JP2002166669A - 印刷現像近赤外レーザー露光用光重合性平版印刷版及び印刷版の製版方法 - Google Patents

印刷現像近赤外レーザー露光用光重合性平版印刷版及び印刷版の製版方法

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JP2002166669A
JP2002166669A JP2000362422A JP2000362422A JP2002166669A JP 2002166669 A JP2002166669 A JP 2002166669A JP 2000362422 A JP2000362422 A JP 2000362422A JP 2000362422 A JP2000362422 A JP 2000362422A JP 2002166669 A JP2002166669 A JP 2002166669A
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group
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lithographic printing
meth
acid
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JP2000362422A
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English (en)
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Toshiyoshi Urano
年由 浦野
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度で、可視画性に優れた印刷現像近赤外
レーザー露光用光重合性平版印刷版及びその製版方法を
提供する。 【解決手段】(A)エチレン性化合物、(B)ポリメチ
ン鎖を介して複素環が結合した構造のシアニン系増感色
素カチオン及び/又はフタロシアニン系増感色素、
(C)有機硼素アニオン及び/又はハロメチル基含有化
合物、を含有する感光層を、親水化処理された支持体上
に設けてなる印刷現像近赤外レーザー露光用光重合性平
版印刷版であって、ガムテープによる剥離強度測定方法
で求めたガムテープの該親水化処理された支持体からの
剥離強度が500g/cm以下であることを特徴とする
印刷現像近赤外レーザー露光用光重合性平版印刷版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印刷現像近赤外レー
ザー露光用感光性平版印刷版及びその製版方法に関す
る。更に詳しくは、本発明はアルカリ現像処理を要する
ことなく、光硬化感光性画像を形成させることが可能な
新規な印刷現像平版印刷版及びその製版方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の感光性平版印刷版は、親水化処理
された支持体上に、ジアゾ樹脂、光架橋性ポリマー、光
重合性組成物等のネガ型感光性層或いは、ベンゾキノン
ジアジド、ナフトキノンジアジド等のポジ型感光性層を
塗設し、必要に応じて、この感光性層上に酸素バリヤー
層としてポリビニルアルコール層を形成した構成とされ
ている。
【0003】このような感光性平版印刷版に感光性画像
を形成(製版)するには、該印刷版を画像様に露光した
後、ケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等の無機アルカ
リ剤又はジエタノールアミン、トリエタノールアミン等
の有機アルカリ剤を含有するアルカリ現像液を用い、こ
の現像液に印刷版を浸漬し、ブラシ等の物理的刺激を加
えて、ネガ型感光性層の場合には感光性層の未露光部分
を、また、ポジ型感光性層の場合はその露光部分をそれ
ぞれ溶解して除去することにより、支持体上に感光性画
像を得る。
【0004】このようにして、画像形成された印刷版の
表面に、親油性の印刷インクと印刷湿し水とのエマルジ
ョンよりなるインク液を供給すると、露出した親水性支
持体表面と感光性画像の親水性との差により、感光性画
像上に印刷インクが、また、露出した親水性の支持体表
面上に水が選択的に付着し、印刷インク画像が形成され
る。この印刷インク画像を受像紙へ転写することにより
印刷物を得ることができる。
【0005】上記の製版工程で使用されるアルカリ現像
液は、均一な画像を得るために、通常自動現像装置に対
して10〜20L(リットル)を要す。一般には、アル
カリ現像液の使用量を抑えるために、同じ現像液が多数
枚の感光性平版印刷版の現像に繰り返し使用される。繰
り返し使用されたアルカリ現像液は経時により、液中に
溶解した感光性層組成物及び空気中の酸素により劣化
し、現像不良を生じやすくなる。このアルカリ現像液の
劣化を抑制するためには、高濃度のアルカリ現像液を追
加補充するための煩雑な作業が必要となる。そして、こ
のような高濃度アルカリ現像液の補充を行っても、通常
の製版工場では、数週間に1回の割合で新液と入れ替え
る必要があった。
【0006】新液の入れ替えに際しては、使用済みアル
カリ現像液の廃液が排出されるが、近年、海洋環境保護
の観点から、使用済みアルカリ現像液の海洋投棄処理が
困難となっており、使用済みアルカリ現像液の処分は長
い間印刷技術分野における重要な課題となっている。
【0007】このような理由から、アルカリ現像液によ
る現像を必要としない感光性平版印刷版の開発が進めら
れてきたが、従来のものは、いずれも、親油性画像領域
と親水性非画像領域との間の識別度が十分でなく、その
結果、印刷時の画像品質が劣る;親油性画像領域の耐久
性が十分でなく、長期の印刷運転が不可能である;或い
は、親水性画像形成層は容易に引っ掻き傷が付き、すり
減り易い;などの欠点があった。
【0008】このような問題を解決するものとして、特
開平8−48020号公報には、多孔質親水性表面を有
する支持体上に、親油性、放射線吸収性、感熱性の画像
形成層を設けた感光性平版印刷版を用い、次のような方
法で平版印刷版を製版する技術が記載されている。
【0009】(1) この感光性平版印刷版を画像様に
露光し、露光領域に熱を発生せしめ露光領域の画像形成
層と支持体との接着性を強化した後、非露光部分の画像
形成層を剥離除去し、多孔質親水性表面を露出させる。
【0010】(2) 画像形成層を有する転写シートと
印刷版支持体を密着させた状態で、赤外光を画像形成層
に照射して吸収させ、熱に変化させ、画像形成層を転写
シートから印刷版支持体に転写させる。或いは、予め印
刷版支持体上に設けた感光性平版印刷版の画像性成層に
同様に光を照射して熱に変化させ、画像形成層と印刷版
支持体との接着性を強化した後、未露光部分の画像形成
層を剥離除去する。
【0011】また、特開平10−333321号公報、
特開平10−3166号公報、USP6014929に
は、印刷版の支持体上、あるいは親水性のポリマー層を
設けた印刷版の支持体上に、紫外光又は可視光に感応す
る光重合性層を設けた感光性平版印刷版であって、感光
層と支持体との接着性を有る程度少なくすることによ
り、画像露光後に印刷機上に装着し、マスキングテープ
等を利用して非画像部を除去するか、あるいは除去せず
に通常の印刷を行い、該印刷版の非露光部分を印刷イン
クと共にゴムブランケットローラーへ転写させることに
より、支持体上(印刷版上)に光硬化印刷画像を形成さ
せることができる印刷現像感光性印刷版、及びその製版
方法が記載されている。
【0012】しかしながら、上記の各文献に記載された
印刷版の光重合性層は、紫外光又は可視光に感光性を有
するため、通常、白色灯下の室内に設置されている印刷
機上では取り扱うことが困難であった。これと併せて、
近年のデジタル画像処理の進歩に伴い、近赤外半導体レ
ーザー光に高感度に感応し、しかも白色灯下においても
取り扱いが容易な(セーフライト特性を有する)印刷現
像可能な印刷版が求められている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アル
カリ現像液を必要とせず、近赤外領域の光に対して高感
度な光重合性平版印刷版を提供することにある。また、
本発明の別の目的は、白色灯下でも取り扱い可能な印刷
現像光重合性平版印刷版及びその製版方法を提供するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
の結果、親水化処理された接着性の低い支持体上に、特
定の光重合系を含有する感光層を設けることにより上記
課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
【0015】即ち、本発明の要旨は、(A)エチレン性
不飽和化合物、(B)ポリメチン鎖を介して複素環が結
合した構造のシアニン系増感色素カチオン及び/又はフ
タロシアニン系増感色素、(C)有機硼素アニオン及び
/又はハロメチル基含有化合物、を含有する感光層を、
親水化処理された支持体上に設けてなる印刷現像近赤外
レーザー露光用光重合性平版印刷版であって、ガムテー
プによる剥離強度測定方法で求めたガムテープの該親水
化処理された支持体からの剥離強度が500g/m以下
であることを特徴とする印刷現像近赤外レーザー露光用
光重合性平版印刷版に存する。
【0016】本発明の他の要旨は、上記の印刷現像近赤
外レーザー露光用光重合性平版印刷版の感光層を、近赤
外光により画像露光して画像様に該感光層を光硬化させ
た後、感光層の未露光部分を支持体から除去して光硬化
感光性画像を形成する方法であって、画像露光後の光重
合性平版印刷版を印刷機の版胴に装着し、該光重合性平
版印刷版の感光層上に湿し水と印刷インクを供給してブ
ランケットローラーのローラー表面に該インクを転写す
る際に、該インクと共に前記未露光部をインクの粘着性
を利用してブランケットローラーのローラー表面に転写
することにより、該未露光部分を支持体から除去するこ
とを特徴とする印刷現像近赤外レーザー露光用光重合性
平版印刷版の製版方法に存する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる親水性支持体
は、印刷時に供給される湿し水により表面が水の薄膜で
おおわれた状態(ウェット状態)になり、エマルジョン
状態の印刷インクと接触した際に、親油性のインク粒子
の付着を防ぎ印刷物上の非画像部を形成させる機能と、
印刷時において、該親水化表面上に塗布された感光性層
が印刷時の印刷インクとの粘着力により容易にブランケ
ット胴上に転写除去される機能とを有する。
【0018】このような機能を発現する親水性支持体と
しては、特開平10−333321号公報に記載されて
いるガムテープ剥離強度測定方法にて求められた該支持
体からガムテープを剥離するときのガムテープ剥離強度
が500g/cm以下であることが必要である。また、
露光後の感光性層を剥離するときのガムテープ剥離強度
が150g/cm以上、特に200g/cmより大であ
ることが好ましい。剥離強度が150g/cmより小さ
いと、耐刷性が劣る場合がある。
【0019】より具体的には、本発明に係る親水性支持
体としては、次の(a)又は(b)が挙げられる。
【0020】(a)アルミニウム板(以下「アルミ板」と
称す。)の表面を各種の方法で粗面化(砂目立て)及び
陽極電解処理等により親水化処理したアルミ板; (b)紙,合成紙,コート紙,アート紙等の各種の紙板、
アルミ板,銅板,鉄板,ステンレス板等の金属板、木
板,ポリエチレンテレフタレートシート,ポリプロピレ
ンシート,ポリエチレンシート等のプラスチック板等か
らなる寸法安定性に優れた支持体の上に、親水性、或い
は、水膨潤性の親水性ポリマー層を設けたもの;(a)の
アルミ板の砂目立ては、支持体上に形成される感光性層
の接着性を改良し、印刷版の非画像領域の水受容特性を
向上させるために行われる。この砂目立ては印刷版の性
能と耐久性との両方に影響を及ぼし、砂目立ての品質は
印刷版の全体的品質を決定する重要な要因となる。ピッ
トの無い微細で均一な砂目を形成することにより、得ら
れる印刷版に本質的に良好な印刷性能を与えることとな
る。
【0021】このような砂目立て方法としては、機械的
及び電気的砂目立て方法がよく知られており、平版印刷
版の製造で広く用いられている。電気化学砂目立て又は
電気化学粗立て(roughening)と称される電
解砂目立てを用いることによって良好な結果を得ること
ができる。
【0022】平版印刷版の製造用としては数多くの電解
砂目立て方法が既に提案されており、例えば、米国特許
第3,755,116号、同第3,887,447号、
同第3,935,080号、同第4,087,341
号、同第4,201,836号、同第4,272,34
2号、同第4,294,672号、同第4,301,2
29号、同第4,396,468号、同第4,427,
500号、同第4,468,295号、同第4,47
6,006号、同第4,482,434号、同第4,5
45,875号、同第4,548,683号、同第4,
564,429号、同第4,581,996号、同第
4,618,405号、同第4,735,696号、同
第4,897,168号及び同第4,919,774号
に記載されている。
【0023】砂目立て後の陽極電解処理としては、硫酸
又はリン酸等の酸を用いる陽極酸化処理が行われ、この
陽極酸化処理後は好ましくは熱ケイ酸塩化(silic
ation)又は電気ケイ酸塩化処理等の表面親水化処
理が実施される。
【0024】次いで施される粗面化処理(砂目立て処
理)は、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨
法、ホーニング研磨法、パフ研磨法等の機械的処理方
法、電解エッチング法、化学エッチング法等の常法に従
ってなされる。中で、塩酸又は硝酸電解液中で交流又は
直流により電解を行う電解エッチング法が好適であり、
その際、酸濃度0.1〜5重量%で、印加電圧1〜50
V、電流密度10〜200A/dm2、電気量100〜
2000c/dm2、温度10〜50℃程度の範囲内の
条件でなされるのが好ましい。
【0025】次いで、電解エッチング法により粗面化さ
れた支持体は、表面のスマットの除去やピット形状のコ
ントロール等のために、硫酸、過硫酸、燐酸、硝酸、塩
酸、弗酸等の酸、又は、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等のアルカリの水溶液に浸漬してデスマット処理が
施されるのが好ましい。
【0026】次いで施される陽極酸化処理は、硫酸、修
酸、燐酸、クロム酸、マロン酸等の1種又は2種以上を
含む水溶液を電解液とし、アルミニウム板を陽極として
電解を行うことによりなされ、これにより形成される酸
化皮膜量は、通常、1〜50mg/dm2 である。中
で、硫酸又は/及び燐酸の水溶液を電解液とする方法が
好適であり、具体的には、例えば、酸濃度10〜50重
量%で、電流密度1〜60A/dm2 、温度5〜50℃
で5〜60秒間程度行われる。
【0027】その後施される水洗浄処理は、水道水、地
下水等をそのまま、又は軟化して用い、通常、室温〜4
0℃程度の温度で、1秒〜5分程度の時間、シャワー、
スプレー、浸漬、塗布等することによりなされる。支持
体表面の粗さとしては、JIS B0601に規定され
る平均粗さRa で、通常、0.3〜1.0μm、好まし
くは0.4〜0.8μm程度とされる。
【0028】アルミ板の陽極酸化処理及びケイ酸塩化処
理による表面親水化処理方法としては、既に広く知られ
ている。
【0029】例えば、平版印刷版の陽極酸化処理方法に
関する特許としては、米国特許第2,594,289
号、同第2,703,781号、同第3,227,63
9号、同第3,511,661号、同第3,804,7
31号、同第3,915,811号、同第3,988,
217号、同第4,022,670号、同第4,11
5,211号、同第4,229,266号及び同第4,
647,346号がある。
【0030】表面親水化処理で用いられる被覆材料とし
ては、上記ケイ酸塩の他、ポリビニルホスホン酸、ポリ
アクリル酸、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリ
アクリルアミド等の親水性ポリマーあるいはその誘導
体、ジルコン酸塩、チタン酸塩を用いることができ、こ
のような表面親水化処理に関する特許としては、米国特
許第2,714,066号、同第3,860,426
号、同第4,427,765号、同第3,181,46
1号、同第3220,832号、同第3,265,50
4号、同第3276,868号、同第3,549,36
5号、同第4,090,880号、同第4,153,4
61号、同第4,376,914号、同第4,383,
987号、同第4,399,021号、同第4,42
7,765号、同第4,427,766号、同第4,4
48,647号、同第4,452,674号、同第4,
458,005号、同第4,492,616号、同第
4,578,156号、同第4,689,272号、同
第4,935,332号及びヨーロッパ特許第190,
643号がある。
【0031】なお、このようにして得られる親水化処理
アルミ板の厚さは、0.1〜1mm、特に0.15〜
0.5mm、とりわけ0.15〜0.4mmであること
が好ましい。
【0032】前記(b)の各種支持体上に親水性ポリマー
層を設ける場合、この親水性ポリマー層中には、親水性
を保つために、必要に応じて架橋剤等で硬化させた親水
性バインダーポリマーを、親水性ポリマー層の全固形分
に対して5〜100重量%、好ましくは20〜95重量
%、より好ましくは40〜90重量%で含有させること
ができる。
【0033】ここで、親水性バインダーポリマーとは、
炭素−炭素結合から構成されたポリマーに側鎖として、
カルボキシル基、アミノ基、リン酸基、スルフォン酸
基、又はこれらの塩、水酸基、アミド基、ポリオキシエ
チレン基等の親水性官能基を1種類以上かつ複数個含有
する網目化されたポリマー、或いは、炭素原子、炭素−
炭素結合の何れかが、少なくとも1種以上の酸素、窒
素、硫黄、リンからなるヘテロ原子で連結されたポリマ
ー若しくはその側鎖にカルボキシル基、アミノ基、リン
酸基、スルフォン酸基、又はこれらの塩、水酸基、アミ
ド基、ポリオキシエチレン基等の親水性官能基を1種類
以上かつ複数個含有するポリマーであり、具体的には、
ポリ(メタ)アクリレート系、ポリオキシアルキレン
系、ポリウレタン系、エポキシ開環付加重合系、ポリ
(メタ)アクリル酸系、ポリ(メタ)アクリルアミド
系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアミン系、ポ
リビニル系、多糖類系或いはセルロース誘導体系等のポ
リマーが例示される。
【0034】これらのうち、セグメント側鎖に水酸基、
カルボキシル基又はそのアルカリ金属塩、アミノ基又は
そのハロゲン化水素塩、スルホン酸基又はそのアミン、
アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミド基のいず
れか1種又は2種以上を組み合わせたものを繰り返し有
するもの、更にこれらの親水性官能基と主鎖セグメント
の一部にポリオキシエチレン基を重ね有するものは、親
水性が高いことから好ましい。更に、親水性バインダー
ポリマーの主鎖若しくは側鎖にウレタン結合若しくはウ
レア結合を有するものは、親水性のみならず非画像部の
耐刷性も高く、より一層好ましい。
【0035】以下に、本発明の親水性バインダーポリマ
ーを含む親水性ポリマー層について、より具体的に説明
する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレー
ト」は「アクリレート及び/又はメタクリレート」を示
し、「(メタ)アクリル」は「アクリル及び/又はメタ
クリル」を示す。また、本発明に係る親水性バインダー
ポリマーは必要に応じ、後述する種々のその他の成分を
含んでいてもよい。
【0036】本発明に係る親水性バインダーポリマーを
含む親水性ポリマー層を形成するには、例えば、まず、
(メタ)アクリル酸若しくはそのアルカリ,アミン塩、
イタコン酸若しくはそのアルカリ、アミン塩、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル
アミド、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、
N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、3−ビニル
プロピオン酸若しくはそのアルカリ,アミン塩、ビニル
スルホン酸若しくはそのアルカリ,アミン塩、2−スル
ホエチル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸、アシッドホスホオ
キシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、アリルアミン若しくはそのハロゲン化水酸塩等
の水酸基、カルボキシル基或いはその塩、スルホン酸基
或いはその塩、リン酸或いはその塩、アミド基、アミノ
基、エーテル基といった親水性基を有する親水性モノマ
ーの中から選ばれる少なくとも1種を用いて親水性ホモ
若しくはコポリマーを合成する。
【0037】水酸基、カルボキシル基、アミノ基或いは
その塩、エポキシ基といった官能基を有する親水性バイ
ンダーポリマーは、これらの官能基を利用し、ビニル
基、アリル基、(メタ)アクリル基等のエチレン付加重
合性不飽和基或いはシンナモイル基、シンナミリデン
基、シアノシンナミリデン基、p−フェニレンジアクリ
レート基等の環形成基を導入した不飽和基含有ポリマー
を得る。これに、必要により、該不飽和基と共重合し得
る単官能、多官能モノマーと後述の重合開始剤と後述の
他の成分とを加え、適当な溶媒に溶解し、塗布液を調製
する。これを支持体上に塗布し、乾燥後或いは乾燥を兼
ねて三次元架橋させる。
【0038】水酸基、アミノ基、カルボキシル基といっ
た活性水素を含有する親水性バインダーポリマーは、イ
ソシアネート化合物或いはブロックポリイソシアネート
化合物及び後述の他の成分と共に、メチルエチルケト
ン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、シクロヘキサノン等の活性水素非含有溶剤中に添加
して塗布液を調製し、これを支持体上に塗布し乾燥後或
いは乾燥を兼ねて三次元架橋させる。
【0039】なお、親水性バインダーポリマーの共重合
成分にグリシジル(メタ)アクリレートなどのグリシジ
ル基、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基を有す
るモノマーを併用することができるが、このような共重
合成分を用いた、グリシジル基を有する親水性バインダ
ーポリマーは、架橋剤として、1,2−エタンジカルボ
ン酸、アジピン酸といったα,X−アルカン若しくはア
ルケンジカルボン酸、1,2,3−プロパントリカルボ
ン酸、トリメリット酸等のポリカルボン酸、1,2−エ
タンジアミン、ジエチレンジアミン、ジエチレントリア
ミン、α,X−ビス−(3−アミノプロピル)−ポリエ
チレングリコールエーテル等のポリアミン化合物、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジエチレング
リコール、テトラエチレングリコール等のオリゴアルキ
レン又はポリアルキレングリコール、トリメチロールプ
ロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビト
ール等のポリヒドロキシ化合物を用い、これらとの開環
反応を利用して三次元架橋できる。
【0040】カルボキシル基、アミノ基を有する親水性
バインダーポリマーは、架橋剤として、エチレン又はプ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレ
ン又はポリプロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリ
メチロールプロパントリグリシジルエーテル等のポリエ
ポキシ化合物を用いたエポキシ開環反応等を利用して三
次元架橋することができる。
【0041】セルロース誘導体などの多糖類やポリビニ
ルアルコール或いはその部分鹸化物、グリシドールホモ
若しくはコポリマー若しくはこれらをベースとした親水
性バインダーポリマーは、これらが含有する水酸基を利
用し、前述の架橋反応し得る官能基を導入し、前述の方
法で三次元架橋することができる。
【0042】ポリオキシエチレングリコール等の水酸基
又はアミノ基をポリマー末端に含有するポリオール或い
はポリアミンと2,4−トリレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメ
チレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート
等のポリイソシアネートとから合成した親水性ポリウレ
タン前駆体に、エチレン付加重合性不飽和基或いは環形
成基を導入したポリマーを用い前述の方法で三次元架橋
できる。
【0043】ここで、合成された親水性ポリウレタン前
駆体が、イソシアネート基末端を有する場合は、グリセ
ロールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、N−モノメチロール(メタ)アクリ
ルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、
(メタ)アクリル酸、桂皮酸、桂皮アルコール等の活性
水素を有する化合物と反応させ、水酸基或いはアミノ基
末端を有する場合は、(メタ)アクリル酸、グリシジル
(メタ)アクリレート、2−イソシアナトエチル(メ
タ)アクリレートなどと反応させる。
【0044】更に、多塩基酸とポリオールや多塩基酸と
ポリアミンとを塗布後、加熱により三次元架橋させた
り、カゼイン、グルー、ゼラチン等の水溶性コロイド形
成化合物を加熱により三次元架橋させて網目構造を有す
る親水性バインダーポリマーを形成してもよい。
【0045】その他、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、ビニルアルコールといった水酸基含有モノ
マーやアリルアミンから合成したホモ若しくはコポリマ
ー、部分鹸化ポリビニルアルコール、セルロース誘導体
といった多糖類、グリシドールホモ若しくはコポリマー
等の、水酸基、アミノ基含有親水性ポリマーと一分子中
に2個以上の酸無水基を有する多塩基酸無水物との反応
で三次元架橋した親水性バインダーポリマーを形成する
方法もある。
【0046】ここで、多塩基酸無水物としては、エチレ
ングリコール ビス アンヒドロトリメリテート、グリ
セロール トリス アンヒドロトリメリテート、1,
3,3a,4,5,9b ヘキサヒドロ−5−(テトラ
ヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト
〔1,2−C〕フラン−1,3−ジオン、3,3’,
4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物
等が例示される。
【0047】末端にイソシアネート基を残したポリウレ
タンとポリアミン或いはポリオール等の活性水素含有化
合物と後述の他の成分とを溶剤中に溶解若しくは分散さ
せ支持体に塗布して溶剤を除去した後、マイクロカプセ
ルが破壊しない温度でキュアリングし三次元架橋させる
こともできる。この場合、親水性はポリウレタン若しく
は活性水素含有化合物のいずれか若しくは両方のセグメ
ント、側鎖に親水性官能基を導入することにより付与す
ればよい。親水性を発現するセグメント、官能基として
は上述のものの中から適宜選択すればよい。
【0048】ここで、使用することのできるポリイソシ
アネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシア
ネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’
−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタ
レンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、リジ
ンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシア
ネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等が例示
できる。
【0049】塗布工程前後のハンドリング時に、イソシ
アネート基が変化するのを防ぐことを目的に、イソシア
ネート基を公知の方法でブロック化(マスク化)してお
くのが好ましい場合もある。この場合には、例えば、岩
田敬治著「プラスチック材料講座 ポリウレタン樹脂」
日刊工業新聞社刊(1974)、頁51−52、岩田敬
治著「ポリウレタン樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社
刊(1987)、頁98、419、423、499等に
従い、酸性亜硫酸ナトリウム、芳香族2級アミン、3級
アルコール、アミド、フェノール、ラクタム、複素環化
合物、ケトオキシム等のマスク剤が使用できる。これら
のうち、特にイソシアネート再生温度が低温であって親
水性のものが好ましく、例えば酸性亜硫酸ナトリウムが
挙げられる。
【0050】前述の非ブロック化或いはブロック化ポリ
イソシアネートの何れかに付加重合性不飽和基を導入
し、架橋の強化や親油性成分との反応に利用してもよ
い。架橋間平均分子量等架橋度の程度は、使用するセグ
メントの種類、会合性官能基の種類と量等により異なる
が、要求される耐刷性に応じ決めていけばよい。通常、
架橋間平均分子量は500〜5万の範囲で設定される。
この値が500より短いとかえって脆くなる傾向があ
り、5万より長いと湿し水で膨潤し耐刷性が損なわれる
ので好ましくない場合もある。耐刷性、親水性のバラン
ス上、架橋間平均分子量は800〜3万、特に1000
〜1万程度が実用的である。
【0051】本発明の親水性バインダーポリマーには、
また、下記の単官能モノマー、多官能モノマーを併用し
てもよい。
【0052】即ち、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハン
ドブック」大成社刊(1981)、加藤清視著「紫外線
硬化システム」総合技術センター刊(1989)、加藤
清視編「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」高分
子刊行会(1985)、赤松清監修「新・感光性樹脂の
実際技術」シーエムシー、頁102−114(198
7)等に記載されているN,N’−メチレンビスアクリ
ルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ビニルピ
リジン、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチ
ルアミノネオペンチル(メタ)アクリレート、N−ビニ
ル−2−ピロリドン、ダイアセトンアクリルアミド、N
−メチロール(メタ)アクリルアミド、パラスチレンス
ルホン酸とその塩、メトキシトリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリ
コール(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量4
00)、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アク
リレート(PEGの数平均分子量1000)、ブトキシ
エチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メ
タ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール
(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル
(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカン
ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量40
0)、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
(PEGの数平均分子量600)、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量1
000)、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート(PEGの数平均分子量400)、2,2−ビス
〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパ
ン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ジエトキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタク
リロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン又はその
アクリレート体、β−(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルハイドロジエンフタレート、β−(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルハイドロジエンサクシネート、ポリエチ
レン又はポリフェニレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレー
ト、イソボルニア(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、
ステアリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)
アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、
テトラフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、モノ(2−アクリロイルオキシエチ
ル)アシッドホスフェート又はそのメタクリル体、グリ
セリンモノ又はジ(メタ)アクリレート、トリス(2−
アクリロキシエチル)イソシアヌレート又はそのメタク
リル体、N−フェニルマレイミド、N−(メタ)アクリ
ルオキシコハク酸イミド、N−ビニルカルバゾール、ジ
ビニルエチレン尿素、ジビニルプロピレン尿素等であ
る。
【0053】また、本発明に用いられる親水性ポリマー
層中には、湿し水の保水性を向上させる目的で、粒径1
0〜40nmのコロイダルシリカ、粒径10〜100n
mのコロイダルアルミナ、酢酸、ギ酸、クエン酸、酒石
酸、リンゴ酸、イタコン酸等のカルボン酸或いはカルボ
ン酸塩等の単独若しくは、それらの混合物を親水性ポリ
マー層の全固形分に対して、0〜90重量%、好ましく
は0〜80重量%の配合率で含有させることができる。
【0054】更にまた、この親水性ポリマー層中には、
感光性層の塗布性を向上させる目的で、適当な界面活性
剤を、親水性ポリマー層塗布溶液の全固形分に対して、
0.01〜10重量%の配合率で含有させることができ
る。
【0055】本発明に用いられる親水性ポリマー層の膜
厚は、0.1〜100μm、好ましくは0.2〜50μ
m、より好ましくは0.5〜20μmである。なお、こ
のような親水性ポリマー層を形成する前記(b)の各種支
持体の板厚は25μm〜1mm、特に50〜500μ
m、とりわけ50〜300μmであることが好ましい。
【0056】また、本発明の支持体と感光層との間に
は、必要に応じて米国特許第6,014,929号、特
開平10−3166号公報等に報告されている、印刷現
像時に非画像感光層の支持体からの剥離を容易にする目
的で、離型層を設けることができる。該離型層は、通常
印刷機上で使用される湿し水や印刷インク等に可溶性又
は分散性でである材料からなり、具体的にはポリビニル
アルコール等の有機高分子化合物を、好ましくは0.0
1〜5mg/dm2の膜厚に塗設したものである。ま
た、親水性の高い有機高分子化合物を用いたものは、前
記砂目の表面の親水化処理と同様の処理となり、親水化
と離型性の2つの効果を兼ねることもできる。
【0057】次に、本発明において親水性支持体上に形
成される感光性層に含有される付加重合可能なエチレン
性二重結合を少なくとも1個有する化合物(以下「エチ
レン性化合物」と称す。)について説明する。本発明の
光重合性組成物の成分(A)であるエチレン性化合物
は、光重合開始系の作用により付加重合し、硬化するよ
うなエチレン性不飽和結合を有する単量体であり(な
お、本発明における単量体の意味するところは、いわゆ
る高分子体に相対する概念であって、従って、狭義の単
量体以外にも二量体、三量体、オリゴマーをも包含す
る。)、親水性支持体の表面の凹凸ないし孔の中に入り
込み露光における光硬化により、感光性層と親水性支持
体との接着性を強化させると共に、印刷時の物理的刺激
に耐える高い膜強度を有する感光性層を与え、一方で、
光硬化前においては、親水性支持体に対する付着性が比
較的小さく、本発明で規定されたガムテープ剥離強度と
なり、従って、感光性層の未露光部分においては、印刷
時の印刷インクの粘着性により、容易にブランケットロ
ーラー表面に転写され、親水性支持体上から除去され
て、該支持体の親水性表面を露出させることができるも
のであることが要求される。
【0058】本発明においては、エチレン性化合物とし
て、次のような特定構造のウレタン骨格を有するエチレ
ン性化合物、リン酸と(メタ)アクリロイル基含有化合
物のエステル化物、或いはヒドロキシ(モノ/又はポ
リ)アルキレンオキシ(メタ)アクリレートの1種又は
2種以上を用いることが好ましい(なお、以下におい
て、これらの3種のエチレン性化合物を「特定エチレン
性化合物」と称す。)。
【0059】ウレタン骨格を有するエチレン性化合物と
しては、分子内にウレタン骨格を有することに特徴があ
り、支持体との高い付着性と高い膜強度を発現する機能
を有する。なかでも、下記一般式(I)で表される部分
構造を有するものが好ましく用いられる。
【0060】
【化1】
【0061】(一般式(I)中、Y1及びY2はそれぞれ
独立してアクリロイル基又はメタクリロイル基を示す。
xは0〜2の整数を示し、yは0〜3の整数を示し、z
は0〜3の整数を示す。但しy+z−x=1である。ま
た、A3は炭素数1〜3のアルキレン基又は直接結合を
示す。) 一般式(I)で示される部分構造を有する化合物として
は、通常は有機ジイソシアネート化合物又はその3量体
と、(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物との
反応によって得られるウレタン化合物が用いられる。
【0062】ここで、有機ジイソシアネート化合物とし
ては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘ
キサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネ
ート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート等の脂環式ジイソシアネート、トリレン
ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート
等の芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。また、
これらの有機ジイソシアネート化合物又はその3量体と
反応させる(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合
物としては、下記一般式(II)で示されるものが挙げ
られる。
【0063】
【化2】
【0064】(式(II)中、x,z,y,A3は前記
一般式(I)におけるものと同義である。) このような(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合
物としては次のものが例示される。
【0065】
【化3】
【0066】上記した有機ジイソシアネート化合物又は
その3量体と、(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ
化合物との反応によって得られるウレタン化合物の代表
的なものを、下記の一般式(III)〜(VI)に示
す。
【0067】
【化4】 (式(III)中、R1〜R3は、それぞれ独立して下記
のものを示す。)
【化5】 (上記式中、kは1〜10、好ましくは5〜7の整数を
示し、aは1又は2を示す。Y1、Y2はそれぞれ独立し
てアクリロイル基又はメタクリロイル基を示す。)
【0068】
【化6】 (式(IV)、(V)中、R4、R5は、それぞれ独立し
て下記のものを示す。)
【化7】 (上記式中、jは1〜3の整数、好ましくは1又は2を
示し、aは1又は2を示す。Y1、Y2はそれぞれ独立し
てアクリロイル基又はメタクリロイル基を示す。)
【0069】
【化8】 (式(VI)中、hは1〜10、好ましくは5〜7の整
数を示し、R6、R7はそれぞれ独立して下記のものを示
す。)
【化9】 (上記式中、aは1又は2を示す。Y1、Y2はそれぞれ
独立してアクリロイル基又はメタクリロイル基を示
す。)
【0070】本発明に用いられるウレタン骨格を有する
エチレン性化合物の好適例としては、以下の化合物E−
1〜E−11が挙げられる。
【0071】
【化10】
【0072】
【化11】
【0073】
【化12】
【0074】
【化13】
【0075】これらのウレタン骨格を有するエチレン性
化合物は、その1種を単独で或いは2種以上を混合して
使用され、通常、感光性層の全固形分に対して10〜9
0重量%、好ましくは20〜70重量%用いられる。こ
の配合割合が10重量%より少ないと、耐刷力の低下を
起こし、90重量%より多いと、未露光感光性層のブラ
ンケットローラーへの転写性の低下を起こし易く、いず
れの場合も好ましくない。
【0076】また、特定エチレン性化合物のうちの(メ
タ)アクリロイル基含有化合物のリン酸エステル化物と
しては、リン酸と(メタ)アクリロイル基含有化合物の
エステル化物であれば特に限定されないが、具体的には
下記一般式(VII)で示される化合物が挙げられ、こ
のような化合物は、感度、耐刷力の向上と共に、印刷時
の未露光部分のブランケットローラーへの転写性を高め
る上で有効である。
【0077】
【化14】 (一般式(VII)中、R8は水素原子又はメチル基を
示し、nは1〜25の整数を示し、mは1又は2を示
す。)
【0078】一般式(VII)で表される化合物のう
ち、特に、nが1〜10であるものが耐刷力及び非画線
部の抜け性を改善する点で好ましい。一般式(VII)
で表わされる化合物の好ましい具体例としては、メタア
クリロキシエチルフォスフェート、ビス(メタアクリロ
キシエチル)フォスフェート等が挙げられる。
【0079】このようなリン酸エステル化合物はその1
種を単独で或いは2種以上を混合して使用され、その含
有量は、通常、感光性層の全固形分の0.1〜30重量
%、好ましくは0.2〜25重量%である。この割合が
0.1重量%より少ないと、支持体に対する接着性、未
露光感光性層の転写性に劣り、30重量%より多いと感
度が悪くなる恐れがある。
【0080】また、特定エチレン性化合物としてのヒド
ロキシ(モノ/又はポリ)アルキレンオキシ(メタ)ア
クリレートは、接着性、感度、未露光感光性層の転写性
を高める機能を有し、その構造としては、下記一般式
(VIII)で表わされるものが好ましい。
【0081】
【化15】
【0082】(一般式(VIII)中、R9は水素原子
又はメチル基を示し、A6はハロゲンで置換されていて
もよい炭素数1〜6の分岐していても良いアルキレン基
を示し、pは2以上の整数を示す。) 上記一般式(VIII)において、A6は炭素数2〜4
の分岐していてもよいアルキレン基であることが好まし
く、該アルキレン基がハロゲンで置換されている場合は
置換基は塩素原子であることが好ましい。より好ましく
は、A6は非置換で炭素数2又は3の分岐していても良
いアルキレン基、即ち、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート又はポリプロピレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート等が好ましい。また、一般式
(VIII)において、pは2以整数であれば問題ない
が、特に、pが5〜50であることが支持体に対する接
着性、感度、現像性の点で最もバランスが良く、好まし
い。
【0083】このようなヒドロキシ(モノ/又はポリ)
アルキレンオキシ(メタ)アクリレートは1種を単独
で、或いは2種以上を混合して使用され、その含有量
は、特に限定されないが、通常、感光性層の全固形分に
対して0.1〜30重量%であり、好ましくは0.2〜
25重量%、より好ましくは0.3〜20重量%であ
る。この配合割合が0.1重量%より少ないと、支持体
に対する接着性、未露光感光性層の転写性に劣り、30
重量%より多くなると感度が悪くなる傾向がある。
【0084】なお、特定エチレン性化合物としての、上
述の(メタ)アクリロイル基含有化合物のリン酸エステ
ル化物と、上記ヒドロキシ(モノ/又はポリ)アルキレ
ンオキシ(メタ)アクリレート化合物は、各々の機能を
有効に発現する上で、(メタ)アクリロイル基含有化合
物のリン酸エステル化物は、親水性支持体として、ケイ
酸親水化処理を施していない砂目立て及び陽極酸化処理
のみのアルミ板に適用するのが好ましく、また、ヒドロ
キシ(モノ/又はポリ)アルキルオキシ(メタ)アクリ
レート化合物は、親水性支持体としてケイ酸親水化処理
を施した砂目立て及び陽極酸化処理アルミ板に適用する
のが好ましい。
【0085】なお、本発明においては、上記特定エチレ
ン性化合物以外のエチレン性化合物を併用しても良い。
特に、上記特定エチレン性化合物と共に、エチレン性二
重結合を2個以上有する多官能エチレン性化合物を併用
することが望ましい。
【0086】かかる多官能エチレン性化合物の例として
は、例えば脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボ
ン酸とのエステル、芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽
和カルボン酸とのエステル、脂肪族ポリヒドロキシ化合
物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化
合物と不飽和カルボン酸及び多価カルボン酸とのエステ
ル化反応により得られるエステル等が挙げられる。
【0087】ここで、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不
飽和カルボン酸とのエステルとしては、特に限定されな
いが、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレ
ングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパン
トリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエ
リスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトール
テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラア
クリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、グリ
セロールアクリレート等の脂肪族ポリヒドロキシ化合物
のアクリル酸エステル、これら例示化合物のアクリレー
トをメタクリレートに代えたメタクリル酸エステル、同
時にイタコネートに代えたイタコン酸エステル、クロト
ネートに代えたクロトン酸エステル若しくはマレエート
に代えたマレイン酸エステル等が挙げられる。
【0088】また、芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽
和カルボン酸とのエステルとしては、ハイドロキノンジ
アクリレート、ハイドロキノンジメタクリレート、レゾ
ルシンジアクリレート、レゾルシンジメタクリレート、
ピロガロールトリアクリレート等の芳香族ポリヒドロキ
シ化合物のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステ
ル等が挙げられる。
【0089】また、不飽和カルボン酸及び多価カルボン
酸並びに多価ヒドロキシ化合物のエステル化反応により
得られるエステルとしては、必ずしも単一物ではないが
代表的な具体例を挙げれば、アクリル酸、フタル酸及び
エチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸
及びジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テ
レフタル酸及びペンタエリスリトールの縮合物、アクリ
ル酸、アジピン酸、ブタンジオール及びグリセリンの縮
合物等が挙げられる。
【0090】その他、本発明に用いられる多官能エチレ
ン性化合物としては、ジエポキシ化合物とヒドロキシエ
チルアクリレートとの付加反応物の様なエポキシアクリ
レート類、エチレンビスアクリルアミド等のアクリルア
ミド類、フタル酸ジアリル等のアリルエステル類、ジビ
ニルフタレート等のビニル基含有化合物などが有効であ
る。
【0091】エチレン性化合物のうち、主鎖にエチレン
性二重結合を有する重合体は、例えば、不飽和二価カル
ボン酸とジヒドロキシ化合物との重縮合反応により得ら
れるポリエステル、不飽和二価カルボン酸とジアミンと
の重縮合反応により得られるポリアミド等がある。側鎖
にエチレン性二重結合を有する重合体は、側鎖に二重結
合を持つ二価カルボン酸、例えばイタコン酸、プロピリ
デンコハク酸、エチリデンマロン酸等とジヒドロキシ化
合物又はジアミン化合物等との縮合重合体がある。ま
た、側鎖にヒドロキシ基やハロゲン化メチル基の如き反
応活性を有する官能基を持つ重合体、例えばポリビニル
アルコール、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト)、ポリエピクロルヒドリン等とアクリル酸、メタク
リル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸との高分子反
応により得られるポリマーも好適に使用し得る。
【0092】前記(A)成分の感光層全体に占める割合
は、後述する他の成分の含有もあって、20〜80重量
%であるのが好ましく、30〜70重量%であるのが特
に好ましい。
【0093】本発明の光重合性組成物を構成する(B)
成分のうち、シアニン系増感色素カチオンは、ポリメチ
ン鎖を介して複素環が結合された構造のものであり、フ
タロシアニン色素は、(アザ)ポリメチン鎖を介して複
素環が結合された構造のものであるが、これらのうち、
750〜1200nmのいずれかの光を吸収するものが
好ましく、中でも、波長域750〜1200nmの近赤
外線領域に極大吸収を有するのが特に有効である。これ
らのシアニン系増感色素カチオン及びフタロシアニン増
感色素は、前記波長域の光を効率よく吸収し、その光励
起エネルギーを後述する(C)成分の有機硼素アニオン
又はハロメチル基含有化合物に伝え、該(C)成分を分
解し、(A)成分の前記エチレン性化合物の重合を誘起
する活性ラジカルを発生させる増感機能を有する一方、
紫外線領域の光は殆ど吸収しないか、吸収しても実質的
に低応であり、白色蛍光灯に含まれるような弱い紫外線
によっては組成物を変成させる作用の少ない化合物であ
る。
【0094】本発明において、これらのシアニン系色素
カチオンとしては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子
等を含む複素環がポリメチン(−CH=)n 鎖で結合さ
れた、広義の所謂シアニン系色素カチオンであって、具
体的には、例えば、キノリン系(所謂、シアニン系)、
インドール系(所謂、インドシアニン系)、ベンゾチア
ゾール系(所謂、チオシアニン系)、イミノシクロヘキ
サジエン系(所謂、ポリメチン系)、ピリリウム系、チ
アピリリウム系、スクアリリウム系、クロコニウム系、
アズレニウム系等の色素カチオンが挙げられ、中で、キ
ノリン系、インドール系、ベンゾチアゾール系、イミノ
シクロヘキサジエン系、ピリリウム系、チアピリリウム
系の色素カチオンが好ましい。尚、ここでシアニン系色
素カチオンは、分子内塩を形成する場合も含む。
【0095】本発明においては、前記シアニン系色素カ
チオンの中で、キノリン系色素カチオンとしては、特
に、下記一般式(IXa)、(IXb)、又は(IX
c)で表されるものが好ましい。
【0096】
【化16】
【0097】〔式(IXa)、(IXb)、及び(IX
c)中、R1及びR2は各々独立して、置換基を有してい
てもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケ
ニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は
置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L1は置
換基を有していてもよいトリ、ペンタ、ヘプタ、ノナ、
又はウンデカメチン基を示し、該ペンタ、ヘプタ、ノ
ナ、又はウンデカメチン基上の2つの置換基が互いに連
結して炭素数4〜7のシクロアルケン環、シクロアルケ
ノン環、シクロアルケンジオン環、又はシクロアルケン
チオン環を形成していてもよく、キノリン環は置換基を
有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が
互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよ
い。〕
【0098】ここで、式(IXa)、(IXb)、及び
(IXc)中のR1及びR2がアルキル基であるときの炭
素数は通常1〜15、好ましくは1〜5、アルケニル
基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、
好ましくは2〜5であり、それらにおける置換基として
は、アルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又は
フェニル基等が挙げられ、L1における置換基として
は、アルキル基、アミノ基、ハロゲン原子、アリールメ
ルカプト基又は複素芳香族メルカプト基等が挙げられ、
キノリン環における置換基としては、アルキル基、アル
コキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられ
る。
【0099】又、インドール系、及びベンゾチアゾール
系色素カチオンとしては、特に、下記一般式(X)で表
されるものが好ましい。
【0100】
【化17】
【0101】〔式(X)中、Y1及びY2は各々独立し
て、ジアルキルメチレン基又は硫黄原子を示し、R3
びR4は各々独立して、置換基を有していてもよいアル
キル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換
基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有し
ていてもよいフェニル基を示し、L2は置換基を有して
いてもよいトリ、ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカ
メチン基を示し、該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデ
カメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数4
〜7のシクロアルケン環、シクロアルケノン環、シクロ
アルケンジオン環、又はシクロアルケンチオン環を形成
していてもよく、縮合ベンゼン環は置換基を有していて
もよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結
して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。〕
【0102】ここで、式(X)中のR3及びR4がアルキ
ル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1
〜5、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数
は通常2〜15、好ましくは2〜5であり、それらにお
ける置換基としては、アルコキシ基、フェノキシ基、ヒ
ドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L2におけ
る置換基としては、アルキル基、アミノ基、アリールメ
ルカプト基、複素芳香族メルカプト基又はハロゲン原子
等が挙げられ、ベンゼン環における置換基としては、ア
ルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子等が挙げら
れる。
【0103】又、イミノシクロヘキサジエン系色素カチ
オンとしては、特に、下記一般式(XI)で表されるも
のが好ましい。
【0104】
【化18】
【0105】〔式(XI)中、R5、R6、R7、及びR8
は各々独立して、アルキル基を示し、R9及びR10は各
々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、フ
リル基、又はチエニル基を示し、L3は置換基を有して
いてもよいモノ、トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を
示し、該トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基上の2つの
置換基が互いに連結して炭素数4〜7のシクロアルケン
環、シクロアルケノン環、シクロアルケンジオン環、又
はシクロアルケンチオン環を形成していてもよく、キノ
ン環及びベンゼン環は置換基を有していてもよい。〕
【0106】ここで、式(XI)中のR5、R6、R7
及びR8がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜1
5、好ましくは1〜5であり、R9及びR10がアリール
基であるときの炭素数は通常6〜20、好ましくは6〜
15であり、R9及びR10として具体的には、フェニル
基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−フリル基、
3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基等が挙
げられ、それらの置換基としては、アルキル基、アルコ
キシ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、又はハロ
ゲン原子等が挙げられ、L3における置換基としては、
アルキル基、アミノ基、アリールメルカプト基、複素芳
香族メルカプト基又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0107】又、ピリリウム系、及びチアピリリウム系
色素カチオンとしては、特に、下記一般式(XII
a)、(XIIb)、又は(XIIc)で表されるもの
が好ましい。
【0108】
【化19】
【0109】〔式(XIIa)、(XIIb)、及び
(XIIc)中、Z1及びZ2は各々独立して、酸素原子
又は硫黄原子を示し、R11、R12、R13、及びR14は各
々独立して、水素原子又はアルキル基、又は、R11とR
13、及びR12とR14が互いに連結して炭素数5又は6の
シクロアルケン環を形成していてもよく、L4は置換基
を有していてもよいモノ、トリ、ペンタ、又はヘプタメ
チン基を示し、該トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基上
の2つの置換基が互いに連結して炭素数4〜7のシクロ
アルケン環、シクロアルケノン環、シクロアルケンジオ
ン環、又はシクロアルケンチオン環を形成していてもよ
く、ピリリウム環及びチアピリリウム環は置換基を有し
ていてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互い
に連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。〕
【0110】ここで、式(XIIa)、(XIIb)、
及び(XIIc)中のR11、R12、R13、及びR14がア
ルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましく
は1〜5であり、L4における置換基としては、アルキ
ル基、アミノ基、アリールメルカプト基、複素芳香族メ
ルカプト基又はハロゲン原子等が挙げられ、ピリリウム
環及びチアピリリウム環における置換基としては、フェ
ニル基、ナフチル基等のアリール基等が挙げられる。
【0111】以上、前記一般式(IXa〜IXc)で表
されるキノリン系色素カチオン、前記一般式(X)で表
されるインドール系又はベンゾチアゾール系色素カチオ
ン、前記一般式(XI)で表されるイミノシクロヘキサ
ジエン系色素カチオン、及び前記一般式(XIIa〜X
IIc)で表されるピリリウム系又はチアピリリウム系
色素カチオンの中で、本発明においては、前記一般式
(X)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系
色素カチオンが特に好ましい。これら各シアニン系色素
カチオンの具体例を以下に示す。但し(VI-11)は分子内
塩を形成している例である。
【0112】
【化20】
【0113】
【化21】
【0114】
【化22】
【0115】
【化23】
【0116】
【化24】
【0117】
【化25】
【0118】
【化26】
【0119】
【化27】
【0120】
【化28】
【0121】
【化29】
【0122】又、フタロシアニン系増感色素としては、
下記一般式で表わされるのが好ましい。
【0123】
【化30】
【0124】(式(XIII)中、Mは水素原子SnC
2、Zn、Cu、AlCl、Niのいずれかを表わ
し、ベンゼン環はそれぞれのo−位又はm−位にアルコ
キシ基、アルキルチオキシ基、アリールオキシ基、アリ
ールチオキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨ
ウ素原子、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を置換
基としていてもよく、さらに、フェニル環は、隣接する
2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成し
ていてもよい。) ここで式(XIII)中、MとしてはZn、SnCl2
が好ましく、ベンゼン環状の置換基としてはC1〜10の
アルコキシ基、C1〜10のアルキルチオキシ基、C1〜10
のアリールオキシ基、C1〜10のアリールチオキシ基、
フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、特にベン
ゼン環のm−位に置換基を有するものが有機溶剤への溶
解性に優れ好ましい。フタロシアニン系増感色素の具体
例を下記に示す。
【0125】
【化31】
【0126】本発明の光重合性組成物を構成する(C)
成分の有機硼素アニオンは、(B)成分のシアニン系増
感色素カチオン又はフタロシアニン系増感色素との共存
下で光照射された時に活性ラジカルを発生するラジカル
発生剤であって、例えば、特開昭62−143044
号、特開昭62−150242号、特開平9−1886
85号、特開平9−188686号、特開平9−188
710号、特許第2764769号等の各公報、及び、
Kunz,Martin “Rad Tech'98.Proceeding April 19-22,1
998,Chicago ”等に記載のものが挙げられるが、特に、
下記一般式(XIV)で表されるものが好ましい。
【0127】
【化32】
【0128】〔式(XIV)中、R15、R16、R17、及
びR18は各々独立して、置換基を有していてもよいアル
キル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換
基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有してい
てもよいアリール基、又は複素環基を示し、これらは互
いに連結して環状構造を形成していてもよく、これらの
うち少なくとも一つは置換基を有していてもよいアルキ
ル基である。〕
【0129】ここで、式(XIV)中のR15、R16、R
17、及びR18がアルキル基であるときの炭素数は通常1
〜15、好ましくは1〜5、アルケニル基、アルキニル
基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜
5、アリール基であるときの炭素数は通常6〜20、好
ましくは6〜15、複素環基であるときの炭素数は通常
4〜20、好ましくは4〜15であり、それらにおける
置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、トリフルオロメチル基、トリメチルシリル基等が
挙げられる。中でも、R15〜R17が独立にハロゲン原子
で置換されていてもよいフェニル基であり、R18が炭素
数1〜6のアルキル基であるのが好ましい。
【0130】これらの有機硼素アニオンとしては、具体
的には、例えば、n−ブチル−メチル−ジフェニル硼素
アニオン、n−ブチル−トリフェニル硼素アニオン、n
−ブチル−トリス(2,4,6−トリメチルフェニル)
硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−メトキシフェ
ニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−フルオ
ロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(m−
フルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス
(2,6−ジフルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブ
チル−トリス(2,4,6−トリフルオロフェニル)硼
素アニオン、n−ブチル−トリス(2,3,4,5,6
−ペンタフルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル
−トリス(p−クロロフェニル)硼素アニオン、n−ブ
チル−トリス(トリフルオロメチル)硼素アニオン、n
−ブチル−トリス(2,6−ジフルオロ−3−ピロリル
フェニル)−硼素アニオン等が挙げられる。
【0131】本発明において、前記(B)成分のシアニ
ン系色素カチオンと前記(C)成分の有機硼素アニオン
を光重合性組成物中に存在させるには、(イ)前記シア
ニン系色素カチオンと前記有機硼素アニオンとの塩を配
合する方法、又は、(ロ)前記シアニン系色素カチオン
と適宜選択した対アニオンとの塩(分子内塩の場合を含
む)と、前記有機硼素アニオンと適宜選択した対カチオ
ンとの塩とを配合する方法等による。
【0132】又、前記(B)成分のフタロシアニン系増
感色素と前記(C)成分の有機硼素アニオンを光重合性
組成物中に存在させるには、フタロシアニン系増感色素
と、前記有機硼素アニオンと適宜選択した対カチオンと
の塩とを配合する方法等による。
【0133】ここで、対アニオンとしては、例えば、C
-、Br-、I-、ClO4 -、PF6 -、及び、BF4 -
BCl4 -等の無機硼素アニオン等の無機酸アニオン、ベ
ンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレ
ンスルホン酸、酢酸等の有機酸アニオンを挙げることが
できる。
【0134】又、分子内塩を形成する場合は、前記一般
式(IXa〜IXc)、(X)、(XI) 、及び(X
IIa〜XIIc)におけるL1、L2、L3、及びL4
ポリメチン鎖の置換基として、下記一般式(XV)で表
されるバルビツル酸アニオン基又はチオバルビツル酸ア
ニオン基を有することにより分子内塩を形成しているも
のが好ましい。
【0135】
【化33】
【0136】〔式(XV)中、Z3は酸素原子又は硫黄
原子を示し、R19及びR20は各々独立して、水素原子、
置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有して
いてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいア
ルコキシ基、又は置換基を有していてもよいフェニル基
を示す。〕
【0137】ここで、式(XV)中のR19及びR20がア
ルキル基、アルコキシ基であるときの炭素数は通常1〜
15、好ましくは1〜5、アルケニル基であるときの炭
素数は通常2〜15、好ましくは2〜5であるが、アル
キル基であるのが好ましく、そのアルキル基として具体
的には、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル
基等が挙げられる。
【0138】又、(B)成分がシアニン系増感色素であ
る場合、有機硼素アニオン以外の対アニオンとして、前
記一般式(IXa〜IXc)、(X)、(XI) 、及
び(XIIa〜XIIc)におけるL1、L2、L3、及
びL4のポリメチン鎖中に、下記一般式(XVI)で表
されるスクエア酸アニオン基又はチオスクエア酸アニオ
ン基、クロコン酸アニオン基又はチオクロコン酸アニオ
ン基を形成して分子内塩を形成しているものも好まし
い。
【0139】
【化34】
【0140】〔式(XVI)中、Z4、Z5、Z6、Z7
及びZ8は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を示
す。〕
【0141】又、対カチオンとしては、例えば、アルカ
リ金属カチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウム
カチオン、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオ
ン等のオニウム化合物、及び、ピリリウムカチオン、チ
アピリリウムカチオン、インドリウムカチオン等を挙げ
ることができるが、テトラアルキルアンモニウム等の有
機アンモニウムカチオンが好ましく、特に炭素数1〜6
のアルキル基のテトラアルキルアンモニウムカチオンが
好ましい。
【0142】前記(B)成分の感光層全体に占める割
合、0.05〜20重量%であるのが好ましく、0.2
〜10重量%であるのが更に好ましい。これらの成分が
前記範囲未満では、光重合性組成物として感度の低下を
生じる傾向となり、前記範囲超過では、現像時に未露光
部の残渣が生じ易い傾向となる。
【0143】本発明において、(C)成分のハロメチル
基含有化合物は、(B)成分の前記シアニン系増感色素
カチオン又はフタロシアニン系増感色素との共存下で光
照射されたときに、活性ラジカルを発生するラジカル発
生剤であって、少なくとも一つのモノ、ジ、又はトリハ
ロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−
トリアジン化合物が好ましく、下記一般式(XVII)
で表されるものが特に好ましい。
【0144】
【化35】
【0145】〔式(XVII)中、Xはハロゲン原子を
示し、Wは置換基を有していてもよいアリール基又は複
素環基を示し、R21は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、又はアリール基を示し、rは0〜2の整数であ
る。〕
【0146】これらのs−トリアジン化合物としては、
具体的には、例えば、2−メチル−4,6−ビス(トリ
クロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−
4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス
(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル
−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジ
ン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(ト
リクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エ
ポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)
−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,
6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−
〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニ
ル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリア
ジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチ
ル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)
−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジ
ン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6
−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−
(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−
s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,
6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−
フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s
−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリ
クロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6
−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メ
トキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリ
アジン等が挙げられ、中でも、2−メチル−4,6−ビ
ス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニ
ル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジ
ン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(ト
リクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エ
ポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)
−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニ
ル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリク
ロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシス
チリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−ト
リアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−
4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等
が経時安定性に優れ好ましい。
【0147】前記(C)成分の感光層全体に占める割
合、0.05〜20重量%であるのが好ましく、0.2
〜10重量%であるのが更に好ましい。これらの成分が
前記範囲未満では、光重合性組成物として感度の低下を
生じる傾向となり、前記範囲超過では、現像時に未露光
部の残渣が生じ易い傾向となる。
【0148】本発明に係る感光性層中には、前記エチレ
ン性化合物及び光重合開始系の他に当該感光性層の改
質、光硬化後の物性改善のために、更に結合剤として有
機高分子物質(以下「高分子結合剤」と称す。)を含有
することが好ましい。
【0149】この場合、用いる高分子結合剤は、相溶
性、皮膜形成性、接着性や、改善目的に応じて選択する
ことができる。
【0150】高分子結合剤の具体例としては、例えば、
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、
(メタ)アクリルアミド、マレイン酸、(メタ)アクリ
ロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、
マレイミド等の単独若しくは共重合体、その他、ポリエ
チレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアミ
ド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ
エチレンテレフタレート、アセチルセルロース、又はポ
リビニルブチラール等が挙げられる。中でも(メタ)ア
クリル酸エステルのホモポリマー或いは(メタ)アクリ
ル酸エステル類の少なくとも1種と(メタ)アクリル酸
を共重合成分として含有する共重合体が好ましい。分子
内にカルボキシル基を有する高分子結合剤の好ましい酸
価の値は10〜250であり、好ましい重量平均分子量
(以下「Mw」と略す。)は5千〜50万である。
【0151】これらの高分子結合剤は、側鎖に不飽和結
合を有することが望ましく、特に下記一般式(XVII
Ia 〜XVIIIc) で示される少なくとも1種の不
飽和結合を有することが好ましい。
【0152】
【化36】
【0153】(式中、R10は水素原子又はメチル基を示
す。また、R11〜R15は各々独立して水素原子、ハロゲ
ン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル
基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シ
アノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基
を有していてもよいアリール基、置換基を有していても
よいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール
オキシ儀、置換基を有していてもよいアルキルアミノ
基、置換基を有していてもよいアリールアミノ基、置換
基を有していてもよいアルキルスルホニル基、又は置換
基を有していてもよいアリールスルホニル基を示し、Z
は酸素原子、硫黄原子、イミノ基、又はアルキルイミノ
基を示す。) なお、上記置換基を有していても良いアルキル基等の置
換基としては炭素−炭素二重結合の反応性を極端に低下
させない限り特に限定されないが、通常、ハロゲン原
子、アルキル基、フェニル基、シアノ基、ニトロ基、ア
ルコキシ基、アルキルチオ基、又はジアルキルアミノ基
等から選ばれる。
【0154】これらのうち、一般式(XVIIIa)で
表されるものとしては、R10が水素原子又はメチル基で
あり、R11及びR12が各々独立して水素原子、低級アル
キル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はシア
ノ基であるものが更に好ましく、一般式(XVIII
b)で表されるものとしては、R11及びR12が各々独立
して水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、カルボ
キシル基、アルコキシカルボニル基又はシアノ基であ
り、R13が水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、
カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、又はシアノ
基であり、R14及びR15が各々独立して水素原子、ハロ
ゲン原子、又は低級アルキル基であるものが更に好まし
く、一般式(XVIIIc)で表されるものとしては、
11,R12及びR13が各々独立して水素原子、ハロゲン
原子、低級アルキル基、カルボキシル基、アルコキシカ
ルボニル基又はシアノ基であるものが更に好ましい。ま
た、上記一般式(XVIIIa〜XVIIIc)中の炭
素−炭素二重結合の付加反応の容易さから、一般式(X
VIIIa)においてはR10〜R12のうち少なくとも2
個が水素原子であり、一般式(XVIIIb)及び(X
VIIIc)においてはR11〜R13のうち少なくとも2
個が水素原子であるものが特に好ましい。
【0155】これらの化合物の合成法としては、大別し
て次の2つの方法がある。
【0156】(合成法1)分子内にカルボキシル基を有
する高分子結合剤の不活性有機溶剤溶液(例えばアルコ
ール系、エステル系、芳香族炭化水素系、脂肪族炭化水
素系等が挙げられる。)とエポキシ基含有不飽和化合物
とを約80〜120℃、約1〜50時間の反応条件で反
応させることにより合成する方法。
【0157】エポキシ基含有不飽和化合物と反応させる
カルボキシル基の割合は本発明の効果を達成しうる範囲
であれば特に限定されないが、全カルボキシル基に対し
て5〜90モル%を反応させるのが好ましく、より好ま
しくは20〜80モル%、更に好ましくは30〜70モ
ル%である。上記範囲であると現像性が良好であると共
に接着性が良好である。
【0158】側鎖に不飽和基を有するエチレン性高分子
結合剤の製造に用いるエポキシ基含有不飽和化合物は、
一分子中に少なくとも一つの付加重合可能な不飽和結合
と、エポキシ基とを有する化合物である。
【0159】エポキシ基含有不飽和化合物としては、グ
リシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエー
テル、α−エチルグリシジルアクリレート、クロトニル
グリシジルエーテル、グリシジルクロトネート、グリシ
ジルイソクロトネート、イタコン酸モノアルキルエステ
ルモノグリシジルエステル、フマール酸モノアルキルエ
ステルモノグリシジルエステル、マレイン酸モノアルキ
ルエステルモノグリシジルエステル等の脂肪族エポキシ
基含有不飽和化合物及び下記構造式(XIXa)〜(X
IXn)で示される脂環式エポキシ基含有不飽和化合物
が挙げられる。
【0160】
【化37】
【0161】
【化38】
【0162】(各式中、R16,R17,R18は各々独立し
て水素原子又はメチル基を示す。R 19、R20、R21は各
々独立して炭素数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素基
を示す。R22、R23は各々独立して炭素数1〜10の2
価の炭化水素基を示す。q,rは0〜10の整数を示
す。) 上記エポキシ基含有不飽和化合物の好ましい化合物の具
体例としては、グリシジルメタアクリレート、アリルグ
リシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チルアクリレート等が挙げられる。これらの中で特に好
ましい化合物はアリルグリシジルエーテル、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチルアクリレートである。
【0163】(合成法2)前記一般式(XVIIIb)
及び(XVIIIc)で示されるような、反応性の低い
不飽和結合の1種以上とこれらより反応性に富む不飽和
結合1種の合計2種以上の不飽和結合を有する化合物と
不飽和カルボン酸とを共重合させて合成する方法。
【0164】一般式(XVIIIb)で示される不飽和
基を有する化合物の具体例としては、アリル(メタ)ア
クリレート、3−アリルオキシエチル(メタ)アクリレ
ート、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、N,N−ジアリル(メタ)アクリル
アミド、シンナミル(メタ)アクリレート、クロトニル
(メタ)アクリレート、メタクリル(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる。これらのうち、アリル(メタ)アク
リレートが特に好ましい。
【0165】一般式(XVIIIc)で示される不飽和
基を有する化合物の具体例としては、ビニル(メタ)ア
クリレート、ビニルクロトネート、1−プロペニル(メ
タ)アクリレート、1−クロロビニル(メタ)アクリレ
ート、2−フェニルビニル(メタ)アクリレート、ビニ
ル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらのう
ち、ビニル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0166】これらのモノマーを不飽和カルボン酸、好
ましくはアクリル酸又はメタクリル酸と共重合させるこ
とにより該不飽和基を有する共重合体を得る。共重合す
るモノマーは不飽和カルボン酸に加えて他のモノマーが
共重合されてもよく、例えばアクリル酸アルキル、メタ
クリル酸アルキル、アクリロニトリル、スチレン等が挙
げられる。共重合させる一般式(XVIIIb)、(X
VIIIc)の構造を有する化合物のポリマー全体の成
分に占める割合は、好ましくは10〜90モル%さらに
好ましくは30〜80モル%である。この範囲より少な
いと感度、耐刷性に劣り、多くなると画像再現性が悪く
なる。
【0167】このような高分子結合剤の配合割合は、感
光性層の全固形分に対して0〜90重量%、特に20〜
80重量%、とりわけ30〜70重量%とするのが好ま
しい。
【0168】次に、本発明に用いられる光重合性組成物
には、本発明の(D)成分として450〜650nmに
吸収極大ピークを有する着色染料を含有することが好ま
しい。具体的には、塩基性染料、反応性染料、酸性染
料、直接染料等の着色染料が挙げられる。着色染料添加
の際、650〜1200nmレーザー露光における感度
の低下が少ないという本発明の効果の点で塩基性染料が
特に好ましく、中でも発色性に優れたトリフェニルメタ
ン系染料が更に好ましい。具体的には、下記一般式(D
−I)で表わされる染料である。
【0169】
【化39】
【0170】(式(D−I)中、X-は、対アニオンを
表わし、Ra1〜Ra6は同じでも異なっていてもよく、水
素原子、アルキル基、アリール基を表わし、ベンゼン環
は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つ
の置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成してい
てもよい。pは0又は1を表わす。) 好ましくは、X-がCl-、Br-、I-、ClO4 -、PF
6 -、BF4 -及びBCl 4 -、ベンゼンスルホン酸、パラト
ルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、酢酸のいず
れかであり、Ra1〜Ra6が同じでも異なっていてもよく
C1〜10のアルキル基、水素原子、フェニル基であり、
ベンゼン環が縮合ベンゼン環を形成する時の縮合ベンゼ
ン環がナフタレン環であり、pが0又は1である。これ
ら(D−I)の具体例を以下に示す。
【0171】
【化40】
【0172】
【化41】
【0173】上記のトリフェニルメタン染料以外の本発
明の着色染料としては、特公平7−60268号公報に
水溶性染料として例示の染料が挙げられる。
【0174】前記(D)成分の450〜650nmに吸
収極大を有する着色染料の配合率としては、光重合性組
成物全体に対して、通常1〜20重量%の範囲で含有す
る。好ましくは、1.5重量%以上であり、更に好まし
くは4重量%以上である、また、15重量%以下が好ま
しく、12重量%以下が更に好ましい。1重量%未満で
は、着色が不十分で可視画性が劣り(現像後に明瞭な着
色画像をうることができない)。一方、20重量%を越
えると、750〜1200nmのレーザー露光での著し
い感度低下を引き起こす。特に、添加量が1〜3重量
%、更には1.5〜2.5重量%の範囲では、高い感度
を保持できるので好ましく、一方、添加量が4〜15重
量%、更には4〜12重量%の範囲では著しい耐刷性の
向上がみられるので好ましい。従って、着色染料は、そ
の目的に応じて上記範囲のなかで適宜添加量を調節すれ
ばよい。
【0175】着色染料添加量が高濃度(4重量%以上)
の場合、本発明の印刷現像感光性平版印刷版は、以下に
説明する機構により特徴的な効果を示すものと考える。
800〜1000nmの近赤外レーザー光線を10μm
径程度に集光した高光強度レーザースポットの走査露光
を行うと、レーザー光の吸収で発生する熱によって、2
00〜1000℃の高温状態が形成されるので、高密度
光吸収による多光子増感反応の誘起等、小型可視レーザ
ー、キセノンランプ、高圧水銀灯による通常の低光強度
露光とは大きく異なる反応場で光重合が進行するものと
考えられる。従って、一般的な光重合系では大きな減感
作用を示す着色染料を、高濃度に配合できるようになっ
たものと考えられる。また、更に、塩基性の高い発色団
を有する着色染料を高い配合率で添加すると、感光性層
中の有機高分子結合材のカルボン酸基と着色染料との間
に水素結合等によるマトリックス構造を形成し、光硬化
感光層の膜強度を増し、高い耐刷性を発現するものと考
えられる。
【0176】又、本発明の光重合性組成物には、必要に
応じて、その他(F)成分として、(1)前記(B)成分
と(C)成分を含む光重合開始剤系以外の重合開始剤成
分として、チオール化合物、及びアミン化合物 、(2)
ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリク
レジルホスフェート、ジオクチルアジペート、トリエチ
レングリコールジカプリレート等の可塑剤、(3) ヒドロ
キノン、レゾルシノール、ピロガロール、p−メトキシ
フェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、β−ナフトール等の熱重合防止剤、等が添加されて
いてもよい。
【0177】更にまた、感光性層を形成するための光重
合性組成物には、更に必要に応じて他の添加剤、例え
ば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6
−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなどの熱重合防止
剤、成分(D)以外の有機又は無機の染顔料からなる着
色剤、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、
トリクレジルホスフェート等の可塑剤、三級アミンやチ
オールのような感度特性改善剤、その他色素前駆体など
の添加剤を添加しても良い。
【0178】この場合、これらの各種添加剤の好ましい
配合量は、感光性層の全固形分に対して熱重合防止剤2
重量%以下、染料、顔料等の着色剤40重量%以下、可
塑剤10重量%以下、感度特性改善剤20重量%以下、
色素前駆体30重量%以下である。
【0179】本発明の光重合性組成物は、通常、前記の
各成分を適当な溶媒に溶解した溶液を、周知の塗布方法
によって親水性支持体表面に塗布した後、乾燥して、感
光層を形成し平版印刷版とされる。
【0180】ここで、その溶媒としては、使用成分に対
して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与えるもので
あれば特に制限はないが、例えば、メチルセロソルブ、
エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチ
ルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブ
チルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテ
ルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテ
ル等のプロピレングリコール系溶媒、酢酸ブチル、酢酸
アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレー
ト、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレ
ート、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチ
ル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル系溶
媒、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコー
ル、フルフリルアルコール等のアルコール系溶媒、シク
ロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン系溶媒、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メ
チルピロリドン等の高極性溶媒、或いはこれらの混合溶
媒、更にはこれらに芳香族炭化水素を添加したもの等が
挙げられる。溶媒の使用割合は、光重合性組成物の総量
に対して、通常、重量比で1〜20倍程度の範囲であ
る。
【0181】又、その塗布方法としては、従来公知の方
法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗
布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布、及
びカーテン塗布等を用いることができる。塗布量は用途
により異なるが、乾燥膜厚として、通常、3〜70mg
/dm2、好ましくは5〜50mg/dm2、特に好まし
くは10〜30mg/dm2の範囲とする。尚、その際
の乾燥温度としては、例えば、60〜170℃程度、好
ましくは70〜150℃程度、乾燥時間としては、例え
ば、5秒〜10分間程度、好ましくは10秒〜5分間程
度が採られる。
【0182】尚、通常、前記光重合性層(感光層)の上
には、酸素による重合禁止作用を防止する為に、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン
オキシド、セルロース等を含むの酸素遮断層が設けられ
る。
【0183】次に本発明の感光性平版印刷版を用いた印
刷版の製版方法について説明する。本発明の感光性平版
印刷版を用いて画像形成するためには、印刷版を750
〜1200nmに発振波長を有する近赤外レーザーによ
り、有利には103W/cm2以上の光強度で露光後、印
刷現像して未露光部を除去する。本発明の光重合性組成
物は、750〜1200nmに発振波長を有するレーザ
ーを用いた高露光強度密度での露光で高感度を維持しつ
つ、露光可視画性を備え、白色灯下での取り扱い性にも
優れる。
【0184】本発明の組成物に適用し得る露光光源とし
ては、750〜1200nmに発振波長を有するするレ
ーザーであれば特に限定されないが、好ましくは800
〜850nm又は900〜1100nmに発振波長を有
するレーザーである。露光は、レーザーの出力光強度
0.1〜100W、好ましくは0.5〜70Wのレーザ
ー光線を、2〜30μm好ましくは4〜20μm径のビ
ームスポットとし、0.1〜500m/s、好ましくは
0.3〜400m/sの走査速度にて該ビームスポット
を移動することにより行われる。画像形成材料上のレー
ザー光露光量が、200mJ/cm2以下、好ましく
は、150mJ/cm2以下となるように画像様露光す
る。下限は小さいほど好ましいが通常、実用上1mJ/
cm2以上である。
【0185】画像露光された感光性平版印刷版は、その
ままの状態で印刷機の版胴上に装着して印刷に用いるこ
とができ、印刷開始直後に印刷インクの粘着性により親
水性支持体との接着性が低い感光性層の未露光部がブラ
ンケットゴムローラー(圧胴)のローラー表面側に、印
刷インクと共に剥離、転写除去される。ブランケットゴ
ムローラーに転写された感光層は、インクと共に印刷紙
に転写され、該印刷初期の印刷紙は損紙となるため、印
刷現像が達成される。これにより、当該部分の支持体の
親水性表面が露出し、版表面上に印刷インクの水とイン
クバランスからなる画像様のインク画像が形成される。
このインク画像がブランケットローラー、次いで印刷紙
へと転写され、印刷が行われる。
【0186】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により更に
具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り
以下の実施例により限定されるものではない。以下にお
いて、「%」は特記しない限り「重量%」を示す。
【0187】なお、以下の実施例及び比較例で用いた、
親水性支持体、エチレン性化合物及び高分子結合剤は次
の通りである。
【0188】(親水性支持体−1)厚さ0.2mmのア
ルミ板を3%水酸化ナトリウムにて脱脂し、これを1
8.0g/L硝酸浴中で25℃、80A/dm2の電流
密度で15秒電解エッチングし、その後50℃の1%水
酸化ナトリウム水溶液で5秒間デスマット処理を行い、
次に25℃の10%硝酸水溶液で5秒間中和した。水洗
後30%硫酸浴で30℃、10A/dm2の条件で16
秒間陽極酸化し、水洗、乾燥して平版印刷版用アルミニ
ウム板(「支持体−1」)を得た。形成された陽極酸化
被膜は2.1g/m2である。
【0189】(親水性支持体−2)支持体−1を、更に
1%オルト珪酸ナトリウム水溶液を用いて85℃で30
秒間親水化処理し、水洗、乾燥して平版印刷版用アルミ
ニウム板(「支持体−2」)を得た。
【0190】(親水性支持体−3)支持体−1の製造に
おいて、硫酸の代りにリン酸を用いたこと以外は同様に
して平版印刷版用アルミニウム板(「支持体−3」)を
得た。形成された陽極酸化被膜は1.8g/m2であ
る。
【0191】(親水性支持体−4)AGF社製水現像タ
イプネガ型平版印刷版:HYDROPRINTの感光性
層を水洗除去して平版印刷版用ポリエチレンテレフタレ
ート支持体(「支持体−4」)を得た。このポリエチレ
ンテレフタレート支持体は粗面化処理された厚さ180
μmのポリエチレンテレフタレート上に数μmの親水性
ポリマー層を形成したものである。
【0192】(親水性支持体−5)支持体−1におい
て、硝酸の代わりに塩酸を用いて電解エッチングした以
外は同様に処理したアルミニウム板上に、更に50pp
mCMC水溶液に5秒間浸漬して、平版印刷版用アルミ
ニウム板(「支持体−5」)を得た。
【0193】(エチレン性化合物−1)日本化薬(株)
製「PM−2」(構造式は下記の通りである。) (エチレン性化合物−2)新中村化学(株)製「UA−
306H」(構造式は下記の通りである。) (エチレン性化合物−3)新中村化学(株)製「ABP
E−4」(構造式は下記の通りである。) (エチレン性化合物−4)下記構造式のエチレン性化合
【0194】
【化42】
【0195】(高分子結合剤−1)メチルメタクリレー
ト/イソブチルメタクリレート/イソブチルアクリレー
ト/メタクリル酸=35/20/10/35モル%(仕
込み比)の共重合体(Mw7万)
【0196】(高分子結合剤−2)羽付き撹拌棒、還流
冷却、窒素管を備えた3Lの4つ口フラスコに3−アリ
ルオキシ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート80
g、メタクリル酸20g及び反応溶剤としてエタノール
1.6Lを入れ、90℃のオイルバスで加熱撹拌した。
この溶液にアゾビスイソブチロニトリル1.6gを40
0mLのエタノールに溶解して加えた。3時間加熱撹拌
した後窒素管をはずし、p−メトキシフェノール0.0
4gとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート400mLとを加え、バス温を100℃に上昇さ
せ、1時間加熱撹拌を続けた。最後にエタノールを留去
してエチレン性高分子結合剤−2(Mw30万)の18
%溶液を得た。
【0197】(高分子結合剤−3)羽付き撹拌棒、還流
冷却、窒素管を備えた3Lの4つ口フラスコにアリルメ
タクリレート107g、メタクリル酸13g、及び反応
溶剤としてエタノール1.6Lを入れ、90℃のオイル
バスで加熱撹拌した。この溶液にアゾビスイソブチロニ
トリル1.6gを400mLのエタノールに溶解して加
えた。3時間加熱撹拌した後窒素管をはずし、p−メト
キシフェノール0.04gとプロピレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート400mLとを加え、バス温
を100℃に上昇させ、1時間加熱撹拌を続けた。最後
にエタノールを留去してエチレン性高分子結合剤−3
(Mw18万)の20%溶液を得た。
【0198】(高分子結合剤−4)上記高分子結合剤−
1 200重量部、下記脂環式エポキシ含有不飽和化合
物75重量部、p−メトキシフェノール2.5重量部、
テトラブチルアンモニウムクロライド8重量部、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート800重
量部を反応容器中に加え、110℃、24時間空気中で
撹拌反応させてエチレン性高分子分子結合剤−4(Mw
7.5万,酸価60,高分子結合剤−1のメタアクリル
酸成分全体の6割に不飽和基が反応したもの。)の25
%溶液を得た。
【0199】
【化43】
【0200】(実施例1〜6、比較例1)下記の配合−
1の光重合性組成物塗布液を調製し、この塗布液をバー
コーターを用いて乾燥膜厚2g/m2 となるように表1
に示す支持体に塗布して乾燥した。更にこの上に、ポリ
ビニルアルコール水溶液をバーコーターを用いて乾燥膜
重量3g/m2 で膜厚3μmとなるように塗布乾燥し、
感光性平版印刷版を作製した。得られた感光性平版印刷
版について下記の項目について評価し、結果を表1に示
した。
【0201】
【表1】 光重合性組成物塗布液配合−1(重量部) 表1に示すエチレン性単量体 : 55 表1に示す高分子結合剤 : 45 下記構造式(A−1)の化合物 : 2.0 下記構造式(B−1)の化合物 : 5.0 N,N−ジメチル安息香酸エチルエステル : 10 エチルバイオレット : 5.0 シクロヘキサノン :1090
【0202】
【化44】
【0203】(剥離強度)親水性支持体のガムテープ剥
離強度を下記の測定法方に従って測定した。親水化処理
された支持体(以下「親水性支持体」と称す。)の表面
接着性を示すガムテープによる剥離強度(以下「ガムテ
ープ剥離強度」と称す。)は図1(a)に示す如く、支
持体1の表面にガムテープ(SLIONTEC社製SL
ION TAPE)3を25℃、5kg/cm2、50
cm/分で圧着した後、支持体1を固定台2の上に固定
し、ガムテープ3と支持体1が180°の方向に、毎分
30cmで離れるようにガムテープ3を引っ張る際に必
要な力Fをガムテープの幅で割って得られる線張力(g
/cm)を表わす。
【0204】(感度)感光性平版印刷版を、クレオ社製
近赤外露光装置(トレンドセッター3224−T:発振
波長830nm)を用いて各種露光量により画像露光
し、該印刷版を印刷機(三菱重工社製平版印刷機「ダイ
ヤF−2])上の版胴に取り付け、湿し水(アストロ N
o.1 マークII)、印刷インキ(東洋プロセスインキ ハ
イエコーマゼンタ)を用いて、100枚印刷して印刷現
像を行った。得られた100枚目の印刷物上の印刷画像
が現れる最小レーザー露光量(エネルギー)により感度
を評価した。表中のFは、1000mJ/cm2の露光
量においても画像が形成されなかったことを示してい
る。結果を第1表に示す。
【0205】
【表2】
【0206】・実施例7 実施例1において、感光層に下記配合−2のものを用
い、支持体−5を用いた以外は実施例1と同様にして感
度の評価を行った。感度は100mJ/cm2であっ
た。また、支持体−5の剥離強度は300gであった。
【0207】
【表3】 光重合性組成物塗布液配合−2(重量部) ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート : 50 アクリレートウレタンオリゴマー (Radcare社製 Ebecryl 8301) : 10 ポリメチルメタクリレート(Mw=30000) : 40 上記構造式(A−1)の化合物 2.0 上記構造式(B−1)の化合物 : 5.0 エチルバイオレット : 5.0 シクロヘキサノン :1090 メチルセロソルブ : 100
【0208】・実施例8 実施例7において、支持体−5の上に、0.1重量%の
日本合成化学社製ポリビニルアルコールGL−03をN
0.5のワイヤーバーで塗布し、70℃、2分間乾燥し
離型層を設けた後、構造式(A−1)の化合物の代わり
に下記構造式(A−2)を用い、構造式(B−1)の化
合物の代わりに下記構造式(B−2)を用いた以外は実
施例7と同様にして感度の評価を行った。感度は150
mJ/cm2であった。
【0209】
【化45】
【0210】・実施例9 実施例7においてポリビニルアルコールのカバーシート
層を設けないこと以外は実施例7と同様にして感度評価
を行った。感度は200mJ/cm2であった。
【0211】・実施例10 実施例7においてエチルバイオレットを配合しなかった
以外は実施例7と同様にして感度評価を行った。感度は
70mJ/cm2であった。
【0212】・参考例1 厚さ0.24mmのアルミニウム板を用い、その表面
を、5重量%水酸化ナトリウム水溶液中で60℃で1分
間脱脂処理した後、0.5モル/リットルの塩酸水溶液
中で、28℃、60A/dm2の電流密度で40秒間電
解エッチング処理し、次いで、4重量%水酸化ナトリウ
ム水溶液中で60℃で12秒間デスマット処理した後、
20重量%硫酸水溶液中で、20℃、3.5A/dm2
の電流密度で1分間陽極酸化処理し、更に、80℃の熱
水で20秒間封孔処理し、水洗、乾燥して光重合性平版
印刷版用の支持体を作製した。次いで、得られたアルミ
ニウム板支持体表面に、下記感光性組成物液(配合−
3)を室温で10分間攪拌して調液した塗布液をワイヤ
ーバーを用いて塗布し、80℃で2分間乾燥させて膜厚
20mg/dm2の光重合性組成物層を形成し、更にそ
の上に、ポリビニルアルコール:ポリビニルピロリドン
(95:5重量比)からなる水溶液を塗布し、80℃で
2分間乾燥させて膜厚30mg/dm2のオーバーコー
ト層を形成して光重合性平版印刷版を作製した。
【0213】 光重合性組成物塗布液配合−3 エチレン性モノマー1 上記UA−306H 22重量部 エチレン性モノマー2 上記ABPE−4 22重量部 エチレン性モノマー3 上記PM−2 11重量部 増感色素:前記化合物(A−2) 5重量部 ラジカル発生剤:前記化合物(B−2) 5重量部 着色染料:エチルバイオレット 5重量部 高分子結合材(下記組成の高分子結合材−5) 50重量部 シクロヘキサン 500重量部 メチルセロソルブ 500重量部
【0214】
【化46】
【0215】こうして得られた光重合性平版印刷版を白
色蛍光灯(三菱電機社製36W白色蛍光灯「ネオルミス
ーパーFLR40S−W/M/36」)の400ルクス
(6.2×10-5W/cm2:これは、“光学”、石黒
浩三著、共立出版(株)出版、p269(1972)に
記載の550nmにおける比視感度1における光の強度
を1ルックス=1.55×10-7W/cm2を用いて換
算した。)ルクスの光強度照射下に10分間放置した
後、レーザー露光することなしに前記と同様の印刷現像
処理を行ったところ、組成物層が完全に除去された。こ
のことから、白色蛍光灯に対する感光性が低いことがわ
かる。
【0216】・参考例2 参考例1において、感光性組成物にエチルバイオレット
を配合しなかった以外は参考例1と同様にして感光性平
版印刷版を作成し、白色蛍光灯下に10分間放置した。
次いでレーザー露光することなしに同様の印刷現像処理
を行ったところ、組成物層が完全に除去された。このこ
とから、白色蛍光灯に対する感光性が低いことがわか
る。
【0217】・参考例3 参考例1において、増感色素として、構造式(A−2)
の化合物の代わりに下記構造式(A−3)を1重量部用
い、構造式(B−2)の化合物の代わりに下記構造式
(B−3)を2重量部用いた以外は参考例1と同様にし
て感光性平版印刷版を作成した。
【0218】
【化47】
【0219】次に、分光感度測定装置(ナルミ社製)を
用い、キセノンランプ(ウシオ電機社製「UI−501
C」を光源としてその分光した光を、横軸方向に露光波
長が直線的に、縦軸方向に露光強度が対数的に変化する
ように設定して10秒間照射して露光し、次いで、実施
例1と同様に印刷現像処理を行い、得られた画像から、
532nmにおける画像形成に必要な最小露光量を求め
た。この最小露光量が小さい程高い感度であることを示
す。上記の評価より、最小露光量は1200μJ/cm
-2を示した。
【0220】・参考例4 参考例3において、感光性組成物にエチルバイオレット
を配合しなかった以外は参考例3と同様にして感光性平
版印刷版を作成し、キセノンランプで10秒間露光し
た。次いで、実施例1と同様に印刷現像処理を行い、得
られた画像から、532nmにおける画像形成に必要な
最小露光量を求めたところ、最小露光量は160μJ/
cm-2であった。即ち、参考例3、4により、532n
mのレーザーで画像形成可能な光重合性組成物において
は、着色染料の有無で感度が大きく変化することが示さ
れた。また、参考例1と同様の白色蛍光灯下に10分間
放置し、レーザー露光することなしに印刷現像処理を行
ったところ、組成物が完全に感光硬化し、組成物層は全
く除去されなかった。
【0221】
【発明の効果】本発明によれば、近赤外線領域の光に対
して高感度を示し、経時安定性に優れると共に、白色蛍
光灯下における取扱性にも優れた印刷現像近赤外レーザ
ー露光用光重合性平版印刷版及びその製版方法を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ガムテープ剥離強度の測定方法を示す概念図
である。
【符号の説明】
1 支持体 2 固定台 3 ガムテープ
フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA13 AA14 AB03 AC08 AD01 BC13 BC42 CA14 CA41 CA42 CC11 DA36 FA10 2H084 AA14 AA32 AE05 BB04 CC05 2H096 AA06 BA05 EA04 EA23 2H114 AA04 AA22 AA23 DA04 DA09 DA28 DA47 DA52 DA56 DA73 EA02 FA16 GA05 GA06 GA09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エチレン性化合物、(B)ポリメ
    チン鎖を介して複素環が結合した構造のシアニン系増感
    色素カチオン及び/又はフタロシアニン系増感色素、
    (C)有機硼素アニオン及び/又はハロメチル基含有化
    合物、を含有する感光層を、親水化処理された支持体上
    に設けてなる印刷現像近赤外レーザー露光用光重合性平
    版印刷版であって、ガムテープによる剥離強度測定方法
    で求めたガムテープの該親水化処理された支持体からの
    剥離強度が500g/cm以下であることを特徴とする
    印刷現像近赤外レーザー露光用光重合性平版印刷版。
  2. 【請求項2】 シアニン系増感色素カチオン及びフタロ
    シアニン系増感色素が、750〜1200nmに極大吸
    収を有する請求項1に記載の光重合性平版印刷版。
  3. 【請求項3】 感光層が更に(D)450〜650nm
    に極大吸収を有する着色染料を1〜20%含有する請求
    項1又は2に記載の光重合性平版印刷版。
  4. 【請求項4】 着色染料が塩基性染料である請求項3に
    記載の光重合性平版印刷版。
  5. 【請求項5】 着色染料がトリフェニルメタン系染料で
    ある請求項3に記載の光重合性平版印刷版。
  6. 【請求項6】 感光層が、800〜850nm又は90
    0〜1100nmに発振波長を有するレーザーで画像形
    成可能な最小露光量が200mJ/m2以下である請求
    項1〜5のいずれかに記載の光重合性平版印刷版。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の印
    刷現像近赤外レーザー露光用光重合性平版印刷版の感光
    層を、近赤外光により画像露光して画像様に該感光層を
    光硬化させた後、感光層の未露光部分を支持体から除去
    して光硬化感光性画像を形成する方法であって、画像露
    光後の光重合性平版印刷版を印刷機の版胴に装着し、該
    光重合性平版印刷版の感光層上に湿し水と印刷インクを
    供給してブランケットローラーのローラー表面に該イン
    クを転写する際に、該インクと共に前記未露光部をイン
    クの粘着性を利用してブランケットローラーのローラー
    表面に転写することにより、該未露光部分を支持体から
    除去することを特徴とする印刷現像近赤外レーザー露光
    用光重合性平版印刷版の製版方法。
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