JP2002172739A - 透湿防水性シートおよび壁構造 - Google Patents

透湿防水性シートおよび壁構造

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JP2002172739A
JP2002172739A JP2000370780A JP2000370780A JP2002172739A JP 2002172739 A JP2002172739 A JP 2002172739A JP 2000370780 A JP2000370780 A JP 2000370780A JP 2000370780 A JP2000370780 A JP 2000370780A JP 2002172739 A JP2002172739 A JP 2002172739A
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健 西村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周囲の温度変化にもかかわらず、室内と屋外
との湿度差に応じて外壁構造内で湿度を調整して、外壁
構造内の結露の発生を防止することができる壁構造を、
簡単な施工で形成するために利用できる透湿防水性シー
トを提供すること。 【解決手段】 JIS−A−6930に基づき測定され
た透湿抵抗値が2〜20m2/h/mmHg/gであ
り、厚みが10〜50μmである無孔樹脂フィルムと、
その無孔樹脂フィルムの透湿抵抗値より非常に低い透湿
抵抗値を有する、好ましくはJIS−A−6930に基
づき測定された0m2/h/mmHg/gの透湿抵抗値
を有する補強材シートとを積層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透湿性、防水性、
および機械的強度を兼ね備えた複合シートに関し、さら
に詳しくは、構築物の外壁側と内壁側との湿度差に応じ
て壁構造内の湿度を調整することができる透湿防水性シ
ート、および外壁と内壁との間の防湿層としてその透湿
防水性シートを使用した壁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】住宅等の壁構造は、柱と、柱の内側に配
された内壁と、柱の外側に配された外壁構造とから基本
的に形成され、外壁構造は、柱の外側に配されたハウス
ラップ材と、ハウスラップ材の外側に配され、最外側に
外壁仕上層を備えた外壁材から基本的に形成されてい
る。
【0003】そして、このような外壁構造は、外壁材か
ら内壁内部への漏水を防止するとともに、特に、寒冷地
で冬季に起こる現象である、室内で発生する湿気が内壁
を通過し、外壁構造内部に入り込み、冷たい外気の影響
で結露する現象を防止すること、および蒸暑地で夏季に
起こる壁構造内の結露現象を防止することを目的とした
構造となっている。
【0004】具体的には、透湿抵抗値の高い防湿防水性
シート、例えば、厚さ50〜200μm、JIS−A−
6930に基づく透湿抵抗値が170m2/h/mmH
g/g以上(A種)であるか300m2/h/mmHg
/g(B種)であるポリエチレンシートなどを外壁構造
内の内壁側に貼り付け、室内に全く湿気を通さないよう
にした外壁構造が使用されている。
【0005】また、ハウスラップ材と外壁材との間に、
通常約18mm程度の幅を有する通気層を形成すること
によって、1)外気と内壁とを断熱し、2)空気(室内
から発生する湿気を含む)の流通を可能にし、3)漏水
の内壁内部への侵入を防ぐことができる外壁構造も使用
されている。具体的には、ハウスラップ材の外面に棒材
を用いて形成された横方向に適宜間隔を有する複数列の
胴縁を介して外壁材を取り付けることによって、通気層
を形成することが広く行われている(例えば、実開昭6
3−53412号公報参照)。また、実開昭63−53
412号公報および実公平6−27400号公報には、
通気防水シート表面に網材を取付したハウスラップ材が
記載されている。さらにまた、実開昭60−15270
9号公報には、通気性を有する壁シートの表面に通気孔
を設けたホットメルト樹脂層を形成した壁シートが記載
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
透湿抵抗値の高い防湿防水性シートを防湿層に使用した
外壁構造は、依然として蒸暑地で梅雨期から夏季の高温
高湿時には壁構造内に結露が生じるという問題がある。
【0007】また、従来の通気層を備えた外壁構造にあ
っては、外壁材とハウスラップ材との間に所定の間隔を
設けるために、その間隔に応じた突起部材をハウスラッ
プ材に別個に取り付けなければならず、したがって施工
性が悪いという問題がある。
【0008】したがって、簡単な施工で、しかも要求さ
れる機能を効率的かつ効果的に達成できる外壁構造が強
く望まれている。
【0009】本発明の課題は、周囲の温度変化にもかか
わらず、室内と屋外との湿度差に応じて壁構造内で湿度
を調整して、壁構造内の結露の発生を防止することがで
きる壁構造を、簡単な施工で形成するために利用できる
透湿防水性シートを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
課題を解決するために、透湿抵抗値が低い無孔樹脂フィ
ルムと、その無孔樹脂フィルムの透湿抵抗値よりもはる
かに低い透湿抵抗値および優れた機械的強度を有する補
強材シートを積層することにより、室内と屋外との湿度
差が徐々に平衡になるように、室内から屋外へと壁構造
内で水蒸気圧を徐々に下げて湿度勾配を形成できる透湿
防水性シートを提供でき、このような透湿防水性シート
を使用することにより、周囲の温度変化にもかかわら
ず、結露の発生を防止することができ、しかも施工が簡
単な壁構造を形成できることを見出した。
【0011】すなわち、本発明の透湿防水性シートは、
JIS−A−6930に基づき測定された透湿抵抗値が
2〜20m2/h/mmHg/gであり、厚みが15〜
30μmである無孔樹脂フィルムと、無孔樹脂フィルム
の透湿抵抗値より低い透湿抵抗値を有する補強材シート
とが積層されて成る透湿防水性シートであって、透湿防
水性シートは、JIS−Z−0208(修正法)によ
り、40℃および90%RHの条件下で測定された透湿
度が100〜200g/m3・24hrであることを特
徴とする。
【0012】また、他の形態の透湿防水性シートは、J
IS−A−6930に基づき測定された透湿抵抗値が2
〜20m2/h/mmHg/gであり、厚みが15〜3
0μmである無孔樹脂フィルムと、JIS−A−693
0に基づき測定された透湿抵抗値が実質的に0m2/h
/mmHg/gである補強材シートとが積層されて成る
ことを特徴とする。
【0013】さらに、他の形態の透湿防水性シートは、
上記いずれかの透湿防水性シートにおいて、その無孔樹
脂フィルムがポリエチレンフィルムまたはポリビニルア
ルコールフィルムであることを特徴とする。
【0014】さらにまた、他の形態の透湿防水性シート
は、上記いずれかの透湿防水性シートにおいて、その補
強材シートが熱可塑性樹脂フィラメントから成るスパン
ボンド不織布であることを特徴とする。
【0015】また、本発明の他の形態である壁構造は、
内壁材と外壁材との間に防湿層を具える壁構造であっ
て、その防湿層は、無孔樹脂フィルムが内壁材に対向し
て配置された上記のいずれかの透湿防水性シートである
ことを特徴とする。
【0016】さらにまた、他の形態の壁構造は、上記の
壁構造において、外壁材が、断熱材を具え、補強材シー
トがその断熱材に接して配置されたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の透湿防水性シートに用い
られる樹脂フィルムは、防水性および透気性を兼ね備
え、さらにJIS−A−6930に基づき測定された透
湿抵抗値が2〜20m2/h/mmHg/gであり、厚
みが15〜30μmである無孔の樹脂フィルムである。
【0018】フィルムの透湿抵抗値が上記の範囲外にな
ると、壁構造内で適当な湿度勾配を形成することができ
ない。本発明により特定した透湿抵抗値の範囲内であっ
て、壁構造の具体的な構造、組み合わせる補強材シート
の透湿抵抗値および厚さなどを考慮して、壁構造内で湿
度勾配を形成できるように適当な透湿抵抗値を有するフ
ィルムが選択されるが、好ましくは、透湿抵抗値が10
2/h/mmHg/gである。
【0019】また、フィルムの厚さは10〜50μmで
あり、好ましくは15〜30μmである。厚さが10μ
mより薄いと、外壁構造に使用するときに均一性及び強
度が不十分で破れが生じ易い。一方、50μmを超える
と補強材シートを積層して得られるシートとしての透湿
性を損ない、また作業性およびコストの面からも好まし
くない。
【0020】フィルムの耐水度は、JIS−L1092
における耐水度試験方法A法(低水圧法)静水圧法によ
り測定され、好ましくは300mmH2O以上、さらに
好ましくは500mmH2O以上である。
【0021】フィルムを構成する樹脂としては、熱可塑
性樹脂であり、具体的には、ポリオレフィン系樹脂、ポ
リビニルアルコール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ
アミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹
脂などを挙げることができる。このような熱可塑性樹脂
から公知の製膜技術によりフィルム化され、ついで延伸
されることにより製造される。市販のフィルムとして
は、日本合成化学工業株式会社製ボブロン(商品名)な
どを例示できるが、これに限定されるものではない。
【0022】本発明の透湿防水性シートに用いられる補
強材シートは、無孔樹脂フィルムが有する透気性および
防水性を阻害せず、機械的強度に優れたシートであり、
さらに、JIS−A−6930に基づき測定された透湿
抵抗値が、無孔樹脂フィルムのそれよりも低い。その透
湿抵抗値が無孔樹脂フィルムの透湿抵抗値より低くない
と、壁構造内に湿度勾配を形成することができない。補
強材シートは、無孔樹脂フィルムの透湿抵抗値が上記の
範囲内であり、得られた透湿防水性シートの透湿度が、
JIS−Z−0208(修正法)により、40℃および
90%RHの条件下で測定されたときに、100〜20
0g/m3・24hrとなるように、選択される。補強
材シートの透湿抵抗値は、低いほど好ましく、実質的に
0m2/h/mmHg/gであることが最も好ましい。
【0023】具体的には、透湿抵抗値が上記の要求を満
足する不織布、合成繊維紙、織物、および樹脂含浸され
た織物、編物、不織布などの樹脂含浸繊維体が挙げられ
る。
【0024】不織布としては、短繊維を用いて抄紙し、
エマルジョンタイプの結合剤または熱カレンダーによる
熱接着によって繊維同士を結合した化合繊維、ポリエス
テル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリア
ミド、ポリアクリロニトリル等の合成繊維、レーヨン、
アセテート等の化学繊維、および綿、麻等の天然繊維な
どからなるステープルから製造された乾式不織布および
紡糸直結不織布のいずれも本発明において使用すること
ができる。乾式不織布は、ステープルからウエブを形成
し、形成されたウエブを樹脂接着、ニードルパンチ、ス
テッチボンド、サーマルボンドまたはスパンレース法の
いずれかによって接着して布帛とした不織布である。紡
糸直結不織布は、ステープルを形成すると同時に不織布
を作る直接紡糸法によって押し出されたフィラメントや
フィルムを延伸あるいはフラッシュしながらウエブとし
た不織布であり、その具体的な方法としては、スパンボ
ンド法、フラッシュ法、メルトブロー法を挙げることが
できる。不織布の目付は、外壁用材料としての強度を左
右し、目付が不足すると破れ易くなり、一方、多すぎる
と厚みが増して作業性が悪くなる。したがって、20〜
100g/m2が好ましく、45〜90g/m2がさらに
好ましい。
【0025】スパンレース不織布としては、例えば、ポ
リエステル短繊維を用いて、高圧水流で繊維を絡み合わ
せて機械的に結合させた、引張強度、引裂強度および耐
水圧は小さいが、吸水性、透湿性および柔軟性に優れた
特徴を有するスパンレース不織布が特公平3−7366
5号公報に記載されている。
【0026】スパンボンド不織布としては、例えば、ポ
リプロピレンフィラメントを用いた自己接着で結合され
た、引張強度、引裂強度および透気性が大きいが、耐水
圧、吸水性および柔軟性について他の不織布と比べ相対
的に劣る特徴を有するスパンポンド不織布が特公昭55
−421175号公報に記載されている。本発明におい
て使用する補強材シートとしては、スパンボンド不織布
が好ましく、リサイクル性、化学安定性、廃棄処理の問
題を考慮すると、ポリプロピレンから成るスパンボンド
不織布がさらに好ましい。市販のスパンボンド不織布と
しては、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アン
ド・カンパニー製の「ザーバン(登録商標)」、「タイ
ベック(登録商標)」などを挙げることができるが、こ
れに限定されるものではない。
【0027】フラッシュ紡糸不織布としては、例えば、
繊維形成性ポリマーのポリオレフィンと紡糸時にガス化
する溶剤を用いて、ポリマーを延伸しながら固化するこ
とにより極細の繊維要素からなる網状の連続繊維を結合
した、高強度で強靭、高耐水圧、透湿性、通気性を有す
るフラッシュ紡糸不織布が特公昭40−28125号公
報、特公昭41−6215号公報、特公昭42−195
20号公報および特公昭43−21112号公報に記載
されている。
【0028】メルトブロー紡糸不織布の具体例は、疎水
性重合体組成物を通常のメルトブロー紡糸装置を用いて
溶融し、溶融重合体の一定量をダイから吐出させ、その
溶融重合体を高圧気体流で平均繊維直径約0.1〜5.
0μmの極細繊維流として紡出・搬送し、その繊維流を
捕集体に集積することにより製造されたメルトブロー極
細繊維不織布である。この不織布の重量は、単一不織布
で使用する場合は平均重量30〜500g/mであ
り、他の高通気性シートと積層して使用する場合は平均
重量15〜200g/mである。得られた不織布は少
なくとも一面をカレンダー掛け、プレスあるいは熱プレ
スなどの処理を施して緻密化あるいは部分融着し、必要
に応じて耐水度を高めるための処理剤を付与して高耐水
性不織布シートとする。本発明において、透湿防水性シ
ートとして使用される合成繊維紙とは、直径0.1〜
5.0mmの極細短繊維あるいはパルプ状物と合成繊維と
からなるものであって、抄紙後、熱圧カレンダー加工に
より製造されたシート材である。さらに、合成繊維紙に
は、そのようなシート材に、防水性を向上させる撥水剤
および樹脂剤、耐候性を向上させる紫外線吸収剤および
光安定剤、耐久性を向上させる酸化防止剤、表面保護剤
等の薬剤や樹脂を塗布してなるもの、およびシート材を
構成する成分にこのような添加剤を含有させて製造した
シート材も含まれる。
【0029】本発明において、透湿防水性シートとして
使用される樹脂含浸繊維体の例としては、特公昭60−
47955号公報に透湿性、防水性コーティング生地
が、特公平5−85672号公報には不織布にフィラー
を含んだ熱可塑性樹脂をコーティングし、成膜後カレン
ダー加工して得られる通気性防水性不織布が開示されて
いる。
【0030】無孔樹脂フィルムと補強材シートとは、両
者の組み合わせによって決定される透湿抵抗特性を損な
わない公知の方法によって接合されて透湿防水性シート
が形成される。接合の一般的方法としては、縫製、ドッ
ト接着、全面接着、超音波接着、熱融着等がある。さら
にまた、ホットメルト剤の押し出し筋ラミネート法、ス
プレー法、押し出しポーラスコート法、ホットメルト剤
の粉体散布・熱固着法なども利用することができる。好
ましい接合方法は、ホットメルト剤をドット接着するス
プレー法である。
【0031】樹脂フィルムと補強材シートとは、補強材
シート上に、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポ
リアミドなどの熱可塑性樹脂を公知の方法により直接塗
工することにより、積層されて、透湿防水性シートが形
成されてもよい。
【0032】本発明の透湿防水性シートの厚さは、好ま
しくは150〜400μmである。150μmより薄い
と破れが生じやすく、400μmを超えると重ね合わせ
部分の気密性の確保が困難により、高気密性住宅を実現
に適さない。
【0033】本発明の透湿防水性シートの透湿性は、J
IS−Z−0208(修正法)により、40℃および9
0%RHの条件下で測定された透湿度が100〜200
g/m2・24hrである。この範囲から外れると、壁
構造の防湿層として利用した場合には、室内から屋外へ
と湿度勾配を形成することができず、したがって、湿度
が徐々に平衡になるように水蒸気圧を下げることができ
なくなり、特に蒸し暑い夏季には壁構造内で結露が生じ
てしまう。
【0034】本発明の透湿防水性シートを外壁構造に使
用する場合には、直接雨に曝されることがないため、耐
水度は特に制限されないが、直接雨に曝されるような用
途に使用する場合には、耐水度試験JIS L−109
2A法(低水圧法)により測定される耐水度は2000
mmH2Oであることが必要となる。
【0035】本発明の透湿防水性シートは、その使用目
的に応じて適当な強度を有することが必要である。外壁
構造に使用する場合には、JIS−A−6930により
測定されたつづら針保持強さが2.5/1.9Kgfで
あることが好ましい。さらに、アルカリ浸漬後にJIS
−A−6930により測定された強度の、当初のつづら
針保持強さに対する保持率も80%以上であることが好
ましい。
【0036】本発明の他の形態である壁構造は、内壁材
と外壁材との間に防湿層として上記の透湿防水性シート
を具える。透湿防水性シートは、その無孔樹脂フィルム
が内壁材に対向して配置される。好ましくは、外壁材が
断熱材を具え、そして透湿防水性シートの補強材シート
をその断熱材に接して配置する。
【0037】好ましい壁構造は次のとおりである。柱、
門柱などによって形成される壁空間にグラスウールなど
の断熱材を充填し、その内面側に内装材を貼る際に、内
装材の裏面に無孔樹脂フィルムが接するように透湿防水
性シートを配置し、ついで透湿防水性シートの補強材シ
ートが断熱材に接するように配置し、断熱材の表面に、
順次、防風紙、モルタル下地材を張設し、さらにラス網
を取り付けた後にモルタルを塗ることにより壁構造が形
成される。この壁構造を一体的に固着する方法は、タッ
カー止めまたは接着止めが一般的に採用されている。ま
た、断熱材に予め断熱材より大きいサイズの透湿防水性
シートを上述のように配置し、取り付け、先に述べた壁
空間に断熱材を充填する際に、そのシートがその端部で
重なるように配置した後、タッカーなどの方法で壁構造
に固定する方法を使用することもできる。モルタル下地
材としては、吸水性がなく、モルタルとの接着強度が大
きく、そして優れた針穴シール性を有して、外壁構造全
体の防水性を高めることができるものであれば、公知の
いかなるものを使用してもよい。また、窓開口部の回り
は、防水テープ貼りにミスがあった場合等、雨水の浸入
が起こり易い場所であるため、公知の市販されている3
次元対応防水シートを使用して、水漏れを完全に防ぐこ
とが好ましい。
【0038】本発明の透湿防水性シートは、これによっ
て隔てられた温度および湿度の異なる内側と外側との間
で湿度勾配を形成し、湿度が高い側から低い側へと湿度
が徐々に平衡するように水蒸気圧を下げることができ
る。したがって、壁構造に限られず、このような機能を
必要とする構造物、例えば、屋根構造において、本発明
の透湿防水性シートを使用することもできる。
【0039】
【実施例】本発明を以下に実施例を挙げてさらに具体的
に説明するが、本発明は本実施例にのみ限定されるもの
ではない。
【0040】以下の例において使用された無孔樹脂フィ
ルム、補強材シート、および透湿防水性シートの物性の
測定方法は次のとおりである。 A.耐水圧 JIS L−1092 4.1.1.A法(低水圧法)
により測定した。 B.透湿度 JIS Z−02081法により測定条件40℃、90
%RHの下で測定した。 C.透湿抵抗値 JIS A−6930法により測定した。 D.つずら針保持強さ JIS A−6930法により測定した。 E.アルカリ浸漬後の強度 JIS A−6930法により測定した。
【0041】(実施例1〜2)無孔樹脂フィルムとして
透湿度が100〜200g/m2・24hrである日本
合成化学工業株式会社製のポリビニルアルコールフィル
ム(15μm厚)を用い、そして補強材シートとしてデ
ュポン社製のポリプロピレンスパンボンド不織布「ザバ
ーン(登録商標)」(秤量45g/m2)を用いて、ポ
リウレタン系ホットメルト剤のドット状接着(固形分付
着量5〜10g/m2)により両者を接合して積層体
(透湿防水性シート)を製造した。得られた複合シート
の目付は84g/m2であり、柔軟性および強靭性を兼
ね備えていた。また、透湿抵抗値は10m2/h/mm
Hg/gであり、透湿度は127.5g/m2/24h
rであり、耐水圧は2000mmH2O以上であった。
透湿防水性シートの物性を表1に示す。
【0042】このようにして得られた透湿防水性シート
を防湿層として用い、表2に示す内装材、100mm厚
のグラスウール断熱材、防風紙、外装材と順次組み合わ
せて、約25mm程度の幅を有する通気層を防風紙と外
装材との間に設けた壁構造を形成した。
【0043】形成された壁構造を、1998年7月から
2000年3月までの期間、茨城県土浦市に建築した木
造住宅において使用し、夏型結露および冬型結露の発生
を観察した結果、いずれの結露も全く起こらなかった。
【0044】(実施例3〜4)実施例1と同様に複合シ
ートを製造した。得られた複合シートを防湿層として用
い、表3に示す内装材、100mm厚のグラスウール断
熱材、防風紙、外装材と順次組み合わせて、通気層を有
さない壁構造を形成した。
【0045】形成された壁構造を用いて、実施例1と同
様に、夏型結露および冬型結露の発生を観察した結果、
いずれの結露も全く起こらなかった。
【0046】(比較例1〜3)防湿層として15μm、
透湿度9.4g/m2/24hrであるポリエチレンフ
ィルムを使用した以外は、実施例1と同様に通気層を有
する外壁構造を形成した。
【0047】形成された壁構造を用いて、実施例1と同
様に、夏型結露および冬型結露の発生を観察した結果、
夏型の結露も冬型の結露も観察された。
【0048】(比較例4〜6)防湿層として15μm、
透湿度9.4g/m2/24hrであるポリエチレンフ
ィルムを使用した以外は、実施例3と同様に通気層を有
さない壁構造を形成した。
【0049】形成された壁構造を用いて、実施例1と同
様に、夏型結露および冬型結露の発生を観察した結果、
夏型の結露も冬型の結露も観察された。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】表中に記載した記号または商品名、および
その製造者は以下のとおりである。 PV−100:(株)マグ製グラスウール、商品名マグ
シルバーポリカット タイベック:商品名、デュポン社製フラッシュスパン不
織布「タイベック(登録商標)」 センチュリボード:商品名、三井木材工業(株)製硬質
木片セメント板 ニチハボード:商品名、ニチハ製硬質繊維板 ダイライト:商品名、大建工業製火山性ガラス質複層板
【0054】
【発明の効果】本発明による透湿防水性シートは、これ
によって隔てられた温度および湿度の異なる内側と外側
との間で湿度勾配を形成し、湿度が高い側から低い側へ
と湿度が徐々に平衡するように水蒸気圧を下げることが
できる。したがって、内壁材と外壁材との間に、この透
湿防水性シートから成る防湿層を設けることにより、工
法や地域の気候にかかわらず結露の問題が生じない、施
工も簡単な壁構造を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 健 東京都中央区日本橋本町4丁目8番14号 株式会社マグ内 (72)発明者 鎌田 紀彦 北海道室蘭市天神町8番11号 Fターム(参考) 2E001 DA01 DB04 FA03 GA03 GA06 GA23 GA24 GA27 GA28 HD11 HF11 JC06 JC07 JC08 4F100 AK01A AK04A AK21A AT00B BA02 BA10A BA10B BA26B DG15B GB07 JA20A JD04 JD04A JD04B JD05 YY00 YY00A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 JIS−A−6930に基づき測定され
    た透湿抵抗値が2〜20m2/h/mmHg/gであ
    り、厚みが10〜50μmである無孔樹脂フィルムと、
    該無孔樹脂フィルムの透湿抵抗値より低い透湿抵抗値を
    有する補強材シートとが積層されて成る透湿防水性シー
    トであって、JIS−Z−0208(修正法)により、
    40℃および90%RHの条件下で測定された透湿度が
    100〜200g/m3・24hrであることを特徴と
    する透湿防水性シート。
  2. 【請求項2】 JIS−A−6930に基づき測定され
    た透湿抵抗値が2〜20m2/h/mmHg/gであ
    り、厚みが10〜50μmである無孔樹脂フィルムと、
    JIS−A−6930に基づき測定された透湿抵抗値が
    実質的に0m2/h/mmHg/gである補強材シート
    とが積層されて成ることを特徴とする透湿防水性シー
    ト。
  3. 【請求項3】 前記無孔樹脂フィルムがポリエチレンフ
    ィルムまたはポリビニルアルコールフィルムであること
    を特徴とする請求項1または2に記載の透湿防水性シー
    ト。
  4. 【請求項4】 前記補強材シートが熱可塑性樹脂フィラ
    メントから成るスパンボンド不織布であることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の透湿防水性シー
    ト。
  5. 【請求項5】 内壁材と外壁材との間に防湿層を具える
    壁構造であって、前記防湿層は、前記無孔樹脂フィルム
    が内壁材に対向して配置された請求項1〜4のいずれか
    に記載の透湿防水性シートであることを特徴とする壁構
    造。
  6. 【請求項6】 前記外壁材は、断熱材を具え、前記補強
    材シートが該断熱材に接して配置されたことを特徴とす
    る請求項5に記載の壁構造。
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