JP2002187953A - 複合超微粒子含有液状媒体の製造方法およびその装置 - Google Patents

複合超微粒子含有液状媒体の製造方法およびその装置

Info

Publication number
JP2002187953A
JP2002187953A JP2001264086A JP2001264086A JP2002187953A JP 2002187953 A JP2002187953 A JP 2002187953A JP 2001264086 A JP2001264086 A JP 2001264086A JP 2001264086 A JP2001264086 A JP 2001264086A JP 2002187953 A JP2002187953 A JP 2002187953A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid medium
mixed fluid
liquid
dispersion medium
solid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001264086A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3682251B2 (ja
Inventor
Seiji Kagawa
清二 加川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2001264086A priority Critical patent/JP3682251B2/ja
Publication of JP2002187953A publication Critical patent/JP2002187953A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3682251B2 publication Critical patent/JP3682251B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Disintegrating Or Milling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ナノオーダの超微粒子が均一に分散、結合さ
れた複合超微粒子含有液状媒体を容易かつ量産的に製造
する方法を提供する。 【解決手段】 互いに異なる材料の超微粒子が液状媒体
に分散された分散媒体を調製する工程;前記分散媒体を
出入口を有する第1チャンバ、第2チャンバにそれぞれ
高圧で導入する工程;第1,第2のチャンバにそれぞれ
高周波電圧を印加して第1、第2のチャンバ内を流通す
る分散媒体をそれぞれ励起させ、さらに各分散媒体に高
周波電圧の印加位置より下流側で直流電圧を印加して互
いに異なる極性に帯電させる工程;および互いに異なる
極性に帯電された前記分散媒体をそれぞれ互いに電気的
に分離された2つのノズル部を通して高速度で噴射し、
互いに交差・衝突させることによって、液状媒体中の超
微粒子をその衝突の場で互いに静電凝集させると共に、
励起移動で凝集・結合させる工程;を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合超微粒子含有
液状媒体の製造方法およびその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高機能材料、高度物性材料に適し
た有機高分子、金属および無機化合物から選ばれる少な
くとも1つの材料からなるサブミクロン以下の超微粒子
が開発されている。特に、異種の有機高分子が均一に集
合した複合超微粒子、有機高分子に金属および無機化合
物から選ばれる少なくとも1つのナノオーダの超微粒子
が均一に分散、結合された複合超微粒子が注目されてい
る。
【0003】このような複合超微粒子(例えば有機高分
子と無機化合物の複合超微粒子)を含有する液状媒体
は、従来、次のような方法により製造されている。すな
わち、2つのノズル部を有する本体を備えた破砕・分散
装置を用い、液状媒体に有機高分子と無機化合物微粒子
を所望量混合した固液混合流体を前記本体に高圧で導入
し、前記2つのノズル部から前記固液混合流体を高速度
で噴射して互いに交差・衝突させることにより複合超微
粒子含有液状媒体を製造する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述した破砕・分散装
置を用いた方法では前記固液混合流体中の有機高分子お
よび無機化合物粒子を超微粒子状に破砕、分散すること
が可能である。しかしながら、有機高分子にナンレベル
の無機化合物超微粒子が均一に分散、集合した複合超微
粒子を製造することが困難であった。
【0005】本発明は、異種の有機高分子が均一に集合
した複合超微粒子や、有機高分子に金属および無機化合
物から選ばれる少なくとも1つのナノオーダの超微粒子
が均一に分散、結合された複合超微粒子を含有する液状
媒体を容易かつ量産的に製造することが可能な方法およ
びその製造装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る複合超微粒
子含有液状媒体の製造方法は、互いに異なる材料の超微
粒子が液状媒体に分散された分散媒体を調製する工程;
前記分散媒体を出入口を有する第1チャンバ、第2チャ
ンバにそれぞれ高圧で導入する工程;前記第1,第2の
チャンバにそれぞれ高周波電圧を印加して前記第1、第
2のチャンバ内を流通する分散媒体をそれぞれ励起さ
せ、さらに各分散媒体に前記高周波電圧の印加位置より
下流側で直流電圧を印加して互いに異なる極性に帯電さ
せる工程;および互いに異なる極性に帯電された前記分
散媒体をそれぞれ互いに電気的に分離された2つのノズ
ル部を通して高速度で噴射し、互いに交差・衝突させる
ことによって、前記液状媒体中の超微粒子をその衝突の
場で互いに静電凝集させると共に、励起移動で凝集・結
合させる工程;を含むことを特徴とするものである。
【0007】本発明に係る別の複合超微粒子含有液状媒
体の製造方法は、有機高分子、金属および無機材料から
選ばれる少なくとも1つの材料からなる超微粒子が液状
媒体に分散された第1分散媒体を調製する工程;少なく
とも1種の有機高分子超微粒子が液状媒体に分散された
第2分散媒体を調製する工程;出入口を有する第1、第
2のチャンバに前記第1,第2の分散媒体をそれぞれ導
入する工程;前記第1、第2のチャンバにそれぞれ高周
波電圧を印加して前記第1、第2のチャンバ内を流通す
る前記第1、第2の分散媒体をそれぞれ励起させ、さら
に前記第1、第2の分散媒体に前記高周波電圧の印加位
置より下流側で直流電圧を印加して互いに異なる極性に
帯電させる工程;および互いに異なる極性に帯電された
第1,第2の分散媒体をそれぞれ互いに電気的に分離さ
れた2つのノズル部を通して高速度で噴射して互いに交
差・衝突させることによって、前記第1,第2の分散媒
体中の超微粒子をその衝突の場で互いに静電凝集させる
と共に、励起移動で凝集・結合させる工程;を含むこと
を特徴とするものである。
【0008】本発明に係る複合超微粒子含有液状媒体の
製造装置は、互いに異なる材料の超微粒子を液状媒体に
分散した分散媒体が導入される出入口を有する第1チャ
ンバと、前記分散媒体が導入される出入口を有する第2
チャンバと、前記第1、第2のチャンバを流通する前記
分散媒体がそれぞれ導入され、それら分散媒体を噴射し
て互いに交差・衝突させるための互いに電気的分離され
た2つのノズル部を有する凝集・結合手段と、前記第
1、第2のチャンバ内を流通する前記分散媒体に高周波
が透過可能な絶縁部材を通して高周波電圧を印加するた
めの高周波電源と、前記高周波電圧の印加位置より前記
分散媒体の流れ方向の下流側で前記ノズル部までに位置
する部材に接続された直流電源とを具備したことを特徴
とするものである。
【0009】本発明に係る別の複合超微粒子含有液状媒
体の製造装置は、有機高分子、金属および無機材料から
選ばれる少なくとも1つの材料からなる超微粒子が液状
媒体に分散された第1分散媒体を調製するための第1分
散媒体調製手段と、少なくとも1つの有機高分子超微粒
子が液状媒体に分散された第2分散媒体を調製するため
の第2分散媒体調製手段と、前記第1分散媒体調製手段
から高圧の前記第1分散媒体が導入される出入口を有す
る第1チャンバと、前記第2分散媒体調製手段から高圧
の前記第2分散媒体が導入される出入口を有する第2チ
ャンバと、前記第1、第2のチャンバを流通する前記第
1、第2の分散媒体がそれぞれ導入され、それら分散媒
体を噴射して互いに交差・衝突させるための互いに電気
的分離された2つのノズル部を有する凝集・結合手段
と、前記第1、第2のチャンバ内を流通する前記分散媒
体に高周波が透過可能な絶縁部材を通して高周波電圧を
印加するための高周波電源と、前記高周波電圧の印加位
置より前記第1、第2の分散媒体の流れ方向の下流側で
前記ノズル部までに位置する部材に接続された直流電源
とを具備したことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る複合超微粒子
含有液状媒体の製造方法およびその装置を図面を参照し
て詳細に説明する。
【0011】(第1実施形態)図1は、この第1実施形
態に係る複合超微粒子含有液状媒体の製造装置を示す概
略上面図、図2は図1に組み込まれる分散媒体調製機構
を示す断面図、図3は図2の分散媒体調製機構の他の使
用形態を示す断面図、図4は、図1の製造装置に組み込
まれる帯電付与機構の要部断面図、図5は図1の製造装
置に組み込まれる超微粒子の集合・結合機構を示す断面
図である。
【0012】分散媒体調製機構1は、帯電付与機構30
に配管61、2本の分岐配管62a,62bを通して接
続されている。これら分岐配管62a,62bは、例え
ばポリイミドのような絶縁材料から作られている。前記
帯電付与機構30は、2本の配管63a,63bを含
み、これら配管63a,63bを通して超微粒子の集合
・結合機構70に接続されている。前記配管63a,6
3bは、例えばステンレスのような導電材料から作ら
れ、かつ内面に白金または金の薄膜がコーティングされ
ている。
【0013】前記分散媒体調製機構1は、図2および図
3に示すように例えば四角錐台形状の空洞部2およびこ
の空洞部2の上下に連通する上部矩形状穴3,下部矩形
状穴4を有するメインブロック5と、前記上下の矩形状
穴3,4に挿入固定された上部、下部のブロック6,7
と有する本体8を備える。なお、前記四角台錐形状をな
す空洞部2はその上下の開口径が前記上下の矩形状穴
3,4より小さくなっている。
【0014】複数、例えば2つのノズル部9a,9b
は、前記空洞部2の中間内面に位置する前記メインブロ
ック5部分に互いに対向するように形成されている。こ
れらノズル部9a,9bの先端の開口(吐出口)は、液
状媒体に互いに異なる材料を所望量混合した固液混合流
体の噴射速度を高める観点から、数ミクロン〜百数十ミ
クロンの径を有することが好ましい。
【0015】前記上部ブロック6は、その上面からネジ
穴10が設けられている。このネジ穴10には、後述す
る配管が螺着、接続される。前記ネジ穴10は、逆円錐
形流路11を通して2つの分岐流路12a,12bに連
通されている。前記各分岐流路12a,12bは、それ
ぞれ前記上部ブロック6から前記メインブロック5を通
って前記2つのノズル部9a,9bの先端面まで延出さ
れ、その先端面で開口されている。
【0016】前記各分岐流路12a,12bに導入され
た固液混合流体の流速を加速するためのオリフィス部1
3a,13bは、前記ノズル部9a,9bの根元に位置
する前記各分岐流路12a,12b部分にそれぞれ介装
されている。
【0017】前記ノズル部は、3つ以上の複数用いても
よい。前記複数のノズル部は、例えば平面の円形軌跡に
等周角度、例えば2つの場合180°、3つの場合12
0°、4つの場合90°の角度で前記メインブロック5
に取付けられる。特に、固液混合流体の噴射流同士をバ
ランスよく、かつ高いエネルギーで衝突させる観点か
ら、2,4,6のような偶数のノズル部を前記本体に取
付けることが好ましい。
【0018】前記複数のノズル部は、固液混合流体を水
平方向に噴射させて互いに交差・衝突させるように前記
メインブロック5に取付けてもよいが、固液混合流体を
斜め方向に噴射させて互いに交差・衝突させるように前
記メインブロック5に取付けられることが好ましい。こ
のような構成にすれば、前記複数のノズル部からの固液
混合流体噴射流同士の衝突領域または混合流体衝突部材
への噴射流の衝突領域を広くすることが可能になる。ま
た、相手側のノズルからの噴射流によりノズル部やメイ
ンブロックが損傷されるのを防止することができる。
【0019】なお、前記上部ブロック6と前記メインブ
ロック5の繋目に位置する前記各分岐流路12a,12
b部分には、Oリング14a,14bがそれぞれ介装さ
れている。
【0020】前記下部ブロック7には、その下面からネ
ジ穴15が設けられている。このネジ穴15は、円柱状
穴16を通して前記メインブロック5の空洞部2と連通
している。なお、前記下部ブロック7のネジ穴15に
は、前記配管61が螺着、接続されている。
【0021】少なくとも表面が固液混合流体中の材料
(例えば粒子)より硬度の高い材料からなる混合流体衝
突部材17は、前記メインブロック5を貫通して前記空
洞部2内に着脱自在に挿入されている。前記混合流体衝
突部材17は、前記空洞部2内に挿入する際、前記ノズ
ル部9a,9bから噴射される2つの固液混合流体の噴
射流交差部に位置され、前記各固液混合流体の噴射流が
実質的に前記混合流体衝突部材17の2つの面に衝突さ
れる。
【0022】前記混合流体衝突部材17は、少なくとも
表面が前記固液混合流体中の微粒子より硬度の高い材料
からなる構造部材を用いればよい。ただし、前記固液混
合流体中の所望の材料が複数種である場合には最も硬度
の高い材料を基準にし、それより高硬度の材料から混合
流体衝突部材を形成する必要がある。前記混合流体衝突
部材は、固液混合流体の噴射流による摩耗を抑制すると
ともに、固液混合流体中の材料(特に金属、無機材料の
粒子)への破砕力を高める観点から表面に多数のダイヤ
モンド粒子が電着された鉄、コバルトなどの金属製基
体、またはダイヤモンド焼結体や超硬合金焼結体から製
作することが好ましい。前者の表面に多数のダイヤモン
ド粒子が電着された金属製基体は、平均粒径5〜10μ
mの多数のダイヤモンド粒子を70%以上の面積率で金
属製基体に電着した構造にすることが好ましい。特に、
ダイヤモンド焼結体からなる混合流体衝突部材は固液混
合流体の噴射流衝突時のエネルギーを破砕力に変換する
効率が高く、かつ耐摩耗性に優れているために好適であ
る。
【0023】前記混合流体衝突部材17は、形状的に任
意であるが、前記ノズル部の数に応じてそれらの開口部
に対向する面(衝突面)を有する形状、例えば三角柱状
にすることが好ましい。このような混合流体衝突部材を
用いることによって、前記複数のノズル部から噴射され
た固液混合流体を前記混合流体衝突部材に衝突させる
際、その衝突エネルギーをより効率よく前記固液混合流
体中の材料(特に金属、無機材料の粒子)の破壊力に変
換することが可能になる。
【0024】前記固液混合流体が導入される配管18
は、図1に示すように前記上部ブロック6のネジ穴10
に螺着され、ナット19により固定されている。高圧圧
送ポンプ20は、前記配管18に介装されている。バル
ブ21は、前記高圧圧送ポンプ20の上流側の前記配管
18に介装されている。バイパス配管22は、前記下部
ブロック7のネジ穴15に螺着された前記配管51から
分岐され、その先端が前記高圧圧送ポンプ20に接続さ
れている。2つのバルブ23,24は、前記バイパス配
管22の分岐部付近のバイパス配管22および前記配管
51の下流側にそれぞれ介装されている。
【0025】前記帯電付与機構30は、互いに平行して
配置される支持板31a,31bを備えている。これら
支持板31a,31bには、それぞれ2つ(合計4つ)
の貫通穴(図示せず)が互いにに対向するように開口さ
れている。円柱部32およびこの円柱部32に同心円状
に一体的に取付けられた小円柱部33からなる4つのジ
ョイント部材34は、前記支持板31a,31bの貫通
穴(図示せず)にそれら支持板31a,31bの対向面
から前記小円柱部33が先端側になるようにそれぞれ挿
入され、前記円柱部32と小円柱部33の段差部を支持
板31a,31bの対向面に当接させている。前記各小
円柱部33には、その端面からネジ穴(図示せず)が設
けられている。前記各円柱部32には、その端面から円
柱状の窪み部35がそれぞれ穿設され、かつこの窪み部
35は小径流路36を通して前記小円柱部33のネジ穴
(図示せず)と連通している。
【0026】ナイロンのような絶縁材料からなるキャッ
プ37が両端部に冠着された例えばステンレスのような
導電材料からなる第1,第2の円柱状チャンバ38,3
9は、それらの両端部を前記ジョイント部材34の円柱
部32の窪み部35に挿入することにより前記支持板3
1a,31bの間に互いに平行になるように配置されて
いる。なお、前記第1,第2のチャンバ38,39の内
部には両端の出入口付近で断面積を狭めた流路40が長
さ方向に穿設されている。を有し、かつ前記各キャップ
37の中央には、前記第1,第2のチャンバ38,39
の流路40および前記ジョイント部材34の小径流路3
6と連通する***がそれぞれ開口されている。前記第
1,第2のチャンバ38,39の流路40が形成される
内面には、図4に示すように白金(または金)の薄膜3
8f(39f)がそれぞれコーティングされている。
【0027】両端部にネジ穴を有する8本の棒状スペー
サ41は、前記支持板31a,31の間に前記第1,第
2のチャンバ38,39を囲み、かつ互いに平行になる
ように配置されている。8本のネジ42は、前記支持板
31a,31bの対向面と反対側の面から前記棒状スペ
ーサ42両端部のネジ穴に螺着されている。このような
棒状スペーサ41の前記支持板31a,31b間への配
置およびネジ42による棒状スペーサ41の両端部への
螺着により前記支持板31a,31が互いに所定の間隔
をあけて固定されると共に、前記ジョイント部材34の
円柱部32が互いに近づくように移動されてそれら円柱
部32の窪み部35に両端部が挿入された前記第1,第
2のチャンバ38,39が前記支持板31a,31b間
に支持固定される。
【0028】前記2本の分岐配管62a,62bのねじ
切り加工された先端部は、前記支持板31a側に取付け
られた2つのジョイント部材34の小円柱部33のネジ
穴に螺着され、ナット43により強固に連結固定されて
いる。前記2本の配管63a,63bのねじ切り加工さ
れた一端部は、前記支持板31b側に取付けられた2つ
のジョイント部材34の小円柱部33のネジ穴に螺着さ
れ、ナット44により強固に連結固定されている。
【0029】チャンバ受台45は、前記第1,第2のチ
ャンバ38,39の中央付近を支持している。例えば銅
のような導電材料からなる円筒状高周波給電部材46
は、前記チャンバ受台45が位置する前記第1,第2の
チャンバ38,39の中央付近周囲にそれぞれ配置され
ている。高周波が透過可能な円筒状絶縁部材47は、前
記各円筒状の高周波給電部材46の内周面にそれぞれ位
置し、前記チャンバ38,39の外周面と直接接触して
いる。なお、円筒状高周波給電部材46および前記円筒
状絶縁部材47は、それぞれ軸方向に2分割され、前記
第1,第2のチャンバ38,39の中央付近に上下方向
から嵌合することによりそれらチャンバ38,39の中
央付近に配置される。高周波給電端子48は、前記各高
周波給電部材44にそれぞれ螺着され、ナット49によ
り固定されている。2本の配線50は、一端が前記高周
波給電端子48に接続され、他端が高周波電源51に接
続されている。
【0030】前記絶縁部材47は、例えばポリテトラフ
ルオロエチレンのようなフッ素樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂またはアルミナ、ジルコニアのようなセラミックから
作られる。また、前記絶縁部材47は肉厚が50〜50
0μmであることが好ましい。このような構成の絶縁部
材47は、前記配線50,給電端子48を通して円筒状
給電部材46に供給された高周波電圧を効率よく前記第
1,第2のチャンバ38,39に印加することが可能に
なり、かつ前記第1,第2のチャンバ38,39を流通
する帯電された分散媒体から直流電流が前記高周波経路
を逆流して前記高周波電源51に流れ込んで破損するの
を防ぐことが可能になる。
【0031】直流電源52は、高周波電圧の印加位置よ
り前記分散媒体の流れ方向の下流側の部材、例えば前記
第1,第2のチャンバ38,39に連結される前記配管
63a,63bに配線53,54を通して一方がプラ
ス、他方がマイナスになるように接続されている。
【0032】なお、前記第1、第2のチャンバ38,3
9は、ステンレスのような導電材料のみから作られる場
合に限定されない。例えば、ステンレスのような導電材
料からなる円柱体の内部に両端の出入口付近で断面積を
狭めた流路を長さ方向に穿設し、この流路が位置する内
面に高周波が透過可能な絶縁材料からなる薄膜をコーテ
ィングして第1、第2のチャンバを構成してもよい。こ
の場合、配線を通して高周波電源に接続される高周波給
電端子は前記円柱体に直接取り付けられる。このような
構成の第1、第2のチャンバでは、前記薄膜が図4に示す
高周波が透過可能な円筒状絶縁部材47と同様な帯電さ
れた分散媒体から直流電圧が高周波電源に逆流するのを
防止することができ、かつ構造的に簡素化することが可
能になる。
【0033】また、前記直流電源52の配線53,54
の接続箇所は前記配管63a,63bに限定されない。
例えば、前記直流電源の配線を高周波電圧の印加位置よ
り前記分散媒体の流れ方向の下流側の導電材料からなる
前記第1,第2のチャンバ38,39部分に接続しても
よい。また、前記直流電源の配線を後述する集合・結合
機構70の第1、第2のブロック73a,73bに接続
してもよい。この場合、集合・結合機構70の第1、第
2のブロック73a,73bは帯電・付与機構を兼用す
る形態になる。このような直流電源の接続形態では、前
記第1,第2のチャンバ38,39を流通し、高周波電
圧が印加された分散媒体の励起状態を第1、第2のブロ
ックの流路にまで維持させるために、前記配管63a,
63bの長さを短くすることが好ましい。
【0034】前記集合・結合機構70は、図5に示すよ
うに例えば両側面に開口された矩形穴71を有する支持
本体である矩形状メインブロック72と、このメインブ
ロック72の両側面に前記矩形穴71を囲むように取付
けられた第1、第2のブロック73a,73bとを備え
ている。前記矩形状メインブロック72は、例えばナイ
ロンのような絶縁材料から作られている。第1、第2の
ブロック73a,73bは、例えばステンレスのような
導電材料から作られている。前記第1、第2のブロック
73a,73bは、前記メインブロック72に対向する
面に形成される矩形状突起部74a,74bをそれぞれ
有し、これら突起部74a,74bが前記メインブロッ
ク72の矩形穴71に嵌合されている。
【0035】2つのノズル部75a,75bは前記矩形
穴71内において互いに対向するように第1,第2のブ
ロック73a,73bから突出されている。これらのノ
ズル部75a,75bは、前述した分散媒体調製機構1
で説明したのと同様な理由から下方に向けて所望の角度
で傾斜されていることが好ましい。これらノズル部75
a,75bの先端の開口(吐出口)は、分散媒体の噴射
速度を高める観点から、数ミクロン〜百数十ミクロンの
径を有することが好ましい。
【0036】前記第1、第2のブロック73a,73b
は、その上部にネジ穴76a,76bがそれぞれ開口さ
れている。これらのネジ穴76a,76bは、逆円錐形
穴77a,77bを通して前記第1、第2のブロック7
3a,73bにそれぞれ形成された流路78a,78b
に連通されている。これらの流路78a,78bは、前
記2つのノズル部75a,75bの先端面まで延出さ
れ、その先端面で開口されている。前記逆円錐形穴77
a,77bおよび前記流路78a,78bの内面は、白
金または金の薄膜がコーティングされている。前記各流
路78a,78bに導入された分散媒体の流速を加速す
るためのオリフィス部79a,79bは、前記ノズル部
75a,75bの根元に位置する前記各流路78a,7
8b部分にそれぞれ介装されている。
【0037】ネジ穴80は、前記メインブロック72の
下面から内部に向けて設けられている。このネジ穴80
は、円錐形穴81および円柱状穴82を通して前記メイ
ンブロック72の矩形穴71と連通している。
【0038】前記配管63a,63bは、2つの前記ジ
ョイント部材34に一端部が連結され、かつねじ切り加
工された他端部が前記第1,第2のブロック73a,7
3bのネジ穴76a,76bにそれぞれ螺着され、ナッ
ト83a,83bにより強固に固定・接続されている。
排出管64は、そのねじ切り加工された一端部が前記メ
インブロック72のネジ穴80に螺着されている。
【0039】次に、第1実施形態に係る複合微粒子含有
液状媒体の製造方法を前述した図1〜図5に示す製造装
置を参照して説明する。
【0040】(分散媒体の調製工程)まず、図1および
図3に示すように分散媒体調製機構1の混合流体衝突部
材17を予め2つのノズル部9a,9bの固液混合流体
の噴射流交差部から外れるように位置させる。
【0041】液状媒体に互いに異なる材料を所望量混合
した固液混合流体を配管18を通して高圧圧送ポンプ2
0に導入し、ここで高圧力に高めて前記分散媒体調製機
構1の上部ブロック6のネジ穴10内に導入する。この
高圧の固液混合流体は、前記上部ブロック6の逆円錐状
流路11を通して分岐流路12a,12bにそれぞれ導
入される。これら分岐流路12a,12bに流入された
固液混合流体は、オリフィス13a,13bを通過する
過程で更に加速され、ノズル部9a,9bの開口部から
メインブロック5の空洞部2内に高速度で噴射させる。
この時、互いに対向して配置された前記ノズル部9a,
9bの分岐流路12a,12bは下方に傾斜されている
ため、前記ノズル部9a,9bの開口部から噴射された
固液混合流体は互いに交差・衝突する。このため、前記
固液混合流体中の互いに異なる材料が破砕されて微粒子
化されると共に、その微粒子(または超微粒子)が分散
されて互いに異なる材料の超微粒子が液状媒体に分散さ
れた分散媒体が調製される。
【0042】前記液状媒体としては、例えばエチルアル
コール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコー
ルのようなアルコール類、メチルエチルケトンのような
ケトン類またはジメチルスルホキシド、トルエン、キシ
レン等の有機溶媒または水を挙げることができる。これ
らの液状媒体は、分散させる前記材料の種類や組み合わ
せに応じて単独または混合液の形態で用いることができ
る。
【0043】前記互いに異なる材料としては、有機高分
子、金属、無機化合物等を挙げることができる。ここ
で、互いに異なる材料の組み合わせとしては例えば
(a)異種の有機高分子を用いる形態、(b)少なくと
も1種の有機高分子と金属および無機化合物から選ばれ
る少なくとも1種とを用いる形態、が挙げられる。
【0044】前記有機高分子としては、例えばポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイト、
ポリイミド、アクリル酸樹脂、ポリエステル、ポリビニ
ルアルコール、エチレン酢酸ビニルアルコール、または
ポリ乳酸のような生分解樹脂等の各種の熱可塑性樹脂を
挙げることができる。また、前記有機高分子は前記熱可
塑性樹脂の他に熱硬化性樹脂を使用することも可能であ
る。更に、物性の異なる2種以上の有機高分子を用いる
ことを許容する。前記有機高分子は、前記液状媒体に溶
解または分散して使用される。前記有機高分子を分散さ
せる場合には、粒径が10μm以下、より好ましくは粒
径1μm以下の粒子を用いることが望ましい。
【0045】前記金属としては、例えば鉄、銀、ステン
レス等の全てのものを挙げることができる。前記金属
は、粒径が10μm以下、より好ましくは粒径1μm以
下の粒子を用いることが望ましい。
【0046】前記無機化合物としては、例えばガラス、
各種の金属塩、または酸化ケイ素、酸化ジルコニムウ、
酸化チタン、アルミナ、酸化クロムなどの酸化物系セラ
ミックス、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化硼素など
の窒化物系セラミックス、炭化珪素、炭化硼素などの炭
化物系セラミックス等を挙げることができる。前記無機
化合物は、粒径が10μm以下、より好ましくは粒径1
μm以下の粒子を用いることが望ましい。
【0047】前記液状媒体中に配合される互いに異種の
材料の量は、(a)異種の有機高分子を用いる場合;1
0〜20重量%、(b)少なくとも1種の有機高分子と
金属および無機化合物から選ばれる少なくとも1種とを
用いる場合;5〜15重量%、にすることが好ましい。
【0048】前記分散媒体調製機構1の本体8に導入さ
れる固液混合流体の加圧力は、500kg/cm2以上
にすることが好ましい。前記2つのノズル部9a,9b
から噴射される固液混合流体の噴射速度は、300m/
秒以上にすることが好ましい。前記固液混合流体の加圧
力を500kg/cm2未満、前記固液混合流体の噴射
流速度を300m/秒未満にすると、固液混合流体中の
有機高分子のような材料を破砕したり、超分散したりす
ることが困難になる虞がある。前記固液混合流体の加圧
力および前記固液混合流体の噴射流速度の上限は、実用
上、それぞれ3000kg/cm2、600m/秒にす
ることが望ましい。
【0049】前記分散媒体調製機構1による前記固液混
合流体の破砕、分散操作に際し、その固液混合流体中の
材料の種類、組み合わせにより次のような形態を採用す
ることが望ましい。
【0050】(1)固液混合流体中の材料が異種の有機
高分子である形態 前述したように本体8の空洞部2の交差・衝突部に混合
流体衝突部材17を位置させずに固液混合流体を2つの
ノズル9a,9bから噴射して互いに交差・衝突させ
る。このような手法により固液混合流体中の有機高分子
の分子鎖が過度に切断するのを防ぐことができる。
【0051】(2)固液混合流体中の材料をより超微粒
子化、超分散させる形態 まず、図1に示す配管51のバルブ24を閉じ、バイパ
ス配管22のバルブ23を開く。つづいて、液状媒体に
互いに異なる材料を所望量混合した固液混合流体を配管
18を通して高圧圧送ポンプ20に導入し、ここで高圧
力に高めて上部ブロック6のネジ穴10内に導入して前
記バイパス配管22まで固液混合流体で満たした後、前
記配管18に介装したバルブ21を閉じる。つまり、前
記バイパス配管22により高圧圧送ポンプ20と本体8
を閉ループとする。この後、前述したのと同様に固液混
合流体を前記ノズル部9a,9bの開口部から噴射させ
て互いに交差・衝突させる。交差・衝突操作後の固液混
合流体をバイパス配管22を通して高圧圧送ポンプ20
に返送し、ここで所望の高圧力に高め、本体8の上部ブ
ロック6のネジ穴10内に導入し、前記ノズル部9a,
9bの開口部から噴射させて互いに交差・衝突させる操
作を繰り返す。
【0052】このように固液混合流体を互いに交差・衝
突させる操作を繰り返すことによって、前記混合流体中
の互いに異なる材料が破砕されて超微粒子化すると共
に、均一分散され、例えば数百ナノメータ以下の超微粒
子が均一に分散された分散媒体を調製することができ
る。
【0053】なお、以下の説明において固液混合流体の
流速を計算して前記ノズル部9a,9bの開口部から噴
射されて互いに交差・衝突させた後、その交差・衝突し
た固液混合流体が再度、交差・衝突する直前までの操作
を“1パス”とに称する。
【0054】(3)破砕が困難な金属や無機化合物と有
機高分子が混合された固液混合流体を破砕・分散させる
形態 まず、図2に示すように混合流体衝突部材17を予め2
つのノズル部9a,9bの固液混合流体の噴射流交差部
に実質的に位置するようにメインブロック5を貫通して
その空洞部2内に挿入する。つづいて、液状媒体に金属
や無機化合物の微粒子と有機高分子を所望量混合した固
液混合流体を配管18を通して高圧圧送ポンプ20に導
入し、ここで高圧力に高めて上部ブロック6のネジ穴1
0内に導入する。この高圧の固液混合流体は、前記上部
ブロック6の逆円錐状流路11を通して分岐流路12
a,12bにそれぞれ導入される。これら分岐流路12
a,12bに流入された固液混合流体は、オリフィス1
3a,13bを通過する過程で更に加速され、ノズル部
9a,9bの開口部からメインブロック5の空洞部2内
に高速度で噴射させる。この時、互いに対向して配置さ
れた前記ノズル部9a,9bの分岐流路12a,12b
は下方に傾斜されているため、前記ノズル部9a,9b
の開口部から噴射された固液混合流体は互いに衝突噴射
流交差部に実質的に位置させた前記混合流体衝突部材1
7に衝突する。このため、前記固液混合流体中の微粒子
が受ける衝突エネルギーは前記固液混合流体同士を衝突
させる場合に比べて著しく高められる。特に、前記混合
流体衝突部材17の形状を三角柱とすることにより、前
記2つのノズル部9a,9bから噴射された2つの固液
混合流体を前記三角柱の混合流体衝突部材17の2つの
面にそれぞれ垂直もしくはほぼ垂直に衝突させることが
できる。このため、前記固液混合流体中の微粒子に対し
て一層高い衝突エネルギーを付与することができる。ま
た、前記混合流体衝突部材17を現有の材料の中で最も
硬度の高いダイヤモンドの焼結体から作ることによっ
て、衝突エネルギーの破砕変換効率をより一層向上でき
る。
【0055】その結果、前記固液混合流体同士を衝突さ
せる手法では困難であった前記固液混合流体中の金属や
無機化合物の微粒子を効率よく破砕して超微粒子化でき
ると共に、超微粒子の分散化も図ることができる。
【0056】なお、前記(3)の形態において前記
(2)の形態のように固液混合流体を2つのノズル部9
a,9bから混合流体衝突部材17に噴射衝突させる操
作を複数パス行うことを許容する。
【0057】(4)結合し難い異種の有機高分子が混合
された固液混合流体を破砕・分散させる形態 まず、液状媒体に互いに異なる有機高分子をそれぞれ所
望量混合して例えば2種の固液混合媒体を作る。図1に
示す配管61のバルブ24を閉じ、バイパス配管22の
バルブを開く。つづいて、一方の前記固液混合流体を配
管18を通して高圧圧送ポンプ20に導入し、ここで高
圧力に高めて上部ブロック6のネジ穴10内に導入し、
前記バイパス配管まで固液混合流体で満たされた後、前
記配管18に介装したバルブ21を閉じる。ひきつづ
き、前述したのと同様に固液混合流体を前記ノズル部9
a,9bの開口部から噴射させて互いに交差・衝突させ
る操作を複数パス行うことにより前記固液混合流体中の
有機高分子を超微粒子化し、超分散させる。
【0058】次いで、前記高圧圧送ポンプ20の駆動を
停止し、バルブ21を開いた後、他方の固液混合流体を
配管18を通して高圧圧送ポンプ20に導入し、このポ
ンプ20を駆動して高圧力に高めることにより前記一方
の固液混合流体に混合する。2種の有機高分子が混合さ
れた固液混合流体を前記ノズル部9a,9bの開口部か
ら噴射させて互いに交差・衝突させる操作を複数パス行
う。
【0059】このような手法により互いに混合し難い有
機高分子がある程度結合されて超微粒子化されると共に
超分散化された分散媒体を調整することが可能になる。
【0060】なお、前記分散媒体の調製は図1,図2,
図3に示す分散媒体調製機構1を用いて行ったが、後述
する操作がなされる図1に示す集合・結合機構70で液
状媒体に互いに異なる材料が混合された固液混合流体を
導入し、ここで調製された異種の材料が超微粒子化、分
散化された分散媒体を利用してもよい。ただし、この集
合・結合機構70を分散媒体の調製機構として兼用させ
る場合には、前記耐電付与機構30の第1,第2のチャ
ンバ38,39の直流電圧の印加を停止し、これらチャ
ンバ39,39を短に流路として利用する。また、前記
第1,第2のチャンバ38,39の上流側に固液混合流
体の導入管を設けると共に、この導入管に高圧圧送ポン
プを介装する。
【0061】(分散媒体の帯電工程)前記分散媒体調製
機構1で調製した高圧の分散媒体は、配管61および分
岐配管62a,62bを通して帯電付与機構30のジョ
インド部材34の小径流路36にそれぞれ導入され、さ
らにジョインド部材34から第1,第2のチャンバ3
8,39の流路40内を高速度で流通し、さらにそれら
の下流側である配管63a,63bに流出する。
【0062】この時、高周波電源51から所望の高周波
電圧を図4に示すように配線50および給電端子48を
通して円筒状給電部材46に供給し、これら円筒状給電
部材46から高周波電圧を例えばポリテトラフルオロエ
チレン製の円筒状絶縁部材47を透過して前記第1,第
2のチャンバ38,39に供給する。これにより、前記
第1、第2のチャンバ38,39内に流通する超微粒子
を含む分散媒体は、それぞれ励起される。同時に、直流
電源52から直流電圧を前記高周波電圧の印加位置より
下流側である配管63a,63bに配線53,54を通
して供給する。これにより、第1チャンバ38内に流通
し、既に励起された超微粒子を含む分散媒体は、マイナ
スに帯電される。また、前記第2チャンバ39内に流通
し、既に励起された超微粒子を含む分散媒体は、プラス
に帯電される。このような高周波電圧を印加することに
よって、前記各分散媒体に揺らぎを生じさせることがで
きるため、その後の直流電圧の印加により前記各分散媒
体にそれぞれ充分な量のマイナス帯電、プラス帯電を施
すことが可能になる。
【0063】なお、前記分散媒体が第1,第2のチャン
バ38,39の流路40を流通する過程で、それらの出
口付近で流路が狭められているため、前記各分散媒体の
流れが加速される。
【0064】また、前記高周波電圧の前記第1,第2の
チャンバ38,39への供給に際し、図4に示すように
給電部材46を前記第1,第2のチャンバ38,39に
直接接続せずに、それらの間に絶縁部材47を介在させ
ることによって、前述したプラス、マイナスに帯電した
分散流体を通して直流電圧が高周波電源51に逆流して
その電源51を破損するのを防ぐことが可能になる。
【0065】さらに、前記分散媒体調製機構1と前記帯
電付与機構30とを繋ぐ分岐配管62a,62bを絶縁
材料により形成することによって、前述したプラス、マ
イナスに帯電した分散流体を通して直流電圧が前記分散
媒体調製機構1に流れ込むのを防止することができる。
【0066】前記高周波電源51から供給される高周波
電圧は、周波数500kHz〜10MHz、電圧20〜
400Vに設定することが好ましい。
【0067】前記直流電源52から供給される直流電圧
は、電流0.5〜10A、電圧100V〜5kVに設定
することが好ましい。
【0068】(超微粒子の凝集・結合による複合超微粒
子含有液状媒体の製造工程)前記第1,第2のチャンバ
38,39および導電性材料からなる前記配管63a,
63bで互いに異なる極性に帯電された分散媒体は、前
記配管63a,63bから凝集・結合機構70の絶縁材
料からなるメインブロック72で分離された導電材料か
らなる第1,第2のブロック73a,73bのネジ穴7
6a,76b内にそれぞれ高圧で導入される。前記第
1,第2のブロック73a,73bは、絶縁材料からな
るメインブロック72により電気的に分離されているた
め、前記高圧の各分散媒体はそれらの帯電量を維持した
まま流路78a,78bにそれぞれ導入される。これら
の分散媒体は、前記各流路78a,78bのオリフィス
79a,79bを通過する過程で更に加速され、ノズル
部75a,75bの開口部から前記メインブロック72
の矩形穴71内に高速度で噴射させる。この時、互いに
対向して配置された前記ノズル部75a,75bの流路
78a,78bは下方に傾斜されているため、前記ノズ
ル部75a,75bの開口部から噴射された各分散媒体
は互いに効率よく交差・衝突する。このような衝突場に
おいて、互いに異なる極性に帯電された各分散媒体中の
超微粒子は強力に引き付け合って互いに静電凝集すると
ともに、励起移動により互いに凝集、結合される。その
結果、前記ノズル部75a,75bからの噴射手前で分
散された互いに異なる材料からなる超微粒子が相互に結
合されて異種材料からなる多数の複合超微粒子を含む液
状媒体を製造することができる。
【0069】前述した複合超微粒子含有液状媒体の製造
において、ステンレスのような金属から作られる前記第
1、第2の導電チャンバ38,39、配管63a,63
bおよび凝集・結合機構70の第1,第2のブロック7
3a,73bの流路78a,78bに帯電された分散媒
体を流通させると、それら部材の内面側から帯電された
各分散媒体により電解されて溶解される。特にプラス帯
電された分散媒体が流通する部材が顕著に電解されて溶
解される。このようなことから、前記第1、第2の導電
チャンバ38,39の内面、配管63a,63bの内面
および凝集・結合機構70の第1,第2のブロック73
a,73bの流路78a,78b内面に白金または金の
薄膜をコーティングすることによって、帯電された前記
分散媒体の電解による溶解を防止することができる。
【0070】以上、第1実施形態によれば分散媒体を第
1、第2のチャンバに導入、流通させ、ここで高周波電
圧を印加し、さらに高周波電圧の印加位置より下流側で
直流電圧を印加して、それら分散媒体を互いに異なる極
性に帯電させ、互いに電気的に分離された流路、ノズル
部を通して噴射させ、交差・衝突させる。このような方
法により、従来法のように単に液状媒体に異種材料が混
合された固液混合流体を交差・衝突させても困難であっ
たそれら異種材料の結合、複合化を達成でき、異種材
料、例えば異種の有機高分子、または有機高分子とシリ
カのような無機化合物がナノレベルで強固に結合された
複合超微粒子を含む液状媒体を製造することができる。
【0071】このような方法で製造された複合超微粒子
含有液状媒体は、長期間の保存に際し、複合超微粒子が
凝集、沈降することなく、優れた分散、安定性を有す
る。前記複合超微粒子含有液状媒体は、ガスバリア膜を
始めとする各種の高機能材料、高度物性材料の製造に利
用することができる。
【0072】また、前述した第1実施形態によれば異種
材料、例えば異種の有機高分子、または有機高分子とシ
リカのような無機化合物がナノレベルで強固に結合され
た複合超微粒子を含む液状媒体を製造することが可能な
製造装置を実現できる。
【0073】(第2実施形態)図6は、この第2実施形
態に係る複合超微粒子の製造装置を示す概略上面図、図
7は図6に組み込まれる第2分散媒体調製機構を示す断
面図である。なお、図6において前述した図1と同様な
部材は同符号を付して説明を省略する。
【0074】第1分散媒体調製機構(前述した図2,図
3の分散媒体調製機構と同様な構造)1および第2分散
媒体調製機構90は、帯電付与機構30にそれぞれ配管
65a,65bを通して接続されている。これら配管6
5a,65bは、例えばポリイミドのような絶縁材料か
ら作られている。この帯電付与機構30は、2本の配管
63a,63bを含み、これら配管63a,63bを通
して超微粒子の集合・結合機構70に接続されている。
前記配管63a,63bは、例えばステンレスのような
導電材料から作られ、かつ内面に白金または金の薄膜が
コーティングされている。
【0075】前記第1分散媒体調製機構1には、有機高
分子、金属および無機化合物化合物から選ばれる少なく
とも1種の材料が所望量混合された固液混合流体がその
配管18を通して本体8に導入される。
【0076】前記第2分散媒体調製機構90は、図7に
示すように例えば四角錐台形状の空洞部91およびこの
空洞部91の上下に連通する上部矩形状穴92,下部矩
形状穴93を有するメインブロック94と、前記上下の
矩形状穴92,93に挿入固定された上部、下部のブロ
ック95,96と有する本体97を備える。なお、前記
空洞部91は前記下部ブロック96内にまで延出されて
いる。前記四角台錐形状をなす空洞部91はその上下の
開口径が前記上下の矩形状穴92,93より小さくなっ
ている。
【0077】複数、例えば2つのノズル部98a,98
bは、前記空洞部91の中間内面に位置する前記メイン
ブロック94部分に互いに対向するように形成されてい
る。これらノズル部98a,98bの先端の開口(吐出
口)は、液状媒体に少なくとも1種の有機高分子を所望
量混合した固液混合流体の噴射速度を高める観点から、
数ミクロン〜百数十ミクロンの径を有することが好まし
い。
【0078】前記上部ブロック95は、その上面からネ
ジ穴99が設けられている。このネジ穴99には、後述
する配管が螺着、接続される。前記ネジ穴99は、逆円
錐形流路100を通して2つの分岐流路101a,10
1bに連通されている。前記各分岐流路101a,10
1bは、それぞれ前記上部ブロック95から前記メイン
ブロック94を通って前記2つのノズル部98a,98
bの先端面まで延出され、その先端面で開口されてい
る。
【0079】前記各分岐流路101a,101bに導入
された固液混合流体の流速を加速するためのオリフィス
部102a,102bは、前記ノズル部98a,98b
の根元に位置する前記各分岐流路101a,101b部
分にそれぞれ介装されている。
【0080】前記ノズル部は、3つ以上の複数用いても
よい。前記複数のノズル部は、例えば平面の円形軌跡に
等周角度、例えば2つの場合180°、3つの場合12
0°、4つの場合90°の角度で前記メインブロック9
4に取付けられる。特に、それらノズル部の個数を2,
4,6のような偶数とし、これらのノズル部を前記本体
に取付けることにより、前記ノズル部から噴射される固
液混合流体をバランスよく、かつ高いエネルギーで衝突
させることが可能になる。
【0081】前記複数のノズル部は、固液混合流体を水
平方向に噴射させて互いに交差・衝突させるように前記
メインブロック94に取付けられている。ただし、固液
混合流体を斜め方向に噴射させて互いに交差・衝突させ
るように前記メインブロック94に取付けられることが
好ましい。このような構成にすれば、前記複数のノズル
部からの固液混合流体噴射流同士の衝突領域を広くする
ことが可能になる。また、相手側のノズルからの噴射流
によりノズル部やメインブロックが損傷されるのを防止
することができる。
【0082】なお、前記上部ブロック95と前記メイン
ブロック94の繋目に位置する前記各分岐流路101
a,101b部分には、Oリング103a,103bが
それぞれ介装されている。
【0083】前記下部ブロック96には、その下面から
ネジ穴104が設けられている。このネジ穴104は、
円錐状穴105および円柱状穴106を通して前記メイ
ンブロック94の空洞部91と連通している。なお、前
記円柱状穴106は前記空洞部91の圧力を大気圧より
高く制御できるように前述した第1分散媒体調製機構1
の円柱状穴16に比べて径を小さくしている。前記下部
ブロック96のネジ穴104には、前記配管65bが螺
着、接続されている。
【0084】前記固液混合流体が導入される配管107
は、図6に示すように前記上部ブロック95のネジ穴9
9に螺着され、ナット108により固定されている。高
圧圧送ポンプ109は、前記配管107に介装されてい
る。バルブ110は、前記高圧圧送ポンプ109の上流
側の前記配管107に介装されている。バイパス配管1
11は、前記第2分散媒体調製機構90側に接続される
前記配管65bから分岐され、その先端が前記高圧圧送
ポンプ109に接続されている。2つのバルブ112,
113は、前記バイパス配管111の分岐部付近のバイ
パス配管111および前記配管65bの下流側にそれぞ
れ介装されている。
【0085】次に、第2実施形態に係る複合微粒子含有
液状媒体の製造方法を前述した図6および図7に示す製
造装置を参照して説明する。
【0086】(第1分散媒体の調製工程)まず、図6お
よび図3に示すように第1分散媒体調製機構1の混合流
体衝突部材17を予め2つのノズル部9a,9bの固液
混合流体の噴射流交差部から外れるように位置させる。
【0087】液状媒体に少なくとも1種の有機高分子、
金属および無機化合物から選ばれる1種以上の材料を所
望量混合した固液混合流体を配管18を通して高圧圧送
ポンプ20に導入し、ここで高圧力に高めて上部ブロッ
ク6のネジ穴10内に導入する。この高圧の固液混合流
体は、前記上部ブロック6の逆円錐状流路11を通して
分岐流路12a,12bにそれぞれ導入される。これら
分岐流路12a,12bに流入された固液混合流体は、
オリフィス13a,13bを通過する過程で更に加速さ
れ、ノズル部9a,9bの開口部からメインブロック5
の空洞部2内に高速度で噴射させる。この時、互いに対
向して配置された前記ノズル部9a,9bの分岐流路1
2a,12bは下方に傾斜されているため、前記ノズル
部9a,9bの開口部から噴射された固液混合流体は互
いに交差・衝突する。このため、前記固液混合流体中の
材料(少なくとも1種の有機高分子、金属および無機化
合物材料)が互いに破砕されて微粒子化されると共に、
その微粒子(または超微粒子)が液状媒体に分散された
分散媒体が調製される。
【0088】前記液状媒体としては、前記第1実施形態
で説明したのと同様なものが用いることができる。液状
媒体は、分散させる前記材料の種類や組み合わせに応じ
て単独または混合液の形態で用いることができる。
【0089】前記有機高分子、金属および無機化合物か
ら選ばれる1つ以上の材料としては、(a)単独の有機
高分子、金属、無機化合物を用いる形態、(b)異種の
有機高分子を用いる形態、(c)少なくとも1種の有機
高分子と金属および無機化合物から選ばれる少なくとも
1種とを用いる形態、が挙げられる。
【0090】前記有機高分子、金属および無機化合物と
しては、前記第1実施形態で説明したのと同様なもの、
同様な粒径を有するものを用いることができる。
【0091】前記第1分散媒体調製機構1の本体8に導
入される固液混合流体の加圧力、前記2つのノズル部9
a,9bから噴射される固液混合流体の噴射速度は、そ
れぞれ500kg/cm2以上、300m/秒以上にす
ることが好ましい。
【0092】前記液状媒体に配合させる少なくとも1種
の有機高分子、金属および無機化合物から選ばれる1種
以上の材料の量は、(a)単独の有機高分子、金属、無
機化合物を用いる場合;10〜20重量%、(b)異種
の有機高分子を用いる場合;10〜20重量%、(c)
少なくとも1種の有機高分子と金属および無機化合物か
ら選ばれる少なくとも1種とを用いる場合;5〜15重
量%、にすることが好ましい。
【0093】前記第1分散媒体調製機構1による前記固
液混合流体の破砕、分散操作に際し、その固液混合流体
中の材料の種類、組み合わせにより前記第1実施形態で
述べた(1)固液混合流体中の材料が異種の有機高分子
である形態、(2)固液混合流体中の材料をより超微粒
子化、超分散させる形態、(3)破砕が困難な金属や無
機化合物と有機高分子が混合された固液混合流体を破砕
・分散させる形態、の操作を採用することが望ましい。
【0094】(第2分散媒体の調製工程)まず、液状媒
体に少なくとも1種の有機高分子を所望量混合した固液
混合流体を第2分散媒体調製機構90の配管107を通
して高圧圧送ポンプ109に導入し、ここで圧力に高め
て上部ブロック95のネジ穴99内に導入する。この高
圧の固液混合流体は、前記上部ブロック95の逆円錐状
流路100を通して分岐流路101a,101bにそれ
ぞれ導入される。これら分岐流路101a,101bに
流入された固液混合流体は、オリフィス102a,10
2bを通過する過程で更に加速され、ノズル部98a,
98bの開口部からメインブロック94の空洞部91内
に高速度で噴射させる。この時、互いに対向して配置さ
れた前記ノズル部98a,98bの分岐流路101a,
101bは下方に傾斜されているため、前記ノズル部9
8a,98bの開口部から噴射された固液混合流体は互
いに効率よく交差・衝突する。このような固液混合流体
の交差・衝突に際し、前記下部ブロック96の円柱状穴
106の径を絞って前記空洞部91の圧力を大気圧より
高く制御しているため、前記固液混合流体中の有機高分
子の分子鎖が過度に切断されることなく、その有機高分
子が破砕されて微粒子化されると共に、その微粒子(ま
たは超微粒子)が分散される。その結果、少なくとも1
種の有機高分子超微粒子が液状媒体に分散された第2分
散媒体が調製される。
【0095】前記液状媒体としては、前記第1実施形態
で説明したのと同様なものが用いることができる。液状
媒体は、分散させる前記材料の種類や組み合わせに応じ
て単独または混合液の形態で用いることができる。
【0096】前記少なくとも1種の有機高分子とは、
(a)単独の有機高分子を用いる形態、(b)異種の有
機高分子を用いる形態、が挙げられる。
【0097】前記有機高分子としては、前記第1実施形
態で説明したのと同様なもの、同様な粒径を有するもの
を用いることができる。
【0098】前記第2分散媒体調製機構90の本体97
に導入される固液混合流体の加圧力、前記2つのノズル
部98a,98bから噴射される固液混合流体の噴射速
度は、それぞれ500kg/cm2以上、300m/秒
以上にすることが好ましい。
【0099】前記液状媒体に配合される少なくとも1種
の有機高分子の量は、10〜20重量%にすることが好
ましい。
【0100】前記第2分散媒体調製機構90による前記
固液混合流体の破砕、分散操作に際し、固液混合流体中
の有機高分子をより超微粒子化、超分散させる形態を採
用する場合には次のような方法が採用することが望まし
い。
【0101】すなわち、図6に示す配管65bのバルブ
113を閉じ、バイパス配管111のバルブ112を開
く。つづいて、液状媒体に少なくとも1種の有機高分子
を所望量混合した固液混合流体を配管107を通して高
圧圧送ポンプ109に導入し、ここで高圧力に高めて上
部ブロック95のネジ穴99内に導入して前記バイパス
配管111まで固液混合流体で満たした後、前記配管1
07に介装したバルブ110を閉じる。つまり、前記バ
イパス配管111により高圧圧送ポンプ109と本体9
7を閉ループとする。この後、前述したのと同様に固液
混合流体を前記ノズル部98a,98bの開口部から噴
射させて大気圧より高い圧力に制御された空洞部82内
で互いに交差・衝突させる。交差・衝突操作後の固液混
合流体をバイパス配管111を通して高圧圧送ポンプ1
09に返送し、ここで所望の高圧力に高め、本体97の
上部ブロック95のネジ穴99内に導入し、前記ノズル
部98a,98bの開口部から噴射させて同様に大気圧
より高い圧力に制御された空洞部91内で互いに交差・
衝突させる操作を繰り返す。
【0102】このように固液混合流体を互いに交差・衝
突させる操作を繰り返すことによって、前記固液混合流
体中の少なくとも1種の有機高分子が破砕されて超微粒
子化すると共に、均一分散され、例えば数百ナノメータ
以下の超微粒子が均一に分散された第2分散媒体を調製
することができる。
【0103】(分散媒体の帯電工程)前記第1分散媒体
調製機構1で調製した高圧の第1分散媒体は、配管65
aを通して帯電付与機構30のジョインド部材34の小
径流路36に導入され、さらにジョインド部材34から
第1チャンバ38の流路40内を高速度で流通する。前
記第2分散媒体調製機構90で調製した高圧の第2分散
媒体は、配管65bを通して帯電付与機構30のジョイ
ンド部材34の小径流路36に導入され、さらにジョイ
ンド部材34から第2チャンバ39の流路40内を高速
度で流通し、さらにそれらの下流側である配管63a,
63bに流出する。
【0104】この時、高周波電源51から所望の高周波
電圧を図4に示すように配線50および給電端子48を
通して円筒状給電部材46に供給し、これら円筒状給電
部材46から高周波電圧を例えばポリテトラフルオロエ
チレン製の円筒状絶縁部材47を透過して前記第1,第
2のチャンバ38,39に供給する。これにより、前記
第1、第2のチャンバ38,39内に流通する超微粒子
を含む第1、第2の分散媒体は、それぞれ励起される。
同時に、直流電源52から直流電圧を前記高周波電圧の
印加位置より下流側である配管63a,63bに配線5
3,54を通して供給する。これにより、第1チャンバ
38内に流通し、既に励起された少なくとも1種の有機
高分子、金属および無機化合物から選ばれる1種以上の
材料の超微粒子を含む第1分散媒体は、マイナスに帯電
される。また、前記第2チャンバ39内に流通し、既に
励起された少なくとも1種の有機高分子の超微粒子を含
む第2分散媒体は、プラスに帯電される。このような高
周波電圧を印加することによって、前記第1、第2の分
散媒体に揺らぎを生じさせることができるため、その後
の直流電圧の印加により前記第1、第2の分散媒体にそ
れぞれ充分な量のマイナス帯電、プラス帯電を施すこと
が可能になる。
【0105】なお、前記分散媒体が第1,第2のチャン
バ38,39の流路40を流通する過程で、それらの出
口付近で流路が狭められているため、前記第1,第2の
分散媒体の流れが加速される。
【0106】また、前記高周波電圧の前記第1,第2の
チャンバ38,39への供給に際し、図4に示すように
給電部材46を前記第1,第2のチャンバ38,39に
直接接続せずに、それらの間に絶縁部材47を介在させ
ることによって、前述したプラス、マイナスに帯電した
第1、第2の分散流体を通して直流電圧が高周波電源5
1に逆流してその電源51を破損するのを防ぐことが可
能になる。
【0107】さらに、前記分散媒体調製機構1と前記帯
電付与機構30とを繋ぐ分岐配管62a,62bを絶縁
材料により形成することによって、前述したプラス、マ
イナスに帯電した第1、第2の分散流体を通して直流電
圧が前記分散媒体調製機構1、90に流れ込むのを防止
することができる。
【0108】前記高周波電源51から供給される高周波
電圧は、周波数500kHz〜10MHz、電圧20〜
400Vに設定することが好ましい。
【0109】前記直流電源52から供給される直流電圧
は、電流0.5〜10A、電圧100V〜5kVに設定
することが好ましい。
【0110】(超微粒子の凝集・結合による複合超微粒
子含有液状媒体の製造工程)前記第1,第2のチャンバ
38,39および導電性材料からなる前記配管63a,
63bで互いに異なる極性に帯電された第1,第2の分
散媒体は、前記配管63a,63bから凝集・結合機構
70の絶縁材料からなるメインブロック72で分離され
た第1,第2のブロック73a,73bのネジ穴76
a,76b内にそれぞれ高圧で導入される。前記第1,
第2のブロック73a,73bは、絶縁材料からなるメ
インブロック72により電気的に分離されているため、
前記高圧の第1,第2の分散媒体はそれらの帯電量を維
持したまま流路78a,78bにそれぞれ導入される。
前記第1、第2の分散媒体は、前記各流路78a,78
bのオリフィス79a,79bを通過する過程で更に加
速され、ノズル部75a,75bの開口部から前記メイ
ンブロック72の矩形穴71内に高速度で噴射させる。
この時、互いに対向して配置された前記ノズル部75
a,75bの流路78a,78bは下方に傾斜されてい
るため、前記ノズル部75a,75bの開口部から噴射
された第1、第2の分散媒体は互いに効率よく交差・衝
突する。このような衝突場において、第1、第2の分散
媒体中の異なる極性に帯電された超微粒子は強力に引き
付け合って互いに静電凝集するとともに、励起移動によ
り互いに凝集、結合される。その結果、前記ノズル部7
5a,75bからの噴射手前で分散された少なくとも1
種の有機高分子、金属および無機化合物から選ばれる1
種以上の材料からなる超微粒子と少なくとも一種の有機
高分子の超微粒子とが相互に結合されて異種材料からな
る多数の複合超微粒子を含む液状媒体を製造することが
できる。
【0111】前述した複合超微粒子含有液状媒体の製造
において、ステンレスのような金属から作られる前記第
1、第2の導電チャンバ38,39、配管63a,63
bおよび凝集・結合機構70の第1,第2のブロック7
3a,73bの流路78a,78bに帯電された第1、
第2の分散媒体を流通させると、それら部材の内面側か
ら帯電された第1、第2の分散媒体により電解されて溶
解される。特にプラス帯電された分散媒体が流通する部
材が顕著に電解されて溶解される。このようなことか
ら、前記第1、第2の導電チャンバ38,39の内面、
配管63a,63bの内面および凝集・結合機構70の
第1,第2のブロック73a,73bの流路78a,7
8b内面に白金または金の薄膜をコーティングすること
によって、帯電された前記第1、第2の分散媒体の電解
による溶解を防止することができる。
【0112】以上、第2実施形態によれば第1,第2の
分散媒体を第1、第2のチャンバに導入、流通させ、こ
こで高周波電圧を印加し、さらに高周波電圧の印加位置
より下流側で直流電圧を印加して、第1、第2の分散媒
体を互いに異なる極性に帯電させ、互いに電気的に分離
された流路、ノズル部を通して噴射させ、交差・衝突さ
せる。このような方法により、従来法のように単に液状
媒体に異種材料が混合された固液混合流体を交差・衝突
させても困難であったそれら異種材料の結合、複合化を
達成でき、異種材料、例えば異種の有機高分子、有機高
分子とシリカのような無機化合物がナノレベルで強固に
結合された複合超微粒子を含む液状媒体を製造すること
ができる。
【0113】また、第2実施形態によれば第1,第2の
分散媒体調製機構1,90を用いて第1,第2の分散媒
体を調製するため、使用する材料に適した超微粒子化、
超分散を行うことが可能になる。具体的には、超微粉化
し難いシリカのような無機化合物と有機高分子からなる
複合超微粒子を製造する場合、図2に示すように混合流
体衝突部材17を空洞部の噴射流交差・衝突領域に挿入
した第1分散媒体調製機構1を用いることによって、無
機化合物の破砕を効果的になされ、無機化合物超微粒子
が超分散された第1分散媒体を調製でき、第2分散媒体
調製機構90により適度な分子鎖を有する有機高分子超
微粒子が超分散された第2分散媒体を調製できる。この
ため、これら第1,第2の分散媒体を前述した分散媒体
の帯電付与機構30、超微粒子の凝集・結合機構70を
経由させることによって、ナノレベルオーダのシリカの
ような無機化合物超微粒子が有機高分子超微粒子に結合
・合体された複合超微粒子を含む液状媒体を製造するこ
とができる。
【0114】このような方法で製造された複合超微粒子
含有液状媒体は、長期間の保存に際し、複合超微粒子が
凝集、沈降することなく、優れた分散、安定性を有す
る。前記複合超微粒子含有液状媒体は、ガスバリア膜を
始めとする各種の高機能材料、高度物性材料の製造に利
用することができる。
【0115】さらに、前述した第1実施形態によれば異
種材料、例えば異種の有機高分子、または有機高分子と
シリカのような無機化合物がナノレベルで強固に結合さ
れた複合超微粒子を含む液状媒体を製造することが可能
な製造装置を実現できる。
【0116】
【実施例】以下、本発明の実施例を前述した図面を参照
して詳細に説明する。
【0117】(実施例1) (第1工程)ジメチルスルホキシドにポリ乳酸(生分解
樹脂)を濃度が10重量%になるように混合して第1固
液混合流体を調製した。
【0118】また、ジメチルスルホキシドにポリビニル
アルコールを濃度が10重量%になるように混合して第
2固液混合流体を調製した。
【0119】(第2工程)前述した図1および図3に示
す分散媒体調製機構1(混合流体衝突部材17を空洞部
の噴射流交差・衝突領域に挿入しない形態)にジメチル
スルホキシドを供給し、その系内を同ジメチルスルホキ
シドで満たした。つづいて、前記第1固液混合流体を前
記分散媒体調製機構1に導入し、下記条件で系内が前記
第1固液混合流体で満たされるまで分散操作を5パス行
った。
【0120】<分散条件> ・分散媒体調製機構本体への固液混合流体導入圧力;2
000Kg/cm2、 ・2つのノズル部の開口径;100μm。
【0121】(第3工程)第1固液混合流体が収容され
た前記分散媒体調製機構1に前記第2固液混合流体を徐
々に導入しながら、前記条件で系内が前記第1固液混合
流体と前記第2固液混合流体が相互に溶解、分散するま
で分散操作を5パス行ってポリ乳酸の超微粒子およびポ
リビニルアルコールの超微粒子が均一に分散された分散
媒体を調製した。
【0122】(第4工程)前記分散媒体を図1に示す配
管61,分岐配管62a,62bを通して帯電付与機構
30の第1,第2のチャンバ38,39にそれぞれ高圧
で流通し、さらにそれらの下流側である配管63a,6
3bに流出させた。この時、高周波電源51から下記条
件の高周波電圧を図4に示すように配線50および給電
端子48を通して円筒状給電部材46に供給し、これら
円筒状給電部材46から高周波電圧を例えばポリテトラ
フルオロエチレン製の円筒状絶縁部材47を透過して前
記第1,第2のチャンバ38,39にそれぞれ供給し
た。同時に、直流電源52から下記条件の直流電圧を前
記高周波電圧の印加位置より下流側である配管63a,
63bに配線53,54を通して供給した。これによ
り、第1チャンバ38内に流通し、既に励起された超微
粒子を含む分散媒体は、マイナスに帯電された。また、
前記第2チャンバ39内に流通し、既に励起された超微
粒子を含む分散媒体は、プラスに帯電された。
【0123】<帯電条件> ・高周波電圧;5MHz,500V、 ・直流電圧;3kV,3.5kW。
【0124】(第5工程)前記配管63a,63b内で
それぞれ互いに異なる極性に帯電した分散媒体を凝集・
結合機構70に導入し、互いに電気的に分離された開口
径が100μmの2つのノズル部75a,75bの開口
部から空洞部71内に高圧で噴射して互いに交差・衝突
させることによりポリ乳酸とポリビニルアルコールから
なる多数の複合微粒子がジメチルスルホキシドに分散さ
れた複合微粒子含有ジメチルスルホキシドを得た。
【0125】得られた複合微粒子含有ジメチルスルホキ
シドは、6ヶ月間に亘って保管しても多数の複合微粒子
を構成する各微粒子の分離、および複合超微粒子の沈降
や凝集凝縮が認められなかった。
【0126】実施例1の複合微粒子含有ジメチルスルホ
キシドをシリコンシート上に塗布(プリントコート)
し、乾燥することにより厚さ10μmのポリ乳酸および
ポリビニルアルコールからなる複合膜を形成した。
【0127】(比較例1)前記実施例1の第1工程で調
製したポリ乳酸を含む第1固液混合流体とポリビニルア
ルコールを含む第2固液混合流体を1:1の比率で撹拌
混合することによりポリ乳酸およびポリビニルアルコー
ルを含むジメチルスルホキシドを調製した。つづいて、
この溶液をシリコンシート上に塗布(プリントコート)
し、乾燥することにより10μmの複合膜を形成した。
【0128】(比較例2)前記実施例1の第3工程で調
製したポリ乳酸の超微粒子およびポリビニルアルコール
の超微粒子が均一に分散された分散媒体を調製した。こ
の分散媒体をシリコンシート上に塗布(プリントコー
ト)し、乾燥することにより厚さ10μmのポリ乳酸お
よびポリビニルアルコールからなる複合膜を形成した。
【0129】前記実施例1および比較例1,2により得
られた複合膜について、製膜状態、膜強度、延展性およ
び膜の外観性を調べた。これらの結果を下記表1に示
す。なお、膜強度はシリコンシートから剥離した膜(フ
ィルム)を引っ張ったときの強度、延展性は同フィルム
を約100℃に加熱し、縦横に引っ張った状態で平均的
に膜厚が薄くなる。
【0130】
【表1】
【0131】前記表1から明らかなように実施例1で得
られた複合微粒子含有ジメチルスルホキシドをシリコン
シートに塗布、乾燥することにより、強度、延展性が良
好で、かつ外観的にも透明で色合いが均一なポリ乳酸お
よびポリビニルアルコールからなる複合膜を形成できる
ことがわかる。
【0132】(実施例2) (第1工程)酸化ケイ素粉末の凝集物(一次粒子の平均
粒径;7nm)を純水に分散させて酸化ケイ素濃度が1
2重量%の第1固液混合流体を調製した。つづいて、前
述した図6および図2に示す第1分散媒体調製機構1
(混合流体衝突部材17を空洞部の噴射流交差・衝突領
域に挿入)に前記第1固液混合流体を導入し、下記条件
で前記第1固液混合流体を2つのノズル部9a,9bか
ら噴射して交差・衝突させる破砕・分散操作を7パス行
うことにより酸化ケイ素超微粒子が分散された第1分散
媒体を調製した。
【0133】<破砕・分散条件> ・第1分散媒体調製機構への第1固液混合流体導入圧
力;1500Kg/cm 2、 ・2つのノズル部の開口径;100μm、 ・オリフィス部通過後の固液混合流体の加速度;250
m/sec、 ・混合流体衝突部材;三辺の寸法が8mm,8mm,8
mmの正三角柱の形状をなすダイヤモンド焼結体。
【0134】(第2工程)ポリビニルアルコールを純水
に溶解、分散させてポリビニルアルコール濃度が12重
量%の第2固液混合流体を調製した。つづいて、前述し
た図6および図7に示す第2分散媒体調製機構90に前
記第1固液混合流体を導入し、下記条件で前記第2固液
混合流体を2つのノズル部98a,98bから噴射して
交差・衝突させる分散操作を3パス行うことによりポリ
ビニルアルコール超微粒子が分散された第2分散媒体を
調製した。
【0135】<破砕・分散条件> ・第1分散媒体調製機構への第2固液混合流体導入圧
力;1500Kg/cm 2、 ・2つのノズル部の開口径;150μm。
【0136】(第3工程)前記第1,第2の分散媒体を
図6に示す配管65a,65bを通して帯電付与機構3
0の第1,第2のチャンバ38,39にそれぞれ高圧で
流通し、さらにそれらの下流側である配管63a,63
bに流出させた。この時、高周波電源51から下記条件
の高周波電圧を図4に示すように配線50および給電端
子48を通して円筒状給電部材46に供給し、これら円
筒状給電部材46から高周波電圧を例えばポリテトラフ
ルオロエチレン製の円筒状絶縁部材47を透過して前記
第1,第2のチャンバ38,39に供給した。同時に、
直流電源52から下記条件の直流電圧を前記高周波電圧
の印加位置より下流側である配管63a,63bに配線
53,54を通して供給した。これにより、第1チャン
バ38内に流通し、既に励起された酸化ケイ素超微粒子
を含む分散媒体は、マイナスに帯電された。また、前記
第2チャンバ39内に流通し、既に励起されたポリビニ
ルアルコール超微粒子を含む分散媒体は、プラスに帯電
された。
【0137】<帯電条件> ・高周波電圧;200V,2MHz ・直流電圧;2kV,2.0kW。
【0138】(第4工程)前記配管63a,63b内で
それぞれ互いに異なる極性に帯電した第1,第2の分散
媒体を凝集・結合機構70に導入し、互いに電気的に分
離された開口径が100μmの2つのノズル部75a,
75bの開口部から空洞部71内に高圧で噴射して互い
に交差・衝突させることにより酸化シリコン超微粒子と
ポリビニルアルコール超微粒子(混合重量比3:7)と
が複合化された多数の複合微粒子を水に分散させた複合
微粒子含有水を得た。
【0139】(実施例3)実施例2の第3工程での帯電
条件を高周波電圧;400V,4MHz、直流電圧;5
kV,3.5kWとした以外、実施例2と同様な方法に
より酸化シリコン超微粒子とポリビニルアルコール超微
粒子(混合重量比3:7)と複合化された多数の複合微
粒子を水に分散させた複合微粒子含有水を得た。
【0140】(比較例3)実施例2で調製した第1,第
2の分散媒体を高圧で図6に示す配管65a,65b、
第1,第2のチャンバ38,39および配管63a,6
3bを通して凝集・結合機構70に導入し、開口径が1
00μmの2つのノズル部75a,75bの開口部から
空洞部71内に高圧で噴射して互いに交差・衝突させる
ことにより酸化シリコン超微粒子とポリビニルアルコー
ル超微粒子とが重量比にて3:7の割合で存在する超微
粒子含有水を得た。なお、第1,第2のチャンバ38,
39をそれぞれ流通する第1,第2の分散媒体への高周
波電圧の印加、および配管63a,63bに流出された第
1,第2の分散媒体への直流電圧の印加は、行わなかっ
た。
【0141】得られた実施例2,3および比較例3の超
微粒子含有水を上質紙表面の厚さ5μmのアンカーコー
ト上にロールコータ法によりそれぞれ塗布し、乾燥して
厚さ10μmのガスバリア層を形成することにより3種
のガスバリア性上質紙を製造した。
【0142】実施例2,3および比較例3のガスバリア
性上質紙について、酸素透過量および水蒸気透過量を測
定した。なお、酸素透過量は日本分光社製商品名;ガス
パームを用いて前記積層フィルムから切り出した直径1
0cmのサンプルを酸素濃度100%、25℃、65%
R.Hで5kg/cm2に加圧した条件下で測定した。
また、水蒸気透過量はスイスDr.Lyssy社製商品
名;L80−4000型を用いて前記積層フィルムから
切り出した直径10cmのサンプルをJISK7129
Aに準じて40℃、90%R.Hの条件下で測定した。
その結果を下記表2に示す。
【0143】
【表2】
【0144】前記表2から明らかなように実施例2,3
のガスバリア性上質紙は、第1、第2の分散媒体に高周
波電圧および直流電圧を印加せず、そのまま凝集・結合
機構で交差・衝突して得られた酸化シリコン超微粒子と
ポリビニルアルコール超微粒子が存在する超微粒子含有
水を用いる比較例3のガスバリア性上質紙に比べて優れ
た酸素遮断性および水蒸気遮断性を有することがわか
る。
【0145】(実施例4) (第1工程)酸化ケイ素粉末の凝集物(一次粒子の平均
粒径;7nm)およびポリテトラフルオロエチレン(P
TFE)微粒子を純水に分散させて酸化ケイ素濃度が1
2重量%、PTFE濃度が1重量%の第1固液混合流体
を調製した。つづいて、前述した図6および図2に示す
第1分散媒体調製機構1(混合流体衝突部材17を空洞
部の噴射流交差・衝突領域に挿入)に前記第1固液混合
流体を導入し、下記条件で前記第1固液混合流体を2つ
のノズル部9a,9bから噴射して交差・衝突させる破
砕・分散操作を7パス行うことにより酸化ケイ素超微粒
子およびPTFE超微粒子が分散された第1分散媒体を
調製した。
【0146】<破砕・分散条件> ・第1分散媒体調製機構への第1固液混合流体導入圧
力;1500Kg/cm 2、 ・2つのノズル部の開口径;100μm、 ・オリフィス部通過後の固液混合流体の加速度;250
m/sec、 ・混合流体衝突部材;三辺の寸法が8mm,8mm,8
mmの正三角柱の形状をなすダイヤモンド焼結体。
【0147】(第2工程)ポリビニルアルコールを純水
に溶解、分散させてポリビニルアルコール濃度が12重
量%の第2固液混合流体を調製した。つづいて、前述し
た図6および図7に示す第2分散媒体調製機構90に前
記第1固液混合流体を導入し、下記条件で前記第2固液
混合流体を2つのノズル部98a,98bから噴射して
交差・衝突させる分散操作を3パス行うことによりポリ
ビニルアルコール超微粒子が分散された第2分散媒体を
調製した。
【0148】<破砕・分散条件> ・第1分散媒体調製機構への第2固液混合流体導入圧
力;1500Kg/cm 2、 ・2つのノズル部の開口径;150μm。
【0149】(第3工程)前記第1,第2の分散媒体を
図6に示す配管65a,65bを通して帯電付与機構3
0の第1,第2のチャンバ38,39にそれぞれ高圧で
流通し、さらにそれらの下流側である配管63a,63
bに流出させた。この時、高周波電源51から下記条件
の高周波電圧を図4に示すように配線50および給電端
子48を通して円筒状給電部材46に供給し、これら円
筒状給電部材46から高周波電圧を例えばポリテトラフ
ルオロエチレン製の円筒状絶縁部材47を透過して前記
第1,第2のチャンバ38,39にそれぞれ供給した。
同時に、直流電源52から下記条件の直流電圧を前記高
周波電圧の印加位置より下流側である配管63a,63
bに配線53,54を通して供給した。これにより、第
1チャンバ38内に流通し、既に励起された酸化ケイ素
超微粒子およびPTFE超微粒子を含む分散媒体は、マ
イナスに帯電された。また、前記第2チャンバ39内に
流通し、既に励起されたポリビニルアルコール超微粒子
を含む分散媒体は、プラスに帯電された。
【0150】<帯電条件> ・高周波電圧;200V,2MHz ・直流電圧;2kV,2.0kW。
【0151】(第4工程)前記配管63a,63b内で
それぞれ互いに異なる極性に帯電した第1,第2の分散
媒体を凝集・結合機構70に導入し、互いに電気的に分
離された開口径が100μmの2つのノズル部75a,
75bの開口部から空洞部71内に高圧で噴射して互い
に交差・衝突させることによりPTFE超微粒子と酸化
シリコン超微粒子とポリビニルアルコール超微粒子(混
合重量比9:27:64)とが複合化された多数の複合
微粒子を水に分散させた複合微粒子含有水を得た。
【0152】(実施例5)実施例4の第3工程での帯電
条件を高周波電圧;400V,4MHz、直流電圧;5
kV,3.5kWとした以外、実施例4と同様な方法に
よりPTFE超微粒子と酸化シリコン超微粒子とポリビ
ニルアルコール超微粒子(混合重量比9:27:64)
とが複合化された多数の複合微粒子を水に分散させた複
合微粒子含有水を得た。
【0153】(比較例4)実施例4で調製した第1,第
2の分散媒体を高圧で図6に示す配管65a,65b、
第1,第2のチャンバ38,39および配管63a,6
3bを通して凝集・結合機構70に導入し、開口径が1
00μmの2つのノズル部75a,75bの開口部から
空洞部71内に高圧で噴射して互いに交差・衝突させる
ことによりPTFE超微粒子と酸化シリコン超微粒子と
ポリビニルアルコール超微粒子とが重量比にて9:2
7:64の割合で水に存在する複合微粒子含有水を得
た。なお、第1,第2のチャンバ38,39をそれぞれ
流通する第1,第2の分散媒体への高周波電圧の印加、
および配管63a,63bに流出された第1,第2の分散
媒体への直流電圧の印加は、行わなかった。
【0154】得られた実施例4,5および比較例4の複
合微粒子含有水を上質紙表面の厚さ5μmのアンカーコ
ート上にロールコータ法によりそれぞれ塗布し、乾燥し
て厚さ10μmのガスバリア層を形成することにより3
種のガスバリア性上質紙を製造した。
【0155】実施例4,5および比較例4のガスバリア
性上質紙について、酸素透過量および水蒸気透過量を実
施例2と同様な方法により測定した。その結果を下記表
3に示す。
【0156】
【表3】
【0157】前記表3から明らかなように実施例4,5
のガスバリア性上質紙は、2つの分散媒体に高周波電圧
および直流電圧を印加せず、そのまま凝集・結合機構で
交差・衝突して得られたPTFE超微粒子と酸化シリコ
ン超微粒子とポリビニルアルコール超微粒子が存在する
超微粒子含有水を用いる比較例4のガスバリア性上質紙
に比べて優れた酸素遮断性および水蒸気遮断性を有する
ことがわかる。
【0158】また、実施例4,5のガスバリア性上質紙
は、酸化ケイ素とポリビニルアルコールの複合超微粒子
が分散された超微粒子含有水を用いて形成されたガスバ
リア層を有する実施例2,3のガスバリア性上質紙に比
べてより一層酸素遮断性および水蒸気遮断性を有するこ
とがわかる。特に、実施例5のガスバリア性上質紙は厚
さ7μmのアルミニウム箔に匹敵する、優れた水蒸気遮
断性を有する。
【0159】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば高
機能材料、高度物性材料の製造に適した異種の有機高分
子が均一に集合した複合超微粒子や、有機高分子に金属
および無機化合物から選ばれる少なくとも1つのナノオ
ーダの超微粒子が均一に分散、結合された複合超微粒子
を含有する液状媒体を容易かつ量産的に製造することが
可能な方法およびその製造装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る複合超微粒子の製
造装置を示す概略上面図。
【図2】図1に組み込まれる分散媒体調製機構を示す断
面図。
【図3】図2の分散媒体調製機構の他の使用形態を示す
断面図。
【図4】図1の製造装置に組み込まれる帯電付与機構の
要部断面図。
【図5】図1の製造装置に組み込まれる超微粒子の集合
・結合機構を示す断面図
【図6】本発明の第2実施形態に係る複合超微粒子の製
造装置を示す概略上面図。
【図7】図6に組み込まれる第2分散媒体調製機構を示
す断面図。
【符号の説明】
1…分散媒体調製機構(第1分散媒体調製機構)、 2,91…空洞部、 5,72,94…メインブロック、 6,95…上部ブロック、 7,96…下部ブロック 9a,9b,75a,75b,98a,98b…ノズル
部、 12a,12b,101a,101b…分岐流路、 13a,13b,79a,79b,102a,102b
…オリフィス部、 17…混合流体衝突部材、 20…高圧圧送ポンプ、 30…帯電付与機構、 38,39…チャンバ、 47…円筒状絶縁部材、 51…高周波電源、 52…直流電源、 70…凝集・結合機構、 90…第2分散媒体調製機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 101:00 C08L 101:00 Fターム(参考) 4D067 CA01 CA08 GA20 4F070 AA26 AA47 AC04 AC23 AD04 BA10 BB03 CB04 CB05 CB12 4G075 AA27 BB08 BB10 BD24 CA14 CA25 CA65 DA02 EC01 EC21 FB02 FB12 FC11 FC15 4K017 AA02 CA08 EA13 FA29 4K018 BB05 BC08 BC15

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに異なる材料の超微粒子が液状媒体
    に分散された分散媒体を調製する工程;前記分散媒体を
    出入口を有する第1チャンバ、第2チャンバにそれぞれ
    高圧で導入する工程;前記第1,第2のチャンバにそれ
    ぞれ高周波電圧を印加して前記第1、第2のチャンバ内
    を流通する分散媒体をそれぞれ励起させ、さらに各分散
    媒体に前記高周波電圧の印加位置より下流側で直流電圧
    を印加して互いに異なる極性に帯電させる工程;および
    互いに異なる極性に帯電された前記分散媒体をそれぞれ
    互いに電気的に分離された2つのノズル部を通して高速
    度で噴射し、互いに交差・衝突させることによって、前
    記液状媒体中の超微粒子をその衝突の場で互いに静電凝
    集させると共に、励起移動で凝集・結合させる工程;を
    含むことを特徴とする複合超微粒子含有液状媒体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記液状媒体は、水、アルコールまたは
    水とアルコールの混合液であることを特徴とする請求項
    1記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記分散媒体は、液状媒体に互いに異な
    る材料をそれぞれ混合した複数の固液混合流体を用意
    し、これら固液混合流体のうち、1つの固液混合流体を
    複数のノズル部を通して高速度で噴射し、互いに交差・
    衝突させた後、残りの固液混合流体を既に処理した固液
    混合流体に順次混合させながら複数のノズル部を通して
    高速度で噴射し、互いに交差・衝突させることによって
    調製されることを特徴とする請求項1記載の複合超微粒
    子含有液状媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記分散媒体は、液状媒体に互いに異な
    る材料を混合した固液混合流体を複数のノズル部を通し
    て高速度で噴射し、互いに交差・衝突させることによっ
    て調製されることを特徴とする請求項1記載の複合超微
    粒子含有液状媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記固液混合流体は、500kg/cm
    2以上の高圧で複数のノズル部に導入されることを特徴
    とする請求項3または4記載の複合超微粒子の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 有機高分子、金属および無機材料から選
    ばれる少なくとも1つの材料からなる超微粒子が液状媒
    体に分散された第1分散媒体を調製する工程;少なくと
    も1種の有機高分子超微粒子が液状媒体に分散された第
    2分散媒体を調製する工程;出入口を有する第1、第2
    のチャンバに前記第1,第2の分散媒体をそれぞれ導入
    する工程;前記第1、第2のチャンバにそれぞれ高周波
    電圧を印加して前記第1、第2のチャンバ内を流通する
    前記第1、第2の分散媒体をそれぞれ励起させ、さらに
    前記第1、第2の分散媒体に前記高周波電圧の印加位置
    より下流側で直流電圧を印加して互いに異なる極性に帯
    電させる工程;および互いに異なる極性に帯電された第
    1,第2の分散媒体をそれぞれ互いに電気的に分離され
    た2つのノズル部を通して高速度で噴射して互いに交差
    ・衝突させることによって、前記第1,第2の分散媒体
    中の超微粒子をその衝突の場で互いに静電凝集させると
    共に、励起移動で凝集・結合させる工程;を含むことを
    特徴とする複合超微粒子含有液状媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記液状媒体は、水、アルコールまたは
    水とアルコールの混合液であることを特徴とする請求項
    6記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第1分散媒体は、液状媒体に有機高
    分子、金属および無機材料から選ばれる少なくとも1つ
    の材料を混合した固液混合流体を複数のノズル部を通し
    て高速度で噴射し、互いに交差・衝突させることによっ
    て調製されることを特徴とする請求項6記載の複合超微
    粒子含有液状媒体の製造方法。
  9. 【請求項9】 金属および無機材料から選ばれる少なく
    とも1つの材料からなる超微粒子が液状媒体に分散され
    た前記第1分散媒体は、液状媒体に金属および無機材料
    から選ばれる少なくとも1種の材料からなる粒子を混合
    した固液混合流体を複数のノズル部を通して前記粒子よ
    り硬度の高い材料からなる混合流体衝突部材に噴射・衝
    突させることによって調製されることを特徴とする請求
    項6記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第2分散媒体は、液状媒体に少な
    くとも1つの有機高分子を混合した固液混合流体を大気
    圧より高い圧力下で複数のノズル部を通して高速度で噴
    射し、互いに交差・衝突させることによって調製される
    ことを特徴とする請求項6記載の複合超微粒子含有液状
    媒体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記固液混合流体は、500kg/c
    2以上の高圧で複数のノズル部に導入されることを特
    徴とする請求項8ないし10いずれか記載の複合超微粒
    子含有液状媒体の製造方法。
  12. 【請求項12】 互いに異なる材料の超微粒子を液状媒
    体に分散した分散媒体が導入される出入口を有する第1
    チャンバと、 前記分散媒体が導入される出入口を有する第2チャンバ
    と、 前記第1、第2のチャンバを流通する前記分散媒体がそ
    れぞれ導入され、それら分散媒体を噴射して互いに交差
    ・衝突させるための互いに電気的分離された2つのノズ
    ル部を有する凝集・結合手段と、 前記第1、第2のチャンバ内を流通する前記分散媒体に
    高周波が透過可能な絶縁部材を通して高周波電圧を印加
    するための高周波電源と、 前記高周波電圧の印加位置より前記分散媒体の流れ方向
    の下流側で前記ノズル部までに位置する部材に接続され
    た直流電源とを具備したことを特徴とする複合超微粒子
    含有液状媒体の製造装置。
  13. 【請求項13】 前記第1、第2のチャンバは、導電材
    料から作られ、前記高周波電源はこれら第1、第2のチ
    ャンバに高周波が透過可能な絶縁部材を通して接続され
    ることを特徴とする請求項12記載の複合超微粒子含有
    液状媒体の製造装置。
  14. 【請求項14】 前記凝集・結合手段は、両側面に開口
    された穴を有する絶縁性の支持本体と、この支持本体の
    両側面に前記穴を塞ぐようにそれぞれ取付けられ、前記
    第1,第2のチャンバとそれぞれ接続される流路を有す
    る導電材料からなる2つのブロック状部材と、これらブ
    ロック状部材にそれぞれ前記各流路と連通するように形
    成され、前記穴内に前記分散媒体を噴射して互いに交差
    ・衝突させるための2つのノズル部とを備えることを特
    徴とする請求項12記載の複合超微粒子含有液状媒体の
    製造装置。
  15. 【請求項15】 前記第1、第2のチャンバは、導電材
    料から作られ、これら第1、第2のチャンバの内面およ
    び前記ブロック状部材の流路内面は、白金または金から
    なる膜が形成されていることを特徴とする請求項14記
    載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  16. 【請求項16】 分散媒体調製手段は、さらに前記第
    1、第2の導電チャンバの上流側に配置され、かつ前記
    分散媒体調製手段は内部に空洞部を有し、かつ液状媒体
    に異なる材料を混合した固液混合流体が高圧で導入され
    る複数の流路する本体と、この本体に前記各流路と連通
    するように形成され、前記空洞部内に前記固液混合流体
    を噴射して互いに交差・衝突させるための複数のノズル
    部と、前記本体に前記空洞部と連通するように設けられ
    た排出部と、前記本体に前記各ノズル部から噴射される
    複数の前記固液混合流体の噴射流交差部に対して離接自
    在に挿入され、少なくとも前記液状媒体が衝突される表
    面が前記材料より高硬度の物質からなる混合流体衝突部
    材とを備えることを特徴とする請求項12記載の複合超
    微粒子含有液状媒体の製造装置。
  17. 【請求項17】 前記分散媒体調製手段の複数のノズル
    部は、前記固液混合流体を斜め方向に噴射させて互いに
    交差・衝突させるように前記本体に取付けられているこ
    とを特徴とする請求項16記載の複合超微粒子含有液状
    媒体の製造装置。
  18. 【請求項18】 前記分散媒体調製手段の前記混合流体
    衝突部材は、表面にダイヤモンド粒子が電着された金属
    基材からなることを特徴とする請求項16記載の複合超
    微粒子含有液状媒体の製造装置。
  19. 【請求項19】 前記分散媒体調製手段の前記混合流体
    衝突部材は、ダイヤモンド焼結体からなることを特徴と
    する請求項16記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造
    装置。
  20. 【請求項20】 前記分散調製媒体手段は、2つのノズ
    ル部を有し、かつ前記混合流体衝突部材は前記2つのノ
    ズル部から噴射される固液混合流体が衝突される2つの
    面を持つ三角柱形状をなすことを特徴とする請求項16
    記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  21. 【請求項21】 前記第1、第2のチャンバは、導電材
    料から作られ、前記直流電源は前記高周波電圧の印加位
    置より前記分散媒体の流れ方向の下流側の前記第1、第
    2のチャンバ部分に接続されていることを特徴とする請
    求項12記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  22. 【請求項22】 前記直流電源は、前記第1、第2のチ
    ャンバと前記凝集・結合手段を繋ぐ配管に接続されてい
    ることを特徴とする請求項12記載の複合超微粒子含有
    液状媒体の製造装置。
  23. 【請求項23】 前記直流電源は、前記凝集・結合手段
    の前記2つのブロック状部材に接続されていることを特
    徴とする請求項14記載の複合超微粒子含有液状媒体の
    製造装置。
  24. 【請求項24】 有機高分子、金属および無機材料から
    選ばれる少なくとも1つの材料からなる超微粒子が液状
    媒体に分散された第1分散媒体を調製するための第1分
    散媒体調製手段と、 少なくとも1つの有機高分子超微粒子が液状媒体に分散
    された第2分散媒体を調製するための第2分散媒体調製
    手段と、 前記第1分散媒体調製手段から高圧の前記第1分散媒体
    が導入される出入口を有する第1チャンバと、 前記第2分散媒体調製手段から高圧の前記第2分散媒体
    が導入される出入口を有する第2チャンバと、 前記第1、第2のチャンバを流通する前記第1、第2の
    分散媒体がそれぞれ導入され、それら分散媒体を噴射し
    て互いに交差・衝突させるための互いに電気的分離され
    た2つのノズル部を有する凝集・結合手段と、 前記第1、第2のチャンバ内を流通する前記分散媒体に
    高周波が透過可能な絶縁部材を通して高周波電圧を印加
    するための高周波電源と、 前記高周波電圧の印加位置より前記第1、第2の分散媒
    体の流れ方向の下流側で前記ノズル部までに位置する部
    材に接続された直流電源とを具備したことを特徴とする
    複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  25. 【請求項25】 前記第1分散媒体調製手段は、内部に
    空洞部を有し、かつ液状媒体に有機高分子、金属および
    無機材料から選ばれる少なくとも1種の材料を混合した
    固液混合流体が高圧で導入される複数の流路する本体
    と、この本体に前記各流路と連通するように形成され、
    前記空洞部内に前記固液混合流体を噴射して互いに交差
    ・衝突させるための複数のノズル部と、前記本体に前記
    空洞部と連通するように設けられた排出部と、前記本体
    に前記各ノズル部から噴射される複数の固液混合流体の
    噴射流交差部に対して離接自在に挿入され、少なくとも
    前記固液混合流体が衝突される表面が前記材料より高硬
    度の物質からなる混合流体衝突部材とを備えることを特
    徴とする請求項24記載の複合超微粒子含有液状媒体の
    製造装置。
  26. 【請求項26】 前記第1分散媒体調製手段の複数のノ
    ズル部は、前記固液混合流体を斜め方向に噴射させて互
    いに交差・衝突させるように前記本体に取付けられてい
    ることを特徴とする請求項25記載の複合超微粒子含有
    液状媒体の製造装置。
  27. 【請求項27】 前記第1分散媒体調製手段の前記混合
    流体衝突部材は、表面にダイヤモンド粒子が電着された
    金属基材からなることを特徴とする請求項25記載の複
    合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  28. 【請求項28】 前記第1分散調製手段の前記混合流体
    衝突部材は、ダイヤモンド焼結体からなることを特徴と
    する請求項25記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造
    装置。
  29. 【請求項29】 前記第1分散調製手段は、2つのノズ
    ル部を有し、かつ前記混合流体衝突部材は、前記2つの
    ノズル部から噴射される固液混合流体が衝突される2つ
    の面を持つ三角柱形状をなすことを特徴とする請求項2
    5記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  30. 【請求項30】 前記第2分散媒体調製手段は、内部に
    空洞部を有し、かつ液状媒体に少なくとも1種の有機高
    分子が混合された固液混合流体が高圧で導入される複数
    の流路する本体と、この本体に前記各流路と連通するよ
    うに形成され、前記空洞部内に前記固液混合流体を噴射
    して互いに交差・衝突させるための複数のノズル部と、
    前記本体に前記空洞部と連通するように設けられ、前記
    空洞部内の圧力調節を兼ねる排出部とを備えることを特
    徴とする請求項24記載の複合超微粒子含有液状媒体の
    製造装置。
  31. 【請求項31】 前記第1、第2のチャンバは、導電材
    料から作られ、前記高周波電源は前記第1、第2のチャ
    ンバに高周波が透過可能な絶縁部材を通して接続される
    ことを特徴とする請求項24記載の複合超微粒子含有液
    状媒体の製造装置。
  32. 【請求項32】 前記凝集・結合手段は、両側面に開口
    された穴を有する絶縁性の支持本体と、この支持本体の
    両側面に前記穴を塞ぐようにそれぞれ取付けられ、前記
    第1,第2のチャンバとそれぞれ接続される流路を有す
    る2つのブロック状部材と、これらブロック状部材にそ
    れぞれ前記各流路と連通するように形成され、前記穴内
    に前記分散媒体を噴射して互いに交差・衝突させるため
    の2つのノズル部とを備えることを特徴とする請求項2
    4記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  33. 【請求項33】 前記第1、第2のチャンバは、導電材
    料から作られ、これら第1、第2のチャンバの内面およ
    び前記ブロック状部材の流路内面は、白金または金から
    なる膜が形成されていることを特徴とする請求項32記
    載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  34. 【請求項34】 前記第1、第2のチャンバは、導電材
    料から作られ、前記直流電源は前記高周波電圧の印加位
    置より前記第1、第2の分散媒体の流れ方向の下流側の
    前記第1、第2のチャンバ部分に接続されていることを
    特徴とする請求項24記載の複合超微粒子含有液状媒体
    の製造装置。
  35. 【請求項35】 前記直流電源は、前記第1、第2のチ
    ャンバと前記凝集・結合手段を繋ぐ配管に接続されてい
    ることを特徴とする請求項24記載の複合超微粒子含有
    液状媒体の製造装置。
  36. 【請求項36】 前記直流電源は、前記凝集・結合手段
    の前記2つのブロック状部材に接続されていることを特
    徴とする請求項32記載の複合超微粒子含有液状媒体の
    製造装置。
JP2001264086A 2000-09-29 2001-08-31 複合超微粒子含有液状媒体の製造方法およびその装置 Expired - Fee Related JP3682251B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001264086A JP3682251B2 (ja) 2000-09-29 2001-08-31 複合超微粒子含有液状媒体の製造方法およびその装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000301141 2000-09-29
JP2000-301141 2000-09-29
JP2001264086A JP3682251B2 (ja) 2000-09-29 2001-08-31 複合超微粒子含有液状媒体の製造方法およびその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002187953A true JP2002187953A (ja) 2002-07-05
JP3682251B2 JP3682251B2 (ja) 2005-08-10

Family

ID=26601282

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001264086A Expired - Fee Related JP3682251B2 (ja) 2000-09-29 2001-08-31 複合超微粒子含有液状媒体の製造方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3682251B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005040038A1 (ja) * 2003-10-23 2005-05-06 Zempachi Ogumi 微粒子の製造方法及びそのための装置
JP2007521945A (ja) * 2003-12-23 2007-08-09 デグサ ゲーエムベーハー 分散液を製造する方法および装置
JP2008163142A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Toyo Tire & Rubber Co Ltd ゴム−充填材複合体の製造方法
JP2011509173A (ja) * 2008-04-23 2011-03-24 マイクロフルーイディクス インターナショナル コーポレイション ナノ粒子の生成及び移送及び反応システムのプロセス強化のための装置及び方法
JP2011115729A (ja) * 2009-12-04 2011-06-16 Sugino Machine Ltd 微粒化装置
WO2012105245A1 (ja) * 2011-02-02 2012-08-09 学校法人慶應義塾 コンポジットの製造方法及びそのコンポジット
WO2013037787A1 (de) * 2011-09-13 2013-03-21 H2K Maschinen- und Verfahrenstechnische Anlagen UG (haftungsbeschränkt) Vorrichtung, system und verfahren zum spalten von kohlenwasserstoffketten
WO2018021468A1 (ja) * 2016-07-28 2018-02-01 国立大学法人豊橋技術科学大学 複合粒子製造装置および複合粒子製造方法
KR20180024609A (ko) * 2016-08-30 2018-03-08 (주)씨엔엔티 다중 노즐 구조를 구비한 유체 충돌 장치
JP2018095859A (ja) * 2016-12-09 2018-06-21 花王株式会社 ポリマー粒子の製造方法

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005040038A1 (ja) * 2003-10-23 2005-05-06 Zempachi Ogumi 微粒子の製造方法及びそのための装置
JP2007521945A (ja) * 2003-12-23 2007-08-09 デグサ ゲーエムベーハー 分散液を製造する方法および装置
JP2008163142A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Toyo Tire & Rubber Co Ltd ゴム−充填材複合体の製造方法
US8367004B2 (en) 2008-04-23 2013-02-05 Microfluidics International Corporation Apparatus and methods for nanoparticle generation and process intensification of transport and reaction systems
JP2011509173A (ja) * 2008-04-23 2011-03-24 マイクロフルーイディクス インターナショナル コーポレイション ナノ粒子の生成及び移送及び反応システムのプロセス強化のための装置及び方法
US8187554B2 (en) 2008-04-23 2012-05-29 Microfluidics International Corporation Apparatus and methods for nanoparticle generation and process intensification of transport and reaction systems
JP2011115729A (ja) * 2009-12-04 2011-06-16 Sugino Machine Ltd 微粒化装置
WO2012105245A1 (ja) * 2011-02-02 2012-08-09 学校法人慶應義塾 コンポジットの製造方法及びそのコンポジット
WO2013037787A1 (de) * 2011-09-13 2013-03-21 H2K Maschinen- und Verfahrenstechnische Anlagen UG (haftungsbeschränkt) Vorrichtung, system und verfahren zum spalten von kohlenwasserstoffketten
WO2018021468A1 (ja) * 2016-07-28 2018-02-01 国立大学法人豊橋技術科学大学 複合粒子製造装置および複合粒子製造方法
JPWO2018021468A1 (ja) * 2016-07-28 2019-05-23 国立大学法人豊橋技術科学大学 複合粒子製造装置および複合粒子製造方法
KR20180024609A (ko) * 2016-08-30 2018-03-08 (주)씨엔엔티 다중 노즐 구조를 구비한 유체 충돌 장치
KR101877726B1 (ko) * 2016-08-30 2018-07-13 (주)씨엔엔티 다중 노즐 구조를 구비한 유체 충돌 장치
JP2018095859A (ja) * 2016-12-09 2018-06-21 花王株式会社 ポリマー粒子の製造方法
JP7020888B2 (ja) 2016-12-09 2022-02-16 花王株式会社 ポリマー粒子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3682251B2 (ja) 2005-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6187214B1 (en) Method and device for production of components for microfabrication
US6450189B1 (en) Method and device for production of components for microfabrication
JP5602016B2 (ja) 複合小滴を生じさせる方法およびマイクロ流体装置
US6394429B2 (en) Device and method for fluid aeration via gas forced through a liquid within an orifice of a pressure chamber
TWI342229B (en) Process for the selective deposition of particulate material
US6443610B1 (en) Processing product components
US6405936B1 (en) Stabilized capillary microjet and devices and methods for producing same
JP3682251B2 (ja) 複合超微粒子含有液状媒体の製造方法およびその装置
Chen et al. Controllable microfluidic production of gas-in-oil-in-water emulsions for hollow microspheres with thin polymer shells
JP2010256911A (ja) カプセルベースの起電ディスプレイにおける使用のための液滴を作製するための方法
EP2296826A1 (en) Method and system for producing coatings from liquid feedstock using axial feed
WO1999030832A1 (en) Stabilized capillary microjet and devices and methods for producing same
JP2004535930A (ja) ナノメートルサイズの粉末及びナノメートルサイズの粒子疎集合体粉末の製造方法
JP2934229B1 (ja) 固液混合流体の破砕・分散装置
WO2005115088A2 (en) Nano particle generator and a method for generating nanoparticles by said device
JP2010522785A (ja) 反応性モノマーの高圧分散法
CN104941833A (zh) 一种等离子喷嘴、喷枪以及喷涂方法
KR100401050B1 (ko) 복합 초미립자 함유 액상 매체의 제조 방법 및 그 장치
JP2004202476A (ja) 粒子製造方法及びそのための微小流路構造体
JP4217866B2 (ja) スプレイ塗布方法
JP2021141003A (ja) 2次電池の製造方法または2次電池
JP6689895B2 (ja) 原料の湿式微粒化方法及び湿式微粒化装置
CN114349976B (zh) 一种静电辅助微流控制备纳米级高分子囊泡的方法
WO2021251266A1 (ja) 液体の分散方法、または吐出または塗布方法、またはその装置
JP2584928B2 (ja) 粉体表面の改質装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050301

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050520

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080527

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090527

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090527

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100527

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100527

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110527

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120527

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120527

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130527

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees