JP2002203340A - 光情報媒体 - Google Patents

光情報媒体

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JP2002203340A
JP2002203340A JP2000402927A JP2000402927A JP2002203340A JP 2002203340 A JP2002203340 A JP 2002203340A JP 2000402927 A JP2000402927 A JP 2000402927A JP 2000402927 A JP2000402927 A JP 2000402927A JP 2002203340 A JP2002203340 A JP 2002203340A
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light transmitting
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Hisashi Koyake
久司 小宅
Hiroaki Takahata
広彰 高畑
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ランドおよびグルーブを有する支持基体上
に、記録層を含む光学的効果層と光透過層とが積層さ
れ、光透過層にランドおよびグルーブが転写された構造
をもつ光情報媒体において、ランド・グルーブ記録の際
に安定したトラッキングを可能とする。また、プリピッ
トを有する支持基体上に、反射層を含む光学的効果層と
光透過層とが積層され、光透過層にプリピットが転写さ
れた構造をもつ光情報媒体において、プリピット再生信
号のアシンメトリを適正な範囲内に収める。 【解決手段】 グルーブピッチをPGとし、グルーブ幅
をWGとしたとき、P G≦0.80μm、0.51≦WG
G≦0.70である光情報媒体。記録トラックピッチ
をPTとし、プリピットの幅をWPとしたとき、PT
0.40μm、0.30≦WP/PT≦0.48である光
情報媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録ディスクや
再生専用型光ディスク等の光情報媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、再生専用光ディスクや光記録ディ
スク等の光記録媒体では、動画情報等の膨大な情報を記
録ないし保存するため、記録密度向上による媒体の高容
量化が求められ、これに応えるために、高記録密度化の
ための研究開発が盛んに行われてきた。
【0003】その中のひとつとして、例えばDVD(Di
gital Versatile Disk)にみられるように、記録・再生
波長を短くし、かつ、記録・再生光学系の対物レンズの
開口数(NA)を大きくして、記録・再生時のレーザー
ビームスポット径を小さくすることが提案されている。
DVDをCDと比較すると、記録・再生波長を780nm
から650nmに変更し、NAを0.45から0.6に変
更して、ビット密度を向上させると共に記録トラックピ
ッチを縮めることにより、6〜8倍の記録容量(4.7
GB/面)を達成している。
【0004】しかし、このように高NA化すると、チル
トマージンが小さくなってしまう。チルトマージンは、
光学系に対する光記録媒体の傾きの許容度であり、NA
によって決定される。記録・再生波長をλ、記録・再生
光が入射する透明基体の厚さをtとすると、チルトマー
ジンは λ/(t・NA3) に比例する。また、光記録媒体がレーザービームに対し
て傾くと、すなわちチルトが発生すると、波面収差(コ
マ収差)が発生する。基体の屈折率をn、傾き角をθと
すると、波面収差係数は (1/2)・t・{n2・sinθ・cosθ}・NA3/(n
2−sin2θ)-5/2 で表される。これら各式から、チルトマージンを大きく
し、かつコマ収差の発生を抑えるためには、基体の厚さ
tを小さくすればよいことがわかる。実際、DVDで
は、基体の厚さをCD基体の厚さ(1.2mm程度)の約
半分(0.6mm程度)とすることにより、チルトマージ
ンを確保している。
【0005】ところで、より高品位の動画像を長時間記
録するために、基体をさらに薄くできる構造が提案され
ている。この構造は、通常の厚さの基体を剛性維持のた
めの支持基体として用い、その表面にピットや記録層を
形成し、その上に薄型の基体として厚さ0.1mm程度の
光透過層を設け、この光透過層を通して記録・再生光を
入射させるものである。この構造では、従来に比べ基体
を著しく薄くできるため、高NA化による高記録密度達
成が可能である。このような構造をもつ媒体は、例えば
特開平10−320859号公報および特開平11−1
20613号公報に記載されている。
【0006】厚さ0.1mm程度の光透過層を設けること
により、開口数NAの大きい、例えばNAが0.85程
度の対物レンズが使用可能となる。
【0007】厚さ0.1mm程度の光透過層の形成方法と
しては、例えばスピンコート法が挙げられる。スピンコ
ート法を用いる場合、回転テーブルに固定したディスク
基板の表面に樹脂を供給し、ディスク基板を回転させて
遠心力により樹脂を展延することにより、樹脂層を形成
する。
【0008】光記録媒体では、トラッキングのために基
体にグルーブ(案内溝)が形成されており、このグルー
ブがアドレス情報を担持していることもある。従来は、
グルーブ内または隣接するグルーブ間の領域(ランド)
だけを記録トラックとすることが一般的であった。しか
し、最近、高密度記録を行うため記録トラックピッチを
狭める必要性から、グルーブとランドとの両方を記録ト
ラックとするランド・グルーブ記録方式が提案されてい
る。
【0009】上記した光透過層を有する光記録媒体をラ
ンド・グルーブ記録方式を適用する場合、図1に示すよ
うに、まず、支持基体20の表面に、グルーブ20Gお
よびランド20Lからなる凹凸パターンを形成してお
き、この上に反射層5、第2誘電体層32、相変化型の
記録層4および第1誘電体層31を順次形成し、最後に
光透過層2を形成することが一般的である。このとき、
グルーブ20Gおよびランド20Lの転写により、グル
ーブ20Gおよびランド20Lからなる上記凹凸パター
ンが光透過層2に転写される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、光記
録媒体の記録密度を向上させるの手法としては、記録ト
ラックピッチを小さくすること、薄い光透過層を通して
記録/再生光を入射させること、が挙げられ、これは再
生専用型媒体においても同様である。さらに、光記録媒
体では、ランド・グルーブ記録方式を採用することも挙
げられる。
【0011】本発明者らは、これらの手法を採用した光
記録媒体および再生専用型媒体を多数試作し、記録/再
生特性を調べた。その結果、記録トラックピッチを狭く
した場合に、光記録媒体においてトラッキングに関し問
題が発生し、再生専用型媒体において信号のアシンメト
リに関し問題が発生することが判明した。
【0012】具体的には、光記録媒体では、グルーブと
ランドとでオントラックレベルに比較的大きな違いが生
じて、安定したトラッキングが困難となった。一方、再
生専用型媒体では、プリピット信号のアシンメトリを適
正な範囲内に収めることが困難となった。
【0013】本発明の目的は、ランドおよびグルーブを
有する支持基体上に、記録層を含む光学的効果層と光透
過層とが積層され、光透過層にランドおよびグルーブが
転写された構造をもつ光情報媒体において、ランド・グ
ルーブ記録方式で記録/再生を行う際に安定したトラッ
キングを可能とすることである。また、本発明の他の目
的は、プリピットを有する支持基体上に、反射層を含む
光学的効果層と光透過層とが積層され、光透過層にプリ
ピットが転写された構造をもつ光情報媒体において、プ
リピット再生信号のアシンメトリを適正な範囲内に収め
ることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(5)の本発明により達成される。 (1) 支持基体を有し、この支持基体の一方の主面
に、凹条であるグルーブと凸条であるランドとが交互に
存在し、支持基体のグルーブ形成面上に、少なくとも記
録層を含む光学的効果層が形成され、この光学的効果層
上に光透過層が形成され、光透過層の支持基体に対向す
る主面に、前記グルーブおよびランドの転写により形成
された凸条および凹状が交互に存在し、グルーブおよび
ランドが記録トラックとして使用され、記録/再生光が
光透過層を通して入射する光情報媒体であって、前記グ
ルーブの配列ピッチををPGで表し、前記グルーブの幅
をWGで表したとき、 PG≦0.80μm、 0.51≦WG/PG≦0.70 である光情報媒体。 (2) 前記支持基体と記録層との間に反射層が形成さ
れている上記(1)の光情報媒体。 (3) 支持基体を有し、この支持基体の一方の主面
に、凹部であるプリピットを有し、支持基体のプリピッ
ト形成面上に、少なくとも反射層を含む光学的効果層が
形成され、この光学的効果層上に光透過層が形成され、
光透過層の支持基体に対向する主面に、前記プリピット
の転写により形成された凸部が存在し、前記プリピット
が線状に配列して記録トラックを構成しており、再生光
が光透過層を通して入射する光情報媒体であって、記録
トラックピッチをPTで表し、記録トラック幅方向に測
定したプリピットの幅をWPで表したとき、 PT≦0.40μm、 0.30≦WP/PT≦0.48 である光情報媒体。 (4) 支持基体を有し、この支持基体の一方の主面
に、凸部であるプリピットを有し、支持基体のプリピッ
ト形成面上に、少なくとも反射層を含む光学的効果層が
形成され、この光学的効果層上に光透過層が形成され、
光透過層の支持基体に対向する主面に、前記プリピット
の転写により形成された凹部が存在し、前記プリピット
が線状に配列して記録トラックを構成しており、再生光
が光透過層を通して入射する光情報媒体であって、記録
トラックピッチをPTで表し、記録トラック幅方向に測
定したプリピットの幅をWPで表したとき、 PT≦0.40μm、 0.22≦WP/PT≦0.40 である光情報媒体。 (5) 前記光学的効果層の厚さが5〜500nmである
上記(1)〜(4)のいずれかの光情報媒体。
【0015】
【発明の実施の形態】第1の態様 まず、本発明の第1の態様について説明する。
【0016】図1に、第1の態様の媒体の構成例とし
て、相変化型の記録層を有する光情報媒体を示す。この
光情報媒体は、支持基体20を有する。支持基体20の
一方の主面には、凹条であるグルーブ20Gと凸条であ
るランド20Lとが、交互に存在する。この主面上に
は、少なくとも記録層を含む光学的効果層10が形成さ
れている。この光学的効果層10上には光透過層2が形
成され、光透過層2の支持基体20に対向する主面に
は、グルーブ20Gおよびランド20Lの転写によりそ
れぞれ形成された凸条2GTおよび凹条2LTが、交互
に存在する。この媒体では、記録/再生光は光透過層2
を通して入射し、ランド20Lおよびグルーブ20Gの
両者が記録トラックとして使用される。
【0017】本明細書では、図1に示す構造の媒体、す
なわち、記録/再生光が入射する光透過層が、製造工程
の最後に積層されるタイプの媒体を、逆成膜タイプの媒
体と呼ぶ。一方、比較的剛性の高い透光性基体にランド
およびグルーブが形成され、この上に記録層を含む光学
的効果層が形成され、透光性基体を通して記録/再生光
が入射するタイプの媒体を、順成膜タイプの媒体と呼
ぶ。
【0018】従来、順成膜タイプの媒体では、オントラ
ックレベルをランドとグルーブとで同等とするために、
ランド幅とグルーブ幅とが適切な比率となるように制御
していた。そして、逆成膜タイプの媒体でも、支持基体
20におけるグルーブ20Gの幅WGとランド20Lの
幅WLとの比率を、順成膜タイプにおけるそれらと同じ
としていた。しかし、本発明者らは、記録トラックピッ
チが狭い場合には、具体的にはグルーブの配列ピッチ
(グルーブピッチ)PGを0.80μm以下とした場合に
は、順成膜タイプにおける知見がそのまま適用できず、
ランドとグルーブとでオントラックレベルの違いが無視
できなくなるほど大きくなることを見いだした。なお、
ランド・グルーブ記録方式におけるグルーブピッチPG
は、記録トラックピッチの2倍であり、また、(WG
L)と等しい。
【0019】図1に示す逆成膜タイプの媒体において、
グルーブピッチPGが狭い場合に限りランドとグルーブ
とでオントラックレベルに比較的大きな違いが生じるの
は、以下に説明する理由によると考えられる。
【0020】まず、図1に示す光学的効果層10につい
て説明する。本明細書において光学的効果層とは、記録
層、誘電体層、反射層など、記録/再生光に対し屈折や
反射などの光学的効果を及ぼす層を意味する。相変化型
媒体では、光学的効果層10を、図4に示すように、支
持基体20側から、反射層5、第2誘電体層32、相変
化型の記録層4、第1誘電体層31がこの順に積層され
た積層体とするのが一般的である。
【0021】図1に示すように、グルーブ20Gにおい
て側壁は底面に対し垂直ではなく傾斜している。そのた
め、形成時のステップカバレッジによらず、光学的効果
層10はグルーブ20Gの側壁に付着する。その結果、
グルーブ20Gの転写により光透過層2に形成される凸
条2GTの幅WGTは、グルーブ幅WGより狭くなり、一
方、ランド20Lの転写により光透過層2に形成される
凹条2LTの幅WLTは、ランド幅WLより広くなる。な
お、本明細書において、側壁や側周面が傾斜している凹
凸部の幅は、図示するように深さ方向または高さ方向の
中間位置において測定した値とする。一般に、記録トラ
ックピッチを狭くする場合には記録/再生光の波長を短
くする。その場合、光学的効果層10の厚さは、ほとん
ど変更しないか、記録/再生光の波長の短縮に伴って薄
くする。ただし、記録トラックピッチの減少率に比べ、
光学的効果層10の厚さの減少率は小さい。そのため、
図1に示す逆成膜タイプの媒体において、グルーブ幅W
Gとランド幅WLとの比率を変えずにグルーブピッチPG
を狭くしていくと、光透過層2において、グルーブピッ
チPGに対する凸条幅WGTと凹条幅WLTとの差の比率が
大きくなっていく。
【0022】このことと、グルーブピッチPGがある程
度小さくなるとランドとグルーブとでオントラックレベ
ルに比較的大きな違いが生じることとをあわせて考え、
本発明者らは以下のように推論した。逆成膜タイプの媒
体においては、支持基体20に、幅WGのグルーブ20
Gおよび幅WLのランド20Lを設けても、トラッキン
グの際に実効的にグルーブおよびランドとして機能する
領域の幅は、幅WGおよび幅WLではない。この実効的に
機能する領域の幅は、グルーブ20Gの転写によって光
透過層2に形成される凸条2GTの幅WGTと、ランド2
0Lの転写によって光透過層2に形成される凹条2LT
の幅WLT、またはそれらの近傍の値である。
【0023】このような考察に基づいて本発明者らは実
験を繰り返し、図1に示すような逆成膜タイプであっ
て、かつ、ランド・グルーブ記録方式が適用され、か
つ、 PG≦0.80μm である高トラック密度の媒体において、 0.51≦WG/PG≦0.70 とし、好ましくは 0.55≦WG/PG≦0.65 とすれば、グルーブとランドとでオントラックレベルを
ほぼ同じとすることができ、安定したトラッキングが可
能となることを見いだした。具体的には、ランドのオン
トラックレベルをLOTL、グルーブのオントラックレベ
ルをGOTLとしたとき、2LOTL/(LOTL+GOTL)およ
び2GOTL/(LOTL+GOTL)のどちらも0.9〜1.
1とすることができる。すなわち、ランドおよびグルー
ブの両者において、オントラックレベルをその平均値の
±10%以内に収めることができる。なお、オントラッ
クレベルは、媒体からの反射光量に比例する。WG/PG
が小さすぎても大きすぎても、グルーブとランドとでオ
ントラックレベルの違いが大きくなる。なお、グルーブ
ピッチPGが小さすぎると、本発明の効果が十分に発揮
できなくなるので、好ましくは 0.4μm≦PG とする。
【0024】第1の態様は、上記した相変化型媒体のほ
か、光磁気記録媒体や、有機色素を記録材料として用い
る追記型媒体にも適用できる。
【0025】第1の態様は、光学的効果層の厚さが5〜
500nm、特に100〜500nmであるときに、特に有
効である。また、第1の態様におけるグルーブ20Gの
深さは、記録/再生光の波長に応じて適宜決定すればよ
いが、通常、30〜60nmの範囲内とされる。
【0026】第2の態様 次に、本発明の第2の態様について説明する。
【0027】図2に、第2の態様の媒体の構成例とし
て、再生専用型の光情報媒体を示す。この光情報媒体
は、支持基体20を有する。支持基体20の一方の主面
には、凹部であるプリピット20Pが存在する。この主
面上には、少なくとも反射層を含む光学的効果層10が
形成されている。この光学的効果層10上には光透過層
2が形成され、光透過層2の支持基体20に対向する主
面には、プリピット20Pの転写により形成された凸部
2PTが存在する。この媒体では、再生光が光透過層を
通して入射し、プリピット20Pが線状に配列して記録
トラックを構成している。この媒体も、前記した逆成膜
タイプである。
【0028】従来、順成膜タイプの再生専用型媒体で
は、プリピット再生信号のアシンメトリを好ましい範囲
内に収めるために、記録トラックピッチ(トラック幅方
向におけるプリピット配列ピッチ)に対するプリピット
幅の比率を最適化することが一般的であった。そして、
逆成膜タイプの媒体においても、支持基体20に設ける
プリピット20Pの幅WPの最適値を、順成膜タイプに
おけるプリピット幅の最適値と同じとしていた。しか
し、本発明者らは、記録トラックピッチPTを0.40
μm以下とした場合には、順成膜タイプにおける知見が
そのまま適用できず、アシンメトリが無視できなくなる
ほど悪化することを見いだした。
【0029】図2に示す逆成膜タイプの媒体において、
記録トラックピッチが狭い場合に限りアシンメトリが悪
化するのは、以下に説明する理由によると考えられる。
【0030】図2に示すように、プリピット20Pにお
いて側周面は底面に対し垂直ではなく傾斜している。そ
のため、形成時のステップカバレッジによらず、光学的
効果層10はプリピット20Pの側周面に付着する。そ
の結果、プリピット20Pの幅WPを順成膜タイプのプ
リピット幅と同じに設定しても、プリピット20Pの転
写により光透過層2に形成される凸部PTの幅WPTは、
順成膜タイプのプリピット幅に比べ狭くなる。一般に、
記録トラックピッチを狭くする場合には記録/再生光の
波長を短くする。その場合、光学的効果層10の厚さ
は、ほとんど変更しないか、記録/再生光の波長の短縮
に伴って薄くする。ただし、記録トラックピッチの減少
率に比べ、光学的効果層10の厚さの減少率は小さい。
そのため、図2に示す逆成膜タイプの媒体において、記
録トラックピッチPTとプリピット20Pの幅WPとを同
比率で狭くしていくと、光透過層2において、記録トラ
ックピッチPTに対する凸部2PTの幅WPTの比率が小
さくなっていく。
【0031】このことと、記録トラックピッチPTがあ
る程度小さくなるとアシンメトリが悪化することとをあ
わせて考え、本発明者らは以下のように推論した。逆成
膜タイプの媒体においては、支持基体20に、幅WP
プリピット20Pを設けても、プリピット信号再生の際
に実効的にプリピットとして機能する領域の幅は、幅W
Pではない。この実効的に機能する領域の幅は、プリピ
ット20Pの転写によって光透過層2に形成される凸部
2PTの幅WPTまたはその近傍の値である。
【0032】このような考察に基づいて本発明者らは実
験を繰り返し、逆成膜タイプであって、かつ、図2に示
すような凹部からなるプリピット20Pが支持基体20
に設けられ、かつ、 PT≦0.40μm である高トラック密度の媒体において、 0.30≦WP/PT≦0.48 とし、好ましくは 0.35≦WP/PT≦0.45 とすれば、プリピット再生信号のアシンメトリを最適範
囲内に収めることができ、高品質の信号再生が可能とな
ることを見いだした。WP/PTが小さすぎても大きすぎ
ても、アシンメトリを最適範囲内に収めることが困難と
なる。なお、記録トラックピッチPTが小さすぎると、
本発明の効果が十分に発揮できなくなるので、好ましく
は 0.20μm≦PT とする。
【0033】ここで、再生信号のアシンメトリについて
説明する。図5に、アシンメトリを説明するためのグラ
フを示す。このグラフには、プリピット再生信号出力の
うち最短信号出力と最長信号出力とを模式的に示してあ
る。アシンメトリは、図5ににおいて(A−B)/2C
である。正のアシンメトリは最短ピットの振幅中心が最
長ピットの振幅中心よりもグランド側にあることを示
し、負のアシンメトリはその逆であることを示す。本発
明の光情報媒体におけるアシンメトリの最適範囲は、 −0.05≦(A−B)/2C≦0.15 である。アシンメトリが最適範囲を外れると、ジッタが
大きくなってしまう。W P/PTを上記範囲内の値とする
ことにより、アシンメトリを上記最適範囲に収めること
が容易となる。
【0034】図2において光学的効果層10は、少なく
とも反射層を含む。この場合の反射層とは、Al、A
u、Ag、Pt、Cu等の単体あるいはこれらの1種以
上を含む合金などからなる金属層、Si、Ge等などか
らなる半金属層、誘電体多層膜などである。また、第2
の態様は、記録情報を保持するプリピットが配列する再
生専用領域と、グルーブおよびランドが存在する記録可
能領域とを共に有する媒体にも適用できる。この場合、
再生専用領域には反射層だけを設け、一方、記録可能領
域には反射層に加え、記録層およびこれを挟む一対の誘
電体層などを設けてもよいが、再生専用領域における層
構成を記録可能領域と同じとしてもよい。また、この場
合、プリピット領域については第2の態様を適用し、記
録可能領域については第1の態様を適用することが好ま
しい。
【0035】第2の態様が特に有効な光学的効果層の厚
さ範囲は、5〜200nm、特に20〜200nmである。
また、第2の態様におけるプリピット20Pの深さは、
再生光の波長に応じて適宜決定すればよいが、通常、3
0〜70nmの範囲内とされる。
【0036】第3の態様 次に、本発明の第3の態様について説明する。
【0037】図3に、第3の態様の媒体の構成例とし
て、再生専用型の光情報媒体を示す。この光情報媒体
は、支持基体20に設けるプリピット20Pが凸部であ
る点が図2と異なる。したがって、プリピット20Pの
転写により光透過層2に形成されるのは凹部2PTであ
る。このほかは第2の態様の媒体と同様である。
【0038】図3に示すように、プリピット20Pにお
いて側周面は底面に対し垂直ではなく傾斜している。そ
のため、形成時のステップカバレッジによらず、光学的
効果層10はプリピット20Pの側周面に付着する。そ
の結果、プリピット20Pの幅WPを順成膜タイプのプ
リピット幅と同じに設定しても、プリピット20Pの転
写により形成される光透過層の凹部PTの幅WPTは、順
成膜タイプのプリピット幅に比べ広くなる。一般に、記
録トラックピッチを狭くする場合には記録/再生光の波
長を短くする。その場合、光学的効果層10の厚さは、
ほとんど変更しないか、記録/再生光の波長の短縮に伴
って薄くする。ただし、記録トラックピッチの減少率に
比べ、光学的効果層10の厚さの減少率は小さい。その
ため、図3に示す逆成膜タイプの媒体において、記録ト
ラックピッチPTとプリピット20Pの幅WPとを同比率
で狭くしていくと、光透過層2において、記録トラック
ピッチPTに対する凹部2PTの幅WPTの比率が大きく
なっていく。
【0039】そこで本発明者らは、第2の態様において
説明したような考察を経て実験を繰り返した結果、逆成
膜タイプであって、かつ、図3に示すような凸部からな
るプリピット20Pが支持基体20に設けられ、かつ、 PT≦0.40μm である高トラック密度の媒体において、 0.22≦WP/PT≦0.40 とし、好ましくは 0.25≦WP/PT≦0.35 とすれば、プリピット再生信号のアシンメトリを前記最
適範囲内に収めることができ、高品質の信号再生が可能
となることを見いだした。WP/PTが小さすぎても大き
すぎても、アシンメトリを最適範囲内に収めることが困
難となる。なお、記録トラックピッチPTが小さすぎる
と、本発明の効果が十分に発揮できなくなるので、好ま
しくは 0.20μm≦PT とする。
【0040】第3の態様が特に有効な光学的効果層の厚
さ範囲は、第2の態様と同様である。また、第3の態様
におけるプリピット20Pの高さは、再生光の波長に応
じて適宜決定すればよいが、通常、30〜70nmの範囲
内とされる。
【0041】
【実施例】実施例1(第1の態様) 以下の手順で、図1および図4に示す構造の光記録ディ
スクサンプルを作製した。
【0042】グルーブ20Gおよびランド20Lを形成
したディスク状支持基体20(ポリカーボネート製、直
径120mm、厚さ1.1mm)の表面に、Al98Pd1
1(原子比)からなる厚さ100nmの反射層5をスパ
ッタ法により形成した。グルーブ深さは、40nmとし
た。グルーブピッチPG、およびPGに対するグルーブ幅
Gの比率WG/PGは、表1に示す値とした。
【0043】次いで、反射層表面に、Al23ターゲッ
トを用いてスパッタ法により厚さ20nmの第2誘電体層
32を形成した。
【0044】次いで、第2誘電体層32表面に、相変化
材料からなる合金ターゲットを用い、スパッタ法により
厚さ12nmの記録層4を形成した。記録層の組成(原子
比)は、Sb74Te18Ge7In1とした。
【0045】次いで、記録層4表面に、ZnS(80モ
ル%)−SiO2(20モル%)ターゲットを用いてス
パッタ法により厚さ130nmの第1誘電体層31を形成
した。
【0046】次いで、第1誘電体層31表面に、紫外線
硬化型樹脂をスピンコートにより塗布し、紫外線を照射
して硬化することにより厚さ100μmの光透過層2を
形成した。
【0047】上記反射層5、第2誘電体層32、記録層
4および第1誘電体層31からなる光学的効果層10の
厚さは、262nmとなる。
【0048】このようにして作製した光記録ディスクサ
ンプルの記録層を、バルクイレーザーで初期化(結晶
化)した後、グルーブおよびランドのそれぞれにおける
オントラックレベルを測定した。なお、測定に用いた評
価装置の条件は、 レーザー波長:405nm、 対物レンズの開口数:0.85 である。
【0049】ランドのオントラックレベルをLOTL、グ
ルーブのオントラックレベルをGOTLとしたとき、両者
の平均に対するそれぞれの比率である2LOTL/(LOTL
+GOT L)および2GOTL/(LOTL+GOTL)を求めた。
結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1から、本発明の効果が明らかである。
すなわち、グルーブピッチPGが0.8μm以下である場
合において、WG/PGが本発明で限定する範囲内となる
ようにグルーブ幅WGを設定すれば、ランドおよびグル
ーブの両者において、オントラックレベルをその平均値
の±10%以内に収めることができる。
【0052】実施例2(第2の態様) 以下の手順で図2に示す構造の光ディスクサンプルを作
製した。
【0053】プリピット20Pを形成したディスク状支
持基体20(ポリカーボネート製、直径120mm、厚さ
1.1mm)の表面に、Al98Pd1Cu1(原子比)から
なる厚さ100nmの反射層をスパッタ法により形成して
光学的効果層10とした。記録トラックピッチPT
0.35μmとし、PTに対するプリピット幅WPの比率
P/PTは0.4とした。なお、プリピット20Pの深
さは65nmとした。
【0054】このサンプルについて、実施例1と同じ評
価装置を用いてアシンメトリを測定したところ、−0.
05〜0.15の範囲内であった。
【0055】実施例3(第3の態様) 以下の手順で図3に示す構造の光ディスクサンプルを作
製した。
【0056】プリピット20Pを形成したディスク状支
持基体20(ポリカーボネート製、直径120mm、厚さ
1.1mm)の表面に、Al98Pd1Cu1(原子比)から
なる厚さ100nmの反射層をスパッタ法により形成して
光学的効果層10とした。記録トラックピッチPT
0.35μmとし、PTに対するプリピット幅WPの比率
P/PTは0.33とした。なお、プリピット20Pの
高さは65nmとした。
【0057】このサンプルについて、実施例1と同じ評
価装置を用いてアシンメトリを測定したところ、−0.
05〜0.15の範囲内であった。
【0058】
【発明の効果】本発明では、逆成膜タイプであり、か
つ、ランド・グルーブ記録方式が適用され、かつ、記録
トラックピッチが狭い光情報媒体において、グルーブピ
ッチに対するグルーブ幅の比率を制御することにより、
グルーブとランドとでオントラックレベルをほぼ同じと
することができる。
【0059】また、本発明では、逆成膜タイプであり、
かつ、プリピットを有し、かつ、記録トラックピッチが
狭い光情報媒体において、記録トラックピッチに対する
プリピット幅の比率を制御することにより、プリピット
再生信号のアシンメトリを最適範囲内に収めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ランドおよびグルーブを有する光情報媒体の構
成例を示す部分断面図である。
【図2】プリピットを有する光情報媒体の構成例を示す
部分断面図である。
【図3】プリピットを有する光情報媒体の構成例を示す
部分断面図である。
【図4】光記録ディスクの構成例を示す部分断面図であ
る。
【図5】アシンメトリを説明するためのグラフである。
【符号の説明】
2 光透過層 2GT グルーブが転写された凸条 2LT ランドが転写された凹条 2PT プリピットが転写された凸部または凹部 20 支持基体 20L ランド 20G グルーブ 20P プリピット 31 第1誘電体層 32 第2誘電体層 4 記録層 5 反射層 10 光学的効果層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持基体を有し、この支持基体の一方の
    主面に、凹条であるグルーブと凸条であるランドとが交
    互に存在し、支持基体のグルーブ形成面上に、少なくと
    も記録層を含む光学的効果層が形成され、この光学的効
    果層上に光透過層が形成され、光透過層の支持基体に対
    向する主面に、前記グルーブおよびランドの転写により
    形成された凸条および凹状が交互に存在し、グルーブお
    よびランドが記録トラックとして使用され、記録/再生
    光が光透過層を通して入射する光情報媒体であって、 前記グルーブの配列ピッチををPGで表し、前記グルー
    ブの幅をWGで表したとき、 PG≦0.80μm、 0.51≦WG/PG≦0.70 である光情報媒体。
  2. 【請求項2】 前記支持基体と記録層との間に反射層が
    形成されている請求項1の光情報媒体。
  3. 【請求項3】 支持基体を有し、この支持基体の一方の
    主面に、凹部であるプリピットを有し、支持基体のプリ
    ピット形成面上に、少なくとも反射層を含む光学的効果
    層が形成され、この光学的効果層上に光透過層が形成さ
    れ、光透過層の支持基体に対向する主面に、前記プリピ
    ットの転写により形成された凸部が存在し、前記プリピ
    ットが線状に配列して記録トラックを構成しており、再
    生光が光透過層を通して入射する光情報媒体であって、 記録トラックピッチをPTで表し、記録トラック幅方向
    に測定したプリピットの幅をWPで表したとき、 PT≦0.40μm、 0.30≦WP/PT≦0.48 である光情報媒体。
  4. 【請求項4】 支持基体を有し、この支持基体の一方の
    主面に、凸部であるプリピットを有し、支持基体のプリ
    ピット形成面上に、少なくとも反射層を含む光学的効果
    層が形成され、この光学的効果層上に光透過層が形成さ
    れ、光透過層の支持基体に対向する主面に、前記プリピ
    ットの転写により形成された凹部が存在し、前記プリピ
    ットが線状に配列して記録トラックを構成しており、再
    生光が光透過層を通して入射する光情報媒体であって、 記録トラックピッチをPTで表し、記録トラック幅方向
    に測定したプリピットの幅をWPで表したとき、 PT≦0.40μm、 0.22≦WP/PT≦0.40 である光情報媒体。
  5. 【請求項5】 前記光学的効果層の厚さが5〜500nm
    である請求項1〜4のいずれかの光情報媒体。
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JP2013020663A (ja) * 2011-07-07 2013-01-31 Sony Corp 光記録媒体

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