JP2002172886A - インクの自動流出調整機能を有する筆記具 - Google Patents

インクの自動流出調整機能を有する筆記具

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JP2002172886A
JP2002172886A JP2000374755A JP2000374755A JP2002172886A JP 2002172886 A JP2002172886 A JP 2002172886A JP 2000374755 A JP2000374755 A JP 2000374755A JP 2000374755 A JP2000374755 A JP 2000374755A JP 2002172886 A JP2002172886 A JP 2002172886A
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晋 辻本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筆記に際して適正なインク流出量とすること
のできる、インク自動流出制御機能を有する筆記具を得
る。 【解決手段】 インクを液体の状態で貯蔵するインク貯
蔵部(A)とペン先部(C)との間に、インク貯蔵部か
らのインクを一時的に保持すると共にインクの流量を制
御してペン先部へ供給するインク保持制御部(B)を設
け、該インク保持制御部は、親水基をもった超親水性の
繊維群(8)と、インクに対する超流動性があって親水
基をもたない繊維群(9,9′)とを組み合わせて構成
された中綿を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマーキングペン等の
筆記具、特に液体のインクを内蔵すると共にこのインク
の流出を自動的に調整する機能を有する筆記具に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の筆記具は中綿式筆記具と
総称されるように、匡体内に比較的気孔率が大きくなる
ように成形された中綿を挿入し、この中綿にインクを含
浸させ、一方、気孔率が比較的小さくなるような関係に
あるペン先を前記の中綿に接続するように設定し、ペン
先の毛細管現象により中綿よりペン先に対して必要に応
じてインクが供給されるように設計されたものが、殆ん
どである。この方式の筆記具の長所はインクの漏れ出し
などに安定性がありコストも安く出来るという点にある
が、然し中綿に残留するインクの量が多いという欠点が
あった。
【0003】そこで、最近では、中綿を使用しないでイ
ンクの使用効率を高めるタイプ、即ち中綿を使用しな
い、いわゆる生インクタイプの筆記具が増加してきた。
但し市場におけるほとんどのものは、使用されるインク
の内蔵量としては1cc〜1.5cc程度が限度のいわゆる
蛇腹型インク流出制御装置を使用したものである。現在
いわゆる「ホワイトボードマーカー」と呼ばれている大
容量(例えば、インク貯蔵量が5cc〜10cc)の筆記具
については、生インク方式のものは、バルブ方式等を採
用しているが、筆記に際して適正量のインク流出とする
のは困難である、という問題があり、新しい方式のイン
ク流出機能を有する筆記具が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、本発明
の課題は、筆記に際して適正なインク流出量とすること
のできる、インク自動流出調整機能を有する筆記具を提
供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めに、本発明によれば、インクを液体の状態で貯蔵する
インク貯蔵部とペン先部との間に、インク貯蔵部からの
インクを一時的に保持すると共にインクの流量を制御し
てペン先部へ供給するインク保持制御部を設け、該イン
ク保持制御部は、少なくとも、親水基をもった超親水性
の繊維群と、インクに対する超流動性があって親水基を
もたない繊維群と、流動性が弱い親水基を持たない繊維
群とを組み合わせて構成された中綿を有することを特徴
とする、インクの自動流出制御機能を有する筆記具が提
供される。
【0006】本発明によると、インク保持制御部の中綿
を、親水基をもった超親水性の繊維群と、異形断面を有
し且つインクに対する超流動性があって親水基をもたな
い繊維群とを組み合わせて構成したことにより、超流動
性があって親水基をもたない繊維群による毛細管作用に
よりインクは速やかにペン先部の側に移動する一方で、
親水基をもった超親水性の繊維群の側にも徐々に移行
し、ここにインクが一時的に保持され、インク流量の調
整が図られる。筆記具の非使用時においても親水基をも
った超親水性の繊維群にはインクが保持されているの
で、筆記開始時点におけるインクの追随性が良好とな
る。
【0007】インク貯蔵部とインク保持制御部との間の
隔壁に設けた開口にインク及び空気を流通させる高密度
繊維束からなる細管を圧入し、隔壁のインク保持制御部
の中綿側に前記細管が密接又は貫通するように親水性不
織布又はスポンジを設け、インク保持制御部のペン先部
には、インク保持制御部の中綿に接する親水性不織布及
びペン先が貫通する溌水性不織布を前記超親水性不織布
に接するように設けたことを特徴とする。
【0008】インク保持制御部の中綿は、超親水性繊維
を20〜30部、超流動性繊維を40〜60部、断面で
略均一に混在させ、その外周に流動性が弱い親水基を持
たない繊維群を10〜40部配し束ねたものであること
を特徴とする。或いは、インク保持制御部の中綿は、更
に親水基を持たない融着し易い繊維を含み、超親水性繊
維を20〜30部、超流動性繊維を20〜30部、親水
基を持たない融着し易い繊維を20〜30部、略均一に
混在させ、その外周に流動性が弱い親水基を持たない熱
融着しやすい繊維群を10〜40部配し束ねたもので、
気孔率が75〜95%となるように加熱整形したもので
あることを特徴とする。
【0009】インク保持制御部の中綿の内部に、一端が
インク貯蔵部側の親水性不織布又はスポンジに接続し、
他端がペン先部側の親水性不織布に接続するように、筆
記具の軸方向に延びる空気流通用の細管を設けたことを
特徴とする。超親水性繊維はポリエステル繊維の外周に
親水基をもった樹脂をコーティングして形成され、又は
ポリアミド繊維若しくはビニロン繊維等から形成され、
超流動性繊維は断面が十字形又はT字形の異形断面を有
する繊維であることを特徴とする。親水基を持たない融
着し易い繊維は中央がポリエステルで外周の低融点のポ
リエステルを配した繊維であり、更に流動性が弱い親水
基を持たない繊維群は中央がポリプロピレンでその外周
に低融点のポリプロピレンを配した繊維である。
【0010】インク保持制御部の中綿は、略円柱形状と
なるように束ねられたものであることを特徴とする。或
いは、インク保持制御部の中綿は、軸方向の中央部で略
円筒状に、両端において径が小さくなるように絞られた
ものであることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の
インク自動流出調整機能を有する筆記具の一実施形態を
示す断面図である。本発明の筆記具は、概ね3つの部分
よりなる。即ち、インクを液体の状態で貯蔵するインク
貯蔵部(A)と、インク貯蔵部からのインクを一時的に
保持すると共にインクの流量を調整してペン先部へ供給
するインク保持制御部(B)と、ペン先部(C)であ
る。
【0012】インク貯蔵部(A)の筐体1は液体のイン
クを格納し蒸発等を防ぎインクの特性を保存・確保す
る。筐体1は円筒状で一端は閉じられ、他端は後述する
隔壁5で仕切られている。筐体1内の液体インク2は、
色素として染料系、顔料系のもの、溶液として水性、溶
剤性等のもの、バインダーとしてそれぞれのインクに適
した樹脂その他が含まれ、外に添加剤として各インクに
適したものが含まれる。
【0013】筐体1内の空気3は、筆記具の使用にとも
なってインクの量が徐々に減少しその結果として量が増
加する。空気の増加量や圧力は、当該筆記具が使用さ
れ、又は置かれている環境、例えば温度の変化等により
変化を来す。隔壁5はインク貯蔵部(A)とインク保持
制御部(B)とを隔離する部分で、1個又は複数個のイ
ンク・空気の流出入細管を貫通させるための小孔が形成
されており、この小孔にインク導入管4が圧入されてい
る。図示の実施形態ではインク導入管4を中央部に1個
設けた例を示している。インク導入管4は直径が1mm
〜4mmで、気孔率が50%〜65%の、アクリル製、
ポリエステル製等の高密度繊維束で構成されている。例
えば、これと略同条件で、マーキングペンのペン先部分
として使用されるものを好適に使用することができる。
【0014】親水性不織布又は親水性スポンジ6は、一
方の面が隔壁5のインク保持制御部(B)の中綿側に接
するように設けられ、隔壁5の小孔をインク貯蔵部Aの
側からインク保持制御部(B)側へ延びるインク導入管
4が図示のようにその一面に密接するように、或いはイ
ンク導入管4が貫通するように設けられている。他方の
面は、インク保持制御部(B)の中綿の端面に密着して
いる。親水性不織布6の材質としては、ポリエステル、
アクリル、ビニロン等で親水処理された不織布で、イン
クの性質等により変化するが、気孔率としては75〜9
5%のものを用いるのが好適である。
【0015】インク保持制御部(B)の中綿の内部に設
けた空気流通用の細管7は、直径が2〜3mmのポリプ
ロピレン又はフッ素樹脂製の細管で、一方で、前述のイ
ンク貯蔵部(A)側の親水性不織布又はスポンジ6の端
面に密着し、他方で、後述するペン先部(C)側の親水
性不織布10の端面に密着している。インク保持制御部
(B)は、親水基をもった超親水性の繊維群8と、異形
断面を有し且つインクに対する超流動性があって親水基
をもたない繊維群9とを組み合わせて中綿として筆記具
の軸方向に略円柱形状に構成したものである。
【0016】超親水性繊維8は、例えば図2(a)に示
すように、中心のポリエチレンテレフタレート(ポリエ
ステル)繊維8aの周囲に、親水基をもったEVOH樹
脂8bをコーティングしたものである。EVOH樹脂8
bは、ポリビニールアルコールとポリエチレンを強重合
させた高分子である。このような超親水性繊維8とし
て、例えばクラレ株式会社製の「ソフィスタ」(登録商
標)と称される繊維が市販されている。超親水性繊維8
の太さは、2〜15デニールのものが適当である。
【0017】上記のような構造を有する超親水性繊維8
は親水基〔OH基〕を持っており非常に親水性に富み水
性又はアルコール製溶剤のインクに対して強い保持力を
発揮する。この超親水性繊維8は、表面形状、又は活性
剤処理等により超親水性を持たせた従来から使用されて
いる繊維と異なり化学的に親水基による超親水性を持っ
ており、インクに対して非常に高い保持力を長期間発揮
できるものである。
【0018】超親水性繊維8としては、上記のように図
2(a)に示す構造のものの他、図示しないが、ポリア
ミド繊維若しくはビニロン繊維等から形成することも可
能である。異形断面の超流動性繊維9は、例えば図2
(b)に示すように、断面が十字形又はT字形の繊維で
ある。超流動性繊維9はこのように物理的に表面積を大
きくしたこと、更にそれぞれの断面形状で90度(27
0度)の交点を有することにより毛細管現象を強め、イ
ンクの吸い上げ等に優れた威力を発揮する。
【0019】上記のようにインク保持制御部(B)の中
綿を親水基をもった超親水性の繊維群8と、異形断面を
有し且つインクに対する超流動性があって親水基をもた
ない繊維群9とを略均一に組み合わせ、熱融着等により
融着綿としたものである。流動性が弱い親水基を持たな
い繊維群18は、詳細には図示していないが、中央がポ
リプロピレンでその外周に低融点のポリプロピレンを配
した繊維からなる。このような、繊維群18がインク保
持制御部(B)の中綿の外周に巻かれているが、繊維群
18の各繊維の周囲が低融点のポリプロピレンからなる
ことによりこれらが熱溶融して結合し繊維群18が全体
としてフィルムのように中綿の外周に巻きつけられ、中
綿の形状を安定なものとしている。流動性が弱い親水基
を持たない繊維群18としては、上記のように、中央が
ポリプロピレンでその外周に低融点のポリプロピレンを
配した繊維からなるものではなく、単なるフィルムによ
って中綿の外周を巻き付けることでも可能である。
【0020】インク保持制御部(B)の中綿は、一例と
して、超親水性繊維8を20〜30部、異形断面の超流
動性繊維9を40〜60部、の割合で組み合わせるのが
好適で、各繊維が概ね筆記具の軸方向に延在するように
略円筒形とし、更に、その外周に流動性が弱い親水基を
持たない熱融着しやすい前述の繊維群18を10〜40
部配して束ねたものである。
【0021】インク保持制御部(B)のペン先部(C)
には、一方の面がインク保持制御部(B)の中綿に接す
るようにかつ他方の面がペン先14に接するように親水
性不織布10が設けられ、更に溌水性不織布11がこの
親水性不織布10他方の面に接し且つペン先14が貫通
するように設けられる。ペン先14は筒状のペン先保持
部12の軸方向の孔に挿入されて保持され、ペン先保持
部12の孔の内側には軸方向の空気流通溝15が設けら
れている。このような空気流通溝15は、例えばペン先
保持部12の孔の内側に1つ又は複数の、軸方向の突条
(図示せず)を設けておき、この孔にペン先14を圧入
することにより、突条の両側部分の軸方向隙間の部分を
空気流通溝15とすることができる。13はペン先保持
部12に嵌合するキャップ、16はキャップ内の空気で
ある。
【0022】上述のように、本発明では、インク保持制
御部(B)の中綿を親水基をもった超親水性の繊維群8
と、異形断面を有し且つインクに対する超流動性があっ
て親水基をもたない繊維群9と組み合わせて構成するこ
とにより、使用時、インク貯蔵部(A)のインクは、イ
ンク・空気流出入細管4、及び水性不織布又はスポンジ
6を通り、中綿の超流動性繊維9の強力な毛細管現象に
よりこれらの超流動性繊維群9に沿って速やかに親水性
不織布10側へと流れ、ペン先14へと達する。この
間、空気は空気流通溝15、溌水性不織布11、親水性
不織布10、空気流出入細管7、インク・空気流出入細
管4を通り筐体1へ流入する。その後はインクは超親水
性繊維群8へと移行するが、超親水性繊維群8と超流動
性繊維群9とのインクの移動能力の差により、親水性不
織布6及び10の両者がインクで飽和状態となっても、
超親水性繊維群8のインク保持力にはまだ余裕がありイ
ンクを十分保持することができる。
【0023】空気流出入細管7は一端で親水性不織布6
に接し他端で親水性不織布10に密着しているので、両
者の圧力差、即ち両者のインク飽和状態の如何により、
空気の流通が制御される。即ち、親水性不織布6及び1
0側の両者が飽和状態に近づくと、自動的に空気流通が
遮断され、これにより、ペン先14に沿った空気流通溝
15の空気流通も遮断される。したがって、キャップ1
3内の空気16の流入が遮断されその結果としてペン先
14のインクの状態を常に良好に保つことができる。
【0024】また、溌水性不織布11はペン先14に沿
った空気流通溝15の空気を障害なく親水性不織布1
0、空気流出入細管7、親水性不織布6、インク・空気
流出入細管4へと流すことを確保し、ペン先14への漏
れ出しを防止する。なお、筆記時の使用者の体温により
筐体1内の圧力が上昇した場合、又はキャップ13を下
向きの状態で室温が上昇した場合、その他筐体1内の空
気の圧力の上昇によって多少のインクが制御機構である
中綿へ移動することがあるが、このような圧力上昇によ
るインクの移動があっても、超親水性の繊維群8のイン
ク保持能力で十分カバーできるように設計されている。
【0025】また、長時間ペン先14が上向きとなるよ
うに保管されていても、超親水性の繊維群8のインク保
持能力で直ちに快適な筆記特性が得られる。図3は本発
明の他の実施形態を示すものである。図1と同一又は対
応する部分は同一の符号で示し、詳しい説明は省略す
る。図3の実施形態では、異形断面の繊維群9に代え
て、通常の円形断面の非親水性の繊維群9′を用いた。
【0026】インク保持制御部Bの中綿によるインク流
量制御機構において、図1に示した親水基(OH基)を
もった超親水性繊維8は水性、又はアルコール性のイン
クに対して親和力が強くインクはしっかりと繊維に馴染
むことができる。それに比較して親水基を持たない異形
断面の繊維9は本質的には水性、又はアルコール性のイ
ンクに対する親和性が悪くその繊維の断面形状又は繊維
束の収束密度による毛細管現象によってこれらのインク
はその繊維の周辺に存することとなる。
【0027】従って重力その他の物理的な要因によりイ
ンクの移動が行われ、図1に示した異形断面の繊維9の
インクの移動性には劣るものの通常の円形断面の繊維
9′においてもその性質が非親水基の繊維であれば程度
の差こそあれ図1の実施形態に述べた作用は行われる。
また、図1の実施形態においては、親水基を持った繊維
8と異形断面の非親水基の繊維9を合糸して繊維束から
成る中綿を作りその両端に不織布6,10を接触させ中
に通気の細管を入れた状態として高能率の構造としたが
それに準ずる方法として、図3に示すように、中綿の両
端に親水性不織布6,10を設けず、その代わりに、親
水基を持った繊維群8と非親水基繊維群9′を合糸した
中綿を両端部で先端程径の小さくなったテーパ部21,
22を有する円筒容器20に挿入し、中綿の両端をテー
パ状に絞るようにした。このように、中綿の両端を絞る
ことにより両端部の繊維密度を高め、これによりインク
の飽和度を高め空気の流通を遮断してインクの流通制御
を行うようにしている。
【0028】図4は図1に示した実施形態における、イ
ンク保持制御部(B)の中綿に、親水基を持たない融着
し易い繊維30を加えたものである。超親水性繊維8及
び超流動性繊維9については、図1の実施形態のものと
同様の繊維を用いる。ただし、図4の実施形態では、超
親水性繊維8を10〜40部、超流動性繊維9を10〜
30部、親水基を持たない融着し易い繊維30を10〜
30部、略均一に混在させ且つ束ね、中綿全体としての
気孔率を75〜95%となるように設定し、この繊維を
湿熱と乾熱とにより繊維束に整形し、一部に空気流出入
用の細管7を挿入する。この空気流出入用細管7は図1
の実施形態のものと同様のものを用いることができる。
【0029】図5は図4に示した実施形態の中綿の各繊
維の断面を示すもので、(a)は超親水性繊維8の断面
形状で図2(a)に示すものと同様であり、(b)は超
流動性繊維9の断面形状で図2(b)に示すものと同様
である。(c)は親水基を持たない融着し易い繊維30
であって、例えば、中央がポリエステルの芯30aで外
周に低融点のポリエステル30bを配した繊維を用い
る。このような表面が融着し易い層を有する繊維30
は、例えば、クラレ株式会社製の「ソフィット」(登録
商標)として市販されているものを用いることができ
る。
【0030】この実施形態では、表面に融着し易い層を
具備する繊維30が中綿に混在されているので、中綿を
湿熱と乾熱とにより繊維束に整形する際、繊維30の表
面が溶融して超親水性繊維8及び超流動性繊維9間の結
合し易くなり、繊維束としての中綿の整形が容易とな
り、形態の整った中綿を製造することができる。他の構
造や作用は図1に示した実施形態と同様である。
【0031】以上、添付図面を参照して本発明の実施形
態について詳細に説明したが、本発明は上記の実施形態
に限定されるものではなく、本発明の精神ないし範囲内
において種々の形態、変形、修正等が可能であることに
留意すべきである。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
インク保持制御部の中綿を、親水基をもった超親水性の
繊維群(8)と、インクに対する超流動性があって親水
基をもたない繊維群(9)とを組み合わせて構成したこ
とにより、超流動性があって親水基をもたない繊維群
(9)による毛細管作用によりインクは速やかにペン先
部(C)の側に移動する一方で、親水基をもった超親水
性の繊維群(8)の側にも徐々に移行し、ここにインク
が一時的に保持され、インク流量の調整が図られる。筆
記具の非使用時においても親水基をもった超親水性の繊
維群(8)にはインクが保持されているので、筆記開始
時点におけるインクの追随性が良好となる。これによ
り、安価で且つ簡単な構造で且つインクの流動性に優れ
た筆記具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインク自動流出制御機能を有する筆記
具の一実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の筆記具にて使用する親水基をもった超
親水性の繊維(8)と、異形断面を有する親水基をもた
ない繊維(9)の断面図である。
【図3】本発明のインク自動流出制御機能を有する筆記
具の他の実施形態を示す断面図である。
【図4】図1の実施形態に類似する他の実施形態の筆記
具を示す断面図である。
【図5】親水基をもった超親水性の繊維(8)、異形断
面を有する親水基をもたない繊維(9)の断面図、及び
表面に融着し易い層を具備する繊維(30)の断面図で
ある。
【符号の説明】
A…インク貯蔵部 B…インク保持制御部(B) C…ペン先部 1…インク貯蔵筐体 2…インク 3…筐体内空気 4…インク・空気流出入細管 5…インク室隔壁 6…親水性不織布又はスポンジ 7…空気流出入細管 8…親水基をもった繊維 9…異形断面の親水基をもたない繊維 9′…円形断面の非親水性繊維 10…親水性不織布 12…ペン先保持部 13…キャップ 14…ペン先 15…空気流通溝 16…キャップ内空気 18…ポリプロピレン繊維 20…両端テーパ状の円筒容器 21,22…テーパ部 30…表面に融着し易い層を具備する繊維

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを液体の状態で貯蔵するインク貯
    蔵部(A)とペン先部(C)との間に、インク貯蔵部か
    らのインクを一時的に保持すると共にインクの流量を制
    御してペン先部へ供給するインク保持制御部(B)を設
    け、該インク保持制御部は、少なくとも、親水基をもっ
    た超親水性の繊維群(8)と、インクに対する超流動性
    があって親水基をもたない繊維群(9,9′)と、流動
    性が弱い親水基を持たない繊維群(18)とを組み合わ
    せて構成された中綿を有することを特徴とする、インク
    の自動流出調整機能を有する筆記具。
  2. 【請求項2】 インク貯蔵部(A)とインク保持制御部
    (B)との間の隔壁(5)に設けた開口にインク及び空
    気を流通させる高密度繊維束からなる細管(4)を圧入
    し、隔壁(5)のインク保持制御部(B)の中綿側に前
    記細管(4)が密接又は貫通するように親水性不織布又
    はスポンジ(6)を設け、 インク保持制御部(B)のペン先部(C)には、インク
    保持制御部(B)の中綿に接する親水性不織布(10)
    及びペン先(14)が貫通する溌水性不織布(11)を
    前記親水性不織布(10)に接するように設けたことを
    特徴とする請求項1に記載の筆記具。
  3. 【請求項3】 インク保持制御部(B)の中綿は、超親
    水性繊維(8)を20〜30部、超流動性繊維(9,
    9′)を40〜60部、略々均一に混在させその外周に
    流動性が弱い親水基を持たない繊維群(18)を10〜
    40部配し束ねたものであることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の筆記具。
  4. 【請求項4】 インク保持制御部(B)の中綿は、更に
    親水基を持たない融着し易い繊維(30)を含み、前記
    超親水性繊維(8)を20〜30部、前記超流動性繊維
    (9)を20〜30部、前記親水基を持たない融着し易
    い繊維(30)を20〜30部、略均一に混在させ、そ
    の外周に流動性が弱い親水基を持たない熱融着しやすい
    繊維群(18)を10〜40部束ねたもので、気孔率が
    75〜95%となるように加熱整形したものであること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の筆記具。
  5. 【請求項5】 インク保持制御部(B)の中綿の内部
    に、一端がインク貯蔵部(A)側の親水性不織布又はス
    ポンジ(6)とに接続し、他端がペン先部(C)側の親
    水性不織布(10)に接続するように、筆記具の軸方向
    に延びる空気流通用細管(7)を設けたことを特徴とす
    る請求項2に記載の筆記具。
  6. 【請求項6】 超親水性繊維(8)はポリエステル繊維
    の外周に親水基をもった樹脂をコーティングして形成さ
    れ、又はポリアミド繊維若しくはビニロン繊維等から形
    成され、超流動性繊維(9)は断面が十字形又はT字形
    の異形断面を有する繊維であることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか1項に記載の筆記具。
  7. 【請求項7】 超親水性繊維(8)はポリエステル繊維
    の外周に親水基をもった樹脂をコーティングして形成さ
    れ、又はポリアミド繊維若しくはビニロン繊維等から形
    成され、超流動性繊維(9)は断面が十字形又はT字形
    の異形断面を有する繊維であり、親水基を持たない融着
    し易い繊維(30)は中央がポリエステルで外周の低融
    点のポリエステルを配した繊維であり、更に流動性が弱
    い親水基を持たない繊維群(18)は中央がポリプロピ
    レンでその外周に低融点のポリプロピレンを配した繊維
    であることを特徴とする請求項4に記載の筆記具。
  8. 【請求項8】 インク保持制御部(B)の中綿は、略円
    柱形状となるように束ねられたものであることを特徴と
    する請求項1〜7のいずれか1項に記載の筆記具。
  9. 【請求項9】 インク保持制御部(B)の中綿は、軸方
    向の中央部では略円柱状で両端において径が小さくなる
    ように絞られたものであることを特徴とする請求項1〜
    7のいずれか1項に記載の筆記具。
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