JP2002172507A - ドライ切削用ドリル及び穴加工方法 - Google Patents

ドライ切削用ドリル及び穴加工方法

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JP2002172507A
JP2002172507A JP2000369878A JP2000369878A JP2002172507A JP 2002172507 A JP2002172507 A JP 2002172507A JP 2000369878 A JP2000369878 A JP 2000369878A JP 2000369878 A JP2000369878 A JP 2000369878A JP 2002172507 A JP2002172507 A JP 2002172507A
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drill
cutting
dry
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line passing
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JP2000369878A
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Yoshihiro Kondo
芳弘 近藤
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Moldino Tool Engineering Ltd
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Hitachi Tool Engineering Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一般構造用鋼、ダイス鋼の様な被削材の穴明
け加工に際して、ドライ切削で行うと共に、先端切れ刃
からカールするまでの刃溝の形状に着目し遷移切断型の
切り屑を安定して生成させ、耐久性に優れたツイストド
リルを提供することを目的とする。 【構成】 ドライ切削用の被覆ドリルにおいて、該ドリ
ルの軸直角断面視で、刃先と刃先を結ぶ仮想線上に、刃
先を通る垂線と、刃溝と心厚の接する点を通る垂線を引
き、この距離をドリル径の35〜45%、該刃先を通る
垂線と凹状の最奥部を通る垂線との距離をドリル径の4
5〜55%としたことを特徴とするドライ切削用ドリル
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、水溶性切削油を使わ
ずに、ドライにて穴明け加工を行うドリルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、穴明け加工用にも水溶性切削油を
用いないドライ加工が行われるようになっている。例え
ば、特開2000−198011号公報では、ツイスト
ドリルのリーディングエッジの強度を高め、ドライ加工
時に生ずるリーディングエッジに欠けを防止するドリル
が提案されている。また、上記潤滑性を皮膜の面から検
討した例として、特開2000−233324号公報に
は、皮膜に潤滑性があるMO(金属酸化物)膜とする提
案もある。更に、ドライ用の穴明け工具として、構造用
鋼〜高硬度鋼を切削する際、切り屑の排出が問題とな
る。切り屑の排出は、水溶性切削油を用いたときには、
切削油の流れに乗るようなかたちで切り屑排出が行われ
るため、遷移切断型と称される分断された切り屑を形成
すれば良かった。それに対し、ドライ切削では、切削油
の流れがなく、また、切削油の冷却効果、潤滑性もない
こと等より、切り屑排出にも検討を要するが、上記公報
には切り屑等の課題は記載されていない。
【0003】また、切り屑形態の面から、特許2674
124号には、切り屑排出溝の形状を、切刃の外周端縁
にこの端縁と上記ドリル本体の軸線とを結んだ直線と直
交する垂線を引いたときに、この垂線に対して凹となる
形状とし、凹形状、すなわち、刃溝底部の曲率半径を規
定することにより、切り屑を強制的にカールさせてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ツイストドリルの刃先
で生成された切り屑は、切り屑排出溝を擦過しながら、
刃溝底部の曲率でカールされ、切り屑排出溝に沿って上
昇し、ドリル外部に排出される。その際、ドライ加工で
は、穴加工という連続切削のため切削による発熱や、刃
溝等との摩擦による温度の上昇で、更に、温度上昇があ
り、切り屑の形態が変化し、分断されていた切り屑が、
連続する切り屑に変化する。また、水溶性切削油等を用
いる場合には、急速な冷却が行われるため、切り屑自体
の温度は問題とならず、安定した切り屑処理が行われ
る。しかし、ドライ切削では、切り屑温度の上昇による
形態変化が生じることから、分断された切り屑を長期に
亘って生成できないという課題がある。
【0005】上記課題を解決するために、本願発明で
は、一般構造用鋼、ダイス鋼の様な被削材の穴明け加工
に際して、ドライ切削で行うと共に、先端切れ刃からカ
ールするまでの刃溝の形状に着目し遷移切断型の切り屑
を安定して生成させ、耐久性に優れたツイストドリルを
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのため、本願発明で
は、ドライ切削用の被覆ドリルにおいて、該ドリルの軸
直角断面視で、刃先と刃先を結ぶ仮想線上に、刃先を通
る垂線と、刃溝と心厚の接する点を通る垂線を引き、こ
の距離をドリル径の35〜45%、該刃先を通る垂線と
凹状の最奥部を通る垂線との距離をドリル径の45〜5
5%としたことを特徴とするドライ切削用ドリルであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】切り屑自体の温度を低減させるた
めに、刃先から切り屑をカールさせる刃溝底部の凹状部
までの距離をできるだけ短くする。この距離は切り屑が
擦過するだけであるが、カールされた切り屑を排出する
ためのスペース、すなわち溝幅比を考慮しドリル径の3
5〜45%の範囲とした。35%未満では、相対的に刃
溝の幅が狭くなり、切り屑排出のスペースが確保でき
ず、45%を越えると相対的に溝幅比が広くなりすぎる
ため、ドリル径の35〜45%の範囲とした。また、該
刃先を通る垂線と凹状の最奥部を通る垂線との距離をド
リル径の45〜60%としたのは、凹状部の曲率半径と
の兼ね合いもあるが、45%未満では、相対的に凹状部
の曲率半径を小さくしなければならず、曲率半径が小さ
い分、切り屑のカール半径が小さく、強制的になりすぎ
るためである。その反対に、60%を越えると、相対的
に凹状部の曲率半径を大きくしなければならず、曲率半
径が大きい分、切り屑のカール半径が大きくなり、切り
屑が延びてカールされて分断されなくなるため60%以
下とした。
【0008】次に、凹状部の曲率半径としては、刃溝内
に仮想的に1つの円を描けるような半径でよい。心厚と
の兼ね合いもあるが、ドリル径の10〜20%Dが好ま
しい。更に、好ましくは12〜17%Dである。また、
凹状部を刃溝のヒール部まで設けると、切り屑の擦過す
る距離が長くなるため、凹状部のヒール側には凸状部を
設けても良い。凸状部を設けることにより、刃溝のヒー
ル部側では切り屑が擦過しなくなり、余計な熱の発生が
低減される。以下、実施例に基づき、本発明を具体的に
説明する。
【0009】
【実施例】(実施例1)市販の平均粒径0.5ミクロン
のWC粉末と同1ミクロンのCo粉末を用い通常の粉末
冶金法で、組成がCo10%、残WC粉からなるφ8m
mの本発明超硬合金製ツイストドリルを製作した。焼結
後の超硬合金の物性は、硬さHRA92、Coの格子定
数が3.570Å、クラック抵抗が90kg/mmのも
のが得られた。この超硬合金を用いて、2枚刃、外径8
mmのツイストドリルを、軸直角断面視で、刃先を結ん
だ仮想線上に刃先を通る垂線と、刃溝と心厚の接する点
を通る垂線との距離をドリル径の37.5%、該刃先を
通る垂線と凹状の最奥部を通る垂線との距離をドリル径
の50%、刃溝底部の曲率半径を12.5%で製作し、
穴明け加工を行った。尚、被覆はTiAlNで行った。
切削諸元は、ダイス鋼SKD61を切削速度30m/m
in、送り速度0.15mm/revで、穴深さ24m
m(ドリル径の3倍)の穴加工をドライ切削にて行っ
た。寿命は、切り屑等の形状を観察しつつ、一定加工穴
数毎に刃先の損傷状態を確認しつつ行った。
【0010】その結果、本発明例は、切削初期には分断
された切り屑(遷移折断型)が生成され、切り屑排出性
もよく、スムーズな穴加工が行えた。また、穴加工数を
経過するに定常的な摩耗状態となった。この切り屑形態
が100穴加工まで続き、摩耗量も増加したが、切り屑
形態の変化は少なく、排出は良好であった。更に加工を
継続すると、500穴加工で切り屑が連なるようにな
り、ドリル先端部と外周との交叉部の摩耗が大きくな
り、更に継続すると800穴前後で切り屑が分断され
ず、連なるような切り屑なり、絡みつくようになったた
め、寿命と判断した。
【0011】(実施例2)次に、実施例1と同様のドリ
ルを用いて、刃溝と心厚の接する点を通る垂線を引き、
この距離をドリル径の30%、35%、40%、45
%、50%とし、刃溝底部の曲率半径を12.5%一定
で製作した。被削材にSCM440(焼鈍材)を用い
て、切り屑の形態を観察した。切削諸元は、切削速度6
0m/min、送り速度0.2mm/revで、穴深さ
24mm(ドリル径の3倍)の穴加工をドライ切削にて
行った。切り屑形態の判断は、500穴程度までの穴明
け加工でのトラブルの有無により判断し、トラブルのな
いもののみ、試験を継続した。トラブルの有無とは、切
り屑がドリル本体に絡みついたり、切り屑詰まりを生じ
た場合を有りとした。
【0012】その結果、50穴程度までの初期の加工
で、トラブルとなったものは、30%の試料で切り屑詰
まりを生じ折損し、50%の試料で、50穴すぎから切
り屑が延びるようになり、不可と判断した。他の35
%、40%、45%では、500穴までは切り屑の形態
が変化せず、良好な切り屑排出が行えた。更に、試験を
継続し、1500穴まで加工したが、切り屑の形態が変
化せず、良好な切り屑排出が行えた。
【0013】(実施例3)次に、被削材にダイス鋼SK
D61(調質材、HRC45)を用いて、実施例1と同
様のドリルを用いて、該刃先を通る垂線と凹状の最奥部
を通る垂線との距離をドリル径の40%、45%、50
%、55%、60%の試料を作成し、刃溝底部の曲率半
径を12.5%一定で製作した。切削諸元は、切削速度
30m/min、送り速度0.15mm/revで、穴
深さ24mm(ドリル径の3倍)の穴加工をドライ切削
にて行った。切り屑形態の判断は、100穴程度までの
穴明け加工でのトラブルの有無により判断し、トラブル
のないもののみ、試験を継続した。トラブルの有無と
は、切り屑がドリル本体に絡みついたり、切り屑詰まり
を生じた場合を有りとした。その結果、50穴程度まで
の初期の加工で、トラブルとなったものは、60%の試
料で10穴すぎから切り屑が延びるようになり、不可と
判断した。他の40%、45%、50%、55%は、1
00穴までは切り屑の形態が変化せず、良好な切り屑排
出が行えた。更に、試験を継続し、500穴まで加工し
たが、切り屑の形態が変化せず、良好な切り屑排出が行
えた。
【0014】(実施例4)次に、被削材に炭素鋼S50
C(調質材、HRC20)を用いて、実施例1と同様の
ドリルを用いて、凹状の曲率半径10%、12.5%、
15%、17.5%、20%の試料を作成し、刃溝底部
の曲率半径の影響を試験した。切削諸元は、切削速度6
0m/min、送り速度0.20mm/revで、穴深
さ24mm(ドリル径の3倍)の穴加工をドライ切削に
て行った。切り屑形態の判断は、100穴程度までの穴
明け加工でのトラブルの有無により判断し、トラブルの
ないもののみ、試験を継続した。トラブルの有無とは、
切り屑がドリル本体に絡みついたり、切り屑詰まりを生
じた場合を有りとした。その結果、500穴程度までの
初期加工では良好な切り屑が得られた。更に試験を継続
すると、曲率半径の大きな試料から、切り屑が連なるよ
うになり、不可と判断した。他の試料では良好な切り屑
排出が行えた。
【0015】
【発明の効果】本発明を適用することにより、ドライ切
削における課題である分断された切り屑が長期に亘って
得られ、また、耐チッピング性を保ちつつ、寿命をを向
上させることができた。特に、ドライ切削では、切り屑
形態の変化よりチッピング、欠損等を生じ易いため、安
定した長寿命なドリルが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明例のドリルの正面図を示す。
【図2】図2は、本発明例のドリルの軸方向先端視を示
す。
【図3】図3は、図1の軸直角断面図を示す。
【図4】図4は、従来例の軸直角断面図を示す。
【符号の説明】
1 ドリル本体 2 外周刃 3 先端刃 4 切り屑排出溝 5 ランド部 6 S字状 7 刃先と刃先を結ぶ仮想線 8 刃先を通る垂線 9 刃溝と心厚の接する点を通る垂線 10 凹状の最奥部を通る垂線 D 直径 W 心厚 O 軸心

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドライ切削用の被覆ドリルにおいて、該
    ドリルの軸直角断面視で、刃先と刃先を結ぶ仮想線上
    に、刃先を通る垂線と、刃溝と心厚の接する点を通る垂
    線を引き、この距離をドリル径の35〜45%、該刃先
    を通る垂線と凹状の最奥部を通る垂線との距離をドリル
    径の45〜55%としたことを特徴とするドライ切削用
    ドリル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のドライ切削用ドリルにお
    いて、該凹状の曲率半径をドリル径の10〜20%とし
    たことを特徴とするドライ切削用ドリル。
  3. 【請求項3】 請求項1乃至2記載のドライ切削用ドリ
    ルにおいて、該凹状のヒール側に凸状の曲面を設けたこ
    とを特徴とするドライ切削用ドリル。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載のドライ切削用ドリ
    ルを用いて、ドライ及び/又はセミドライにより穴明け
    加工を行うことを特徴とする穴加工方法。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000015511A (ja) * 1998-06-30 2000-01-18 Hitachi Tool Engineering Ltd ツイストドリル
JP2000198011A (ja) * 1998-10-27 2000-07-18 Nachi Fujikoshi Corp ツイストドリル

Patent Citations (2)

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