JP2002167439A - (ポリ)リン酸アルミニウムシロキサン共縮合物、その製法およびそれを含む封孔剤 - Google Patents

(ポリ)リン酸アルミニウムシロキサン共縮合物、その製法およびそれを含む封孔剤

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Takeo Wada
猛郎 和田
Yasuo Hirai
靖男 平井
Nobuaki Unno
伸明 海野
Hideyuki Ishibashi
秀幸 石橋
Shunichi Unno
俊一 海野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低粘度で、溶射皮膜に存在する気孔や空隙の内
部にまで浸透し、更に縮合して可撓性、耐衝撃性、耐水
性、耐薬品性、耐食性、耐食性の硬化物となり気孔や空
隙を完全に封じて素材表面を長期に亘り保護し得る封孔
剤に適した素材の提供。 【解決手段】リン(P)、アルミニウム(Al)および
珪素(Si)の原子比が1〜3:1:8〜1040の範
囲内にある新規(ポリ)リン酸アルミニウムシロキサン
共縮合物が、前述の封孔剤としての要件を満たした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、溶射な
どにより素材表面に皮膜を形成させた場合、その溶射皮
膜に存在する微細孔内に浸透して内部で固化することに
より、その微細孔を封鎖し、素材表面を気体や液体の侵
入から防護する材料、すなわち封孔剤として有用な新規
(ポリ)リン酸アルミニウムシロキサン共縮合物、その
製造法およびその封孔剤としての用途に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から溶射法と呼ばれて、鉄鋼などの
金属素材の防錆、防食、耐摩耗性、耐熱性、断熱性等の
向上、装飾などの目的で、素材表面に溶融状態に熱せら
れた金属、合金、セラミック(たとえば金属酸化物、金
属炭化物など)または有機質材料などの細かい粒子を吹
き付け、これを積層して皮膜を形成させる方法が知られ
ている。この溶射法は、近年、種々の条件に耐えるう金
属素材の要求の高まりと、溶射装置、溶射材、溶射施工
法の改良に伴い、建築、土木、造船、機械、電気等の広
範な分野で利用が拡大している。
【0003】溶射法は、線状、棒状あるいは粉末状の溶
射材を熱源で加熱溶融して液状にし、空気や不活性ガス
(窒素やアルゴンなど)で微粒化して被溶射面に吹き付
ける方法で、加熱するための熱源により、ガス式溶射と
電気式溶射とに大別することができる。ガス式溶射に
は、フレーム溶射と爆発溶射がある。フレーム溶射はさ
らに溶線式、溶棒式及び粉末式に分けることができる。
溶射式や溶棒式では、トーチの中心孔から溶射材を送
り、酸素一燃焼炎で溶射材を溶融し、それを周囲からの
圧縮空気のジェットで微粒化して吹き飛ばし素材表面に
たたきつけて素材表面に密着させる。粉末式では、送給
用ガス(酸素一燃料ガスを分流して中心孔中を流す)中
に溶射材粉末をホッパーから供給し、ノズル出口から高
温の燃焼ガスの流れに乗せて、溶融状態にし、素材表面
に吹きつける。爆発溶射は、金属やセラミックスの粉末
を爆発的に溶融して吹き付ける方法である。
【0004】電気式には、アーク式溶射、プラズマ溶射
などがある。アーク式は、連続的に送給する2本の溶射
材料(線)の先端にアークを発生させ、それにより溶け
た部分を中心孔から吹き出す空気ジェットで微細粒子と
して素材表面に吹き付ける方法である。プラズマ溶射
は、タングステン陰極と銅製陽極のノズル孔内との間に
発生するアークを熱源として用いて溶射材粉末を溶融
し、作動ガスに乗せて素材表面にたたき付ける方法であ
る。いずれにしても溶射法は、溶融状態の溶射材料の微
粒子を被溶射面に吹き付けて皮膜を形成させる方法であ
るので、形成された溶射皮膜には多数の微細な気孔が存
在する。溶射皮膜に散在する気孔には、開口気孔と密閉
気孔があるが、開口気孔は気体や液体がこの気孔を通じ
て皮膜表面から素材表面にまで浸透するので、用途によ
ってはこの気孔を封鎖する必要がある。この気孔を封鎖
する目的で溶射皮膜に塗布するのが封孔剤と呼ばれるも
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これまでに用いられて
きた封孔剤には、油脂・ワックス類、エポキシ樹脂、ポ
リウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂な
どの合成樹脂、水ガラスなどのセラミック材、燐酸塩、
重クロム酸塩などの無機系封孔剤があるが、主として合
成樹脂封孔剤が用いられてきた。しかし合成樹脂封孔剤
は、成分である高分子ポリマーの分子が大きすぎて、溶
射皮膜中の小さな孔径の気孔にはその内部まで浸透する
ことができず、表面を被覆するのみとなる。またこれら
合成樹脂による皮膜は比較的剥がれやすく、一旦剥がれ
ると気孔が再生して水や気体が素材表面にまで浸透し、
素材表面が鉄などの金属でる場合は錆発生の原因とな
る。したがって、防錆を1つの大きな目的とした橋梁、
鉄塔、屋外プラントなどの風雨に晒される大型施設に用
いる封孔剤としては少なくとも次ぎの要件を備えること
が望まれる。
【0006】1.低粘度である。 2.気孔や空隙に浸透し易い。 3.高固形分である。 4.上塗り塗料との接着性がよい。 5.気孔、空隙の内部にまで浸透してから硬化する。 6.可撓性があり、耐衝撃性が高い。 7.耐水性、耐薬品性、耐食性である。 8.溶射皮膜の使用目的温度に対して耐熱性である。 しかし従来用いられている封孔剤で上記要件を満足する
ものは存在しない。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の事情に鑑み、本発
明者らは数多くの化合物を合成し、また種々の組成物を
調製して、上記封孔剤の要件を備えた材料を探索した結
果、驚くべきことに、リン(P)、アルミニウム(A
l)および珪素(Si)の原子比が特定範囲にある(ポ
リ)リン酸アルミニウムシロキサン共縮合物が前述の封
孔剤の要件をすべて満足するものであることを知見し、
さらに検討を重ねて本発明を完成した。すなわち、本発
明は、 (式中、Rは水素、C1−18アルキル又はアリー
ル、R、RおよびRは、同一または異なって、C
1−3アルキルを表わす。)で示されるシロキサン化合
物(a)と、(ポリ)リン酸と水酸化アルミニウムがP
/Al原子比1〜3で縮合した形の(ポリ)リン酸アル
ミニウム縮合物(b)を、(a)中のSiと(b)中の
AlのSi/Al原子比を8〜1040の量比で反応さ
せて得られる(ポリ)リン酸アルミニウムシロキサン共
縮合物、(2)Si/Al原子比が80〜300である
(1)記載の(ポリ)リン酸アルミニウムシロキサン共
縮合物、(3)粘度が5〜100cPである(1)また
は(2)記載の(ポリ)リン酸アルミニウムシロキサン
共縮合物、 (式中、Rは水素、C1−18アルキル又はアリー
ル、R、RおよびRは、同一または異なって、C
1−3アルキルを表わす。)で示されるシロキサン化合
物(a)に、湿気遮断下で撹拌しながら、20℃以下の
温度で(ポリ)リン酸と水酸化アルミニウムがP/Al
原子比1〜3で縮合した形の(ポリ)リン酸アルミニウ
ム縮合物(b)を、Si/Alの原子比が8〜1040
となるまで少量ずつ加えて反応させる(ポリ)リン酸ア
ルミニウムシロキサン共縮合物の製造法、(5)Si/
Al原子比が80〜300である(4)記載の(ポリ)
リン酸アルミニウムシロキサン共縮合物の製造法、およ
び(6)(1)〜(3)のいずれかに記載の(ポリ)リ
ン酸アルミニウムシロキサン共縮合物を含有してなる封
孔剤、である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の(ポリ)リン酸アルミニ
ウムシロキサン共縮合物は、文献未載の新規な物質であ
り、式で表されるシロキサン化合物(a)と(ポリ)
リン酸アルミニウム縮合物(b)を特定のSi/Al原
子比となるように縮合させることにより得ることができ
る。式において、Rで示されるC1−18のアルキ
ルとしては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチ
ル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−
オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、
n−ドデシルなどが、アリールとしてはフェニルなどが
あげられる。好ましいアルキル基はC6−1 のアルキ
ルである。R、RおよびRで表されるアルキルと
してはメチル、エチル、n−プロピルなどがあげられ
る。好ましいアルキルはメチルである。
【0009】(ポリ)リン酸は、オリトリン酸および二
リン酸、三リン酸などオルトリン酸が2〜3個重合した
形のポリリン酸があげられる。この(ポリ)リン酸と水
酸化アルミニウムが縮合した形の(ポリ)リン酸アルミ
ニウム縮合物(b)におけるP/Alの原子比は通常1
〜3、好ましくは1〜1.5である。(a)と(b)
を、Si/Al原子比が8〜1040、好ましくは80
〜300、更に好ましくは100〜200となるような
量比で縮合させることにより本発明の(ポリ)リン酸ア
ルミニウムシロキサン共縮合物が得られる。
【0010】次に本発明の(ポリ)リン酸アルミニウム
シロキサン共縮合物の製造例をあげる。まず、(ポリ)
リン酸アルミニウム縮合物(b)は、たとえばクエン酸
の酢酸溶液に水酸化アルミニウムの粉末を分散させ、撹
拌下にオルトリン酸を当モル加えて反応させることによ
り得ることができる。また、クエン酸と無定形クエン酸
アルミニウムを混合するとスラリー状になり、このスラ
リーに少量の水を加えることによっても透明な液状の
(ポリ)リン酸アルミニウム縮合物を得ることができ
る。次に、シロキサン化合物(a)を反応器に収容し、
湿気を遮断した条件下、たとえば乾燥窒素ガスの流通下
に、反応温度を20℃以下、好ましくは5〜15℃に保
ち、(b)の(ポリ)リン酸アルミニウム縮合物を少量
ずつ加えて撹拌し、液が澄明になるのをまって次の少量
を加えるという要領で所定量を反応させる。
【0011】このようにして得られた共縮合物は、必要
によりアンモニアガスを通して液を中和し、さらに必要
により吸着剤、たとえばシリカゲルを加えて水および中
和塩を吸着除去することにより5〜100cPの粘度を
有する澄明な液状の(ポリ)リン酸アンモニウムシロキ
サン共縮合物が得られる。この共縮合物および、その共
縮合物の硬化物は次の性状を有している。 共縮合物の性状 1.可視、赤外域では透明な液状である。 2.粘度は5〜100cPで、粘稠ではあるが溶射皮膜
細孔内部への浸透性は高い。 3.金属または金属酸化物表面では更に縮合して硬化
し、接着する。 4.空気接触面での硬化は遅く、通常完全硬化にはほぼ
24時間を要す。 共縮合物の硬化物の性状 1.透明なガラス状で、可撓性を有する。 2.硬化物表面は撥水性、耐薬品性である。 3.比率は1.10〜1.30の範囲である。 4.屈折率はN25 =1.37〜1.54の範囲内で
ある。 5.鉛筆硬度は2H〜3Hで柔軟性を有している。
【0012】溶射法によって素材表面に形成される溶射
皮膜は10〜1000μm、通常50〜300μm程度
の厚みを有しているが、膜は多孔であり、気孔率は2〜
20%に及ぶ。その孔径は溶射材、溶射方法により種々
であるが、多くは10μm以下で、平均孔径は0.05
〜0.1μmの間にあることが多い。したがって封孔剤
は0.05〜10μm程度の気孔内部に浸透し、素材表
面に達するようなものが望ましい。本発明の(ポリ)リ
ン酸アルミニウムシロキサン共縮合物は、やや粘稠な液
体であるが、これら微細な気孔内部にもよく浸透し、気
孔内や素材表面で縮合・硬化して、ガラス質で、撥水
性、耐薬品性の高い可撓性硬化物となる。またこの硬化
物は、一般の合成樹脂塗料との接着性も良好である。こ
のように本発明の共縮合物は封孔剤として極めて適した
性状を有しているが、金属、セラミック、セメント等へ
の接着も良好であるので、これらの表面保護剤としても
有用である。
【0013】溶射皮膜表面へ封孔剤を適用するには、エ
アガンによる吹き付けや、刷子塗りなど一般の塗料を塗
布するのに用いられる方法がそのまま使用できるが、エ
アガンによる吹き付けが作業上も効果面でも好ましい。
溶射皮膜の厚みにもよるが一般的には、塗布料は10〜
200g/m、好ましくは20〜150g/m程度
である。溶射皮膜表面に塗布された封孔剤は比較的速や
かに気孔内に浸透するが、数時間〜24時間でゆっくり
と縮合・硬化する。
【0014】
【実施例】以下に実施例、試験例をあげて本発明を具体
的に説明する。 実施例1 2.0mlの酢酸に0.3gのクエン酸を溶解し、その
溶液に水酸化アルミニウム粉末4.7gを分散させた。
撹拌下にオルトリン酸を水酸化アルミニウムに対して当
モル滴下してスラリー状のリン酸アルミニウム縮合物を
得た。2000ml容の三頚コルベンに、ヘキシルトリ
エトキシシラン(KBE3063、信越化学(株)製)
1000mlを収容し、中央の頚にシールした撹拌機を
装着し、他の1頚から乾燥窒素ガスを導入して湿気を遮
断した。コルベンは10℃に保たれた水浴に固定した。
もう1つの頚から上記リン酸アルミニウムが総量でヘキ
シルトリエトキシシランの4重量%に達するまで毎分2
mlずつ加えて反応させた。リン酸アルミニウムの滴下
終了後もさらに1時間撹拌し、透明安定な粘稠液である
リン酸アルミニウムシロキサン共縮合物(Si/Al原
子比:8/1)を得た。この液にアンモニアガスを導入
して液を中和し、粒状のシリカゲルを入れて水分ならび
に中和塩を吸着除去すると、粘度41cP、比重1.2
6(20℃)のリン酸アルミニウムシロキサン共縮合物
が得られた。
【0015】実施例2 クエン酸モノ水和物3.0gに、無定型リン酸アルミニ
ウム3.0gを混合するとスラリー状のリン酸アルミニ
ウム縮合物が得られた。このスリラーに水を数滴(0.
25ml)加えると透明な液となった。この液を実施例
1で用いたと同様のヘキシルトリエトキシシラン100
0mlを収容した2000ml容のコルベンに毎分2m
lずつ滴下した。Si/Al原子比が8/1に達するま
でスラリー状のリン酸アルミニウム縮合物を加えた後、
更に1時間撹拌を続けると、透明な粘稠液が得られた。
アンモニアガスを通して液を中和した後、粒状シリカゲ
ルを加え水分と中和塩を吸着除去して、比重1.130
(20℃)、粘度45cPのリン酸アルミニウムシロキ
サン共縮合物が得られた。
【0016】実施例3 トリポリリン酸ナトリウム1モルに対して3モルの水酸
化アルミニウムを加え、さらにクエン酸1.5モルと少
々の硫酸を加えて、押し出し機で練り込んだ。これに1
lのエチルアルコールを加えると水を分離して、ペース
ト状のトリポリリン酸アルミニウム縮合物が得られた。
ジャケット、撹拌機付きの50lステンレス製の釜に4
0kgのデシルトリメトキシシランを入れ、乾燥した窒
素ガスを封入した後撹拌しながら、得られたトリポリリ
ン酸アルミニウム共縮合物800gを、約3時間掛けて
滴下し、ガラス窓から液が透明に成るのを確かめた。透
明に仕上がった時点で20gのシリカゲルを加え、過剰
な中和塩を吸着除去すると比重1.26、粘度42cP
のポリリンさんアルミニウムシロキサン共縮合物(Si
/Al原子比:170/1)が得られた。
【0017】試験例1 溶射皮膜の封孔処理試験 亜鉛溶射した5cmx10cmの鋼板(新潟メタリコン
(株)製)の溶射皮膜に、実施例1および2で得られた
リン酸アルミニウムシロキサン共縮合物を塗布し、その
封孔効果を評価した。比較のため、封孔剤として用いら
れているエポキシ樹脂塗料(日本ペイント(株)製、ハ
イポン30マスティックプライマー)を用いて同様の実
験を行った。 素材表面処理:前処理としてブラスト処理(グリット1
00#) 溶射方法:酸素−アセチレンガスを用いるフレーム溶射 溶射材:亜鉛 溶射膜厚:70μm 塗布方法:エアスプレー(口径0.3mm、噴出圧力
0.13Mpa、明治機械製作所製)により、溶射面か
ら20cm離れたところからの塗布 塗布量:35g/m 硬化条件:25℃で10時間放置 評価試験
【0018】(1)耐食塩水試験 JIS−H8300の溶射皮膜の耐食性試験に準じ、試
験片を40℃、3%食塩水に72時間浸漬して、塗布面
の膨れ、剥がれ、赤錆の有無、程度を目視で観察した。 (2)フェロシアン化カリウム発色試験 酸の浸透性を評価するため、蒸留水にフェロシアン化カ
リウムを溶かして3%溶液を作り、硫酸を加えてpHを
4.5〜5.0に調製した。これに界面活性剤オクタデ
シルモノメチルアンモニウムサルフェートを0.05%
となるよう加え、室温下、試験片を12時間毎に60分
間浸漬して引き上げ、この操作を6回繰り返した。その
間にフェロシアン化カリと鉄錆の反応によるプルシアン
ブルーの発色を観察した。
【0019】
【表1】 上記〔表1〕からも明らかなように、実施例1および2
で得られたリン酸アルミニウムシロキサン共縮合物はい
ずれも亜鉛溶射皮膜の気孔に浸透し、その内部で硬化し
て気孔を完全に塞ぎ、外部からの水の侵入をよくくいと
め、素材表面を保護する。一方エポキシ樹脂塗料では、
塗布が気孔に殆ど浸透せず、また表面に発生した気泡が
クレーターとなって残留していた。その結果24〜36
時間後に食塩水による白錆が観察された。
【0020】試験例2 溶射面の封孔処理試験 アルミニウムと亜鉛の偽似合金のアーク溶射により調製
された5cmx10cmの鋼板(日本メタライジング防
錆協会作成)に、実施例3で合成したポリリン酸アルミ
ニウムシロキサン共縮合物で封孔処理を行った。比較の
ために珪酸塩封孔剤であるシリケート40(多摩化学工
業(株)製)を用いて同様の処理を行った。 溶射処理:ブラスト処理アルミニウムおよび亜鉛の同時
常温アーク溶射(Al/Zn体積比=55/45) 溶射膜厚:100μm、200μm 塗布方法:試験例1に用じ 塗布量:150g/m 乾燥時間:24時間 評価試験 (1) 耐食塩水試験(試験例1と同じ要領) (2)フェロシアン化カリウム発色試験(試験例1塗同
じ要領) (3)1N塩酸1時間浸漬試験(25℃)
【0021】
【表2】 アルミニウムを溶射材としたアーク溶射皮膜により鋼板
上に形成された溶射皮膜に対し、実施例3の封孔剤はよ
くその細孔に浸透し、内部で縮合、硬化して気孔を塞
ぎ、その結果として塩水や酸に対して素材表面を長期に
亘り保護した。一方、珪酸塩封孔剤は、塗布後に収縮が
起こり、塗布層に亀裂が入った。その亀裂から塩水や酸
が内部に浸透し、素材表面から白錆が発生して、浸食さ
れるという現象が起こった。
【0022】
【発明の効果】本発明の新規な(ポリ)リン酸アルミニ
ウムシロキサン共縮合物は、比較的低粘度の液体で、溶
射皮膜に存在する気孔や空隙の内部に浸透し、ゆっくり
と縮合して、可撓性、耐衝撃性、耐水性、耐薬品性、耐
食性、耐熱性のガラス質硬化物となり、気孔、空隙を完
全に封じて素材表面を長期に亘り保護する。したがって
溶射皮膜の封孔剤として極めて適したものである。また
素材表面を保護する一般塗料としても有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石橋 秀幸 佐賀県佐賀市木原3丁目1−29 (72)発明者 海野 俊一 大阪府茨木市沢良宜西1丁目10−5−401 Fターム(参考) 4H017 AA04 AB16 AB17 AC15 AD06 AE05 4H050 AB46 AB99 AC90 WA13 WA29 4J035 BA01 CA29N CA291 HA05 HB02 LA02 LB20 4K031 AB02 AB09 CB31 FA08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 (式中、Rは水素、C1−18アルキル又はアリール、
    、RおよびRは、同一または異なって、C
    1−3アルキルを表わす。)で示されるシロキサン化合
    物(a)と、(ポリ)リン酸と水酸化アルミニウムがP
    /Al原子比1〜3で縮合した形の(ポリ)リン酸アル
    ミニウム縮合物(b)を、(a)中のSiと(b)中の
    AlのSi/Al原子比を8〜1040の量比で反応さ
    せて得られる(ポリ)リン酸アルミニウムシロキサン共
    縮合物。
  2. 【請求項2】Si/Al原子比が80〜300である請
    求項1記載の(ポリ)リン酸アルミニウムシロキサン共
    縮合物。
  3. 【請求項3】粘度が5〜100cPである請求項1また
    は2記載の(ポリ)リン酸アルミニウムシロキサン共縮
    合物。
  4. 【請求項4】式 (式中、Rは水素、C1−18アルキル又はアリー
    ル、R、RおよびRは、同一または異なって、C
    1−3アルキルを表わす。)で示されるシロキサン化合
    物(a)に、湿気遮断下で撹拌しながら、20℃以下の
    温度で(ポリ)リン酸と水酸化アルミニウムがP/Al
    原子比1〜3で縮合した形の(ポリ)リン酸アルミニウ
    ム縮合物(b)を、Si/Alの原子比が8〜1040
    となるまで少量ずつ加えて反応させる(ポリ)リン酸ア
    ルミニウムシロキサン共縮合物の製造法。
  5. 【請求項5】Si/Al原子比が80〜300である請
    求項4記載の(ポリ)リン酸アルミニウムシロキサン共
    縮合物の製造法。
  6. 【請求項6】請求項1〜3のいずれかに記載の(ポリ)
    リン酸アルミニウムシロキサン共縮合物を含有してなる
    封孔剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006206974A (ja) * 2005-01-28 2006-08-10 Neos Co Ltd 薄膜製造装置部材の表面処理方法及び薄膜製造装置部材
JP2009121603A (ja) * 2007-11-15 2009-06-04 Nippon Steel Corp 高力ボルト摩擦接合構造、および高力ボルト摩擦接合構造における金属溶射層の形成方法

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