JP2002162723A - 画像形成要素 - Google Patents

画像形成要素

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JP2002162723A JP2001299683A JP2001299683A JP2002162723A JP 2002162723 A JP2002162723 A JP 2002162723A JP 2001299683 A JP2001299683 A JP 2001299683A JP 2001299683 A JP2001299683 A JP 2001299683A JP 2002162723 A JP2002162723 A JP 2002162723A
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エフ.テイラー ジェフリー
Thomas H Whitesides
ヘイル ホワイトサイズ トーマス
Hwei-Ling Yau
ヨー ホウェイ−リン
Elmer Charles Flood
チャールズ フラッド エルマー
John William Boettcher
ウィリアム ボエッチャー ジョン
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】指紋、普通の汚れ、及びこぼれに対して耐性を
有する画像が形成された要素に関する。 【解決手段】画像形成された要素のトップ層に導入され
ている硬化剤を含有する画像形成された要素の上に、硬
化性オーバーコート組成物をオーバーコートすることに
より指紋、普通の汚れ、及びこぼれに対して耐性を有す
る画像を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、指紋、普通の汚
れ、及びこぼれ(spill)に対して耐性を有する画像が
形成された要素に関する。特に、硬化性オーバーコート
組成物を、画像形成された要素のトップ層に導入されて
いる硬化剤を含有する画像形成された要素に適用して、
硬化された耐水性及び/又は耐汚染性オーバーコートを
得る。本発明を用いて写真要素及び記録媒体を保護する
ことができる。
【0002】
【従来の技術】ゼラチンは、その多くの独特且つ有利な
特性のために、種々の画像形成要素において、バインダ
ーとして広く用いられてきた。例えば、その水膨潤性
は、処理試薬を担持してハロゲン化銀系写真画像を形成
することができ、またその親水性は、インクジェット記
録媒体において、ゼラチンをインク受容体として機能さ
せることができる。しかし、この同じ特性のため、露光
されたゼラチン含有材料を有する画像形成要素は、透明
又は反射媒体上に形成されている場合であっても、画像
を損傷する場合があるいかなる水溶液とも接触させない
ように非常に注意深く取り扱われねばならない。ふつう
の家庭にある溶液、例えば、コーヒー、パンチ、又は水
道水が偶発的にこぼれても、インクジェット、電子写
真、又は写真プリントのような画像形成要素を損傷する
場合がある。
【0003】水もしくは水溶液による損傷から画像を保
護するゼラチン系写真システムの保護層を提供する試み
が、長年行われている。米国特許第2,173,480号明細書
には、乾燥前の写真処理の最後の工程として、湿ってい
るフィルムにコロイド状懸濁液を塗布する方法が記載さ
れている。米国特許第3,190,197号、同3,415,670号、及
び同3,733,293号の一連の特許明細書には、写真処理が
完了した後、画像上に保護層を溶剤コーティングする方
法が記載されている。米国特許第5,376,434号明細書に
は、画像を乗せたゼラチン含有層の上に、ラテックスを
コートして乾燥することにより写真プリント上に形成さ
れた保護層が記載されている。このラテックスは30℃
〜70℃のガラス転移温度を有する樹脂である。UV重
合性モノマー及びオリゴマーを処理した画像に塗布し、
次に輻射線に露光して架橋保護層を作成することが、米
国特許第4,092,173号、同4,171,979号、同4,333,998
号、及び同4,426,431号明細書に記載されている。コー
トして乾燥させると水性分散粒子が均一なコーティング
に凝集する耐こぼれ性保護オーバーコートを得るための
水系材料が開示されている。Ogawa等の米国特許第5,37
6,434号及びShoji等の米国特許第6,087,051号明細書を
参照されたい。
【0004】均一コーティングに追加して、こぼれ耐性
及び耐久性を構築するためにオーバーコート内に一定レ
ベルの架橋を発達させることが有利であろう。架橋を得
るための一つの方法は、高温又は化学線に暴露すると硬
化することができる2種類以上の反応部分を有する分子
(即ち、多官能性分子)を使用することである。種々の
特許明細書に、写真パッケージ用の架橋性オーバーコー
トを得るために化学線を使用することが記載されてい
る。例えば、Novak等の米国特許第4,092,173号には、硬
化のためにUV硬化又は化学線を用いるオーバーコート
技法が記載されている。この特許明細書には、スクラッ
チ耐性のために写真要素に適用されるアクリル化ウレタ
ン又は多官能性アクリル酸エステルが記載されている。
また、Novak等の米国特許第4,171,979号にも、米国特許
第4,092,173号を改良したものが記載され表面欠陥の修
復が含まれる。Leszykの米国特許第4,333,998号明細書
には、輻射線硬化性組成物にシロキシカルビノールを添
加することによって米国特許第4,092,173号を改良する
ことが記載されている。
【0005】Harasta等の米国特許第4,426,431号明細書
には、重合性エポキシド、重合性アクリル酸化合物、触
媒、及び重合性オルガノ官能性シランを含む組成物を用
いる修復処理又は保護処理用の光硬化性コーティングが
記載されている。このコーティングが、標準的なカチオ
ン開始エポキシ反応を必要とすることは明らかである。
他の特許明細書もカチオン開始エポキシ型の系を開示す
る。例えば、欧州特許第0484083号(1991)明細書は、
オニウムを使って開始されるトリメチロールアルカン類
のトリグリシジルエーテルが開示されている。Kistner
等の米国特許第4,619,949号及び同第4,587,169号には、
オニウム塩を使ってカチオン開始される、末端にエポキ
シを有するシラン及び脂肪族モノマーエポキシ樹脂が記
載されている。
【0006】上述の米国特許第4,619,949号及び同第4,5
87,169号及び欧州特許第0484083号(1991)明細書(こ
こでは光開始剤含有エポキシ系液体オーバーコートを写
真画像の表面にコートする)に記載されるUV硬化性コ
ーティングは、100%モノマー及び光開始剤であるニ
ートモノマー系である。硬化の前に、それらは取り扱い
が困難であり、取り扱いを誤ると健康に有害な液体であ
る。
【0007】McGiniss等の米国特許第4,107,013号に
は、低分子量光硬化性ポリマーと組み合わせた高分子量
水性ラテックスを含む塗料が記載されている。この組成
物は流延性又は均展性を与えるための塗膜の加熱が省略
されるという利点を有する。さらに、低分子量架橋剤は
腐食及び摩耗耐性フィルム特性を維持しながら柔軟性と
基体接着性とを提供する。この特許明細書は、画像形成
用のコーティングには言及せず、塗料特性の改善に焦点
が合わせられている。
【0008】Muzyczko等の米国特許第4,186,069号明細
書には、光重合性成分が導入されたラテックス溶液が記
載されている。この系はコーティング前は水性相、ラテ
ックス相及び感光性ポリマー相を含めた3相系として記
載されている。コーティングの際は、この系はラテック
ス相と感光性ポリマー相とからなる2相系となる。これ
らの系は水現像性リソグラフィック印刷版を目的とす
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】オーバーコートを画像
形成された要素に迅速且つ経済的に適用できる、写真要
素を保護するオーバーコート組成物を得ることは有利で
あろう。しかし、良好なコーティング特性を有するコー
ティング組成物が画像形成された要素のために良好な保
護特性を有していないかもしれないので、写真要素をコ
ートすることは難しい。最終製品において所望の保護特
性を有する保護オーバーコートを得ると同時に、写真処
理環境において、例えば、通常のミニラボ操作に付随し
て、有効且つ経済的に適用できることが望ましい。取り
扱い易いだけでなく均一コーティング特性のために、硬
化性コーティング組成物がコートされる基体に適用され
た後迅速に硬化するが、保存時又はフィルム形成が完成
する前に早まって硬化しないことが望ましい。写真又は
デジタルプリントをコーティングするいずれのプロセス
にも堅牢で、操作条件の変動に全く感受性を有しないこ
とが望ましい。
【0010】本発明は、水性のこぼれ、指紋等から画像
形成された要素を保護することができる硬化オーバーコ
ートを提供する画像形成された写真要素の処理方法に向
けられている。
【0011】
【課題を解決するための手段】画像形成された要素上の
保護オーバーコートを硬化することによって、耐久性、
耐指紋性、及び耐スクラッチ性に関して改良された特性
が得られることが分かった。本発明は、一般的に:
(1)トップ層に、多官能性モノマーの、架橋を開始す
るか又は重合を開始する硬化剤が導入された画像形成さ
れた要素、及び(2)前記画像形成された要素(硬化剤
が導入されている)に適用すると架橋して、優れた耐こ
ぼれ性保護オーバーコートを生成するオーバーコート組
成物の二つの部分を含む。
【0012】本発明の一つの態様では、画像形成された
要素は、支持体及び少なくとも1層のゼラチン系の画像
形成された層を含んでなる写真プリントである。本発明
のさらなる態様では、ゼラチン系の画像形成された層の
上に位置する保護オーバーコートは、水性分散性ラテッ
クス及び硬化性成分を含む組成物から作られる。一つの
特定の態様では、光開始剤を写真プリントのトップ層に
導入する。
【0013】本発明の別の態様は、画像形成された要素
の上に耐水性オーバーコートを形成する方法を提供す
る。一つの特定の態様では、光硬化性オーバーコート組
成物を光開始剤が導入されているプリントの表面に適用
し、化学線を用いて前記光開始剤を活性化させて前記オ
ーバーコートを硬化させる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、処理されて画像形成さ
れた写真要素、例えば写真プリントの水、汚れ及び摩耗
に対する耐性を改善する簡便且つ安価な方法を提供す
る。本発明に従うと、画像形成された後、例えば写真プ
リントに対する露光及びその後の処理の後、保護オーバ
ーコートを画像形成された要素上に適用する。特に、オ
ーバーコート配合物を、写真製品、特に写真プリントの
乳剤側、又は従来のフィルムに由来するデジタル電子画
像又はデジタルスチルカメラに由来するデジタル画像に
基づく、インクジェットもしくは感熱色素(色素昇華)
プリント(以下、「デジタルプリント」という)に適用
する。
【0015】用語「耐水性」は、本明細書では、通常の
画像処理の後、画像形成された要素が水を吸収しない
か、又は画像形成された要素の画像形成側を変色させる
水系汚染を防止するか最小にする保護オーバーコートを
有することを意味する。
【0016】上述したように、本発明は、(1)トップ
層に、多官能性モノマーの、架橋を開始するか又は重合
を開始する硬化剤が導入された画像形成された要素、及
び(2)前記画像形成された要素(硬化剤が導入されて
いる)に適用すると架橋して、優れた耐こぼれ性保護オ
ーバーコートを生成するオーバーコート組成物の二つの
部分を含む。
【0017】本発明の一つの態様では、オーバーコート
組成物は、(硬化性材料として)分子内に2以上の重合
性エチレン系不飽和を有する、モノマー類、プレポリマ
ー類、及びマクロモノマー類を含めた多官能性モノマー
の形態の重合性硬化性成分を含む。本発明の別の態様で
は、オーバーコート組成物は、(硬化性材料として)ポ
リマー硬化性成分、1種以上の架橋ポリマー、例えば、
アミノ−ホルムアルデヒド樹脂、ブロックされているか
もしくはブロックされてないポリイソシアネート、オキ
シランもしくはエポキシ含有ポリマー、カルボン酸含有
ポリマー又はヒドロキシル含有ポリマーを含む。
【0018】そのような架橋性ポリマーは、自己硬化す
るか(例えば、エポキシ基とヒドロキシ基を含有するポ
リマー)又は多官能性の酸アルコールもしくはアミン又
は多価金属イオン等の架橋剤で硬化することができる。
使用可能な他の架橋剤には、アルデヒド類、ジアルデヒ
ド類もしくはジヒドロキシジオキサン等のメラミンホル
ムアルデヒド、グリオキサル、グルタルアルデヒド、メ
チロールメラミン、ジもしくは多官能性イソシアネート
類、例えば、ジシクロメタンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネートに基づくポリイソシアネート
(例えば、Desmodur(商標)N3300、Bayer製)、酸無水
物、例えば、フタル酸無水物、マレイン酸無水物及びポ
リマレイン酸無水物−コ−スチレン等のポリマーを含め
たその誘導体、ジもしくは多官能性アジリジン、例え
ば、Xama-7(商標)(Cordove Chem製多官能性アジリジ
ン)、ビニルスルホン類、例えば、ビスビニルスルホニ
ルメタン、ジもしくは多官能性エポキシ類、例えば、ジ
エポキシデカン、ジエポキシオクタンもしくはEpon(商
標)樹脂(Shell Oil製)、金属アルコキシド類、例え
ば、トリメチルボレート、テトラエチルオルトシリケー
ト、又はテトラブトキシドチタン、及び酢酸亜鉛又は酢
酸アルミナ等の金属塩が含まれる。
【0019】本発明のさらに別の態様では、コーティン
グ組成物は、重合性硬化性成分等の硬化性材料と組み合
わせて非硬化性水性ラテックスを含むことができる。こ
の重合性硬化性成分は、好ましくは、ラテックス相内に
吸収されるか充填されて、硬化時に架橋構造を形成する
少なくとも1種の多官能性モノマーの形態である。この
二相溶液(水性相と充填ラテックス相)を、その後、画
像形成された要素、例えば写真プリントにコートし、乾
燥することによって、均一コーティングを形成する。本
発明のさらに別の態様では、非硬化性水性ラテックス溶
液をポリマー硬化性成分と組み合わせて用いることがで
きる。あるいは、ポリマー硬化性成分はラテックス形態
となることができる。
【0020】本発明の好ましい態様では、画像形成され
た要素に適用されるオーバーコート組成物は、平均粒径
10〜250nmを有する粒子形態の水分散性ラテック
ス粒子、モノマーの少なくとも1種が2以上のエチレン系
不飽和を有する多官能性モノマーである重合性相溶性モ
ノマーを含む光重合性成分系を含むオーバーコート調合
物から形成され、乾燥レイダウンが少なくとも0.54
g/m2(50mg/ft2)であり、前記ラテックス粒
子及び光重合性成分系を含むコートされた組成物のTg
が、架橋前に−60〜60℃である。好適には、画像形
成された要素に適用され保護オーバーを形成するオーバ
ーコート組成物は、組成物総量の5〜75%の水、好ま
しくは10〜50%の水を含む。
【0021】いずれの場合でも、画像形成された要素を
本発明の硬化性材料または系を含むオーバーコート組成
物で画像形成された要素を被覆した後、当該写真要素の
下に位置する層中の硬化剤が、オーバーコート内に拡散
して硬化性成分を硬化するか又は架橋する。いくつかの
場合では、拡散を促進するため及び/又は硬化反応を開
始するために、化学線又は熱に対する曝露等の追加の手
段又は工程が必要とされる場合があるが、任意である。
【0022】光開始系を伴うある態様では、光開始剤
は、この光開始剤が要素の表面に有効に拡散することが
できるように写真プリントのトップ層に導入される。硬
化性オーバーコート組成物を導入された光開始剤を有す
るプリントの表面に適用した後、化学線を用いて光開始
剤を活性化させ、オーバーコートを硬化させる。随意選
択的に、光開始剤をラテックス粒子に充填し、この充填
されたラテックスをゼラチンと混合し、そして生じた分
散物を写真ペーパー上にコートすることによって、写真
ペーパー上のゼラチンコーティング内に光開始剤を充填
する。光開始剤、ラテックス及び界面活性剤の水性混合
物を作製することによって、このプロセスを実施するこ
とができる。混合時に、光開始剤は、水性環境と比べて
ラテックス環境を好み、光開始剤又は触媒で膨潤したラ
テックス粒子を生じる。光開始剤を導入する別の方法
は、ゼラチン中で通常の表面活性剤安定化分散物を調製
することである。特に好ましい方法が、米国特許第5,46
8,604号明細書に記載されており、そこでは分散物を熟
成に対して安定にするために疎水性添加物を用いる。
【0023】この態様では、光開始剤を含有する充填さ
れたラテックス又はゼラチン安定化乳剤を、写真ペーパ
ーのトップゼラチン層又は他のトップコートに導入する
ことができる。光硬化性材料を光開始剤が充填されたト
ップコートに適用し、UV光又は他の形態の輻射線に曝
露すると、硬化された耐久性のあるオーバーコートが作
製される。他の態様では、オーバーコートされた材料
が、オーバーコート内に導入された別種の硬化剤の存在
下で架橋する別種の材料である場合、架橋を含めた好適
な手段(加熱、活性化ガス体もしくは液体に曝露するこ
と、又は他の手段)を用いることができることは容易に
理解できよう。
【0024】硬化性材料を構成するためにここで使用で
きるモノマーは、硬化するために重合又は共重合できる
いずれの分子にもなることができる。好ましくは、モノ
マー系は、多官能性アクリレート類、及びそれらとベン
ゾフェノン、ベンゾイン又はベンゾインエーテル化合物
等のフリーラジカル源によって開始される(特に光開始
するプロセスの場合)ことができるビニル含有化合物と
の混合物となることができる。多官能性アクリレート類
が好ましい。さらに、オリゴマー又はプレポリマーを含
めたエポキシ含有多官能性化合物を用いることができ、
オニウムイオン含有化合物等のカチオン生成源を用い
て、イオンによって開始することができる。
【0025】「硬化剤」の用語は、架橋を開始するかも
しくは多官能性モノマーの重合を開始する、光開始剤、
触媒、増感剤、又は他の化合物を含むことを意味する。
例えば、光誘発ラジカル重合を開始するのに用いられる
光開始剤には、カルボニル化合物の光分解生成物、例え
ば、ジ−tert−ブチルケトン及び2−ヒドロキシ−2−
メチルプロピオフェノン、アゾ化合物、例えば、2,
2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、ヒドラジン
類、例えば、テトラフェニルヒドラジン、並びに過酸化
物、例えば、過酸化ジ−ベンゾイルが含まれる。ペンダ
ントベンゾフェノン部分を有するポリマーの場合には、
ラジカル重合変種の光開始剤も重合体となることができ
る。有機光開始剤の加えて、チタノセン(titanocene)及
び種々の(シクロペンタジエニル)(アレーン)鉄(I
I)塩等の有機金属錯体を用いることもできる。
【0026】アセトフェノン、アントラキノン及びベン
ゾインの誘導体を含めた化合物が、水性硬化性系の水溶
性光開始剤として有用である。カチオン光開始に有用な
化合物には、オムニウム塩、例えば、ジアリールヨード
ニウム、トリアリールスルホニウム及びフェロセニウム
塩類が含まれる。光源の有効利用、作業者の安全及び経
済のためには、開始剤系の波長を紫外領域よりも長い波
長まで拡張することが有用である。この目的のために、
アクリジン類、オキサジン類、キサンテン類、シアニン
類及びメロシアニン類を含めた色素又は増感剤を用い
る。
【0027】写真用途に関しては、硬化剤の実質的部分
が写真処理時に水に洗い流されても、十分な量が有効に
残存するようにlogPを有するのがよい。硬化剤又は
光開始剤の水への溶解度(logP)が、硬化性材料を
有効に硬化する前に、処理時にその全部が洗い流される
ほど高くない(即ち、LogPが低い)方がよい。一
方、硬化剤又は光開始剤の水への溶解度(即ち、log
P)が、有効となるオーバーコートに十分に移動するほ
ど低くない(即ち、LogPが高い)方がよい。従っ
て、本発明の一つの態様では、硬化剤又は光開始剤は、
好ましくはLogPで測定して3〜12、より好ましく
は、4〜11、最も好ましくは、4〜9の水への溶解度
を有する。LogPは、M. Reinhard及びA. Drefahlの
「Toolkit forEstimating Physicochemical Properties
of Organic Compounds」、Wiley-Interscience, New Y
ork, 1999に記載されているようなViswanadhan等の方法
によって計算されるオクタノール−水分配係数の計算値
である。LogP値は生物学及び化学文献において十分
に受け入れられている疎水性度(従って、水溶解度)の
尺度である。
【0028】種々の硬化剤のLogP値の例は、HMP
(1.54)、ベンゾイン(2.81)、BME(3.
05)、BEE(3.39)、BIBE(4.26)で
ある。水性処理を必要としない、例えば、インクジェッ
ト印刷等の本発明の用途に関しては、硬化剤は依然とし
て一つの層からもう一つの層へと移動するので、Log
Pレンジの高端が当てはまる。以下の例は、それがオー
バーコートのゼラチンを水で膨潤するのを助けることを
示し、移動しようとする硬化剤の疎水性度の上限を示唆
する。
【0029】多官能性モノマーの例には、1,3−ブチ
レングリコールジメタクリレート、エチレングリコール
ジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ビスフェノール−A−ジメタクリレート、ジエチレ
ングリコールジメタクリレート、ペンタエリトリトール
トリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリ
レート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ト
リメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチレ
ングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、エトキシレート化ビスフェノール−A−ジメ
タクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレ
ート、アリルアクリレート、アリルクロトネート、アリ
ルメタクリレート、ジアリルアクリレート、ジアリルフ
マレート、ジアリルマレート、ジアリルマレエート、ジ
アリルメタレート、ジアリル−オキシエチルメタクリレ
ート、メラミンアクリレート、トリアリル−5−トリア
ジン、ビニルトリアロキシシラン、トリアリルシアヌレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジビ
ニルベンゼン、ジアリルアミン、トリメチロールプロパ
ンジメチルエーテル、ジアリルマレートメタクリレー
ト、及びジヒドロキシエチルフタレートが含まれる。好
ましい多官能性モノマーはペンタエリトリトールテトラ
アクリレートである。
【0030】一般的に、画像形成された要素に導入され
る硬化剤の量は、硬化性材料の量と硬化反応の種類によ
って変わる。例えば、UV硬化性モノマー組成物が充填
された疎水性ポリマーラテックスを含むの本発明の態様
では、モノマー組成物は疎水性ポリマーに対して20〜
300質量%の範囲となることができ、好ましくは疎水
性ポリマーに対して50〜200質量%の範囲となる
(1:2〜2:1質量比)。一般的に、画像形成された
要素に導入される硬化剤又は光開始剤組成物は、オーバ
ーコート中の硬化性材料に対して1〜30質量%の範囲
となることができ、好ましくは5〜15質量%の範囲と
なることができる。好ましくは、硬化性ポリマーを含む
態様では、写真要素に組み込まれる硬化剤の量は、硬化
性ポリマーに対して5〜30質量%の範囲、好ましく
は、10〜25質量%の範囲となることができる。
【0031】疎水性ポリマー、ラテックス又は水系媒体
中に安定化することができる任意の組成の疎水性ポリマ
ーラテックスの分散物を含むオーバーコート組成物の場
合、疎水性ポリマーは、一般的に縮合ポリマー又は付加
ポリマーとして分類される。縮合ポリマーには、例え
ば、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリエー
テル、ポリカーボネート、多価酸無水物、及びこれらの
タイプの組み合わせを含むポリマーが含まれる。
【0032】付加ポリマーは、例えば、アリル化合物、
ビニルエーテル、ビニル複素環式化合物、スチレン、オ
レフィン、及びハロゲン化オレフィン、不飽和酸及びそ
れらから誘導されるエステル、不飽和ニトリル、ビニル
アルコール、アクリルアミド及びメタクリルアミド、ビ
ニルケトンを含めたビニル型モノマー、多官能性モノマ
ー、又はこれらのモノマーの種々の組み合わせから形成
されるコポリマーの重合から製造されるポリマーであ
る。
【0033】そのようなラテックスポリマーを、周知の
フリーラジカル乳化重合法を用いて水性媒体中で調製す
ることができ、上述のモノマーの1種から作製されるホ
モポリマー又は上述の2種以上から作製されるコポリマ
ーからなる。水不溶性ホモポリマーを形成するモノマー
を含むポリマーが好ましく、そのようなモノマーのコポ
リマーも同様に好ましい。ポリマー組成物全体がラテッ
クスを形成するのに十分に水不溶性である場合、好まし
いポリマーは、水溶性ホモポリマーを生成するモノマー
も含むことができる。付加タイプポリマーに好適なモノ
マーの一覧は、米国特許第5,594,047号に記載されてお
り、引用することにより本明細書の内容とする。
【0034】乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、及
び重合の分野で公知の他の重合法によって、コのポリマ
ーを調製することができる。随意選択的に、本発明に従
うコーティング組成物中のラテックス粒子は、調製時に
この水分散性ポリマーを架橋するのに好適な架橋剤も含
むことができる。オーバーコートに用いられる水分散性
粒子の選定は、耐水性に加えて保護オーバーコートとし
て有することが望まし材料特性を基準とする。
【0035】好ましいラテックスポリマーは、例えば、
アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル、例え
ば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブ
チルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアク
リレート、ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリ
レート、ラウリルメタクリルレート、2−エチルヘキシ
ルメタクリレート、ノニルアクリレート、ベンジルメタ
クリレート、同じ酸のヒドロキシアルキルエステル、例
えば、2−ヒドロキシメチルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート、及び2−ヒドロキシプロピ
ルメタクリレート、同じ酸のニトリル及びアミド、例え
ば、アクリルニトリル、メタクリルニトリル、及びメタ
クリルアミド、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化
ビニリデン、塩化ビニル、並びにビニル芳香族化合物、
例えば、スチレン、t−ブチルスチレン及びビニルトル
エン、ジアルキルマレエート、ジアルキルイタコネー
ト、ジアルキルメチレンマロネート、イソプレン、並び
にブタジエンを含めた1種もしくはそれ以上のエチレン
系不飽和モノマーを共重合することによって得られるポ
リマーである。カルボン酸基を有する好適なエチレン系
不飽和モノマーには、アクリル酸、メタクリル酸、エタ
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸を含むア
クリル酸モノマー、モノメチルイタコネート、モノエチ
ルイタコネート、及びモノブチルイタコネートを含むモ
ノアルキルイタコネート、モノメチルマレエート、モノ
エチルマレエート、及びモノブチルマレエートを含むモ
ノアルキルマレエート、シトラコン酸、並びにスチレン
カルボン酸が含まれる。好適なポリエチレン系不飽和モ
ノマーには、ブタジエン、イソプレン、アリルメタクリ
レート、アルキルジオールのジアクリレート、例えば、
ブタンジオールジアクリレート及びヘキサンジオールジ
アクリレート、ジビニルベンゼン等が含まれる。
【0036】ラテックスを形成するために、ラテックス
モノマー溶液を、乳化重合又は溶液重合技法を含めた当
該技術分野で周知の技法を用いて水に分散することがで
きる。乳化重合が好ましい。乳化重合は当該技術分野で
は周知であって、例えば、C.E. Schildknecht及びI. Sk
eist編 "Polymerization Processes" 6章の,J. L.Gard
onの、"Emulsion Polymerization",(Wiley and Sons,
Inc. 発行、NewYork, 1977)に記載されている。使用で
きる化学開始剤の例には、熱分解性開始剤、例えば、過
硫酸塩(例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウ
ム、過硫酸ナトリウム)、過酸化水素、4,4'−アゾビ
ス(4−シアノバレリアン酸)、及びレドックス開始
剤、例えば、過酸化水素−鉄(II)塩、過硫酸カリウム
−硫酸水素ナトリウム、過硫酸カリウム−メタ重亜硫酸
ナトリウム、過硫酸カリウム−亜硫酸水素ナトリウム、
セリウム塩−アルコール、等が含まれる。
【0037】乳化重合に用いることができる乳化剤に
は、石鹸、スルホネート(例えば、N−メチル−N−オレ
オイルタウリン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホ
ネートナトリウム、α−オレフィンスルホネート、ジフ
ェニルオキシドジスルホネート、ナフタレンスルホネー
ト、スルホスクシネート及びスルホスクシナメート、ポ
リエーテルスルホネート、アルキルポリエーテルスルホ
ネート、アルキルアリールポリエステルスルホネート、
等)、スルフェート(例えば、ドデシル硫酸ナトリウ
ム)、ホスフェート(例えば、ノニルフェノールエトキ
シレートホスフェート、直鎖アルコールアルコキシレー
トホスフェート、アルキルフェノールエトキシレートホ
スフェート、フェノールエトキシレート)、カチオン性
化合物(例えば、セチルトリメチルアンモニウムブロミ
ド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、
等)、両性化合物及び高分子量保護コロイド(例えば、
ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ゼラチン、
等)が含まれる。乳化剤の具体例及び作用は、例えば、
C. E. Schildknecht及びI. Skeist編 "Polymerization
Processes" 6章の,J. L. Gardonの、"Emulsion Polyme
rization",(Wiley and Sons, Inc. 発行、NewYork, 19
77)及びそこに引用されている文献に記載されている。
当該技術分野で公知の通常の連鎖移動剤又はそれらの混
合物、例えば、アルキルメルカプタンを用いてポリマー
分子量をコントロールすることができる。
【0038】上述したように、必要ならば、例えば、ポ
リマー材料中の酸基のような官能基を架橋するために好
適な架橋剤を加えて、ラテックスを硬化性とすることが
できる。そのような添加剤は、下にある基体とオーバー
コートとの接着性も改善すると同時に、オーバーコート
の結合力にも寄与する。エポキシ化合物、多官能性アジ
リジン類、メトキシアルキルメラミン類、トリアジン
類、ポリイソシアネート類、カルボジイミド類、多価金
属カチオン類等の架橋剤が全て考えられる。
【0039】本発明に従うと、写真要素等の画像が形成
された要素に上述の組成物を有する保護オーバーコート
が提供される。写真プリントの場合は、この保護オーバ
ーコートを現像後に適用することができ、インクジェッ
トプリントの場合は印刷後に適用することができる。米
国特許第5,984,539号明細書(引用することによりその
内容を本発明の内容とする)に記載されているいずれの
方法によっても、画像形成された要素上への保護オーバ
ーコートの適用、乾燥、そして硬化を達成することがで
きる。適用、乾燥、及び硬化の好ましい方法は、上述の
特許明細書の図16Aに示されている。記載したよう
に、画像形成された要素上の保護オーバーコートの特性
は、化学線によってこのオーバーコートの光重合性成分
系を架橋することによって増強される。
【0040】1つの態様では、本発明の写真要素は、
(a)支持体、(b)前記支持体の一方の側に配置され
た少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層、及び(c)前
記銀乳剤層の上に位置する、平均粒径10〜250nm
を有する粒子形態の乾燥レイダウン0.45〜6.0g
/m2(約45〜600mg/ft2)の水分散性ラテッ
クス粒子、並びにモノマーの少なくとも1種が2以上の重
合性エチレン系不飽和を有する多官能性モノマーである
共重合性相溶性モノマーを疎水性ポリマーに対して20
〜300質量%含む光重合性成分系を含むオーバーコー
ト調合物から形成される乾燥レイダウンが少なくとも
0.54g/m2(50mg/ft2)を有する保護オー
バーコートを含んでなり、前記ラテックス粒子及び光重
合性成分系を含むコートされた組成物のTgが、架橋前
に−60〜60℃、好ましくは、−20〜30℃であ
る。
【0041】この保護オーバーコートはクリア(即ち、
透明)であるのがよく、好ましくは無色である。しか
し、構成及びこのオーバーコートを通して見る画像に悪
影響を与えない限り、ポリマーオーバーコートが、色補
正の目的又は特定の効果のために色を有することができ
る。従って、ポリマー中に色又は色味を与える色素を導
入することができる。さらに、オーバーコートに種々の
所望の特性を提供する添加剤をポリマー中に導入するこ
ともできる。例えば、UV吸収剤をポリマー中に導入
し、このオーバーコートをUV吸収性にして画像をUV
誘発の退色から保護してもよい。特定の層の機能に依存
して、界面活性剤、乳化剤、塗布助剤、滑剤、艶消し粒
子、レオロジー改良剤、架橋剤、カブリ防止剤、無機フ
ィラー(導電性及び不導電性金属酸化物粒子)、顔料、
磁気粒子、殺生剤等の他の化合物を、コーティング組成
物に添加してもよい。また、コーティング組成物は、少
量の有機溶媒(有機溶媒の濃度はコーティング組成物の
質量に対して1%未満が好ましい)を含んでもよい。本
発明は所望のポリマー材料のコーティングに揮発性有機
溶液を除外しないし、ポリマーの溶融物を除外しない。
【0042】塗布助剤の例には、界面活性剤、粘性改良
剤等が含まれる。界面活性剤にはコーティング調合物の
表面張力を十分に低下させて、端部の引っ込み、撥水
性、及び他のコーティング欠陥を防止するいずれの界面
活性材料も含まれる。これらにはアルキルオキシ−もし
くはアルキルフェノキシポリエーテル、又はポリグリシ
ドール誘導体及びその硫酸塩(例えば、Olin Matheson
Corporation製のノニルフェノキシポリグリシドール、
又はオクチルフェノキシポリエチレンオキシド硫酸ナト
リウム)、有機硫酸塩又は有機スルホン酸塩(例えば、
ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウ
ム、ビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリ
ウム(Aerosol(商標) OT))、並びにアルキルカルボ
ン酸塩(例えば、デカン酸ナトリウム)が含まれる。
【0043】当該技術分野で周知の艶消し粒子も本発明
のコーティング組成物に用いることができ、そのような
艶消し粒子は、リサーチディスクロージャー(Research
Disclosure)、No. 308119、1989年12月発行、1008-10
09 頁に記載されている。ポリマー艶消し粒子を用いる
場合、それらは、コートされた層に対する艶消し粒子の
接着性の改善を促進するために、分子間架橋もしくは架
橋剤との反応により、バインダーポリマーと共有結合を
作ることができる反応性官能基を含有することができ
る。好適な反応性官能基には、ヒドロキシル、カルボキ
シル、カルボジイミド、エポキシド、アジリジン、ビニ
ルスルホン、スルフィン酸、活性メチレン、アミノ、ア
ミド、アリル、等が含まれる。
【0044】本発明に従う写真要素のすべり摩擦を低下
させるために、水分散性ポリマーはフッ素化もしくはシ
ロキサン系成分を含有してもよく、そして/又はコーテ
ィング組成物は滑剤もしくは滑剤の組み合わせを含んで
もよい。典型的な滑剤には: (1)例えば、米国特許第3,489,567号、同3,080,317
号、同3,042,522号、同4,004,927号、及び同4,047,958
号並びに英国特許第955,061号及び同1,143,118号明細書
に開示されているシリコーン系材料;
【0045】(2)米国特許第2,454,043号、同2,732,3
05号、同2,976,148号、同3,206,311号、同3,933,516
号、同2,588,765号、同3,121,060号、同3,502,473号、
同3,042,222号及び同4,427,964号、英国特許第1,263,72
2号、同1,198,387号、同1,430,997号、同1,466,304号、
同1,320,757号、同1,320,565号及び同1,320,756号、並
びにドイツ国特許第1,284,295及び同1,284,294号明細書
に開示されている高級脂肪酸及びそれらの誘導体、高級
アルコール及びそれらの誘導体、高級脂肪酸の金属塩
類、高級脂肪酸エステル類、高級脂肪酸アミド類、高級
脂肪酸の多価アルコールエステル類等;
【0046】(3)液体パラフィン、並びに例えば、カ
ルナバ蝋、天然及び合成ワックス、石油蝋、ミネラルワ
ックス、シリコーン−ワックスコポリマー等のパラフィ
ン又はワックス状物質; (4)ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロ
クロロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフル
オロクロロエチレン−コ−ビニルクロリド、パーフルオ
ロアルキル側鎖基をもつポリ(メタ)アクリレートもし
くはポリ(メタ)アクリルアミド類等を包含する、パー
フルオロ−もしくはフルオロ−又はフルオロクロロ含有
物質が含まれる。本発明に有用な滑剤は、リサーチディ
スクロージャー、No. 308119 、1989年12月発行、1006
頁にさらに詳しく記載されている。
【0047】本発明に用いる支持体材料は、種々のポリ
マーフィルム、紙、ガラス等を含むことができる。支持
体の厚みは特に重要ではない。0.05〜0.38mm
(2〜15ミル)の厚みの支持体を用いることができ
る。二軸延伸支持体積層物を本発明に用いることができ
る。これらの支持体は、米国特許第5,853,965号、同5,8
66,282号、同5,874,205号、同5,888,643号、同5,888,68
1号、同5,888,683号、及び同5,888,714号明細書に開示
されている(引用することにより、本明細書の内容とす
る)。これらの支持体は紙ベース及びこの紙ベースの片
面又は両面に積層された二軸延伸ポリオレフィンシート
(典型的にポリプロピレン)を含む。少なくとも1層の
感光性ハロゲン化銀層が二軸延伸ポリオレフィンシート
に塗布される。
【0048】本発明の画像形成要素のコーティング組成
物を、多くの周知の技法、例えば、ディップコーティン
グ、ロッドコーティング、ブレードコーティング、エア
ナイフコーティング、グラビアコーティング及びリバー
スロールコーティング、押出コーティング、スライドコ
ーティング、カーテンコーティング等のいずれによって
も塗布することができる。コーティング後、この層を、
通常、単なる蒸発作用(対流加熱等の公知の技法によっ
て促進してもよい)によって乾燥する。公知のコーティ
ング及び乾燥方法は、リサーチディスクロージャー、N
o. 308119 、1989年12月発行、1007-1008 頁に詳細に記
載されている。好ましくは、市販の態様は同時共押し出
しを必要とする
【0049】写真要素は、導電性層を有することがで
き、特定の写真要素の要件に従って種々の構成で多層写
真要素に導入される。好ましくは、導電性層を、画像形
成層(複数でもよい)とは反対側の支持体上で、磁気記
録層の下に位置する下引き層又はつなぎ層として提供す
る。しかし、オーバーコーティング後に導電性層の抵抗
が増加するのを最小限にするために、透明磁気記録層以
外の層(例えば、耐摩耗性バッキング層、カールコント
ロール層、ペロイド等)で、導電性層をオーバーコート
することができる。さらに、追加の導電性層を、画像形
成層(複数でもよい)と同じ支持体面上、又は支持体の
両面上に与えることもできる。随意選択の導電性下引き
層を、ハレーション防止色素又は顔料を含有するゼラチ
ン下引き層の上又は下に適用することができる。
【0050】あるいは、ハレーション防止と帯電防止の
両方の機能を導電性粒子、ハレーション防止色素、及び
バインダーを含有する一つの層に併せることができる。
そのようなハイブリッド層は、一般的に、増感乳剤層と
同じ支持体側にコートされる。同様に、追加の随意選択
的な層も存在することができる。画像形成要素の最外層
として、例えば、画像形成層の上の保護層として追加の
導電性層を用いることができる。導電性層を増感された
乳剤層の上に適用する場合、バリア又は接着促進層等の
中間層を導電性オーバーコート層と画像形成層(複数で
もよい)の間に適用する必要はないが、随意選択的に存
在してもよい。他の添加物、例えば、寸法安定性を改善
するポリマーラチス、硬膜剤又は架橋剤、界面活性剤、
艶消し剤、滑剤等の他の添加物、及び種々の他の周知の
添加物が、上述のいずれかの層又は全ての層に存在して
もよい。
【0051】透明磁気記録層の下に位置する導電性層
は、典型的に、1×1010Ω/□未満、好ましくは1×
109Ω/□未満、より好ましくは1×108Ω/□未満
の内部抵抗率を示す。
【0052】本発明の画像形成された写真要素は、構造
と組成が大きく異なる写真要素となることができる。例
えば、この写真要素は、支持体の種類、画像形成層の数
と組成、並びに要素に含まれる補助層の数と種類に関し
て大きく変わる。特に、写真要素は、フィルム、映画用
フィルム、X線フィルム、グラフィックアーツフィル
ム、ペーパープリント又はマイクロフィッシュとなるこ
とができる。リサーチディスクロージャー、アイテム36
230(1994年6月)に記載されているように、本発明の導
電性層を小フォーマットフィルムに使用することが特に
考えられる。写真要素は簡単な黒白もしくはモノクロ要
素又はネガ−ポジプロセスもしくはリバーサルプロセス
の使用に適合する多層及び/もしくは多色要素となるこ
とができる。一般的に、写真要素は、フィルム支持体の
一方の側を、ゼラチン水溶液中のハロゲン化銀結晶の分
散物を含む1層以上の層、及び必要に応じて1層以上の
下引き層をコートすることによって調製される。コーテ
ィングプロセスは、1つの層もしくは複数の層を支持体
に適用する連続運転塗工機で実施することができる。多
色要素の場合、米国特許第2,761,791号及び同3,508,947
号明細書に記載されるように複合フィルム支持体上に同
時にコートすることができる。追加の有用なコーティン
グ操作及び乾燥操作はリサーチディスクロージャー、17
6巻、アイテム17643(1978年12月)に記載されている。
ペーパープリントに起きる場合がある頻繁な取り扱いの
ために、ペーパープリントは本発明の用途に好ましい画
像形成された写真要素である。
【0053】本発明に従って、画像形成された写真要素
にオーバーコートを適用する主たる目的は、この要素を
物理的な損傷から保護することであるが、オーバーコー
トを適用すると、画像が褪色又は黄変するのを防止する
こともできる。このことは酸素の作用のために褪色又は
黄変する傾向がある画像を含んだ要素に関しては本当で
ある。例えば、ピラゾロン及びピラゾロアゾールカプラ
ー由来の色素の褪色は、少なくとも一部は、酸素の存在
によって起きることが分かっているので、要素中への酸
素の通過に対するバリアとして作用するオーバーコート
を適用するとそのような褪色が減少する。
【0054】保護される画像が形成される写真要素は、
リサーチディスクロージャー37038及び38957に示される
構造と成分を有することができる。本発明に有用な他の
構造は、米国特許出願第09/299,395号明細書(1999年4月
26日出願)及び米国特許出願第09/299,548号明細書(199
9年4月26日出願)(引用することにより本明細書の内容
とする)に開示されている。具体的な写真要素はリサー
チディスクロージャー、37038の96-98頁に「カラーペー
パー要素1及び2」として示されているものとなること
ができる。典型的な多色写真要素は、少なくとも1種の
シアン色素生成カプラーを関連して有する少なくとも一
つの赤感性ハロゲン化銀乳剤層を含むシアン色素生成ユ
ニット、少なくとも1種のマゼンタ色素生成カプラーを
関連して有する少なくとも一つの緑感性ハロゲン化銀乳
剤層を含むマゼンタ色素生成ユニット、及び少なくとも
1種のイエロー色素生成カプラーを関連して有する少な
くとも一つの青感性ハロゲン化銀乳剤層を含むイエロー
色素生成ユニットを載せた支持体を含んでなる。
【0055】写真要素は追加の層、例えば、フィルター
層、中間層、オーバーコート層、下引き層、等を有する
ことができる。これらの全部を透過型(例えば、フィル
ム支持体)又は反射型(例えば、紙支持体)となること
ができる支持体上にコートすることができる。本発明の
写真要素は、また、リサーチディスクロージャー、アイ
テム34390、1992年11月、に記載されているような磁気
記録材料、又は米国特許第4,279,945号及び同4,302,523
号明細書に記載されているような透明支持体の裏面にあ
る磁性粒子を含有する層のような透明磁気記録層も含む
ことができる。
【0056】好適なハロゲン化銀乳剤及びその調製、並
びに化学増感及び分光増感の方法は、リサーチディスク
ロージャー、37308及び38957のセクションI〜Vに記載
されている。その他のものは米国特許出願第09/299,395
号明細書(1999年4月26日出願)及び米国特許出願第09/29
9,548号明細書(1999年4月26日出願)(引用することに
より本明細書の内容とする)に開示されている。カラー
材料及び現像改良剤は、リサーチディスクロージャー、
37308及び38957のセクションV〜XXに記載されてい
る。ベヒクルはリサーチディスクロージャー、37308及
び38957のセクションIIに記載されており、蛍光増白
剤、カブリ防止剤、安定化剤、光吸収及び散乱物質、硬
膜剤、塗布助剤、可塑剤、滑剤及び艶消し剤等の種々の
添加物は、リサーチディスクロージャー、37308及び389
57のセクションVI〜X及びXI〜XIVに記載されて
いる。処理方法及び処理剤はリサーチディスクロージャ
ー、37308及び38957のセクションXIX及びXXに記載
されており、露光方法はリサーチディスクロージャー、
37308及び38957のセクションXVIに記載されている。
【0057】写真要素は典型的に乳剤の形態でハロゲン
化銀を提供する。一般的に写真用乳剤は、写真要素の層
として乳剤をコーティングするためのベヒクルを含む。
有用なベヒクルには、プロテイン、プロテイン誘導体、
セルロース誘導体(例えば、セルロースエステル)、ゼ
ラチン(例えば、牛骨又は皮ゼラチン等のアルカリ処理
ゼラチン、又は豚皮ゼラチン等の酸処理ゼラチン)の天
然物質、ゼラチン誘導体(例えば、アセチル化ゼラチ
ン、フタル化ゼラチン等)の両方が含まれる。また、ベ
ヒクル又はベヒクル増量剤として有用なものは、親水性
水浸透性コロイドである。これらには合成ポリマー解こ
う剤、キャリア、及び/又はバインダー、例えば、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルラクタム、アクリルアミ
ドポリマー、ポリビニルアセタール、アルキル並びにス
ルホアルキルアクリレート及びメタクリレートのポリマ
ー、加水分解ポリビニルアセタール、ポリアミド、ポリ
ビニルピリジン、メタクリルアミドコポリマー、等が含
まれる。
【0058】写真要素を種々の技法で像様露光すること
ができる。一般的な露光はスペクトルの可視領域の光に
対してであり、典型的には、レンズを通したライブ画像
からなる。また露光は発光装置(LED、CRT等)に
よって、保存画像(例えば、コンピュータ記憶画像)に
対することもできる。
【0059】写真要素の画像は例えば、T. H. James の
The Theory of the PhotographicProcess 第4版、197
7 (Macmillan Publishing Co. New York)に記載されて
いるような多くの周知の処理組成物を用いて多くの周知
の写真現像処理で現像することができる。カラーネガ要
素の現像処理では、この要素を発色現像液(カラーカプ
ラーを用いて着色像を形成できるもの)で処理し、そし
て酸化剤と溶剤で処理して銀及びハロゲン化銀を除去す
る。カラーリバーサル要素の現像処理では、この要素を
最初に黒白現像液(カプラー化合物を用いて着色色素を
形成しない現像液)で処理し、次に、未露光ハロゲン化
銀を現像可能にする処理(通常、化学カブリ又は光カブ
リ)を続け、次いで発色現像液で処理する。現像後、銀
又はハロゲン化銀を除去する漂白定着、洗浄及び乾燥が
続く。
【0060】本発明の組成物を用いる方法の1つの態様
では、支持体上に配置されたハロゲン化銀乳剤の上に位
置する上述のコーティング組成物を有する保護オーバー
コートを写真要素に提供することができる。像様露光の
後、写真要素を7を超える、好ましくは8を超える、よ
り好ましくは9を超えるpHのアルカリ性現像液で現像
する。保護オーバーコートを現像後に適用することがで
きる。米国特許第5,984,539号明細書(引用することに
よりその内容を本発明の内容とする)に記載されている
いずれの方法によっても、画像形成された要素上への保
護オーバーコートの適用、乾燥、そして硬化を達成する
ことができる。適用、乾燥、及び硬化の好ましい方法
は、上述の特許明細書の図16Aに示されている。
【0061】本発明に従うオーバーコートは、水系こぼ
れ、指紋、退色及び黄変に対する優れた耐性を含む優れ
た物性のために、写真プリントに関する用途に特に有利
であり、またスクラッチ、摩耗、ブロッキング及びフェ
ロタイピングに対する耐性を提供する場合に必要な優れ
た透明性と靭性を提供する。
【0062】本発明は、例えば、画像がデジタルスチル
カメラで作られる画素ベースの画像に由来する画像形成
された記録要素にも適用する。画像を、例えばインクジ
ェット印刷又は電子写真プリントを用いて生成されるよ
うな、1層以上の記録層に形成することができる。イン
クジェット印刷技法は、Journal of Imaging Sciencean
d Technology, 42巻, No. 1 (1998年1/2月),49-61頁
で、Hue P. Leによる文献名、"Progress and Trends in
Ink-Jet Printing Technology"に記載されている。
【0063】要するに、インク液滴(一般的に、1〜1
00ピコリットルの容量範囲)をプリントヘッドから画
像が形成される受容体材料に噴射する。インクジェット
プリントヘッドは、コンティニュアスタイプ又はドロッ
プオンデマンドタイプとなることができる。液滴噴射の
いくつかの物理的なメカニズムは公知であるが、これら
の中で、現行、最もポピュラーなものはサーマルタイプ
と圧電タイプである。
【0064】サーマルメカニズムでは、プリントヘッド
内のインクは、加熱されて1つ以上のインク液滴をプリ
ントヘッドから受容体に噴射する水蒸気気泡を形成す
る。代表的なサーマルインクジェットプリントヘッド
は、例えば、米国特許第4,723,129号(Endo等(Cano
n))及び同第4,490,728号(Vaught等(Hewlett Packar
d))に記載されている。圧電メカニズムでは、1つ以
上の液滴は、プリントヘッド構造の一部を構成する圧電
材料にわたる電圧変化に付随する物理変形によってプリ
ントヘッドから噴射される。代表的な圧電プリントヘッ
ドは、例えば、米国特許第4,459,601号(Howkins (Exx
on))及び同第5,563,634号(Masahiro等(SeikoEpso
n))に記載されている。
【0065】インクジェットインクのキャリアは、単に
水となることができ、もしくは水溶性溶剤(例えば、多
価アルコール)と混合した主として水となることがで
き、多価アルコールのような有機材料が主となることも
できる。そのような組成物に用いられる色素は、一般的
に水溶性の直接タイプもしくは酸タイプ色素である。そ
のような液体インク組成物は、例えば、米国特許第4,78
1,758号明細書を含む多くの先行技術文献に記載されて
いる。
【0066】水及び1種以上の着色剤(例えば、色素又
は顔料)に追加して、水性インクは一般的に、1種以上
の湿潤剤(インクの粘性及び揮発性に影響する)、1種
以上の界面活性剤(インクの濡れ及び浸透性に影響す
る)、及び殺生剤(インクの有用な寿命を延ばす)を含
有する。水性インクは金属イオン封鎖剤、pH緩衝剤、
消泡剤、及び分散剤を含めた多くの他の成分も含有する
ことができる。各色毎に1種以上のインク濃度を用いる
ことによって画像の調子スケール又はビットデプス(bi
t depth)を改良することは周知である。代表的なイン
クジェットインクは、例えば、米国特許第5,571,850号
(Ma等(DuPont))、同第5,560,770号(Yatake(Seiko
Epson))及び同第5,738,716号(Santilli等(Eastman
Kodak)に記載されている。
【0067】インクジェット媒体又は受容体は、反射、
透明、又は中間透明度(例えば、昼用/夜用ディスプレ
ー材料)のものとなることができる。少なくとも、イン
クジェット受容体は支持体とインク受容層を含む。最も
簡単なインクジェット受容体は、これら二つの機能が組
み合わさった普通紙である。実際問題としては、画質と
物性を改善するためにはより複雑な受容体構造が必要と
される。紙又は他の支持体上に塗布された特別に処方さ
れたインク受容層は色濃度及びドット解像度を改善す
る。受容体組成物及び構造を変えて、濡れ性、インク吸
収性、乾燥時間、光沢、画像アーティファクト(image
artifact)の減少、耐水性、並びに光及び暗安定性等の
特性を改良することができる。代表的なインクジェット
受容体構造及び組成物は、例えば、米国特許第4,954,39
5号(Hasegawa等(Canon))、米国特許第5,725,961号
(Ozawa等(Seiko Epson))及び米国特許第5,605,750
号(Romano等(Eastman Kodak))各明細書に記載され
ている。
【0068】典型的な記録要素における本発明の用途を
さらに詳細に記載する。記録要素において、例えば、普
通紙又は光沢紙、保護ポリオレフィン層でコートされた
紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレ
フタレート、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリカーボ
ネート、又は酢酸エステル等のポリマーフィルム等の任
意の支持体又は基体を記録要素に用いることができる。
【0069】支持体は約50〜約800μm、好ましく
は約75〜500μmの厚みが好適である。従って、1
9ページ(元のドラフト)では、この範囲は50〜80
0μm、好ましくは75〜500μmであるのがよい。
酸化防止剤、帯電防止剤、可塑剤、色素、顔料、及び他
の公知の添加物を必要ならば支持体に導入することがで
きる。
【0070】支持体に対する画像記録層の接着性を高め
るために、画像記録層を適用する前に支持体の表面を必
要に応じてコロナ放電処理してもよい。
【0071】随意選択的に、記録要素のマシンハンドリ
ング及びカールを改善するため、また摩擦及びその抵抗
率をコントロールするために、支持体の裏面(即ち、画
像記録層がコートされている側とは反対側)に、追加の
バッキング層又はコーティングを適用してもよい。
【0072】一般的に、このバッキング層はバインダー
及びフィラーを含んでなることができる。典型的なフィ
ラーには、非晶質及び結晶質シリカ、ポリメチルメタク
リレート、中空の球体ポリスチレンビーズ、微結晶質セ
ルロース、酸化亜鉛、タルク等が含まれる。バッキング
層へのフィラーの充填は、一般的に、バインダー成分の
5質量%未満であり、フィラー材料の平均粒径は5〜3
0μmの範囲である。
【0073】バッキング層に用いる典型的なバインダー
は、アクリレート、メタクリレート、ポリスチレン、ア
クリルアミド、ポリ塩化ビニル−ポリ酢酸ビニルコポリ
マー、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体等であ
る。追加して、帯電防止剤をバンキング層に含ませて、
記録要素の静電気障害を保護してもよい。特に好適な帯
電防止剤は、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム塩、オクチルスルホン酸カリウム塩、オリゴスチ
レンスルホン酸ナトリウム塩、ラウリルスルホコハク酸
ナトリウム塩等の化合物である。バインダー組成物に帯
電防止剤を当該バインダーの質量に対して0.1〜15
質量%で添加することができる。画像記録層を必要なら
ば裏面上にコートすることもできる。
【0074】好ましくは、記録要素の支持体を、インク
中のキャリア及び/又は色素を吸収できる材料からなる
画像形成層(複数可)でコートする。当該層の厚みは、
一般的に、5〜50μmである。この材料には、ゼラチ
ン、アルブミン、ガー(guar)、キサンタム(xantha
m)、アラビアゴム、キトサン、デンプン及びそれらの
誘導体等の天然親水性コロイド及びゴム;官能化プロテ
イン、官能化ゴム及びデンプン、並びにセルロースエー
テル及びその誘導体;並びにポリビニルオキサゾリン及
びポリビニルメチルオキサゾリン、ポリオキシ度、ポリ
エーテル、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、ポリ
メタクリル酸、n−ビニルアミド(ポリアクリルアミド
及びポリビニルピロリドンを含む)、並びにポリビニル
アルコール、その誘導体及びコポリマーを含むことがで
きる。
【0075】ポリビニルアルコール及びその誘導体がイ
ンク受容コーティングの用途に好ましい親水性吸収材料
である。また、この層は多孔質材料を含んでもよい。好
ましい多孔質材料は、シリカ、アルミナ、ケイ酸、ベー
マイト、マイカ、モンモリロナイト、カオリン、タル
ク、バーミキュライト、ゼロライト、カルシウム、シリ
ケート、酸化チタン、硫酸バリウム等であり、必要に応
じて、ポリマーバインダーと組み合わさる。例えば、米
国特許第5,605,750号明細書を参照されたい(引用するこ
とにより本明細書の内容とする)。例えば、米国特許第
5,032,450号、同第5,035,886号、同第5,071,645号及び
同第5,114,438号に記載されているものを含む多くの公
知の微小多孔質材料を用いることができる。
【0076】より高品質のインクジェット媒体の場合、
キャリア吸収層の上に別個の上部画像形成層を形成して
もよい。それによって、インクが独立小滴の形態でイン
クジェットプリンタから噴射されると、この液滴はこの
上部層を通過し、そこでインクの色素又は顔料の大部分
が保持もしくは媒染され、同時にインクの残りの色素/
顔料及びキャリア部分はこの上部層を自由に通ってキャ
リア吸収層まで通過し、そこで例えば、親水性ポリマー
及び/又は微小多孔性材料によって急速に吸収される。
この様式では、大量のインクが記録要素によって急速に
吸収され、優れた光学濃度及び良好な色域を有する高品
位記録画像を生成する。
【0077】記録要素の画像記録層は、種々の公知の添
加物を導入することができ、それらには、記録要素の非
ブロッキング特性及びその耐汚染性に寄与するための、
艶消し剤、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、
及びポリマービーズ(例えば、ポリスチレンビーズ);
インク吸収性樹脂もしくは層のエージング挙動を改善す
るため、それに連続適用されるインクの吸収促進及び乾
燥のため、インク受容層の表面均一性を高めるため、そ
して乾燥コーティングの表面張力を調節するための、界
面活性剤;蛍光色素;pHコントロール剤;消泡剤;滑
剤;防腐剤;色素定着剤;粘性改良剤;防水剤;分散
剤;UV吸収剤;媒染剤等を含む。
【0078】必要ならば、本発明のコーティングに追加
して、記録要素にさらに、インク浸透性のアンチタック
インク受容コーティング、例えば、親水性セルロース誘
導体(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カル
ボキシメチルセルロースカルシウム、メチルエチルセル
ロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチル
セルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カル
ボキシメチルヒドロキシセルロースナトリム、カルボキ
シメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロースアセテートスクシネート、ヒドロキシプロピルセ
ルロースアセテート、ヒドロキシエチルセルロース及び
ジアリルジメチル塩化アンモニウムのエステル、ヒドロ
キシエチルセルロース及び2−ヒドロキシプロピルトリ
メチル塩化アンモニウムのエステル並びにヒドロキシエ
チルセルロース及びラウリルジメチルアンモニウム置換
されたエポキシドのエステル、並びにアルキルC12〜
C14鎖でグラフト化されたヒドロキシエチルセルロー
スでコートすることができる。
【0079】
【実施例】本発明を次の例によってさらに具体的に説明
する。特に断らないかぎり、分子量は質量平均分子量で
あり、サイズ排除クロマトグラフィで測定される。
【0080】オーバーコートの性能評価 硬化の程度の試験 コーティングは最初は液体であるので、液体から高架橋
された耐久固体への透過を観察することによって、硬化
度合いを定性的に確定することができた。硬化の中間段
階は、木製ドエルの質量以外は付加をかけないで用いる
木製ドエル(半径約0.5mm)でサンプルをこするこ
とによって行う簡単なスクラッチ試験における、スクラ
ッチ耐性の種々の程度に対応した。スクラッチした後の
状況を目で観察し、次の方式でランク付けした。
【0081】A:サンプルは完全に硬化し、何の痕跡も
示さなかった。 B:サンプルは固体であるが、この試験の条件下で僅か
に痕跡が見られた。 C:サンプルは固体であるが、大きく損傷し、容易に痕
跡が観察された。 D:サンプルは半固体又は粘着性であり、コーティング
は大きく損傷するか取れてた。 NC:硬化していない。サンプルは液体であった。 等級Aが最も望ましく、Bは容認できる。他の等級は受
け入れられない。
【0082】耐水性のテスト ポンソーレッド(Ponceau Red)色素は、イオン相互作
用によってゼラチンを汚染するとして知られている。水
に酢酸0.5質量%の混合物1000gに色素1.0g
を溶解して、ポンソーレッド色素溶液を調製した。コー
トして硬化させたサンプルの表面にこの色素溶液を1滴
置いた。10分後、清浄な綿布を使って過剰の色素溶液
を除いた。オーバーコートの性能を、コーティングが色
素によって汚染されている程度を、以下の方式に従って
目で見て等級付けして評価した。
【0083】 A:痕跡も赤汚染も無い。等級「A」が最も望ましい。 B:赤の線又は小斑点がいくつか見られる。 C:斑点の輪郭が見られる。 D:暗い赤斑点、保護無し。 等級Aが最も望ましく、Bは容認できる。C及びDは不
良であるか保護が無いことを示す。
【0084】拭き取り損傷のテスト オーバーコートの拭き取り時の損傷に対する耐性を、耐
水性について上述したように試験した領域を検査するこ
とによって評価した。特に、過剰の色素溶液を清浄な綿
布で拭き取る際に生じるスクラッチ損傷に注目し、以下
の方式に従って目で見て等級付けして評価した。
【0085】A:拭き取りの結果、スクラッチ損傷は見
られなかった。 B:中位の数とひどいスクラッチが観察された。 C:多数のスクラッチとひどいスクラッチが拭き取り後
に観察された。
【0086】耐指紋性のテスト 皮膚脂肪に似せるために設計された合成混合物、サーマ
ダーム(thermaderm)、を用いて、指紋による痕跡に対
するオーバーコートの耐性を評価した。この混合物を以
下の表Iの成分を使って調製した。
【0087】 [表I] 非水性相 量(g) コーン油 78.96 鉱油 25.26 グリセリン 52.64 ステアリルアルコール 15.79 オレイン酸 63.16 ソルビタンモノオレエート 21.05 セチルパルミテート 6.32 オレイルアルコール 6.32 ステアリン酸 31.58 Lexemul (商標)ステアリン酸グリセリル 47.36 (Inolex Chemical Co., Philadelphia, PA 19148) コレステロール 9.47 メチルパラベン 4.21 ブチルパラベン 3.16 ブチル化ヒドロキシトルエン 0.21 ブチル化ヒドロキシアニソール 0.21 ビタミンEアセテート 0.13 セチルアルコール 15.79 スクアレン 15.79
【0088】 水性相 量(g) Pegosperse(商標)1750 MS-K 界面活性剤 31.58 蒸留水 571.01
【0089】非水溶性成分を混合し、油浴を用いて均一
溶液になるまで温めた。界面活性剤、Pegosperse(Glyc
o Chemicals, Inc.製のエトキシル化脂肪酸)を溶解さ
せるために、水性相も温めた。激しく攪拌しながら、こ
の水性相を素早く非水性相に添加した。そして得られた
懸濁物を高剪断ミキサで約5分間部分的に乳化させた。
完全な乳化は高圧ホモジナイザーで処理することによっ
て達成した。調製後、この材料をしっかりと密封した容
器に保存し、凍結し、テストに必要な時に少量取り出し
た。
【0090】約1cm2の領域を小滴のサーマダームで
汚して、サーマダーム混合物を保護オーバーコートの表
面に適用した。このサンプルを室温条件で24時間放置
し、その後綿布でこのサンプルを拭いた。以下の方式に
よって各コーティングに等級をつけた。 A:痕跡もしくは指紋が見られなかった。 B:かすかに目で見える痕跡又は保護オーバーコートの
膨潤が見られた。 C:明確な指紋痕が見られ、拭き取り時にコーティング
が幾分損傷した。 D:保護オーバーコート層は非常に膨潤するか溶解して
おり、ふき取ることによって取り除かれた。 等級「A」が最も好ましく、等級「B」は容認でき、等
級「C」及び等級「D」は全く受け入れられない。
【0091】例1 2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン(HM
P)を用いる光開始剤充填ラテックス分散物(分散物D
I)の調製 2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン(Aldric
h)24.07g、SURF−1界面活性剤10%溶液
20.02g、脱イオン水116.01gの混合物を調
製した。この懸濁物を4分間超音波処理した。この溶液
にポリマーP1を40.0g加えた。ポリマーP1は、
ブチルアクリレート/2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸/2−アセトアセトキシエチルメタ
クリレート(90:4:6質量比)ラテックスポリマー
(ラテックス粒子の20%溶液)であった。この溶液を
磁石撹拌棒で4時間攪拌し、これを用いて以下に記載す
るコーティングの溶融物を調製した。
【0092】ベンゾインメチルエーテル(BME)を用
いる光開始剤充填ラテックス分散物(分散物D2)の調
BME(Aldrich Chem. Co.)12g、SURF−1界
面活性剤10%溶液15g、脱イオン水53gの混合物
を調製した。この懸濁物を4分間超音波処理した。この
溶液にポリマーP1を20g加えた。この溶液を磁石撹
拌棒で4時間攪拌し、これを用いて以下に記載するコー
ティングの溶融物を調製した。
【0093】ベンゾインイソブチルエーテル(BIB
E)を用いる光開始剤充填ラテックス分散物(分散物D
3)の調製 BIBE(Aldrich)32g、SURF−1界面活性剤
10%溶液40g、脱イオン水141gの混合物を調製
した。この懸濁物を6分間超音波処理した。この溶液に
ポリマーP1を53.5g加えた。この溶液を定温浴中
45℃で30分間放置した。その後、タイプIV写真用
ゼラチンの11.6%の温かい水溶液134gを加え、
磁石撹拌棒で一緒にした。この懸濁物を約1時間撹拌
し、一晩冷蔵庫で保存し、これを用いて以下に記載する
コーティングの溶融物を調製した。
【0094】ジウンデシルフタレートで安定化させたB
IBEの分散物(分散物D4)の調製 BIBE26.1g及びジウンデシルフタレート2.9
1gを、SURF−1界面活性剤10%溶液32.6
g、タイプIV写真用ゼラチンの11.6%141.2
g及び水124.2gを含んだ溶液に注いだ。この混合
物を十分に振盪し、その後コロイドミルに6回通した。
得られた懸濁物の顕微鏡検査は、1μm未満の粒径の粒
子を示した。この分散物を分散物D3と同様に保存し、
これを用いて以下に記載するコーティングの溶融物を調
製した。
【0095】塗工機でカラー写真ペーパー画像形成要素
(基体S1)を調製した。この構造を以下に示す:
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】
【表3】
【0099】
【表4】
【0100】特定量のゼラチン、脱イオン水、及びHM
P充填ラテックス分散物D1を混合して溶融物を調製し
た。以下の表IIに記載したように最終トップコート
(開始剤含有)組成物を生成するように量を選択した。
ゼラチン溶液を溶融し、磁石撹拌子とホットプレートを
使って撹拌した。化学硬膜剤溶液も調製した、それは所
望のコーティング組成物を生成するためにコーティング
の際にサンプル溶融物と混合することができた。化学硬
膜剤は、ビスビニルスルホニルメタン(BVSM)であ
った。
【0101】このゼラチン溶融物と硬膜剤溶液とを混合
し、押し出しホッパーを備えた試験塗工機を使って上述
のカラーペーパーラグ上にコートした。異なる量のゼラ
チン及び光開始剤を使って、3種類のトップコートを調
製した。例1のコーティングのコーティングレイダウン
を表IIに示す。コーティングC1は対照(光開始剤を
含まない)であり、コーティングC2は本発明のコーテ
ィングである。
【0102】
【表5】
【0103】保護オーバーコートの調製 イソプロパノールと脱イオン水との種々の混合物にペン
タエリトリトールテトラアクリレート(Aldrich)を溶
解することによって保護オーバーコート調合物を調製し
た。光硬化性調合物組成を表IIIに示す。褐色ガラス
容器を用いて、これらの溶液を室内光に対する曝露から
保護した。
【0104】
【表6】
【0105】例2 前に記載した調合物F1を約10.16平方(4インチ
平方)の基体C1、C2及びC3サンプル上に、Headwa
y Research(商標)スピンコーティング装置(回転速
度、3000回転/分及びスピンオフ時間30秒)を使
ってコートした。コートしたサンプルを、中圧水銀アー
ク灯を備えたFusion Systems(商標)UV硬化装置を使っ
て紫外光に露光して硬化させた。紫外光放射量を300
mJ/cm2に設定した。コーティング塗布と硬化との
間の時間を、0〜20分間の間で変えた。オーバーコー
トの評価結果を表IVに示す。
【0106】
【表7】
【0107】光架橋モノマーを光開始剤を含んでないコ
ーティング(C1)上にコートした場合、長時間放置し
た後であってもモノマーの硬化は得られなかった。反対
に、本発明のコーティング(C2及びC3、トップゼラ
チン層に光開始剤が導入されている)では、十分に放置
し、光開始剤が適用したオーバーコート内に拡散して、
化学線に曝露すると架橋を生じることができた。調合物
F1(コーティング内にゼラチンを膨潤させる水を含ま
ない)の拡散時間は、相対的に遅く、その結果20分後
でも硬化は部分的に完了しているだけであった。
【0108】第二の試験では、各調合物F1〜F3をコ
ーティングC1〜C3のそれぞれの上に適用した。20
分後、上述したようにこれらのサンプルを硬化させた。
硬化の程度、耐水(汚染)性、及び指紋耐性に関して、
オーバーコートを評価し、第二試験での各オーバーコー
トの評価結果を表Vに示す。
【0109】
【表8】
【0110】この試験では、調合物F2及びF3(両者
とも水を含有する)は、調合物F1よりも実質的の良好
な結果を与えた。適当な条件下で、水系汚染と指紋の両
方に優れた保護を備えた硬いコーティングを得ることが
できる。調合物F2(イソプロパノール対水の比が2:
1)が、ゼラチン膨潤と光開始剤の溶解度の最適な組み
合わせを提供することは明らかであり、その結果、HM
Pを2237mg/m 2(208mg/ft2)だけ有す
る基体上で良好な性能が得られた。しかし、この調合物
の性能は基体中にHMPをさらに高いレベルで用いるこ
とによって改善することができる。従って、C3とF2
の組み合わせも良好な性能を提供する。あるいは、より
高レベルの架橋性モノマーを用いることができる(調合
物F3)。それ故、この例は良好な保護オーバーコート
を得ることができる、コーティング組成物とオーバーコ
ート調合物の適度に広範な組み合わせが存在することを
示す。
【0111】例3 分散物D3(BME光開始剤)及びD4(BIBE光開
始剤)を用いる以外は、表IIと同じように、光開始剤
を含有するコーティング溶融物を調製した。これらの溶
融物を、例1に記載したように単層コーティング(コー
ティングレイダウンを表VIに示す)としてカラーペー
パー基体S1に適用することによって、コーティングC
4〜C12を調製した。前に記載しように、コーティン
グのゼラチン総量に対して1.8%w/wの量でBVSM
を硬膜剤として用いた。
【0112】
【表9】
【0113】コーティングC4〜C12の小サンプル
を、例1の調合物F2を使って、例2に記載したように
スピンコートした。このコーティング条件(1000rp
m)は溶媒蒸発後に約1.5μmのコーティング厚を提
供した。オーバーコートサンプルを紫外光放射量300
mJ/cm2に曝露して硬化させた。例2に記載したよ
うに、硬化の程度及び耐汚染性に関して、これらのコー
ティングを評価し、結果を表VIIに示す。
【0114】
【表10】
【0115】支持体中僅か194mg/m2(18mg
/ft2)の光開始剤であっても、BIBEの充填ラテ
ックス分散物(D4)又はゼラチン安定化水中油滴型分
散物(D3)を用いて、これらの条件下である程度の架
橋を得ることができる。開始剤のさらに高いレベルでは
全て、オーバーコート中の光重合性モノマーを完全時架
橋したコーティングを生じ、硬い、比較的水不浸透性の
保護層を生じた。
【0116】例4 別の一連の試験では、例3で用いたコーティングC4〜
C12のサンプルを、Kodak RA-4写真処理にかけた。そ
して、このコーティングをスピンコートし、前と同じよ
うに硬化させた。写真処理後の結果を表VIIIに示
す。
【0117】
【表11】
【0118】このコーティングの写真処理時に光開始剤
がいくらか除去され、その結果、低い方のコーティング
レベルでは、最適且つ有効なオーバーコートの架橋を提
供するには十分でなかった。しかし、いずれのタイプの
分散物に関しても、約431mg/m2(40mg/f
2)を超えるコーティングレベルでは、十分な光開始
剤が残っており、最適な、耐久性、実質的な水不浸透性
の保護層を与える。従って、この例は本発明が従来の写
真処理に適合することを実証する。
【0119】例5 調合物F4は水中5%のポリマーP2(ブチルメタクリ
レート/塩化ビニリデン/イタコン酸ラテックスポリマ
ー単独、質量比49:49:2)の懸濁物である。調合
物F5は、ペンタエリトリトールテトラアクリレート
(総固形分5%)25%を充填したP2の調合物であ
る。コーティングC4(対照)、C8、及びC12をKo
dak RA-4写真現像処理にかけ、そして、F5でスプレー
コートしてオーバーコートした。乾燥させたコーティン
グを約600mJ/cm2のUV輻射に曝露し、耐水性
と耐指紋性を試験した。結果を表IXに示す。
【0120】
【表12】
【0121】ラテックス単独でコートされた対照サンプ
ルは、このラテックスが連続フィルムを形成しなかった
ので耐水性が劣っている。テトラアクリレートを導入
は、フィルムを形成できるほど十分にラテックスを軟化
しない。しかし、光開始触媒を含有する支持体上に充填
ラテックスをコーティングすると、水不浸透性の耐久性
のある連続フィルムを形成することができる。耐指紋性
はこのポリマーオーバーコートを用いる全ての場合にお
いて良好であり、テトラアクリレートの添加、又は露光
によって低下しない。
【0122】本発明をその好ましい特定の態様を引用し
て詳細に記載したが、本発明の精神及び範囲内で種々の
変更及び改造が可能であることは、理解されるであろ
う。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トーマス ヘイル ホワイトサイズ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14607, ロチェスター,バークレー ストリート 280 (72)発明者 ホウェイ−リン ヨー アメリカ合衆国,ニューヨーク 14625, ロチェスター,ウエストフィールド コモ ンズ 45 (72)発明者 エルマー チャールズ フラッド アメリカ合衆国,ニューヨーク 14424, カナンデイグア,ノース ロード 5084 (72)発明者 ジョン ウィリアム ボエッチャー アメリカ合衆国,ニューヨーク 14580, ウェブスター,レイク ロード 510 Fターム(参考) 2H016 BL00 2H023 GA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像の上に保護オーバーコートを有する
    画像形成された要素を作製する方法であって、当該方法
    は、 (a)支持体及び当該支持体の一方の側に配置された少
    なくとも1層の画像形成層を含んでなる画像形成要素を
    用意すること、ここで、硬化剤が、前記画像形成層中に
    形成された画像の上に適用されたときのオーバーコート
    内に有効に拡散できるように、硬化剤が前記要素の最上
    部面に近い層中に導入されており、 (b)画像が形成された層を作製するために、少なくと
    も1層の画像形成層に色素系又は顔料系の、写真又はデ
    ジタルピクトリアル画像を形成すること、 (c)前記画像が形成された層上に、硬化性材料を含む
    少なくとも0.54g/m2(50mg/ft2)の乾燥
    レイダウンを有するオーバーコート組成物を適用するこ
    と、そして (d)前記硬化剤を適用されたオーバーコート内に有効
    に拡散させて、それにより、随意選択的に熱又は化学輻
    射線を加えて硬化された耐水性オーバーコートを形成す
    ることを含む。
  2. 【請求項2】 (a)支持体、前記支持体の一方の側に
    配置された少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含ん
    でなる写真要素を用意すること、ここで、硬化剤が、前
    記乳剤層の上に適用されたときの水性オーバーコート内
    に有効に拡散できるように、硬化剤が前記要素のトップ
    層中に導入されており、 (b)前記写真要素を像様露光すること、 (c)写真プリントを得るために、前記写真要素をpH
    7を超える現像液中で現像すること、そして (d)0.45〜6.0g/m2(約45〜600mg
    /ft2)の乾燥レイダウンの硬化性材料を含むオーバ
    ーコート組成物から作製される、少なくとも0.54g
    /m2(50mg/ft2)の乾燥レイダウンを有する保
    護オーバーコートを適用すること、 (e)前記硬化剤を適用されたオーバーコート内に有効
    に拡散させて、それにより、随意選択的に熱又は化学輻
    射線を加えて硬化された耐水性オーバーコートを形成す
    ることの各工程を含んでなる耐水性オーバーコートを有
    する写真プリントを作製する方法。
  3. 【請求項3】 支持体、前記支持体の一方の側に配置さ
    れた少なくとも1層の画像形成層を含んでなる画像形成
    要素であって、硬化剤が、前記画像形成層中に形成され
    た画像の上に適用されたとき、硬化性材料を含有する水
    性オーバーコート組成物内に有効に拡散できるように、
    硬化剤が前記画像形成層の上にあり且つ前記要素の最上
    部面に近い層中に導入されている画像形成要素。
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