JP2002200632A - 高分子材の成形装置及びその成形方法 - Google Patents

高分子材の成形装置及びその成形方法

Info

Publication number
JP2002200632A
JP2002200632A JP2000402732A JP2000402732A JP2002200632A JP 2002200632 A JP2002200632 A JP 2002200632A JP 2000402732 A JP2000402732 A JP 2000402732A JP 2000402732 A JP2000402732 A JP 2000402732A JP 2002200632 A JP2002200632 A JP 2002200632A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer material
molding
mold
sequentially
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000402732A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Takeuchi
宏 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHINKO SELLBICK KK
Original Assignee
SHINKO SELLBICK KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHINKO SELLBICK KK filed Critical SHINKO SELLBICK KK
Priority to JP2000402732A priority Critical patent/JP2002200632A/ja
Publication of JP2002200632A publication Critical patent/JP2002200632A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】射出成形よりも高速な高分子材の成形を可能と
する成形装置及びその成形方法を提供すること。 【解決手段】複数の成形面111〜117を有し、高分
子材40を順次成形する金型10と、高分子材40の硬
度を低下させて塑性加工を可能にするプレチクソトロピ
ー化手段16を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂やゴム等の高
分子材の成形装置及びその成形方法に係る技術分野に属
する。
【0002】
【従来の技術】従来、高分子材の成形方法には、射出成
形法が広く用いられている。この射出成形法は、熱可塑
性プラスチックの場合、成形材料を加熱溶融し、可塑化
して金型に射出充填し、冷却固化して成形品を得る方法
である。
【0003】この射出成形法の基本工程は、ペレット状
の成形材料を射出成形機に投入し、溶融混練、射出、保
圧(冷却)、離型取り出し、必要に応じて仕上げ加工及
び検査、という工程をとる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、金属の加工にお
いては塑性加工が広く行われているが、樹脂の塑性加工
については、寸法精度や寸法安定性が悪いためにあまり
実用化されていない。
【0005】また、樹脂の場合は、常温で引張応力を受
けると、脆性破壊や白化(引張方向に直角に白いしまを
生じること)、ネッキングなどの不具合を生じること、
及びスプリングバックやひずみの回復による形状の経時
変化があるため、常温における塑性加工が一般に行われ
ない理由となっている。
【0006】一方、射出成形法は、金型に沿った精度の
高い安定した成形品が得られるが、一般に使用されてい
るインラインスクリュー方式の射出成形機などにおいて
は、射出、保圧及び冷却という工程に時間を要するた
め、射出におけるサイクルタイムは、コンパクトディス
クの収容ケースの成形など特殊な専用装置を除き、1サ
イクル5秒程度が最高のサイクルタイムとなっている。
したがって、これ以上に高速化を図って生産性を向上す
ることができないという問題があった。
【0007】本発明は、このような問題点を考慮してな
されたもので、射出成形よりも高速な高分子材の成形を
可能とする成形装置及びその成形方法を提供することを
課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め、本発明に係る高分子材の成形装置は、次のような手
段を採用する。
【0009】即ち、請求項1に記載のように、複数の成
形面を有し、高分子材を順次成形する金型と、高分子材
の硬度を低下させて塑性加工を可能にするプレチクソト
ロピー化手段を備えた。
【0010】ここでプレチクソトロピー化手段について
説明すると、「チクソトロピー」とはthixotro
pyと記述される化学分野の学術用語であり、日本語で
は擬液性または揺変性と訳され、学術的には、「揺れる
とゲルからゾルに変化するが、静止すると再びゲルに戻
る性質」または「せん断と静置によって可逆的に繰り返
されるゾル−ゲル転移の現象」と定義されている。本発
明では、チクソトロピーがゲルとゾルの中間状態、すな
わち半溶融・半凝固であることを引用し、それよりも少
し固体状態寄りにすることを接頭語のプレを付けて「プ
レチクソトロピー化」と定義する。またゲルとゾルの中
間状態よりも少し固体状態寄りにする手段を「プレチク
ソトロピー化手段」と定義する。請求項1に記載の手段
では、高分子材の硬度はプレチクソトロピー化手段によ
り塑性加工が可能なように低下され、複数の成形面を有
する金型でその高分子材が順次加工される。
【0011】また、請求項2に記載のように、複数の成
形面を有し、高分子材を順次成形する金型と、高分子材
の硬度を低下させて塑性加工を可能にするプレチクソト
ロピー化手段と、帯状またはひも状の高分子材を前記金
型に順次移動させる送り手段とを備えた。
【0012】この手段では、帯状またはひも状の連続材
とした高分子材の硬度が塑性加工の可能なように低下さ
れ、複数の成形面を有する金型でその高分子材が塑性加
工される。
【0013】また、請求項3に記載のように、請求項2
に記載の高分子材の成形装置において、高分子材を順次
成形する少なくとも一つの成形手段と、高分子材とは異
なる異種材を同方向または交差する方向で順次成形する
少なくとも一つの成形手段と、このどちらかの成形手段
の所定の位置あるいは交差する位置において高分子材と
異種材を一体化するワンメイク化手段を備えたことを特
徴とする。
【0014】この手段では、塑性加工された高分子材料
が別のラインで成形された異種材とラインが交わる位置
において一体化される。
【0015】また、請求項4に記載のように、請求項1
または2に記載の高分子材の成形装置において、プレチ
クソトロピー化手段は、高分子材の温度を上昇させる手
段であることを特徴とする。
【0016】この手段では、高分子材の温度を上昇させ
ることで塑性加工が可能な硬度に高分子材を低下させ
る。
【0017】また、請求項5に記載のように、請求項4
に記載の高分子材の成形装置において、高分子材の温度
を上昇させる手段は、前記金型を用いて塑性加工を行う
ことにより高分子材に生じる塑性加工発熱であることを
特徴とする。
【0018】この手段では、金型を用いて塑性加工を行
うことにより塑性加工発熱で高分子材の温度を上昇さ
せ、塑性加工が可能な硬度に高分子材を低下させる。
【0019】また、請求項6に記載のように、請求項4
に記載の高分子材の成形装置において、高分子材の温度
を上昇させる手段は、前記金型を加熱するヒーターであ
ることを特徴とする。
【0020】この手段では、ヒーターで金型を加熱する
ことにより高分子材の温度を上昇させ、塑性加工が可能
な硬度に高分子材を低下させる。
【0021】また、請求項7に記載のように、請求項4
に記載の高分子材の成形装置において、高分子材の温度
を上昇させる手段は、高分子材を高周波加熱する手段で
あることを特徴とする。
【0022】この手段では、高周波加熱により高分子材
を加熱することにより高分子材の温度を上昇させ、塑性
加工が可能な硬度に高分子材を低下させる。
【0023】また、請求項8に記載のように、請求項4
に記載の高分子材の成形装置において、高分子材の温度
を上昇させる手段は、高分子材に超音波振動を与えて加
熱する手段であることを特徴とする。
【0024】この手段では、超音波振動により高分子材
を加熱することにより高分子材の温度を上昇させ、塑性
加工が可能な硬度に高分子材を低下させる。
【0025】また、前述の課題を解決するため、本発明
に係る高分子材の成形方法は、次のような手段を採用す
る。
【0026】即ち、請求項9に記載のように、高分子材
は塑性加工が可能なようにその硬度を低下させ、帯状ま
たはひも状の連続した高分子材を複数の成形面を有する
金型に順次送ることで成形する。
【0027】この手段では、帯状またはひも状の連続材
とした高分子材の硬度が塑性加工の可能なように低下さ
れ、複数の成形面を有する金型でその高分子材が塑性加
工される。
【0028】また、請求項10に記載のように、請求項
9に記載の高分子材の成形方法において、高分子材を塑
性加工が可能なようにその硬度を低下させる方法は、高
分子材の塑性変形により生じる発熱を利用すること、ま
たは、金型をヒーターで加熱すること、または、高分子
材に高周波をかけて高周波加熱すること、または、高分
子材に超音波振動を与えて加熱することである。
【0029】この手段では、高分子材を塑性加工が可能
なようにその硬度を低下させる具体的な方法が明確にさ
れる。
【0030】また、請求項11に記載のように、請求項
9または10に記載の高分子材の成形方法において、高
分子材などを順次成形する手段が同方向もしくは交差す
る方向に複数有り、少なくとも一つの成形手段で高分子
材を順次成形するとともに、その他の成形手段でその高
分子材とは異なる異種材料を順次成形し、所定の位置あ
るいは交差する位置で高分子材と異種材料を一体化する
ことを特徴とする。
【0031】この手段では、塑性加工された高分子材料
が別のラインで成形された異種材とラインが交わる位置
において一体化される。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る高分子材の成
形装置及びその成形方法について、その実施の形態を図
面に基づいて説明する。
【0033】図1はこの実施の形態(1)を示すもの
で、高分子材の成形装置1の概略構成を示す図である。
高分子材の成形装置1は、金属のプレス加工装置として
知られる順送プレス加工装置と似ている構成であるが、
その金型に特徴を有するものである。
【0034】高分子材の成形装置1は、プレス機械4
と、材料送り装置30と、金型10で概略構成され、連
続した材料40を成形するものである。
【0035】プレス機械4は、機械式プレス、液圧式プ
レス、空圧プレスなどの一般の汎用プレス機械であり、
設定されるプレス工程に必要な加圧能力を有するもので
ある。
【0036】材料送り装置30は、連続した材料40を
プレス機械4に供給する材料供給リール31と、材料供
給リール31から送られる材料40を金型10の内部に
案内するガイドローラー32と、金型10で成型された
製品が分離され残った材料を巻き取る廃材巻取りリール
34に送るためのガイドローラー33と、廃材巻取りリ
ール34と、図示しないが廃材巻取りリール34または
材料供給リール31を駆動するモータで構成される。
【0037】金型10は、図2及び図3に示すように、
上型であるキャビティプレート11と、下型であるコア
プレート12と、キャビティプレート11とコアプレー
ト12の間に位置し、連続した材料40がその上を移動
するストリッパープレート13で主要部品が構成され
る。
【0038】コアプレート12は、ストリッパープレー
ト13及びキャビティプレート11との相対位置を規定
するガイドピン14を少なくとも2箇所備え、ガイドピ
ン14はコアプレート12に何らかの方法で固定されて
いる。また、コアプレート12は、成形品の孔開けや成
形品の加工ガイドを行うパンチ15を複数個有し、パン
チ15はコアプレート12に何らかの方法で固定されて
いる。なお、この実施の形態ではパンチ15は同じ形状
のものを並べているが、成形品の形状に応じたパンチが
設置されることは言うまでもない。
【0039】また、コアプレート12は、コアプレート
12自身を加熱するヒーター16を備えている。ヒータ
ー16は所定の温度まで加熱可能なものならどのような
形式でも機能をなすが、カートリッジヒーターは図3の
ようにコアプレート12の内部に容易に装着可能であり
好適である。
【0040】キャビティプレート11は、プレス機械4
により上下動可能なように配置されている。また、ガイ
ドピン14が挿入されるガイドピン孔17を複数個備
え、さらに、パンチ15がストリッパープレート13と
連続した材料40を貫通し、キャビティプレート11に
パンチ15の一部をガイドするパンチ孔19を複数個備
えている。また、コアプレート12と同様に、ヒーター
16を備えている。
【0041】キャビティプレート11は、また、成形品
50を順次成形する成形面111〜117を有してい
る。この成形面111〜117は供給される連続した材
料40の板圧tを徐々に減少させて成形する鍛造工程を
なす金型としている。
【0042】ストリッパープレート13は、パンチ15
で材料の孔開けなどを行った際にパンチ15と材料40
を分離するためのもので、上下動可能なように配置され
ている。また、キャビティプレート11が上昇した際に
ストリッパープレート13も上昇可能なように図示しな
い付勢手段により上方に付勢されている。そして、ガイ
ドピン14で位置決めされる複数個のガイドピン孔19
と、パンチ15をガイドするパンチ孔20を複数個備え
ている。
【0043】連続した材料40は、ストリッパープレー
ト13の上を材料送り装置30により、矢印A方向に1
ピッチずつ間欠的に送られ、成形品は完成して切り離さ
れるまで連続した材料40にその一部を連結されたまま
移送されるよう構成されている。図3の材料40は、図
2の状態でプレスされた後、キャビティプレート11と
ストリッパープレート13が上昇し、材料40が次の加
工位置に移動する途中の状態を示している。
【0044】連続した材料40としては、樹脂やゴム等
の高分子材であり、この実施の形態では、具体的に以下
のような樹脂材料とする。
【0045】すなわち、この樹脂材料40は、熱可塑性
プラスチックであり、より詳しくはポリエチレン(P
E)やポリ塩化ビニル(PVC)に代表される汎用プラ
スチック、力学的特性や耐熱性に優れ、各種ナイロン
(PA)やポリアセタール(POM)に代表される汎用
エンジニアリングプラスチック、耐熱性や難燃性の厳し
い要求に対応するポリサルフォン(PSF)やフッ素樹
脂のポリテトラフルオロエチレン(PFFE)のような
特殊エンジニアリングプラスチックである。
【0046】次に、各プレス加工の内容を図2〜図7を
用いて説明する。図4は、連続した樹脂材料40がこの
実施の形態の成形装置1により順次成型され、最終工程
で連続した樹脂材料から分離加工され完成品50となる
過程を示す斜視図であり、矢印Aの方向に樹脂材料40
は移動する。なお、ここに示した完成品50であるフラ
ンジ付円筒は加工の一例である。
【0047】樹脂材料40は、材料送り装置30により
矢印A方向に1ピッチずつ間欠的に送られる。そして、
図3に示した成形装置1の各成形位置P1〜P8で所望
のプレス加工が施される。その結果、図4に示すように
連続した樹脂材料40は成形され、P9で分離加工され
完成品50となる。
【0048】各成形位置P1〜P8で行われる成形の内
容を説明すると、初段の成形位置P1では、フランジ付
円筒50の中心の孔として、孔41が開けられる。この
成形は、キャビティプレート11とストリッパープレー
ト13が樹脂材料40を押さえながら下降し、コアプレ
ート12に設けられたパンチ15で貫通されることによ
って行われる。図5は図3の金型10の拡大図であり、
樹脂材料4に孔41が加工されキャビティプレート11
及びストリッパープレート13が上昇した状態を示して
いる。このとき、ガイドピン14によりキャビティプレ
ート11、ストリッパープレート13及びコアプレート
1はガイドされ、開けられた孔41とガイドピン14の
相対位置が規定される。これ以降の工程では、樹脂材料
40が1ピッチずつ送られる際にこの孔41が加工の基
準であるガイド孔となるようにこの工程は設定されてい
る。
【0049】この成形位置P1の孔開け行程により、樹
脂材料40は塑性変形により発熱し、温度が上昇し、次
の行程には短時間で移動するので放熱は少なく、次の行
程での塑性加工が比較的容易に行えるようになる。
【0050】成形位置P2では、フランジ付円筒50の
フランジ部51の外径Dを形成するようにプレス加工が
行われるが、成形を順次行うために、成形品と連続した
樹脂材料40はキャリアCを残して半円弧状の溝M1及
びM2が打ち抜かれる。このとき、完成品50の体積と
同じだけの体積を確保できるように樹脂材料40の板厚
tが予め選定される。
【0051】この成形位置P2での加工は、図5に示す
キャビティプレート11に設けられた成形面111にお
いて行われ、111a面でフランジの外径Dが加工さ
れ、111b面で溝M1とM2の外径D1が加工され
る。なお、フランジ面の厚さtはこのP2の位置では変
化はさせていない。
【0052】この成形位置P2での加工により、樹脂材
料40は塑性加工(せん断)により発熱し、P1の位置
に比べ温度が上昇するので、次の工程での塑性加工がさ
らに容易に行えるようになる。
【0053】次に成形位置P3では、円筒部52の形成
とフランジ部51の薄肉化の工程が始まる。続いて成形
位置P4、P5、P6に到る加工工程でP3で形成され
た円筒部E3の延長薄肉化とフランジ部F3の薄肉化の
工程が順次進められ、肉厚の変化を積極的に行う塑性加
工であるので、塑性加工の分野では鍛造加工に分類され
る加工方法となっている。したがって、金属で行われる
順送加工が絞りを基本にして肉厚低減を防ぐように周辺
部に予肉を設け、周辺部から材料流入を図る加工(素材
の板圧を保持するように加工すること)であるのに対
し、本実施の形態の加工方法はそれとは異なる加工方法
である。また、このP3〜P6の工程では、各成形位置
ごとに材料の移動変形による発熱を伴うので、これによ
る温度上昇により樹脂材料40の鍛造加工が可能とな
る。
【0054】成形位置P3での加工は、キャビティプレ
ート11の成形面112で行われ、112aの成形面で
成形品の外径Dを押さえるとともに、112cの成形面
で成形品のフランジ部の肉厚を図5のt3のように薄肉
化する。また、112d及び112eの成形面で成形品
の円筒部E3の形成を行う。
【0055】成形位置P4〜P6では、P3の工程が順
次進行し、P6の位置でほぼ完成品の同形状のものが成
形される。この過程でのキャビティプレート11の成形
面はそれぞれ113、114、115の成形面で112
の成形面と同様に、フランジ部の肉厚を円筒部に流動さ
せる加工が順次進行する。
【0056】成形位置P7及びP8では、キャビティプ
レート11の成形面116及び117の形状がP6の位
置における成形面115とほとんど同じ形状としてい
る。成形位置P7まで来た樹脂材料40は多くの塑性加
工を受けているので、温度が上昇し硬度は初期位置P1
に比べ大きく低下している。この時点で、ほとんど同じ
(わずかに小さい)形状の成形面116及び117で成
形品を押さえることにより、塑性加工で生じたひずみを
除去することが可能になる。
【0057】成形位置P9では、図示しないパンチによ
り成形品は連続した樹脂材料40からキャリアCを切断
することで分離され、完成品50として部品ストックな
どに収納される。なお、完成品50を分離された樹脂材
料40は廃材巻取りリール34に巻き取られ、溶融後、
帯材やひも材などの素材に成形され再利用される。
【0058】なお、上記説明では塑性加工による発熱で
樹脂材料40が塑性加工を受けるのに必要な硬度まで低
下するとしたが、これによる発熱が不十分な場合は、プ
レス機械4の作動速度、材料を加圧する圧力の大きさ、
及び、圧縮変形量を変更することによっても発熱を大き
くすることが可能であり、成形性を損なわない範囲でこ
れらを調整して、樹脂材料40が塑性加工を受けるのに
必要な硬度低下を生じさせることができる。
【0059】また、成形品の形状や材料の種類によって
は塑性加工による発熱だけでは発熱量が不十分な場合が
考えられ、その場合は、図2や図3に示したようにキャ
ビティプレート11やコアプレート12の内部にヒータ
ーを装着してこれらを加熱することで、材料の硬度の低
下を補い、塑性加工が可能な材料の硬度を得ることが可
能である。
【0060】この実施の形態(1)によれば、キャビテ
ィプレート11に複数の成形面111〜117を有し、
連続した樹脂材料40を成形する金型10を用いて、樹
脂材料40を金型10に順次送る加工を行い、各成形工
程P1〜P8による塑性加工で生じるせん断発熱で樹脂
材料40の塑性加工が可能なようにその硬度を低下させ
たので、樹脂材料40の順送加工が可能になった。これ
により、高速に(例えば1サイクル0.5秒以下)樹脂
材料40の成形を可能とする成形装置1を提供できるよ
うになる。
【0061】また、キャビティプレート11やコアプレ
ート12の内部にヒーターを装着したので、成形品の形
状や材料の種類によってはヒーターで温度上昇を補っ
て、各種の樹脂材料40の塑性加工が可能なようにその
硬度を低下させることが可能になった。
【0062】さらに、成形された材料は鍛造の工程を経
ているので、圧縮による材料密度の向上があり、射出成
形品に比べて高い強度を有する。また、射出成形品では
ウェールドラインを生じたり、肉引けを生じる場合があ
るが、この実施の形態では滑らかな成形面が得られる。
【0063】図6はこの実施の形態(2)を示すもの
で、実施の形態(1)で示した連続した樹脂材料の成形
装置1の成形ラインを2本設置し、そのラインが交差し
た位置で2つの部品を組み込むようにした成形装置20
0を示す構成図である。
【0064】この成形装置200は、高分子材を順次成
形する成形装置210によるラインL1と、高分子材と
は異なる異種材料を順次成形するもう一つの成形装置2
20によるラインL2とを交差する方向に配置し、矢印
B方向に進むラインL1と矢印C方向に進むラインL2
の交差する位置230において高分子材と異種材を一体
化するように構成している。
【0065】この成形装置200にて成形される製品の
加工例を図7に示す。ラインL1の各成形位置P21〜
P26で、帯状の高分子材250から箱形の高分子材の
成形品が成形され、一方、ラインL2の各成形位置P3
1〜P34で帯状の金属材260から金属材の成形品が
成形される。そして、ラインL1のP27の位置におい
て、高分子材に設けた複数の孔と金属材の複数のピンが
組み合わされる。さらに、P28の位置でカシメなどで
確実に一体化され、P29の位置で帯状の高分子材25
0から分離されて、完成品270となる。
【0066】この実施の形態(2)によれば、塑性加工
された高分子材料が別のラインで成形された異種材とラ
インが交わる位置において一体化されるため、異種材料
の加工及び組み込みが自動化される。また、同種の材料
とすれば、一体で成形することが困難な部品を容易に製
作することが可能になる。
【0067】また、図8はこの実施の形態(3)を示す
もので、加工される高分子材はひも状の連続材300で
あり、実施の形態(1)に示した成形装置1で順次送ら
れて成形される過程を示している。
【0068】このひも材では、初めに成形位置P41に
おいて、ひもの円形断面がつぶされて円盤301が成形
される。続いてP42で中心に孔のあいた円盤302が
成形され、P43ではフランジ304が成形される。
【0069】成形位置P43〜P47は実施の形態
(1)の図4に示した成形位置P3〜P7に相当し、成
形品を連結する構造がこの実施の形態では、外周のフラ
ンジ部305とひも材の連結部306である点のみ実施
の形態(1)と異なるものである。
【0070】この実施の形態(3)によれば、実施の形
態(1)による効果に加えて、より安価なひも材から高
分子材の順送加工が可能になり、製品コストを低減でき
る効果がある。
【0071】なお、各実施の形態では、順送型の加工を
適用したが、トランスファー型と呼ばれ、最初の加工工
程のブランク抜き工程で元の材料から切り離して、移行
はプレス機械に装着された搬送装置により、順次プレス
加工工程品を送っていく加工装置及び方法でも、本発明
を適用することが可能である。
【0072】なお、図示しないが、樹脂の成形で実用化
されているバキューム成形工程もしくはブロー成形工程
を本発明の成形装置1の途中に組み込むことで、成形の
可能な範囲を拡大することもできる。
【0073】また、実施の形態(1)では金型10のキ
ャビティプレート11及びコアプレート12の両方にヒ
ーター16を組み込んだが、高分子材料の塑性加工に必
要な硬度の低下が得られれば、どちらか一方を加熱する
ことでもかまわない。
【0074】また、加熱手段としては、ヒーター以外に
例えば図9に示すように高周波加熱装置400を組み込
んだ金型410もあり、さらには、超音波振動発生装置
500を組み込んだ金型510にすることも可能であ
る。これらによれば通常のヒーターよりもさらに能力の
高い加熱が可能になる。
【0075】各実施の形態では、高分子材は熱可塑性の
樹脂材料について説明したが、この成形装置及び成形方
法は熱可塑性を有する各種ゴム材に対しても適用可能で
あり、それらの各種ゴム材の加熱に対する特性の変化に
合わせて加熱条件を選定することで、本発明を適用する
ことができる。
【0076】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る高分子材の
成形装置及びその成形方法は、複数の成形面を有し、高
分子材を成形する金型と、高分子材の塑性加工が可能な
ようにその硬度を低下させる手段を備えた構成としたの
で、射出成形よりも高速な高分子材の成形を可能とする
成形装置及びその成形方法を得られる。
【0077】また、高分子材は帯状またはひも状の連続
材としたので、順送り装置により自動化が容易にでき
る。
【0078】また、本発明に係る高分子材の成形装置及
びその成形方法は、塑性加工された高分子材料が別のラ
インで成形された異種材とラインが交わる位置において
一体化されるようにしたので、異種材料の加工及び組み
込みが自動化可能となる。
【0079】また、本発明に係る高分子材の成形装置
は、塑性加工により生じる発熱で高分子材の塑性加工が
可能な高度の低下を得られるようにしたので、条件によ
っては積極的にヒーターで加熱しなくても成形が可能と
なる。
【0080】さらには、成形された材料は圧縮による材
料密度の向上があるので、射出成形品に比べて高い強度
を有する。また、射出成形品に見られるウェールドライ
ンや肉引けを生じることがなく、滑らかな成形面が得ら
れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る高分子材の成形装置の実施の形
態(1)を示す構成図である。
【図2】 本発明に係る高分子材の成形装置の実施の形
態(1)における金型の断面図である。
【図3】 図2で金型が開いた状態を示す断面図であ
る。
【図4】 本発明に係る高分子材の成形装置の実施の形
態(1)により成形される帯状材料の加工例を示す見取
り図である。
【図5】 図3の一部を拡大した断面図である。
【図6】 本発明に係る高分子材の成形装置の実施の形
態(2)を示す構成図である。
【図7】 本発明に係る高分子材の成形装置の実施の形
態(2)により成形される帯状材料の加工例を示す見取
り図である。
【図8】 本発明に係る高分子材の成形装置の実施の形
態(3)で、ひも状材料の加工例を示す見取り図であ
る。
【図9】 本発明に係る高分子材の成形装置において、
高分子材の温度を上昇させる装置の実施の形態を示す構
成図である。
【図10】本発明に係る高分子材の成形装置において、
高分子材の温度を上昇させる装置の実施の形態を示す構
成図である。
【符号の説明】
1 成形装置 4 プレス機械 10 金型 11 キャビティプレート 12 コアプレート 13 ストリッパープレート 30 材料送り装置 40 材料(樹脂材料) 111〜117 成形面 200 成形装置

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の成形面を有し、高分子材を順次成
    形する金型と、高分子材の硬度を低下させて塑性加工を
    可能にするプレチクソトロピー化手段を備えた高分子材
    の成形装置。
  2. 【請求項2】 複数の成形面を有し、高分子材を順次成
    形する金型と、高分子材の硬度を低下させて塑性加工を
    可能にするプレチクソトロピー化手段と、帯状またはひ
    も状の高分子材を前記金型に順次移動させる送り手段と
    を備えた高分子材の成形装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の高分子材の成形装置に
    おいて、高分子材を順次成形する少なくとも一つの成形
    手段と、高分子材とは異なる異種材を同方向または交差
    する方向で順次成形する少なくとも一つの成形手段と、
    このどちらかの成形手段の所定の位置あるいは交差する
    位置において高分子材と異種材を一体化するワンメイク
    化手段を備えたことを特徴とする高分子材の成形装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の高分子材の成
    形装置において、プレチクソトロピー化手段は、高分子
    材の温度を上昇させる手段であることを特徴とする高分
    子材の成形装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の高分子材の成形装置に
    おいて、高分子材の温度を上昇させる手段は、前記金型
    を用いて塑性加工を行うことにより高分子材に生じる塑
    性加工発熱であることを特徴とする高分子材の成形装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の高分子材の成形装置に
    おいて、高分子材の温度を上昇させる手段は、前記金型
    を加熱するヒーターであることを特徴とする高分子材の
    成形装置。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の高分子材の成形装置に
    おいて、高分子材の温度を上昇させる手段は、高分子材
    を高周波加熱する手段であることを特徴とする高分子材
    の成形装置。
  8. 【請求項8】 請求項4に記載の高分子材の成形装置に
    おいて、高分子材の温度を上昇させる手段は、高分子材
    に超音波振動を与えて加熱する手段であることを特徴と
    する高分子材の成形装置。
  9. 【請求項9】 高分子材は塑性加工が可能なようにその
    硬度を低下させ、帯状またはひも状の連続した高分子材
    を複数の成形面を有する金型に順次送ることで成形する
    高分子材の成形方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の高分子材の成形方法
    において、高分子材を塑性加工が可能なようにその硬度
    を低下させる方法は、高分子材の塑性変形により生じる
    発熱を利用すること、または、金型をヒーターで加熱す
    ること、または、高分子材に高周波をかけて高周波加熱
    すること、または、高分子材に超音波振動を与えて加熱
    することである高分子材の成形方法。
  11. 【請求項11】 請求項9または10に記載の高分子材
    の成形方法において、高分子材などを順次成形する手段
    が同方向もしくは交差する方向に複数有り、少なくとも
    一つの成形手段で高分子材を順次成形するとともに、そ
    の他の成形手段でその高分子材とは異なる異種材料を順
    次成形し、所定の位置あるいは交差する位置で高分子材
    と異種材料を一体化することを特徴とする高分子材の成
    形方法。
JP2000402732A 2000-12-28 2000-12-28 高分子材の成形装置及びその成形方法 Withdrawn JP2002200632A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000402732A JP2002200632A (ja) 2000-12-28 2000-12-28 高分子材の成形装置及びその成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000402732A JP2002200632A (ja) 2000-12-28 2000-12-28 高分子材の成形装置及びその成形方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002200632A true JP2002200632A (ja) 2002-07-16

Family

ID=18866973

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000402732A Withdrawn JP2002200632A (ja) 2000-12-28 2000-12-28 高分子材の成形装置及びその成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002200632A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114654705A (zh) * 2022-02-18 2022-06-24 成都领益科技有限公司 热压成型工艺、热压装置、扬声器网罩及耳机

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114654705A (zh) * 2022-02-18 2022-06-24 成都领益科技有限公司 热压成型工艺、热压装置、扬声器网罩及耳机
CN114654705B (zh) * 2022-02-18 2023-09-15 成都领益科技有限公司 热压成型工艺、扬声器网罩及耳机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100429014C (zh) 模压成形方法和模压成形设备
CN105855819A (zh) 一种钢质注塑模具中随形冷却水道的制造方法
CN103341943B (zh) 塑料板料高压热风渐进成形装置及其成形方法
Farahani et al. Analysis of a hybrid process for manufacturing sheet metal-polymer structures using a conceptual tool design and an analytical-numerical modelling
CN106623714A (zh) 镁合金制品的制造方法
JP2006297738A (ja) 射出成形用金型及び射出成形方法
US20070290411A1 (en) Method For Producing A Composite Part By Injection Moulding, Injection Compression Moulding Or Back Compression Moulding Of A Plastic Material
KR20160077719A (ko) 점진 판재 성형 장치 및 점진 판재 성형 방법
JP2002200632A (ja) 高分子材の成形装置及びその成形方法
CN104227982A (zh) 一种注塑模具
KR101768850B1 (ko) 점진 판재 성형 장치 및 점진 판재 성형 방법
JP4414830B2 (ja) 成形機
CN105235129B (zh) 片材成型注塑模具
CN107848168B (zh) 复合构件和用于制造复合构件的方法
FR3059928B1 (fr) Procede de production d'un produit moule par extrusion pour des automobiles
JP5680706B2 (ja) マルチアクション押出成形装置、マルチアクション押出成形機および押出成形方法
JP6366648B2 (ja) 複合成形体の製造方法および製造装置
Davoudinejad et al. Mechanical properties of additively manufactured die with numerical analysis in extrusion process
JP6572822B2 (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂構造体の製造方法
CN206445062U (zh) 一种冲压注塑一体装置
CN109263201B (zh) 一种共挤聚氯乙烯板及其生产方法
Kato et al. Multi-station molding machine for attaining high productivity in small-lot productions
KR101535113B1 (ko) 하이브리드 점진 판재 성형 장치 및 점진 판재 성형 방법
JP6785730B2 (ja) 成形装置および樹脂成形品の製造方法
CN207207027U (zh) 一种弹道注塑模具

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060301

A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080304