域に拡
大することにより進められることが多い。図5は従来技
術における回転工具の閉ループ線経路を示す経路説明
図、図6(a)は加工物を加工している時の状態図、
(b)は加工物を加工していない時の状態図である。こ
こで閉ループ線とは円形、長円形、楕円形、トロコイド
曲線等の滑らかな曲線で結ぶようにした線をいう。
しくは曲線と直線を組み合わせた閉ループ線Li-1 上を
移動し、閉ループ線Li-1 上の終点Bi-1 に到達したら
加工進行方向へ切込量Pだけずらした閉ループ線Li 上
の始点Bi へ移動し、続いて閉ループ線Li 上を移動す
るという動作を繰り返すことにより所望の加工面を形成
する加工方法を示している。図中、回転工具Tが加工物
Wを加工している経路Li Aを実線で、回転工具Tが加
工物Wを加工しないない経路Li Bを破線で示してい
る。
(a)に示すように、回転工具Tが加工物Wに対し加工
進行方向へ切込量Pだけ切り込んだ状態で加工しながら
移動する。一方、図5の破線で示した経路Li Bでは、
図6(b)に示すように、回転工具Tの先端部が既に加
工した面を擦過する状態で移動する。このように、回転
工具Tの中心が閉ループ線L上を移動し、かつ、この閉
ループ線Lが加工進行方向にずれていくように回転工具
Tを移動させることにより、加工物Wを加工するように
した結果、振動の発生が抑えられ、また切削負荷が少な
い加工であるため、剛性の低い工作機械や回転工具でも
効率的な加工ができるようになった。
工が可能となった背景には加工距離が増加しても高速送
り,高速主軸の実現により加工時間に大差はなくなった
こと、高速切削に耐え得る工具が開発されたことに負う
ところが大きい。
工具による加工方法では、回転工具の中心が閉ループ線
上を移動するようにしたことにより、回転工具の中心の
経路は加工物を加工していない部分を含むこととなる。
この部分においては、既に加工した面を再度回転工具が
移動するため、その加工面と回転工具の先端部が接触す
ることとなり、回転工具は加工物を削らずに擦るだけの
移動となるので擦過による摩擦熱が多く発生し、主軸の
回転数が上昇するほど回転工具の長寿命化を阻害すると
いう問題を有していた。本発明は従来技術の有するこの
ような問題に鑑みなされたものであり、その目的とする
ところは回転工具が加工物を加工していない経路を移動
する際には、回転工具の先端部が既に加工した面に接す
ることなく回転工具の先端摩耗を抑制することが可能な
加工方法を提供しようとするものである。
に本願の請求項1記載の発明は、数値制御工作機械の主
軸に装着した回転工具の中心が曲線若しくは曲線と直線
の組合わせた閉ループ線上を移動し、かつ、前記閉ルー
プ線が加工進行方向にずれて行くように前記回転工具と
加工物とを相対移動させることにより所望の加工面を加
工する加工方法において、前記閉ループ線上のうち前記
回転工具が加工物を加工している部分を移動するときは
前記回転工具の先端部が前記加工面に接するように制御
し、前記閉ループ線上のうち前記回転工具が加工物を加
工していない部分を移動するときは前記回転工具の先端
部が前記加工面から所定量逃げるように制御するもので
ある。
うち回転工具が加工物を加工している部分を移動すると
きは回転工具の先端部を加工面に接するように、回転工
具が加工物を加工していない部分を移動するときは回転
工具の先端部が加工面から所定量逃げるように制御して
閉ループ線をずらして加工を続けるので、回転工具の先
端部の摩耗を防止することができる。
もとづいて説明する。 〔実施例〕図1は本願発明の制御の構成を示すブロック
線図である。構成内容は数値制御工作機械の制御装置部
と同等である。図2は閉ループ線をずらして移動し加工
面を形成する場合の回転工具位置の説明図である。
Fi に移動する間、Z軸方向に逃がし量δが付与される
場合の説明図、図3(b)は回転工具Tが図2のGi か
らB i に移動する間、Z軸方向の逃がし量δが消失する
場合の説明図である。図4は、本願発明の制御の流れを
示すフローチャートである。
すように回転工具の中心が閉ループ線上を移動する際、
回転工具が加工物に対し切込量だけ切り込んだ状態とな
るB i 〜Ei 間は回転工具の先端部が指定された加工面
に接するように移動し、回転工具が加工物を加工してい
ない状態となるEi 〜Bi 間は指定された加工面から所
定量δだけ逃げるようにして移動するものである。
制御する構成は、諸データを入力するデータ入力部1、
入力されたデータを記憶するデータ記憶部2、閉ループ
線の基準点が移動する経路である基準経路を入力する基
準経路入力部3、入力されたデータと基準経路とから回
転工具の経路を生成する回転工具経路生成部4、その生
成された経路を各制御系へ出力する回転工具経路出力部
5、出力される制御系であるX軸サーボ部6、Y軸サー
ボ部7、Z軸サーボ部8等からなる。
が移動する経路に関し、図4のフローチャートにより説
明する。ステップS1において、データ入力部1から回
転工具の加工プログラムに関する諸データを入力し、デ
ータ記憶部2に記憶する。入力するデータは、基準経路
上の基準点Oに対する閉ループ線の相対XY座標とその
経路(以下、「B〜Gの相対XY座標と経路」とい
う)、加工面高さ(Z0 )、逃がし量(δ)、切込量
(P)、スタート点の座標値(A)、加工している経路
(B→C→D→E)、加工していない経路(E→F→G
→B)等である。ステップS2において、基準経路入力
部3から図2に示す閉ループ線の基準点Oが移動する経
路である基準経路を入力する。ここで本実施形態におい
て、基準経路は直線である場合について説明するが、そ
れ以外の曲線等である場合も本発明の態様に含まれる。
と基準経路入力部3から入力されたデータとから回転工
具経路生成部4により回転工具の経路が生成され、回転
工具出力部5により回転工具の経路が出力される過程に
ついて以下詳述する。ステップS3において、処理カウ
ンタiをi=1として初期化する。ステップS4におい
て、基準経路上の開始点を基準点Oi に設定する。従っ
て、ステップS3よりi=1であるので、基準経路上の
開始点は基準点O1 となる。
す回転工具のスタート点A(Ax ,Ay ,Az )を出力
する。この点は加工物から離れた位置である。ステップ
S6において、基準経路上の基準点Oi とステップS1
で入力したB〜Gの相対XY座標と経路とから回転工具
経路となる閉ループ線Li 上の各点(Bi 〜Gi )のX
Y座標とその間の経路を求める。ステップS7におい
て、ステップS1で入力された加工している部分(Bi
〜Ei )の経路を出力する。
高さであるZ=Z0 として、ステップS6で求めたXY
座標とその間の経路とを合わせてBi 〜Ei の経路を出
力する。出力したBi 〜Ei 間は図2に示すように、閉
ループ線上の回転工具Tの開始点Bi (Bx ,By ,Z
0 )からCi (Cx ,Cy ,Z0 )へ所定半径の円弧を
描いて移動する。続いてCi からDi (Dx ,Dy ,Z
0 )へ直線移動し、D i からEi (Ex ,Ey ,Z0 )
へ所定半径の円弧を描いて移動する。その際、図3
(a)のEi 部分に示すように、回転工具の先端部が指
定された加工面に接するように移動する。
点Oi が基準経路上の終点であるか判定し、終点であれ
ばスタート点(A)への経路を出力し(ステップS9)
終了する。すなわち、回転工具経路は、Ei からAへ移
動する経路となる。しかし、基準点Oi が基準経路上の
終点でない場合、すなわち加工途中であってステップS
1で入力された加工していない部分Ei →Fi →Gi →
Bi へ移動を続行すべきときは、ステップS10におい
て、Z座標位置を加工面高さに逃がし量を加えたZ=Z
0 +δとして、ステップS6で求めたXY座標とその間
の経路とを合わせてFi ,Giへの経路を出力する。図
2及び図3(a)に示すように、Ei からFi (Fx ,
Fy ,Z0 +δ)へは、所定半径の円弧を描きながら、
Z軸方向へ所定の逃がし量δだけ逃がすようにして移動
する。Fi からGi (Gx ,Gy,Z0 +δ)へはZ軸
方向に逃がし量δを保った状態で直線移動する。
置を加工面高さであるZ=Z0 としてBi への経路を出
力する。Gi からBi (Bx ,By ,Z0 )へは所定半
径の円弧を描きながら、図3(b)に示すようにZ軸方
向の逃がし量δが消失するようにして移動する。
成するために、ステップS12において基準経路上の基
準点Oi から加工進行方向へ切込量Pだけ離れた基準点
Oi+ 1 を求める。続いて、ステップS13で処理カウン
タiをi=i+1として、ステップS6へ戻り、閉ルー
プ線Li+1 について上述の処理を行う。この処理をステ
ップS8で終了と判定されるまで繰り返すことにより所
望の加工面を加工する回転工具経路を生成し、出力す
る。
行方向に切込量Pだけずらして経路を形成しているが、
純粋なトロコイド軌跡で回転工具経路を形成することも
可能である。
トロコイド軌跡等の曲線を描かせながら切込量Pずつ加
工進行方向にずらせて加工する場合に、工具中心に急激
な運動変化がないので振動の発生が抑圧されるのに加
え、本願発明では加工サイクルの中で回転工具が加工し
ていない場合に、既に加工した面を回転工具の先端部が
通過する際、刃先に所定の逃がし量δをZ軸方向に付与
して通過させることにより、先端部が既加工面と擦過す
ることなく加工サイクルに戻るようにしたので、先端部
の摩耗が加工時以外では生じないため工具刃先寿命の長
期化が可能となった。
る。
実施例の回転工具経路である。
で加工面から離れた状態を、図3(b)は回転工具が切
削経路に入る前に先に付与した逃がし量δをとって回転
工具の先端部を既加工面に当接させた状態を示す説明図
である。
ローチャートである。
で、回転工具の閉ループ線経路を示す。
(b)は加工物を加工していない時の状態を示す説明図
である。
Claims (1)
- 【請求項1】 数値制御工作機械の主軸に装着した回転
工具の中心が曲線若しくは曲線と直線の組合わせた閉ル
ープ線上を移動し、かつ、前記閉ループ線が加工進行方
向にずれて行くように前記回転工具と加工物とを相対移
動させることにより所望の加工面を加工する加工方法に
おいて、前記閉ループ線上のうち前記回転工具が加工物
を加工している部分を移動するときは前記回転工具の先
端部が前記加工面に接するように制御し、前記閉ループ
線上のうち前記回転工具が加工物を加工していない部分
を移動するときは前記回転工具の先端部が前記加工面か
ら所定量逃げるように制御することを特徴とする回転工
具による加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001002063A JP4714348B2 (ja) | 2001-01-10 | 2001-01-10 | 回転工具による加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001002063A JP4714348B2 (ja) | 2001-01-10 | 2001-01-10 | 回転工具による加工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002205243A true JP2002205243A (ja) | 2002-07-23 |
JP4714348B2 JP4714348B2 (ja) | 2011-06-29 |
Family
ID=18870622
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001002063A Expired - Lifetime JP4714348B2 (ja) | 2001-01-10 | 2001-01-10 | 回転工具による加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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2001
- 2001-01-10 JP JP2001002063A patent/JP4714348B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP7517411B2 (ja) | 2020-03-31 | 2024-07-17 | ブラザー工業株式会社 | 工作機械、加工経路生成方法、及びコンピュータプログラム |
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JP4714348B2 (ja) | 2011-06-29 |
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