JP2002187969A - シリコーン発泡材および発泡体 - Google Patents

シリコーン発泡材および発泡体

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JP2002187969A
JP2002187969A JP2000386214A JP2000386214A JP2002187969A JP 2002187969 A JP2002187969 A JP 2002187969A JP 2000386214 A JP2000386214 A JP 2000386214A JP 2000386214 A JP2000386214 A JP 2000386214A JP 2002187969 A JP2002187969 A JP 2002187969A
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JP2000386214A
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English (en)
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Masanori Takanashi
正則 高梨
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Momentive Performance Materials Japan LLC
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GE Toshiba Silicones Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な装置を用いて、均一で微細なセルを有
する発泡体を形成しうるポリオルガノシロキサン発泡
材、および該発泡材を加熱して得られる発泡体を提供す
る。 【解決手段】 (A)アルケニル基含有ポリオルガノシ
ロキサン;(B)ポリオルガノハイドロジェンシロキサ
ン;(C)白金化合物;(D)ジアシルペルオキシド、
ペルオキシカルボナートおよびペルオキシエステルから
なる群より選ばれる有機過酸化物;ならびに(E)水、
アルコールおよび/またはシラノール基含有ポリオルガ
ノシロキサンを含むことを特徴とするポリオルガノシロ
キサン発泡材;ならびにそれを加熱して得られる発泡
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオルガノシロ
キサンを主体とするシリコーン発泡材に関し、さらに詳
細には、簡便な装置を用いて、均一で微細なセルを形成
しうる発泡材に関する。また本発明は、そのような発泡
材を加熱して得られる発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、シリコーンゴム発泡体は、そ
の耐熱性を生かして、各種の用途に用いられている。こ
のような発泡体が得られるポリオルガノシロキサン発泡
材としては、次のような発泡機構によるものが知られて
いる。 〔1〕 熱分解性の発泡剤の配合により、加熱硬化と同
時に発泡体を形成する機構。良好な発泡体を得るための
発泡剤としてニトリル化合物を用いるために、発生する
分解生成物に毒性があり、作業環境上好ましくない。ま
た得られた発泡体の用途も制約される。 〔2〕 ベースポリマーのシラノール基と、ポリオルガ
ノハイドロジェンシロキサンのSi−H結合との反応に
よって水素ガスを生じ、硬化と同時に発泡体を形成する
機構。さらに発泡性を向上させるために、水および/ま
たはアルコールを配合することもある。 〔3〕 ベースポリマーのアルケニル基と架橋剤のSi
−H結合との反応で硬化する系に、水および/またはア
ルコールを配合して、それらの水酸基とSi−H結合と
の反応によって、水素ガスを生じて発泡体を形成する機
構。 〔4〕 〔2〕と〔3〕を併用する機構。
【0003】たとえば、特開昭51−46352号公報
には、シラノール基含有ポリオルガノシロキサンとポリ
オルガノハイドロジェンシロキサンとを白金系触媒で硬
化させて、その際に生成する水素ガスによって発泡体を
形成する機構の発泡性ポリオルガノシロキサン組成物が
開示されている。さらに、この発泡機構を改良した提案
がなされている。すなわち、特開平4−88034号公
報には、上記のシラノール基含有ポリオルガノシロキサ
ンとして、(1)両末端のケイ素原子にヒドロキシル基
が結合した直鎖状ポリオルガノシロキサン、(2)中間
のケイ素原子のみにヒドロキシル基が結合した直鎖状ポ
リオルガノシロキサンおよび(3)シラノール基含有分
岐状ポリオルガノシロキサンを用いる発泡性ポリオルガ
ノシロキサン組成物が開示され、特開平5−1169号
公報には、上記の(1)および(2)をアルコールと併
用するポリオルガノシロキサン組成物が開示されてい
る。
【0004】特開昭54−135865号公報には、ア
ルケニル基含有ポリオルガノシロキサンとポリオルガノ
ハイドロジェンシロキサンとを白金系触媒の存在下にヒ
ドロシリル化させる反応機構により、架橋してゴム状弾
性体を得る際に、水を共存させて、該ポリオルガノハイ
ドロジェンシロキサンと水との反応で発生した水素ガス
によって発泡体を形成させる、発泡性ポリオルガノシロ
キサン組成物が開示されている。この発泡機構を改良
し、発泡倍率を向上させたものとして、特開平2−91
131号公報には、水の代わりに水とアルコールの混合
物を用いた発泡性ポリオルガノシロキサン組成物が開示
され、さらに、特開平5−70692号公報には、水の
代わりに液状アルコールを用い、フッ素化シリコーン気
泡安定剤を配合する発泡性ポリオルガノシロキサン組成
物が開示されている。
【0005】特開昭57−180641号公報には、シ
ラノール基含有ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノ
ハイドロジェンシロキサンおよびアミノキシ化合物を含
む、発泡性ポリオルガノシロキサン組成物が開示されて
いる。
【0006】これらの発泡性ポリオルガノシロキサン組
成物では、組成物自身の泡保持性が不十分であるため、
発泡倍率を向上させるために、水素ガスの発生に対して
架橋反応を早くする必要があり、発泡の最終段階で気泡
を連通化させることができず、架橋が終了した後も発生
した水素ガスは系中にとどまるため、型内で発泡硬化さ
せた場合、高い発泡圧が生じる。また、水素ガス発生に
対して架橋反応が早く、発泡途中での組成物の粘度変化
が大きいため、生成する気泡の大きさ、形状が不揃いに
なりやすく、かなり激しい攪拌によって気泡の核を形成
しないかぎり、均一な気泡を有する発泡体が得られな
い。さらに、発泡途中での組成物の粘度増加により、型
内で発泡硬化させる場合、流れ性の不足により充填不足
になりやすく、所定の形状の発泡体を得るためには、過
剰量の組成物を型内に流し込む必要があり、十分な発泡
倍率が得られないため、柔軟な発泡体が得られない。ま
た、場所により柔軟さが異なるなど、製造装置上、特性
上の問題があり、用途が制約されている。
【0007】特開平7−196832号公報および特開
平8−337670号公報には、ケイ素原子に結合した
フェニル基を分子中に少なくとも1個有するアルケニル
基含有ポリオルガノシロキサンとポリオルガノハイドロ
ジェンシロキサンとを、白金触媒の存在下にヒドロシリ
ル化させる反応機構により、架橋してゴム状弾性体を得
る際にアルコールを共存させて、該ポリオルガノハイド
ロジェンシロキサンとアルコールの反応で発生した水素
ガスを系中に取り込み、発泡体を形成させる発泡性ポリ
オルガノシロキサン組成物が開示されている。
【0008】この発泡性ポリオルガノシロキサン組成物
は、激しい攪拌を伴う混合により、整泡性に優れ、均一
で高発泡倍率の柔軟な発泡体が得られるものの、簡易混
合装置によっては均一な発泡体が得られず、また発熱を
伴う反応であるため、発泡、硬化の際の自己発熱により
発泡体がレジン化する場合がある。また、この発泡体
は、高温に長時間暴露することにより柔軟さが失われて
しまう傾向があり、使用される用途が制約されている。
【0009】前述の〔2〕〜〔4〕の機構によると、ベ
ースポリマーの重合度を適切に選択すれば、未硬化の状
態で流動性の発泡材から発泡体が得られ、毒性ガスの発
生もない。しかしながら、これは、目的によっては必要
な発泡倍率が得られなかったり、簡便な混合機を用いた
場合には均一で微細なセルを有する発泡体が得られない
など、改良すべき課題が多い。
【0010】均一で微細なセルを有する発泡体を得るた
めには、気泡の核となる微細な泡が多数発生すること
と、発泡材が硬化してゴム状弾性体を形成する過程で、
発生した泡が破壊されないことが必要である。特開平6
−55554号公報には、せん断混合が可能なように、
外周にピン状、羽根状またはスクリュー状の突起を有す
る回転軸を有する混合室を備えた混合装置を用いて、発
泡材を混合し、吐出することが開示されている。しかし
ながら、各種の作業現場に適した、より簡便な混合装置
によって混合と吐出を行っても、均一で微細なセルを有
する発泡体が得られるポリオルガノシロキサン発泡材が
望まれている。
【0011】特開平5−209080号公報には、
〔3〕の硬化系に、水および/またはアルコールの代わ
りに、熱によって膨張するプラスチック微小中空体を配
合して発泡材を調製し、これを加熱して硬化させるとと
もに該中空体を膨張させて、水素ガスによることなく発
泡体が得られることが開示されている。しかしながら、
このような系では、十分な発泡倍率の発泡体を得るため
には、多量の中空体を使用する必要があり、シリコーン
ゴムの耐熱性を生かした発泡体の使用温度では、プラス
チックの熱劣化により、黄変や機械的性質の劣化が著し
い。
【0012】特開平10−36544号公報には、水素
ガス発生機構を含む〔2〕〜〔4〕の硬化系に、熱可塑
性シリコーンレジン中空体を配合して、その軟化点以上
に加熱する。シリコーンゴムスポンジの製造方法が開示
されている。しかしながら、この方法は、高い発泡倍率
を得るためには、多量の水素ガスを発生させる必要があ
り、多量のポリオルガノハイドロジェンシロキサンを用
いるので、発泡体の耐熱性を低下させる。
【0013】特開平10−245445号公報には、
〔2〕〜〔4〕の水素ガス発生機構を有する発泡系に、
整泡剤として寄与するフッ素化炭化水素基含有ポリオル
ガノシロキサンと、気体を内包する熱可塑性樹脂粉末と
を配合して、樹脂の軟化点以上に加熱する、シリコーン
ゴムスポンジの製造方法が開示されている。しかしなが
ら、この方法もまた、上記と同様の問題点を有する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、簡便
な装置を用いて、均一で微細なセルを有する発泡体を形
成しうるポリオルガノシロキサン発泡材、および該発泡
材を加熱して得られる発泡体を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために研究を重ねた結果、前述の〔3〕また
は〔4〕の系に、加熱によって炭酸ガスを発生する有機
過酸化物を配合することによって、その課題を解決しう
ることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0016】すなわち、本発明のシリコーン発泡材は、 (A)一般式:
【0017】
【化3】
【0018】(式中、R1は、アルケニル基を表し;R2
は、たがいに同一でも相異なっていてもよく、脂肪族不
飽和結合を有しない置換または非置換の1価の炭化水素
基を表し;aは、1または2の整数を表し、bは、0〜
2の整数を表し、a+bは、1〜3の整数である)で示
される単位を、分子中に少なくとも2個有し、平均重合
度10〜3,000のアルケニル基含有ポリオルガノシ
ロキサン 100重量部; (B)一般式:
【0019】
【化4】
【0020】(式中、R3は、たがいに同一でも相異な
っていてもよく、脂肪族不飽和結合を有しない置換また
は非置換の1価の炭化水素基を表し;cは、0〜2の整
数を表し、dは、1または2の整数を表し、c+dは、
1〜3の整数である)で示される単位を、分子中に少な
くとも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサ
ン ケイ素原子に結合した水素原子の量が、(A)成分
のアルケニル基と(E)成分の水酸基との合計量1個に
対して、0.5〜30個になる量; (C) 白金化合物 触媒量; (D) ジアシルペルオキシド、ペルオキシカルボナー
トおよびペルオキシエステルからなる群より選ばれる有
機過酸化物 0.1〜10重量部;および (E) 水、アルコール、および/またはケイ素原子に
結合した水酸基を1分子中に少なくとも2個有する平均
重合度10〜100のシラノール基含有ポリオルガノシ
ロキサン 水酸基の量が、(B)成分中のケイ素原子に
結合した水素原子1個あたり0.01〜1.8個になる
量を含むことを特徴とし、本発明のシリコーン発泡体
は、上述の発泡材を加熱して得られるものである。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる(A)成分
は、本発明の発泡材のベースポリマーであって、一般
式:
【0022】
【化5】
【0023】(式中、R1、R2、aおよびbは、前述の
とおり)で示される単位を、分子中に少なくとも2個有
するアルケニル基含有ポリオルガノシロキサンである。
該(A)成分は、本発明の組成物のベースポリマーであ
り、ケイ素原子に結合したアルケニル基が、(B)成分
中のケイ素原子に結合した水素原子とのヒドロシリル化
反応(付加反応)により、または(D)成分である有機
過酸化物の熱分解によって生ずるラジカルの攻撃を受け
て、架橋を行うとともに、発泡体に強度を付与する成分
である。
【0024】(A)成分としては、上記の(I)式で表
される単位を、分子中に少なくとも2個有するポリオル
ガノシロキサンであれば、その分子構造に特に制限はな
く、直鎖状、環状、分岐状のシロキサン骨格を有するも
のが使用されうるが、合成のしやすさ、および組成物に
優れたゴム弾性と機械的性質を付与する点から、直鎖状
のものか、直鎖状と分岐状のアルケニル基含有ポリオル
ガノシロキサンを併用することが好ましく、特に優れた
機械的性質を有する発泡体を得るために、直鎖状の液状
ポリジオルガノシロキサンと、分岐状のシロキサン構造
を有する樹脂状のものを併用することもできる。
【0025】R1としてはビニル、アリル、ブテニルな
どが例示され、合成が容易なことからビニル基が好まし
い。R2としては、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル
のような、直鎖状または分岐状のアルキル基;シクロヘ
キシルのようなシクロアルキル基;2−フェニルエチ
ル、2−フェニルプロピルのようなアラルキル基;フェ
ニルのようなアリール基などの炭化水素基が挙げられ
る。さらに、これらの炭化水素基中の水素原子の一部が
他の原子または置換基で置換されたもの、すなわち、ク
ロロメチル、3,3,3−トリフルオロプロピルのよう
なハロゲン化アルキル基;クロロフェニルのようなハロ
ゲン化アリール基;3−メトキシプロピルのようなアル
コキシアルキル基;3−シアノプロピルのようなシアノ
アルキル基などの置換炭化水素基が挙げられる。
【0026】このような(I)式で表される単位は、分
子末端、分子中間のいずれに存在してもよいが、硬化し
て得られる発泡体に良好な機械的性質を付与するには、
少なくともその一部は分子末端に、たとえばR12 2
iO1/2単位のような形式で存在することが好ましい。
【0027】(A)成分中の(I)式で表される単位以
外のシロキサン単位において、ケイ素原子に結合した有
機基は、たがいに同一でも相異なっていてもよく、R2
として例示したものと同様の1価の置換または非置換の
炭化水素基が例示される。
【0028】(A)成分のケイ素原子に結合した有機基
として、ケイ素原子に結合したフェニル基が存在する
と、(A)成分の表面張力が高くなり、発生した水素ガ
スを系中に保持して、破泡することなく、多量の細かく
て均一な気泡を有する低密度の発泡体の形成を可能にす
る。このようなフェニル基は、(A)成分のケイ素原子
に結合した全有機基中、好ましくは0.5〜30モル
%、さらに好ましくは1〜15モル%である。このよう
なフェニル基は、合成が容易なことから、分子中に(C
3)(C65)SiO単位および/または(C65)2
iO単位を構成して存在することが好ましい。また、
(A)成分として、ケイ素原子に結合したフェニル基が
分子中に存在しないシラノール基含有ポリオルガノシロ
キサンを、上記のフェニル基含有ポリオルガノシロキサ
ンと併用する場合は、(A)成分相互の溶解性から、該
フェニル基含有ポリオルガノシロキサンのフェニル基の
量は、ケイ素原子に結合した全有機基中の1〜10モル
%であることが好ましい。なお、本発明においては、フ
ェニル基は必須ではなく、フェニル基が存在しなくても
優れた発泡体が得られることも、本発明の特徴の一つと
して挙げられる。
【0029】また、合成および取扱いが容易なことか
ら、全有機基の85%以上がメチルであることが好まし
く、上記のR1およびフェニル基以外の実質的にすべて
の有機基がメチルであることがより好ましい。
【0030】一方、耐油性や耐溶剤性を付与する場合
は、3,3,3−トリフルオロプロピル基または3−シ
アノプロピル基を;そして、塗装適性を有する表面を付
与する場合は、長鎖アルキル基および/またはアラルキ
ル基を、目的に応じ任意に選択して、それぞれメチル基
と併用することができる。
【0031】(A)成分の重合度は、発泡材が適度の流
動性を有し、硬化して得られる発泡体が適度の機械的性
質を有するために、平均10〜3,000の範囲であ
り、射出成形のような量産に適した成形方法に適合する
発泡材を得るには、発泡材が適切な粘性を示し、かつ硬
化して得られる発泡体が優れた機械的性質を有する必要
から、50〜2,000の範囲が好ましい。また、優れ
た機械的性質、特に優れた引裂強さを有する発泡体が得
られることから、平均重合度10〜30の比較的低分子
量のものと、平均重合度100以上のものとを混合して
用いることが好ましい。
【0032】本発明に用いられる(B)成分は、一般式
(II):
【0033】
【化6】
【0034】(式中、R3、cおよびdは、前述のとお
り)で表される単位を、1分子中に少なくとも3個有す
るポリオルガノハイドロジェンシロキサンであり、ケイ
素原子に結合した水素原子が、(A)成分中のアルケニ
ル基とのヒドロシリル反応を行う架橋剤として寄与する
とともに、(E)成分と反応して水素を発生させる機能
を有する。
【0035】(B)成分としては、1分子中にケイ素原
子に直接結合した水素原子を有する単位を、分子中に少
なくとも3個有するものであれば、その分子構造に特に
制限はなく、直鎖状、環状、分岐状のシロキサン骨格を
有するものが使用されうるが、合成のしやすさから直鎖
状のものが好ましく、また機械的強度に優れた発泡体を
得るためには、(B)成分の少なくとも一部として、R
3 2HSiO1/2単位とSiO2単位からなる、またはそれ
に加えてR3 3SiO1/2単位を含む分岐状ポリオルガノ
ハイドロジェンシロキサンを用いることが好ましい。
【0036】R3は、たがいに同一でも相異なっていて
もよく、脂肪族不飽和結合を有しない置換または非置換
の1価の炭化水素基であり、このような基としては、メ
チル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチ
ル、デシル、ドデシルのような、直鎖状または分岐状の
アルキル基;シクロヘキシルのようなシクロアルキル
基;フェニルのようなアリール基;ならびにクロロメチ
ル、3,3,3−トリフルオロプロピル、クロロフェニ
ルのような置換された1価の炭化水素基が例示され、合
成のしやすさからメチル基が好ましい。c,dは、それ
ぞれ前述のとおりであり、合成が容易なことから、dが
1であることが好ましい。
【0037】(B)成分中の(II)式で表される単位以
外のシロキサン単位において、ケイ素原子に結合した有
機基は、たがいに同一でも相異なっていてもよく、R3
と同様なものが例示され、合成のしやすさから、メチル
基であることが好ましい。
【0038】(B)成分の配合量は、(A)成分のアル
ケニル基と後述の(E)成分の水酸基との合計量1個に
対して、ケイ素原子に結合した水素原子が、0.5〜3
0個になる量であり、好ましくは1.0〜20個になる
量、特に好ましくは1.0〜10.0個になる量であ
る。0.5個未満では、硬化が不十分であり、硬化して
も、圧縮永久ひずみが大きい発泡体しか得られない。一
方、30個を越えると、泡が粗くなり、脆くて硬く、耐
熱性の低い発泡体が得られる。
【0039】本発明に用いられる(C)成分は、(A)
成分中のアルケニル基と(B)成分中のケイ素原子に結
合した水素原子との間の付加反応により、本発明の発泡
材を硬化させるとともに、該水素原子と(E)成分の水
酸基との間の脱水素反応を促進する触媒である。これに
は、塩化白金酸、アルコールと塩化白金酸から得られる
錯体、白金オレフィン錯体、白金ケトン錯体、白金ビニ
ルシロキサン錯体のような白金化合物が使用できる。こ
の(C)成分は、触媒としての必要量が用いられ、この
量は(A)成分に対して、白金原子に換算して、通常
0.1〜1,000ppmになる量であり、好ましくは
0.5〜200ppmになる量である。0.1ppm未満で
は、触媒濃度が低いため、硬化が不十分となる。また
1,000ppmを越えて配合しても、それ以上の効果は
なく、(C)成分が貴金属を含み、一般に高価であるた
めに、経済的に好ましくない。
【0040】(D)成分は、加熱により分解して炭酸ガ
スの微細な泡を多量に生じ、これが核となって、(B)
成分と(E)成分との間の脱水素反応によって生じた水
素を捕捉して、均一で微細なセルを形成する、本発明に
とって特徴的な成分である。
【0041】(D)成分としては、ジアシルペルオキシ
ド、ペルオキシエステルおよびペルオキシカルボナート
が使用できる。ジアシルペルオキシドとしては、ベンゾ
イルペルオキシド、o−クロロベンゾイルペルオキシ
ド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、m−トルイル
ペルオキシド、p−トルイルペルオキシドなど;ペルオ
キシエステルとしては、tert−ブチルペルオキシベンゾ
アート、tert−ブチルペルオキシヘキサヒドロベンゾア
ート、tert−ブチルペルオキシイソブチラート、tert−
ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノアート、tert−
アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノアート、tert−
ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノア
ート、tert−ブチルペルオキシネオデカノアート、クミ
ルペルオキシネオデカノアートなど;ペルオキシカルボ
ナートとしては、tert−ブチルペルオキシイソプロピル
カルボナート、ジイソプロピルぺルオキシカルボナー
ト、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカルボナー
ト、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキ
シジカルボナート、1,6−ビス(tert−ブチルペルオ
キシカルボキシ)ヘキサンなどが例示され、1種を用い
ても、2種以上を併用しても差支えない。
【0042】(D)成分は、その分解によって、(A)
成分と(B)成分の間の脱水素反応によって生ずる水素
ガスを捕捉する核として働く炭酸ガスを発生させるため
に、該脱水素反応の反応温度またはそれ以下の温度で分
解するものが選択され、具体的には、保存安定性をも考
慮して、1時間半減期温度が50〜150℃のものが好
ましい。
【0043】(D)成分は、そのままで、または単に微
粉砕して配合してもよく、硬化温度で揮発する有機溶媒
に溶解させたり、ポリジメチルシロキサンのような不活
性なポリオルガノシロキサンに分散または溶解させた
り、多孔質の紛体に吸着させたりして、配合してもよ
い。
【0044】(D)成分の配合量は、水素を捕捉するた
めに適度の炭酸ガスを発生させることから、(A)成分
100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲であ
り、0.5〜5重量部が好ましい。
【0045】本発明に用いられる(E)成分は、(B)
成分のSi−H結合との間の脱水素反応によって水素ガ
スを発生させるものである。(E)成分としては、水、
アルコール、および/または低分子量のシラノール基含
有ポリシロキサンが用いられ、これらは、1種を用いて
も2種以上を併用してもよい。
【0046】アルコールは、通常、脂肪族不飽和結合を
有しない炭素原子数1〜12のアルコールであり、1価
でも多価でもよく、炭素鎖は直鎖状でも分岐状でもよ
く、水酸基が直接結合していない芳香環を有していても
よい。このようなアルコールとしては、メタノール、エ
タノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−
ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、n−
オクタノール、ベンジルアルコールのような1価アルコ
ール;ならびにエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、グリセリン、トリメチロールプロパンのような多
価アルコールが例示され、1種を用いても、2種以上を
併用してもよい。水酸基当量が大きくて、少量の添加で
有効であり、硬化した発泡体の耐熱性や耐候性への影響
が少ないことから、炭素原子数1〜4の1価のアルコー
ル、または炭素原子数2〜4の2価アルコールが好まし
く、(A)成分との相溶性から、n−プロパノールおよ
びイソプロパノールがさらに好ましい。
【0047】低分子量のシラノール基含有ポリオルガノ
シロキサンは、(B)成分との脱水素反応によって水素
ガスを生ずる機能を有するとともに、架橋反応にも寄与
する。該ポリオルガノシロキサンは、代表的には、一般
式(III):
【0048】
【化7】
【0049】(式中、R4は、互いに同一でも異なって
いてもよい、非置換または置換の1価の炭化水素基を表
し、一部は水酸基であってもよく;重合度n+2は、平
均10〜100の数である)で示される、実質的に直鎖
状のシラノール基含有ポリジオルガノシロキサンであ
る。ケイ素原子に結合した水酸基(Si−OHとしてシ
ラノール基という)は、合成が容易で、発泡体にゴム状
弾性体としての優れた機械的性質を与えることから、分
子末端に存在し、一部は中間シロキサン単位に存在して
もよい。
【0050】R4としては、前述のR2と同様の基を用い
ることができ、合成および取扱いが容易なことから、メ
チル基が好ましい。平均重合度は、合成が容易で、保存
安定性がよく、また反応に必要な水酸基を十分に供給で
きることから、10〜100の範囲であり、好ましくは
10〜30である。
【0051】(E)成分の配合量は、発泡を有効に行
い、かつケイ素原子に結合した水素原子を消費して架橋
反応を抑制することがないように、その水酸基が、
(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子1個に対
して0.01〜1.8個になる量であり、好ましくは、
0.1〜1.0個になる量である。
【0052】(C)成分を配合した系の常温における保
存安定性を向上させ、および/または脱水素反応の反応
温度を高めに制御するために、反応抑制剤を配合しても
よい。反応抑制剤としては、たとえば、3−メチル−1
−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシ
ン−3−オール、1−エチニル−1−ヘキサノールのよ
うなアセチレンアルコール類;またはジメチルビス
(1,1−ジメチルプロピン−2−オキシ)シランのよ
うなアルキニルオキシ基含有ケイ素化合物を用いること
ができる。
【0053】本発明の発泡材に、本発明の目的を損なわ
ないかぎり、必要に応じて、希釈剤として、(A)成分
や(B)成分に該当しないポリオルガノシロキサン、た
とえば末端をトリオルガノシリル基で閉塞されたポリジ
メチルシロキサンを配合することができる。また、必要
に応じて、煙霧質シリカ、沈殿シリカ、シリカエアロゲ
ル、溶融シリカ、石英粉末、けいそう土、酸化アルミニ
ウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム、マイカ、クレ
イ、炭酸カルシウム、グラファイトの1種または2種以
上の充填剤や顔料を配合することができる。これらの充
填剤は、そのまま用いてもよく、疎水化などのために表
面処理を行ってもよい。多量に配合することが容易で、
これを配合した発泡材がチキソトロピックな性質を有し
て取扱いが容易であり、圧縮永久ひずみが小さく、配合
量の割に柔軟で、曲面を呈する基材面に合わせやすい発
泡体が得られることから、充填剤の少なくとも一部とし
て、比表面積が50〜200m2/gの溶融シリカを用いる
ことが好ましい。また、発泡体に導電性を付与するため
に、カーボンブラック、導電性金属酸化物、金属などの
導電性充填剤を配合してもよい。
【0054】さらに、必要に応じて、カーボンブラッ
ク、二酸化チタン、炭酸亜鉛、炭酸マンガンのような難
燃化剤;水酸化セリウムのような耐熱性向上剤;3−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタク
リロキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、3−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランのよ
うなシランカップリング剤などを配合することができ
る。
【0055】本発明の発泡材は、調製中または保存中に
硬化や水素ガスの発生がないような条件で調製して、使
用に供することができる。たとえば、あらかじめ(A)
成分の一部または全部に、(C)、(D)、(E)成分
および必要に応じて充填剤などを配合したマスターバッ
チを調製しておき、これに(B)成分、または(A)成
分の一部と(B)成分の混合物を配合して、発泡材を調
製する。発泡材の調製には、任意の混合手段を用いるこ
とができるが、本発明の発泡材の特徴の一つは、スタテ
ィックミキサーのような簡便な混合手段を用いて、発泡
体を製造する現場で、容易に発泡材を調製して発泡に供
することが可能なことである。調製温度は、(D)成分
が実質的に分解せず、また上記の硬化や水素ガスの発生
を生じない温度であれば特に限定されないが、作業性を
考慮して、一般に0〜50℃、好ましくは5〜30℃で
ある。
【0056】このようにして調製された発泡材を、混合
手段から注型、射出成形、塗付などを伴う吐出を行い、
加熱して、発泡体を得ることができる。加熱温度は、通
常40〜180℃、好ましくは50〜150℃である。
注型や射出成形に用いる型、または塗付に用いる基材
を、あらかじめ所望の温度に加熱しておくことが好まし
い。
【0057】
【実施例】以下、実施例および比較例によって、本発明
をさらに詳細に説明する。これらの例において、部はす
べて重量部を表し、粘度は25℃における粘度を表す。
なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるも
のではない。
【0058】本発明の実施例および比較例に、(A)、
(B)および(E)成分として、下記のシロキサン単位
および粘度を有する鎖状ポリシロキサンを用いた。 A−1:両末端がジメチルビニルシロキサン単位で封鎖
され、ジメチルシロキサン単位90モル%とジフェニル
シロキサン単位10モル%からなるポリジオルガノシロ
キサン、粘度10Pa・s; A−2:両末端がジメチルビニルシロキサン単位で封鎖
され、ジメチルシロキサン単位92モル%とジフェニル
シロキサン単位8モル%からなるポリジオルガノシロキ
サン、粘度3Pa・s; A−3:両末端がジメチルビニルシロキサン単位で封鎖
され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリ
ジオルガノシロキサン、粘度100Pa・s; B−1:両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、中間
単位がメチルハイドロジェンシロキサン単位からなるポ
リメチルハイドロジェンシロキサン、粘度25mm2/s; B−2:単位式〔H(CH32SiO1/28〔Si
24で示される分岐状ポリメチルハイドロジェンシロ
キサン; E−1:両末端がシラノール基で封鎖されたポリジメチ
ルシロキサン、重合度20。
【0059】(C)成分およびその反応抑制剤として、
下記の化合物を用いた。 C−1:塩化白金酸と1,3,5,7−テトラビニル−
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン
から得られた錯体(白金含有量1.8重量%);
【0060】
【化8】
【0061】(D)成分として、下記の有機過酸化物を
用いた。ただし、D−3は、比較のために用いたジアル
キルペルオキシドである。 D−1:ビス(4−tert−ブチルヘキシル)ペルオキシ
ジカルボナート; D−2:p−トルイルペルオキシド; D−3:2,5−ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチル
ペルオキシヘキサン これらは、いずれもポリジメチルシロキサンと混練して
調製した濃度50重量%のペーストを用い、配合表に
は、100%換算値で示した。
【0062】充填剤として下記のシリカを用いた。 S−1:溶融シリカ(比表面積140m2/g)
【0063】発泡体のセルの状態は、次のような観察に
よって評価した。すなわち、発泡体を直径15mmの円筒
形に打抜き、スライスした表面に存在するセルの数を、
マイクロスコープによって拡大した写真によって観察
し、任意に引いた直線の長さ1cm当たりに存在するセル
の平均数を求めた。また、セルの均一性を、同様の観察
によって評価した。
【0064】実施例1〜5、比較例1,2 表1に示す配合比により、A成分にS−1を添加して、
減圧加熱装置を備えた混練機により、13.3kPa以下
の減圧下で150℃に加熱して、水分を除去しながら混
練を2時間行い、ペースト状混和物を調製した。これを
二等分して、その一方に、C−1、E成分(E−1、2
−ブタノールまたは水)、および有機過酸化物(D−1
〜D−3)を加えて、さらに均一になるまで25℃で混
練を続けて、予備混合物を調製した。ただし、比較例1
では、有機過酸化物を配合しなかった。一方、撹拌装置
を備えた別の容器で、上記の二等分した混和物の他方に
B−1およびR−1を添加し、25℃で撹拌して均一に
混合して、予備混合物を調製した。上記の二つの予備混
合物を、それぞれ室温でダブルカートリッジの一方の円
筒に収容し、それぞれ釣合った一定速度で同時に、カー
トリッジガンにより24エレメントのスタティックミキ
サーに押出し、そこで両者を混合して、表1に示す反応
性基のモル比を有する発泡材を調製した。これを、ポリ
テトラフルオロエチレンでコーティングしたステンレス
製金型に、直径2mmのビード状に押出して、ただちに8
0℃のオーブンに入れ、5分間加熱することにより、発
泡とともに硬化させて、発泡体ビードを作成した。一
方、押出しと同時に同様のステンレス板でふたをし、8
0℃で1時間加熱することにより、厚さ6mmの発泡体シ
ートを作製した。
【0065】このようにして得られた発泡体ビードの見
掛け密度を測定し、また発泡体シートについて、セルの
数および均一性の評価を行った。その結果を表1に示
す。
【0066】
【表1】
【0067】表1から明らかなように、有機過酸化物を
配合しなかった比較例1の発泡材、および有機過酸化物
としてジアルキルペルオキシドを配合した比較例2の発
泡材からは、いずれも泡が大きく、かつ不揃いな発泡体
しか得られなかったのに対して、本発明の発泡材から
は、泡が細かく、かつ均一な発泡体が得られた。
【0068】実施例6 実施例1と同一の組成を有する発泡材を、同様の条件で
調製した。これを用いて、実施例1における発泡体シー
トの作製と同様にして、厚さ6mmの発泡体シートを作製
した。この発泡体シートについて、JIS K6253
によるアスカーE硬さを測定した。また、JIS K6
262に準じて、温度120℃、試験片の圧縮率50
%、24時間圧縮における永久ひずみを測定した。さら
に、150℃のオーブン中で24時間加熱した後の耐熱
性を評価した。
【0069】同様に調製した発泡材を、図1に示すよう
な、開口部周縁に内径110mm、外径150mm、幅20
mmのフランジ1を有するアクリル樹脂製の有底円筒状容
器2のフランジ1の上面に、発泡材を、ビードの直径が
約5mmとなるように、スタティックミキサーからあらか
じめ加熱された容器に吐出し、容器をオーブンに入れて
80℃で10分間加熱することにより発泡材を硬化・発
泡させて、フランジ面に円周状のシール材3を作製する
ように発泡体を形成させた。次に、この容器2のフラン
ジ1の上面に、シール材3を介して円筒状の上ぶた4の
フランジ5の下面を重ね合せ、シール材3の圧縮率が2
5%になるように、ボルト6でフランジ1と5を締め付
けた。ついで、この容器の中に水を注入し、発泡体に完
全に触れる状態として室温で放置し、24時間後の水の
漏れについて観察した。
【0070】実施例7 ポリメチルハイドロジェンシロキサンとして、B−1の
代わりにB−2を16.0部用いた以外は実施例1と同
様にして、発泡材を調製した。これを用いて、実施例6
と同様にして発泡体シートを作製し、アスカーE硬さお
よび圧縮永久ひずみを測定した。また、実施例6と同様
にして、発泡体であるシール材を、内筒容器のフランジ
面に作製し、同様の評価を行った。
【0071】実施例6および7の結果を表2に示す。
【0072】比較例3 実施例1で用いたのと同じ混練機に、A−3を100部
仕込み、これに粉砕シリカ100部と煙霧質シリカ30
部を添加して、同様に減圧下に150℃に加熱して水分
を除去した。冷却後、これを二等分して、一方にC−1
を0.15部、他方にB−1を2.5部とR−1を0.
05部配合して、それぞれ均一になるまで25℃で混練
した。両者をスタティックミキサーにより25℃で30
分間混合し、胞泡して、ゴム状に硬化しうる組成物を調
製した。該組成物を、実施例6と同様の形状になるよう
に注型および押出しを行い、120℃で20分加熱して
硬化させて、ソリッドシリコーンゴムのシートおよびシ
ール材を作製した。
【0073】比較例4 ポリ塩化ビニル100部に、ジオクチルフタラート60
部、ラウリン酸バリウム2部、エポキシ化大豆油1部お
よびアゾジカルボンアミド8部を配合して調製した発泡
材を、実施例6と同様の形状に発泡させて、軟質ポリ塩
化ビニルスポンジのシートおよびシール材を作製した。
【0074】比較例5 平均分子量1,600のポリプロピレングリコールと、
グリセリンを出発物質とし、プロピレンオキシドを付加
させた、平均分子量3,00、末端水酸基のポリエーテ
ルとの混合物100部に、2,4−トリレンジイソシア
ナートと2,6−トリレンジイソシアナートの混合物4
0部、ポリシロキサン・ポリエーテルグラフト共重合体
1.0部、水4部およびトリエチレンジアミン0.1部
を配合して調製した発泡材を、実施例6と同様の形状に
発泡させて、ポリウレタンスポンジのシートおよびシー
ル材を作製した。
【0075】比較例3〜5で得たシール材について、実
施例6と同様の条件で測定および評価を行った。これら
の結果を合わせて表2に示す。
【0076】
【表2】
【0077】
【発明の効果】本発明によって、簡便な装置を用いて、
有毒ガスを発生することなく、均一で微細なセルを有す
る発泡体を形成しうるポリオルガノシロキサン発泡材が
得られる。また該発泡材を加熱して、均一で微細なセル
を有し、かつシリコーンゴム固有の耐熱性を有する発泡
体が得られる。
【0078】本発明によって形成される発泡体は、加熱
によって現場成形しうるガスケットをはじめとする各種
のガスケット、ロール、防水シール材、断熱材、防振
材、クッション、食品サンプルなど、広範囲の用途に有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例6、7および比較例6〜8で行ったフラ
ンジのオイル漏れ試験に用いた容器の図である。
【符号の説明】
1 フランジ 2 有底円筒状容器 3 発泡体シール材 4 円筒状上ぶた 5 フランジ 6 ボルト

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式: 【化1】 (式中、R1は、アルケニル基を表し;R2は、たがいに
    同一でも相異なっていてもよく、脂肪族不飽和結合を有
    しない置換または非置換の1価の炭化水素基を表し;a
    は、1または2の整数を表し、bは、0〜2の整数を表
    し、a+bは、1〜3の整数である)で示される単位を
    分子中に少なくとも2個有し、平均重合度10〜3,0
    00のアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン 10
    0重量部; (B)一般式: 【化2】 (式中、R3は、たがいに同一でも相異なっていてもよ
    く、脂肪族不飽和結合を有しない置換または非置換の1
    価の炭化水素基を表し;cは、0〜2の整数を表し、d
    は、1または2の整数を表し、c+dは、1〜3の整数
    である)で示される単位を、分子中に少なくとも3個有
    するポリオルガノハイドロジェンシロキサン ケイ素原
    子に結合した水素原子の量が、(A)成分のアルケニル
    基と(E)成分の水酸基との合計量1個に対して0.5
    〜30個になる量; (C) 白金化合物 触媒量; (D) ジアシルペルオキシド、ペルオキシカルボナー
    トおよびペルオキシエステルからなる群より選ばれる有
    機過酸化物 0.1〜10重量部;および (E)水、アルコール、および/またはケイ素原子に結
    合した水酸基を1分子中に少なくとも2個有する平均重
    合度10〜100のシラノール基含有ポリオルガノシロ
    キサン 水酸基の量が、(B)成分中のケイ素原子に結
    合した水素原子1個あたり0.01〜1.8個になる量
    を含むことを特徴とするシリコーン発泡材。
  2. 【請求項2】 (D)成分が、1時間半減期温度が50
    〜150℃の有機過酸化物である、請求項1または2記
    載の発泡材。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の発泡材を加熱し
    て得られるシリコーン発泡体。
  4. 【請求項4】 ガスケットである、請求項3記載の発泡
    体。
  5. 【請求項5】 ロールである、請求項3記載の発泡体。
  6. 【請求項6】 防水シール材である、請求項3記載の発
    泡体。
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