JP2002200502A - 高速切削ですぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製スローアウエイチップ - Google Patents

高速切削ですぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製スローアウエイチップ

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JP2002200502A
JP2002200502A JP2000397081A JP2000397081A JP2002200502A JP 2002200502 A JP2002200502 A JP 2002200502A JP 2000397081 A JP2000397081 A JP 2000397081A JP 2000397081 A JP2000397081 A JP 2000397081A JP 2002200502 A JP2002200502 A JP 2002200502A
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Takashi Fujisawa
隆史 藤澤
Kazuki Izumi
一樹 泉
Keiji Nakamura
惠滋 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速切削ですぐれた耐摩耗性を発揮する表面
被覆超硬合金製スローアウエイチップを提供する。 【解決手段】 表面被覆超硬合金製スローアウエイチッ
プが、質量%で、Co:5〜14%、Cr32:0.1
〜2%、VC:0.1〜2%、必要に応じてTiC、N
bC、TaC、(Nb,Ta)C、および(Ti,W)
Cのうちの1種または2種以上:0.5〜25%、W
C:残り、からなる配合組成を有する圧粉体の焼結体で
構成された超硬基体の表面に、(a)内側層として、
0.5〜10μmの平均層厚を有し、かつ物理蒸着法で
形成された、組成式:(Ti1-XAlX)N(ただし、原
子比で、Xは0.3〜0.7を示す)を有する(Ti,
Al)N層、(b)外側層として、0.1〜5μmの平
均層厚を有し、かつ中温化学蒸着法で形成された、κ型
Al23層、以上(a)および(b)で構成された硬質
被覆層を形成してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、炭化タングステ
ン基超硬合金基体(以下、超硬基体という)がすぐれた
高温強度を有すると共に、硬質被覆層がすぐれた高温強
度と高温硬さを有し、したがって高熱発生を伴なう鋼や
鋳鉄などの高速切削加工に用いた場合に、すぐれた耐摩
耗性を発揮する表面被覆超硬合金製スローアウエイチッ
プ(以下、被覆超硬チップという)に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に、被覆超硬チップが、例え
ば図1(a)に概略斜視図で、同(b)に概略縦断面図
で示される形状を有し、バイトの先端部に着脱自在に取
り付けて各種の鋼や鋳鉄などの被削材の旋削加工や平削
り加工を行なうのに用いたり、さらに正面フライス工具
のカッター正面に着脱自在に取り付けて、前記被削材の
面削加工や溝加工、さらに肩加工などに用いられること
は良く知られるところである。また上記被覆超硬チップ
として、超硬基体の表面に、TiとAlの複合窒化物
[以下、(Ti,Al)Nで示す]で構成された硬質被
覆層を0.5〜10μmの平均層厚で形成してなる被覆
超硬チップも知られている。
【0003】さらに、上記の被覆超硬チップの硬質被覆
層である(Ti,Al)N層が、例えば図2に概略説明
図で示される物理蒸着装置の1種であるアークイオンプ
レーティング装置を用い、ヒータで装置内を、例えば雰
囲気を3Paの真空として、500℃の温度に加熱した
状態で、アノード電極と所定組成を有するTi−Al合
金がセットされたカソード電極(蒸発源)との間に、例
えば電圧:35V、電流:90Aの条件でアーク放電を
発生させ、同時に装置内に反応ガスとして窒素ガスを導
入し、一方超硬基体には、例えばー200Vのバイアス
電圧を印加する条件で形成されることも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切削加工
に対する省力化および省エネ化、さらに低コスト化の要
求は強く、これに伴い、切削加工は切削機械の高性能化
とも相俟って高速化の傾向にあるが、従来提案されてい
る各種の被覆超硬チップにおいては、これを鋼や鋳鉄な
どの通常の条件での切削加工に用いた場合には問題はな
いが、これを高速切削条件で用いると、切削加工時に発
生する高熱によって、特に切刃のすくい面と逃げ面の交
わる切刃稜線部に偏摩耗の原因となる熱塑性変形が発生
するようになるばかりでなく、前記切刃稜線部の高温硬
さの著しい低下とも相俟って切刃の摩耗進行が促進し、
この結果比較的短時間で使用寿命に至るのが現状であ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、すぐれた高温強度と高温硬さを
具備した被覆超硬チップを開発すべく研究を行った結
果、 (a)原料粉末として、炭化タングステン(以下、WC
で示す)粉末、炭化クロム(以下、Cr32で示す)粉
末、炭化バナジウム(以下、VCで示す)粉末、および
Co粉末を用いて、配合組成を、質量%で(以下、%は
質量%を示す)、Co:5〜14%、Cr32:0.1
〜2%、VC:0.1〜2%、WC:残り、としてなる
圧粉体の焼結体においては、これを構成する結合相が、
焼結時にCo中にCr32およびVCが固溶し、さらに
Cr32の固溶によって硬質相を形成するWCの一部の
固溶も促進されることから、Co−Cr−V−W系合金
で構成されるようになり、このCo−Cr−V−W系合
金はすぐれた高温強度をもつことから、焼結体の高温強
度が向上するようになること。
【0006】(b)上記(a)の焼結体を基体(超硬基
体)とし、これの表面に硬質被覆層として物理蒸着法を
用いて、組成式:(Ti1-XAlX)N(ただし、Xは、
原子比で0.3〜0.7)を有する(Ti,Al)N層
を形成すると、この(Ti,Al)N層はすぐれた高温
強度を備えたものとなること。
【0007】(c)上記(b)の(Ti,Al)N層
は、上記の通りすぐれた高温強度をもつものの、高速切
削加工時の高温下で十分な高温硬さを維持するものでは
ないが、これを内側層とし、この内側層の上に外側層と
して、反応ガス雰囲気温度を750〜850℃とした中
温化学蒸着法で結晶構造がκ型の酸化アルミニウム(以
下、Al23で示す)層を形成すると、このκ型Al2
3層は高い高温硬さもつことから、前期内側層の(T
i,Al)N層と前記外側層のκ型Al23層との積層
からなる硬質被覆層はすぐれた高温強度と高温硬さを具
備するようになること。
【0008】(d)したがって、上記(a)の超硬基体
の表面に上記(b)および(c)の硬質被覆層を蒸着形
成してなる被覆超硬チップは、前記超硬基体によってす
ぐれた耐熱塑性変形性を具備し、かつ前記(Ti,A
l)N層とκ型Al23層の積層からなる硬質被覆層に
よってすぐれた高温強度と高温硬さをもつようになるこ
とから、これを高熱発生を伴なう高速切削加工に用いて
も偏摩耗が著しく抑制され、長期に亘ってすぐれた耐摩
耗性を発揮すること。
【0009】(e)上記(a)で示した原料粉末に加え
て、さらに原料粉末として、炭化チタン(以下、TiC
で示す)粉末、炭化ニオブ(以下、NbCで示す)粉末、
炭化タンタル(以下、TaCで示す)粉末、NbとTaの
複合炭化物[以下、(Nb,Ta)Cで示す]粉末、お
よびTiとWの複合炭化物[以下、(Ti,W)Cで示
す]粉末を用いて、配合組成を、Co:5〜14%、C
32:0.1〜2%、VC:0.1〜2%、TiC、
NbC、TaC、(Nb,Ta)C、および(Ti,
W)Cのうちの1種又は2種以上:0.5〜25%、W
C:残り、としてなる圧粉体の焼結体は、硬質相として
存在するようになる上記TiC、NbC、TaC、(N
b,Ta)C、および(Ti,W)Cの作用によって一
段と高い高温硬さをもつようになり、したがって、この
焼結体で超硬基体を構成してなる被覆超硬チップは上記
の硬質被覆層の作用とも相俟って、高速切削加工で一層
の耐摩耗性向上が見込めること。以上(a)〜(e)に
示される研究結果が得られたのである。
【0010】この発明は、上記の研究結果に基づいてな
されたものであって、Co:5〜14%、Cr32
0.1〜2%、VC:0.1〜2%、必要に応じてTi
C、NbC、TaC、(Nb,Ta)C、および(T
i,W)Cのうちの1種又は2種以上:0.5〜25
%、WC:残り、からなる配合組成を有する圧粉体の焼
結体で構成された超硬基体の表面に、(a)内側層とし
て、0.5〜10μmの平均層厚を有し、かつ物理蒸着
法で形成された、組成式:(Ti1-XAlX)N(ただ
し、原子比で、Xは0.3〜0.7を示す)を有する
(Ti,Al)N層、(b)外側層として、0.1〜5
μmの平均層厚を有し、かつ中温化学蒸着法で形成され
た、κ型Al23層、以上(a)および(b)で構成さ
れた硬質被覆層を形成してなる、高速切削ですぐれた耐
摩耗性を発揮する被覆超硬チップに特徴を有するもので
ある。
【0011】つぎに、この発明の被覆超硬チップにおい
て、これを構成する超硬基体(焼結体)の配合組成、硬
質被覆層のうちの内側層のX値、さらに硬質被覆層の平
均層厚を上記の通りに限定した理由を説明する。 (1)超硬基体の配合組成 (a)Co Co成分には、焼結性を向上させ、かつ焼結体の常温強
度を向上させる作用があるが、その割合が5%未満で
は、前記作用に所望の向上効果が得られず、一方その割
合が14%を越えると、焼結体の高温強度に低下傾向が
現われ、切刃に塑性変形が発生し易くなり、この結果摩
耗進行促進の原因となる偏摩耗が切刃に発生するように
なることから、その割合を5〜14%と定めた。
【0012】(b)Cr32およびVC Cr32およびVC成分には、上記の通り焼結時に結合
相を形成するCo中に共に完全に固溶し、この固溶によ
ってWCのCoへの固溶も促進して耐熱性のすぐれたC
o−Cr−V−W系合金からなる結合相を形成し、もっ
て焼結体の高温強度を向上させるほか、前記Cr32
分には硬質相を形成するWCの粒成長を抑制して焼結体
の強度低下を防止する作用があるが、Cr32およびV
Cのいずれの成分でも、その割合が0.1%未満になる
と、前記作用に所望の向上効果が得られず、一方その割
合がいずれかでも2%を越えると、結合相の常温強度が
低下するようになることから、その割合をそれぞれCr
32:0.1〜2%、VC:0.1〜2%と定めた。
【0013】(c)TiC、NbC、TaC、(Nb,
Ta)C、および(Ti,W)C これらの成分には、硬質相を形成して焼結体の高温硬さ
を向上させる作用があるので、必要に応じて配合される
が、その割合が0.5%未満では、所望の高温硬さ向上
効果が得られず、一方その割合が25%を越えると、焼
結体の高温強度が急激に低下するようになることから、
その割合を0.5〜25%と定めた。
【0014】(2)硬質被覆層のうちの内側層のX値 (Ti,Al)N層におけるAlは常温強度の高いTi
Nに対して耐熱性を付与し、もってすぐれた高温強度を
具備するようにするために固溶するものであり、したが
って組成式:(Ti1-XAlX)NのX値が0.3未満で
は所望のすぐれた高温強度を確保することができず、一
方その値が0.7を越えると、具備せしめた高温強度が
低下するようになることから、X値を0.3〜0.7と
定めた。
【0015】(3)硬質被覆層の平均層厚 硬質被覆層の上記内側層を構成する(Ti,Al)N層
の平均層厚を、0.5〜10μmとしたのは、その平均
層厚が0.5μm未満では、硬質被覆層に所望の高温強
度を付与することができず、この結果切刃にチッピング
(微小欠け)が発生し易くなり、一方その層厚が10μ
mを越えると、切刃における摩耗進行が局部的になり、
これが原因で切刃に欠けが発生し易くなるという理由か
らである。また、同じく外側層を構成するκ型Al23
層の平均層厚を0.1〜5μmとしたのは、その層厚が
0.1μm未満では硬質被覆層に所望の高温硬さを付与
することができないので、切刃の耐摩耗性に所望の向上
効果が得られず、一方その層厚が5μmを越えると、切
刃に欠けやチッピングが発生し易くなるという理由によ
るものである。なお、被覆超硬チップの使用前後の識別
を容易にするために、黄金色を有する炭化チタン(Ti
N)層を0.1〜3μmの平均層厚で上記外側層の表面
に蒸着してもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の被覆超硬チッ
プを実施例により具体的に説明する。原料粉末として、
平均粒径:5.5μmを有する中粗粒WC粉末、同0.
8μmの微粒WC粉末、同2.3μmのCr32粉末、
同1.2μmのVC粉末、同1.5μmのTiC粉末、
同1.3μmのTaC粉末、同1.2μmのNbC粉
末、同1.0μmの(Ta,Nb)C[質量比で、Ta
C/NbC=50/50]粉末、同1.0μmの(T
i,W)C[質量比で、TiC/WC=70/30]粉
末、おとび同1.8μmのCo粉末を用意し、これら原
料粉末をそれぞれ表1に示される配合組成に配合し、さ
らにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミル
混合し、減圧乾燥した後、100MPaの圧力で所定形
状の圧粉体にプレス成形し、これらの圧粉体を、6Pa
の真空雰囲気中、7℃/分の昇温速度で1370〜14
70℃の範囲内の所定の温度に昇温し、この温度に1時
間保持後、炉冷の条件で焼結し、焼結後、切刃稜線部に
R:0.05のホーニング加工を施してISO規格・C
NMG120408および同SEEN1203AFTN
1のチップ形状をもったWC基超硬合金製の超硬基体a
〜lをそれぞれ製造した。
【0017】ついで、これらの超硬基体a〜lを、アセ
トン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、それぞれ図2
に例示される通常のアークイオンプレーティング装置に
装入し、一方カソード電極(蒸発源)として種々の成分
組成をもったTi−Al合金を装着し、装置内を排気し
て0.5Paの真空に保持しながら、ヒーターで装置内
を500℃に加熱した後、Arガスを装置内に導入して
10PaのAr雰囲気とし、この状態で超硬基体に−8
00vのバイアス電圧を印加して超硬基体表面をArガ
スボンバート洗浄し、ついで装置内に反応ガスとして窒
素ガスを導入して6Paの反応雰囲気とすると共に、前
記超硬基体に印加するバイアス電圧を−200vに下げ
て、前記カソード電極とアノード電極との間にアーク放
電を発生させ、もって前記超硬基体a〜lのそれぞれの
表面に、表2に示される目標組成(X値)および目標層
厚の(Ti,Al)N層を硬質被覆層の内側層として形
成し、さらに前記内側層の表面に、通常の化学蒸着装置
を用い、反応ガス組成を、容量%で、AlCl3:2
%、CO2:3%、H2S:0.3%、HCl:1%、H
2:残り、からなる通常の反応ガス組成とし、かつ反応
雰囲気圧力も同じく通常の7KPaとするが、反応雰囲
気温度は通常の反応雰囲気温度である1000〜105
0℃に比して相対的に低い820℃とした中温化学蒸着
条件で、同じく表2に示される目標層厚のκ型結晶構造
のAl23層を硬質被覆層の外側層として形成すること
により本発明被覆超硬チップ1〜12をそれぞれ製造し
た。
【0018】また、比較の目的で、表3に示される通り
上記の中温化学蒸着条件でのκ型結晶構造のAl23
の形成を行なわない以外は同一の条件で、硬質被覆層が
内側層の(Ti,Al)N層だけからなる比較被覆超硬
チップ1〜12をそれぞれ製造した。
【0019】なお、本発明被覆超硬チップ1〜12およ
び比較被覆超硬チップ1〜12の硬質被覆層について、
その構成層のそれぞれの厚さ方向中央部の組成をオージ
ェ分光分析装置を用いて測定すると共に、その厚さを、
走査型電子顕微鏡を用いて断面測定したところ、いずれ
も目標組成および目標層厚と実質的に同じ値を示した。
【0020】つぎに、上記本発明被覆超硬チップ1〜1
2および比較被覆超硬チップ1〜12のISO規格・C
NMG120408のチップ形状のものについては、こ
れをいずれも工具鋼製バイトの先端部に固定治具にてネ
ジ止めした状態で、 被削材:JIS・SCM440の丸棒、 切削速度:350m/min.、 切り込み:2.0mm、 送り:0.2mm/rev.、 切削時間:15分、 の条件での合金鋼の乾式高速連続旋削試験、 被削材:JIS・FC300の丸棒、 切削速度:350m/min.、 切り込み:2.0mm、 送り:0.3mm/rev.、 切削時間:10分、 の条件での鋳鉄の乾式高速連続旋削試験を行ない、さら
に上記本発明被覆超硬チップ1〜12および比較被覆超
硬チップ1〜12のISO規格・同SEEN1203A
FTN1のチップ形状をもったものについては、正面フ
ライス工具のカッター(直径:200mm)の正面に1
個を固定治具でネジ止めした状態で、 被削材:JIS・S55Cの板材、 切削速度:300m/min.、 切り込み:1.5mm、 送り:0.2mm/刃、 切削時間:10分、 の条件での炭素鋼の乾式高速フライス切削試験をそれぞ
れ行い、いずれの乾式高速切削加工試験でも切刃の逃げ
面摩耗幅を測定した。この測定結果を表2、3にそれぞ
れ示した。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【発明の効果】表1〜3に示される結果から、本発明被
覆超硬チップ1〜12は、いずれもすぐれた高温強度お
よび高温硬さを有することから、鋼や鋳鉄の切削加工を
高い発熱を伴う高速で行っても、切刃に偏摩耗の発生な
く、すぐれた耐摩耗性を発揮するのに対して、硬質被覆
層が(Ti,Al)N層だけからなる、すなわち中温化
学蒸着条件でのκ型結晶構造のAl23層の形成のない
比較被覆超硬チップ1〜12においては、高温硬さ不足
が原因で摩耗の進行がきわめて速いことが明らかであ
る。上述のように、この発明の被覆超硬チップは、各種
の鋼や鋳鉄などの通常の条件での切削加工は勿論のこ
と、特に高速切削加工においてもすぐれた耐摩耗性を発
揮し、使用寿命の延命化を可能にするものであるから、
切削加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に
十分満足に対応できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は被覆超硬チップの概略斜視図で、
(b)は同概略縦断面図である。
【図2】アークイオンプレーティング装置の概略説明図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 14/06 C23C 14/06 A 16/40 16/40 (72)発明者 中村 惠滋 埼玉県大宮市北袋町1−297 三菱マテリ アル株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 3C046 FF03 FF10 FF13 FF16 FF19 FF22 FF25 FF32 FF39 4K018 AD06 FA24 KA16 4K029 AA04 BA58 BB02 BC02 BD05 CA03 DD06 EA01 FA04 4K030 AA03 AA14 AA17 BA02 BA43 BB13 CA03 FA10 HA04 JA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、 Co:5〜14%、 炭化クロム:0.1〜2%、 炭化バナジウム:0.1〜2%、 炭化タングステン:残り、 からなる配合組成を有する圧粉体の焼結体で構成された
    炭化タングステン基超硬合金基体の表面に、 (a)内側層として、0.5〜10μmの平均層厚を有
    し、かつ物理蒸着法で形成された、組成式:(Ti1-X
    AlX)N(ただし、原子比で、Xは0.3〜0.7を
    示す)を有するTiとAlの複合窒化物層、 (b)外側層として、0.1〜5μmの平均層厚を有
    し、かつ中温化学蒸着法で形成された、κ型結晶構造の
    酸化アルミニウム層、以上(a)および(b)で構成さ
    れた硬質被覆層を形成してなる、高速切削ですぐれた耐
    摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製スローアウエイチ
    ップ。
  2. 【請求項2】 質量%で、 Co:5〜14%、 炭化クロム:0.1〜2%、 炭化バナジウム:0.1〜2%、 炭化チタン、炭化ニオブ、炭化タンタル、NbとTaの
    複合炭化物、およびTiとWの複合炭化物のうちの1種
    又は2種以上:0.5〜25%、 炭化タングステン:残り、からなる配合組成を有する圧
    粉体の焼結体で構成された炭化タングステン基超硬合金
    基体の表面に、 (a)内側層として、0.5〜10μmの平均層厚を有
    し、かつ物理蒸着法で形成された、組成式:(Ti1-X
    AlX)N(ただし、原子比で、Xは0.3〜0.7を
    示す)を有するTiとAlの複合窒化物層、 (b)外側層として、0.1〜5μmの平均層厚を有
    し、かつ中温化学蒸着法で形成された、κ型結晶構造の
    酸化アルミニウム層、以上(a)および(b)で構成さ
    れた硬質被覆層を形成してなる、高速切削ですぐれた耐
    摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製スローアウエイチ
    ップ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104480337A (zh) * 2014-12-15 2015-04-01 技锋精密刀具(马鞍山)有限公司 一种硬质合金分切刀具用材料的制备方法

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CN104480337A (zh) * 2014-12-15 2015-04-01 技锋精密刀具(马鞍山)有限公司 一种硬质合金分切刀具用材料的制备方法

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