JP2002180934A - インジェクタ騒音検出装置 - Google Patents

インジェクタ騒音検出装置

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JP2002180934A
JP2002180934A JP2000373502A JP2000373502A JP2002180934A JP 2002180934 A JP2002180934 A JP 2002180934A JP 2000373502 A JP2000373502 A JP 2000373502A JP 2000373502 A JP2000373502 A JP 2000373502A JP 2002180934 A JP2002180934 A JP 2002180934A
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speed
valve
noise
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JP2000373502A
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English (en)
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Izuho Hirano
出穂 平野
Masahiko Kindo
雅彦 金堂
Yasuyuki Asahara
康之 浅原
Naoki Takahashi
直樹 高橋
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エンジンのインジェクタ騒音を高精度に検出す
る。 【解決手段】インジェクタの噴孔を開閉する弁体Bのリ
フト信号を微分演算して弁体速度を検出し(S101,
102)、速度極小値viの二乗値を積算し(S10
3)、該積算値Vに弁体Bの重量mを乗算して、閉弁着
座時の運転エネルギーの総和Eを算出し(S104)、
該運転エネルギーの総和Eに伝達係数Hを乗じてインジ
ェクタ騒音Pを算出し(S105)、算出値Pを出力す
る(S106)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車などに適用
される直噴ガソリンエンジンまたは直噴ディーゼルエン
ジンなどに用いられるインジェクタ(燃料噴射弁)の騒
音レベルを検出する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の環境問題に対応した自動車の燃費
向上への関心の高まりから、直噴ガソリンエンジンや直
噴ディーゼルエンジンが脚光を浴びつつあるが、直噴ガ
ソリンエンジンについては燃料圧増大及びインジェクタ
のハードマウント化の影響により、アイドリング等エン
ジン低回転時のインジェクタ騒音が問題となってきてい
る。また、直噴ディーゼルエンジンにおいても、コモン
レール型燃料噴射システムの登場により従来に比べ燃焼
加振力が大幅に低減されるようになってきており、その
結果相対的にインジェクタ騒音が目立つようになってき
ている。このように、これらの直噴エンジンにおいて
は、インジェクタ騒音低減が商品性向上の重要課題の一
つとなっており、課題解決手段としてのインジェクタ騒
音検出技術が注目されている。
【0003】インジェクタ騒音を簡易的に検出する一手
法として、例えば、’00FISITAF2000H1
85’にあるようにインジェクタの騒音パワーがレール
圧(コモンレール内燃料圧力)に比例することに着目
し、該レール圧に重回帰分析より求めた伝達係数を乗算
することにより、インジェクタ騒音を推定する手法が公
知技術として知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような手法による
インジェクタ騒音検出は、ある一定のエンジン回転速度
の下で単噴射を行う条件の下では有効であった。しか
し、実際のエンジン、特にコモンレール型直噴ディーゼ
ルエンジンにおいては、排気・騒音等の要件から主噴射
の前後でパイロット噴射やポスト噴射を行うことが多
く、この場合同じレール圧の下でもインジェクタ騒音は
大幅に増加する。また、同じレール圧の下でもエンジン
回転速度が大きい場合は、単位時間当たりのインジェク
タ作動回数増加によりインジェクタ騒音はやはり増加す
る。このように、レール圧の情報だけでは副噴射の有無
やエンジン回転の相違によるインジェクタ騒音の変化が
把握できず、それらの変化に対応するためには場合々々
に応じた複数の伝達係数が必要となり、演算が煩雑とな
る、あるいは膨大なデータ容量が必要となる、という問
題点があった。
【0005】本発明は、このような従来の課題に着目し
てなされたもので、副噴射の有無やエンジン回転速度の
変化といった運転条件の変化にも拘らず、平易な方法で
かつ高精度にインジェクタ騒音を検出する装置を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に係
る発明は、インジェクタの可動部の運動速度を検出する
運動速度検出手段と、検出した前記速度信号に基づい
て、前記可動部がストッパへ着座するときの着座速度を
検出する着座速度検出手段と、検出した着座速度に基づ
いて、インジェクタの騒音レベルを推定する騒音レベル
推定手段と、を含んで構成したことを特徴とする。
【0007】請求項1に係る発明によると、可動部の運
動速度に基づいて着座速度を検出して騒音レベルを推定
するため、燃料圧などからの推定に比較して高精度にイ
ンジェクタ騒音を推定できる。また、請求項2に係る発
明は、前記騒音レベル推定手段が、所定時間中に検出さ
れた可動部着座速度の絶対値または二乗値を積算し、算
出した速度絶対値または二乗値の積算値に伝達係数を乗
算してインジェクタの騒音レベルを推定することを特徴
とする。
【0008】請求項2に係る発明によると、単位時間内
における可動部着座速度の絶対値または二乗値の積算値
に伝達係数を乗算してインジェクタの騒音レベルを推定
するため、副噴射の有無やエンジン回転速度の値によら
ず、単位時間内の可動部着座時の運動量あるいは運動エ
ネルギーの総和を正確に把握して、インジェクタ騒音を
高精度に検出することができる。
【0009】また、請求項3に係る発明は、前記運動速
度検出手段が、可動部の運動速度を、インジェクタの噴
孔を開閉する弁体のリフト量検出信号について微分若し
くは差分演算を行うことにより、検出することを特徴と
する。請求項3に係る発明によると、前記可動部の運動
速度を、インジェクタの噴孔を開閉する弁体のリフト量
信号について微分若しくは差分演算を行うことにより得
る構成としたため、インジェクタ加振力の中で大きな寄
与を占める弁体の運動量あるいは運動エネルギーが正確
に把握でき、簡易な演算でインジェクタ騒音を求めるこ
とができる。
【0010】また、請求項4に係る発明は、インジェク
タが前記弁体を開閉駆動させるための噴射流体通路を開
閉する電磁弁を含んで構成され、前記着座速度算出手段
は、可動部の着座速度として前記弁体の着座速度の他、
前記電磁弁の着座速度も合わせて検出することを特徴と
する。
【0011】請求項4に係る発明によると、前記弁体の
着座速度に加えて、該弁体を駆動するための電磁弁の着
座速度も併せて検出する構成としたため、弁体だけでな
く電磁弁部の運動量あるいは運動エネルギーも正確に把
握でき、インジェクタ騒音をより高精度に求めることが
できる。
【0012】また、請求項5に係る発明は、前記可動部
の運動速度の極値を、該可動部の着座速度として検出す
ることを特徴とする。請求項5に係る発明によると、可
動部の着座時は速度が大きな絶対値から瞬時に0に変化
するため、該極値の検出によって可動部の着座速度を検
出することができる。
【0013】また、請求項6に係る発明は、前記電磁弁
の着座速度を、該電磁弁の駆動信号から検出することを
特徴とする。請求項6に係る発明によると、電磁弁の駆
動信号は、電磁弁の運転速度と相関が高く、したがって
リフトセンサなどを設けることなく、運転速度検出信号
としての駆動信号に基づいて該信号の極値などから電磁
弁の着座速度を容易に検出することができる。
【0014】また、請求項7に係る発明は、前記着座速
度検出手段が、可動部の閉弁時の着座速度のみを検出す
ることを特徴とする。請求項7に係る発明によると、閉
弁時は常に着座し、また、最大の騒音は、弁体の主噴射
終了の閉弁着座時に生じる場合が一般的であるので、開
弁時に比較して騒音への寄与が大きく、したがって、閉
弁時のみの着座速度を検出して騒音を推定するだけでも
簡易に良好な推定を行うことができる。
【0015】また、請求項8に係る発明は、前記着座速
度検出手段が、可動部の閉弁時および開弁時の着座速度
を検出することを特徴とする。請求項8に係る発明によ
ると、閉弁時に加えて開弁時の着座速度も検出して騒音
の推定を行えば、より高精度に推定を行うことができ
る。
【0016】また、請求項9に係る発明は、前記騒音レ
ベル推定手段が、検出される開弁時の着座速度のうち検
出直後から一定時間以上速度0に維持されていないもの
を、前記積算の対象から除外することを特徴とする。請
求項9に係る発明によると、ノイズなどによって一時的
に可動部速度が0となるような場合が、積算対象から除
外され、実際に着座したときだけの速度を積算して、高
精度に騒音を推定することができる。
【0017】また、請求項10に係る発明は、前記騒音
レベル推定手段が、検出される開弁時の着座速度のうち
開弁開始から着座までの開弁時間が一定時間以下のもの
を、前記積算の対象から除外することを特徴とする。請
求項10に係る発明によると、通常時に開弁開始から着
座までに要する開弁時間に比較して開弁時間が短すぎる
場合は、実際に着座していないと判断されるため、この
ような場合は積算対象から除外することにより、実際に
着座したときだけの速度を積算して、高精度に騒音を推
定することができる。一定時間以下のものまた、請求項
11に係る発明は、前記伝達係数の値を、対象となる可
動部の別、開弁時・閉弁時の別の少なくとも1つによっ
て異なる値に設定することを特徴とする。
【0018】請求項11に係る発明によると、可動部の
別や開弁時・閉弁時の別により、運動量や運動エネルギ
ーなどの加振力が同一であっても、騒音として感知され
るレベルが異なることがあるので、各状況に対応した伝
達係数を用いることで、極めて高精度に騒音レベルを推
定することができる。なお、着座速度の絶対値や二乗値
を積算して騒音を推定する場合は、可動部の別や開弁時
・閉弁時の別に、同種同士で積算を行い、各積算値に対
応する伝達係数を乗じたものを、加算すればよい。
【0019】また、請求項12に係る発明は、前記伝達
係数の値が、可動部の重量に応じて設定されることを特
徴とする。請求項12に係る発明によると、可動部の重
量に応じて、重み係数を変更するなどして設定する構成
としたため、メーカーや形式の異なるインジェクタにつ
いても同一の演算アルゴリズムでインジェクタ騒音を求
めることが出来、装置の汎用性を高めることができる。
【0020】また、請求項13に係る発明は、前記伝達
係数の値は、1/3オクターブ周波数特性であることを
特徴とする。請求項13に係る発明によると、可動部速
度の絶対値または二乗値の積算値に乗算する伝達係数の
値を、1/3オタターブ周波数特性である構成としたた
め、オーバーオール値だけでなくインジェクタ騒音の周
波数特性も求めることができ、インジェクタ騒音の特性
をより明確に表わすことができる。
【0021】また、請求項14に係る発明は、前記1/
3オクターブ周波数特性である伝達係数の値は、実験デ
ータから重回帰分析により求められた値であることを特
徴とする。請求項14に係る発明によると、前記1/3
オクターブ周波数特性である伝達係数の値を、実験デー
タから重回帰分析により求められ定値である構成とした
ため、実機に即したインジェクタ騒音を簡単な演算によ
り求めることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。まず、第1の実施の形態を図1〜図
4に基づいて説明する。図1は本発明の適用対象となる
インジェクタの断面構造とシステム構成を示したもので
ある。図1において、インジェクタ1は、直噴ディーゼ
ルエンジンの燃焼室(図示せず)に取り付けられ、高圧
ポンプ(図示せず)によってコモンレール(図示せず)
に供給された高圧燃料は高圧配管2を通じてインジェク
タ1に供給される。
【0023】インジェクタ1からの燃料噴射は次のよう
に行われる。まず、ソレノイド3に通電されると電磁吸
引力によって電磁弁4がソレノイド側に移動する。する
と電磁弁4によって閉じられていた油路5が開放され、
高圧燃料が電磁弁室6に流入する。その結果インジェク
タ内の油圧バランスが崩れ、相対的に針弁7に加わる油
圧が増大して、該針弁7と、針弁7に連接するスペーサ
8、ピストン9が電磁弁4側に移動する。これにより、
針弁7により閉じていた噴孔10が開放され、ここから
高圧燃料が噴射される。
【0024】一方、ソレノイド3への通電を停止する
と、電磁吸引力が無くなって、電磁弁4はばね11によ
って押し戻され、油路5が塞がれる。すると断面積の大
きいピストン9側に再び高圧燃料が供給されるため、ピ
ストン9と共にスペーサ8、針弁7が逆向きに移動して
噴孔10を閉じ、燃料噴射は終了する。なお、上記のよ
うに針弁7、スペーサ8およびピストン9は、一体に連
動して噴孔10を開閉するので、これらを合わせたもの
を弁体Bと定義する。
【0025】図2は、燃料噴射時のインジェクタ可動部
の挙動と、その時にシリンダヘッドに発生する振動を観
察した結果の一例を示す。シリンダヘッドの振動はエン
ジン騒音とも相関が高いため、図2はインジェクタ可動
部の挙動と、エンジン騒音発生の相関関係を表わすもの
ともなっている。図2から、一度の燃料噴射においてイ
ンジェクタ可動部のストッパへの着座による振動発生
は、発生順に電磁弁4開、弁体B開、電磁弁4開、弁体
B閉の4回あるが、その中で弁体B閉時に発生する振動
レベルが一番大きく、騒音への寄与が大きいことがわか
る。このことから、弁体B閉弁時の運動量または運動エ
ネルギーを把握するだけで、インジェクタ騒音が近似的
に求まることが予想される。
【0026】上記のロジックに基づいて、第1の実施の
形態では、インジェクタ騒音の検出を以下のように行
う。ハードウエアとしては、弁体Bのリフト量を検出す
るリフトセンサ12と、該リフトセンサ12からのリフ
ト信号を、アンプ13を介して増幅した後入力して演算
処理を行い、インジェクタ騒音の騒音レベルを検出する
騒音検出回路13を設ける。
【0027】前記騒音検出回路13による騒音レベル検
出を、図3に示したフローチャートにしたがって説明す
る。ステップ101では、前記リフト信号を入力データ
として一定時間取り込む。この一定期間は、インジェク
タ1の駆動期間つまり燃料噴射期間が数回分含まれるよ
うに設定される。取り込んだリフト信号は、例えば図4
の上側に示したような波形をしている。
【0028】ステップ102では、上記リフト信号に対
して微分または差分演算を行うことにより、図4の下側
に示したような弁体Bの速度信号を得る。したがって、
前記リフトセンサ12と、このステップ102の機能と
で、可動部の運動速度検出手段が構成される。上記速度
信号の中で閉弁時の着座速度は負の極小値として現れる
ため、ステップ103では、速度信号の中で極小値vi
の振幅を拾っていきその二乗値を積算する演算を行う。
該ステップ103の機能の一部が着座速度検出手段を構
成する。
【0029】ステップ104では、前記速度極小値vi
の積算値Vにあらかじめメモリに入力しておいた弁体B
の重量mをかけあわせることにより、一定時間内におけ
る弁体B閉時の運動エネルギーの総和Eを求めることが
できる。このように、弁体Bの重量mを掛け合わせる演
算を入れておくことにより、メーカー等の相違により弁
体Bの重量が異なるインジェクタについて騒音を検出す
る場合でも運動エネルギーをそれぞれ正確に算出するこ
とができ、装置の汎用性を増すことができる。
【0030】続いてステップ105では、先に得られた
運動エネルギーEに伝達係数Hをかけあわせ、インジェ
クタ騒音Pを算出する。ここで使用する伝達係数の値は
オーバーオール値でも良いし、1/3オクターブバンド
等の周波数特性でも良い。上記ステップ103の積算機
能とステップ104,105の機能が騒音推定手段を構
成する。
【0031】最後にステップ106では、求めたインジ
ェクタ騒音の値(レベル)Pを出力する。このようなフロ
ーを用いてインジェクタ騒音を算出することにより、エ
ンジン回転速度やパイロット噴射/ポスト噴射の有無と
いった運転条件の違いに左右されることなく、簡易な方
法でインジェクタ騒音を精度良く求めることができる。
【0032】次に、本発明の第2の実施形態を図5〜図
10に基づいて説明する。図5に示すシステム構成にお
いて、第1の実施の形態と同様にリフトセンサ12とア
ンプ13を備え、騒音検出回路21に、前記アンプ13
で増幅された弁体Bのリフト信号を入力する他、制御回
路14から前記電磁弁4の駆動信号を入力し、弁体Bの
着座騒音に加えて、電磁弁4の着座騒音も算出し、か
つ、それぞれ閉弁時のみならず開弁時の着座騒音も算出
して、インジェクタ騒音を推定する。
【0033】前記騒音検出回路21による騒音レベル検
出を、図6に示したフローチャートにしたがって説明す
る。ステップ201で弁体Bのリフト信号を取込み、ス
テップ202で微分又は差分演算を行って弁体Bの速度
Uを求める部分までは第1の実施の形態と同様である
が、ステップ203で、閉弁時における着座速度である
速度極小値uminiの二乗値の積算値Ucloseだけでなく、
開弁時についても着座速度である速度極大値umaxiの二
乗値の積算値Uopenを求める部分から第1の実施の形態
とは異なってくる。
【0034】ステップ204では、求めた開弁時、閉弁
時それぞれの速度積算値Uopen、Ucloseについて、そ
れぞれに対応した異なる伝達係数H1,H2を乗算し、
開弁時、閉弁時それぞれの着座騒音Popen、Pcloseを
算出する。ここで使用する伝達係数はエンジンの相場値
的なデータを用いてもよいし、実際のエンジン騒音測定
結果から重回帰分析等の手法により求めた値を入力して
使用してもよい。また、騒音算出にあたっては第1の実
施の形態に示したように弁体B重量を乗算した上で伝達
係数を掛け合わせるアルゴリズムとしてもよい。
【0035】次いで、電磁弁駆動信号からの電磁弁騒音
算出を次のように行う。まずステップ205で、電磁弁
駆動信号を、ある一定時間取り込む。この取り込み時間
は弁体Pのリフト信号の取り込み時間と同一で、取り込
みタイミングも同一である。取り込み方の一例として
は、駆動信号を送り込むケーブルにコイルを巻きつけ、
コイルに発生する電圧を取り込むことにより、図7に示
すような電磁弁速度と相関の高い信号が得られる。
【0036】次にステップ206では、駆動信号の極大
値vmaxj(開弁時)、極小値vminj(閉弁時)それぞれの
二乗値の積算を行う。続いてステップ207では、求め
た積算値Vopen,Vcloseそれぞれに対応する異なる伝
達係数G1,G2を乗算し、開弁時、閉弁時それぞれの
電磁弁騒音Sopen,Scloseを算出する。
【0037】最後にステップ208で弁体Bの騒音Pop
en、Pclose、電磁弁4の騒音Sopen,Scloseそれぞれ
を加算して、全体のインジェクタ騒音Pを求め、ステッ
プ209で該算出された騒音の値(レベル)を出力す
る。ここで、騒音算出に当たって注意しなければならな
いのは、電磁弁4については、開弁、閉弁どちらの場合
でも着座現象を伴うのに対し、弁体Bの場合、閉弁時は
必ず着座現象を伴うが、開弁時は開弁時間によって着座
しない場合があることである。すなわち、開弁時間が短
いと弁体Bが上端壁(ストッパ)に衝突する以前に閉弁
に移行してしまい、この場合着座騒音は発生しない。そ
のためインジェクタ騒音算出にあたっては着座を伴わな
い弁体B速度を積算から除外する必要がある。このよう
に着座を伴わない弁体B速度を積算から除外するフロー
の例を、図8、図10に示す。図8に示すフローは、弁
体Bの開弁時に着座速度として検出される速度極大値の
中で、着座を伴わないものとして検出直後に一定時間以
上の速度0領域を持たないものについては積算の対象か
ら除外する考え方であり、図10に示すフローは、同じ
く速度極大値の中で、開弁開始から速度極大値が検出さ
れる開弁着座時までの開弁期間が一定時間以下のもの
を、着座を伴わないものとして除外する考え方である。
【0038】図8のフローでは、まずステップ301で
速度データから速度極大値ならびにその直後の速度0持
続時間を求める。具体的には図9に示したイメージとな
るが、パイロット噴射時の極大値umaxi直後はすぐ閉弁
に転じるため、この時の速度0持続時間は0となる。ま
た、主噴射中のローカルな極大値umaxi+1直後も速度0
領域は存在しないため、この時の速度0持続時間も0と
なる。このように速度極大値と直後の速度0持続時間の
組を求めた上で、ステップ302〜306の積算作業に
移行する。
【0039】ステップ303では、積算可否判断を行
い、ここで速度0持続時間t(u=0)iがある定められた値t
cを超えない場合は着座は無いものと判断し、積算演算
を行うステップ304をスキップする。ステップ30
5,306で上記演算を全ての極大値umaxi(i=1〜
n)について行うことにより、着座を伴わない速度デー
タは積算から除外されるため、開弁時の弁体Bの加振力
すなわち騒音レベルを正確に求めることができる。
【0040】一方、図10のフローでは、まずステップ
311で速度データから速度極大値umaxiならびに開弁
持続時間tiを求める。開弁持続時間とは、開弁開始時点
において速度0から出発してまた速度0に戻るまでの時
間である。この場合、図11に示すように、一つの開弁
持続時間の中に極大値が複数存在する可能性が考えられ
るが、その場合は開弁終了に最も近い側の極大値を選択
する処理を行う。
【0041】このように速度極大値umaxiと開弁持続時
間tiの組を求めた上で、ステップ312〜316の積算
作業に移行する。ステップ313では、積算可否判断を
行い、ここで開弁持続時間tiがある定められた値tc’を
超えない場合は着座は無いものと判断し、積算演算を行
うステップ314をスキップする。ステップ315,3
16で上記演算を全ての極大値umaxi(i=1〜n)に
ついて行う。ただし、弁体Bの開弁から着座に至るまで
の時間はレール圧の増大につれ短くなることから、判別
を正確に行うためにはtc’をレール圧の関数にしておく
必要がある。この演算方式においても、着座を伴わない
速度データは積算から除外されるため、弁体Bの騒音レ
ベルを正確に求めることができる。
【0042】以上示したように、第2の実施の形態で
は、図2に示した4つのインジェクタ加振力全てについ
て正確な騒音の算出を行うので、非常に高い精度でイン
ジェクタ騒音を求めることができる。なお、以上の実施
の形態では、着座速度の二乗値を積算して運動エネルギ
ーから騒音を検出するものを示したが、着座速度の絶対
値を積算して運動量から騒音を検出する構成としてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るインジェクタ
構造の概略とシステム構成を示す図。
【図2】第1の実施の形態に係るインジェクタ可動部の
挙動と振動発生の関係を表わす図。
【図3】第1の実施の形態に係るインジェクタ騒音の推
定ルーチンを示すフローチャート。
【図4】第1の実施の形態に係る弁体Bのリフトデータ
の一例を表わす図。
【図5】第2の実施の形態に係るインジェクタ構造の概
略とシステム構成を示す図。
【図6】第2の実施の形態に係るインジェクタ騒音推定
のメインルーチンを示すフローチャート。
【図7】第2の実施の形態に係るインジェクタ可動部の
挙動と振動発生の関係を表わす図。
【図8】同上のインジェクタ騒音推定のサブルーチンの
一例を示すフローチャート。
【図9】同上サブルーチンで使用するデータを説明する
【図10】同上のインジェクタ騒音推定のサブルーチン
の別の例を示すフローチャート。
【図11】同上サブルーチンで使用するデータを説明す
る図
【符号の説明】
1 インジェクタ 4 電磁弁 7 針弁 8 スペーサ 9 ピストン 10 噴孔 12 リフトセンサ 14,21 騒音検出回路 22 制御回路 B 弁体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅原 康之 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 高橋 直樹 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 2G064 AA15 AB15 CC31 CC32 CC34 3G066 AA01 AA07 AB02 AD12 BA00 BA22 CC06T CC08T CC14 CC64T CC67 CC68U CD00 CD26 CE22 DC00 DC06

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インジェクタの可動部の運動速度を検出す
    る運動速度検出手段と、 検出した前記速度信号に基づいて、前記可動部がストッ
    パへ着座するときの着座速度を検出する着座速度検出手
    段と、 検出した着座速度に基づいて、インジェクタの騒音レベ
    ルを推定する騒音レベル推定手段と、 を含んで構成したことを特徴とするインジェクタ騒音検
    出装置。
  2. 【請求項2】前記騒音レベル推定手段は、所定時間中に
    検出された可動部着座速度の絶対値または二乗値を積算
    し、算出した速度絶対値または二乗値の積算値に伝達係
    数を乗算してインジェクタの騒音レベルを推定すること
    を特徴とする請求項1に記載のインジェクタ騒音検出装
    置。
  3. 【請求項3】前記運動速度検出手段は、可動部の運動速
    度を、インジェクタの噴孔を開閉する弁体のリフト量検
    出信号について微分若しくは差分演算を行うことによ
    り、検出することを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載のインジェクタ騒音検出装置。
  4. 【請求項4】インジェクタが前記弁体を開閉駆動させる
    ための噴射流体通路を開閉する電磁弁を含んで構成さ
    れ、 前記着座速度検出手段は、可動部の着座速度として前記
    弁体の着座速度の他、前記電磁弁の着座速度も合わせて
    検出することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれ
    か1つに記載のインジェクタ騒音検出装置。
  5. 【請求項5】前記可動部の運動速度の極値を、該可動部
    の着座速度として検出することを特徴とする請求項1〜
    請求項4のいずれか1つに記載のインジェクタ騒音検出
    装置。
  6. 【請求項6】前記電磁弁の着座速度を、該電磁弁の駆動
    信号から検出することを特徴とする請求項4または請求
    項5に記載のインジェクタ騒音検出装置。
  7. 【請求項7】前記着座速度検出手段は、可動部の閉弁時
    の着座速度のみを検出することを特徴とする請求項1〜
    請求項6のいずれか1つに記載のインジェクタ騒音検出
    装置。
  8. 【請求項8】前記着座速度検出手段は、可動部の閉弁時
    および開弁時の着座速度を検出することを特徴とする請
    求項1〜請求項6のいずれか1つに記載のインジェクタ
    騒音検出装置。
  9. 【請求項9】前記騒音レベル推定手段は、検出される開
    弁時の着座速度のうち検出直後から一定時間以上速度0
    に維持されていないものを、前記積算の対象から除外す
    ることを特徴とする請求項8に記載のインジェクタ騒音
    検出装置。
  10. 【請求項10】前記騒音レベル推定手段は、検出される
    開弁時の着座速度のうち開弁開始から着座までの開弁時
    間が一定時間以下のものを、前記積算の対象から除外す
    ることを特徴とする請求項8に記載のインジェクタ騒音
    検出装置。
  11. 【請求項11】前記伝達係数の値を、対象となる可動部
    の別、開弁時・閉弁時の別の少なくとも1つによって異
    なる値に設定することを特徴とする請求項2〜請求項1
    0のいずれか1つに記載のインジェクタ騒音検出装置。
  12. 【請求項12】前記伝達係数の値は、可動部の重量に応
    じて設定されることを特徴とする請求項2〜請求項11
    のいずれか1つに記載のインジェクタ騒音検出装置。
  13. 【請求項13】前記伝達係数の値は、1/3オクターブ
    周波数特性であることを特徴とする請求項2〜請求項1
    2のいずれか1つに記載のインジェクタ騒音検出装置。
  14. 【請求項14】前記1/3オクターブ周波数特性である
    伝達係数の値は、実験データから重回帰分析により求め
    られた値であることを特徴とする請求項13に記載のイ
    ンジェクタ騒音検出装置。
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