JP2002191099A - 信号処理装置 - Google Patents

信号処理装置

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JP2002191099A
JP2002191099A JP2001280809A JP2001280809A JP2002191099A JP 2002191099 A JP2002191099 A JP 2002191099A JP 2001280809 A JP2001280809 A JP 2001280809A JP 2001280809 A JP2001280809 A JP 2001280809A JP 2002191099 A JP2002191099 A JP 2002191099A
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signal
input
signal processing
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input signal
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JP2001280809A
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English (en)
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Hiroyuki Hashimoto
裕之 橋本
Kenichi Terai
賢一 寺井
Isao Kakubari
勲 角張
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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    • H04SSTEREOPHONIC SYSTEMS 
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    • H04S7/00Indicating arrangements; Control arrangements, e.g. balance control
    • H04S7/30Control circuits for electronic adaptation of the sound field
    • H04S7/305Electronic adaptation of stereophonic audio signals to reverberation of the listening space
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    • H04S7/00Indicating arrangements; Control arrangements, e.g. balance control
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  • Stereophonic System (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力信号の音声コーディング方式やサンプリ
ング周波数あるいはチャンネル数に関わらず信号処理の
総演算量を略一定とすることが可能な信号処理装置を提
供する。 【解決手段】 音源2の属性信号より入力属性判定手段
3がオーディオ信号の音声コーディング方式やサンプリ
ング周波数あるいはチャンネル数を示す入力属性を判定
し、その判定結果に応じて、オーディオ信号を信号処理
する入力信号処理手段の信号処理内容を切換える。例え
ば、最大の入力チャンネル数の演算量に、最大チャンネ
ル数未満の演算量を合わせることにより、演算精度を向
上することができる、あるいは効果を向上することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマルチチャンネルオ
ーディオ信号の再生機能を有する信号処理装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、DVD(VIDEO、AUDI
O)などの再生装置において、ドルビーAC−3やDT
Sなどの音声コーディング方式に代表されるマルチチャ
ンネルオーディオ信号が扱われるようになってきた。こ
のマルチチャンネルオーディオ信号の再生には、通常、
視聴者の前方や後方に複数個のスピーカを使用する(各
チャンネル信号毎に1つづつスピーカを使用する)。
【0003】例えば図30は、ドルビーAC−3やDT
Sなどの5.1チャンネルオーディオ信号をスピーカ再
生する場合を示している。このように6個のスピーカ5
a〜5fが必要となる。
【0004】しかし、住宅事情などの理由から、全ての
視聴者が6個のスピーカ(スピーカを駆動するためのア
ンプなども含む)を揃えられるとは限らない。通常、C
Dなど従来のオーディオ装置は左右2チャンネル信号を
基本としているため、少なくとも2個のスピーカであれ
ば大部分の視聴者が揃えることができる。しかし、マル
チチャンネル信号をそのまま2個のスピーカで再生して
も希望する音場効果は得られない。
【0005】また、例えば深夜にDVDを楽しむ場合、
近所迷惑などの理由から、スピーカで大音量再生ができ
ないことも考えられる。この場合、ヘッドホンを使用す
れば音量の問題は解決できるが、ヘッドホンの左右2個
のスピーカでマルチチャンネル信号を再生しなければな
らず、希望する効果は得られない。さらに、ヘッドホン
に特有な音像の頭内定位という問題が発生する。
【0006】よって、ドルビーAC−3やDTSなどの
マルチチャンネルオーディオ信号を2個のスピーカで再
生する、あるいはヘッドホンで再生する信号処理装置
が、色々と考案・提案されている。
【0007】例えば図29は、特開平11−55799
号公報に示される従来の信号処理装置である。
【0008】以下、図面を参照しながら従来の信号処理
装置について説明する。
【0009】図29は、従来の信号処理装置のブロック
図を示すものである。
【0010】図29において、2は音源であるDVDプ
レーヤ、3はDVDプレーヤ2からのビットストリーム
信号をデコードするデコーダ、5a〜5bは音像定位制
御されたオーディオ信号を図示しないアンプを介して再
生するスピーカ、6は音像定位制御されたオーディオ信
号を図示しないアンプを介して再生するヘッドホン、2
5aは第1のデジタル処理回路、25bは第2のデジタ
ル処理回路、26a〜26pはFIRフィルタ、27a
〜27dは加算器である。
【0011】図29に示す信号処理装置の動作を以下に
説明する。
【0012】DVDプレーヤ2からのビットストリーム
信号は、デコーダ3によってウーファー信号、センター
信号、フロントR信号、フロントL信号、サラウンドR
信号、サラウンドL信号にデコードされ、第1のデジタ
ル信号処理回路25aに入力される。第1のデジタル信
号処理回路25aは、FIRフィルタ26a〜26lに
よって各信号の音像定位処理を行う。ここでは、スピー
カ5a〜5bだけを用いて恰も図30に示す6個のスピ
ーカ5a〜5f構成で再生しているように制御される。
【0013】例えば、センタースピーカ5c(図30)
からの音を再現する場合を考える。FIRフィルタ26
cの伝達関数をX1、FIRフィルタ26dの伝達関数
をX2とすると、(数1)が成立する。
【0014】
【数1】CR=SrrX1+SlrX2 CL=SrlX1+SllX2 (数1)の連立方程式が成立するX1、X2を求めれ
ば、スピーカ5a〜5bによるセンタースピーカ5cの
再生(図29の点線で示すスピーカを表す)が実現でき
る。
【0015】つまり、FIRフィルタ26c〜26d
は、(数2)となる係数を求めればよい。
【0016】
【数2】X1=(SllCR−SlrCL)/(Srr
Sll−SrlSlr) X2=(SrrCL−SrlCR)/(SrrSll−
SrlSlr) 以上を他のチャンネル信号にも同様に行うことで、スピ
ーカ5a〜5bだけを用いて恰も図30に示す6個のス
ピーカ5a〜5f構成で再生しているように制御するこ
とができる。
【0017】次に、第1のデジタル信号処理回路25a
の出力は第2のデジタル信号処理回路25bに入力さ
れ、ここでヘッドホン6を使用する場合の音像定位制御
が行われる。つまり、ヘッドホン6を用いて恰もスピー
カ5a〜5bで再生しているように制御される。
【0018】FIRフィルタ26mの伝達関数をY1、
FIRフィルタ26nの伝達関数をY2、FIRフィル
タ26oの伝達関数をY3、FIRフィルタ26pの伝
達関数をY4とすると、(数3)が成立する。
【0019】
【数3】Srr=HrrY1 Srl=HllY2 Slr=HrrY3 Sll=HllY4 ただし、Hrrはヘッドホン6の右スピーカと右耳元の
伝達関数であり、Hllはヘッドホン6の左スピーカと
左耳元の伝達関数である。各方程式が成立するY1、Y
2、Y3、Y4を求めれば、ヘッドホン6によるスピー
カ5a〜5bの再生が実現できる。
【0020】つまり、FIRフィルタ26m〜26p
は、(数4)となる係数を求めればよい。
【0021】
【数4】Y1=Srr/Hrr Y2=Srl/Hll Y3=Slr/Hrr Y4=Sll/Hll 次に、他の従来の信号処理装置について説明する。
【0022】図31は、従来の他の信号処理装置のブロ
ック図を示すものである。
【0023】図31において、2は音源であるDVDプ
レーヤ、3はDVDプレーヤ2からのビットストリーム
信号をデコードするデコーダ、4は音像定位制御を行う
DSP、5a〜5bはDSP4によって音像定位制御さ
れたオーディオ信号を図示しないアンプを介して再生す
るスピーカ、6はDSP4によって音像定位制御された
オーディオ信号を図示しないアンプを介して再生するヘ
ッドホン、7はDSP4のプログラムにより構成された
伝達関数補正回路、9a〜9lは伝達関数補正回路7を
構成するFIRフィルタ、11a〜11bはDSP4の
プログラムにより構成された加算器、12a〜12bは
DSP4のプログラムにより構成された減算器、13a
〜13bはDSP4のソフトウエアにより構成されたク
ロストークキャンセル回路である。
【0024】図31に示す信号処理装置の動作を以下に
説明する。
【0025】DVDプレーヤ2からのビットストリーム
信号は、デコーダ3によってウーファー信号、センター
信号、フロントR信号、フロントL信号、サラウンドR
信号、サラウンドL信号にデコードされ、DSP4に入
力される。DSP4は伝達関数補正回路7によって各信
号の音像定位処理を行う。その各出力信号を加算器11
a〜11bで左右2チャンネル信号とし、ヘッドホン6
あるいはスピーカ5a〜5bに出力する。スピーカ5a
〜5bを使用する場合は、クロストークキャンセル回路
13a〜13bと減算器12a〜12bにより、スピー
カ5a〜5bから左右耳元へのクロストーク伝達関数S
rl、Slrの影響を除去する構成になっている。
【0026】伝達関数補正回路7では、スピーカ5a〜
5bあるいはヘッドホン6を用いる場合の各チャンネル
信号に音像定位制御を施す。具体的には、FIRフィル
タ9a〜9lにおいて個々の伝達関数を示す係数と畳込
み処理される。
【0027】例えば図30のセンタースピーカ5cから
の音をスピーカ5a〜5bを用いて再現する場合を考え
る。FIRフィルタ9cの伝達関数をX1、FIRフィ
ルタ9dの伝達関数をX2とする。
【0028】ところでクロストークキャンセル回路13
a〜13bは、加算器11aの出力信号からクロストー
クキャンセル回路13bの出力信号を減算することで右
スピーカ5aから左耳のクロストーク伝達関数Srlを
打消し、また加算器11bの出力信号からクロストーク
キャンセル回路13aの出力信号を減算することで左ス
ピーカ5bから右耳のクロストーク伝達関数Slrを打
消すように働くので、(数5)が成立する。
【0029】
【数5】クロストークキャンセル回路13aの伝達関数
=Srl/Sll クロストークキャンセル回路13bの伝達関数=Slr
/Srr
【0030】
【数6】CR=Srr{X1−(Slr/Srr)X
2}+Slr{X2−(Srl/Sll)X1} CL=Srl{X1−(Slr/Srr)X2}+Sl
l{X2−(Srl/Sll)X1} (数6)の連立方程式が成立するX1、X2を求めれ
ば、スピーカ5a〜5bによるセンタースピーカ5cの
再生(図31の点線で示すスピーカを表す)が実現でき
る。
【0031】つまり、FIRフィルタ9c〜9dは、
(数7)となる係数を求めればよい。
【0032】
【数7】 X1=SllCR/(SrrSll−SrlSlr) X2=SrrCL/(SrrSll−SrlSlr) 以上を他のチャンネル信号にも同様に行うことで、スピ
ーカ5a〜5bだけを用いて恰も図30に示す6個のス
ピーカ5a〜5f構成で再生しているように制御するこ
とができる。
【0033】次に、例えば図30のセンタースピーカ5
cからの音をヘッドホン6を用いて再現する場合を考え
る。FIRフィルタ9cの伝達関数をX1、FIRフィ
ルタ9dの伝達関数をX2とすると、(数8)が成立す
る。
【0034】
【数8】CR=HrrX1 CL=HllX2 ただし、Hrrはヘッドホン6の右スピーカと右耳元の
伝達関数であり、Hllはヘッドホン6の左スピーカと
左耳元の伝達関数である。各方程式が成立するX1、X
2を求めれば、ヘッドホン6によるセンタースピーカ5
cの再生が実現できる。
【0035】つまり、FIRフィルタ9c〜9dは、
(数9)となる係数を求めればよい。
【0036】
【数9】X1=CR/Hrr X2=CL/Hll 以上を他のチャンネル信号にも同様に行うことで、ヘッ
ドホン6を用いて恰も図30に示す6個のスピーカ5a
〜5f構成で再生しているように制御することができ
る。
【0037】上記説明からも明らかなように、この従来
例ではスピーカ5a〜5bを使用する場合とヘッドホン
6を使用する場合でFIRフィルタ9a〜9lの係数を
変更する必要がある。
【0038】ところでこの従来例では、FIRフィルタ
9a〜9lで反射音を含む伝達関数を実現しようとして
いるため、FIRフィルタ9a〜9lのタップ数はその
模擬している部屋のインパルス応答を十分表現できるも
のでなければならない。図32と図33は、タップ数が
1024(図31のFIRフィルタ9a〜9lにおい
て、(1024)となっているのはタップ数を表してい
る)の場合の係数を示している。図33は、反射音成分
が分かりやすいように、図32をレベル方向に拡大した
ものである。サンプリング周波数が48kHzなので1
024タップの時間長は約21msecとなり、これを
距離換算すれば約6mとなる。よって、おおよその目安
でいうと、8畳のリスニングルームで1次反射音が何と
か収まる程度であり、残響成分などの高次反射音は全く
表現できない。また、8畳以上の大きな部屋を想定する
場合、1次反射音さえ収まらなくなり、更なる長タップ
化が必要となる。それに応じて演算量とメモリ容量が増
大する。
【0039】さらに、他の従来の信号処理装置について
説明する。
【0040】図34は、従来の他の信号処理装置のブロ
ック図を示すものである。
【0041】図34において、2は音源であるDVDプ
レーヤ、3はDVDプレーヤ2からのビットストリーム
信号をデコードするデコーダ、4は音像定位制御を行う
DSP、5a〜5bはDSP4によって音像定位制御さ
れたオーディオ信号を図示しないアンプを介して再生す
るスピーカ、6はDSP4によって音像定位制御された
オーディオ信号を図示しないアンプを介して再生するヘ
ッドホン、7はDSP4のプログラムにより構成された
伝達関数補正回路、8はDSP4のプログラムにより構
成された反射音付加回路、9a〜9lは伝達関数補正回
路7を構成するFIRフィルタ、10a〜10lは反射
音付加回路8を構成する遅延回路、11a〜11bはD
SP4のプログラムにより構成された加算器、12a〜
12bはDSP4のソフトウエアにより構成された減算
器、13a〜13bはDSP4のソフトウエアにより構
成されたクロストークキャンセル回路である。
【0042】図34は、図31の伝達関数補正回路7に
直列に反射音付加回路8を挿入した構成となっているだ
けである。その分、伝達関数補正回路7を構成するFI
Rフィルタ9a〜9lのタップ数を短くしている(例で
は128タップ)。つまり、伝達関数補正回路7と反射
音付加回路8で図31の長タップの場合の伝達関数補正
回路7と同等の伝達関数を実現しようとしたものであ
る。
【0043】図35は、反射音付加回路8における遅延
回路10a〜10lの各内部構成を示している。
【0044】図35において、14a〜14NはN個の
遅延器、15a〜15NはN個のレベル調整器、16a
〜16NはN個のf特調整器、17a〜17NはN個の
加算器である。
【0045】遅延回路10a〜10lへの入力信号は、
加算器17a〜17Nを経由してそのまま出力されると
共に、遅延器14a〜14Nでそれぞれ所定の遅延時間
が与えられ、その出力がレベル調整器15a〜15Nで
それぞれレベル調整され、そしてf特調整器16a〜1
6Nでそれぞれ所定の周波数特性の調整(例えばある周
波数帯域成分のレベルを上げ下げしたり、あるいはロー
パスフィルタ特性が与えられるなど)が行われ、加算器
17a〜17Nで遅延回路10a〜10lへの入力信号
を含む各信号と加算される。すなわち、遅延回路10a
〜10lでは、入力信号である直接音成分(つまりFI
Rフィルタ9a〜9lの出力信号)に、遅延器14a〜
14Nとレベル調整器15a〜15Nとf特調整器16
a〜16Nと加算器17a〜17Nによって、N個(あ
るいはN発)の独立した反射音成分を付加することにな
る。
【0046】よって、直接音成分以外の信号、すなわち
インパルス応答の前方部(床の1次反射音などは比較的
前方部にある)から後方部成分(残響成分など)を反射
音付加回路8で実現している。つまり、反射音付加回路
8は、模擬したいリスニングルームのインパルス応答を
シミュレーションしていることになる。そのため、伝達
関数補正回路7におけるFIRフィルタ9a〜9lのタ
ップ数を短くすることができる。なぜなら、図31の場
合と異なり、FIRフィルタ9a〜9lはリスニングル
ーム全体のインパルス応答ではなく直接音成分のみを表
現できればいいからである。この場合の直接音成分の測
定は無響室で行えばよい。図36は、タップ数が128
(図34のFIRフィルタ9a〜9lにおいて、(12
8)となっているのはタップ数を表している)の場合の
無響室で測定した係数を示している。
【0047】ところで、遅延回路10a〜10lの演算
時間は長タップのFIRフィルタと比較して通常少なく
抑えることができるため、図31の構成よりも演算時間
を削減できる。
【0048】以上のように、図34の構成では演算量を
削減しながら図31の構成と同程度の音像定位制御効果
が得られる。
【0049】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図29
に示す従来の装置では、第1のデジタル処理回路25a
でスピーカ5a〜5b用のマルチチャンネル信号の仮想
的音像定位制御を行い、さらにその信号を第2のデジタ
ル処理回路25bでヘッドホン6用のスピーカ5a〜5
b再生信号の仮想的音像定位制御を行う構成となってお
り、ヘッドホン6では2度仮想的音像定位制御されたオ
ーディオ信号を聞くことになる。通常、1度の仮想的音
像定位制御でさえも、個人差や、スピーカあるいはヘッ
ドホン特性のバラツキ、処理精度の誤差(FIRフィル
タ係数の精度など)などにより、例えば図30のある部
屋におけるスピーカ5a〜5f再生を完全に再現するこ
とは困難である。よって、第1のデジタル処理回路25
aの出力信号でさえ音像定位が甘くなるにもかかわら
ず、もう1度第2のデジタル処理回路25bで音像定位
制御を行うと、より効果が劣化してしまい使い物になら
なくなる。
【0050】また、図29に示す従来の装置では6チャ
ンネルや4チャンネルのマルチチャンネル信号源(例え
ばDVD2)のみを想定しており、CDなど従来のステ
レオ音源を音像定位制御する構成は説明されておらず、
また仮にこの構成のままステレオ音源に使用したとして
も、フロントLR信号以外の入力信号がなくなっただけ
で、センター用やサラウンド用の信号処理は構成された
ままとなり、フロントLR信号の処理精度を向上するた
めに演算量を振り向けるなどの工夫は説明されていな
い。DVD規格にも、マルチチャンネルモード以外にP
CM2チャンネルモードがあり、その場合、同様の問題
が起こる。
【0051】つまり、入力チャンネル数に応じて限られ
た演算量を有効に利用する構成とはなっていない。
【0052】図31あるいは図34の構成では、仮想的
音像定位制御は伝達関数補正回路7による1度だけであ
るが、図31の場合と同様に、入力チャンネル数に応じ
て限られた演算量を有効に利用する構成とはなっていな
い。
【0053】本発明は、上述した問題点に鑑みてなされ
たものであり、マルチチャンネル音源からの入力チャン
ネル数あるいは音声コーディング方式あるいはサンプリ
ング周波数などに応じて、限られた演算量を有効に利用
する信号処理装置を提供することを目的とする。想定さ
れる最大の入力チャンネル数の演算量に、最大入力チャ
ンネル数以下の入力チャンネルの演算量を合わせること
により、あるいは最大のサンプリング周波数の演算量以
上に総演算量を合わせることにより、演算精度を向上す
ることができる、あるいは音像定位効果を向上すること
ができる。
【0054】
【課題を解決するための手段】本発明の信号処理装置
は、入力信号の音声コーディング方式の種類、サンプリ
ング周波数およびチャンネル数のうちの少なくとも1つ
を示す入力属性を判定する入力属性判定手段と、前記入
力信号を処理する入力信号処理手段とを備え、前記入力
信号処理手段は、前記入力属性判定手段による判定結果
に基づいて前記入力属性が変化したか否かを判定し、前
記入力属性の変化によって前記入力信号処理手段におい
て演算余裕が生じた場合には、前記演算余裕の少なくと
も一部を前記入力信号の処理に割り当てる。これによ
り、上記目的が達成される。
【0055】前記入力信号のサンプリング周波数が低く
なるように前記入力属性が変化した場合には、前記入力
信号処理手段は、前記サンプリング周波数の低下によっ
て生じた演算余裕の少なくとも一部を前記入力信号の処
理に割り当ててもよい。
【0056】前記入力信号のチャンネル数が減少するよ
うに前記入力属性が変化した場合には、前記入力信号処
理手段は、前記チャンネル数の減少によって生じた演算
余裕の少なくとも一部を前記入力信号の処理に割り当て
てもよい。
【0057】前記入力信号の音声コーディング方式に基
づく演算量が減少するように前記入力属性が変化した場
合には、前記入力信号処理手段は、前記演算量の減少に
よって生じた演算余裕の少なくとも一部を前記入力信号
の処理に割り当ててもよい。
【0058】最大のサンプリング周波数をfsとすると
き、前記入力信号処理手段は、前記サンプリング周波数
の変化にかかわらず前記入力信号処理手段の演算時間が
1/fs以上となるように前記入力信号の処理を制御し
てもよい。
【0059】最大のチャンネル数をNmax、最大のチ
ャンネル数のときの前記入力信号処理手段の総演算量を
Cmaxとするとき、前記入力信号処理手段は、前記チ
ャンネル数がNxのときの前記入力信号処理手段の総演
算量がCmax・Nx/Nmax以上となるように前記
入力信号の処理を制御し、Nxは1以上Nmax以下の
任意の整数であってもよい。
【0060】前記入力信号処理手段は、前記入力属性の
変化にかかわらず前記入力信号処理手段の総演算量がほ
ぼ一定となるように前記入力信号の処理を制御してもよ
い。
【0061】前記入力信号処理手段は、DSP(デジタ
ルシグナルプロセッサ)あるいはMPU(マイクロプロ
セッサユニット)によって実行される複数のプログラム
を含み、前記入力信号処理手段は、前記入力属性判定手
段による判定結果に応じて前記複数のプログラムを切り
換えることにより前記入力信号処理手段の演算量を制御
してもよい。
【0062】前記入力属性が変化した場合には、前記入
力信号処理手段は、前記プログラムを初期化してもよ
い。
【0063】前記入力属性を示す入力属性情報が、記録
媒体に記録されており、前記入力属性判定手段は、前記
記録媒体に記録された前記入力属性情報に基づいて前記
入力属性を判定してもよい。
【0064】前記入力属性判定手段は、オーディオ信号
を生成するデコーダから出力される属性信号を受け取
り、前記属性信号に基づいて前記入力属性を判定しても
よい。
【0065】前記入力属性判定手段は、音源からのビッ
トストリーム信号を入力信号として受け取り、前記ビッ
トストリーム信号をデコードすることによりオーディオ
信号を生成するデコーダを含み、前記デコーダは、前記
ビットストリーム信号をデコードする過程において前記
入力属性を判定してもよい。
【0066】前記入力属性判定手段は、複数のオーディ
オ信号を前記入力信号として受け取り、前記複数のオー
ディオ信号のそれぞれのレベルを検出することにより、
前記入力属性を判定する入力判定回路を含んでいてもよ
い。
【0067】前記入力属性判定手段は、前記入力属性を
示す入力属性情報をユーザが前記信号処理装置に入力す
ることを可能にする属性入力回路を含み、前記属性入力
回路は、前記入力属性情報に基づいて前記入力属性を判
定してもよい。
【0068】前記入力信号処理手段は、所定の位置に設
置した複数の仮想スピーカから受聴者の耳元までの直接
音成分の音響特性を主に再現する伝達関数補正回路と、
前記複数の仮想スピーカから前記受聴者の耳元までの反
射音成分の音響特性を主に再現する反射音付加回路とを
含んでいてもよい。
【0069】前記伝達関数補正回路からの出力信号と前
記反射音付加回路からの出力信号とを加算することによ
り加算信号を生成し、前記加算信号を2個のスピーカま
たはヘッドホンに入力することにより、前記入力信号処
理手段は、前記2個のスピーカまたはヘッドホンによっ
て再生される音の音響特性が前記複数の仮想スピーカに
よって再生される音の音響特性にほぼ等しくなるように
音像定位制御を行ってもよい。
【0070】前記伝達関数補正回路からの出力信号を前
記反射音付加回路に入力し、前記反射音付加回路からの
出力信号を2個のスピーカまたはヘッドホンに入力する
ことにより、前記入力信号処理手段は、前記2個のスピ
ーカまたはヘッドホンによって再生される音の音響特性
が前記複数の仮想スピーカによって再生される音の音響
特性にほぼ等しくなるように音像定位制御を行ってもよ
い。
【0071】前記伝達関数補正回路は、複数のデジタル
フィルタを含み、前記入力信号処理手段は、前記入力属
性の変化に応じて前記複数のデジタルフィルタのうちの
少なくとも1つのタップ数を調整することにより、前記
入力信号の処理を制御してもよい。
【0072】前記反射音付加回路は、直列接続された複
数の遅延器とレベル調整器とを含み、前記入力信号処理
手段は、前記入力属性の変化に応じて前記遅延器および
レベル調整器の個数を調整することにより、前記入力信
号の処理を制御してもよい。
【0073】前記入力信号がフロントL信号およびフロ
ントR信号の2チャンネルのオーディオ信号である場合
には、前記入力信号処理手段は、前記フロントL信号と
前記フロントR信号とを加算してレベル調整することに
よりセンター信号を生成し、そのセンター信号を音像定
位制御してもよい。
【0074】前記入力信号がフロントL信号およびフロ
ントR信号の2チャンネルのオーディオ信号である場合
には、前記入力信号処理手段は、前記フロントL信号と
前記フロントR信号との差をとることによりサラウンド
信号を生成し、前記サラウンド信号を音像定位制御して
もよい。
【0075】前記入力信号がサラウンドL信号とサラウ
ンドR信号とを含む5.1チャンネルまたは5チャンネ
ルのオーディオ信号である場合には、前記入力信号処理
手段は、前記サラウンドL信号と前記サラウンドR信号
とを加算してレベル調整することによりサラウンドバッ
ク信号を生成し、前記サラウンドバック信号を音像定位
制御してもよい。
【0076】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を用いて説明する。
【0077】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1の信号処理装置1の概略構成の例を示す。
【0078】信号処理装置1は、入力信号の入力属性を
判定する入力属性判定手段3と、入力信号を処理する入
力信号処理手段4とを含む。
【0079】音源2は、入力信号の入力属性を示す属性
信号を入力属性判定手段3に出力し、オーディオ信号を
入力信号処理手段4に出力する。音源2は、例えば、音
声・映像の処理を行う機器である。あるいは、音源2
は、音声・映像の処理および情報処理の両方を行う複合
機器であってもよい。
【0080】入力属性判定手段3は、音源2から属性信
号を受け取り、その属性信号に基づいて入力信号の入力
属性を判定する。入力属性判定手段3による判定結果
は、判定信号として入力信号処理手段4に出力される。
ここで、入力信号の入力属性とは、入力信号の音声コー
ディング方式の種類、サンプリング周波数およびチャン
ネル数のうちの少なくとも1つを示すものをいうとす
る。音声コーディング方式としては、例えば、オーディ
オデータの圧縮方式として代表的なAC−3、DTSな
どの方式や、リニアPCMなどの方式が知られている。
【0081】入力信号処理手段4は、音源2からオーデ
ィオ信号を入力信号として受け取り、入力属性判定手段
3から判定信号を受け取り、判定信号に応じてオーディ
オ信号を処理する。入力信号処理手段4によって処理さ
れたオーディオ信号は、出力信号として入力信号処理手
段4から出力される。
【0082】図2は、信号処理装置1の動作の例を示す
フローチャートである。図2に示されるように、信号処
理装置1は、音源2から属性信号を受け取り、その属性
信号に基づいて入力属性を判定し、その判定結果に応じ
て入力信号に対して行うべき処理内容を切り換える。す
なわち、信号処理装置1は、入力属性が属性Aである場
合には入力信号に対して「属性A信号処理」を行い、入
力属性が属性Bである場合には入力信号に対して「属性
B信号処理」を行い、入力属性が属性Cである場合には
入力信号に対して「属性C信号処理」を行う。
【0083】ここで、各入力属性に対応する信号処理
は、信号処理の内容は異なるものの、その信号処理の総
演算量がほぼ等しくなるように実行される。例えば、入
力属性がチャンネル数の少ない属性である場合には、チ
ャンネル1つあたりの処理に割り当てられる演算量を多
くすることができる。これにより、信号処理の効果を向
上させたり、本来の信号処理以外の機能を追加したりす
ることが可能になる。
【0084】なお、入力属性を示す入力属性情報が記録
媒体に記録されている場合には、音源2は、その記録媒
体に記録されている入力属性情報を再生することによ
り、入力属性情報に基づく属性信号を入力属性判定手段
3に出力する。あるいは、音源2がオーディオ信号を生
成するデコーダを内蔵している場合には、そのデコーダ
が属性信号を入力属性判定手段3に出力するようにして
もよい。
【0085】図3は、信号処理装置1の他の概略構成の
例を示す。
【0086】信号処理装置1は、入力信号の入力属性を
判定する入力属性判定手段3と、入力信号を処理する入
力信号処理手段4とを含む。
【0087】音源2は、ビットストリーム信号を入力属
性判定手段3に出力する。
【0088】入力属性判定手段3は、ビットストリーム
信号を入力信号として受け取り、ビットストリーム信号
をデコードすることによりオーディオ信号を生成するデ
コーダを含む。オーディオ信号は、入力信号処理手段4
に出力される。また、デコーダは、ビットストリーム信
号をデコードする過程において入力信号の入力属性を判
定する。その判定結果は、判定信号として入力信号処理
手段4に出力される。
【0089】入力信号処理手段4は、入力属性判定手段
3からオーディオ信号と判定信号とを受け取り、判定信
号に応じてオーディオ信号を処理する。入力信号処理手
段4によって処理されたオーディオ信号は、出力信号と
して入力信号処理手段4から出力される。
【0090】このように、図3に示される信号処理装置
1は、入力信号をデコードする過程において入力属性を
判定し、その判定結果に応じて入力信号に対して行うべ
き処理内容を切り換える。このような処理内容の切り換
えにより、図1に示される信号処理装置1と同様の効果
が得られる。
【0091】なお、図1および図3に示される例では、
「オーディオ信号」は1本の矢印で示されているが、こ
の矢印の意味は1チャンネルのオーディオ信号に限定さ
れない。この矢印が、複数のチャンネルのオーディオ信
号を意味してもよい。
【0092】同様に、図1および図3に示される例で
は、「出力信号」は1本の矢印で示されているが、この
矢印の意味は1本の出力信号に限定されない。この矢印
が複数の出力信号を意味してもよい。
【0093】以下、信号処理装置1による信号処理の例
として音像定位制御を取り上げ、信号処理装置1の構成
および動作をさらに詳細に説明する。
【0094】図4は、図3に示される信号処理装置1の
詳細構成の例を示す。
【0095】図4に示される信号処理装置1は、入力属
性判定手段3として機能するデコーダと、入力信号処理
手段4として機能するDSP(デジタルシグナルプロセ
ッサ)とを含む。なお、DSPの代わりに、MPU(マ
イクロプロセッサユニット)を使用してもよい。
【0096】デコーダ3は、音源2として機能するDV
Dプレーヤからビットストリーム信号を入力信号として
受け取り、ビットストリーム信号をデコードことによ
り、複数のチャンネルのオーディオ信号(ウーファー信
号、センター信号、フロントR信号、フロントL信号、
サラウンドR信号およびサラウンドL信号)と判定信号
とを生成する。判定信号は、入力信号の入力属性の判定
結果を示す。
【0097】DSP4は、スピーカ5a、5bまたはヘ
ッドホン6によって再生される音の音響特性が所定の位
置に設置された複数の仮想スピーカによって再生される
音の音響特性にほぼ等しくなるように音像定位制御を行
う。DSP4は、所定の位置に設置された複数の仮想ス
ピーカから受聴者の耳元までの直接音成分の音響特性を
主に再現する伝達関数補正回路7と、所定の位置に設置
された複数の仮想スピーカから受聴者の耳元までの反射
音成分の音響特性を主に再現する反射音付加回路8とを
含む。
【0098】伝達関数補正回路7は、FIRフィルタ9
a〜9lを含む。伝達関数補正回路7は、デコーダ3か
ら出力された複数のチャンネルのオーディオ信号に対し
て所定の処理を行い、処理結果を示す出力信号を反射音
付加回路8に出力する。
【0099】反射音付加回路8は、遅延回路10a〜1
0lを含む。反射音付加回路8は、伝達関数補正回路7
からの出力信号に対して所定の処理を行い、処理結果を
示す出力信号を出力する。
【0100】加算器11aは、反射音付加回路8からの
出力信号のうちのいくつかを加算し、その加算信号をス
ピーカ5aまたはヘッドホン6に出力する。
【0101】加算器11bは、反射音付加回路8からの
出力信号のうちのいくつかを加算し、その加算信号をス
ピーカ5bまたはヘッドホン6に出力する。
【0102】減算器12a、12bおよびクロストーク
キャンセル回路13a、13bの機能は、図34を参照
して説明したとおりである。
【0103】なお、スピーカ5a、5bおよびヘッドホ
ン6によって音を再生するために使用されるアンプは図
4から省略されている。
【0104】なお、伝達関数補正回路7、反射音付加回
路8、加算器11a、11b、減算器12a、12bお
よびクロストークキャンセル回路13a、13bの機能
は、DSP4によって実行されるプログラムによって実
現される。そのプログラムは、単一のプログラムである
か、複数のプログラムであるかを問わない。
【0105】図4に示されるDSP4の構成は、基本的
には従来技術として説明した図34に示されるDSP4
の構成と同様である。よって、音像定位制御の説明の詳
細はここでは省略する。
【0106】図4に示される信号処理装置1の構成と図
34に示される信号処理装置の構成とが異なる点は、デ
コーダ3が入力信号の入力属性の判定結果を示す判定信
号をDSP4に出力し、DSP4が判定信号に応じてデ
コーダ3から出力される複数のチャンネルのオーディオ
信号に対する処理の内容を変更する点にある。
【0107】例えば、デコーダ3は、入力信号がどの音
声コーディング方式(例えば、ドルビーAC−3やDT
SあるいはPCM2チャンネル)に基づいているかを検
出し、検出された音声コーディング方式を示す判定信号
をDSP4に出力する。このような検出は、例えば、ビ
ットストリーム信号のフォーマットが規格で予め決めら
れていることから、ビットストリーム信号の所定位置の
情報を参照することによって達成される。DSP4は、
その判定信号に対応する音声コーディング方式に最適な
音像定位制御を行う。
【0108】図5は、DSP4によって実行される主要
なプログラムのステップを示す。
【0109】はじめに、DSP4は、デコーダ3から判
定信号を受け取り、この判定信号に基づいて、音声コー
ディング方式が変化したかどうかをチェックする。音声
コーディング方式が変化した場合には、内部メモリなど
の初期化を行い、これまでのデータを一旦クリアする。
このような初期化は、例えば、プログラムを初期化する
ことによって達成される。音声コーディング方式が変化
していない場合には、これまでのデータを引続き使用す
る。
【0110】次に、DSP4は、デコーダ3からの判定
信号に基づき現在の音声コーディング方式を判定し、そ
の音声コーディング方式に応じた音像定位制御を行う。
【0111】図5に示される例では、音像定位制御に
は、「5.1chウーファー有りモード」「5.1ch
ウーファー無しモード」「ドルビープロロジックモー
ド」「PCM2chモード」および「ドルビーEXモー
ド」の5つのモードがある。
【0112】ここで、図4に示されるDSP4の構成
は、「5.1chウーファー有りモード」の場合の構成
である。DSP4は、現在の音声コーディング方式(ま
たは現在のチャンネル数)に対応する音像定位制御のモ
ードに応じて自分自身の構成(例えば、伝達関数補正回
路7の構成または反射音付加回路8の構成)を変化させ
る機能を有している。このようなDSP4の構成の変化
は、例えば、DSP4によって実行されるプログラムを
切り換えることによって達成され得る。
【0113】なお、図4に示される反射音付加回路8
は、従来技術として説明した図35の構成でも構わない
が、それ以外に図6に示す構成や図7に示す構成でもよ
い。図6の構成はf特調整器16を1つにして各反射音
の周波数調整を共通に行うものであり、図7の構成は各
反射音の周波数調整を特に行わないものとなっている。
【0114】以上説明したように、図4に示されるDS
P4の構成は、「5.1chウーファー有りモード」の
場合の構成である。図4に示されるDSP4の構成が、
基本構成である。
【0115】図8は、「5.1chウーファー無しモー
ド」の場合のDSP4の構成の例を示す。
【0116】図8に示されるDSP4は、図4に示され
るDSP4の構成に比べて、伝達関数補正回路7からウ
ーファー信号用のFIRフィルタ9a、9bを削除し、
反射音付加回路8からウーファー信号用の遅延回路10
a、10bを削除した構成となっている。また、図8に
示されるDSP4では、センター信号用のFIRフィル
タ9c、9dのタップ数が256となっている。
【0117】図8において、図4に示される構成要素と
同一の構成要素には同一の参照番号を付し、その説明を
省略する。図8に示されるDSP4の基本動作は、図4
に示されるDSP4と同様であるので詳しい説明を省略
する。ただし、「5.1chウーファー無しモード」の
場合において再現したいスピーカ配置の例は、図9に示
されるようになる。
【0118】図4に示されるDSP4では、センター信
号用のFIRフィルタ9c、9dのタップ数は128で
あった。従って、図8に示されるDSP4では、図4に
示されるDSP4に比べて、センター信号用のFIRフ
ィルタ9c、9dが2倍のフィルタ長を有していること
になる。フィルタ長が長い分、フィルタの精度が向上
し、音像定位制御の効果が向上する。特に、低音の音質
や定位感が向上する。
【0119】ここで、図8に示されるDSP4による演
算量およびメモリ容量は、図4に示されるDSP4によ
る演算量およびメモリ容量に等しい。図8に示される伝
達関数補正回路7の演算量およびメモリ容量は、256
タップ/フィルタ×2+128タップ/フィルタ×8=
1536タップ分の演算量およびメモリ容量であり、図
4に示される伝達関数補正回路7の演算量およびメモリ
容量は、128タップ/フィルタ×12=1536タッ
プ分の演算量およびメモリ容量であり、両者は等しいか
らである。
【0120】図8に示されるDSP4では、ウーファー
信号の処理が不要となったため、ウーファー信号の処理
に必要であった演算量およびメモリ容量をセンター信号
用の音像定位制御の処理に割り当てている。これによ
り、センター信号用の音像定位制御の効果を向上するこ
とができる。
【0121】なお、ウーファー信号は、デコーダ3によ
って、フロントL信号またはフロントR信号などに所定
の方法で付与されることになる(AC−3やDTSなど
では、その方法が規定されている)。
【0122】「5.1chウーファー無しモード」はヘ
ッドホン6を用いた再生時に特に有用である。その理由
は、低音信号(AC−3やDTSなどでは、ウーファー
信号は120Hz以下となっている)はそれほど定位感
・方向感に影響を与えないため、ウーファー信号をフロ
ントL信号またはフロントR信号などに付与しても、得
られる低音感にそれほど悪影響を与えないためである。
また、通常、ヘッドホンは大型スピーカあるいは専用の
サブウーファーなどと比べて低域再生能力に劣るものが
多いため、むりやりそれら専用スピーカの特性を再現す
るようにウーファー信号を再生するよりは、フロントス
ピーカなどその他のスピーカでウーファー信号を再生す
る方が、ヘッドホン再生にとっては望ましい。
【0123】これに対して、スピーカ5a、5bが十分
な低域再生能力を有している場合には、図4に示される
DSP4の構成を用いて音像定位制御を行ってもよい。
ただし、スピーカ5a、5bを用いた再生の場合でも、
低音信号は定位感・方向感にはあまり寄与しないため、
図8に示されるDSP4の構成を用いてセンター信号の
再生に重点を置いた音像定位制御を行ってもかまわな
い。
【0124】なお、図8に示される例では、FIRフィ
ルタ9c、9dのタップ数を256、FIRフィルタ9
e〜9lのタップ数を128としたが、これに限定した
ものではなく、DSP4の演算量およびメモリ容量の許
す範囲内で自由に設定すればよい。
【0125】図37は、入力信号の入力属性(音声コー
ディング方式の種類またはチャンネル数)の変化によっ
て生じた演算余裕が入力信号の処理に割り当てられる様
子を模式的に示す。
【0126】DSP4に入力される最大の入力チャンネ
ル数をNmaxとする。ここでは、Nmax=6であ
る。
【0127】「5.1chウーファー有りモード」(図
4)では、入力チャンネル数がNmax(=6)であ
る。従って、Nmax個のチャンネルの信号がDSP4
によって処理されるため、DSP4による総演算量Cm
axは、Cmax=C1+C2+C3+C4+C5+C
6によって表される。ここで、C1〜C6は、それぞ
れ、各チャンネルの信号の処理に必要な演算量を示し、
C6がウーファー信号の処理に必要な演算量を示す。
【0128】これに対し、「5.1chウーファー無し
モード」(図8)では、ウーファー信号がDSP4に入
力されないため、入力チャンネル数がNx(=5)に減
少する。その結果、DSP4による処理を変更しないま
まとすると、DSP4による総演算量Cx=C1+C2
+C3+C4+C5となり、Crem(=Cmax−C
x)分だけ演算余裕ができることになる。図8に示され
る例では、この演算余裕Cremをセンター信号用の処
理に割り当てている。その結果、C5(センター信号の
処理に割り当てられる演算量)が演算余裕Cremの分
だけ増大する。
【0129】なお、図8では、入力信号の入力属性が変
化した後の新たな総演算量Cnewが総演算量Cmax
に等しくなるように演算余裕Cremをセンター信号用
の処理に割り当てる例を示したが、これに限定されな
い。演算余裕Cremの少なくとも一部を1以上の入力
チャンネルの信号の処理に割り当てるようにすればよ
い。このように、演算余裕Cremは任意に使用され得
る。
【0130】入力信号の入力属性が変化した後の総演算
量Cnewは、Cmax・Nx/Nmax(図8の場
合、Cmax・5/6)以上であればよい。
【0131】このように、入力信号のチャンネル数が減
少するように入力属性が変化した場合には、DSP4
は、そのチャンネル数の減少によって生じた演算余裕の
少なくとも一部を入力信号の処理(例えば、センター信
号の音像定位制御の処理)に割り当てる。また、入力信
号の音声コーディング方式に基づく演算量が減少するよ
うに入力属性が変化した場合には、DSP4は、その演
算量の減少によって生じた演算余裕の少なくとも一部を
入力信号の処理(例えば、センター信号の音像定位制御
の処理)に割り当てる。これにより、余剰な演算能力を
有効に活用することができる。
【0132】図10は、「ドルビープロロジックモー
ド」の場合のDSP4の構成の例を示す。
【0133】図10に示されるDSP4は、図8に示さ
れるDSP4に比べて、伝達関数補正回路7のサラウン
ドL信号およびサラウンドR信号用のFIRフィルタ9
i〜9lをFIRフィルタ9m、9nに置換し、反射音
付加回路8のサラウンドL信号およびサラウンドR信号
用の遅延回路10i〜10lを遅延回路10m、10n
に置換した構成となっている。また、図10に示される
DSP4では、FIRフィルタ9c〜9h、9m〜9n
のタップ数が192となっている。
【0134】図10において、図4、図8に示される構
成要素と同一の構成要素には同一の参照番号を付し、そ
の説明を省略する。図10に示されるDSP4の基本動
作は、図4、図8に示されるDSP4と同様であるので
詳しい説明を省略する。ただし、「ドルビープロロジッ
クモード」の場合において再現したいスピーカ配置の例
は、図11に示されるようになる。
【0135】図11に示されるように、サラウンドスピ
ーカ5gは1つとなっている。このため、図10に示さ
れるサラウンド信号に対する伝達関数補正は、FIRフ
ィルタ9m、9nを用いて行われ、図10に示されるサ
ラウンド信号に対する反射音付加は、遅延回路10m、
10nを用いて行われる。
【0136】図8に示されるDSP4では、フロントL
信号およびフロントR信号用のFIRフィルタ9e〜9
hのタップ数は128であり、サラウンドL信号および
サラウンドR信号用のFIRフィルタ9i〜9lのタッ
プ数は128であった。従って、図10に示されるDS
P4では、図8に示されるDSP4に比べて、FIRフ
ィルタ9e〜9h、9m〜9nが1.5倍のフィルタ長
を有していることになる。フィルタ長が長い分、フィル
タの精度が向上し、音像定位制御の効果が向上する。特
に低音の音質や定位感が向上する。ただし、図8に示さ
れるDSP4では、センター信号用のFIRフィルタ9
c、9dのタップ数が256であったので、図10に示
されるDSP4では、図8に示されるDSP4に比べ
て、FIRフィルタ9c、9dが0.75倍のフィルタ
長を有していることになる(図4に示されるDSP4と
比較すると1.5倍のフィルタ長)。
【0137】ここで、図10に示されるDSP4による
演算量およびメモリ容量は、図4および図8に示される
DSP4による演算量およびメモリ容量に等しい。図1
0に示される伝達関数補正回路7の演算量およびメモリ
容量は、192タップ/フィルタ×8=1536タップ
分の演算量およびメモリ容量であり、図4および図8に
示される伝達関数補正回路7の演算量およびメモリ容量
は、1536タップ分の演算量およびメモリ容量であ
り、両者は等しいからである。
【0138】図10に示されるDSP4では、サラウン
ド信号がモノラルとなったため、サラウンドL信号およ
びサラウンドR信号の処理に必要であった演算量および
メモリ容量の少なくとも一部をフロントL信号およびフ
ロントR信号用の音像定位制御の処理およびサラウンド
信号用の音像定位制御の処理に割り当てている。これに
より、フロントL信号およびフロントR信号用の音像定
位制御の効果と、サラウンド信号用の音像定位制御の効
果とを向上することができる。
【0139】なお、図10に示される例では、FIRフ
ィルタ9c〜9nのタップ数を192としたが、これに
限定したものではなく、DSP4の演算量およびメモリ
容量の許す範囲内で自由に設定すればよい。例えば、図
8に示される例のようにセンター信号を重視する場合に
は、FIRフィルタ9c、9dのタップ数を256、F
IRフィルタ9e〜9hのタップ数を192、FIRフ
ィルタ9m、9nのタップ数を128としてもよい。こ
の場合も、伝達関数補正回路7の演算量およびメモリ容
量は、1536タップ分の演算量およびメモリ容量とな
る。
【0140】サラウンド信号は、センター信号やフロン
ト信号と比較すると重要度は低い。従って、サラウンド
信号用のFIRフィルタのタップ数を減らし、そのタッ
プ数の減少により発生する演算余裕をセンター信号また
はフロント信号の処理に割り当てることにより、音像定
位制御の効果を全体的に向上させることができる。
【0141】また、図11に示される例では、サラウン
ドスピーカ5gを視聴者の後方に1個設置しているが、
視聴者の後方左右にそれぞれ1個サラウンドスピーカを
設置して同じサラウンド信号を再生する構成としてもよ
い。このようにサラウンドスピーカを2個使用する構成
が推奨されている場合もある。この場合には伝達関数補
正回路7と反射音付加回路8とにおいて各サラウンドス
ピーカからの音響特性を再現するようにサラウンド信号
を音像定位制御すればよい。
【0142】図12は、「PCM2chモード」の場合
のDSP4の構成の例を示す。
【0143】図12に示されるDSP4は、図4に示さ
れるDSP4に比べて、伝達関数補正回路7からウーフ
ァー信号用FIRフィルタ9a、9bとセンター信号用
FIRフィルタ9c、9dとサラウンドL信号およびサ
ラウンドR信号用のFIRフィルタ9i〜9lとを削除
し、反射音付加回路8から遅延回路10a、10bと遅
延回路10c、10dと遅延回路10i〜10lとを削
除した構成となっている。すなわち、図12に示される
DSP4の構成は、いわゆる通常のステレオ構成であ
る。また、図12に示されるDSP4では、フロントL
信号およびフロントR信号用のFIRフィルタ9e〜9
hのタップ数が384となっている。
【0144】図12において、図4に示される構成要素
と同一の構成要素には同一の参照番号を付し、その説明
を省略する。図12に示されるDSP4の基本動作は、
図4に示されるDSP4におけるフロントL信号および
フロントR信号の処理動作と同様であるので詳しい説明
を省略する。ただし、「PCM2chモード」の場合に
おいて再現したいスピーカ配置の例は、図13に示され
るようになる。
【0145】図4に示されるDSP4では、フロントL
信号およびフロントR信号用のFIRフィルタ9e〜9
hのタップ数は128であった。従って、図12に示さ
れるDSP4では、図4に示されるDSP4に比べて、
フロントL信号およびフロントR信号用のフィルタ9e
〜9hが3倍のフィルタ長を有していることになる。フ
ィルタ長が長い分、フィルタの精度が向上し、音像定位
制御の効果が向上する。特に、低音の音質や定位感が向
上する。
【0146】ここで、図12に示されるDSP4による
演算量およびメモリ容量は、図4に示されるDSP4に
よる演算量およびメモリ容量に等しい。図12に示され
る伝達関数補正回路7の演算量およびメモリ容量は、3
84タップ/フィルタ×4=1536タップ分の演算量
およびメモリ容量であり、図4に示される伝達関数補正
回路7の演算量およびメモリ容量は、1536タップ分
の演算量およびメモリ容量であり、両者は等しいからで
ある。
【0147】図12に示されるDSP4では、ウーファ
ー信号、センター信号、サラウンドL信号およびサラウ
ンドR信号の処理が不要となったため、これらの信号の
処理に必要であった演算量およびメモリ容量をフロント
L信号およびフロントR信号用の音像定位制御の処理に
割り当てている。これにより、フロントL信号およびフ
ロントR信号用の音像定位制御の効果を向上することが
できる。
【0148】なお、図12に示される例では、FIRフ
ィルタ9e〜9hのタップ数を384としたが、これに
限定したものではなく、DSP4の演算量およびメモリ
容量の許す範囲内で自由に設定すればよい。
【0149】図14は、「PCM2chモード」の場合
のDSP4の他の構成の例を示す。
【0150】図14に示されるDSP4は、図12に示
されるDSP4に比べて、加算器19とレベル調整器1
8とを追加し、伝達関数補正回路7にFIRフィルタ9
c、9dを追加し、反射音付加回路8に遅延回路10
c、10dを追加した構成となっている。
【0151】図14において、図12に示される構成要
素と同一の構成要素には同一の参照番号を付し、その説
明を省略する。図14に示されるDSP4の基本動作
は、図12に示されるDSP4と同様であるので詳しい
説明を省略する。
【0152】加算器19は、フロントL信号とフロント
R信号とを加算することによりセンター信号を作り出
す。レベル調整器18は、そのセンター信号のレベル調
整を行い、レベル調整後のセンター信号をFIRフィル
タ9c、9dに出力する。
【0153】FIRフィルタ9c、9dおよび遅延回路
10c、10dは、レベル調整後のセンター信号に対し
て音像定位制御を行う。
【0154】フロントL信号は、信号成分Cと信号成分
Lとを含み、フロントR信号は、信号成分Cと信号成分
Rとを含んでいるとする。すなわち、フロントL信号の
成分=C+L、フロントR信号の成分=C+Rである。
ここで、CはフロントL信号およびフロントR信号に共
通に含まれる成分を示し、LはフロントL信号には含ま
れるがフロントR信号には含まれない成分を示し、Rは
フロントR信号には含まれるがフロントL信号には含ま
れない成分を示す。
【0155】加算器19は、フロントL信号とフロント
R信号とを加算するので、加算器19から出力される加
算信号の成分は2C+L+Rとなる。この加算信号のレ
ベルをレベル調整器18によって1/2に減衰させるこ
とにより、レベル調整器18から出力される信号の成分
は、C+(L+R)/2となる。
【0156】このように、レベル調整器18から出力さ
れる信号は、フロントL信号およびフロントR信号に共
通に含まれる同相成分が強調された信号となる。フロン
トL信号およびフロントR信号に共通に含まれる同相成
分とは、図13に示されるRchスピーカ5aとLch
スピーカ5bとの間にファンタム定位させるセンター成
分に他ならない。すなわち、図14に示されるDSP4
の構成は、図15に示されるスピーカ配置における再生
音場を、スピーカ5a、5bあるいはヘッドホン6で再
現しようとするものである。
【0157】図13に示されるスピーカ配置に比べて、
図15に示されるスピーカ配置によれば、センター信号
がセンタースピーカ5cで再生されるため、定位感がよ
い。これをスピーカ5a、5bあるいはヘッドホン6で
再現する場合には、図12に示されるようにFIRフィ
ルタ9e〜9hでRchスピーカ5a、Lchスピーカ
5bを音像定位制御し、センター音をファンタム定位さ
せるよりも、図14に示されるようにセンター信号を作
ってからFIRフィルタ9c、9dで音像定位制御させ
る方がはるかに効果がよい。
【0158】また、図13に示されるRchスピーカ5
aとLchスピーカ5bとの間をあまり離しすぎるとフ
ァンタム定位で作っているセンター音がうまく実現され
ず、所謂中抜け現象を生じる。これに対して図15に示
される構成では、センター音を実際のスピーカ5cから
再生しているので、中抜け現象は起こらない。逆に、R
chスピーカ5aとLchスピーカ5bとの間を離すこ
とができるので、ステレオ感、広がり感をさらに増大さ
せることもできる。
【0159】さらに、図14に示されるDSP4では、
センター信号、フロントL信号およびフロントR信号用
のFIRフィルタ9c〜9hのタップ数が256となっ
ている。図4に示されるDSP4では、センター信号、
フロントL信号およびフロントR信号用のFIRフィル
タ9c〜9hのタップ数は128であった。従って、図
14に示されるDSP4では、図4に示されるDSP4
に比べて、センター信号、フロントL信号およびフロン
トR信号用のFIRフィルタ9c〜9hが2倍のフィル
タ長を有していることになる。フィルタ長が長い分、フ
ィルタの精度が向上し、音像定位制御の効果が向上す
る。特に、低音の音質や定位感が向上する。
【0160】ここで、図14に示されるDSP4による
演算量およびメモリ容量は、図4に示されるDSP4に
よる演算量およびメモリ容量に等しい。図14に示され
る伝達補正回路7の演算量およびメモリ容量は、256
タップ/フィルタ×6=1536タップ分の演算量およ
びメモリ容量であり、図4に示される伝達補正回路7の
演算量およびメモリ容量は、1536タップ分の演算量
およびメモリ容量であり、両者は等しいからである。
【0161】図14に示されるDSP4では、ウーファ
ー信号、サラウンドL信号およびサラウンドR信号の処
理が不要となったため、これらの信号の処理に必要であ
った演算量およびメモリ容量をセンター信号、フロント
L信号およびフロントR信号用の音像定位制御の処理に
割り当てている。これにより、センター信号、フロント
L信号およびフロントR信号用の音像定位制御の効果を
向上することができる。
【0162】なお、図14に示される例では、FIRフ
ィルタ9c〜9hのタップ数を256としたが、これに
限定したものではなく、DSP4の演算量およびメモリ
容量の許す範囲内で自由に設定すればよい。例えば、セ
ンター信号を重視する場合には、FIRフィルタ9c、
9dのタップ数を512、FIRフィルタ9e〜9hの
タップ数を128としてもよい。あるいは、FIRフィ
ルタ9c、9dのタップ数を384、FIRフィルタ9
e〜9hのタップ数を192としてもよい。これらの場
合も、伝達関数補正回路7の演算量およびメモリ容量
は、1536タップ分の演算量およびメモリ容量とな
る。
【0163】図16は、「PCM2chモード」の場合
のDSP4の他の構成の例を示す。
【0164】図16に示されるDSP4は、図14に示
されるDSP4に比べて、減算器20を追加し、伝達関
数補正回路7にFIRフィルタ9m、9nを追加し、伝
達関数補正回路8に遅延回路10m、10nを追加した
構成となっている。
【0165】図16において、図14に示される構成要
素と同一の構成要素には同一の参照番号を付し、その説
明を省略する。図16に示されるDSP4の基本動作
は、図14に示されるDSP4と同様であるので詳しい
説明を省略する。
【0166】減算器20は、フロントL信号からフロン
トR信号を減算することにより(または、フロントR信
号からフロントL信号を減算することにより)サラウン
ド信号を作り出す。そのサラウンド信号は、FIRフィ
ルタ9m、9nに出力される。
【0167】FIRフィルタ9m、9nおよび遅延回路
10m、10nは、サラウンド信号に対して音像定位制
御を行う。
【0168】フロントL信号は、信号成分Cと信号成分
Lとを含み、フロントR信号は、信号成分Cと信号成分
Rとを含んでいるとする。すなわち、フロントL信号の
成分=C+L、フロントR信号の成分=C+Rである。
ここで、CはフロントL信号およびフロントR信号に共
通に含まれる成分を示し、LはフロントL信号には含ま
れるがフロントR信号には含まれない成分を示し、Rは
フロントR信号には含まれるがフロントL信号には含ま
れない成分を示す。
【0169】減算器20は、フロントL信号からフロン
トR信号を減算する(または、フロントR信号からフロ
ントL信号を減算する)ので、減算器20から出力され
る差分信号の成分は、L−R(または、R−L)とな
る。
【0170】このように、減算器20から出力される差
分信号は、フロントL信号およびフロントR信号に共通
に含まれる同相成分(C)を含まず、フロントL信号に
固有の成分(L)およびフロントR信号に固有の成分
(R)を含む。フロントL信号に固有の成分(L)およ
びフロントR信号に固有の成分(R)を含む差分信号
は、ステレオ感、広がり感を感じさせる信号である。従
って、このような差分信号は、サラウンド信号に相当す
る。すなわち、図16に示されるDSP4の構成は、図
17に示されるスピーカ配置における再生音場を、スピ
ーカ5a、5bあるいはヘッドホン6で再現しようとす
るものである。ここで、図17に示されるスピーカ配置
は、図11に示されるスピーカ配置と同じである。
【0171】以上のように、図16に示されるDSP4
は、フロントL信号とフロントR信号とからセンター信
号とサラウンド信号とを作り出し、それらの信号に対し
て音像定位制御を行う。図16に示されるDSP4によ
れば、図10に示される「ドルビープロロジックモー
ド」の場合のDSP4によって得られる効果と同様の効
果を得ることができる。
【0172】よって、FIRフィルタ9c〜9nのタッ
プ数についても図10の場合と同様のことが言える。
【0173】なお、「ドルビープロロジックモード」の
場合と同様に、図17に示される例では、サラウンドス
ピーカ5gを視聴者の後方に1個設置しているが、視聴
者の後方左右にそれぞれ1個サラウンドスピーカを設置
して同じサラウンド信号を再生する構成としてもよい。
このようにサラウンドスピーカを2個使用する構成が推
奨されている場合もある。この場合には伝達関数補正回
路7と反射音付加回路8とにおいて各サラウンドスピー
カからの音響特性を再現するようサラウンド信号を音像
定位制御すればよい。
【0174】次に、「ドルビーEXモード」の場合のD
SP4の構成を説明する。ドルビーEXとは、現在、ド
ルビー研究所から提案されている新しいマルチチャンネ
ル再生方式であり、サラウンドL信号およびサラウンド
R信号からサラウンドバック信号を新たに作り出し、そ
のサラウンドバック信号用のスピーカを図30に示され
るスピーカ配置に追加する構成となっている。現時点で
はDVDでドルビーEXが採用されるかどうかは未定で
あるが、以下では、将来、ドルビーEXがDVDで採用
されると見込んで説明する。もし、ドルビーEXがDV
Dで採用されなかったとしても、DVD以外の他の音源
でドルビーEXが採用される可能性がある。以下の説明
は、そのような音源にも応用できることは言うまでもな
い。
【0175】図18は、「ドルビーEXモード」の場合
のDSP4の構成の例を示す。
【0176】図18に示されるDSP4は、図4に示さ
れるDSP4に比べて、伝達関数補正回路7にFIRフ
ィルタ9o、9pを追加し、反射音付加回路8に遅延回
路10o、10pを追加した構成となっている。
【0177】図18において、図4に示される構成要素
と同一の構成要素には同一の参照番号を付し、その説明
を省略する。図18に示されるDSP4の基本動作は、
図4に示されるDSP4と同様であるので詳しい説明を
省略する。ただし、「ドルビーEXモード」の場合にお
いて再現したいスピーカ配置の例は、図19に示される
ようになる。
【0178】FIRフィルタ9o、9pと遅延回路10
o、10pとは、図19に示されるサラウンドバックス
ピーカ5gから再生される音場・音像定位を、スピーカ
5a、5bあるいはヘッドホン6で再現できるように音
像定位制御を行う。
【0179】従来のドルビーAC−3やDTSなどの
5.1chモードでは、サラウンド信号用のチャンネル
は2つのみ(LチャンネルおよびRチャンネル)であ
り、サラウンド信号再生用のスピーカ5d、5eは視聴
者の斜め後方である±110度(0度は視聴者の正面方
向)に配置されているため、視聴者の真後ろ付近に音像
がある場合には、その音像の定位は頭内になってしま
う。実際のマルチチャンネルスピーカ配置による再生に
よっても同じ問題が起こる。その理由は、サラウンドR
chスピーカ5dとサラウンドLchスピーカ5eとの
間が広くはなれているため、そのスピーカ5d、5eに
より作り出されるファンタム定位は希望するスピーカ5
d、5e間には定位せず頭内になってしまうからであ
る。これは、図14を参照して説明した中抜け現象と同
じである。
【0180】これに対し、「ドルビーEXモード」で
は、視聴者の真後ろにサランドバックスピーカ5gが設
置されているため、中抜け現象が回避される。
【0181】以上説明したように、「ドルビーEXモー
ド」の場合のDSP4によれば、サラウンド音場・音像
定位が向上するが、図4に示されるDSP4の構成と比
べて、FIRフィルタ9o、9pと遅延回路10o、1
0pの演算量およびメモリ容量が増える。図18に示さ
れる例では、FIRフィルタ9a〜9pのタップ数を全
て128としているので、FIRフィルタ9a〜9pの
演算量およびメモリ容量は、128タップ/フィルタ×
14=1792タップ分の演算量およびメモリ容量とな
る。
【0182】従って、「ドルビーEXモード」に対応す
る場合には、図18に示されるDSP4の構成を基本構
成とし、「5.1chモード(ウーファー有りまたはウ
ーファー無し)」ではサラウンドバック信号の処理に必
要であった演算量およびメモリ容量を所定の信号処理
(例えば、センター信号用の音像定位制御の処理)に割
り当ててもよい。あるいは、「5.1chウーファー有
りモード」の場合のDSP4の構成を図20に示される
ようにしてもよい。
【0183】なお、「ドルビープロロジックモード」の
場合と同様に、図19に示される例では、サラウンドバ
ックスピーカ5gを視聴者の後方に1個設置している
が、受聴者の後方左右にそれぞれ1個サラウンドバック
スピーカを設置して同じサラウンドバック信号を再生す
る構成としてもよい。このようにサラウンドバックスピ
ーカを2個使用する構成が推奨されている場合もある。
この場合には伝達関数補正回路7と反射音付加回路8と
において各サラウンドバックスピーカからの音響特性を
再現するようサラウンドバック信号を音像定位制御すれ
ばよい。
【0184】図20は、「5.1chウーファー有りモ
ード」の場合のDSP4の構成の例を示す。
【0185】図20に示されるDSP4は、図4に示さ
れるDSP4の構成に比べて、加算器22とレベル調整
器21とを追加し、伝達関数補正回路7にFIRフィル
タ9o、9pを追加し、反射音付加回路8に遅延回路1
0o、10pを追加した構成となっている。
【0186】図20において、図4に示される構成要素
と同一の構成要素には同一の参照番号を付し、その説明
を省略する。図20に示されるDSP4の基本動作は、
図4に示されるDSP4と同様であるので詳しい説明を
省略する。
【0187】加算器22は、サラウンドL信号とサラウ
ンドR信号とを加算することによりサラウンドバック信
号を作り出す。レベル調整器21は、そのサラウンドバ
ック信号のレベル調整を行い、レベル調整後のサラウン
ドバック信号をFIRフィルタ9o、9pに出力する。
【0188】FIRフィルタ9o、9pおよび遅延回路
10o、10pは、レベル調整後のサラウンドバック信
号に対して音像定位制御を行う。
【0189】サラウンドL信号は、信号成分SBと信号
成分SLとを含み、サラウンドR信号は、信号成分SB
と信号成分SRとを含んでいるとする。すなわち、サラ
ウンドL信号の成分=SB+SL、サラウンドR信号の
成分=SB+SRである。ここで、SBはサラウンドL
信号およびサラウンドR信号に共通に含まれる成分を示
し、SLはサラウンドL信号には含まれるがサラウンド
R信号には含まれない成分を示し、SRはサラウンドR
信号には含まれるがサラウンドL信号には含まれない成
分を示す。
【0190】加算器22は、サラウンドL信号とサラウ
ンドR信号とを加算するので、加算器22から出力され
る加算信号の成分は2SB+SL+SRとなる。この加
算信号のレベルをレベル調整器21によって1/2に減
衰させることにより、レベル調整器21から出力される
信号の成分は、SB+(SL+SR)/2となる。
【0191】このように、レベル調整器21から出力さ
れる信号は、サラウンドL信号およびサラウンドR信号
に共通に含まれる同相成分が強調された信号となる。サ
ラウンドL信号およびサラウンドR信号に共通に含まれ
る同相成分とは、5.1ch再生をする場合において、
図21に示されるサラウンドRchスピーカ5dとサラ
ウンドLchスピーカ5eと間にファンタム定位させる
成分に他ならない。すなわち、図20に示されるDSP
4の構成は、図21に示されるスピーカ配置における再
生音場を、スピーカ5a、5bあるいはヘッドホン6で
再現しようとするものである。
【0192】図21に示されるスピーカ配置によれば、
サラウンドバック信号がサラウンドバックスピーカ5g
で再生されるため、定位感がよい。これをスピーカ5
a、5bあるいはヘッドホン6で再現する場合には、図
4に示されるようにFIRフィルタ9i〜9lでサラウ
ンドLchスピーカおよびサラウンドRchスピーカを
音像定位制御し、サラウンドバック音をファンタム定位
させるよりも、図20に示されるようにサラウンドバッ
ク信号を作ってからFIRフィルタ9o、9pで音像定
位制御させる方がはるかに効果がよい。
【0193】また、図30に示されるサラウンドRch
スピーカ5dとサラウンドLchスピーカ5eとの間を
あまり離しすぎるとファンタム定位で作っているサラウ
ンドバック音がうまく実現されず、所謂中抜け現象を生
じる。これに対して図21に示される構成では、サラウ
ンドバック音を実際のスピーカ5gから再生しているの
で、中抜け現象は起こらない。逆に、サラウンドRch
スピーカ5dとサラウンドLchスピーカ5eとの間を
離すことができるので、広がり感をさらに増大させるこ
ともできる。
【0194】以上のように、図20に示されるDSP4
は、サラウンドL信号とサラウンドR信号とからサラウ
ンドバック信号を作り出し、そのサラウンドバック信号
に対して音像定位制御を行う。図20に示されるDSP
4によれば、「5.1chモード」の場合でも「ドルビ
ーEXモード」と同様の効果を得ることができる。
【0195】なお、「ドルビーEXモード」の場合と同
様に、図21に示される例では、サラウンドバックスピ
ーカ5gを視聴者の後方に1個設置しているが、視聴者
の後方左右にそれぞれ1個サラウンドバックスピーカを
設置して同じサラウンドバック信号を再生する構成とし
てもよい。このようにサラウンドバックスピーカを2個
使用する構成が推奨されている場合もある。この場合に
は伝達関数補正回路7と反射音付加回路8とにおいて各
サラウンドバックスピーカからの音響特性を再現するよ
うサラウンドバック信号を音像定位制御すればよい。
【0196】なお、本実施の形態では、図4に示される
ように、DSP4は、伝達関数補正回路7からの出力信
号を反射音付加回路8で処理する構成を有しているとし
たが、DSP4の構成はこれに限定されない。DSP4
において、伝達関数補正回路7および反射音付加回路8
の順序を入れ換えてもよい。すなわち、図22に示され
るように、DSP4は、反射音付加回路8からの出力信
号を伝達関数補正回路7で処理する構成を有していても
よい。このことは、図8、図10、図12、図14、図
16、図18および図20に示されるDSP4の構成に
ついてもあてはまる。
【0197】また、本実施の形態では、図4に示される
ように、DSP4は、伝達関数補正回路7と反射音付加
回路8とを直列に接続する構成を有しているとしたが、
DSP4の構成はこれに限定されない。図23に示され
るように、DSP4は、伝達関数補正回路7と反射音付
加回路8とを並列に接続する構成を有していてもよい。
ただし、この場合、反射音付加回路8は、図24に示さ
れるように入力信号と加算されない構成を有している必
要がある。このことは、図8、図10、図12、図1
4、図16、図18および図20に示されるDSP4の
構成についてもあてはまる。
【0198】さらに、本実施の形態では、デコーダ3と
DSP4とは互いに独立した回路構成を有しているとし
たが、DSP4の構成はこれに限定されない。DSP4
が、デコーダ3の機能を内蔵するようにしてもよい。
【0199】また、本実施の形態では、DVDプレーヤ
2とDSP4とは互いに独立した回路構成を有している
としたが、DVDプレーヤ2の構成はこれに限定されな
い。DVDプレーヤ2が、デコーダ3の機能およびDS
P4の機能を内蔵するようにしてもよい。
【0200】また、本実施の形態では、DVDプレーヤ
(ビデオあるいはオーディオ)が音源2として機能する
例を説明してきたが、音源2の例はDVDプレーヤに限
定されない。音源2は、デジタル放送用のSTB(セッ
トトップボックス)であってもよいし、将来的には電子
配信を行う機器であってもよい。
【0201】さらに、マルチチャンネルの音声コーディ
ング方式は、AC−3やDTS、ドルビープロロジック
などに限定されない。例えば、MPEG2やAACなど
マルチチャンネルである限り、音声コーディング方式は
自由である。オーディオ信号の音像定位制御をそのチャ
ンネル数に応じて最適なモード・演算量となるように設
定しさえすればよい。
【0202】さらに、本実施の形態では、DSP4で実
行される信号処理の総演算量を伝達関数補正回路7に含
まれる各FIRフィルタのタップ数で調整するように説
明してきたが、反射音付加回路8に含まれる各遅延回路
内のN個の遅延器とレベル調整器の個数により調整する
ようにしてもよい。すなわち、反射音数を増減すること
により総演算量を調整してもよい。
【0203】さらに、本実施の形態では、入力属性のう
ち、音声コーディング方式あるいはチャンネル数の変化
に応じてDSP4による演算量を制御するようにプログ
ラムを切り換える例を説明してきたが、サンプリング周
波数の変化に応じてDSP4による演算量を制御するよ
うにプログラムを切り換えるようにしてもよい。例え
ば、サンプリング周波数が低くなれば演算時間の余裕が
できるため、演算精度を上げるようにタップ数や反射音
数を増やしたり、他の処理(例えば、カラオケ用途にお
けるリバーブ機能やキーコントロール機能あるいは音質
調整用途のイコライザ処理など)にその演算余裕を割り
振ったりすることができる。
【0204】図38は、入力信号の入力属性(サンプリ
ング周波数)の変化によって生じた演算余裕が入力信号
の処理に割り当てられる様子を模式的に示す。
【0205】DSP4における最大のサンプリング周波
数をfsとする。サンプリング周波数がfsの場合に
は、DSP4による演算時間(総演算量)は1/fsと
なり、サンプリング周波数をfnewに減少させた場合
には、DSP4による演算時間(総演算量)は1/fn
ewとなる。サンプリング周波数の減少により生じた演
算余裕をCremとすると、Crem=1/fnew−
1/fsとなる。
【0206】このように、入力信号のサンプリング周波
数が低くなるように入力属性が変化した場合には、DS
P4は、サンプリング周波数の減少により生じた演算余
裕Cremの少なくとも一部を入力信号の処理に割り当
てる。これにより、余剰な演算能力を有効に活用するこ
とができる。演算余裕Cremは任意に使用され得る。
【0207】入力信号の入力属性が変化した後のDSP
4による新たな演算時間(総演算量)1/fnewは、
1/fs以上であればよい。
【0208】さらに、本実施の形態では、主に音像定位
制御を例にとって説明してきたが、その信号処理に限定
するものではない。
【0209】(実施の形態2)図25は、本発明の実施
の形態2の信号処理装置1の概略構成の例を示す。
【0210】信号処理装置1は、入力信号の入力属性を
判定する入力属性判定手段3と、入力信号を処理する入
力信号処理手段4とを含む。
【0211】音源2は、複数のオーディオ信号を入力属
性判定手段3と入力信号処理手段4とに出力する。
【0212】入力属性判定手段3は、音源2から複数の
オーディオ信号を入力信号として受け取り、その複数の
オーディオ信号のそれぞれのレベルを検出することによ
り、入力信号の入力属性(例えば、オーディオ信号のチ
ャンネル数)を判定する入力判定回路を含む。入力判定
回路による判定結果は、判定信号として入力信号処理手
段4に出力される。
【0213】入力信号処理手段4は、音源2から複数の
オーディオ信号を入力信号として受け取り、入力判定回
路から判定信号を受け取り、判定信号に応じて複数のオ
ーディオ信号を処理する。入力信号処理手段4によって
処理された複数のオーディオ信号は、出力信号として入
力信号処理手段4から出力される。
【0214】ここで、各入力属性に対応する信号処理
は、信号処理の内容は異なるものの、その信号処理の総
演算量がほぼ等しくなるように実行される。例えば、入
力属性がチャンネル数の少ない属性である場合には、チ
ャンネル1つあたりの処理に割り当てられる演算量を多
くすることができる。これにより、信号処理の効果を向
上させたり、本来の信号処理以外の機能を追加したりす
ることが可能になる。
【0215】このように、図25に示される例では、図
1または図3に示される例とは異なり、記録媒体やデコ
ーダから入力属性情報を読み取るのではなく、デコード
された複数のオーディオ信号のそれそれのレベルを検出
することにより、チャンネル数を判定している。このた
め、DVDオーディオやCDなどのプレーヤからの出力
信号がアナログ信号の場合でも対応可能となる。
【0216】以下、信号処理装置1による信号処理の例
として音像定位制御を取り上げ、信号処理装置1の構成
および動作をさらに詳細に説明する。
【0217】図26は、図25に示される信号処理装置
1の詳細構成の例を示す。
【0218】図26に示される信号処理装置1は、入力
属性判定手段3として機能する入力判定回路23と、入
力信号処理手段4として機能するDSP(デジタルシグ
ナルプロセッサ)とを含む。なお、DSPの代わりに、
MPU(マイクロプロセッサユニット)を使用してもよ
い。
【0219】入力判定回路23は、音源2として機能す
るDVDオーディオプレーヤから複数のチャンネルのオ
ーディオ信号を入力信号として受け取り、複数のチャン
ネルのオーディオ信号のそれぞれのレベルに基づいて判
定信号を生成する。判定信号は、入力信号の入力属性の
判定結果を示す。
【0220】DSP4は、音源2から複数のチャンネル
のオーディオ信号を入力信号として受け取り、複数のチ
ャンネルのオーディオ信号に対して音像定位制御を行
う。DSP4は、伝達関数補正回路7と反射音付加回路
8とを含む。
【0221】伝達関数補正回路7は、FIRフィルタ9
a〜9lを含む。伝達関数補正回路7は、DVDオーデ
ィオプレーヤ2から出力された複数のチャンネルのオー
ディオ信号に対して所定の処理を行い、処理結果を示す
出力信号を反射音付加回路8に出力する。
【0222】反射音付加回路8は、遅延回路10a〜1
0lを含む。反射音付加回路8は、伝達関数補正回路7
からの出力信号に対して所定の処理を行い、処理結果を
示す出力信号を出力する。
【0223】加算器11aは、反射音付加回路8からの
出力信号のうちのいくつかを加算し、その加算信号をス
ピーカ5aまたはヘッドホン6に出力する。
【0224】加算器11bは、反射音付加回路8からの
出力信号のうちのいくつかを加算し、その加算信号をス
ピーカ5bまたはヘッドホン6に出力する。
【0225】減算器12a、12bおよびクロストーク
キャンセル回路13a、13bの機能は、図34を参照
して説明したとおりである。
【0226】なお、スピーカ5a、5bおよびヘッドホ
ン6によって音を再生するために使用されるアンプは図
26から省略されている。
【0227】なお、伝達関数補正回路7、反射音付加回
路8、加算器11a、11b、減算器12a、12bお
よびクロストークキャンセル回路13a、13bの機能
は、DSP4によって実行されるプログラムによって実
現される。そのプログラムは、単一のプログラムである
か、複数のプログラムであるかを問わない。
【0228】図26に示されるDSP4の構成は、基本
的には図4に示されるDSP4の構成と同様である。よ
って、音像定位制御の説明の詳細はここでは省略する。
【0229】図4に示される信号処理装置1の構成と図
26に示される信号処理装置1の構成とが異なる点は、
図4に示されるデコーダ3の代わりに入力判定回路23
が入力信号の入力属性の判定結果(例えば、オーディオ
信号のチャンネル数)を示す判定信号をDSP4に出力
し、DSP4が判定信号に応じてDVDオーディオプレ
ーヤ2から出力される複数のチャンネルのオーディオ信
号に対する処理の内容を変更する点にある。例えば、D
SP4は、オーディオ信号のチャンネル数に最適な音像
定位制御を行う。
【0230】例えば、入力判定回路23は、DVDオー
ディオプレーヤ2から出力される複数のアナログ信号の
それぞれのレベルを検出し、その検出されたレベルに基
づいて信号が存在するチャンネル数を判定する。このよ
うにデコードされたアナログ信号のレベルを検出するこ
とによりチャンネル数を判定する理由は、DVDオーデ
ィオの場合には、今のところDVDビデオと異なりデジ
タル出力が規定されていないことによる。また、CDや
FMラジオなど従来の音源を使用する場合には、アナロ
グ信号に対応するためには図26に示される構成が必要
となる。
【0231】以上説明したように、入力判定回路23を
用いることにより、DVDオーディオや従来のCDなど
アナログ信号にも対応することが可能になる。
【0232】なお、図26に示されるDSP4の構成
は、「5.1chウーファー有りモード」の場合の構成
である。DSP4は、現在のチャンネル数に対応する音
像定位制御のモードに応じて自分自身の構成(例えば、
伝達関数補正回路7の構成または反射音付加回路8の構
成)を変化させる機能を有している。このようなDSP
4の構成の変化は、例えば、DSP4によって実行され
るプログラムを切り換えることによって達成され得る。
【0233】実施の形態1で説明したように、音像定位
制御には、「5.1chウーファー有りモード」の他
に、「5.1chウーファー無しモード」、「ドルビー
プロロジックモード」、「PCM2chモード」および
「ドルビーEXモード」の4つのモードがある。DSP
4は、現在のチャンネル数に応じて、これらのモードを
切り換えるように動作すればよい。
【0234】なお、図26に示されるDSP4におい
て、伝達関数補正回路7および反射音付加回路8の順序
を入れ換えてもよい。すなわち、図22に示されるよう
に、DSP4は、反射音付加回路8からの出力信号を伝
達関数補正回路7で処理する構成を有していてもよい。
【0235】また、本実施の形態では、DSP4は、伝
達関数補正回路7と反射音付加回路8とを直列に接続す
る構成を有しているとしたが、DSP4の構成はこれに
限定されない。図23に示されるように、DSP4は、
伝達関数補正回路7と反射音付加回路8とを並列に接続
する構成を有していてもよい。ただし、この場合、反射
音付加回路8は、図24に示されるように入力信号と加
算されない構成を有している必要がある。
【0236】さらに、本実施の形態では、入力判定回路
23とDSP4とは互いに独立した回路構成を有してい
るとしたが、DSP4の構成はこれに限定されない。D
SP4が、入力判定回路23の機能を内蔵するようにし
てもよい。
【0237】また、本実施の形態では、DVDオーディ
オプレーヤ2とDSP4とは互いに独立した回路構成を
有しているとしたが、DVDオーディオプレーヤ2の構
成はこれに限定されない。DVDオーディオプレーヤ2
が、入力判定回路23の機能およびDSP4の機能を内
蔵するようにしてもよい。
【0238】また、本実施の形態では、DVDオーディ
オプレーヤが音源2として機能する例を説明してきた
が、音源2の例は、DVDオーディオプレーヤに限定さ
れない。音源2は、デジタル放送用のSTB(セットト
ップボックス)であってもよいし、将来的には電子配信
を行う機器であってもよい。
【0239】さらに、本実施の形態では、DSP4で実
行される信号処理の総演算量を伝達関数補正回路7に含
まれる各FIRフィルタのタップ数で調整するように説
明してきたが、反射音付加回路8に含まれる各遅延回路
内のN個の遅延器とレベル調整器の個数により調整する
ようにしてもよい。すなわち、反射音数を増減すること
で総演算量を調整してもよい。
【0240】また、その総演算量は、図37、図38を
参照して説明したように、Cmax・Nx/Nmax以
上あるいは1/fs以上であればよい。
【0241】さらに、本実施の形態では、主に音像定位
制御を例にとって説明してきたが、その信号処理に限定
するものではない。例えば、カラオケ用途におけるリバ
ーブ機能やキーコントロール機能あるいは音質調整用途
のイコライザ処理などに適用することが可能である。
【0242】(実施の形態3)図27は、本発明の実施
の形態3の信号処理装置1の概略構成の例を示す。
【0243】信号処理装置1は、入力信号の入力属性を
判定する入力属性判定手段3と、入力信号を処理する入
力信号処理手段4とを含む。
【0244】音源2は、複数のオーディオ信号を入力信
号処理手段4に出力する。
【0245】入力属性判定手段3は、入力信号の入力属
性(複数のオーディオ信号の音声コーディング方式の種
類、サンプリング周波数およびチャンネル数のうちの少
なくとも1つ)を示す入力属性情報をユーザが信号処理
装置1に入力することを可能にする属性入力回路を含
む。属性入力回路は、ユーザから入力された入力属性情
報に基づいて入力属性を判定する。属性入力回路による
判定結果は、判定信号として入力信号処理手段4に出力
される。
【0246】入力信号処理手段4は、音源2から複数の
オーディオ信号を入力信号として受け取り、属性入力回
路から判定信号を受け取り、判定信号に応じて複数のオ
ーディオ信号を処理する。入力信号処理手段4によって
処理された複数のオーディオ信号は、出力信号として入
力信号処理手段4から出力される。
【0247】ここで、各入力属性に対応する信号処理
は、信号処理の内容は異なるものの、その信号処理の総
演算量がほぼ等しくなるように実行される。例えば、入
力属性がチャンネル数の少ない属性である場合には、チ
ャンネル1つあたりの処理に割り当てられる演算量を多
くすることができる。これにより、信号処理の効果を向
上させたり、本来の信号処理以外の機能を追加したりす
ることが可能になる。
【0248】このように、図27に示される例では、図
1、図3または図25に示される例とは異なり、ユーザ
(視聴者)が自分で入力信号の入力属性を信号処理装置
1に入力する。
【0249】以下、信号処理装置1による信号処理の例
として音像定位制御を取り上げ、信号処理装置1の構成
および動作をさらに詳細に説明する。
【0250】図28は、図27に示される信号処理装置
1の詳細構成の例を示す。
【0251】図28に示される信号処理装置1は、入力
属性判定手段3として機能する属性入力回路24と、入
力信号処理手段4として機能するDSP(デジタルシグ
ナルプロセッサ)とを含む。なお、DSPの代わりに、
MPU(マイクロプロセッサユニット)を使用してもよ
い。
【0252】属性入力回路24は、入力信号の入力属性
を示す入力属性情報をユーザから受け取り、入力属性情
報に基づいて判定信号を生成する。判定信号は、入力信
号の入力属性の判定結果を示す。
【0253】DSP4は、音源2として機能するDVD
オーディオプレーヤから複数のチャンネルのオーディオ
信号を入力信号として受け取り、複数のチャンネルのオ
ーディオ信号に対して音像定位制御を行う。DSP4
は、伝達関数補正回路7と反射音付加回路8とを含む。
【0254】伝達関数補正回路7は、FIRフィルタ9
a〜9lを含む。伝達関数補正回路7は、DVDオーデ
ィオプレーヤ2から出力された複数のチャンネルのオー
ディオ信号に対して所定の処理を行い、処理結果を示す
出力信号を反射音付加回路8に出力する。
【0255】反射音付加回路8は、遅延回路10a〜1
0lを含む。反射音付加回路8は、伝達関数補正回路7
からの出力信号に対して所定の処理を行い、処理結果を
示す出力信号を出力する。
【0256】加算器11aは、反射音付加回路8からの
出力信号のうちのいくつかを加算し、その加算信号をス
ピーカ5aまたはヘッドホン6に出力する。
【0257】加算器11bは、反射音付加回路8からの
出力信号のうちのいくつかを加算し、その加算信号をス
ピーカ5bまたはヘッドホン6に出力する。
【0258】減算器12a、12bおよびクロストーク
キャンセル回路13a、13bの機能は、図34を参照
して説明したとおりである。
【0259】なお、スピーカ5a、5bおよびヘッドホ
ン6によって音を再生するために使用されるアンプは図
28から省略されている。
【0260】なお、伝達関数補正回路7、反射音付加回
路8、加算器11a、11b、減算器12a、12bお
よびクロストークキャンセル回路13a、13bの機能
は、DSP4によって実行されるプログラムによって実
現される。そのプログラムは、単一のプログラムである
か、複数のプログラムであるかを問わない。
【0261】図28に示されるDSP4の構成は、基本
的には図26に示されるDSP4の構成と同様である。
よって、音像定位制御の説明の詳細はここでは省略す
る。
【0262】図26に示される信号処理装置1の構成と
図28に示される信号処理装置1の構成とが異なる点
は、図26で示される入力判定回路23の代わりに属性
入力回路24が入力信号の入力属性の判定結果(例え
ば、オーディオ信号の音声コーディング方式の種類また
はチャンネル数)を示す判定信号をDSP4に出力し、
DSP4が判定信号に応じてDVDオーディオプレーヤ
2から出力される複数のチャンネルのオーディオ信号に
対する処理の内容を変更する点にある。例えば、DSP
4は、その音声コーディング方式の入力チャンネル数に
最適な音像定位制御を行う。
【0263】例えば、音声コーディング方式は、通常、
DVDオーディオプレーヤ2で再生されるディスク毎あ
るいはインデックス毎、曲毎に決まっており、ディスク
内あるいはインデックス内やある曲内で音声コーディン
グ方式が時々刻々自動的に変化することはほとんどな
い。ディスク毎あるいはインデックス毎、曲毎にドルビ
ーAC−3やドルビープロロジックなど複数の音声コー
ディング方式が選択できるように記録されているものも
あるが、それでもメニューで視聴者がそのどれかを選択
して再生することになる。視聴者が選択しなければ初期
設定されているモードで再生される。つまり、複数モー
ドで記録されていても再生時にはそのどれか1つのモー
ドで再生されることとなる。
【0264】視聴者が再生しようとしているディスクの
音声コーディング方式を属性入力回路24で1度設定す
れば、そのディスクあるいはインデックス、曲でモード
変更する必要がなくなるため、属性入力回路24は簡単
な構成で実現可能となる。属性入力回路24に比べて図
26に示される入力判定回路23は、各信号のレベル検
出と平均化および属性判定などが必要なため回路的に複
雑となる。さらに、DSP4がDVDオーディオプレー
ヤ2内に組み込まれているのであれば、元々視聴者がD
VDオーディオプレーヤ2の再生音声コーディング方式
を設定する機能・行為と一体化・兼用化できるため、D
SP4専用の属性入力回路24は不要となる。
【0265】なお、図28に示されるDSP4におい
て、伝達関数補正回路7および反射音付加回路8の順序
を入れ換えてもよい。すなわち、図22に示されるよう
に、DSP4は、反射音付加回路8からの出力信号を伝
達関数補正回路7で処理する構成を有していてもよい。
【0266】また、本実施の形態では、DSP4は、伝
達関数補正回路7と反射音付加回路8とを直列に接続す
る構成を有しているとしたが、DSP4の構成はこれに
限定されない。図23に示されるように、DSP4は、
伝達関数補正回路7と反射音付加回路8とを並列に接続
する構成を有していてもよい。ただし、この場合、反射
音付加回路8は、図24に示されるように入力信号と加
算されない構成を有している必要がある。
【0267】さらに、本実施の形態では、属性入力回路
24とDSP4とは互いに独立した回路構成を有してい
るとしたが、DSP4の構成はこれに限定されない。D
SP4が、属性入力回路24の機能を内蔵するようにし
てもよい。
【0268】また、本実施の形態では、DVDオーディ
オプレーヤ2とDSP4とは互いに独立した回路構成を
有しているとしたが、DVDオーディオプレーヤ2の構
成はこれに限定されない。DVDオーディオプレーヤ2
が、属性入力回路24の機能およびDSP4の機能を内
蔵するようにしてもよい。
【0269】また、本実施の形態では、DVDオーディ
オプレーヤが音源2として機能する例を説明してきた
が、音源2の例は、DVDオーディオプレーヤに限定さ
れない。音源2は、デジタル放送用のSTB(セットト
ップボックス)であってもよいし、将来的には電子配信
を行う機器であってもよい。
【0270】さらに、マルチチャンネルの音声コーディ
ング方式は、AC−3やDTS、ドルビープロロジック
などに限定されない。例えば、MPEG2やAACなど
マルチチャンネルである限り、音声コーディング方式は
自由である。オーディオ信号の音像定位制御をそのチャ
ンネル数に応じて最適なモード・演算量にするよう設定
しさえすればよい。
【0271】さらに、本実施の形態では、DSP4で実
行される信号処理の総演算量を伝達関数補正回路7に含
まれる各FIRフィルタのタップ数で調整するように説
明してきたが、反射音付加回路8に含まれる各遅延回路
内のN個の遅延器とレベル調整器の個数により調整する
ようにしてもよい。すなわち、反射音数を増減すること
で総演算量を調整してもよい。
【0272】さらに、本実施の形態では、入力属性のう
ち、音声コーディング方式あるいはチャンネル数の変化
に応じてDSP4による演算量を制御するようにプログ
ラムを切り換える例を説明してきたが、サンプリング周
波数の変化に応じてDSP4による演算量を制御するよ
うにプログラムを切り換えるようにしてもよい。例え
ば、サンプリング周波数が低くなれば演算時間の余裕が
できるため、演算精度を上げるようにタップ数や反射音
数を増やしたり、他の処理(例えば、カラオケ用途にお
けるリバーブ機能やキーコントロール機能あるいは音質
調整用途のイコライザ処理など)にその演算余裕を割り
振ったりすることができる。
【0273】また、その総演算量は、図37、図38を
参照して説明したように、Cmax・Nx/Nmax以
上あるいは1/fs以上であればよい。
【0274】さらに、本実施の形態では、主に音像定位
制御を例にとって説明してきたが、その信号処理に限定
するものではない。
【0275】
【発明の効果】本発明の信号処理装置によれば、入力信
号処理手段は、入力属性判定手段による判定結果に基づ
いて入力属性が変化したか否かを判定し、入力属性の変
化によって入力信号処理手段において演算余裕が生じた
場合には、その演算余裕の少なくとも一部を入力信号の
処理に割り当てる。これにより、余剰な演算能力を有効
に活用することができ、例えば常に最大演算量の付近で
信号処理を行うことが可能になる。その結果、入力チャ
ンネル数が少ない場合やサンプリング周波数が低い場合
には、信号処理の精度や効果を向上することができる。
【0276】特に、音像定位制御においては、伝達関数
補正回路に含まれる各デジタルフィルタのタップ数を大
きくすることができ、あるいは反射音付加回路による反
射音の数を増やすことができ、音像定位効果や音質、距
離感・広がり感を向上することができる。
【0277】特に、オーディオ信号の入力チャンネル数
がフロントL信号およびフロントR信号の2チャンネル
の場合には、フロントL信号とフロントR信号とを加算
してレベル調整することによりセンター信号を生成し、
そのセンター信号を音像定位制御することにより、フロ
ントL信号およびフロントR信号だけの場合のセンター
音像のファンタム定位と比べて、センター音像の定位が
向上する。
【0278】さらに、オーディオ信号の入力チャンネル
数がフロントL信号およびフロントR信号の2チャンネ
ルの場合には、フロントL信号からフロントR信号を減
算する(または、フロントR信号からフロントL信号を
減算する)ことによりサラウンド信号を生成し、そのサ
ラウンド信号を音像定位制御することにより、フロント
L信号およびフロントR信号だけの場合では感じられな
かった後方の広がり感が向上する。
【0279】また、オーディオ信号の入力チャンネル数
がAC−3やDTSなどの5.1チャンネルあるいは5
チャンネルの場合には、サラウンドL信号とサラウンド
R信号とを加算してレベル調整することによりサラウン
ドバック信号を生成し、そのサラウンドバック信号を音
像定位制御することにより、サラウンドL信号およびサ
ラウンドR信号だけの場合の後方センター音像のファン
タム定位と比べて、後方センター音像の定位が向上す
る。
【0280】入力チャンネル数あるいは音声コーディン
グ方式に変化があった場合、プログラムの初期化を実行
することにより、ポップ音の発生など音声コーディング
方式変化前後の不連続なオーディオデータの影響を防止
できる。
【0281】加えて、複数のオーディオ入力信号の各信
号レベルを検出することによりオーディオ信号の入力チ
ャンネル数を判定する入力判定回路、あるいはオーディ
オ信号の入力チャンネル数あるいは音声コーディング方
式などを入力する属性入力回路を備えたことにより、C
Dやラジオチューナなどの従来音源を使用する場合で
も、上記効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の信号処理装置1の概略
構成の例を示すブロック図
【図2】信号処理装置1の動作の例を示すフローチャー
【図3】信号処理装置1の他の概略構成の例を示すブロ
ック図
【図4】図3に示される信号処理装置1の詳細構成の例
を示すブロック図
【図5】DSP4によって実行される主要なプログラム
のステップを示す図
【図6】反射音付加回路8に含まれる遅延回路の内部構
成を示すブロック図
【図7】反射音付加回路8に含まれる遅延回路の他の内
部構成を示すブロック図
【図8】「5.1chウーファー無しモード」の場合の
DSP4の構成の例を示すブロック図
【図9】「5.1chウーファー無しモード」の場合に
おいて再現したいスピーカ配置の例を示す図
【図10】「ドルビープロロジックモード」の場合のD
SP4の構成の例を示すブロック図
【図11】「ドルビープロロジックモード」の場合にお
いて再現したいスピーカ配置の例を示す図
【図12】「PCM2chモード」の場合のDSP4の
構成の例を示すブロック図
【図13】「PCM2chモード」の場合において再現
したいスピーカ配置の例を示す図
【図14】「PCM2chモード」の場合のDSP4の
他の構成の例を示すブロック図
【図15】「PCM2chモード」の場合において再現
したいスピーカ配置の例を示す図
【図16】「PCM2chモード」の場合のDSP4の
他の構成の例を示すブロック図
【図17】「PCM2chモード」の場合において再現
したいスピーカ配置の例を示す図
【図18】「ドルビーEXモード」の場合のDSP4の
構成の例を示すブロック図
【図19】「ドルビーEXモード」の場合において再現
したいスピーカ配置の例を示す図
【図20】「5.1chウーファー有りモード」の場合
のDSP4の構成の例を示すブロック図
【図21】「5.1chウーファー有りモード」の場合
において再現したいスピーカ配置の例を示す図
【図22】DSP4における伝達関数補正回路7および
反射音付加回路8の構成のバリエーションを説明するた
めの図
【図23】DSP4における伝達関数補正回路7および
反射音付加回路8の構成のバリエーションを説明するた
めの図
【図24】反射音付加回路8に含まれる遅延回路の内部
構成を示すブロック図
【図25】本発明の実施の形態2の信号処理装置1の概
略構成の例を示すブロック図
【図26】図25に示される信号処理装置1の詳細構成
の例を示すブロック図
【図27】本発明の実施の形態3の信号処理装置1の概
略構成の例を示すブロック図
【図28】図27に示される信号処理装置1の詳細構成
の例を示すブロック図
【図29】従来の信号処理装置の構成を示すブロック図
【図30】従来の信号処理装置を用いて5.1チャンネ
ルオーディオ信号を再生する場合におけるスピーカの配
置を示す図
【図31】従来の他の信号処理装置の構成を示すブロッ
ク図
【図32】図31に示される従来の他の信号処理装置に
おける伝達関数補正回路7に含まれるFIRフィルタの
係数を示す図
【図33】図31に示される従来の他の信号処理装置に
おける伝達関数補正回路7に含まれるFIRフィルタの
係数を示す図
【図34】従来の他の信号処理装置の構成を示すブロッ
ク図
【図35】図34に示される従来の他の信号処理装置に
おける反射音付加回路8に含まれる遅延回路の内部構成
を示すブロック図
【図36】図34に示される従来の他の信号処理装置に
おける伝達関数補正回路7に含まれるFIRフィルタの
係数を示す図
【図37】入力信号の入力属性(音声コーディング方式
の種類またはチャンネル数)の変化によって生じた演算
余裕が入力信号の処理に割り当てられる様子を模式的に
示す図
【図38】入力信号の入力属性(サンプリング周波数)
の変化によって生じた演算余裕が入力信号の処理に割り
当てられる様子を模式的に示す図
【符号の説明】
1 信号処理装置 2 音源 3 入力属性判定手段 4 入力信号処理手段 5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g スピーカ 6 ヘッドホン 7 伝達関数補正回路 8 反射音付加回路 9a、9b、9c、9d、9e、9f、9g、9h、9
i、9j、9k、9l、9m、9n、9o、9p FI
Rフィルタ 10a、10b、10c、10d、10e、10f、1
0g、10h、10i、10j、10k、10l、10
m、10n、10o、10p 遅延回路 11a、11b 加算器 12a、12b 減算器 13a、13b クロストークキャンセル回路 14a、14b、14c、14N 遅延器 15a、15b、15c、15N レベル調整器 16、16a、16b、16c、16N f特調整器 17a、17b、17c、17N 加算器 18 レベル調整器 19 加算器 20 減算器 21 レベル調整器 22 加算器 23 入力判定回路 24 属性入力回路 25a、25b デジタル処理回路 26a、26b、26c、26d、26e、26f、2
6g、26h、26i、26j、26k、26l、26
m、26n、26o、26p FIRフィルタ 27a、27b、27c、27d 加算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角張 勲 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5D044 AB05 BC03 CC06 DE43 DE44 FG10 FG18 5D045 DA20 5D062 AA71

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号の音声コーディング方式の種
    類、サンプリング周波数およびチャンネル数のうちの少
    なくとも1つを示す入力属性を判定する入力属性判定手
    段と、 前記入力信号を処理する入力信号処理手段とを備え、 前記入力信号処理手段は、前記入力属性判定手段による
    判定結果に基づいて前記入力属性が変化したか否かを判
    定し、前記入力属性の変化によって前記入力信号処理手
    段において演算余裕が生じた場合には、前記演算余裕の
    少なくとも一部を前記入力信号の処理に割り当てる、信
    号処理装置。
  2. 【請求項2】 前記入力信号のサンプリング周波数が低
    くなるように前記入力属性が変化した場合には、前記入
    力信号処理手段は、前記サンプリング周波数の低下によ
    って生じた演算余裕の少なくとも一部を前記入力信号の
    処理に割り当てる、請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 【請求項3】 前記入力信号のチャンネル数が減少する
    ように前記入力属性が変化した場合には、前記入力信号
    処理手段は、前記チャンネル数の減少によって生じた演
    算余裕の少なくとも一部を前記入力信号の処理に割り当
    てる、請求項1に記載の信号処理装置。
  4. 【請求項4】 前記入力信号の音声コーディング方式に
    基づく演算量が減少するように前記入力属性が変化した
    場合には、前記入力信号処理手段は、前記演算量の減少
    によって生じた演算余裕の少なくとも一部を前記入力信
    号の処理に割り当てる、請求項1に記載の信号処理装
    置。
  5. 【請求項5】 最大のサンプリング周波数をfsとする
    とき、 前記入力信号処理手段は、前記サンプリング周波数の変
    化にかかわらず前記入力信号処理手段の演算時間が1/
    fs以上となるように前記入力信号の処理を制御する、
    請求項1に記載の信号処理装置。
  6. 【請求項6】 最大のチャンネル数をNmax、最大の
    チャンネル数のときの前記入力信号処理手段の総演算量
    をCmaxとするとき、 前記入力信号処理手段は、前記チャンネル数がNxのと
    きの前記入力信号処理手段の総演算量がCmax・Nx
    /Nmax以上となるように前記入力信号の処理を制御
    し、Nxは1以上Nmax以下の任意の整数である、請
    求項1に記載の信号処理装置。
  7. 【請求項7】 前記入力信号処理手段は、前記入力属性
    の変化にかかわらず前記入力信号処理手段の総演算量が
    ほぼ一定となるように前記入力信号の処理を制御する、
    請求項1に記載の信号処理装置。
  8. 【請求項8】 前記入力信号処理手段は、DSP(デジ
    タルシグナルプロセッサ)あるいはMPU(マイクロプ
    ロセッサユニット)によって実行される複数のプログラ
    ムを含み、前記入力信号処理手段は、前記入力属性判定
    手段による判定結果に応じて前記複数のプログラムを切
    り換えることにより前記入力信号処理手段の演算量を制
    御する、請求項1に記載の信号処理装置。
  9. 【請求項9】 前記入力属性が変化した場合には、前記
    入力信号処理手段は、前記プログラムを初期化する、請
    求項8に記載の信号処理装置。
  10. 【請求項10】 前記入力属性を示す入力属性情報が、
    記録媒体に記録されており、 前記入力属性判定手段は、前記記録媒体に記録された前
    記入力属性情報に基づいて前記入力属性を判定する、請
    求項1に記載の信号処理装置。
  11. 【請求項11】 前記入力属性判定手段は、オーディオ
    信号を生成するデコーダから出力される属性信号を受け
    取り、前記属性信号に基づいて前記入力属性を判定す
    る、請求項1に記載の信号処理装置。
  12. 【請求項12】 前記入力属性判定手段は、音源からの
    ビットストリーム信号を入力信号として受け取り、前記
    ビットストリーム信号をデコードすることによりオーデ
    ィオ信号を生成するデコーダを含み、 前記デコーダは、前記ビットストリーム信号をデコード
    する過程において前記入力属性を判定する、請求項1に
    記載の信号処理装置。
  13. 【請求項13】 前記入力属性判定手段は、複数のオー
    ディオ信号を前記入力信号として受け取り、前記複数の
    オーディオ信号のそれぞれのレベルを検出することによ
    り、前記入力属性を判定する入力判定回路を含む、請求
    項1に記載の信号処理装置。
  14. 【請求項14】 前記入力属性判定手段は、前記入力属
    性を示す入力属性情報をユーザが前記信号処理装置に入
    力することを可能にする属性入力回路を含み、 前記属性入力回路は、前記入力属性情報に基づいて前記
    入力属性を判定する、請求項1に記載の信号処理装置。
  15. 【請求項15】 前記入力信号処理手段は、 所定の位置に設置した複数の仮想スピーカから受聴者の
    耳元までの直接音成分の音響特性を主に再現する伝達関
    数補正回路と、 前記複数の仮想スピーカから前記受聴者の耳元までの反
    射音成分の音響特性を主に再現する反射音付加回路とを
    含む、請求項1に記載の信号処理装置。
  16. 【請求項16】 前記伝達関数補正回路からの出力信号
    と前記反射音付加回路からの出力信号とを加算すること
    により加算信号を生成し、前記加算信号を2個のスピー
    カまたはヘッドホンに入力することにより、前記入力信
    号処理手段は、前記2個のスピーカまたはヘッドホンに
    よって再生される音の音響特性が前記複数の仮想スピー
    カによって再生される音の音響特性にほぼ等しくなるよ
    うに音像定位制御を行う、請求項15に記載の信号処理
    装置。
  17. 【請求項17】 前記伝達関数補正回路からの出力信号
    を前記反射音付加回路に入力し、前記反射音付加回路か
    らの出力信号を2個のスピーカまたはヘッドホンに入力
    することにより、前記入力信号処理手段は、前記2個の
    スピーカまたはヘッドホンによって再生される音の音響
    特性が前記複数の仮想スピーカによって再生される音の
    音響特性にほぼ等しくなるように音像定位制御を行う、
    請求項15に記載の信号処理装置。
  18. 【請求項18】 前記伝達関数補正回路は、複数のデジ
    タルフィルタを含み、 前記入力信号処理手段は、前記入力属性の変化に応じて
    前記複数のデジタルフィルタのうちの少なくとも1つの
    タップ数を調整することにより、前記入力信号の処理を
    制御する、請求項15に記載の信号処理装置。
  19. 【請求項19】 前記反射音付加回路は、直列接続され
    た複数の遅延器とレベル調整器とを含み、 前記入力信号処理手段は、前記入力属性の変化に応じて
    前記遅延器およびレベル調整器の個数を調整することに
    より、前記入力信号の処理を制御する、請求項15に記
    載の信号処理装置。
  20. 【請求項20】 前記入力信号がフロントL信号および
    フロントR信号の2チャンネルのオーディオ信号である
    場合には、前記入力信号処理手段は、前記フロントL信
    号と前記フロントR信号とを加算してレベル調整するこ
    とによりセンター信号を生成し、そのセンター信号を音
    像定位制御する、請求項1に記載の信号処理装置。
  21. 【請求項21】 前記入力信号がフロントL信号および
    フロントR信号の2チャンネルのオーディオ信号である
    場合には、前記入力信号処理手段は、前記フロントL信
    号と前記フロントR信号との差をとることによりサラウ
    ンド信号を生成し、前記サラウンド信号を音像定位制御
    する、請求項1に記載の信号処理装置。
  22. 【請求項22】 前記入力信号がサラウンドL信号とサ
    ラウンドR信号とを含む5.1チャンネルまたは5チャ
    ンネルのオーディオ信号である場合には、前記入力信号
    処理手段は、前記サラウンドL信号と前記サラウンドR
    信号とを加算してレベル調整することによりサラウンド
    バック信号を生成し、前記サラウンドバック信号を音像
    定位制御する、請求項1に記載の信号処理装置。
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