JP2002165350A - 回転コネクタ - Google Patents

回転コネクタ

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JP2002165350A
JP2002165350A JP2000360108A JP2000360108A JP2002165350A JP 2002165350 A JP2002165350 A JP 2002165350A JP 2000360108 A JP2000360108 A JP 2000360108A JP 2000360108 A JP2000360108 A JP 2000360108A JP 2002165350 A JP2002165350 A JP 2002165350A
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flat cable
conductor
cylindrical body
rotary connector
thin flat
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JP2000360108A
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Yutaka Suzuki
裕 鈴木
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、回転体と固定体間で電気信号、電力
等を伝(電)送する小型で性能の安定した回転コネクタ
を提供する。 【解決手段】同軸上に配置された内側円筒体と外側円筒
体とを相対的に回転できるように組合せると共に、内側
円筒体と外側円筒体との間にドーナツ状空間が形成さ
れ、該ドーナツ状空間にフラットケーブルが配置され、
該フラットケーブルの両端末を前記内側円筒体及び外側
円筒体内外円筒体に設けた端子にそれぞれ固定してなる
回転コネクタにおいて、前記フラットケーブルは、導電
体の片面にのみ絶縁体が配されている薄肉フラットケー
ブルで構成されていることを特徴とする回転コネクタで
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転体と固定体間
で電気信号、電力等を伝(電)送する回転コネクタに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車のステアリングホイール
側(回転体側)に設けられた電装部品と、車体に固定さ
れたコラム側(固定体側)に設けられた電装部品との間
で電気信号や電力を伝(電)送するためには従来図5に
示す回転コネクタが用いられていた。
【0003】図5において、10はフラットケーブル、
2はダミーケーブルで、フラットケーブル10及びダミ
ーケーブル2は内側円筒体3と外側円筒体4とで形成さ
れたドーナツ状空間15内に配置されている。フラット
ケーブル10及びダミーケーブル2のドーナツ状空間1
5内への配置は固定体側の内側円筒体3から所要回数内
側円筒体3の外面31に沿う形で巻回され、次いで18
0度ターンさせて外側円筒体4の内面41に沿う形で内
側とは逆向きに所要回数巻回されている。なお、10a
はフラットケーブル10の方向反転部、2aはダミーケ
ーブルの方向反転部である。このようにして巻回される
フラットケーブル10は複数本のテープ状導電体を絶縁
フィルムで挟んだラミネート構造をしており、その両端
末は内側円筒体3、外側円筒体4に設けたそれぞれの端
子17、18と電気的に接続され、かつ固定されてい
る。このように構成された回転コネクタの内側円筒体3
を固定し、外側円筒体4を回転させると、フラットケー
ブル10及びダミーケーブル2が巻き取られ(或いは巻
き戻され)、回転体側(外側円筒体4)と固定体側(内
側円筒体3)間に電気的接続を保った状態で外側円筒体
4を内側円筒体3に対して所要回数相対的に回転が可能
となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の回転コネクタには下記する幾つかの欠点かあっ
た。1.フラットケーブル10は回転コネクタの仕様に
より導電体本数や導電体幅の組合せ等様々な仕様で使わ
れるため各種のタイプのフラットケーブルを用意しなけ
ればならず、従って汎用性が低く、大量生産によるコス
トダウンができ難い。更に導電体間のピッチが揺らぐと
導電体間の絶縁抵抗値が変化し、極端に導電体同士が近
づくと短絡する恐れさえあった。
【0005】2.フラットケーブル10を構成する導電
体は絶縁フィルムでラミネートされるまでは単独で取り
扱われるため、ある程度の引張張力を要求される。導電
体がフラットケーブルの熱ラミネート加工ラインで取り
扱われても破断しない引張張力を有するためには30μ
m程度の厚みが必要である。逆に、回転コネクタとして
はフラットケーブル10に高い耐屈曲性が要求される。
耐屈曲性はフラットケーブル10の導電体厚さと摺動屈
曲特性の関係を示す図3から明らかなように、導電体の
厚さが大きく影響するため、フラットケーブル10を構
成する導電体としては薄いものが要求される。しかしな
がら、上述したように製造上の問題から導電体の厚さを
30μm以下にすることは極めて困難であり、フラット
ケーブル10の厚さは導電体の厚さに左右されるため、
導電体の厚さが回転コネクタを小型化する障害となって
いた。なお、摺動屈曲特性は、100万回以上の屈曲回
数に渡って特性変化がないことが要求されている。
【0006】3.回転コネクタの回転安定性は内側円筒
体3と外側円筒体4のそれぞれの外面31と内面41の
半径の比が大きく関与してくる。この半径の比が1に近
い程回転安定性は高くなる。従って外面31の半径が一
定であればフラットケーブル10の屈曲半径が小さい
(内面41の半径が大きい)程安定する。逆に、屈曲半
径が一定であれば外面31の半径が大きい程安定する。
従来のフラットケーブルの屈曲半径は10mm程度まで
しか許容できないために内外径の差を20mm以上とら
なくてはならず、この大きさの内外径差を許容して回転
安定化を図るためには外径を40mm以上に設定する必
要があり、回転コネクタの小型化がフラットケーブル1
0の屈曲性能によって制限されていた。
【0007】4.フラットケーブル10、ダミーケーブ
ル2には、これらを一定形状に固定し続けるとその形状
に癖がつくヒートセット現象がみられ、この現象は特に
方向反転部10a、2aにおいて顕著に現れる。従って
この方向反転部についた癖を完全に取り除いてから回転
しないと図6に示すようにフラットケーブル10または
ダミーケーブル2と内側円筒体の外面31または外円筒
体の内面41との間に隙間5が生じて巻き崩れを起こす
ことがある。
【0008】5.従来の回転コネクタは回転体と固定体
との間をフラットケーブル10で接続している。このフ
ラットケーブル10は複数本のテープ状導電体を絶縁フ
ィルムで挟んだラミネート構造をしている。このため、
フラットケーブルを内側円筒体3、外側円筒体4のそれ
ぞれの端子17、18と接続する際、ケーブル端末の絶
縁フィルムを削除して導電体を露出しなければならない
が、絶縁フィルムを剥がすときにラミネートしたさいの
接着剤が導電体表面に残り接続不良を起こすことがあ
る。このような現象を防止するために絶縁フィルムの特
定部分に窓を開けて導電体を露出した状態としたフラッ
トケーブルを製造する技術も完成されているが、この方
法では製造ラインが複雑になり、フラットケーブルが高
価になる。
【0009】本発明はかかる従来の欠陥を解消し、小型
で安定した機能を有する回転コネクタを安価に提供する
ことを目的としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、請求項1に記載の回転コネクタは、同軸
上に配置された内側円筒体と外側円筒体とを相対的に回
転できるように組合せると共に、内側円筒体と外側円筒
体との間にドーナツ状空間が形成され、該ドーナツ状空
間にフラットケーブルが配置され、該フラットケーブル
の両端末を前記内側円筒体及び外側円筒体に設けた端子
にそれぞれ固定してなる回転コネクタにおいて、前記フ
ラットケーブルは、導電体の片面にのみ絶縁体が配され
ている薄肉フラットケーブルで構成されていることを特
徴とするものである。
【0011】また、本発明の請求項2に記載の回転コネ
クタは、同軸上に配置された内側円筒体と外側円筒体と
を相対的に回転できるように組合せると共に、内側円筒
体と外側円筒体との間にドーナツ状空間が形成され、該
ドーナツ状空間にフラットケーブルが配置され、該フラ
ットケーブルの両端末は前記内側円筒体及び外側円筒体
に設けた端子にそれぞれ固定され、かつ前記フラットケ
ーブルには延在方向が反転する方向反転部が前記両端子
との間に設けられた回転コネクタにおいて、前記フラッ
トケーブルは、導電体の片面にのみ絶縁体が配されてい
る薄肉フラットケーブルで構成されていることを特徴と
するものである。
【0012】本発明において、前記薄肉フラットケーブ
ルの導電体を蒸着またはメッキ加工で設けることにより
薄肉フラットケーブルをより薄く構成することができ、
また、薄肉フラットケーブルを構成する絶縁体はポリイ
ミド系樹脂を使用するとより効果的である。更に、本発
明において、薄肉フラットケーブルを構成する電気信
号、電力を伝達する電気導電体金属(導電体)の厚さを
0.1〜15μm、絶縁体の厚さを10〜50μm、好
ましくは12.5〜40μmとするとよい。
【0013】請求項1乃至5に記載の本発明回転コネク
タによれば、導電体の片面のみに絶縁フィルムを設けた
薄肉フラットケーブルを用いて回転体側と固定体側とを
電気的に接続し、特に薄肉フラットケーブルが絶縁フィ
ルムの片面に電気導電性金属(導電体)を蒸着またはメ
ッキ加工で構成したものであれば、導電体の厚さは15
μm以下に薄くすることができて耐屈曲性が向上し、屈
曲半径を大幅に小さくできて回転コネクタを小型化しう
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明回転コネクタを図面
を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態
を示すもので、1は薄肉フラットケーブル、2はダミー
ケーブルで、薄肉フラットケーブル1及びダミーケーブ
ル2は内側円筒体3と外側円筒体4とで形成されたドー
ナツ状空間15内に配置されている。薄肉フラットケー
ブル1及びダミーケーブル2のドーナツ状空間15内へ
の組み込みは、先ず内側円筒体3の外面31に沿う形で
所要回数巻回し、次いで180度ターンさせて外側円筒
体4の内面41に沿う形で内側とは逆向きに所要回数巻
回することによりなされる。なお、図中1aは薄肉フラ
ットケーブル1の方向反転部、2aはダミーケーブルの
方向反転部である。
【0015】本発明回転コネクタで使用される薄肉フラ
ットケーブル1は屈曲性に優れた薄肉絶縁フィルムの片
面に電気信号、電力を伝える導電体を貼着した薄肉フラ
ットケーブルである。上記薄肉絶縁フィルムとしては、
絶縁性で10〜50μm、好ましくは12.5〜40μ
mの厚さで、屈曲性に優れたものが好ましく、その材質
は問わないが、難燃性を要求される場合にはポリイミド
系樹脂を採用すると良い。絶縁フィルムの厚さを特に1
2.5〜40μmとする理由は、12.5μm以下では
薄過ぎて強度的に十分でなく、40μm以上では図4に
示すように摺動屈曲回数が100万回以下となり、か
つ、厚さが厚くなって回転コネクタの小型化に影響して
くるためである。
【0016】薄肉フラットケーブル1を構成する導電体
としては、電気信号、電力を良好に伝えるものであれば
よく、例えば、銅、金、銀、アルミニウム、およびこれ
ら金属の合金等、良導電体を使用することができる。絶
縁フィルムに導電体を貼着する方法としては、絶縁フィ
ルムの片面に接着剤を塗布し薄肉導電体(例えば箔)を
貼り付ける熱ラミネート方法、液状樹脂を薄肉導電体に
塗布して樹脂を乾燥固化する塗布乾燥方法、絶縁フィル
ムに導電性金属を蒸着する蒸着方法、絶縁フィルムに導
電性金属をメッキするメッキ加工等がある。
【0017】また、蒸着方法、メッキ加工等を採用すれ
ば薄肉フラットケーブル製造工程で導電体に引張張力が
作用しないので、導電体を薄くすることができる。絶縁
フィルムに貼着する導電体の厚さは上記の製造方法を採
用することにより薄くすることができる。導電体の厚さ
は図3に示すように薄いほど好ましいが、薄過ぎると電
気容量が不足するため0.1μm以上とすることが好ま
しく、一方厚過ぎると耐屈曲性が劣り摺動屈曲回数が減
少するとともに回転コネクタの小型化に支障をきたすの
で15μm以下とすことが好ましい。
【0018】このような薄肉フラットケーブルの製造に
さいし、絶縁フィルムとして幅の広い絶縁フィルムを採
用することにより薄肉フラットケーブルを安価に提供す
ることができる。即ち、幅の広い絶縁フィルムを使用し
て薄肉フラットケーブルを製造し、これを所定の幅にス
リッターで切断する。従来は回転コネクタの仕様に合わ
せてそれぞれのフラットケーブルを製造、保管していた
が、広幅の薄肉フラットケーブルを大量生産し、これを
回転コネクタの仕様に合わせて切断して使用することに
より、薄肉フラットケーブルの製造単価は安くなり、安
価に提供することが可能となる。
【0019】本発明で使用する薄肉フラットケーブル1
は導電体の片面のみに絶縁フィルムが存在しているの
で、導電体の他の面は露出した状態にある。従って、こ
の薄肉フラットケーブル1を内側円筒体3、外側円筒体
4に設けたそれぞれの端子17、18と接続する際に導
電体が露出した面と端子とを接続すればよく、接続は簡
単、容易に、確実に行うことができ接続不良を起こすよ
うな恐れはない。
【0020】上記薄肉フラットケーブル1を内側円筒体
3と外側円筒体4とで形成されるドーナツ状空間15に
セットするには、回転コネクタの仕様に合わせて、回線
数に相当する枚数の薄肉フラットケーブル1と必要によ
り薄肉フラットケーブル1の間にダミーケーブル2を挟
んで内側円筒体3の外面31に沿う形でゼンマイ状に複
数回巻回するか、図1に示すように内側円筒体3の外面
34に沿って所定回数巻回し、次いで180度ターンさ
せて外側円筒体4の内面41に沿う形で所定回数巻回す
ることで、薄肉フラットケーブル1に延在方向が反転す
る方向反転部1aが設けられた状態でドーナツ状空間1
5に薄肉フラットケーブル1を組み込むことができる。
【0021】回転コネクタの外径寸法を小さくするには
フラットケーブル1の屈曲特性を高める必要がある。上
述したように本発明回転コネクタで使用する薄肉フラッ
トケーブル1は屈曲半径を例えば10mm以下と小さく
できるため、内側円筒体3の外面31と外側円筒体4の
内面41との半径の比を1に近い方向で設計することが
可能となり、回転コネクタの回転安定性を高めることが
できる。本発明で使用する薄肉フラットケーブルは導電
体の厚さを前記したように0.1〜15μm、絶縁フィ
ルムの厚さを12.5〜40μmとすることにより内側
円筒体3の外面31と外側円筒体4の内面41との半径
の比を1.5未満にすることができ、回転コネクタを小
型化できると共に回転安定性を高めることができる。
【0022】なお、上記の説明では内側円筒体3と外側
円筒体4とで形成されるドーナツ状空間15に薄肉フラ
ットケーブル1とダミーケーブル2とを組合せて組み込
む例を記したが、薄肉フラットケーブル1のみを組み込
んでもよいことは勿論である。薄肉フラットケーブル1
のみで回路を構成する場合に、薄肉フラットケーブル1
が薄いために重ね合わせた薄肉フラットケーブル1、1
の導電体間に、例えばドーナツ状空間15に入り込んだ
導電性の異物により導電体相互で短絡事故を惹起する恐
れがある。このようなときには、図2に示すように幅の
違う薄肉フラットケーブル1,11を交互に使用すると
よい。このように構成すると、隣り合う薄肉フラットケ
ーブルの導電体12、12間の短絡距離が長くなるため
異物等による短絡事故を起こすようなことがなくなる。
【0023】また、本発明で使用する薄肉フラットケー
ブルは導電体の片面が露出した状態となっているため前
記したように短絡の恐れがある場合には、導電体露出面
に絶縁性ワニス等を薄く塗布して乾燥し、絶縁性能を高
め、短絡事故を防ぐことも可能である。
【0024】以下に本発明の実施例を示す。 実施例1 銅をスパッタリングにより0.25μmの厚さでコーテ
ィングした25μm厚のポリイミドフィルム(三井化学
株式会社の商品名エッチャーフレックス)を幅5mmにス
リット加工した薄肉フラットケーブル1を4枚用意し、
フィルム表面には薄くグリスを塗布した。外側円筒体の
内面半径は28mm、内側円筒体の外面半径は20mmとし
て薄肉フラットケーブルの屈曲半径を4mmに設定し、薄
肉フラットケーブルの表裏は全部同じ向きとして銅箔同
士が短絡しないようにし、各薄肉フラットケーブルの間
に4枚のダミーケーブルを組み込み、ダミータイプの回
転コネクタを作成した。
【0025】作成した回転コネクタにつき回転試験を行
ったところ、その動きはとてもスムーズで音もせず、回
転トルクも全く問題にならないレベルであった。この回
転コネクタを105℃の雰囲気中で48時間放置した
後、常温にて作動耐久試験をおこなったところ、10万
回転作動させても全く問題は見られなかった。この薄肉
フラットケーブルを単体で難燃性を評価したところ、UL
規格のVW-1燃焼試験をクリアした。また、この薄肉フラ
ットケーブルのポリイミドフィルムの厚さを12.5μ
mと50μmに変更しても全く問題はなかった。更に導電
体の厚さをスパッタリング条件を変えることで調整で
き、蒸着面にメッキを施すことで更に厚い方向に設定す
ることができることから、導電体の厚さを0.1、0.
25、1、3、5、10、15μmと変化させて薄肉フ
ラットケーブルを作成し回転コネクタを製作し試験した
が、いずれの場合も問題はなく、良好に作動した。
【0026】実施例2 内側円筒体の外面半径を20mmに固定して、外側円筒体
の内面半径を24、26、30、32mmに変化させて、
銅をスパッタリングにより0.25μmの厚さでコーテ
ィングした25μm厚のポリイミドフィルムを用いて回
転コネクタを作成し、実施例1と同様な作動耐久試験を
行った。外側円筒体の内面半径が24、26mmの場合は
全く問題なく試験を終了したが、30、32mmで5サン
プル中1つで、高温放置(105℃×48h)後に巻き
崩れに発展するであろう薄肉フラットケーブルと外側円
筒体内面との間が浮いてできる隙間(図6の符号5に相
当する隙間)が発生した。これは外側円筒体の内面半径
Rと内側円筒体の外面半径rの比、R/rが1.5より
大きくなったためである。このようにR/rが1.5未
満であれば図1に示す反転タイプの回転コネクタは安定
するが、R/rが1.5を超えるとやや不安定になる。
【0027】回転コネクタは外形寸法が小さいほど付加
価値が高い。従来の屈曲性能の低いフラットケーブルと
ダミーケーブルを用いても、外側円筒体の内面半径Rを
大きくすることでいくらでもR/rを小さくすることは
可能であるが、従来の回転コネクタよりも大きな外形寸
法となってしまっては商品価値が低くなるため、外形寸
法を従来の回転コネクタより小さくした上でR/rを小
さくするためには、電気信号、電力を伝達するための薄
肉フラットケーブルの屈曲性能を高める必要がある。よ
って本発明の薄肉フラットケーブルは回転安定性、製品
寿命と外形寸法の小ささを両立させることができ極めて
有効である。
【0028】実施例3 厚さ10μmの銅箔表面にポリイミドワニスを塗布し、
その後ワニスを焼き固めてポリイミド皮膜とし、このワ
ニス塗布と焼き固めを数回繰り返して薄肉フラットケー
ブルを製作した。ポリイミド皮膜の厚さは20μmであ
った。この薄肉フラットケーブルを用いて実施例1と同
様の回転コネクタを作成し、同様な評価を行った結果、
良好に作動し問題は見られなかった。
【0029】実施例4 前記実施例1ないし3における回転コネクタの作成で、
薄肉フラットケーブルの端末固定は全てハンダ付けでお
こなったが、これを抵抗溶接に変え、同様に試験を行っ
たが何らの問題もなかった。
【0030】実施例5 実施例1の4枚の薄肉フラットケーブルを、幅が違う薄
肉フラットケーブルを使用し、図2に示すように幅が広
い薄肉フラットケーブル1と狭い薄肉フラットケーブル
11とを交互に配置して実施例1と同様の回転コネクタ
を作成し実施例1と同様の試験をおこなった。結果は良
好に作動し何らの問題もなかった。実施例1の場合は万
一導電性の異物がコネクタ内部に混入すると短絡の恐れ
があったが、このような配置とすることで各芯の導電体
間の短絡距離が長くなるために事故の危険性は急激に小
さくなる。
【0031】実施例6 実施例1の4枚の薄肉フラットケーブルの、幅方向端部
の銅をエッチングにより幅0.5mmずつ取り除いたとこ
ろ、実施例5と同様に短絡事故の危険性を小さくでき
た。またエッチングを使って銅箔部分を長さ方向に幾筋
かに分けることで、チャンネル数を増やすことも可能で
ある。
【0032】実施例7 実施例1の薄肉フラットケーブルの銅箔露出面にポリイ
ミドワニスを塗布してた後焼き固め、10μm厚の絶縁
層を形成したが、動作上全く問題はなかった。
【0033】実施例8 実施例1乃至7は銅導電体を使用したが、銅の代わりに
金、銀、アルミニウムを使用して同様の評価を行った
が、いずれの導電体についても問題はなかった。
【0034】比較例 50μm厚のPETフィルムに厚さ35μmの銅導体をポリ
エステル系の接着剤でラミネート加工することで作製し
たフラットケーブルを用いて、実施例1と同様の仕様
で、外側円筒体の内面半径28mm、内側円筒体の外面半
径20mmに設定してダミーケーブルタイプ回転コネクタ
を試作した。このときのフラットケーブルに使用した導
体の幅は1.6mmであった。この回転コネクタを熱処理
することなく作動耐久試験をおこなったが、コネクタを
数百回回転させただけで導体の抵抗値が上昇した。また
105℃の雰囲気中で48時間放置した後、常温にて手
で回してみたところ、簡単に内部フラットケーブルが巻
き崩れを生じた。分解して調べてみると、フラットケー
ブルに多大なヒートセット現象が見られた。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明で使用する
薄肉フラットケーブルは屈曲半径を小さくできるので回
転コネクタを小型化でき、回転安定性も極めて優れたも
のである。また、薄肉フラットケーブルは大量生産で
き、端子との接続、固定も容易であり、従って製造が容
易で安価に小型の回転コネクタが提供できる等工業的に
優れた効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明回転コネクタの一実施形態を示す断面図
である。
【図2】本発明回転コネクタにおける薄肉フラットケー
ブルの配置状態の一実施形態を示す説明図である。
【図3】回転コネクタにおける導電体の厚さと回転数と
の関係を示すグラフである。
【図4】回転コネクタにおける絶縁体の厚さと回転数と
の関係を示すグラフである。
【図5】従来の回転コネクタを示す断面図である。
【図6】従来の回転コネクタにおけるヒートセット現象
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 薄肉フラットケーブル 2 ダミーケーブル 3 内側円筒体 4 外側円筒体 5 隙間 10 フラットケーブル 11 薄肉フラットケーブル 15 ドーナツ状空間

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同軸上に配置された内側円筒体と外側円筒
    体とを相対的に回転できるように組合せると共に、内側
    円筒体と外側円筒体との間にドーナツ状空間が形成さ
    れ、該ドーナツ状空間にフラットケーブルが配置され、
    該フラットケーブルの両端末を前記内側円筒体及び外側
    円筒体に設けた端子にそれぞれ固定してなる回転コネク
    タにおいて、前記フラットケーブルは、導電体の片面に
    のみ絶縁体が配されている薄肉フラットケーブルで構成
    されていることを特徴とする回転コネクタ。
  2. 【請求項2】同軸上に配置された内側円筒体と外側円筒
    体とを相対的に回転できるように組合せると共に、内側
    円筒体と外側円筒体との間にドーナツ状空間が形成さ
    れ、該ドーナツ状空間にフラットケーブルが配置され、
    該フラットケーブルの両端末は前記内側円筒体及び外側
    円筒体に設けた端子にそれぞれ固定され、かつ前記フラ
    ットケーブルには延在方向が反転する方向反転部が前記
    両端子との間に設けられた回転コネクタにおいて、前記
    フラットケーブルは、導電体の片面にのみ絶縁体が配さ
    れている薄肉フラットケーブルで構成されていることを
    特徴とする回転コネクタ。
  3. 【請求項3】前記薄肉フラットケーブルの導電体が蒸着
    またはメッキ加工で設けられていることを特徴とする請
    求項1または2に記載の回転コネクタ。
  4. 【請求項4】前記薄肉フラットケーブルの絶縁体がポリ
    イミド系樹脂であることを特徴とする請求項1ないし3
    の何れかに記載の回転コネクタ。
  5. 【請求項5】前記薄肉フラットケーブルは、導電体の厚
    さが0.1〜15μm、絶縁体の厚さが12.5〜40
    μmであることを特徴とする請求項1ないし4の何れか
    に記載の回転コネクタ。
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