JP2002181785A - ヘリウム液滴式質量分析法(hdms) - Google Patents

ヘリウム液滴式質量分析法(hdms)

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JP2002181785A JP2001313733A JP2001313733A JP2002181785A JP 2002181785 A JP2002181785 A JP 2002181785A JP 2001313733 A JP2001313733 A JP 2001313733A JP 2001313733 A JP2001313733 A JP 2001313733A JP 2002181785 A JP2002181785 A JP 2002181785A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、質量分析のような分子の分析に対す
る分子のイオン化用の、しかし電荷又はイオン分子反応
を最小化した或いはそれを伴なわない方法及び装置を提
供する。 【解決手段】イオン化部位の媒体としてヘリウム液滴を
適当に使用し、プロトンを最初にヘリウム液滴によって
捕獲し、蒸発により0.4ケルビンに冷却する質量分析
の方法及び装置を提供する。中性分子はプロトン化ヘリ
ウム液滴に捕獲/プロトン化され、当該液滴は温度浴と
して作用し、形成されたプロトン化分子を急速に冷却す
る。残存液体ヘリウムを除去し、安定に保持したプロト
ン化分子を質量分析計によって検出する。装置に(1)ヘ
リウムクラスター又は液滴源;(2)液滴にプロトンを導
入するプロトン源;(3)減圧して低圧の流れを形成する
AP源;(4)化合物の分子を低温でプロトン化等する捕
獲セル要素;(5)残存ヘリウム除去用の脱溶媒域;及び
(6)質量分析計及び検出器を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、質量分析、並びに
処理量を増加し、そしてそれによって得られる結果の質
を向上するための方法及び装置に関し、そして特に分析
される対象の化合物の、前駆体のイオン化、特にプロト
ン化に関する。
【0002】
【従来の技術】基本的な質量分析法において、分子は、
それを断片化するために充分なエネルギーを持つ電子ビ
ームにより衝撃される。生成した正の断片(カチオン及
びラジカルカチオン)は、真空中の磁界を通って加速さ
れ、そして質量−電荷比に基づいて分類される。質量分
析計で生成されるイオンの大部分は、単位正電荷を保有
するために、m/eの値は断片の分子量と等価である。
質量分析の情報の分析は、本来の分子を得る逆向きの作
業である断片の再構成を含む。分子をイオン化する現実
の方法が、分子の断片化を起こすために、断片を構成す
ることなしに直接本来の分子を得ることは可能ではなか
った。
【0003】操作において、非常に低い濃度の試料分子
を、これらが高エネルギー電子ビームによって衝撃され
る高真空のイオン化室に流すことが可能である。生成さ
れた分子の断片及び正のイオンは、荷電されたアレイを
通って加速されて分析管に入る。荷電された分子の経路
は、適用される磁界によって曲げられる。低い質量(低
い運動量)を有するイオンは偏向され、そして分析器の
壁に衝突し、そして高い運動量のイオンは、充分に偏向
されず、そしてまた分析器の壁に衝突する。然しなが
ら、適当な質量−電荷比を有するイオンは、分析器の通
路に従い、スリットを通って出て、そしてコレクターと
衝突して、電流を発生し、これを増幅し、そして検出す
る。磁界の強度を変化することによって、分析される質
量−電荷比を連続的に変化させることができる。
【0004】質量分析計の出力は、質量−荷電比(m/
e)に対する相対強度のプロットとして示され、スペク
トル中の最も強いピークが基本ピークとして確認され、
そして他の全てはそれに対する相対的な強度である。ピ
ークそれ自体は、通常縦の線として示される。
【0005】断片化は予測可能であり、そして形成され
るイオンは、分子が形成することができる最も安定なカ
チオン及びラジカルカチオンを反映する。スペクトル中
に観察される最も高い分子量のピークは、典型的には母
体分子から電子を差し引いたものを示し、そして分子イ
オン(M+)と呼ばれる。断片は、それらの質量−電荷
比、又は更に好ましくは失われた質量によって確認され
る。
【0006】化合物及び分子特性を確認する、特に薬物
のスクリーニングへの適用において使用される通常の質
量分析法は、クロマトグラフィーによる分離後の検出器
として使用される質量分析計を伴なう、HPLC(高性
能液体クロマトグラフィー)である。このような方法に
おいて、試料は逆相HPLCカラムに注入され、そして
エレクトロスプレーイオン化/イオントラップ質量分析
計の供給源に、溶媒で溶出される。供給源は、液体排出
物をエアゾールに転換し、そしてエアゾール中の溶質を
イオン化する。脱溶媒されたイオンは、質量分析計の分
析計に取り込まれ、そしてトラップに収集される。一旦
トラップが満たされたならば、その電圧が変化され、質
量に依存した様式で順番に出て、そして検出器を打つ。
工程を既知の質量のイオンで較正することによって、試
料の未知の質量を測定することができる(LC/M
S)。
【0007】更に、特定のイオンを、トラップ中で他の
イオンから単離し、そして衝突誘導解離によって断片化
し、そして断片の質量を測定することができる(LC/
MS/MS)。例えば、ペプチドにおいて、殆んどの断
片化はペプチド結合において起こるものであり、そして
断片のパターンは、ペプチド配列の情報を含み、これは
タンパク質の同定に使用することができる。
【0008】LC/MSは価値のある分析手段である
が、ある種の欠点がある。従って、例えば、LC/MS
は、母体イオンを常には生成せず、そして従って、これ
は分子構造を指定するために非常な努力を必要とするこ
とがあり得る。更に標準液は、成分のパーセント(モ
ル)を与える必要がある。更に質量分析前にクロマトグ
ラフィーによる分離が必要である。最後に小さな溶媒分
子から大きなタンパク質までの広い範囲を含むイオン化
を得る困難さがある。
【0009】好ましい産物が存在するかどうかを決定す
るだけではなく、製造される量を決定するために、迅速
なスクリーニング用のパイロット反応を得ることが非常
に好ましいが、しかししばしば困難である。高い処理量
のスクリーニングが使用されている分野において、アッ
セイを迅速に行うことは、LC/MSの主要事項である
分離を行う必要性を除去することによって行われる。更
に、薬物物質及び薬物産物を分析するために、不純物を
更に容易に特定しなければならず、そして更に不純物の
定量も標準液を必要とせずに行わなければならない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】いかなる新規なイオン
化の方法も、有用であるためには、以下の二つの見掛け
上の基本的な制限を克服しなければならない: (1)分子が、溶液中又はプラズマのいずれかから電荷
を獲得する能力は、溶媒又はガスのプロトン親和力と比
較した、中性分子のプロトン親和力(PA)に依存す
る。言い換えれば、分子が高いPAを有しない場合、こ
れは電荷を獲得しないものであり、そして検出されない
ものである。これは、異なった分子に対して異なった水
準の反応に導き、そして測定は矛盾したものとなる。
【0011】(2)イオン化中に、そして中性のガス分
子の衝突から与えられるエネルギーの量は、断片化の機
会を増加し、付随する分子の再構成及び母体分子の決定
における困難さの増加を伴なう。
【0012】これらの制限の主たる原因は、生成したイ
オンが、一時的に高圧の環境にあることである。結果と
して、加熱及び電荷の交換又はイオン分子の反応の機会
に導く衝突が存在する。低圧でイオン化を行って、他の
ガス分子との衝突の数を制限することによって、この問
題を回避することは可能であると考えることができる
が、プロトンの添加又は除去(化学イオン化)又は電子
の除去(電子衝撃イオン化)は、それ自体充分に発熱性
であり、共有結合を解離することを惹き起こし、そして
高圧イオン化の供給源における中性のガスとの衝突は、
イオンからそれが断片化される前にエネルギーを除去す
ることを可能にする。従って電荷の交換又はイオン分子
の反応を伴なわないイオン化に対する理想的な圧力はな
い。
【0013】従って、本発明の目的は、質量分析のよう
な分子の分析に対する分子のイオン化のための、しかし
電荷の交換又はイオン分子反応を最小化した或いはそれ
を伴なわない方法及び装置を提供することである。
【0014】本発明の更にもう一つの目的は、質量分析
計による異なった分子の測定値間の一貫性を向上させる
手段を提供することである。本発明のなおもう一つの目
的は、分子がイオン化又は衝突によって断片化しないよ
うな手段を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】一般的に本発明は、質量
分析によって全体の分子を分析するための前記方法を、
通常イオン化又は衝突から得られる分子の断片化を伴な
わずに行う方法及び装置を含む。本発明によれば、分子
は、断片化衝突が最小化される充分に冷却された環境中
でイオン化され、そしてここにおいて温度浴のような熱
交換の手段が、イオン化によって発生される熱を、それ
により分子の断片化が起こる前に除去する。
【0016】本発明の非常に大いに好ましい態様におい
て、絶対0度の僅か上に冷却された液体ヘリウムの液滴
が、イオン化のための環境として使用される。液体ヘリ
ウムの液滴は、分子に衝突の起こらない環境を提供し、
そして同時にイオン化中に発生する内部エネルギーを除
去するために非常に効率のよい方法を提供する。
【0017】本発明の方法によって使用される装置(ヘ
リウム液滴式質量分析計−HDMS)は: a)絶対0度近辺の温度のヘリウムの液滴を製造するた
めのヘリウム液滴又はクラスター源; b)分子をプロトン化して、質量分析を可能にするため
のイオンを供給するためのプロトン源; c)分子のプロトン化又はイオン化のための常圧(A
P)源; d)過剰の液体ヘリウムの脱溶媒又は除去のための手
段;及び e)完全にプロトン化された分子の分析及び検出のため
の選択手段及び検出手段、又は正確な質量を測定するた
めの選択手段及び検出手段、或いは構造分析のために、
完全にプロトン化された分子の制御された断片化を得る
ための選択手段及び検出手段を伴なう質量分析計のよう
な分析手段;の要素を含む。
【0018】本発明のこれらの及び他の目的、特徴及び
利益は、以下の説明及び図面から更に明白となるもので
ある。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明による絶対0度近辺のヘリ
ウム液滴中に隔離された分子のイオン化の利益は、分子
が断片化されないものであることである。これは、試料
中のそれぞれの質量に対して一つのピークのみが存在す
るものであることを意味する。LC−MSの場合、これ
は成分のいずれもが同一質量(即ち異性体)を有しない
限り、成分をLCによって分離する必要がないものであ
ることを意味する。これは、伝統的に相当な時間を質量
分析計に入る前に成分をカラムで分離するために単純に
待っていたために、分析速度を大幅に増加する。
【0020】イオン化中に競合がないことは、全ての分
子(ヘリウムを除く)が、同様な効率でイオン化される
ものであることを意味し、従って、一定の質量に対して
測定される強度は、試料中のそのモルパーセントに直接
相関する。これは、各種の反応因子を決定するための参
照物質及び標準液を製造する必要を排除する。
【0021】本発明の方法及び装置は、現在の分析技術
に対して、即ち、標準液を必要とせずに組成のパーセン
ト(モル)を与えることによって、そして質量分析の前
のクロマトグラフィーによる分離の必要性を回避するこ
とによって、いくつかの有意な利益を提供する。
【0022】装置 本発明のHDMSは、図1a−fに示すように、好まし
くは6個の機能単位を含む: (1)ヘリウムクラスター源1 (2)プロトン源2 (3)AP源3 (4)捕獲セル部位4 (5)脱溶媒域5及び (6)質量分析計及び検出器、それぞれ6及び7。
【0023】各部位は、それぞれの部位の操作上の工程
の以下の説明を伴なって、図2a−eに更に特定的に示
される。ヘリウムクラスター源1 :図2aに更に詳細に示すよう
に、超純粋なヘリウムは、加圧下で5μmのノズル11
を通して10-5トール圧力の真空室12中で膨張させら
れる。ヘリウムが膨張すると、冷却され、均質に核化
し、そして少なくとも約10,000個、そして好まし
くは約100,000ないし1,000,000個のヘ
リウム原子を含む液滴又はクラスター10を形成する。
液滴又はクラスターの温度は、最初は20°Kより低い
ノズル(クライオポンプで冷却)と同じである。液体ヘ
リウムの液滴は、これらが0.37°Kの温度に達する
まで蒸発(evaporation)によって冷却され
る。この温度で、ヘリウム液滴には、表面張力に打ち勝
ち、そしてただ一個のヘリウム原子をも蒸発させるため
の充分な内部エネルギーがもはやなくなる。この時点ま
でに、ヘリウム液滴10は、室12を出て、これは5
0,000及び500,000個の間のヘリウム原子を
有する。この種類のヘリウムビームを形成する技術は、
例えばK.Nauta and R.E.Mille
r,J.Chem.Phys.,111,3426(1
999)に記載されている。ヘリウム液滴の冷却能力
は、ヘリウム原子の数に関係する。液滴中の1,000
個のヘリウム原子毎に、約1eVの冷却能力がある(2
3kcal/モル又は8055cm-1)。
【0024】プロトン化領域2:図2bに示すように、
ヘリウム液滴10は、スキマー(skimmer)を通
ってプロトン化領域2に通過する。別個の室2aにおい
て、水素(H2)をH+に自動イオン化するために、50
0ワット、2.45GHzのマイクロ波源を使用する。
この既知の方法は、約100mAのプロトンの連続した
流れ2bを製造する。プロトンは、この高圧領域(1−
100ミリトール)からスキマーを通って抽出される。
プロトンを約1eVの運動エネルギーまで減速した後、
プロトンビームは液体ヘリウム液滴のビーム10と交差
する。プロトンがヘリウム液滴と衝突した時、これは急
速に吸収される。プロトンの溶媒和において放出される
エネルギーの量は、プロトンの運動エネルギー(約1e
V)及びHeH+の形成熱(1.54eV)の合計であ
る。ヘリウム液滴に与えられた2.54eVのエネルギ
ーは、2540個のヘリウム原子の蒸発によって散逸さ
れる。100mAのプロトンの流れは、ヘリウムクラス
タービームに、ヘリウム液滴当たり約1個のプロトンの
効率で与えられる。
【0025】AP源3:図2cに示すように、AP源3
中のHPLCの排出物3aの一部分2aは、ヘリウムの
流れ中で霧化され、そしてガスとして一連のスキマー
3’を通して運ばれる。スキマーは、圧力を常圧(76
0トール)から10-3トールより低い圧力まで、そして
好ましくは10-5トール(又は最初の流れの約10pp
b)まで減少させる。中性の排出物の分子3bは、スキ
マーを通って、捕獲セル4に入る。
【0026】捕獲セル4:図2dにおいて、中性の排出
物の分子の流れ3bは、AP源3を出て、ビーム4bを
形成し、これはプロトン化されたヘリウム液滴のビーム
4aと交差する。プロトン化されたヘリウム液滴は、中
性分子を捕獲しながら、大きい経路を掃討する。10-5
トールのバックグラウンド圧力において、ヘリウム液滴
は、液滴当たり平均1個の中性分子を捕獲する。中性分
子が吸収された場合、ヘリウムは液滴から蒸発して、溶
媒和熱及び中性分子の内部熱を散逸する。
【0027】本発明に必要な分子の大きさ及び熱の散逸
の例として、特定の分子、最悪の場合の例として、0.
131kcal mol-1-1(298ケルビンにお
いて1.66eVの内部エネルギー)の異常に高い熱量
量を持ち、これは捕獲された場合1660個のヘリウム
原子を散逸する、バックミンスターフラーレン(C60
と比較して、一連の図3a−dを示す。中性分子はヘリ
ウムより実質的に高い分極性を有するため、これはプロ
トンに引き寄せられる。中性分子及びプロトンが複合体
を形成した場合、放出されたエネルギーは、液滴のヘリ
ウムを蒸発させる。C60+を形成するために散逸され
るエネルギーは、ヘリウム及びC60間のプロトン親和力
の差と等しい。C60のプロトン親和力は、198kca
l/モルであり、そしてヘリウムのプロトン親和力は、
35.5kcal/モルである。この差は、162.5
kcal/モルであり、これは7.05eV又は705
0個のヘリウム原子に換算される。この点について、大
きな分子においてすら、蒸発される全体のヘリウムは、
最初の50,000ないし500,000個の原子から
の11,190個のみの原子であり、又は多くとも継続
した冷却剤としてのヘリウム原子の23%のみの損失で
ある。
【0028】本発明によれば、少なくとも数個のヘリウ
ム原子がプロトン化後もあって、複合体が0.37°K
にとどまることを確実にしなければならない。上記の例
を分析することによって、本発明によって、最大の分子
を効果的にイオン化することができることを推定するこ
とが可能である。ヘリウム及び殆んどの他の中性分子の
プロトン親和力の差は、殆んど10eVを超えず、そし
てプロトンの運動エネルギーは、1eVである。50,
000個の原子のヘリウム液滴において、液滴に残存す
る熱容量は、従って39eVである。中性分子の熱容量
が分子量によって概略計算されると仮定した場合(0.
0023eV/ダルトン)、残存する39eVは、1
6.9kDaの質量の分子を冷却することが可能であ
る。然しながら、これは最小の液滴に関してのみであ
る。供給源を更に冷却することによるように、より大き
い液滴が製造される場合、200kDaを超える分子を
効果的にイオン化し、DNAからタンパク質及び抗体ま
での範囲に及ぶ生物学的分析への適用に使用する適用を
伴なうことができる。
【0029】脱溶媒セル5:図2dにおいて、ヘリウム
液滴ビーム4cは、スキマー4’を通過した後、捕獲セ
ル4の末端で、プロトン化された種からヘリウムを除去
するために脱溶媒セル5を通過する。これは、冷却され
たヘリウムの雲(10-3トール)5aとの衝突によって
達成される。然しながら液滴が相対的に遅い速度で移動
するために、バックグラウンドのヘリウムとの衝突は、
有意な内部エネルギーを誘導しないものであり、これに
よって準安定性イオンは、検出されるまでそのままでい
る。
【0030】質量分析計6/検出器7:図2eにおい
て、プロトン化された分子のイオン100は、スキマー
5’を通過した後、質量分析計6の超高真空領域6a
(10-7トール)に入り、四極子検出器7aによって、
得られる単一の分子のピーク8を伴なって検出される。
【0031】上記の説明及び図面に示された態様は、単
に本発明の例示であり、そして構造、工程及び物質に対
するもののような変更及び改変は、特許請求の範囲に定
義される通りの本発明の範囲から逸脱することなく行う
ことができることは了解される。従って、例えば、別の
検出方法が、四極子飛行時間式質量分析計(QTOF)
又はフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計
(FTICR−MS)がプロトン化された分子の正確な
質量を測定して、その化学量論を得るために、使用され
るものである。質量分析計は、制御された断片化のため
の環境を得て、完全にプロトン化された分子の化学構造
の決定を援助するために、更に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1a−fは、本発明の方法の工程及びそのよ
うな工程を行う部位的要素を略図的に示す。
【図2】図2a−eは、ヘリウム液滴又はクラスター
源、プロトン源、AP源、脱溶媒及び検出器を伴なう質
量分析計のそれぞれの部位を示す。
【図3】図3a−dは、バックミンスターフラーレン分
子(C60)と比較した液体ヘリウムの温度浴の特性を示
す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 49/26 ZNA H01J 49/26 ZNA

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子をイオン化する方法であって: a)絶対0度より高い温度であって、しかし前記イオン
    化の結果として又は分子間の衝突の結果として前記分子
    が断片化する温度より低い温度で前記イオン化中に、前
    記分子を含むための流体媒体を調製すること(ここで前
    記流体媒体は、前記断片化温度より低い温度を維持する
    ための温度浴として機能するのに充分な体積を有してい
    る); b)前記分子及びイオン化用イオンを前記流体媒体中に
    導入し、これによって前記分子をその中でイオン化する
    こと(ここで前記断片化温度より低い温度は維持され
    る); c)前記イオン化された分子を断片化することなく、前
    記流体媒体を取り出すこと;の工程を含む、前記方法。
  2. 【請求項2】前記流体媒体が1Kより低い温度の液体ヘ
    リウムである、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記イオン化用イオンがプロトンである、
    請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記液体媒体が初期に少なくとも10,0
    00個のヘリウム原子を含む液滴からなる、請求項3に
    記載の方法。
  5. 【請求項5】前記イオン化された分子がその後質量分析
    に使用される、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】(a)少なくとも10,000個のヘリウ
    ム原子を含むヘリウムのクラスターを形成し、そしてそ
    の温度を0.4Kまで低下すること; (b)前記クラスターにプロトンを導入すること; (c)前記分子が維持される周囲圧力を、常圧から10
    -3トールより低い圧力まで低下すること; (d)前記分子をプロトン化されたヘリウムのクラスタ
    ー中に導入し、これによって分子をプロトン化するこ
    と; (e)液滴からヘリウムを除去して、残った断片化され
    ていないプロトン化された分子を得ること;及び (f)前記断片化されていない分子を分析のために質量
    分析計及び検出器に導入すること;の工程を含む、請求
    項4に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記分析が正確な質量測定を含む、請求項
    6に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記分析が制御された断片化及び検出を含
    む、請求項6に記載の方法。
  9. 【請求項9】分子のプロトン化を、その断片化を伴なわ
    ずに請求項6に記載の方法によって行う装置であって: (a)少なくとも10,000個のヘリウム原子のヘリ
    ウムのクラスターを形成する手段及びこれを0.4Kま
    で冷却する手段; (b)プロトンを形成する手段及びプロトンを前記ヘリ
    ウムのクラスターに導入する手段; (c)前記分子が維持される周囲圧力を、常圧から10
    -3トールまで低下する手段; (d)前記分子をプロトン化されたヘリウムのクラスタ
    ー中に導入し、これによって前記分子をプロトン化する
    手段; (e)液滴からヘリウムを除去して、残った断片化され
    ていないプロトン化された分子を得る手段;及び (f)前記断片化されていない分子を、分析のために質
    量分析計及び検出器に導入する手段;を含む、前記装
    置。
  10. 【請求項10】前記分析が正確な質量測定を含む、請求
    項9に記載の装置。
  11. 【請求項11】前期分析が制御された断片化及び検出を
    含む、請求項9に記載の装置。
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