JP2002161492A - 製紙用複合ファブリック - Google Patents

製紙用複合ファブリック

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JP2002161492A
JP2002161492A JP2000364867A JP2000364867A JP2002161492A JP 2002161492 A JP2002161492 A JP 2002161492A JP 2000364867 A JP2000364867 A JP 2000364867A JP 2000364867 A JP2000364867 A JP 2000364867A JP 2002161492 A JP2002161492 A JP 2002161492A
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JP2000364867A
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Kazuhisa Miyashita
和久 宮下
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Nippon Felt Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クッション性、耐疲労性、表面性、吸湿防御
性に優れた領域とすることができる製紙用複合ファブリ
ックを提供する。 【解決手段】 本発明の製紙用複合ファブリック1A
は、基体2と緩衝用樹脂素材3とで構成されている。上
記基体2は、表面層21及び裏面層22で構成され、両
者は接結糸4により接結されている緯糸2重経糸2重の
2層織物であり、表面層21は30μmの表面研磨がさ
れており、走行面となる裏面層22の表面側には、耐摩
耗性の樹脂を塗布して裏面樹脂層5を形成している。そ
して、製紙用複合ファブリック1Aの製紙面側となる上
記緩衝用樹脂素材3はウレタン製で厚さ0.8mmのシ
ート状素材であり、基体2の表面層21側にナイロン樹
脂の接着剤により接着されて一体化している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製紙用複合ファブ
リックに関し、更に詳しくは、特別な材料、装置、製造
方法を用いることなく簡易に製造でき、クッション性、
耐疲労性に優れると共に、基体の弾性挙動を崩すことな
く湿紙との接点のみ表面性、吸湿防御性に優れた領域と
することができ、プレス用、搬送用等、様々なパートに
適用できる製紙用複合ファブリックに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より製紙工程においては、ワイヤー
パートで脱水された湿紙を受け取ってプレスパートへ運
び、プレスロールの間を通してさらに水を絞り、同時に
湿紙の表面を平滑にしてドライパートに送るために製紙
用織物が利用されている。そして、従来は、上記ワイヤ
ーパート、プレスパート、ドライパート等の各パートに
おいて各々要求される性能に見合った製紙用織物が用い
られている。
【0003】そして、従来は、補強基体(べース)に対
し、重合度の高い樹脂を液体状態で含浸又はコーティン
グすることにより、目的とする製紙用複合ファブリック
を製造していた。例えば、特開平6−57678号公報
に記載されている搬送ベルトは、その紙層側に、コーテ
ィング、含浸、フィルム積層等により空気及び水に対し
て少なくとも実質上不浸透性の層を形成する樹脂の堆積
層を設けている。しかし、上記のように、重合度の高い
樹脂を液体状態で含浸又はコーティングすることにより
目的とする製紙用複合ファブリックを製造する方法で
は、樹脂を含浸又はコーティングして樹脂層を形成する
場合、樹脂層の均一化を図ることが困難であると共に、
その工程中の作業も困難であり、しかも、樹脂を含浸又
はコーティングのためには、それに伴って必要な設備を
導入する必要があり、その結果、多大な設備改良が必要
であるという問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであり、特別な材料、装置、製造方法
を用いることなく簡易に製造でき、クッション性、耐疲
労性に優れると共に、べースの弾性挙動を崩すことなく
湿紙との接点のみ表面性、吸湿防御性に優れた領域とす
ることができ、プレス用、搬送用等、様々なパートに適
用できる製紙用複合ファブリックを提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成するべく、製紙用ファブリックの構造について鋭意検
討した結果、従来のようにフォーミングやプレス用途の
基布に樹脂を含浸させるのではなく、予めシート状にし
てそれを基体に接着して一体化することにより、クッシ
ョン性、耐疲労性に優れると共に、基体の弾性挙動を崩
すことなく湿紙との接点のみ表面性、吸湿防御性に優れ
た領域とすることができ、プレス用、搬送用等、様々な
パートに適用することができることを見出して本発明を
完成するに至った。
【0006】請求項1記載の発明の製紙用複合ファブリ
ックは、剛性のある基体と、該基体表面に接して設けら
れている緩衝用樹脂素材とから構成され、上記基体と上
記重合樹脂素材が接着により一体化していることを特徴
とする。
【0007】請求項1記載の発明の製紙用複合ファブリ
ックを構成する上記「基体」は、製紙用織物用糸により
構成されるものである。上記「基体」は、通常は、図1
に示すように、緯糸(図1の表面層側緯糸211及び裏
面層側緯糸221)及び経糸(図1の表面層側経糸21
2及び裏面層側経糸222)を織り込むことにより構成
されるものであるが、製紙用織物用糸により構成されて
いる限り特に限定はない。また、上記「基体」を構成す
る上記製紙用織物用糸の種類、材質、性質についても特
に限定はなく、求められる用途における性質を具備する
種々のものを使用することができる。例えば、材質とし
てはポリエチレンテレフタレート、6ナイロン、66ナ
イロン、612ナイロン、ケプラー等が挙げられる。ま
た、線径についても種々のものとすることができる。更
に、単一成分からなる単糸でなく、2成分以上の素材を
用いる複合糸でもよい。このような複合糸としては、単
に第一素材に対し、第二素材を被覆する芯鞘構造の複合
糸の他、特願2000−300289号に示すように、
2成分以上の素材をらせん状に配列し、各成分を貼り合
わせて単糸形状とした複合糸を用いることもできる。こ
のような複合糸は、特に進行方向に横断する方向糸とし
て用いられる。かかる複合糸を用いることにより、上記
基体の平滑性、強度等の諸性質を必要に応じて種々のも
のとすることができる。
【0008】請求項1記載の発明における上記「基体」
の厚さについても特に限定はなく、用途に応じて様々な
厚さとすることができる。例えば、上記「基体」の厚さ
として、通常0.8〜2mm、好ましくは0.8〜1.
5mm、更に好ましくは1〜1.5mmとすることがで
きる。上記「基体」の厚さをかかる範囲とすることによ
り、上記「基体」の特性を損なうことなく樹脂素材を接
着した製紙用複合ファブリックの厚さを3mm未満程度
の薄い構造とすることができ、その結果、走行時の負荷
(動力負荷)を低減して、操業コストを低減することが
できるので好ましい。
【0009】また、上記「基体」の性質も、用途に応じ
て様々なものとすることができ、例えば、フォーミング
パート、ドライパート用の剛直な織物としたり、あるい
は、プレスパート用の柔軟な織物とすることができる。
この場合、請求項2に示すように、上記「基体」の性質
として、50kg/cm2で10秒加圧後除圧したとき
の厚さの回復率が70%以上、好ましくは85%以上、
更に好ましくは90%以上とすることができる。かかる
特性を有することにより、製紙工程においてプレスパー
トを通過する際に、製紙用複合ファブリックが加圧され
てその表面形状が変形しても、直ちにその形状が元に回
復するので、製紙用複合ファブリックの弾性及び平滑性
が維持され、後の工程に影響を及ぼさないので好まし
い。尚、請求項2の上記回復率とは、上記条件に基づく
テンシロンによる繰り返し圧縮試験により求められる数
値である。
【0010】請求項1記載の発明の上記「基体」の構造
については特に限定なく、単層構造でもかまわないが、
請求項3に示すように、経糸2重以上緯糸2重以上を織
り込む等の方法により、少なくとも2層以上の構造とす
ることもできる。かかる多層構造とすることにより、プ
レスに対する製紙用複合ファブリックの弾性を維持する
と共に、裏面(走行面側)の摩耗を防止することができ
る結果、製紙用複合ファブリックの耐久性を向上させて
寿命延長を図ることができるので好ましい。
【0011】また、本発明の製紙用複合ファブリックで
は、請求項4に示すように、上記基体の表面について表
面研磨を施すことができる。かかる表面研磨を上記基体
の表面に施すことにより、上記基体の平滑性が向上し、
上記緩衝用樹脂素材との接着性が向上するであることか
ら好ましい。上記基体の表面に表面研磨を施す場合、そ
の表面研磨量は請求項4に示すように、通常30μm以
上70μm未満、好ましくは30〜50μm、更に好ま
しくは35〜50μmとすることができる。かかる範囲
とすることにより、製紙用織物の強度を低下させること
なく、従来以上の表面研磨を施して、製紙用織物の平滑
性及び表面性を向上させ、その結果、上記緩衝用樹脂素
材との接着性を高めることができるので好ましい。ここ
で、上記「表面研磨量」とは、図4に示すように、研磨
前の製紙面側織物層の最高点と、研磨後の製紙面側織物
層(B)表面との高さとの差(図4中のH)を意味す
る。
【0012】また、本発明の製紙用複合ファブリックに
おいて、請求項5に示すように、上記基体の裏面側に耐
摩耗性樹脂を塗布又は含浸することができる(図1参
照)。かかる構成とすることにより、製紙工程において
走行面となる基体の裏面側の摩耗を防止し、製紙用複合
ファブリックの寿命延長を図ることができるので好まし
い。尚、上記「裏面側」とは、基体表面のうち、緩衝用
樹脂素材が設けられていない方の表面を意味する。ま
た、上記「耐摩耗性樹脂」としては、例えば、ナイロン
樹脂、ウレタン樹脂、テフロン(商品名)樹脂等が挙げ
られる。
【0013】請求項1記載の上記「緩衝用樹脂素材」
は、上記基体の表面に接着されたシート状又はマット状
の素材である。上記「緩衝用樹脂素材」の厚さについて
は特に限定はないが、通常は上記基体と同じかあるいは
上記基体より薄く、例えば、請求項6に示すように、厚
さ1mm未満とすることができる。かかる構成とするこ
とにより、基体の備える弾性挙動を崩すことなく、湿紙
との接点のみ表面性、吸湿防御性に優れた領域とするこ
とができるので好ましい。
【0014】また、上記「緩衝用樹脂素材」の材質は特
に限定はないが、請求項7に示すように、通常はウレタ
ン又はエラストマーで構成されているものとすることが
できる。これにより、耐クッション性及び耐疲労性にも
優れ、製紙工程においてプレスパートを通過する際に、
製紙用複合ファブリックが加圧されてその表面形状が変
形しても、直ちにその形状が元に回復するので、製紙用
複合ファブリックの平滑性が維持され、後の工程に影響
を及ぼさないので好ましい。更に、上記緩衝用樹脂素材
として、請求項8に示すように多孔性樹脂素材を用いる
と、上記緩衝用素材のクッション性及び耐疲労性を向上
させることができるので好ましい。また、従来のプレス
毛布では吸湿性があることから、紙料のプレス段階でプ
レス毛布に移行した水分が、プレスニップを出た後に再
度紙料側に移行するため、脱水効率の低下を招く場合が
あるが、請求項9に示すように、上記緩衝用樹脂素材の
水透過性を5kg/cm2の水圧下で1cc/sec/
cm2以下とすると、プレスニップを出た後の搬送中の
紙料の再吸湿を防止して、紙料の脱水効率の低下を防止
することができるので好ましい。
【0015】本発明の製紙用複合ファブリックにおい
て、上記緩衝用樹脂素材の張り合わせパターンについて
は限定はなく、上記基体と同じ大きさのシート状又はマ
ット状の上記緩衝用樹脂素材を張り合わせる他、上記基
体よりも小さい上記緩衝用樹脂素材を、上記基体のマシ
ン進行方向に対して全幅で少なくとも1ヵ所以上で張り
合わせることができる。この場合、できる限り繋ぎ部は
近接させて目立たない方が好ましいが、上記緩衝用樹脂
素材間に隙間があってもよい。
【0016】本発明の製紙用複合ファブリックでは、上
記基体と上記緩衝用樹脂素材が基体表面において接着に
より一体化している。上記基体と上記緩衝用樹脂素材の
接着方法としては限定はなく、例えば、請求項10に示
すように、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂や、あ
るいは両面テープにより接着することができる。これに
より、特殊な専用設計品を用いることなく本発明の製紙
用複合ファブリックを得ることができる。また、両面テ
ープで接着する場合、請求項11に示すように、上記両
面テープはクッション性を有し、厚さが0.2mm未満
の両面テープを用いることができる。これにより、接着
した後の製紙用複合ファブリック全体の厚みにそれほど
影響を与えることなく、簡易な手段により上記基体と上
記緩衝用樹脂素材とを接着させることができるので好ま
しい。
【0017】また、本発明の製紙用複合ファブリックに
おいて、上記基体と上記緩衝用樹脂素材はナイロン樹
脂、ウレタン樹脂等の樹脂や、あるいは両面テープによ
り接着されているが、それに加えて、請求項12に示す
ように、上記基体と上記緩衝用樹脂素材を縫付けたり、
あるいは、請求項13に示すように、上記基体と上記緩
衝用樹脂素材を樹脂製のねじで接着することができる。
かかる構成を備えることにより、上記基体と上記緩衝用
樹脂素材との接着性を補強して、製紙用複合ファブリッ
クの強度を向上させることができるので好ましい。
【0018】本発明の製紙用複合ファブリックでは、請
求項14に示すように、上記基体と上記緩衝用樹脂素材
との間にバット層を挟んでいる構成とすることができ
る。上記バット層としては、例えば合成繊維(ナイロ
ン、ポリエステル、ケプラー等)が挙げられる。かかる
構成とすることにより、製紙用複合ファブリックにクッ
ション性が付与される結果、より柔軟性を有した構造と
することができるので好ましい。また、上記バット層を
上記基体に植込む手段については特に限定はなく、針を
用いてニードリングにより植込んでもよいが、ウォータ
ージェットによって上記基体に植込むと、ニードリング
の場合と比較して、繊維の密度差が生じることを防止し
て、上記基体の平滑性を向上させると共に、上記緩衝用
素材の接合性も高まるので好ましい。尚、請求項14に
おいて、上記基体と上記緩衝用樹脂素材との間に「バッ
ト層を挟んでいる」とは、上記基体と上記緩衝用樹脂素
材との間にバット層を挟んでいる場合だけでなく、図3
に示すように、織物である上記基体の間隙にニードリン
グ等により絡ませて植込んでいる場合も含む。
【0019】本発明の製紙用複合ファブリックは、請求
項15に示すように、通気度が無加圧下のフラジール形
試験機(JIS L1004)による値として5cc/
sec/cm2以下、好ましくは4cc/sec/cm2
以下、更に好ましくは3cc/sec/cm2以下とす
ることができる。かかる範囲とすることにより、通気度
が殆んどなくなる結果、従来のように製紙用ファブリッ
クに水持ちさせて走行させるのに比べて、低負荷で走行
させることができるので好ましい。また、本発明の製紙
用複合ファブリックの用途については限定はないが、上
記のように、上記緩衝用樹脂素材として、吸湿性が低い
樹脂素材を用いた場合、プレスニップを出た後の搬送中
の紙料の再吸湿も殆んどないので、請求項16に示すよ
うに、特に湿紙運搬ベルトとして好適に用いることがで
きる。
【0020】本発明の製紙用複合ファブリックの製造方
法については特に限定はないが、通常は、予め生成され
たシート状又はマット状の緩衝用樹脂素材を基体表面に
配置し、該基体及び該緩衝用樹脂素材を少なくとも80
℃以上の温度雰囲気下に置いて接着を行うことにより製
造される。樹脂又は両面テープ等により上記基体及び上
記緩衝用樹脂素材を接着する際、少なくとも80℃以上
の温度雰囲気下に置くことにより、両者の接着性を高め
ることができるので好ましい。また、上記基体と上記緩
衝用樹脂素材とを接着後、上記基体と上記緩衝用樹脂素
材とを縫付けたり、あるいは、上記基体と上記緩衝用樹
脂素材とを樹脂製のねじで止めることにより、上記基体
と上記緩衝用樹脂素材との接着性を補強して、製造され
る製紙用複合ファブリックの強度を向上させることがで
きるので好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の製紙用複合ファブ
リックについて、実施例を挙げて具体的に説明する。 (1)実施例1 実施例1の製紙用複合ファブリック1Aの横断面模式図
を図1に示す。実施例1の製紙面織物1Aは、図1に示
すように、基体2と緩衝用樹脂素材3とで構成されてい
る。上記緩衝用樹脂素材3はウレタン製で厚さ0.8m
mのシート状素材であり、基体2の表面側にナイロン樹
脂の接着剤により接着されている。実施例1の製紙用複
合ファブリック1Aでは、緩衝用樹脂素材3側が製紙面
側である。
【0022】また、上記基体2は、フォーミングパート
用の剛直な織物であり、表面層21を構成する表面層側
経糸211及び表面層側緯糸212並びに裏面層22を
構成する裏面層側経糸221及び裏面層側緯糸222と
を織り込んでいる緯糸2重経糸2重の2層織物により構
成される。表面層21及び裏面層22は接結糸4により
接結されている。上記表面層側経糸211及び表面層側
緯糸212は、径が0.17mmのポリエステル製であ
る。裏面層側経糸221は、径が0.20mmのポリエ
チレン製であり、裏面層側緯糸222は径が0.25m
mで、ウレタン成分を含んだらせん構造の複合糸であ
る。また、接結糸4は0.15mmのナイロン製であ
る。また、表面層21は30μmの表面研磨がされてお
り、走行面となる裏面層22の表面側(図1の下方面)
には、耐摩耗性の樹脂として商品名「テフロン」を塗布
して裏面樹脂層5を形成している。
【0023】実施例1の製紙用複合ファブリック1A
は、従来のようにフォーミングやプレス用途の基布に樹
脂を含浸させるのではなく、予めシート状にしてそれを
基体に接着して一体化していることから、簡易に製造す
ることができる。また、実施例1の上記緩衝用樹脂素材
3は吸湿性が殆どないことから、プレスニップを出た後
の搬送中の再吸湿も殆どないので、特に湿紙運搬ベルト
として好適に用いることができる。しかも、上記緩衝用
樹脂素材3はクッション性に優れていることから、プレ
スパートにおいて加圧されても直ちに形状が回復するの
で、後の工程に影響を与えない。更に、厚さは1mm未
満であることから、基体の備える弾性挙動を崩すことな
く、湿紙との接点のみ表面性、吸湿防御性を改善してい
る。また、表面層21に表面研磨を施すことにより、基
体2の表面性を高めて基体2と緩衝用樹脂素材3との接
着性を向上させている。更に、走行面となる裏面層22
の表面側に耐摩耗性の樹脂を塗布して裏面樹脂層5を形
成していることから、耐摩耗性を向上させて、製紙用複
合ファブリックの寿命延長を図っている。
【0024】(2)実施例2 実施例2の製紙用複合ファブリック1Bを図2に示す。
実施例2の製紙用複合ファブリック1Bの構成は、上記
実施例1の製紙用複合ファブリックの構成に加え、基体
2と緩衝用樹脂素材3を一定の間隔ででねじ6で補強し
ている。また、上記ねじ6は実質的に緩衝用樹脂素材3
に埋設されるので、ペーパーサイドに当たることがな
く、表面性を損なうことを防止している。また、補強用
のねじ6はポリエステル製であり、使用中に劣化して粉
状になり自然落下する。これにより、使用中に問題を起
こすことなく、使用期間全般にわたって安定した状態で
使用することができる。
【0025】(3)実施例3 実施例3の製紙用複合ファブリック1Cを図3に示す。
実施例3の製紙用複合ファブリック1Cは、実施例1及
び2と同様に、基体2と緩衝用樹脂素材3とで構成され
ており、上記緩衝用樹脂素材3は基体2の表面側にナイ
ロン樹脂の接着剤により接着されている。また、上記基
体2は、プレスパート用の柔軟な織物であり、表面層を
構成する表面層側緯糸212及び裏面層を構成する裏面
層側緯糸222を経糸23で織り込んでいる緯糸2重経
糸1重の2層織物により構成される。そして、上記基体
2を構成する織物の間隙にニードリングによってナイロ
ン製のバット層7を絡ませている。かかるバット層7を
備えることにより、繊維が植込まれ基体の構造が安定化
し、また、基体と緩衝用樹脂素材との接触面積が増加す
る結果、両者の接着性が向上して、強固な一体化を図る
ことができるという効果を奏する。
【0026】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて種々変更し
た実施例とすることができる。
【0027】
【発明の効果】本発明の製紙用複合ファブリックによれ
ば、従来のように重合度の高い樹脂を液体状態で含浸又
はコーティングする場合と比較して、特別な材料、設備
を用いなくても、クッション性、耐疲労性に優れると共
に、べースの弾性挙動を崩すことなく湿紙との接点のみ
表面性、吸湿防御性に優れた領域とすることができ、プ
レス用、搬送用等、様々なパートに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の製紙用織物の横断面模式図である。
【図2】実施例2の製紙用織物の横断面模式図である。
【図3】実施例3の製紙用織物の縦断面模式図である。
【図4】図1の点線四角部分の拡大図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C;製紙用複合ファブリック、2;基
体、21;表面層、211;表面層側経糸、212;表
面層側緯糸、22;裏面層、221;裏面層側経糸、2
22;裏面層側緯糸、23;経糸、3;緩衝用樹脂素
材、4;接結糸、5;裏面樹脂層、6;ねじ、7;バッ
ト層。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体と、該基体表面に接して設けられて
    いる緩衝用樹脂素材とから構成され、上記基体と上記緩
    衝用樹脂素材が接着により一体化していることを特徴と
    する製紙用複合ファブリック。
  2. 【請求項2】 上記基体の50kg/cm2で10秒加
    圧後除圧したときの厚さの回復率が70%以上である請
    求項1記載の製紙用複合ファブリック。
  3. 【請求項3】 上記基体が少なくとも2層以上の織物で
    ある請求項1又は2記載の製紙用複合ファブリック。
  4. 【請求項4】 上記基体は表面研磨されており、且つ表
    面研磨量が30μm以上70μm未満である請求項1乃
    至3のいずれかに記載の製紙用複合ファブリック。
  5. 【請求項5】 上記基体の裏面側に耐摩耗性樹脂が塗布
    又は含浸されている請求項1乃至4のいずれかに記載の
    製紙用複合ファブリック。
  6. 【請求項6】 上記緩衝用樹脂素材が厚さ1mm未満の
    シート状又はマット状である請求項1乃至5のいずれか
    に記載の製紙用複合ファブリック。
  7. 【請求項7】 上記緩衝用樹脂素材がウレタン又はエラ
    ストマーで構成されている請求項1乃至6のいずれかに
    記載の製紙用複合ファブリック。
  8. 【請求項8】 上記緩衝用樹脂素材が多孔性樹脂素材で
    ある請求項1乃至7のいずれかに記載の製紙用複合ファ
    ブリック。
  9. 【請求項9】 上記緩衝用樹脂素材の水透過性が5kg
    /cm2の水圧下で1cc/sec/cm2以下である請
    求項1乃至8のいずれかに記載の製紙用複合ファブリッ
    ク。
  10. 【請求項10】 上記基体と上記緩衝用樹脂素材がナイ
    ロン樹脂、ウレタン樹脂又は両面テープにより接着され
    ている請求項1乃至9のいずれかに記載の製紙用複合フ
    ァブリック。
  11. 【請求項11】 上記両面テープはクッション性を有
    し、厚さが0.2mm未満である請求項10記載の製紙
    用複合ファブリック。
  12. 【請求項12】 上記基体と上記緩衝用樹脂素材が縫付
    けられて接着されている請求項1乃至11のいずれかに
    記載の製紙用複合ファブリック。
  13. 【請求項13】 上記基体と上記緩衝用樹脂素材が樹脂
    製のねじで接着されている請求項1乃至11のいずれか
    に記載の製紙用複合ファブリック。
  14. 【請求項14】 上記基体と上記緩衝用樹脂素材との間
    に合成繊維よりなるバット層を挟んでいる請求項1乃至
    13のいずれかに記載の製紙用複合ファブリック。
  15. 【請求項15】 通気度が無加圧下のフラジール形試験
    機(JIS L1004)による値として5cc/se
    c/cm2以下である請求項1乃至14のいずれかに記
    載の製紙用複合ファブリック。
  16. 【請求項16】 湿紙運搬ベルトの用途で使用する請求
    項1乃至15のいずれかに記載の製紙用複合ファブリッ
    ク。
JP2000364867A 2000-11-30 2000-11-30 製紙用複合ファブリック Pending JP2002161492A (ja)

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