JP2002160330A - 硬化物、およびその硬化物を含む構造体 - Google Patents

硬化物、およびその硬化物を含む構造体

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JP2002160330A
JP2002160330A JP2000354972A JP2000354972A JP2002160330A JP 2002160330 A JP2002160330 A JP 2002160330A JP 2000354972 A JP2000354972 A JP 2000354972A JP 2000354972 A JP2000354972 A JP 2000354972A JP 2002160330 A JP2002160330 A JP 2002160330A
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meth
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acrylate
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Akira Nishikawa
昭 西川
Hiromi Shimomura
宏臣 下村
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JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐擦傷性に優れた硬化物およびそれを用いた
構造体を提供する。 【解決手段】 多官能(メタ)アクリレート化合物と、
数平均粒子径が5〜500nmの無機酸化物粒子と、硬
化剤とを含有する硬化性樹脂組成物からなる硬化物であ
って、当該硬化物断面における最低膜厚をt1とし、最
高膜厚をt2としたときに、以下の関係式を満足する。 1.3≦t2/t1≦3

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐擦傷性に優れた
構造体等が容易に構成できる硬化物およびそれを含む構
造体に関する。
【0002】
【従来の技術】反射防止膜の形成材料として、例えば、
熱硬化型ポリシロキサン組成物が知られており、特開昭
61−247743号公報、特開平6−25599号公
報、特開平7−331115号公報および特開平10−
232301号公報等に開示されている。しかしなが
ら、このような熱硬化型ポリシロキサン組成物を利用し
て得られる反射防止膜は、耐擦傷性に乏しく、結果とし
て、耐久性に乏しいという問題が見られた。また、かか
る反射防止膜を製造するにあたり、高温で、長時間にわ
たって加熱処理をする必要があり、生産性が低かった
り、あるいは適用可能な基材の種類が限定されるという
問題が見られた。
【0003】そこで、特開平8−94806号公報に開
示されているように、基材上に、微粒子を高屈折率バイ
ンダー樹脂中に局在化させた高屈折率膜と、フッ素系共
重合体からなる低屈折率膜とを順次に積層した光学機能
性フィルムが提案されている。より具体的には、高屈折
率膜を形成するのに、200nm以下の金属酸化物粒子
等の微粒子層を工程紙上に予め形成しておき、それを基
材上の高屈折率バインダー樹脂に対して圧接することに
より、高屈折率バインダー樹脂中に微粒子層を埋設し
て、局在化させている。また、低屈折率膜については、
フッ化ビニリデン30〜90重量%およびヘキサフルオ
ロプロピレン5〜50重量%を含有するモノマー組成物
が共重合されてなるフッ素含有割合が60〜70重量%
であるフッ素含有共重合体100重量部と、エチレン性
不飽和基を有する重合性化合物30〜150重量部と、
これらの合計量を100重量部としたときに、0.5〜
10重量部の重合開始剤とからなる樹脂組成物を硬化し
て、膜厚200nm以下の薄膜としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
8−94806号公報に開示された光学機能性フィルム
は、高屈折率膜の製造工程が複雑であり、結果として均
一な特性を示す光学機能性フィルムを作成することが困
難であった。また、かかる光学機能性フィルムは、高屈
折率膜における表面凹凸について何ら考慮しておらず、
そのため低屈折率膜における耐擦傷性が乏しいという問
題が見られた。そこで、本発明の発明者らは鋭意検討し
た結果、特定の硬化性樹脂組成物を使用するとともに、
表面凹凸の高さを考慮することで上記問題を解決できる
ことを見出した。すなわち、本発明は、簡易な構造であ
りながら、耐擦傷性に優れた硬化物およびそれを用いた
構造体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、多官能
(メタ)アクリレート化合物と、数平均粒子径が5〜5
00nmの無機酸化物粒子と、硬化剤とを含有する硬化
性樹脂組成物からなる硬化物であって、当該硬化物断面
における最低膜厚をt1とし、最高膜厚をt2としたとき
に、以下の関係式を満足することを特徴とする硬化物が
提供され、上述した課題を解決することができる。 1.3≦t2/t1≦3 これらの関係を満足することにより、硬化物のみなら
ず、その上に設けた表面層においても、優れた耐擦傷性
を得ることができる。ここで、硬化物の断面における膜
厚とは、電子顕微鏡写真によって観察される硬化物の厚
み方向の垂直断面において、下方の層の粗さ曲線の平均
線(JISB0601に準拠)を基準線としたときに、
当該基準線から硬化物断面までの距離の実測値として定
義される。したがって、上記の定義により、最低膜厚
(t1)および最高膜厚(t2)は、図1における硬化物
の厚み方向の垂直断面20において、下地としてのハー
ドコート層18の粗さ曲線の平均線(JIS B060
1に準拠)を基準線14とするとともに、当該基準線1
4から硬化物断面20の最も低い谷部分までの距離の実
測値および最も高い山部分までの距離の実測値としてそ
れぞれ表される。
【0006】また、本発明の硬化物を構成するにあた
り、使用する硬化性樹脂組成物が、多官能(メタ)アク
リレート化合物として、反応性シラン化合物を含有する
ことが好ましい。すなわち、多官能(メタ)アクリレー
ト化合物の一部として、あるいは多官能(メタ)アクリ
レート化合物そのものとして、このような反応性シラン
化合物を含有することにより、無機酸化物粒子を強固に
結合することができる。したがって、硬化物において、
さらに優れた耐擦傷性を得ることができる。
【0007】また、本発明の硬化物を構成するにあた
り、使用する硬化性樹脂組成物に含まれる多官能(メ
タ)アクリレート化合物が、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、トリメチロ−ルプロパントリ
オキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリ
トールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールペンタ(メタ)アクリレートからなる群から選択さ
れる少なくとも一種の多官能(メタ)アクリレート化合
物であることが好ましい。これらの多官能(メタ)アク
リレート化合物を含むことにより、さらに優れた耐擦傷
性が得られるとともに、硬化物の透明性を損なうことも
少なくなる。
【0008】また、本発明の硬化物を構成するにあた
り、使用する硬化性樹脂組成物に含まれる無機酸化物粒
子が、酸化ケイ素(SiO2)、アンチモンドープ酸化
スズ(ATO)、酸化亜鉛(ZnO)、スズドープ酸化
インジウム(ITO)、および酸化アンチモン亜鉛(A
ZO)、および酸化アルミニウム(Al23)からなる
群から選択される少なくとも一種の無機酸化物粒子であ
ることが好ましい。これらの無機酸化物粒子を含むこと
により、さらに優れた耐擦傷性が得られるとともに、硬
化物の透明性を損なうことも少なくなる。
【0009】また、本発明の硬化物を、反射防止膜積層
体、防汚膜、撥水膜、帯電防止膜、配向膜、プライマー
層、カラーフィルター、蛍光膜、偏光膜、または導光フ
ィルムの一部として含むことが好ましい。このような用
途において、本発明の硬化物が設けてあれば、優れた耐
擦傷性や透明性を発揮することができる。
【0010】また、本発明の別の態様は、上述した硬化
物を含むことを特徴とする構造体、例えば、反射防止膜
積層体、防汚膜、撥水膜、帯電防止膜、配向膜、プライ
マー層付き表面層、カラーフィルター、蛍光膜、偏光
膜、または導光フィルムである。
【0011】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]第1の実施形
態は、本発明の硬化物を反射防止膜積層体の高屈折率膜
に使用した例である。なお、本発明の硬化物を使用した
反射防止膜積層体は、図2に示すように、基材12上
に、高屈折率膜(第2層)10と低屈折率膜(第1層)
14とを順次に含む反射防止膜積層体16である。ま
た、かかる反射防止膜積層体の変形例として、図3に示
すように、基材12と高屈折率膜20との間にハードコ
ート層18を介在させた反射防止膜積層体24であるこ
とも好ましい。
【0012】1.高屈折率膜 (1)高屈折率膜用硬化性組成物 高屈折率膜を形成するための高屈折率膜用硬化性組成物
は、以下の(A)〜(C)成分から構成してあることを
特徴とする。 (A)多官能(メタ)アクリレート化合物 (B)無機酸化物粒子 (C)硬化剤
【0013】多官能(メタ)アクリレート化合物(A
成分) (A)成分の多官能(メタ)アクリレート化合物は、分
子内に少なくとも二つの(メタ)アクリロイル基を含有
する化合物である。このような多官能(メタ)アクリレ
ート化合物を使用することにより、高屈折率膜用硬化性
組成物の硬化性を向上させることができる。
【0014】より具体的には、多官能(メタ)アクリレ
ート化合物としては、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、トリメチロ−ルプロパントリオキシ
エチル(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリトール
ペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペ
ンタ(メタ)アクリレートからなる群から選択される少
なくとも一種の多官能(メタ)アクリレート化合物が挙
げられる。ただし、反応性や、硬度等を調節する目的
で、単官能(メタ)アクリレート化合物や、連鎖移動剤
等を添加することも好ましい。
【0015】また、多官能(メタ)アクリレート化合物
として、上述した多官能(メタ)アクリレート化合物と
アルコキシシランとを、例えば、ポリイソシアネート化
合物を介して反応させた反応化合物(以下、反応性シラ
ン化合物と称する場合がある。)を使用することも好ま
しい。このようなアルコキシシランとしては、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジ
メトキシエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジエ
トキシメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジメト
キシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルジエトキシ
メチルシラン等が好ましい。さらに、ポリイソシアネー
ト化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネ−
ト、2,6−トリレンジイソシアネ−ト、1,3−キシリ
レンジイソシアネ−ト、1,4−キシリレンジイソシア
ネ−ト、1,5−ナフタレンジイソシアネ−ト、m−フ
ェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシア
ネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネ−ト、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシ
アネ−ト、4,4’−ビフェニレンジイソシアネ−ト、
1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシ
アネア−ト)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジ
イソシアネ−ト、ビス(2−イソシアネートエチル)フ
マレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソ
シアネ−ト、4−ジフェニルプロパンジイソシアネ−
ト、リジンジイソシアネ−ト、水添ジフェニルメタンジ
イソシアネ−ト、1,3−ビス(イソシアネートメチ
ル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシ
アネ−ト、2,5(又は6)−ビス(イソシアネートメ
チル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等を挙げるこ
とができる。これらの中で、2,4−トリレンジイソシ
アネ−ト、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイ
ソシアネア−ト)、1,3−ビス(イソシアネートメチ
ル)シクロヘキサン等が好ましい。なお、上記アルコキ
シシランおよびポリイソシアネート化合物は、それぞれ
一種単独または二種以上を組み合わせて用いることがで
きる。したがって、反応性シラン化合物としての多官能
(メタ)アクリレート化合物としては、分子内にウレタ
ン結合[−O−C(=O)NH−]やチオウレタン結合
[−S−C(=O)NH−]、および不飽和二重結合と
を有するアルコキシシラン化合物が好ましい。
【0016】無機酸化物粒子(B成分) (B)成分としての、無機酸化物粒子の数平均粒子径を
5〜500nmの範囲内の値とすることが好ましい。こ
の理由は、かかる無機酸化物粒子の数平均粒子径が5n
m未満となると、無機酸化物粒子を均一に分散させるこ
とが困難となったり、あるいは、最高膜厚の調節が困難
となって、耐擦傷性が低下する場合があるためである。
一方、かかる無機酸化物粒子の数平均粒子径が500n
mを超えると、製造時に沈降しやすくなったり、あるい
は、最低膜厚の調節が困難となって、耐擦傷性が低下す
る場合があるためである。したがって、無機酸化物粒子
の数平均粒子径を7〜400nmの範囲内の値とするこ
とが好ましく、10〜350nmの範囲内の値とするこ
とがより好ましい。なお、無機酸化物粒子の数平均粒子
径は、電子顕微鏡によって測定される粒径の平均値であ
る。
【0017】また、無機酸化物粒子の種類は、耐擦傷性
や、屈折率の調整の容易さ等を考慮して決定することが
好ましいが、より具体的には、酸化ケイ素(SiO2
屈折率1.47)、酸化ジルコニウム(ZrO2、屈折
率2.05)、酸化スズ(SnO2、屈折率2.0
0)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO、屈折率1.
95)、酸化チタン(TiO2、屈折率2.3〜2.
7)、酸化亜鉛(ZnO、屈折率1.90)、スズドー
プ酸化インジウム(ITO、屈折率1.95)、酸化セ
リウム(CeO、屈折率2.2)、酸化セレン(Se
2、屈折率1.95)、酸化アンチモン(Sb25
屈折率1.71)、酸化アルミニウム(Al23、屈折
率1.63)、酸化イットリウム(Y23、屈折率1.
87)、およびアンチモン酸亜鉛(AZO、屈折率1.
90)等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げ
られる。
【0018】また、これらの無機酸化物粒子のうち、比
較的少量の添加で硬化後の屈折率の値を1.5以上の値
に容易に調節することができ、しかも帯電防止機能を付
与できることから、屈折率が1.9以上の導電性金属酸
化物粒子を使用することが好ましい。具体的には、酸化
ジルコニウム、酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ、
酸化チタン、酸化亜鉛、スズドープ酸化インジウム、酸
化セレン等を使用することが好ましい。
【0019】また、無機酸化物粒子に対して、カップリ
ング剤処理することが好ましい。この理由は、無機酸化
物粒子がカップリング剤処理してあることにより、周囲
の樹脂との間の結合力を高めることができ、結果とし
て、低屈折率膜における耐擦傷性を著しく向上させるこ
とができるためである。また、このようにカップリング
剤処理することにより、無機酸化物粒子の分散性を向上
させ、製造時における高屈折率膜用硬化性組成物の保存
安定性を向上させることも可能である。
【0020】ここで、カップリング剤処理を実施するに
あたり、好ましいカップリング剤としては、γ−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシチタン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシアルミニウム等の一種単独または二種以
上の組み合わせが挙げられる。なお、カップリング剤処
理量を、無機酸化物粒子100重量部に対して、0.1
〜20重量部の割合とすることが好ましく、0.5〜1
5重量部の割合とすることがより好ましく、1〜10重
量部の割合とすることがさらに好ましい。
【0021】また、無機酸化物粒子の含有量を、全体量
に対して、3〜90vol%の範囲内の値とすることが
好ましい。この理由は、かかる無機酸化物粒子の含有量
が、3vol%未満の値となると、最低膜厚(t1
や、最高膜厚(t2)の調節が困難となる場合があるた
めであり、結果として、第1層の耐擦傷性が低下する場
合があるためである。一方、無機酸化物粒子の含有量
が、90vol%を超えた値となると、第2層の機械的
強度が低下し、結果として、低屈折率膜における耐擦傷
性が低下する場合があるためである。したがって、無機
酸化物粒子の含有量を5〜80vol%の範囲内の値と
することがより好ましく、かかる無機酸化物粒子の含有
量を10〜75vol%の範囲内の値とすることがさら
に好ましい。
【0022】硬化剤(C成分) (C)成分の硬化剤としては、光ラジカル発生剤や、光
酸発生剤が挙げられる。このような硬化剤は、それぞれ
単独で使用することもできるが、光ラジカル発生剤と、
光酸発生剤とを併用することも好ましい。また、硬化剤
の使用量も特に制限されるものではないが、例えば、多
官能(メタ)アクリレート化合物100重量部に対し
て、0.1〜30重量部の範囲内の値とするのが好まし
い。この理由は、硬化剤の使用量が0.1重量部未満と
なると、多官能(メタ)アクリレート化合物の硬化が不
十分となる場合があるためである。一方、硬化剤の使用
量が30重量部を超えると、高屈折率膜用硬化性組成物
の保存安定性が低下する場合があるためである。したが
って、硬化剤の使用量を、多官能(メタ)アクリレート
化合物100重量部に対して、0.5〜20重量部の範
囲内の値とすることがより好ましい。
【0023】添加物1 また、硬化性樹脂組成物中に、水酸基含有重合体を含む
ことも好ましい。このような水酸基含有重合体を含むこ
とにより、高屈折率膜用硬化性組成物の取り扱いが容易
となるばかりか、下方にハードコート層を設けた場合
や、上方に表面層を設けた場合に、これらの層との間
で、優れた密着力を得ることができる。このような水酸
基含有重合体としては、ポリビニルアセタール樹脂(ポ
リビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹
脂)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル系樹
脂、ポリフェノール系樹脂、フェノキシ樹脂等の一種単
独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
【0024】また、このような水酸基含有重合体の添加
量を、多官能(メタ)アクリレート化合物100重量部
に対して、1〜100重量部の範囲内の値とするのが好
ましい。この理由は、水酸基含有重合体の添加量が1重
量部未満となると、得られる高屈折率膜の基材に対する
密着力の向上が不十分な場合があるためであり、一方、
かかる水酸基含有重合体の添加量が100重量部を超え
ると、相対的に無機酸化物粒子量が減少し、硬化後にお
ける屈折率の調整等が困難となる場合があるためであ
る。したがって、多官能(メタ)アクリレート化合物1
00重量部に対し、水酸基含有重合体の添加量を3〜7
0重量部の範囲内の値とするのがより好ましく、5〜5
0重量部の範囲内の値とするのがより好ましい。
【0025】添加物2 また、硬化性樹脂組成物中に、水酸基と反応し得る官能
基および光重合可能な官能基を併有する化合物(以下、
併有化合物と称する場合がある。)を含むことも好まし
い。このような併有化合物としては、水酸基と反応し得
る官能基(以下、水酸基反応性官能基と称する場合があ
る。)と、光重合可能な官能基(以下、光重合性官能基
と称する場合がある。)とをそれぞれ有する化合物であ
ることが好ましい。この理由は、併有化合物が有する光
重合性官能基を利用して多官能(メタ)アクリレート化
合物を光硬化させることもできるし、また、水酸基反応
性官能基を利用して、加熱することによっても多官能
(メタ)アクリレート化合物を硬化させることも可能と
なるためである。
【0026】ここで、水酸基反応性官能基としては、例
えば、アミノ基、イソシアネート基、カルボキシル基、
酸無水物基、アルデヒド基、ハロゲン等が挙げられる。
また、同様に、光重合性官能基としては、例えば、エポ
キシ基、オキセタン基、ビニル基等が挙げられる。した
がって、併有化合物としては、t−ブチルアミノエチル
アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレ
ート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N
−メタクリロキシ−N,N−ジカルボキシメチル−p−
フェニレンジアミン、メラミン・ホルムアルデヒド・ア
ルキルモノアルコール、2−[o−(1’−メチルプロ
ピリデンアミノ)カルボキシアミノ]エチルアクリレー
ト、2,3−ジブロモプロピルアクリレート、2,3−
ジブロモプロピルメタクリレート、メタクリロキシエチ
ルフタレート、N−メタクリロキシ−N−カルボキシメ
チルピペリジン、4−メタクリロキシエチルトリメリッ
ト酸、アクリロキシエチルテレフタラート、エチレンオ
キシド変性フタル酸アクリレート、エチレンオキシド変
性コハク酸アクリレート、4−メタクリロキシエチル無
水トリメリット酸等の一種単独または二種以上の組み合
わせが挙げられる。なお、併有化合物の添加量を、多官
能(メタ)アクリレート化合物100重量部に対して、
10〜300重量部の範囲内の値とするのが好ましい。
【0027】添加物3 また、硬化性樹脂組成物において、メチルエチルケトン
(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シ
クロヘキサノン、n−ブタノール、エチルセルソルブ、
乳酸エチル(EL)、ジアセトンアルコール(DA
A)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PG
ME)、アセチルアセトン(AcAc)、およびアセト
酢酸エチル(EAcAc)からなる群から選択される少
なくとも一種の有機溶剤を使用することが好ましい。こ
の理由は、このような有機溶剤を使用することにより、
高屈折率膜用硬化性組成物から高屈折率膜を形成する際
に、高屈折率膜における表面粗さ(Rz)の制御が容易
となるためである。なお、有機溶剤の添加量についても
特に制限されるものではないが、多官能(メタ)アクリ
レート化合物100重量部に対し、当該有機溶剤の添加
量を50〜20,000重量部の範囲内の値とするのが
好ましい。
【0028】添加物4 高屈折率膜用硬化性組成物には、本発明の目的や効果を
損なわない範囲において、光増感剤、重合禁止剤、重合
開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、
可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、シラ
ンカップリング剤、無機充填剤、顔料、染料等の添加剤
をさらに含有させることも好ましい。
【0029】(2)最低膜厚(t1)と最高膜厚(t2) 最低膜厚(t1) 高屈折率膜断面における最低膜厚(t1)の値自体につ
いては特に制限されるものではないが、50〜250n
mの範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、か
かる最低膜厚が50nm未満となると、高屈折率膜の機
械的強度が低下して、硬化物自身の耐擦傷性が低下した
り、あるいはその上に形成された表面層における耐擦傷
性が低下する場合があるためである。一方、最低膜厚が
250nmを超えると、製造が困難となったり、あるい
は最高膜厚/最低膜厚の比率を所定範囲に調節するため
に、最高膜厚の値が過度に大きくなる場合があるためで
ある。したがって、高屈折率膜断面における最低膜厚
(t1)を70〜230nmの範囲内の値とすることが
より好ましく、100〜200nmの範囲内の値とする
ことがさらに好ましい。
【0030】最高膜厚(t2) 高屈折率膜断面における最高膜厚(t2)の値自体につ
いても、特に制限されるものではないが、65〜750
nmの範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、
かかる最高膜厚が65nm未満となると、最高膜厚/最
低膜厚の比率を所定範囲に調節するために、最低膜厚の
値が過度に小さくなる場合があるためである。一方、最
高膜厚が750nmを超えると、製造が困難となった
り、高屈折率膜の機械的強度が低下して、硬化物自身の
耐擦傷性が低下したり、あるいはその上に形成された表
面層における耐擦傷性が低下する場合があるためであ
る。したがって、高屈折率膜断面における最高膜厚(t
2)を98〜575nmの範囲内の値とすることがより
好ましく、150〜400nmの範囲内の値とすること
がさらに好ましい。なお、図4〜図5に示す電子顕微鏡
写真の断面における高屈折率膜の粗さ曲線の平均線と、
下地としてのハードコート層の粗さ曲線の平均線との距
離から算出される高屈折率膜断面における膜厚の平均値
は、特に制限されるものではないが、50nm〜700
nmの範囲内の値であることが好ましい。この理由は、
高屈折率膜の膜厚が50nm未満となると、低屈折率膜
と組み合わせた場合に、反射防止効果や基材に対する密
着力が低下する場合があるためであり、一方、高屈折率
膜の膜厚が700nmを超えると、製造が困難となる場
合があるばかりか、透明性や耐擦傷性が低下する場合が
あるためである。したがって、高屈折率膜の膜厚を10
0nm〜300nmの範囲内の値とするのがより好まし
く、120nm〜200nmの範囲内の値とするのがさ
らに好ましい。
【0031】最高膜厚/最低膜厚の比率 また、高屈折率膜断面における最低膜厚をt1とし、最
高膜厚をt2としたときに、最高膜厚/最低膜厚の比率
(t2/t1)が、以下の関係式を満足しなければならな
い。 1.3≦t2/t1≦3 この理由は、t2/t1が、1.3未満の値となると、硬
化物自身の耐擦傷性が低下したり、あるいはその上に形
成された表面層における耐擦傷性が低下するためであ
る。一方、t2/t1が、3を超えると、製造することが
困難となったり、あるいは硬化物の強度が低下して、逆
に、硬化物およびその上に形成された表面層における耐
擦傷性が低下するためである。したがって、t2/t1
1.4〜2.5の範囲内の値とすることがより好まし
く、1.5〜2の範囲内の値とすることがさらに好まし
い。
【0032】(3)表面粗さ 高屈折率膜における表面粗さ(JIS B0601に準
拠のRz)を0.01〜2μmの範囲内の値とする。こ
の理由は、かかる高屈折率膜の表面粗さが、0.01μ
m未満の値となると、低屈折率膜中に侵入する高屈折率
膜の割合が少なくなり、耐擦傷性が著しく低下するため
である。図4および図5に、反射防止膜積層体の断面写
真を示すが、高屈折率膜の一部が、低屈折率膜中に侵入
していることが理解される。一方、かかる高屈折率膜の
表面粗さが2μmを超えると、低屈折率膜における表面
粗さが相対的に大きくなり、光散乱が生じやすくなり、
結果として、反射率や、透明性が低下するためである。
したがって、高屈折率膜の表面粗さを0.02〜1μm
の範囲内の値とすることが好ましく、0.05〜0.5
μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0033】(4)屈折率 また、高屈折率膜における屈折率(Na−D線の屈折
率、測定温度25℃)を1.45〜2.1の範囲内の値
とするのがより好ましい。この理由は、かかる屈折率が
1.45未満の値となると、低屈折率膜と組み合わせた
場合に、反射防止効果が著しく低下する場合があるため
であり、一方、2.1を超えると、使用可能な材料が過
度に制限される場合があるためである。したがって、高
屈折率膜の屈折率を、より好ましくは1.55〜2.0
の範囲内の値とすることであり、1.6〜1.9の範囲
内の値とすることがさらに好ましい。
【0034】(5)形成方法 形成方法1 高屈折率膜を形成するに際して、高屈折率膜用の塗膜を
形成した後、高屈折率膜用硬化性組成物を紫外線硬化ま
たは電子線硬化することが好ましい。この場合、例え
ば、紫外線照射装置(メタルハライドランプや、高圧水
銀ランプ等)を用い、0.001〜10J/cm2の光
照射条件の下で行うことが好ましい。この理由は、この
ような照射条件であれば、十分硬化した高屈折率膜が得
られる一方、製造時間が過度に長くなることが無いため
である。したがって、照射条件を、0.01〜5J/c
2とすることがより好ましく、0.1〜3J/cm2
することがさらに好ましい。なお、高屈折率膜用硬化性
組成物中の粒子の種類、数平均粒子径、粒子の添加量、
溶剤種、あるいは高屈折率膜の膜厚等の条件を適宜変更
することにより、光照射するだけで高屈折率膜の表面に
凹凸を設けることが可能である。
【0035】形成方法2 また、高屈折率膜を形成する工程において、多数回塗り
を実施することが好ましい。この理由は、同じ膜厚の高
屈折率膜を形成することを想定した場合、一度で塗布形
成すると、無機酸化物粒子が膜内で沈降し、表面凹凸を
形成することが困難となる場合があるためである。すな
わち、多数回塗りを実施することにより、無機酸化物粒
子を表面に突出または露出させることが容易となるた
め、高屈折率膜表面に精度良く凹凸を形成することがで
きる。
【0036】2.低屈折率膜 (1)低屈折率膜用硬化性組成物 低屈折率膜を形成するための低屈折率膜用硬化性組成物
としては、特に制限されるものではないが、例えば、以
下の(a)〜(d)成分から構成してあることが好まし
い。 (a)水酸基を有する含フッ素共重合体:100重量部 (b)水酸基と反応し得る官能基を有する熱硬化剤:1
〜70重量部 (c)硬化触媒:0.1〜30重量部 (d)有機溶剤:500〜10,000重量部
【0037】(2)屈折率 低屈折率膜における屈折率(Na−D線の屈折率、測定
温度25℃)を1.35〜1.50の範囲内の値とする
のがより好ましい。この理由は、かかる屈折率が1.3
5未満の値となると、使用可能な材料の種類が過度に制
限される場合があり、一方1.5を超えると、高屈折率
膜と組み合わせた場合に、反射防止効果が著しく低下す
る場合があるためである。したがって、低屈折率膜の屈
折率を、より好ましくは1.3〜1.45の範囲内の値
とすることであり、1.3〜1.42の範囲内の値とす
ることがさらに好ましい。
【0038】(3)膜厚 また、低屈折率膜の膜厚についても特に制限されるもの
ではないが、例えば、0.05〜1μmの範囲内の値で
あることが好ましい。この理由は、低屈折率膜の膜厚が
0.05μm未満の値となると、下地としての高屈折率
膜に対する密着力や擦傷性が低下する場合があるためで
あり、一方、かかる膜厚が1μmを超えると、光干渉が
生じて光透過率や反射防止効果が低下する場合があるた
めである。したがって、低屈折率膜の膜厚を0.05〜
0.5μmの範囲内の値とすることがより好ましく、
0.05〜0.3μmの範囲内の値とすることがさらに
好ましい。なお、低屈折率膜の膜厚の平均値について
も、図4〜図5に示す電子顕微鏡写真の断面における低
屈折率膜の粗さ曲線の平均線と、下地としての高屈折率
膜の粗さ曲線の平均線との距離から算出される値と定義
される。
【0039】3.ハードコート層 反射防止膜積層体を構成するにあたり、高屈折率膜の下
方にハードコート層を設けることが好ましい。このよう
にハードコート層を設けることにより、高屈折率膜を強
固に固定することができる。したがって、かかる高屈折
率膜が内部に侵入した低屈折率膜においても、ハードコ
ート層の働きにより、耐擦傷性をより向上させることが
できる。
【0040】また、ハードコート層の膜厚を0.1〜5
0μmの範囲内の値とすることが好ましい。この理由
は、ハードコート層の膜厚が0.1μm未満となると、
低屈折率膜を強固に固定することが困難となる場合があ
るためであり、一方、膜厚が50μmを超えると、製造
が困難となったり、あるいは、ハードコート層形成時の
硬化収縮で基材に反りが生じる場合があるためである。
したがって、高屈折率膜の膜厚を0.5〜40μmの範
囲内の値とするのがより好ましく、1〜30μmの範囲
内の値とするのがさらに好ましい。
【0041】[第2の実施形態]第2の実施形態は、本
発明の硬化物(1.3≦t2/t1≦3)を下地層として
設けたカラーフィルタ(RGB画素およびブラックマト
リックスを含む。)である。このようなカラーフィルタ
であれば、下地層としての硬化物によって、耐擦傷性が
優れているために、結果として、耐久性を向上させるこ
とができる。また、本発明の硬化物は、可視光の光透過
率が90%以上の値であるため、カラーフィルタに入射
する光を十分に透過することができる。さらに、このよ
うなカラーフィルタであれば、液晶素子や、有機エレク
トロルミネッセンス等の発光素子表面に、硬化物の特性
を生かして、強固に積層することもできる。なお、カラ
ーフィルタの下地層を形成するにあたり、第1の実施形
態で説明した高屈折率膜用硬化性組成物を使用すること
ができ、また、その厚さを100〜500nmの範囲内
の値とすることが好ましい。一方、カラーフィルタとし
ては、公知の構成をとることができ、例えば、RGB画
素およびブラックマトリックスは、青色顔料を含む光硬
化性樹脂、赤色顔料を含む光硬化性樹脂、緑色顔料を含
む光硬化性樹脂、および黒色顔料を含む光硬化性樹脂か
ら、それぞれレジスト法により容易に構成することがで
きる。
【0042】[第3の実施形態]第3の実施形態は、本
発明の硬化物を、表面層と、基材との間のプライマー層
(1.3≦t2/t1≦3)として使用した積層体の例で
ある。ガラス基板やプラスチック等の基材上に、剥離性
や屈折率を低下させるための表面層を形成する前に、本
発明の硬化物をプライマー層として設けることが好まし
い。このようなプライマー層を設けると、表面層と、基
材との間の密着力を向上させることができるとととも
に、表面側にフッ素化合物や、ケイ素化合物等の耐擦傷
性に乏しい樹脂を使用したとしても、優れた耐擦傷性を
示すことができる。また、本発明の硬化物からなるプラ
イマー層は、可視光の光透過率が90%以上の値である
ため、光を十分に透過させることができる。さらに、本
発明の硬化物からなるプライマー層は、特定の多官能
(メタ)アクリレート化合物等を用いているため、フッ
素化合物や、ケイ素化合物等からなる表面層との間で、
強固な密着力を得ることができる。なお、プライマー層
を形成するにあたり、第1の実施形態で説明した高屈折
率膜用硬化性組成物を使用することができる。また、プ
ライマー層の厚さを100〜500nmの範囲内の値と
することが好ましい。
【0043】[第4の実施形態]第4の実施形態は、本
発明の硬化物を、液晶分子の配向膜の下地層(1.3≦
2/t1≦3)として使用した例である。ガラス基板や
プラスチック上に、液晶分子の配向膜を形成する前に、
本発明の硬化物を下地層として設けることが好ましい。
このような配向膜の下地層を設けると、表面側にポリエ
ステル樹脂、TAC樹脂等からなる配向膜を設けて、表
面をラビングした場合であっても、優れた耐擦傷性を示
すことができる。すなわち、従来の配向膜は、このよう
な下地層が設けられていないために、表面をラビングす
る際に、損傷する場合が見られた。また、本発明の硬化
物からなる配向膜の下地層は、可視光の光透過率が90
%以上の値であるため、液晶を透過した光を十分に外部
に取り出すことができる。さらに、本発明の硬化物から
なる配向膜の下地層は、特定の多官能(メタ)アクリレ
ート化合物等を用いているため、基材と、液晶分子の配
向膜との間で、強固な密着力を得ることができる。な
お、配向膜の下地層を形成するにあたり、第1の実施形
態で説明した高屈折率膜硬化用組成物を使用することが
できる。また、配向膜の下地層の厚さを100〜500
nmの範囲内の値とすることが好ましい。
【0044】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、
本発明の範囲はこれら実施例の記載に限定されるもので
はない。また、実施例中、各成分の配合量は特に記載の
ない限り重量部を意味している。
【0045】[合成例1]反応性アルコキシシランを合
成した。すなわち、容器内のメルカプトプロピルトリメ
トキシシラン7.8gと、ジブチルスズジラウレート
0.2gとからなる溶液に対し、イソホロンジイソシア
ネート20.6gを、乾燥空気中、50℃、1時間の条
件で滴下した後、60℃、3時間の条件で、さらに攪拌
した。次いで、容器内に、ペンタエリスリトールトリア
クリレート71.4gを、30℃、1時間の条件で滴下
した後、60℃、3時間の条件で、さらに攪拌して、反
応性アルコキシシランを含む反応液とした。この反応液
中に残存するイソホロンジイソシアネート量を滴定法で
測定したところ、0.1重量%以下であり、メルカプト
プロピルトリメトキシシランと、イソホロンジイソシア
ネートと、ペンタエリスリトールトリアクリレートとの
反応が、ほぼ定量的に行われたことを確認した。また、
反応性アルコキシシランの分子内に、チオウレタン結合
と、ウレタン結合と、アルコキシシリル基と、反応性不
飽和結合とを有することを確認した。
【0046】[塗布液の調製1]乾燥空気下、合成例1
で得られた反応性アルコキシシラン8.7gと、メチル
エチルケトン分散シリカゾル(日産化学工業(株)製、
商品名:MEK−ST、数平均粒径22nm、シリカ濃
度30重量%)91.3gと、イソプロピルアルコール
0.2gと、イオン交換水0.1gとからなる混合液
を、80℃、3時間の条件で攪拌後、オルト蟻酸メチル
エステル1.4gを添加し、さらに1時間同一温度で攪
拌した。次いで、室温まで冷却後、トリメチロールプロ
パントリアクリレート(新中村化学工業(株)製、商品
名:NKエステルA−TMPT、以下同様である。)2
1.9gと、トリメチロ−ルプロパントリオキシエチル
アクリレ−ト(新中村化学工業(株)製、商品名NKエ
ステルA−TMPT−3EO、以下同様である。)1
0.95gと、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン(チバスペシャルティケミカルズ(株)製、商品
名:イルガキュア184、以下同様である。)3.27
gを混合して、硬化性樹脂組成物(以下、塗布液Aと記
載する場合がある。)を調製した。
【0047】[塗布液の調製2]トリメチロールプロパ
ントリアクリレート50gと、トリメチロ−ルプロパン
トリオキシエチルアクリレ−ト47gと、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン3gとからなる混合物
に対して、イソプロピルアルコールを1,000gと、
MEK900gとを加えて、均一な混合溶液とした。こ
の混合溶液を攪拌しながら、水分散シリカゾル(日産化
学工業(株)製、商品名:MP−1040、数平均粒径
100nm、シリカ濃度40.7重量%)10gを添加
して、硬化性樹脂組成物(以下、塗布液B1と記載する
場合がある。)を調製した。
【0048】[塗布液の調製3]トリメチロールプロパ
ントリアクリレート50gと、トリメチロールプロパン
トリオキシエチルアクリレート47gと、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン3gとからなる混合物
に対して、イソプロピルアルコールを500gと、ME
K400gとを加えて、均一な混合溶液とした。この混
合溶液を攪拌しながら、水分散シリカゾル(日産化学工
業(株)製、商品名:MP−3040、数平均粒径31
0nm、シリカ濃度40.5重量%)10gを添加し
て、硬化性樹脂組成物(以下、塗布液B2と記載する場
合がある。)を調製した。
【0049】[塗布液の調製4]乾燥空気下、合成例1
で得られた反応性アルコキシシラン25gと、アンチモ
ンドープ酸化スズ分散液(石原テクノ(株)製、商品
名:SNS−10M、数平均粒径22nm、アンチモン
ドープ酸化スズ濃度27.4重量%)260gと、p−
ヒドロキノンモノメチルエーテル0.03gと、イオン
交換水0.3gとからなる混合液を、65℃、5時間の
条件で攪拌した。その後、オルト蟻酸メチルエステル8
gを添加し、さらに1時間同一温度で攪拌した。次い
で、室温まで冷却後、イルガキュア907(チバスペシ
ャルティケミカルズ(株)製)6.1gと、MIBK
1,708gとを混合して、硬化性樹脂組成物(以下、
塗布液B3と記載する場合がある。)を調製した。
【0050】[塗布液の調製5]塗布液B1 100g
に対して、イソプロピルアルコールを100gと、ME
K100gとを加えて、硬化性樹脂組成物(以下、塗布
液B4と記載する場合がある。)を調製した。
【0051】[塗布液の調製6]トリメチロールプロパ
ントリアクリレート50gと、トリメチロ−ルプロパン
トリオキシエチルアクリレ−ト47gと、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン3gとからなる混合物
に対して、イソプロピルアルコールを1,000gと、
MEK900gとを加えて、硬化性樹脂組成物(以下、
塗布液B5と記載する場合がある。)を調製した。
【0052】[実施例1] (1)耐擦傷性積層体の作製 調製例1で得られた塗布液Aを、ワイヤーバーコータ
(#30)を用いて、ポリエステルフィルムA4300
(東洋紡績(株)製、膜厚188μm、)上に塗工し、
熱風式乾燥炉中、80℃、1分間の条件で乾燥し、塗膜
を形成した。この塗膜を、大気中、高圧水銀ランプを用
いて、0.3J/cm2の光照射条件で紫外線硬化させ
て、膜厚22μmの硬化膜(硬化膜1)を形成した。次
いで、調製例1で得られた塗布液B1を、ワイヤーバー
コータ(#3)を用いて、硬化膜1上に塗工し、熱風式
乾燥炉中、80℃、1分間の条件で乾燥し、塗膜を形成
した。この塗膜を、大気中、高圧水銀ランプを用いて、
0.3J/cm2の光照射条件で紫外線硬化させて、最
低膜厚110nm、最高膜厚180nmの硬化膜(硬化
膜2)を形成した。さらに、硬化膜2上に、コート材で
あるオプスターJN7215(JSR(株)製)を、ワ
イヤーバーコータ(#3)を用いて塗工し、室温で5分
間風乾して、塗膜を形成した。この塗膜を、熱風式乾燥
炉中、120℃、1分の条件で加熱し、膜厚0.1μm
の表面層とし、耐擦傷性積層体とした。
【0053】(2)耐擦傷性積層体の評価 耐擦傷性 得られた耐擦傷性積層体の表面を#0000スチールウ
ールにより、荷重200g/cm2の条件で30回こす
り、耐擦傷性積層体の耐擦傷性を以下の基準から目視に
て評価した。得られた結果を表1に示す。 評価5:傷の発生が全く観察されなかった。 評価4:1〜5本の傷の発生が観察された。 評価3:6〜50本の傷の発生が観察された。 評価2:51〜100本の傷の発生が観察された。 評価1:塗膜剥離が観察された。 なお、評価3以上の耐擦傷性であれば、実用上許容範囲
であり、評価4以上の耐擦傷性であれば実用上の耐久性
が優れていることから好ましく、評価5の耐擦傷性であ
れば、実用上の耐久性が著しく向上することからさらに
好ましいといえる。
【0054】最低膜厚と最高膜厚の測定 得られた耐擦傷性積層体(断面)の電子顕微鏡写真か
ら、最低膜厚と最高膜厚とを測定した。
【0055】[実施例2〜5]実施例2〜6では、表1
に示すように、硬化膜2を形成する際の塗布液の種類等
を変更し、実施例1と同様に耐擦傷性積層体を作製し
て、評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0056】[比較例1〜3]比較例1〜3では、表1
に示すように、t2/t1の比率を本発明の範囲外の値と
した耐擦傷性積層体を作製して、評価を行った。得られ
た結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明の硬化物によれば、多官能(メ
タ)アクリレート化合物と、数平均粒子径が5〜500
nmの無機酸化物粒子と、硬化剤とを含有する硬化性樹
脂組成物からなり、当該硬化物断面における最低膜厚を
1とし、最高膜厚をt2としたときに、所定の関係式を
満足することにより、耐擦傷性に優れた構造体を提供で
きるようになった。したがって、例えば反射防止膜積層
体に適用した場合、屈折率を低下させるために表面側に
フッ素化合物や、ケイ素化合物等の耐擦傷性に乏しい樹
脂を使用したとしても、本発明の簡易な構造を採ること
により、優れた耐擦傷性を示す反射防止膜積層体を提供
することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の硬化物の断面における最低膜厚
(t1)および最高膜厚(t2)を示す図である。
【図2】本発明の硬化物を高屈折率膜とした反射防止膜
積層体の断面図である。
【図3】本発明の硬化物を高屈折率膜としたハードコー
ト層を含む反射防止膜積層体の断面図である。
【図4】本発明の反射防止膜積層体の断面写真である
(その1)。
【図5】本発明の反射防止膜積層体の断面写真である
(その2)。
【符号の説明】
12 基材 14 基準線 13 第2層の侵入部分 18 ハードコート層 20 高屈折率膜 22 低屈折率膜 24 反射防止膜積層体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 67:00 C08L 67:00 Fターム(参考) 4F006 AA35 AB39 AB42 AB43 AB74 BA02 CA05 DA04 4F071 AA33 AB18 AB26 AD06 AG05 AG12 AG15 AG34 AH02 AH12 BB02 BC02 BC12 4F100 AA17A AA19A AA20A AA25A AA33A AH06A AK25A AK42 AL05A AT00B BA02 BA07 CA02A DE01A EH46 EJ08 EJ54 GB41 JK12 YY00A 4J038 FA111 FA211 HA216 HA446 KA03 KA20 NA05 NA07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多官能(メタ)アクリレート化合物と、
    数平均粒子径が5〜500nmの無機酸化物粒子と、硬
    化剤とを含有する硬化性樹脂組成物からなる硬化物であ
    って、 当該硬化物断面における最低膜厚をt1とし、最高膜厚
    をt2としたときに、以下の関係式を満足することを特
    徴とする硬化物。 1.3≦t2/t1≦3
  2. 【請求項2】 前記硬化性樹脂組成物が、多官能(メ
    タ)アクリレート化合物として、反応性シラン化合物を
    含有することを特徴とする請求項1に記載の硬化物。
  3. 【請求項3】 前記多官能(メタ)アクリレート化合物
    が、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
    ト、トリメチロ−ルプロパントリオキシエチル(メタ)
    アクリレ−ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)
    アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)ア
    クリレートからなる群から選択される少なくとも一種の
    多官能(メタ)アクリレート化合物であることを特徴と
    する請求項1または2に記載の硬化物。
  4. 【請求項4】 前記無機酸化物粒子が、酸化ケイ素(S
    iO2)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化
    亜鉛(ZnO)、スズドープ酸化インジウム(IT
    O)、およびアンチモン酸亜鉛(AZO)、および酸化
    アルミニウム(Al23)からなる群から選択される少
    なくとも一種の無機酸化物粒子であることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化物。
  5. 【請求項5】 反射防止膜積層体、防汚膜、撥水膜、帯
    電防止膜、配向膜、プライマー層、カラーフィルター、
    蛍光膜、偏光膜、または導光フィルムの一部であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化
    物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬
    化物を含むことを特徴とする構造体。
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