JP2002170652A - セラミックヒータ - Google Patents

セラミックヒータ

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JP2002170652A
JP2002170652A JP2000363667A JP2000363667A JP2002170652A JP 2002170652 A JP2002170652 A JP 2002170652A JP 2000363667 A JP2000363667 A JP 2000363667A JP 2000363667 A JP2000363667 A JP 2000363667A JP 2002170652 A JP2002170652 A JP 2002170652A
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JP
Japan
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ceramic substrate
ceramic
heating element
support pins
semiconductor wafer
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Application number
JP2000363667A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Sakaguchi
洋之 坂口
Yasutaka Ito
康隆 伊藤
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被加熱物である半導体ウエハ等に撓みが発生
せず、半導体ウエハ等の全体を均一に加熱することがで
きるセラミックヒータを提供すること。 【解決手段】 円板形状のセラミック基板の表面または
内部に発熱体が形成され、前記セラミック基板には、被
加熱物を保持するための支持ピンが上記セラミック基板
の表面から突出した状態で設けられたセラミックヒータ
であって、前記支持ピンの数nと、前記セラミック基板
の半径r(mm)とは、下記の(1)式の関係を満たす
ことを特徴とするセラミックヒータ。 n≧r1.71×2.32×10-4+1・・・(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に、半導体ウエ
ハ等の加熱に用いられるセラミックヒータであって、該
半導体ウエハをセラミック基板の表面よりわずかに離間
した状態で保持する支持ピンを備えたセラミックヒータ
に関する。
【0002】
【従来の技術】エッチング装置や、化学的気相成長装置
等を含む半導体製造、検査装置等においては、従来、ス
テンレス鋼やアルミニウム合金などの金属製基材を用い
たヒータが用いられてきた。しかしながら、金属製のヒ
ータでは温度制御特性が悪く、また厚みも厚くなるため
重く嵩張るという問題があり、腐食性ガスに対する耐蝕
性も悪いという問題を抱えていた。
【0003】これに対し、特開平11−40330号公
報等では、金属製のものに代えて、窒化アルミニウムな
どのセラミックを使用したヒータが開示されている。
【0004】しかしながら、このようなヒータは、セラ
ミック基板に半導体ウエハ等の被加熱物を接触した状態
で載置させるものであり、セラミック基板表面の温度分
布が半導体ウエハに反映されてしまい、半導体ウエハ等
を均一に加熱することができなかった。また、半導体ウ
エハ等を均一に加熱するため、セラミック基板の表面温
度を均一にしようとすると、非常に複雑な制御が必要と
なり、温度の制御は容易ではなかった。
【0005】そこで、セラミック基板に、該セラミック
基板の表面からわずかに突出する支持ピンを設け、この
支持ピンを介し、セラミック基板の表面から一定の距離
離間した状態で半導体ウエハを保持し、該半導体ウエハ
を加熱する方法を本出願人は、先に提案した。
【0006】この支持ピンを用いる方法によると、半導
体ウエハをセラミック基板の表面から一定の距離離間し
た状態で保持するため、セラミック基板からの輻射や対
流により半導体ウエハが加熱されることになる。従っ
て、通常は、セラミック基板表面の温度分布が半導体ウ
エハに直接反映されず、半導体ウエハがより均一に加熱
され、半導体ウエハに温度分布が発生しにくい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな技術を用いて半導体ウエハを加熱しようとした際、
用いるセラミックヒータによっては、半導体ウエハを均
一に加熱することができない場合があるという問題があ
った。そこで、本発明者らは、半導体ウエハを均一に加
熱することができない原因について鋭意研究した結果、
支持ピンを設けているにも拘わらず、このような問題が
発生するのは、基板の大きさ(直径)に対応する適切な
個数の支持ピンがセラミック基板に設けられていないた
め、半導体ウエハに撓みが発生してしまい、その結果、
半導体ウエハとセラミック基板との距離が半導体ウエハ
の場所によって大きく異なることとなることに起因して
いるということを突き止めた。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らはさら
に検討を重ね、セラミック基板の表面または内部に発熱
体が形成されたセラミックヒータで、該セラミック基板
に支持ピンが設けられたものを用いて半導体ウエハを均
一に加熱しようとすると、セラミック基板の直径によっ
てセラミック基板に設ける支持ピンの数を変える必要が
あり、このセラミック基板の直径と支持ピンの適切な個
数との間には一定の関係式が成立することを見出し、本
発明を完成させるに至った。
【0009】すなわち、本発明のセラミックヒータは、
円板形状のセラミック基板の表面または内部に発熱体が
形成され、上記セラミック基板には、被加熱物を保持す
るための支持ピンが上記セラミック基板の表面から突出
した状態で設けられたセラミックヒータであって、上記
支持ピンの数nと、上記セラミック基板の半径r(m
m)とは、下記の(1)式の関係を満たすことを特徴と
するものである。 n≧r1.71×2.32×10-4+1・・・(1)
【0010】上記セラミックヒータによれば、セラミッ
ク基板に設けられた支持ピンの数nと上記セラミック基
板の半径r(mm)とが、上記(1)式の関係を満たす
ので、支持ピン同士の間隔が広すぎることはなく、半導
体ウエハに撓みが発生することはない。その結果、半導
体ウエハとセラミック基板との距離がほぼ一定となり、
半導体ウエハの全体を均一に加熱することができる。な
お、支持ピンは、円板形状のセラミック基板の中心点に
対称に配置されることが望ましい。
【0011】さらに、上記セラミックヒータでは、上記
支持ピンにより、半導体ウエハをセラミック基板の表面
(以下、上記支持ピンにより半導体ウエハを加熱する面
を加熱面という)から5〜5000μm離間した状態で
保持することが望ましい。上記状態で保持することによ
り、セラミック基板の表面と半導体ウエハとの距離が適
当な間隔となり、半導体ウエハ全体の温度が均一にな
る。
【0012】また、上記セラミックヒータでは、上記セ
ラミック基板に貫通孔が形成され、上記貫通孔に支持ピ
ンが挿入、固定されているか、または、上記セラミック
基板の表面に凹部が形成され、上記凹部に支持ピンが挿
入、固定されていることが望ましい。このような方法を
用いることにより、比較的容易に支持ピンをセラミック
基板に固定することができるからである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のセラミックヒータは、円
板形状のセラミック基板の表面または内部に発熱体が形
成され、上記セラミック基板には、被加熱物を保持する
ための支持ピンが上記セラミック基板の表面から突出し
た状態で設けられたセラミックヒータであって、上記支
持ピンの数nと、上記セラミック基板の半径r(mm)
とは、下記の(1)式の関係を満たすことを特徴とする
ものである。 n≧r1.71×2.32×10-4+1・・・(1)
【0014】上記セラミックヒータによれば、セラミッ
ク基板に設けられた支持ピンの数nと上記セラミック基
板の半径r(mm)とが、上記(1)式の関係を満たす
ため、支持ピンの数が充分にあり、支持ピン同士の間隔
が広すぎることはなく、半導体ウエハに撓みが発生する
ことはない。その結果、半導体ウエハとセラミック基板
との距離が一定となり、半導体ウエハの全体を均一に加
熱することができる。
【0015】上記(1)式の関係を満たさないセラミッ
クヒータの場合、支持ピンの数が少ないため、支持ピン
同士の間隔が広すぎて、半導体ウエハに撓みが発生す
る。その結果、半導体ウエハとセラミック基板との距離
にばらつきが発生し、半導体ウエハの全体を均一に加熱
することが困難となる。
【0016】本発明のセラミックヒータにおける、セラ
ミック基板に設けられた支持ピンの数nとセラミック基
板の直径r(mm)との関係を示す上記(1)式につい
て、例を挙げて説明する。セラミック基板に支持ピンが
4個設けられたセラミックヒータについて考えてみる。
【0017】まず、セラミック基板の直径rが210
(mm)の場合、この直径を上記(1)式に代入する
と、n≧3.17となる。すなわち、支持ピンの数は4
個以上あればよく、このセラミックヒータは上記(1)
式を満たすことになる。一方、セラミック基板の直径r
が300(mm)の場合、この直径を上記(1)式に代
入すると、n≧4.99となる。、すなわち、支持ピン
の数は5個以上必要であり、このセラミックヒータは上
記(1)式を満たさず、より多くの支持ピンを設ける必
要があることが分かる。
【0018】このように、上記(1)式の関係を満たす
には、セラミック基板の直径が大きくなるにつれて、セ
ラミック基板に設ける支持ピンの数を増加させる必要が
あり、セラミック基板の直径が210(mm)のセラミ
ックヒータでは、4個以上の支持ピンが必要となり、セ
ラミック基板の直径が300(mm)のセラミックヒー
タでは、5個以上の支持ピンが必要であるということに
なる。
【0019】なお、セラミック基板に設けられる支持ピ
ンの数は、上述したように、セラミック基板の直径が2
10(mm)のセラミックヒータでは、4個以上であ
り、セラミック基板の直径が300(mm)のセラミッ
クヒータでは、5個以上であって、その上限は特に限定
されるものではない。しかし、製造工程の煩雑さを避
け、製造コストを抑え、また、加熱面の温度をより均一
にするという観点からいうと、セラミック基板に設ける
支持ピンは、セラミック基板の直径が210(mm)の
場合、8以下が望ましい。また、セラミック基板の直径
が300(mm)の場合、10以下が望ましい。
【0020】図1は、本発明のセラミックヒータを模式
的に示した平面図である。また、図2(a)は、図1の
セラミックヒータを模式的に示した部分拡大断面図であ
り、(b)は、図1のセラミックヒータにおいて、支持
ピンをセラミック基板に固定するために用いる金具を模
式的に示した斜視図である。なお、このセラミックヒー
タでは、セラミック基板の内部に発熱体が形成されてい
る。
【0021】セラミックヒータ10において、セラミッ
ク基板11は円板状に形成されており、セラミックヒー
タ10の加熱面11aの全体の温度が均一になるように
加熱するため、セラミック基板11の内部に、同心円状
のパターンからなる発熱体12が形成されている。
【0022】発熱体12の端部の直下には、スルーホー
ル13aが形成され、さらに、このスルーホール13a
を露出させる袋孔13bが底面11bに形成され、袋孔
13bには外部端子13が挿入され、ろう材等(図示せ
ず)で接合されている。また、外部端子13には、例え
ば、導電線を有するソケット(図示せず)が取り付けら
れ、この導電線は電源等に接続されている。
【0023】また、セラミック基板11の中央に近い部
分には、半導体ウエハ39の運搬等を行うリフターピン
16を挿通するためのリフターピン用貫通孔15が形成
され、さらに測温素子(図示せず)を挿入するための有
底孔14が形成されている。
【0024】セラミック基板11の直径が210(m
m)であるとすると、上述のように、支持ピン18は4
個以上必要であるが、このセラミックヒータ10におい
ては、支持ピン18は5個設けられており、この場合、
上記(1)式が成立し、半導体ウエハに撓みが発生する
ことがなく、半導体ウエハとセラミック基板との距離を
一定にすることができ、半導体ウエハの全体を均一に加
熱することが可能となる。
【0025】すなわち、図1に示すように、支持ピン1
8は、セラミック基板11の比較的外周部の発熱体非形
成領域で、セラミック基板の同心円の円周上となる部分
に4個と、セラミック基板11の中心部に1個との計5
個設けられており、上記(1)式を満たす構成となって
いる。また、支持ピン18は、半導体ウエハ39に撓み
を発生させないため、セラミック基板11上に概ね等間
隔となるように設けられている。なお、発熱体非形成領
域とは、発熱体12の各回路が形成されていない帯状
(円環状)の領域である。
【0026】支持ピン18は、図2(a)に示すよう
に、セラミック基板11上に形成された、互いに径の異
なる孔が連通した貫通孔(以下、支持ピン用貫通孔とい
う)17に挿入され、図2(b)に示すC字形状の金具
19が嵌め込まれて、固定されている。
【0027】また、図3は、本発明の他の実施形態であ
る、セラミックヒータを模式的に示した底面図である。
また、図4(a)は、図3のセラミックヒータを模式的
に示した部分拡大断面図であり、(b)は、図3のセラ
ミックヒータにおいて、支持ピンをセラミック基板に固
定する様子を模式的に示した斜視図である。なお、この
セラミックヒータでは、セラミック基板の表面に発熱体
が形成されている。
【0028】セラミックヒータ20において、セラミッ
ク基板21は円板状に形成され、また、セラミック基板
21の表面に、同心円状のパターンからなる発熱体22
が形成されており、その両端に、入出力の端子となる外
部端子23が金属被覆層220を介して接続されてい
る。
【0029】また、セラミック基板21の中央に近い部
分には、半導体ウエハ39の運搬等を行うリフターピン
26を挿通するためのリフターピン用貫通孔25が形成
され、さらに測温素子(図示せず)を挿入するための有
底孔24が形成されている。
【0030】セラミック基板21の直径が300(m
m)であるとすると、上述のように、支持ピン28は5
個以上必要であるが、このセラミックヒータ20におい
ては、支持ピン28は11個設けられており、この場
合、上記(1)式が成立し、半導体ウエハに撓みが発生
することがなく、半導体ウエハとセラミック基板との距
離を一定にすることができ、半導体ウエハの全体を均一
に加熱することが可能となる。
【0031】すなわち、図3に示すように、支持ピン2
8は、セラミック基板21の比較的外周部となる領域
で、セラミック基板21と同心円の円周上に6個と、そ
の内周となる同心円の円周上に4個と、セラミック基板
21の中心部に1個との計11個設けられており、上記
(1)式を満たす構成となっている。なお、半導体ウエ
ハ39に撓みを発生させないため、同じ円周上の支持ピ
ンは等間隔であり、かつ、各円周および中心は等間隔と
なるように、支持ピン28が設けられている。
【0032】支持ピン28は、図4(a)に示すよう
に、セラミック基板21上に形成された、凹部28に挿
入し、図4(b)に示すC字形状のばね29を、支持ピ
ン28を囲み凹部28に当接するように嵌め込んで固定
する。
【0033】本発明のセラミックヒータでは、上記
(1)式を満たすように、セラミック基板に複数の支持
ピンが設けられているが、この支持ピンはセラミック基
板上に広く分散させ、かつ、等間隔に設けられているこ
とが望ましい。このような形態で支持ピンを設けること
により、半導体ウエハを加熱する際、半導体ウエハに撓
みが生じず、半導体ウエハとセラミック基板との距離が
均一となり、半導体ウエハを均一に加熱することができ
るからである。一方、支持ピンがセラミック基板上に偏
在している場合および/または不規則な間隔で設けられ
ている場合、支持ピン同士の間隔が広い箇所ができ、そ
の箇所において、半導体ウエハに撓みが発生し、その結
果、半導体ウエハとセラミック基板との距離が不均一と
なり、半導体ウエハを均一に加熱することが困難とな
る。
【0034】上述した支持ピンの配置については、例え
ば、図1に示したように、セラミック基板の比較的外周
部となる領域で、セラミック基板と同心円の円周上に、
複数個の支持ピンを等間隔で設け、セラミック基板の中
心部に支持ピンを1個設ける配置、図3に示したよう
に、セラミック基板の比較的外周部となる領域で、セラ
ミック基板と同心円の円周上、および、その内周になる
同心円の円周上に、それぞれ複数個の支持ピンを等間隔
で設け、セラミック基板の中心部に支持ピンを1個設け
る配置等が挙げられる。
【0035】また、支持ピンを支持ピン用貫通孔に設け
る場合、支持ピン用貫通孔は、発熱体が形成されていな
い領域において、発熱体から極力離れた位置に形成する
ことが望ましい。支持ピン用貫通孔を、発熱体と隣接し
て設けた場合、セラミック基板内において、均一な熱の
伝達を妨げるおそれがあるからである。
【0036】本発明のセラミックヒータにおいて、支持
ピンは、セラミック基板の加熱面から同じ高さで突出し
ている。支持ピンの突出している高さが全て同じである
と、半導体ウエハを載置した際、半導体ウエハはセラミ
ック基板の加熱面と平行となり、また、全ての支持ピン
が半導体ウエハを支持するため、撓みが発生しない。そ
の結果、半導体ウエハとセラミック基板との距離が均一
となり、半導体ウエハを均一に加熱することが可能とな
る。一方、支持ピンの突出している高さが異なる場合、
半導体ウエハが傾いてしまい、また、高さの低い支持ピ
ンが半導体ウエハと接触せず、撓みが生じる。その結
果、半導体ウエハとセラミック基板との距離にばらつき
が発生し、半導体ウエハを均一に加熱することが困難と
なる。なお、セラミック基板に多少の反り等が発生して
いる場合には、その上に平面状の半導体ウエハを載置す
ることができるように、支持ピンの高さを調整してもよ
い。ただし、この場合には、半導体ウエハの温度が均一
になるように、抵抗発熱体の各回路の発熱量を調整する
必要がある。
【0037】支持ピンがセラミック基板の加熱面から突
出する高さは、5〜5000μmであること、すなわ
ち、被加熱物をセラミック基板の加熱面から5〜500
0μm離間した状態で保持することが望ましい。5μm
未満では、セラミック基板の温度分布の影響をうけて半
導体ウエハの温度が不均一になり、5000μmを超え
ると、半導体ウエハの温度が上昇しにくくなり、特に、
半導体ウエハの外周部分の温度が低くなってしまうから
である。被加熱物とセラミック基板の加熱面とは5〜5
00μm離間することがより望ましく、20〜200μ
m離間することが更に望ましい。
【0038】本発明のセラミックヒータにおける支持ピ
ンは、図2に示すように、支持ピン用貫通孔に挿入、固
定するか、または、図4に示すように、凹部に挿入、固
定することが望ましい。なお、支持ピン用貫通孔と凹部
とを併用して設けてもよい。なお、図3に示すように、
凹部に支持ピンを設ける場合、凹部はセラミックヒータ
の加熱面に形成することになり、支持ピンと発熱体とは
互いに干渉する位置関係ではなくなるため、発熱体パタ
ーン、および、支持ピンの配置の自由度が大きくなる。
また、セラミック基板と半導体ウエハとを離間して保持
するため、支持ピンにかえて、セラミック基板の加熱面
に凸状体を設けることも可能である。その場合、凸状体
は、例えば、角錐状(三角錐、四角錐等)、円錐状等を
あげることができる。
【0039】支持ピンを設ける支持ピン用貫通孔および
凹部の直径は1〜100mmが望ましく、2〜10mm
がより望ましい。大きすぎるとクーリングスポットが発
生するからである。また、凹部の深さは、1.5mm以
上であることが望ましい。深さが1.5mm未満である
と、支持ピンが外れてしまうおそれがあるからである。
【0040】図5(a)、(b)は、本発明のセラミッ
クヒータにおいて、支持ピン用貫通孔に設ける支持ピン
を模式的に示した正面図である。
【0041】図5(a)に示す支持ピン18は、先端に
形成された半導体ウエハと接触する尖塔柱状(先端が円
錐でその下に円錐が形成された形状)の接触部184
と、接触部184の下に形成された接触部184よりも
大きな直径の嵌合部183と、嵌合部183の下に形成
された嵌合部183よりも直径の小さな柱状体181
と、柱状体181の下端に形成されたその直径が柱状体
181よりも大きい固定部182とが一体的に形成され
ているものである。また、図5(b)に示す支持ピン3
8は、先端に形成された半導体ウエハと接触する半円球
を有する円柱の接触部384と、接触部384の下に形
成された接触部384よりも大きな直径の嵌合部383
と、嵌合部383の下に形成された嵌合部383よりも
直径の小さな柱状体381と、柱状体381の下端に形
成されたその直径が柱状体381よりも大きい固定部3
82とが一体的に形成されているものである。
【0042】支持ピン18は、図2(a)に示すよう
に、セラミック基板11に形成された、互いに直径の異
なる孔が連通した支持ピン用貫通孔17に挿入され、相
対的に直径の大きな加熱面11a側の貫通孔に嵌合部1
83が嵌合され、一方、支持ピン18の固定部182
は、セラミック基板11の底面11bから露出し、この
固定部182と底面11bとの間に固定用のC字形状ま
たはE字形状のスナップリングと呼ばれる金具19が嵌
め込まれて、固定されているため、支持ピン19がセラ
ミック基板11から脱落することはなく、確実に固定さ
れる。支持ピン38についても、支持ピン18と同様の
方法により、固定することができる。
【0043】支持ピン18は先端が尖塔状であり、ま
た、支持ピン38は先端が半球状であるので、これらの
支持ピンが設けられたセラミック基板状に載置される半
導体ウエハと点接触となり、半導体ウエハに特異点(接
触部分の温度が高いホットスポットや温度が低いクーリ
ングスポット)ができない。
【0044】図6(a)〜(c)は、本発明のセラミッ
クヒータにおいて、凹部に設ける支持ピンを模式的に示
した正面図である。
【0045】図6(a)に示す支持ピン28は、先端に
半導体ウエハと接触する円錐を有する柱状体281と、
柱状体281の下端に形成されたその直径が柱状体28
1よりも大きい固定部282とが一体的に形成されてい
るものである。また、図6(b)に示す支持ピン48
は、先端に半導体ウエハと接触する半円球を有する柱状
体481と、柱状体481の下端に形成されたその直径
が柱状体481よりも大きい固定部482とが一体的に
形成されているものである。また、図6(c)に示す支
持ピン58は、先端に半導体ウエハと接触する円錐を有
する円柱状体である。
【0046】支持ピン28は、図4(a)、(b)に示
すように、セラミック基板21に凹部27を設け、凹部
27に支持ピン28を挿入した後、C字形状のばね29
を柱状体281を囲んだ状態で凹部27の壁面に当接す
るように嵌め込んで固定する。C字形状のばね29は、
図4(b)に示すように外側に開こうとするため、凹部
27に挿入すると凹部27の内壁に当接して固着する。
一方支持ピン28の固定部282はC字形状のばね29
により押さえられるため、支持ピン28を凹部27内に
確実に固定することができる。なお、ばね29は一つに
限らず、複数個用いてもよい。支持ピン48について
も、支持ピン28と同様の方法により、固定することが
できる。
【0047】また、図4(c)に示すように、固定部を
有さない支持ピン58の場合、セラミック基板21に形
成する凹部27を、支持ピン58と同じ径にして、金
具、ばね等を用いずに、嵌合し、固定することができ
る。
【0048】図6に示す支持ピンは、図5と同様で、先
端が尖塔状または半球状であるので、これらの支持ピン
が設けられたセラミック基板状に載置される半導体ウエ
ハと点接触となり、半導体ウエハにホットスポット等が
できない。
【0049】本発明のセラミックヒータにおいて、支持
ピンの形状は、図5、6に示すように、円柱および円錐
を基本とした形状であってもよく、円柱および半円球を
基本とした形状であってもよい。また、角柱および角錐
を基本とした形状、例えば、三角柱および三角錐を基本
とした形状、四角柱および四角錐を基本とした形状等で
あってもよく、特に限定されるものではない。
【0050】また、支持ピンの先端は、例えば、円錐
状、角錐状(三角錐、四角錐等)、半円球状等であって
もよく、平面であってもよい。この中では、接触部分に
おけるホットスポット等の発生を防止する点から、半導
体ウエハと点接触になる、例えば、円錐状、半円球状、
角錐状等が望ましい。
【0051】本発明のセラミックヒータにおける支持ピ
ンは、セラミック製であることが望ましく、ホットスポ
ット等の発生を防止する点から、熱伝導率が低い、アル
ミナ、シリカ等の酸化物セラミックであることが望まし
い。また、支持ピンを固定する、金具および/またはば
ねは、金属製、特にステンレス製、Ni合金等の錆びに
くいものが望ましい。
【0052】また、本発明のセラミックヒータにおけ
る、セラミック基板の直径は、200mm以上が望まし
い。大きな直径を持つセラミックヒータほど、撓みの発
生しやすくなる大口径の半導体ウエハを載置することが
できるため、本発明の構成が有効に機能するからであ
る。。セラミック基板の直径は、特に12インチ(30
0mm)以上であることが望ましい。次世代の半導体ウ
エハの主流となるからである。
【0053】また、セラミック基板の厚さは、25mm
以下であることが望ましい。上記セラミック基板の厚さ
が25mmを超えると温度追従性が低下するからであ
る。また、その厚さは、0.5mm以上であることが望
ましい。0.5mmより薄いと、セラミック基板の強度
自体が低下するため破損しやすくなる。より望ましく
は、1.5を超え5mm以下である。5mmより厚くな
ると、熱が伝搬しにくくなり、加熱の効率が低下する傾
向が生じ、一方、1.5mm以下であると、セラミック
基板中を伝搬する熱が充分に拡散しないため加熱面に温
度ばらつきが発生することがあり、また、セラミック基
板の強度が低下して破損する場合があるからである。
【0054】本発明のセラミックヒータにおいて、セラ
ミック基板には、被加熱物を載置する加熱面の反対側か
ら、加熱面に向けて有底孔を設けるとともに、有底孔の
底を発熱体よりも相対的に加熱面に近く形成し、この有
底孔に熱電対等の測温素子(図示せず)を設けるとが望
ましい。
【0055】また、有底孔の底と加熱面との距離は、
0.1mm〜セラミック基板の厚さの1/2であること
が望ましい。これにより、測温場所が発熱体よりも加熱
面に近くなり、より正確な半導体ウエハの温度の測定が
可能となるからである。
【0056】有底孔の底と加熱面との距離が0.1mm
未満では、放熱してしまい、加熱面に温度分布が形成さ
れ、厚さの1/2を超えると、発熱体の温度の影響を受
けやすくなり、温度制御できなくなり、やはり加熱面に
温度分布が形成されてしまうからである。
【0057】有底孔の直径は、0.3mm〜5mmであ
ることが望ましい。これは、大きすぎると放熱性が大き
くなり、また小さすぎると加工性が低下して加熱面との
距離を均等にすることができなくなるからである。
【0058】有底孔は、図1に示したように、セラミッ
ク基板の中心に対して対称で、かつ、十字を形成するよ
うに複数配列することが望ましい。これは、加熱面全体
の温度を測定することができるからである。
【0059】上記測温素子としては、例えば、熱電対、
白金測温抵抗体、サーミスタ等が挙げられる。また、上
記熱電対としては、例えば、JIS−C−1602(1
980)に挙げられるように、K型、R型、B型、S
型、E型、J型、T型熱電対等が挙げられるが、これら
のなかでは、K型熱電対が好ましい。
【0060】上記熱電対の接合部の大きさは、素線の径
と同じが、または、それよりも大きく、0.5mm以下
であることが望ましい。これは、接合部が大きい場合
は、熱容量が大きくなって応答性が低下してしまうから
である。なお、素線の径より小さくすることは困難であ
る。
【0061】上記測温素子は、金ろう、銀ろうなどを使
用して、有底孔の底に接着してもよく、有底孔に挿入し
た後、耐熱性樹脂で封止してもよく、両者を併用しても
よい。上記耐熱性樹脂としては、例えば、熱硬化性樹
脂、特にはエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイ
ミド−トリアジン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0062】上記金ろうとしては、37〜80.5重量
%Au−63〜19.5重量%Cu合金、81.5〜8
2.5重量%:Au−18.5〜17.5重量%:Ni
合金から選ばれる少なくとも1種が望ましい。これら
は、溶融温度が、900℃以上であり、高温領域でも溶
融しにくいためである。銀ろうとしては、例えば、Ag
−Cu系のものを使用することができる。
【0063】本発明のセラミックヒータを形成するセラ
ミックは、窒化物セラミックまたは炭化物セラミックで
あることが望ましい。窒化物セラミックや炭化物セラミ
ックは、熱膨張係数が金属よりも小さく、機械的な強度
が金属に比べて格段に高いため、セラミック基板の厚さ
を薄くしても、加熱により反ったり、歪んだりしない。
そのため、セラミック基板を薄くて軽いものとすること
ができる。さらに、セラミック基板の熱伝導率が高く、
セラミック基板自体が薄いため、セラミック基板の表面
温度が、発熱体の温度変化に迅速に追従する。即ち、電
圧、電流値を変えて発熱体の温度を変化させることによ
り、セラミック基板の表面温度を制御することができる
のである。
【0064】上記窒化物セラミックとしては、例えば、
窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタ
ン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。
【0065】また、炭化物セラミックとしては、例え
ば、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化
タンタル、炭化タングステン等が挙げられる。これら
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0066】これらのなかでは、窒化アルミニウムが最
も好ましい。熱伝導率が180W/m・Kと最も高く、
温度追従性に優れるからである。
【0067】なお、セラミック基板として窒化物セラミ
ックまたは炭化物セラミック等を使用する際、必要によ
り、絶縁層を形成してもよい。窒化物セラミックは酸素
固溶等により、高温で体積抵抗値が低下しやすく、また
炭化物セラミックは特に高純度化しない限り導電性を有
しており、絶縁層を形成することにより、高温時あるい
は不純物を含有していても回路間の短絡を防止して温度
制御性を確保できるからである。
【0068】上記絶縁層としては、酸化物セラミックが
望ましく、具体的には、シリカ、アルミナ、ムライト、
コージェライト、ベリリア等を使用することができる。
このような絶縁層としては、アルコキシドを加水分解重
合させたゾル溶液をセラミック基板にスピンコートして
乾燥、焼成を行ったり、スパッタリング、CVD等で形
成してもよい。また、セラミック基板表面を酸化処理し
て酸化物層を設けてもよい。
【0069】上記絶縁層は、0.1〜1000μmであ
ることが望ましい。0.1μm未満では、絶縁性を確保
できず、、1000μmを超えると発熱体からセラミッ
ク基板への熱伝導性を阻害してしまうからである。さら
に、上記絶縁層の体積抵抗率は、上記セラミック基板の
体積抵抗率の10倍以上(同一測定温度)であることが
望ましい。10倍未満では、回路の短絡を防止できない
からである。
【0070】また、本発明のセラミック基板は、カーボ
ンを含有し、その含有量は、200〜5000ppmで
あることが望ましい。電極を隠蔽することができ、また
黒体輻射を利用しやすくなるからである。
【0071】なお、上記セラミック基板は、明度がJI
S Z 8721の規定に基づく値でN4以下のもので
あることが望ましい。この程度の明度を有するものが輻
射熱量、隠蔽性に優れるからである。ここで、明度のN
は、理想的な黒の明度を0とし、理想的な白の明度を1
0とし、これらの黒の明度と白の明度との間で、その色
の明るさの知覚が等歩度となるように各色を10分割
し、N0〜N10の記号で表示したものである。そし
て、実際の測定は、N0〜N10に対応する色票と比較
して行う。この場合の小数点1位は0または5とする。
【0072】発熱体を設ける場合は、セラミック基板の
表面(底面)に形成してもよく、セラミック基板の内部
に埋設してもよい。発熱体をセラミック基板の内部に形
成する場合は、上記発熱体は、加熱面の反対側の面から
厚さ方向に60%以下の位置に形成されていることが望
ましい。60%を超えると、加熱面に近すぎるため、上
記セラミック基板内を伝搬する熱が充分に拡散されず、
加熱面に温度ばらつきが発生してしまうからである。
【0073】発熱体をセラミック基板の内部に形成する
場合には、発熱体形成層を複数層設けてもよい。この場
合は、各層のパターンは、相互に補完するようにどこか
の層に発熱体が形成され、加熱面の上方から見ると、ど
の領域にもパターンが形成されている状態が望ましい。
このような構造としては、例えば、互いに千鳥の配置に
なっている構造が挙げられる。なお、発熱体をセラミッ
ク基板の内部に設け、かつ、その発熱体を一部露出させ
てもよい。
【0074】また、セラミック基板の表面に発熱体を設
ける場合は、加熱面は発熱体形成面の反対側であること
が望ましい。セラミック基板が熱拡散の役割を果たすた
め、加熱面の温度均一性を向上させることができるから
である。
【0075】発熱体をセラミック基板の表面に形成する
場合には、金属粒子を含む導体ペーストをセラミック基
板の表面に塗布して所定パターンの導体ペースト層を形
成した後、これを焼き付け、セラミック基板の表面で金
属粒子を焼結させる方法が好ましい。なお、金属の焼結
は、金属粒子同士および金属粒子とセラミックとが融着
していれば充分である。
【0076】セラミック基板の内部に発熱体を形成する
場合には、その厚さは、1〜50μmが好ましい。ま
た、セラミック基板の表面に発熱体を形成する場合に
は、この発熱体の厚さは、1〜30μmが好ましく、1
〜10μmがより好ましい。
【0077】また、セラミック基板11の内部に発熱体
を形成する場合には、発熱体の幅は、5〜20μmが好
ましい。また、セラミック基板11の表面に発熱体を形
成する場合には、発熱体の幅は、0.1〜20mmが好
ましく、0.1〜5mmがより好ましい。
【0078】発熱体は、その幅や厚さにより抵抗値に変
化を持たせることができるが、上記した範囲が最も実用
的である。抵抗値は、薄く、また、細くなる程大きくな
る。発熱体は、セラミック基板の内部に形成した場合の
方が、厚み、幅とも大きくなるが、発熱体を内部に設け
ると、加熱面と発熱体との距離が短くなり、表面の温度
の均一性が低下するため、発熱体自体の幅を広げる必要
があること、内部に発熱体を設けるために、窒化物セラ
ミック等との密着性を考慮する必要性がないため、タン
グステン、モリブデンなどの高融点金属やタングステ
ン、モリブデンなどの炭化物を使用することができ、抵
抗値を高くすることが可能となるため、断線等を防止す
る目的で厚み自体を厚くしてもよい。そのため、発熱体
は、上記した厚みや幅とすることが望ましい。
【0079】発熱体の形成位置をこのように設定するこ
とにより、発熱体から発生した熱が伝搬していくうち
に、セラミック基板全体に拡散し、被加熱物(半導体ウ
エハ)を加熱する面の温度分布が均一化され、その結
果、被加熱物の各部分における温度が均一化される。
【0080】また、本発明のセラミックヒータにおける
発熱体のパターンとしては、図1に示した、同心円形状
のパターンに限らず、例えば、渦巻き状のパターン、偏
心円状のパターン、屈曲線の繰り返しパターン等も用い
ることができる。また、これらは併用してもよい。ま
た、最外周に形成された発熱体パターンを、円周方向に
分割されたパターンとすることで、温度が低下しやすい
セラミックヒータの最外周で細かい温度制御を行うこと
が可能となり、セラミックヒータの温度のばらつきを抑
えることが可能である。さらに、円周方向に分割された
発熱体のパターンは、セラミック基板の最外周に限ら
ず、その内部にも形成してもよい。
【0081】発熱体は、断面が矩形であっても楕円であ
ってもよいが、偏平であることが望ましい。偏平の方が
加熱面に向かって放熱しやすいため、加熱面の温度分布
ができにくいからである。断面のアスペクト比(発熱体
の幅/発熱体の厚さ)は、10〜5000であることが
望ましい。この範囲に調整することにより、発熱体の抵
抗値を大きくすることができるとともに、加熱面の温度
の均一性を確保することができるからである。
【0082】発熱体の厚さを一定とした場合、アスペク
ト比が上記範囲より小さいと、セラミック基板の加熱面
方向への熱の伝搬量が小さくなり、発熱体のパターンに
近似した熱分布が加熱面に発生してしまい、逆にアスペ
クト比が大きすぎると発熱体の中央の直上部分が高温と
なってしまい、結局、発熱体のパターンに近似した熱分
布が加熱面に発生してしまう。従って、温度分布を考慮
すると、断面のアスペクト比は、10〜5000である
ことが好ましいのである。
【0083】発熱体をセラミック基板の表面に形成する
場合は、アスペクト比を10〜200、発熱体をセラミ
ック基板の内部に形成する場合は、アスペクト比を20
0〜5000とすることが望ましい。
【0084】発熱体は、セラミック基板の内部に形成し
た場合の方が、アスペクト比が大きくなるが、これは、
発熱体を内部に設けると、加熱面と発熱体との距離が短
くなり、表面の温度均一性が低下するため、発熱体自体
を偏平にする必要があるからである。
【0085】また、発熱体を形成する際に用いる、導体
ペーストとしては特に限定されないが、導電性を確保す
るための金属粒子または導電性セラミックが含有されて
いるほか、樹脂、溶剤、増粘剤などを含むものが好まし
い。
【0086】上記金属粒子としては、例えば、貴金属
(金、銀、白金、パラジウム)、鉛、タングステン、モ
リブデン、ニッケルなどが好ましく、中でも、貴金属
(金、銀、白金、パラジウム)がより好ましい。また、
これらは、単独で用いてもよいが、2種以上を併用する
ことが望ましい。これらの金属は、比較的酸化しにく
く、発熱するに充分な抵抗値を有するからである。上記
導電性セラミックとしては、例えば、タングステン、モ
リブデンの炭化物などが挙げられる。これらは、単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0087】これら金属粒子または導電性セラミック粒
子の粒径は、0.1〜100μmが好ましい。0.1μ
m未満と微細すぎると、酸化されやすく、一方、100
μmを超えると、焼結しにくくなり、抵抗値が大きくな
るからである。
【0088】上記金属粒子の形状は、球状であっても、
リン片状であってもよい。これらの金属粒子を用いる場
合、上記球状物と上記リン片状物との混合物であってよ
い。上記金属粒子がリン片状物、または、球状物とリン
片状物との混合物の場合は、金属粒子間の金属酸化物を
保持しやすくなり、発熱体と窒化物セラミック等との密
着性を確実にし、かつ、抵抗値を大きくすることができ
るため有利である。
【0089】導体ペーストに使用される樹脂としては、
例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられ
る。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコ
ールなどが挙げられる。増粘剤としては、セルロースな
どが挙げられる。
【0090】導体ペーストには、上記したように、金属
粒子に金属酸化物を添加し、発熱体を金属粒子および金
属酸化物を焼結させたものとすることが望ましい。この
ように、金属酸化物を金属粒子とともに焼結させること
により、セラミック基板である窒化物セラミックまたは
炭化物セラミックと金属粒子とを密着させることができ
る。
【0091】金属酸化物を混合することにより、窒化物
セラミックまたは炭化物セラミックと密着性が改善され
る理由は明確ではないが、金属粒子表面や窒化物セラミ
ック、炭化物セラミックの表面は、わずかに酸化されて
酸化膜が形成されており、この酸化膜同士が金属酸化物
を介して焼結して一体化し、金属粒子と窒化物セラミッ
クまたは炭化物セラミックとが密着するのではないかと
考えられる。
【0092】上記金属酸化物としては、例えば、酸化
鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B 23 )、アル
ミナ、イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれ
る少なくとも1種が好ましい。
【0093】これらの酸化物は、発熱体の抵抗値を大き
くすることなく、金属粒子と窒化物セラミックまたは炭
化物セラミックとの密着性を改善することができるから
である。
【0094】上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ
素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの割
合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合、重
量比で、酸化鉛が1〜10、シリカが1〜30、酸化ホ
ウ素が5〜50、酸化亜鉛が20〜70、アルミナが1
〜10、イットリアが1〜50、チタニアが1〜50で
あって、その合計が100重量部を超えない範囲で調整
されていることが望ましい。これらの範囲で、これらの
酸化物の量を調整することにより、特に窒化物セラミッ
クとの密着性を改善することができる。上記金属酸化物
の金属粒子に対する添加量は、0.1重量%以上10重
量%未満が好ましい。
【0095】また、発熱体として金属箔や金属線を使用
することもできる。上記金属箔としては、ニッケル箔、
ステンレス箔をエッチング等でパターン形成して発熱体
としたものが望ましい。パターン化した金属箔は、樹脂
フィルム等ではり合わせてもよい。金属線としては、例
えば、タングステン線、モリブデン線等が挙げられる。
【0096】また、発熱体を形成した際の面積抵抗率
は、1mΩ/□〜10Ω/□が好ましい。面積抵抗率が
0.1mΩ/□未満であると、抵抗率が小さすぎ、発熱
量も小さくなるために発熱体として機能しにくくなり、
一方、面積抵抗率が10Ω/□を超えると、印加電圧量
に対して発熱量は大きくなりすぎて、セラミック基板の
表面に発熱体を設けたセラミック基板では、その発熱量
を制御しにくいからである。発熱量の制御の点からは、
発熱体の面積抵抗率は、1〜50mΩ/□がより好まし
い。ただし、面積抵抗率を大きくすると、パターン幅
(断面積)を広くすることができ、断線の問題が発生し
にくくなるため、場合によっては、50mΩ/□とする
ことが好ましい場合もある。
【0097】発熱体がセラミック基板21の表面に形成
される場合には、発熱体の表面部分に、金属被覆層(図
4参照)220が形成されていることが望ましい。内部
の金属焼結体が酸化されて抵抗値が変化するのを防止す
るためである。形成する金属被覆層220の厚さは、
0.1〜10μmが好ましい。
【0098】金属被覆層220を形成する際に使用され
る金属は、非酸化性の金属であれば特に限定されない
が、具体的には、例えば、金、銀、パラジウム、白金、
ニッケルなどが挙げられる。これらは、単独で用いても
よく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、
ニッケルが好ましい。
【0099】発熱体12には、電源と接続するための端
子が必要であり、この端子は、半田を介して発熱体12
に取り付けるが、ニッケルは、半田の熱拡散を防止する
からである。接続端子としては、例えば、コバール製の
外部端子13が挙げられる。
【0100】なお、発熱体をセラミック基板11の内部
に形成する場合には、発熱体表面が酸化されることがな
いため、被覆は不要である。発熱体をセラミック基板1
1内部に形成する場合、発熱体の一部が表面に露出して
いてもよく、発熱体を接続するためのスルーホールが端
子部分に設けられ、このスルーホールに端子が接続、固
定されていてもよい。
【0101】接続端子を接続する場合、半田としては、
銀−鉛、鉛−スズ、ビスマス−スズなどの合金を使用す
ることができる。なお、半田層の厚さは、0.1〜50
μmが好ましい。半田による接続を確保するのに充分な
範囲だからである。
【0102】次に、本発明のセラミックヒータの製造方
法について説明する。まず、セラミック基板11の内部
に発熱体12が形成されたセラミックヒータ(図1、2
参照)の製造方法について、図7に基づいて説明する。
【0103】(1)セラミック基板の作製工程 まず、窒化物セラミック等のセラミックの粉末をバイン
ダ、溶剤等と混合してペーストを調製し、これを用いて
グリーンシート50を作製する。
【0104】上述した窒化物等のセラミック粉末として
は、窒化アルミニウム等を使用することができ、必要に
応じて、イットリア等の焼結助剤、Na、Caを含む化
合物等を加えてもよい。また、バインダとしては、アク
リル系バインダ、エチルセルロース、ブチルセロソル
ブ、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種
が望ましい。
【0105】さらに溶媒としては、α−テルピネオー
ル、グリコールから選ばれる少なくとも1種が望まし
い。これらを混合して得られるペーストをドクターブレ
ード法でシート状に成形してグリーンシートを作製す
る。グリーンシートの厚さは、0.1〜5mmが好まし
い。
【0106】(2)グリーンシート上に導体ペーストを
印刷する工程 グリーンシート50上に、発熱体12を形成するための
金属ペーストまたは導電性セラミックを含む導体ペース
トを印刷し、導体ペースト層120を形成し、貫通孔に
スルーホール13a用の導体ペースト充填層130を形
成する。これらの導電ペースト中には、金属粒子または
導電性セラミック粒子が含まれている。
【0107】タングステン粒子またはモリブデン粒子の
平均粒子径は、0.1〜5μmが好ましい。平均粒子が
0.1μm未満であるか、5μmを超えると、導体ペー
ストを印刷しにくいからである。このような導体ペース
トとしては、例えば、金属粒子または導電性セラミック
粒子85〜87重量部;アクリル系、エチルセルロー
ス、ブチルセロソルブ、ポリビニルアルコールから選ば
れる少なくとも1種のバインダ1.5〜10重量部;お
よび、α−テルピネオール、グリコールから選ばれる少
なくとも1種の溶媒を1.5〜10重量部を混合した組
成物(ペースト)が挙げられる。
【0108】(3) グリーンシートの積層工程 導体ペーストを印刷していないグリーンシート50を、
導体ペーストを印刷したグリーンシート50の上下に積
層する(図7(a)参照)。このとき、導体ペーストを
印刷したグリーンシート50が積層したグリーンシート
の厚さに対して、底面から60%以下の位置になるよう
に積層する。具体的には、上側のグリーンシートの積層
数は20〜50枚が、下側のグリーンシートの積層数は
5〜20枚が好ましい。
【0109】(4) グリーンシート積層体の焼成工程 グリーンシート積層体の加熱、加圧を行い、グリーンシ
ートおよび内部の導体ペーストを焼結させる。また、加
熱温度は、1000〜2000℃が好ましく、加圧の圧
力は、10〜20MPaが好ましい。加熱は、不活性ガ
ス雰囲気中で行う。不活性ガスとしては、例えば、アル
ゴン、窒素などを使用することができる。
【0110】得られた焼結体に、サンドブラスト等のブ
ラスト処理を実施し、支持ピン18を設ける支持ピン用
貫通孔17を形成する(図7(b)参照)。このとき、
セラミックヒータに設ける支持ピンの数nと、セラミッ
ク基板の半径r(mm)との間に、下記の(1)式の関
係が成り立つように、支持ピン用貫通孔17を形成す
る。 n≧r1.71×2.32×10-4+1・・・(1)
【0111】また、支持ピン用貫通孔17は、支持ピン
18をセラミック基板11上に広く分散させ、かつ、等
間隔に配置するように形成する。その配置としては、例
えば、図1および図3に示したように、セラミック基板
と同心円の円周上に、複数個の支持ピンを等間隔で設
け、セラミック基板の中心部に支持ピンを1個設ける配
置を挙げることができる。これにより、半導体ウエハを
加熱する際、半導体ウエハに撓みが生じず、半導体ウエ
ハとセラミック基板との距離が均一となるため、半導体
ウエハを均一に加熱することができる。なお、支持ピン
用貫通孔17は、発熱体から離れた位置に設けることが
望ましい。
【0112】次に、得られた焼結体に、半導体ウエハ3
9を支持するためのリフターピン16を挿入するリフタ
ーピン用貫通孔15、熱電対などの測温素子を埋め込む
ための有底孔14、発熱体12を外部端子13と接続す
るためのスルーホール13a等を形成する。(図7
(c)参照)
【0113】上述の有底孔および貫通孔を形成する工程
は、上記グリーンシート積層体に対して行ってもよい
が、上記焼結体に対して行うことが望ましい。焼結過程
において、変形するおそれがあるからである。
【0114】なお、貫通孔および有底孔は、表面研磨後
に、サンドブラスト等のブラスト処理を行うことにより
形成することができる。また、内部の発熱体12と接続
するためのスルーホール13aに外部端子13を接続
し、加熱してリフローする。加熱温度は、200〜50
0℃が好適である。
【0115】さらに、有底孔14に測温素子としての熱
電対(図示せず)などを銀ろう、金ろうなどで取り付
け、ポリイミドなどの耐熱性樹脂で封止する。支持ピン
用貫通孔17に支持ピン18を挿入し、金具19を用い
て固定し、セラミックヒータ10の製造を終了する(図
7(d)参照)。
【0116】なお、上記製造方法では、セラミック基板
11に支持ピン用貫通孔17を設け、支持ピン18を設
置したが、図8に示すように、セラミック基板表面に凹
部を設け、該凹部に支持ピン28を設置してもよい。
【0117】次に、セラミック基板21の底面に発熱体
22が形成されたセラミックヒータ20(図3、4参
照)の製造方法について、図8に基づいて説明する。
【0118】(1) セラミック基板の作製工程 上述した窒化アルミニウムや炭化珪素などの窒化物等の
セラミックの粉末に必要に応じてイットリア(Y2
3 )やB4 C等の焼結助剤、Na、Caを含む化合物、
バインダ等を配合してスラリーを調製した後、このスラ
リーをスプレードライ等の方法で顆粒状にし、この顆粒
を金型に入れて加圧することにより板状などに成形し、
生成形体(グリーン)を作製する。
【0119】次に、この生成形体を加熱、焼成して焼結
させ、セラミック製の板状体を製造する。この後、所定
の形状に加工することにより、セラミック基板21を作
製するが、焼成後にそのまま使用することができる形状
としてもよい。加圧しながら加熱、焼成を行うことによ
り、気孔のないセラミック基板21を製造することが可
能となる。加熱、焼成は、焼結温度以上であればよい
が、窒化物セラミックや炭化物セラミックでは、100
0〜2500℃である。また、酸化物セラミックでは、
1500℃〜2000℃である。
【0120】得られたセラミック基板21にサンドブラ
スト等のブラスト処理を実施し、凹部27を形成する。
このとき、セラミックヒータに設ける支持ピンの数n
と、セラミック基板の半径r(mm)との間に、下記の
(1)式の関係が成り立つように、凹部27を形成す
る。 n≧r1.71×2.32×10-4+1・・・(1) また、凹部27は、支持ピン28をセラミック基板21
上に広く分散させ、かつ、等間隔に配置するように形成
する。
【0121】さらに、ドリル加工を実施し、半導体ウエ
ハ39を支持するためのリフターピン26を挿入するリ
フターピン用貫通孔25となる部分や熱電対などの測温
素子を埋め込むための有底孔24となる部分を形成す
る。(図8(a)参照)。
【0122】(2) セラミック基板に導体ペーストを印刷
する工程 導体ペーストは、一般に、金属粒子、樹脂、溶剤からな
る粘度の高い流動物である。この導体ペーストをスクリ
ーン印刷などを用い、発熱体22を設けようとする部分
に印刷することにより、導体ペースト層を形成する。導
体ペースト層は、焼成後の発熱体22の断面が、方形
で、偏平な形状となるように形成することが望ましい。
【0123】(3) 導体ペーストの焼成 セラミック基板の底面21bに印刷した導体ペースト層
を加熱焼成して、樹脂、溶剤を除去するとともに、金属
粒子を焼結させ、セラミック基板21の底面に焼き付
け、発熱体22を形成する(図8(b)参照)。加熱焼
成の温度は、500〜1000℃が好ましい。導体ペー
スト中に上述した酸化物を添加しておくと、金属粒子、
セラミック基板および酸化物が焼結して一体化するた
め、発熱体22とセラミック基板21との密着性が向上
する。
【0124】(4) 金属被覆層の形成 次に、発熱体22表面に、金属被覆層220を形成する
(図8(c)参照)。金属被覆層220は、電解めっ
き、無電解めっき、スパッタリング等により形成するこ
とができるが、量産性を考慮すると、無電解めっきが最
適である。る部分に印刷を行うことにより、導体ペース
ト層を形成する。導体ペースト層は、焼成後の発熱体2
2の断面が、方形で、偏平な形状となるように形成する
ことが望ましい。
【0125】(5) 端子等の取り付け 発熱体22のパターンの端部に電源との接続のための端
子(外部端子23)を半田で取り付ける。また、有底孔
24に銀ろう、金ろうなどで熱電対(図示せず)を固定
し、ポリイミド等の耐熱樹脂で封止する。また、凹部2
7に支持ピン28を挿入し、ばね29を用いて固定し、
セラミックヒータ20の製造を終了する(図8(d)参
照)。
【0126】なお、上記製造方法では、セラミック基板
21に凹部27を設け、支持ピン28を設置したが、図
7に示すように、セラミック基板に貫通孔を設け、該貫
通孔に支持ピン18を設置してもよい。
【0127】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。 (実施例1) セラミックヒータ(図1、2および図7参照)の製造 (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
0.6μm)100重量部、アルミナ4重量部、アクリ
ル系樹脂バインダ11.5重量部、分散剤0.5重量部
および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコー
ル53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレ
ード法により成形を行って、厚さ0.47mmのグリー
ンシート50を作製した。
【0128】(2)次に、このグリーンシート50を8
0℃で5時間乾燥させた後、スルーホール13aとなる
部分をパンチングにより設けた。
【0129】(3)平均粒径1μmのタングステンカー
バイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0重
量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分散
剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調整した。
平均粒径3μmのタングステン粒子100重量部、アク
リル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオール溶媒
3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合して導体
ペーストBを調整した。
【0130】この導体ペーストAをグリーンシート上に
スクリーン印刷で印刷し、発熱体用の導体ペースト層1
20を形成した。印刷パターンは、図3に示すような同
心円状のパターンとした。さらに、外部端子13を接続
するためのスルーホール13aとなる部分に導体ペース
トBを充填し、充填層130を形成した。
【0131】上記処理の終わったグリーンシート50
に、さらに、導体ペーストを印刷していないグリーンシ
ート50を上側(加熱面)に37枚、下側に13枚積層
し、130℃、8MPaの圧力で圧着して積層体を形成
した(図7(a)参照)。
【0132】(4)次に、得られた積層体を窒素ガス
中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力15M
Paで10時間ホットプレスし、厚さ3mmのセラミッ
ク板状体を得た。これを210mmの円板状に切り出
し、内部に厚さ6μm、幅10mmの発熱体12を有す
るセラミック板状体とした。
【0133】(5)次に、(4)で得られたセラミック
板状体を、ダイヤモンド砥石で研磨した後、マスクを載
置し、SiC粒子等によるブラスト処理により、加熱面
11a側の直径5mm、底面側の直径3mmである連通
した支持ピン用貫通孔17を5個形成した。
【0134】これは、セラミックヒータ10に設ける支
持ピン18の数nと、セラミック基板11の半径r(m
m)との間に、下記の(1)式の関係が成り立つように
設定した値である。 n≧r1.71×2.32×10-4+1・・・(1) ちなみに、本実施例では、n≧3.17である。また、
その配置は、図1に示すように、セラミック基板と同心
円の円周上に、4個の支持ピンを等間隔で設け、セラミ
ック基板の中心部に支持ピンを1個設ける配置であっ
た。
【0135】また、底面には、熱電対を挿入するための
有底孔14を形成した。さらに、半導体ウエハを運搬等
するためのリフターピン16を挿入するためのリフター
ピン用貫通孔15を形成した。(図7(b)参照)
【0136】(6)次に、スルーホール13aが形成さ
れている部分をえぐりとって袋孔13bとし(図7
(c)参照)、この袋孔13bにNi−Auからなる金
ろうを用い、700℃で加熱リフローしてコバール製の
外部端子13を接続させた(図7(d)参照)。
【0137】(7)温度制御のための熱電対(図示せ
ず)を有底孔14に埋め込んだ。また、支持ピン用貫通
孔17に、図5(a)に示す形状のアルミナ製の支持ピ
ン18を嵌め込んだ。この支持ピン18は、嵌合部18
3の直径が4.5mm、固定部182の直径が3mm、
長さが約6.1mmであり、セラミック基板11の底面
11bから固定部182が露出するように構成されてい
る。この固定部182とセラミック基板11の底面11
bとの間にステンレス製のC字形状の金具19を嵌め込
んで固定した。この支持ピン18は、加熱面11aから
100μm突出していた。以上により、本発明のセラミ
ックヒータ10の製造を終了した。
【0138】(実施例2) セラミックヒータ(図3、4および図8参照)の製造 (1)窒化アルミニウム粉末(平均粒径:0.6μm)
100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)4
重量部、アクリルバインダ12重量部およびアルコール
からなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末
を作製した。
【0139】(2)次に、この顆粒状の粉末を金型に入
れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。
【0140】(3)次に、この生成形体を1800℃、
圧力:20MPaでホットプレスし、厚さが3mmの窒
化アルミニウム板状体を得た。次に、この板状体から直
径300mmの円板体を切り出し、セラミック製の板状
体(セラミック基板21)とした。このセラミック基板
21にドリル加工を施し、シリコンウエハのリフターピ
ン26を挿入する貫通孔25、熱電対を埋め込むための
有底孔24を形成した。
【0141】さらに、セラミック基板の上側(加熱面)
にマスクを載置し、SiC粒子等によるブラスト処理に
より、直径3mm、深さ2mmの凹部28を11個形成
した(図8(a)参照)。これは、セラミックヒータ2
0に設ける支持ピン28の数nと、セラミック基板21
の半径r(mm)との間に、下記の(1)式の関係が成
り立つように設定した値である。 n≧r1.71×2.32×10-4+1・・・(1) ちなみに、本実施例では、n≧4.99である。また、
その配置は、図3に示すように、セラミック基板と同心
円の比較的外周側の円周上に、6個の支持ピンを等間隔
で設け、その内周の円周上に、4個の支持ピンを等間隔
で設けセラミック基板の中心部に支持ピンを1個設ける
配置であった。
【0142】(4)上記(3)で得たセラミック基板2
1に、スクリーン印刷にて導体ペースト層を形成した。
印刷パターンは、図3に示す同心円状のパターンとし
た。上記導体ペーストとしては、Ag48重量%、Pt
21重量%、SiO2 1.0重量%、B23 1.2重
量%、ZnO4.1重量%、PbO3.4重量%、酢酸
エチル3.4重量%、ブチルカルビトール17.9重量
%からなる組成のものを使用した。この導体ペースト
は、Ag−Ptペーストであり、銀粒子は、平均粒径が
4.5μmで、リン片状のものであった。また、Pt粒
子は、平均粒子径0.5μmの球状であった。
【0143】(5)さらに、導体ペースト層を形成した
後、セラミック基板21を780℃で加熱、焼成して、
導体ペースト中のAg、Ptを焼結させるとともにセラ
ミック基板21に焼き付け、発熱体22を形成した(図
8(b)参照)。発熱体22は、厚さが5μm、幅が
2.4mm、面積抵抗率が7.7mΩ/□であった。
【0144】(6)硫酸ニッケル80g/l、次亜リン
酸ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、
ほう酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lの濃度の水
溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(5)で作
製したセラミック基板21を浸漬し、銀−鉛の発熱体2
2の表面に厚さ1μmの金属被覆層(ニッケル層)22
0を析出させた(図8(c)参照)。
【0145】(7)次に、電源との接続を確保するため
の外部端子23を取り付ける部分に、スクリーン印刷に
より、銀−鉛半田ペースト(田中貴金属社製)を印刷し
て半田層(図示せず)を形成した。次いで、半田層の上
にコバール製の外部端子23を載置して、420℃で加
熱リフローし、外部端子23を発熱体22の表面に取り
付けた。(図8(d)参照)
【0146】(8)有底孔24に温度制御のための熱電
対(図示せず)をポリイミドで封止した。また、凹部2
7に、図6(a)に示す形状のアルミナ製の支持ピン2
8を嵌め込んだ。この支持ピン28は、柱状部281の
直径が2mm、固定部282の直径が3mm、長さが約
3.1mmであった。さらに、この凹部27にC字形状
のステンレス製のばね29を嵌め込んで、支持ピン28
を固定した。この支持ピン28は、加熱面21aから1
00μm突出していた。以上により、本発明のセラミッ
クヒータ20の製造を終了した。
【0147】(実施例3)セラミックヒータの製造 支持ピン用貫通孔17を11個形成した以外は、実施例
1と同様にして、セラミックヒータを製造した。これ
は、セラミックヒータに設ける支持ピン18の数nと、
セラミック基板11の半径r(mm)との間に、下記の
(1)式の関係が成り立つように設定した値である。 n≧r1.71×2.32×10-4+1・・・(1) また、その配置は、セラミック基板と同心円の比較的外
周側の円周上に6個、その内周に4個の支持ピンをそれ
ぞれ等間隔で設け、セラミック基板の中心部に支持ピン
を1個設ける配置であった。なお、支持ピン18は、加
熱面11aから400μm突出していた。
【0148】(実施例4)セラミックヒータの製造 凹部27を19個形成した以外は、実施例2と同様にし
て、セラミックヒータを製造した。これは、セラミック
ヒータに設ける支持ピン28の数nと、セラミック基板
21の半径r(mm)との間に、下記の(1)式の関係
が成り立つように設定した値である。 n≧r1.71×2.32×10-4+1・・・(1) なお、その配置は、図3に示した配置における、外周の
6個の支持ピンから、さらに外周に8個の支持ピンを等
間隔で設ける配置であった。また、支持ピンは、加熱面
から400μm突出していた。
【0149】(実施例5)セラミックヒータの製造 支持ピンがセラミック基板の加熱面から3μm突出する
ように、用いる支持ピンを変更した以外は、実施例1と
同様の方法により、セラミックヒータを製造した。
【0150】(実施例6)セラミックヒータの製造 支持ピンがセラミック基板の加熱面から6000μm突
出するように、用いる支持ピンを変更した以外は、実施
例2と同様の方法により、セラミックヒータを製造し
た。
【0151】(比較例1)セラミックヒータの製造 支持ピン用貫通孔17を3個形成した以外は、実施例1
と同様にして、セラミックヒータを製造した。これは、
セラミックヒータに設ける支持ピン18の数nと、セラ
ミック基板11の半径r(mm)との間に、下記の
(1)式の関係が成り立たないように設定した値であ
る。 n≧r1.71×2.32×10-4+1・・・(1) また、その配置は、セラミック基板と同心円の円周上に
支持ピンを3個等間隔で設ける配置であった。
【0152】(比較例2)セラミックヒータの製造 凹部27を4個形成した以外は、実施例2と同様にし
て、セラミックヒータを製造した。これは、セラミック
ヒータに設ける支持ピン28の数nと、セラミック基板
21の半径r(mm)との間に、下記の(1)式の関係
が成り立たないように設定した値である。 n≧r1.71×2.32×10-4+1・・・(1) なお、その配置は、セラミック基板と同心円の円周上に
支持ピンを3個等間隔で設け、セラミック基板の中心部
に支持ピンを1個設ける配置であった。
【0153】実施例1〜6および比較例1〜2に係るセ
ラミックヒータに、シリコンウエハを載置し、通電する
ことにより、300℃まで昇温し、下記の方法により評
価した。
【0154】評価方法 (1)過渡時面内温度均一性 室温〜300℃まで昇温した時のシリコンウエハの最高
温度と最低温度とをサーモビュア(日本データム社製
IR−16−2012−0012)により測定した。過
渡時面内温度均一性は、昇温時における最高温度と最低
温度との差の最大値で示す。その結果を表1に示す。
【0155】(2)定常時面内温度均一性 セラミックヒータを300℃まで昇温した後、サーモビ
ュアによりシリコンウエハの最高温度と最低温度とを測
定し、その温度差を算出した。その結果を表1に示す。
【0156】
【表1】
【0157】表1に示すように、実施例に係るセラミッ
クヒータは、いずれも過渡時および定常時において、シ
リコンウエハの面内温度分布が小さかった。これは、実
施例に係るセラミックヒータが、セラミック基板に設け
た支持ピンの個数nとセラミック基板の直径r(mm)
との関係を示す下記(1)式を満たすように、支持ピン
が形成されていたためであり、その結果、シリコンウエ
ハに撓みが生じず、シリコンウエハとセラミック基板と
の距離が均一になり、シリコンウエハを均一に加熱する
ことができたと考えられる。 n≧r1.71×2.32×10-4+1・・・(1)
【0158】一方、比較例に係るセラミックヒータは、
実施例に係るセラミックヒータと比べて、過渡時および
定常時の面内温度分布が大きかった。これは、比較例に
係るセラミックヒータが、セラミック基板に設けた支持
ピンの個数nとセラミック基板の直径r(mm)との関
係を示す上記(1)式を満たすように、支持ピンが形成
されていなかったためであり、その結果、シリコンウエ
ハに撓みが生じ、シリコンウエハとセラミック基板との
距離にばらつきが発生し、シリコンウエハを均一に加熱
することができなかったと考えられる。
【0159】実施例1に係るセラミックヒータは、実施
例5に係るセラミックヒータより、面内温度分布が小さ
く、実施例2に係るセラミックヒータは、実施例6に係
るセラミックヒータより、面内温度分布が小さかった。
これは、実施例1および2に係るセラミックヒータは、
支持ピンのセラミック基板から突出する高さが好適な範
囲内、すなわち、5〜5000μmであったため、シリ
コンウエハを均一に加熱することができたのに対し、実
施例5に係るセラミックヒータは、シリコンウエハとセ
ラミック基板との距離が近すぎるため、セラミック基板
の温度分布の影響をうけてシリコンウエハの温度が不均
一になり、また、実施例6に係るセラミックヒータは、
シリコンウエハとセラミック基板との距離が遠すぎるた
め、シリコンウエハの温度が上昇しにくくなり、特に、
シリコンウエハの外周部の温度が低くなってしまったた
めであると考えられる。
【0160】実施例1〜4に係るセラミックヒータは、
面内温度分布に大きな差異は見られなかった。これは、
上記(1)式を満たしていれば、シリコンウエハの撓み
は充分に防止することができ、セラミック基板に設ける
支持ピンを過剰に増やしても、あまり本発明の効果の向
上に繋がらないためであると考えられる。
【0161】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のセラミッ
クヒータによれば、半導体ウエハとセラミック基板との
距離を均一にして保持することができるため、半導体ウ
エハの撓みが発生せず、半導体ウエハの全体を均一に加
熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックヒータを模式的に示す底面
図である。
【図2】(a)は、図1に示したセラミックヒータの部
分拡大断面図であり、(b)は、本発明のセラミックヒ
ータに設ける支持ピンを固定するために用いる金具であ
る。
【図3】本発明のセラミックヒータを模式的に示す底面
図である。
【図4】(a)は、図3に示したセラミックヒータの部
分拡大断面図であり、(b)は、本発明のセラミックヒ
ータに設ける支持ピンを固定する様子を模式的に示す斜
視図である。
【図5】(a)、(b)は本発明の支持ピンを模式的に
示す正面図である。
【図6】(a)〜(c)は本発明の支持ピンを模式的に
示す正面図である。
【図7】(a)〜(d)は、図1に示したセラミックヒ
ータの製造工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図8】(a)〜(d)は、図3に示したセラミックヒ
ータの製造工程の一部を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
10、20 セラミックヒータ 11、21、61 セラミック基板 11a、21a、61a 加熱面 11b、21b、61b 底面 12、22、62 発熱体 130 導体ペースト層 13、23、63 外部端子 13a、63a スルーホール 13b、63b 袋孔 14、24 有底孔 15、25、65 リフターピン用貫通孔 16、26、66 リフターピン 17、67 支持ピン用貫通孔 18、28、38、48、58 支持ピン 181、281、381、481 柱状部 182、282、382、482 固定部 183 嵌合部 184 接触部 19 金具 220 金属被覆層 29 ばね 39 半導体ウエハ 50 グリーンシート 60 静電チャック 68 静電電極層 69 セラミック誘電体膜
フロントページの続き Fターム(参考) 3K034 AA02 AA21 AA22 AA34 BB06 BB14 BC04 BC12 BC16 BC29 CA15 DA04 DA08 EA06 EA07 GA10 HA01 HA10 JA02 3K092 PP20 QA05 QB02 QB17 QB44 QB45 QB69 QB74 QB76 QC02 QC32 QC43 QC49 QC52 QC58 RF03 RF11 RF17 RF22 RF26 TT08 UA05 UA17 UA18 VV22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円板形状のセラミック基板の表面または
    内部に発熱体が形成され、前記セラミック基板には、被
    加熱物を保持するための支持ピンが上記セラミック基板
    の表面から突出した状態で設けられたセラミックヒータ
    であって、前記支持ピンの数nと、前記セラミック基板
    の半径r(mm)とは、下記の(1)式の関係を満たす
    ことを特徴とするセラミックヒータ。 n≧r1.71×2.32×10-4+1・・・(1)
  2. 【請求項2】 前記支持ピンにより、被加熱物をセラミ
    ック基板の加熱面から5〜5000μm離間した状態で
    保持する請求項1または2に記載のセラミックヒータ。
  3. 【請求項3】 前記セラミック基板には貫通孔が形成さ
    れ、前記貫通孔に支持ピンが挿入、固定されてなる請求
    項1または2に記載のセラミックヒータ。
  4. 【請求項4】 前記セラミック基板の表面には凹部が形
    成され、前記凹部に支持ピンが挿入、固定されてなる1
    または2に記載のセラミックヒータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011081939A (ja) * 2009-10-05 2011-04-21 Bridgestone Corp ヒータユニット

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