JP2002159507A - 超音波治療装置 - Google Patents

超音波治療装置

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JP2002159507A
JP2002159507A JP2000361671A JP2000361671A JP2002159507A JP 2002159507 A JP2002159507 A JP 2002159507A JP 2000361671 A JP2000361671 A JP 2000361671A JP 2000361671 A JP2000361671 A JP 2000361671A JP 2002159507 A JP2002159507 A JP 2002159507A
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probe
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Application number
JP2000361671A
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English (en)
Inventor
Motoji Haratou
基司 原頭
Satoru Nomura
哲 野村
Yoshiharu Ishibashi
義治 石橋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実際の治療に則して、より使用勝手のよい超
音波治療装置を提供する。 【解決手段】 本発明にかかる超音波治療装置は、被検
体外に設置された超音波振動子から音響媒体SMに満た
されたプローブを介して病変部PXに超音波SSを到達
させる構成となるものである。ここでは特に、プローブ
先端部210に関する幾つかの特徴について述べると、
プローブ先端部210の内部には音響媒体漏出防止のた
めの薄膜隔壁211が備えられる。また、該先端部21
0の最先端部位には音響媒体供給口212及び吸引口2
13が備えられる。このうち供給口212によれば、音
響媒体SM1が前記最先端部位と臓器POの表面に供給
されるから、この部位における超音波SSの反射防止が
可能となる。また、吸引口213によれば、前記音響媒
体SM1が吸引されるとともに、臓器POの表面を吸着
することとなるから、プローブ先端部210の保持がし
やすくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波治療装置に
関し、特に、術者にとって使い勝手がよい(例えば、特
別な操作なく、超音波を被検体内部の目標地点に確実に
到達させること等が可能な)超音波治療装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、被検体内部の病変部等に強力な超
音波を照射し、該超音波が与えるエネルギにより前記病
変部等を焼灼してその治癒を果たす超音波治療装置が提
供されている。この超音波治療装置は、例えば腹腔鏡下
手術において、被検体の腹壁を貫くように開けられた孔
(多くの場合、直径が数ミリメートル程度)を通して導
入可能なプローブを備えている。そして、このプローブ
の先端には、強力超音波を発生する超音波発生振動子等
が備えられる(例えば特開平7−227394号公報等
その他参照)。
【0003】一方、上述のようにプローブ先端に超音波
発生振動子を配するのではなく、特開平10−2161
40号公報にいう「超音波治療システム」において開示
されているように、超音波発生源(超音波発生振動子)
を有する音響媒体槽を体外に配置し、前記超音波発生源
で発生させた強力超音波を、その内部が音響媒体で満た
されたチューブ状のプローブを介して伝播・導入するよ
うな超音波治療装置も提案されている。この場合、プロ
ーブの小型化が達成されその操作性が向上することにな
り、また、上記した被検体に開設する孔の大きさも小さ
くすることができるから、被検体にかける負担を軽減す
ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の超音波治療装置、また特開平10−216140号
公報に開示される「超音波治療システム」等において
は、これを実際の治療に適用する際に関し、以下に示す
ような問題を含んでいる点が指摘される。
【0005】まず一般に、病変部等の焼灼を効果的に行
うためには、前記プローブの先端部から放射される超音
波を当該病変部等に正確に到達させなければならない。
つまり、プローブ先端部と前記病変部等を含む臓器の表
面等との位置関係は一定でなければならない。また、そ
れのみならず、プローブ先端部と前記臓器表面との間に
は、「隙間」を生じさせないようにしなければならな
い。というのも、このような隙間において、音響インピ
ーダンスの異なる空気を挟み込むことになると、病変部
等に対する超音波の到達が困難となり、治療効果が減退
するからである。
【0006】この点、例えば上記特開平10−2161
40号公報における発明の実施の形態おいては、プロー
ブ先端部は、単に臓器表面等に「接触」させるというこ
とのみが開示されているだけで、それ以外の対処が施さ
れてない。したがって、超音波を病変部等に正確に到達
させ、かつ、プローブ先端部と臓器表面との間に隙間を
生じさせない、といった条件をクリアするためには、術
者自身が、プローブを常に良好な状態、すなわち決まっ
た位置及び角度等に保持しつづけなければならない。
【0007】しかしながら、このような使用態様は、術
者にとって単なる負担にしか過ぎず、また特に肝臓その
他の臓器等においては、一般に呼吸動があるため、上記
「接触」を常に良好な状態に保ちつづけることは一般に
困難である。要するに、従来の超音波治療装置は、その
使い勝手が必ずしもよくないという問題があった。
【0008】ちなみに、上記公報における実施形態にお
いては、超音波を集束させるために「凸型」の音響レン
ズが使用されることが示されているが、このような場
合、上記保持に係る困難さはより増大する。なお、通常
の音響レンズの音響インピーダンスは生体組織のそれよ
り大きいので、凸型音響レンズを使用することによれ
ば、音場は集束せず拡大してしまい、不必要な部分にま
で強力超音波が広がって無用な焼灼を生じさせるおそれ
がある。
【0009】さらに、そもそも超音波照射術実施以前
に、プローブ先端部を、上記臓器表面等その他の目標地
点に導入・到達させておく必要があるが、それは言うま
でもなく直視できない被検体内部で行われることとなる
から、一般に困難を伴う作業となる。この点について、
従来では、内視鏡による確認が行われてはいたが、これ
のみをもって上記困難性を減少させる有効な対策が採ら
れているとはいえなかった。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、実際の治療に則し
て、より使用勝手のよい超音波治療装置を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために以下の手段をとった。すなわち、請求項1記
載の超音波治療装置は、被検体外に設置される超音波発
生振動子を備えた治療装置本体と、その内部に音響媒体
を収容し、前記超音波発生振動子から発生した超音波を
被検体内の所定の部位に導きかつ照射することの可能な
プローブ本体とを有する超音波治療装置において、前記
プローブ本体は、その内壁面の殆どすべての点におい
て、当該内壁面上で定義される法線ベクトルと前記超音
波の進行主方向を示すベクトルとの角度が所定値以下と
されていることを特徴とするものである。
【0012】また、請求項2乃至4に記載の超音波治療
装置は、請求項1記載の同装置において、前記所定値は
135度であり(請求項2)、前記プローブ本体が、前
記被検体の外部の操作によってその屈曲の度合いを変更
することの可能な屈曲部を備え(請求項3)、前記プロ
ーブ本体は金属で構成される(請求項4)ことを特徴と
する。
【0013】また、請求項5記載の超音波治療装置は、
請求項1記載の同装置と同様な前提(前記治療装置本体
及び前記プローブ本体からなる構成、以下同じ。)を備
え、かつ、前記プローブ本体の一部を構成するプローブ
先端部の内部には、前記音響媒体が当該プローブ本体よ
り漏出することを防止する薄膜隔壁が備えられることを
特徴とするものであり、請求項6記載の超音波治療装置
は、請求項5記載の同装置において、前記薄膜隔壁の厚
さbは、前記超音波の波長をλとするときに、 b=nλ/2 (n=0,1,2,…) を満たすことを特徴とするものである。
【0014】請求項7記載の超音波治療装置は、請求項
1記載の同装置と同様な前提を備え、かつ、前記プロー
ブ本体の一部を構成するプローブ先端部は、前記所定の
部位乃至その近傍の目標地点に接する部位である最先端
部位を有し、当該最先端部位には、前記目標地点に音響
媒体を供給する音響媒体供給口と、その供給された音響
媒体を吸引するとともに該最先端部位を前記目標地点に
吸着させることの可能な音響媒体吸引口とが備えられる
ことを特徴とするものである。
【0015】また、請求項8乃び9に記載の超音波治療
装置は、請求項7記載の同装置において、前記音響媒体
供給口は、発泡金属又は毛細管を束にした構造により構
成されることを特徴とし(請求項8)、前記音響媒体供
給口及びこれに通ずる供給路又は/及び前記音響媒体吸
引口及びこれに通ずる吸引路は、前記プローブ先端部の
内部に設けられ、前記超音波を前記所定の部位に対し集
束又は拡散する音響レンズ内に形成されることを特徴と
する(請求項9)。さらに、請求項10記載の超音波治
療装置は、請求項9記載の同装置において、前記音響レ
ンズは凹型レンズであり、前記音響媒体吸引口は、当該
音響レンズの中央に配置・形成されることを特徴とする
ものである。
【0016】なお、請求項11記載の超音波治療装置
は、請求項1記載の同装置と同様な前提を備え、かつ、
前記プローブ本体の一部を構成するプローブ先端部は、
前記所定の部位乃至その近傍の目標地点に接する部位で
ある最先端部位を有し、当該最先端部位には、該部位を
前記目標地点に吸着させることの可能な吸引口が備えら
れることを特徴とするものである。
【0017】また、請求項12記載の超音波治療装置
は、請求項1記載の同装置と同様な前提を備え、かつ、
前記プローブ本体の一部を構成するプローブ先端部を通
じて射出される前記超音波の当該射出方向を指し示すこ
との可能な光学的マーキング手段を備えることを特徴と
するものであり、請求項13及び請求項16記載の超音
波治療装置は、請求項12記載の同装置において、前記
光学的マーキング手段は前記被検体外に設置される光源
と、該光源から発せられた光を導く光ファイバーとを少
なくとも有し、該光ファイバーの先端部が前記プローブ
先端部周囲に配置されることを特徴とし(請求項1
3)、前記光学的マーキング手段は光源として半導体レ
ーザを有することを特徴とする(請求項16)ものであ
る。
【0018】そして、請求項14及び15に記載の超音
波治療装置は、請求項13記載の同装置において、前記
光ファイバーは前記プローブ本体の周囲を螺旋状に巻き
付けられて配置されることを特徴とし(請求項14)、
前記光ファイバーは複数本あり、かつ、これら光ファイ
バーは、前記プローブ先端部を軸方向から望んだ際にお
いて、それら各々の先端部が対称的となるように配置さ
れることを特徴とする(請求項15)。
【0019】なお、請求項17記載の超音波治療装置
は、請求項13又は16に記載の同装置において、前記
光源は有色可視光を発することを特徴とする。
【0020】一方、請求項18記載の超音波治療装置
は、やはり請求項1記載の同装置と同様な前提を備え、
かつ、前記超音波発生振動子は、該超音波発生振動子に
おける前記超音波の発生する側が、前記プローブ本体に
接続された音響媒体槽内の前記音響媒体に接するよう
に、該音響媒体槽の壁を貫通して配置されることを特徴
とするものであり、請求項19記載の超音波治療装置
は、請求項18記載の同装置において、前記超音波発生
振動子を駆動するための信号を受けるとともに該超音波
発生振動子における前記超音波の発生する側に設けられ
る電極は、接地されることを特徴とする。
【0021】加えて、請求項20記載の超音波治療装置
は、請求項1記載の同装置と同様な前提を備え、かつ、
前記被検体外に設置される光源及び撮像素子と、その一
旦が前記プローブ本体の一部を構成するプローブ先端部
の内壁に回動自在に固定されて設けられる回動鏡と、前
記光源及び撮像素子と前記回動鏡との間における光の往
来を可能とする光ファイバーとを有する光学的モニター
手段が備えられ、前記回動鏡は、該回動鏡が前記プロー
ブ先端部を閉状態とするときには、前記光源より発せら
れ前記光ファイバーを介した光を反射して、これを前記
所定の部位乃至その近傍の目標地点に送るとともに、前
記目標地点で反射した光を反射して、これを前記光ファ
イバーを介して前記撮像素子に送り、該回動鏡が前記プ
ローブ先端部を開状態とするときには、前記プローブ先
端部のうち前記目標地点に接する部位である最先端部位
に対して前記超音波を到達可能とすることを特徴とする
ものである。
【0022】最後に、請求項21記載の超音波治療装置
は、請求項1記載の同装置と同様な前提を備え、かつ、
前記プローブ本体の一部を構成するプローブ先端部にお
いて前記所定の部位乃至その近傍に接する部位に設けら
れ所定の張力を与えられた弾性樹脂膜と、光源から発せ
られた光を反射可能であって、その一旦が前記プローブ
先端部の内壁に回動自在に固定されて設けられる回動鏡
を有し、前記プローブ先端部を通じて射出される前記超
音波の当該射出方向を指し示すことの可能な光学的マー
キング手段とを備え、前記回動鏡は、該回動鏡が前記プ
ローブ先端部を閉状態とするときには、前記光源より発
せられた光を反射して、これを前記弾性樹脂膜に送り、
該回動鏡が前記プローブ先端部を開状態とするときに
は、前記弾性樹脂膜に対して前記超音波を到達可能とす
ることを特徴とするものであり、請求項22記載の超音
波治療装置は、請求項21記載の同装置において、前記
弾性樹脂膜は前記プローブ先端部の側壁に設けられ、前
記回転鏡を反射した光を反射して前記弾性樹脂膜に送る
ことが可能であるとともに前記超音波を反射・集束する
ことの可能な回動自在の回転鏡が備えられることを特徴
とする。
【0023】
【発明の実施の形態】以下では、本発明の第一の実施の
形態について図を参照しつつ説明する。図1は、本第一
実施形態に係る超音波治療装置の構成例を示す概要図で
ある。図1において、この超音波治療装置1は、その内
部に音響媒体SMを収容し長尺に形成されたプローブ本
体21を有するプローブ2と、図示するように各種構成
を擁する治療装置本体3とから、大きく構成されてい
る。
【0024】これらによれば、治療装置本体3に備えら
れた超音波発生振動子32から発生した強力超音波(以
下、単に「超音波」ということもある。)SSを、音響
媒体槽31及びこれに接続されたプローブ2内に満たさ
れた音響媒体SM中を伝播させ、最終的にプローブ2の
先端部(ないしその先の被検体P内の病変部PX)に到
達させる、という基本的作用を実現することが可能であ
る。なお、上記にいう病変部PXとはつまり、超音波S
Sによって焼灼されるべき部位であって、本発明にいう
「所定の部位」に該当する。これは、図1に示すように
臓器POの内部に位置する場合もあるし、また、場合に
よっては臓器POの表面に位置する場合もある。
【0025】以下では、上記各構成要素及びその基本的
作用が如何にして実現されるかにつき詳細な説明を行
う。
【0026】まず、プローブ2は、屈曲部21aを有す
るプローブ本体21、操作者ないし術者Dが本プローブ
2を把持する部位たる操作部22、前記屈曲部21aの
屈曲の度合いを、例えば適当な材質により構成されたワ
イヤーの繰り出し及び巻き取りにより調整することが可
能な屈曲調整用リール23等から構成されている。
【0027】プローブ本体21は、図1の要部を抜書し
た図2に示すように、そのいずれもがチューブ状ないし
パイプ状に形成された、既述の屈曲部21a、該屈曲部
21aを挟んで剛性部21b及び21c、並びに音響媒
体槽31付近の収束部21d等から構成され、いずれも
その内部に音響媒体SMを収容している。なお、この音
響媒体SMとしては、扱いやすさや人体に対する安全性
を考慮して、多くの場合「脱気水(溶存ガスを除去した
水)」が利用される。
【0028】上記各部のうち屈曲部21aと収束部21
dについては、例えば図3に示すように、互いに係合し
合う螺旋管が軸方向に延在するような構成を有し、屈曲
可能であるが上記音響媒体SMの外部への漏出を防止す
ることが可能な構造となっている。また、屈曲部21a
については、その端部において、図4に示すように、屈
曲調整用リール23から繰り出されたワイヤーWが係合
されており、これを引っ張る(該リール23による巻き
取りを実施する)ことで、屈曲の度合いを調整すること
が可能な構成となっている。ちなみに、このような構造
は、現状広く使用されている内視鏡におけるものと同等
であると考えてよい。ただし、本発明においては、この
ようなワイヤー機構に代えて、形状記憶合金とヒータを
組み合わせたアクチュエータ等を利用するような構成と
しても一向にかまわない。
【0029】また、上記屈曲部21a、剛性部21b及
び21c並びに収束部21dの材質としては、一般的に
言えば、超音波SSの反射特性があるもの、あるいは該
特性に優れたものであればよい。また、より好ましく
は、当該材質として、前記音響媒体SM又は煮沸減菌や
減菌処理の過程で使用されるEOG(ethylene oxide g
as)等で腐食したり、有害イオンを溶出したりしないも
のであればよい。
【0030】このような条件を満たすものとしては、具
体的に例えば、ステンレス、チタン、真鍮、アルミニウ
ム等その他の金属を採用し得る。また、この他、これら
の金属を本体とし、その内壁面に例えばテフロン(登録
商標)等その他の耐熱性樹脂により薄膜を形成したもの
等を利用することが可能である。このような樹脂薄膜を
形成した材質によれば、超音波SSを吸収することによ
り発熱が生じたとしても、当該熱は背後の金属により吸
収されることとなり、例えば内壁面が融解する等といっ
た不具合が発生しない。なお、本発明においては、上で
述べた基準を指標として、その他基本的に如何なる物質
を利用するようにしてもよい。
【0031】ここで、上記プローブ本体21に関し、本
実施形態において特に注目すべきは、該プローブ本体2
1の内壁面で反射した超音波SSの殆どが、必ず進行方
向(図2、図4中、符合SSの付された矢印参照)に進
むことにある。
【0032】このような作用を実現するため、本実施形
態におけるプローブ本体21は、具体的に次のような構
成をとる。すなわち、その内壁面の殆どすべての点にお
いて、当該内壁面上で定義される法線ベクトルと超音波
SSの進行主方向を示すベクトルとの角度が、135度
以下とされている(図2参照)。ここに、超音波SSの
進行主方向とは、プローブ本体21の両内壁から等距離
にある地点を該プローブ本体21の延在する方向に連ら
ねた曲線において、この曲線上の任意の点で定義される
接線の方向のことをいう。
【0033】なお、上記プローブ本体21においては、
屈曲部21aや収束部21dが存在しているから、これ
らに関し、上記「内壁面上で定義される法線ベクトル」
ということをより厳密に言えば、当該屈曲部21aや収
束部21dにおける内壁の「包絡面(螺旋管部分の最も
突出した部分を繋いだ包絡線の集合たる面)」上で定義
される法線ベクトル、ということができる。
【0034】また、上記で「殆どすべての点において」
というのは、字義通り、上記条件、すなわち135度以
下という条件を「あらゆる点において」満たす必要はな
いことを意味する。より具体的には、屈曲部21aの屈
曲の度合いが強い場合には、上記条件が満たされない場
合のあることが容易に推測されるところであるが、本発
明は、このような場合もその範囲内に収めるものであ
る。要は、チューブ本体21の内壁面で多重反射する超
音波SSの「殆ど」が、本来の進行方向へ向けて供給さ
れるようになっていればよいのであって、そのために
は、「殆どすべての点において…135度以下」なる条
件を満たせば十分なのである。本発明は、いま述べたよ
うな趣旨の下、解釈される。
【0035】なお、本発明においては、プローブ本体2
1として、上記のような構成に限定されるものではな
く、例えばその全体が、屈曲部21a又は収束部21d
のように螺旋管構造(屈曲可能な構造)とされているも
の、また、屈曲部として関節構造を有するものや、該プ
ローブ本体21の全体が剛性部21b及び21cのよう
な構造とされているもの等であってもよい。後者につい
ては、屈曲しない構造となるが、これは例えば図5に示
すようなものとなる。ちなみに、このような場合におい
ても、殆どすべての任意の点においてその内壁面で定義
される法線ベクトルと超音波SSの進行主方向を示すベ
クトルとのなす角度が、135度以下なる条件を満たす
ことは同様である。
【0036】以上のような構成により、超音波発生振動
子32から発生した強力超音波SSは、プローブ本体2
1内壁面で反射を繰り返すようなことがあっても、本来
の進行方向に進むこととな。したがって、超音波発生振
動子32方面へ戻ってくる超音波の生じることを極力抑
えることが可能であるとともに、超音波SSを、プロー
ブ2の先端部に効率よく導くことが可能となる。
【0037】さて次に、プローブ本体21の一部を構成
するプローブ先端部210についての説明を行う。ここ
に、プローブ先端部210とは、図1、図2及び図5に
示すように、被検体P内部の臓器POに接する部位、ま
たその接する部位近傍に該当する。その構成は、概ね図
6又は図7に示すようなものとなり、概略、薄膜隔壁2
11、音響媒体供給口(第一の開口部)212、音響媒
体吸引口(第二の開口部)213及び音響レンズ214
等を備えている。また、図6及び図7には示されていな
いが、プローブ先端部210には、後述するように、光
学的マーキング手段215も備えられている。
【0038】薄膜隔壁211は、プローブ先端部210
から音響流によって音響媒体SMが流出するのを防止す
るため、該先端部210の最先端部位(臓器POと直に
接する部位、以下同じ。)からやや奥まった部位に設け
られ、プローブ2に関する密閉構造を確保する。なお、
音響流とは、超音波SSの進行に伴い発生する物理力で
あり、これにより音響媒体SMが流動等することをい
う。また、薄膜隔壁211は、超音波SSを臓器PO表
面及び病変部PXに殆ど減衰させずに到達させる機能、
すなわち超音波SSの透過特性を備えている。
【0039】より具体的に、このような薄膜隔壁211
の材質としては、適当な金属(例えばステンレス、例え
ば特にステンレス347等)で構成するほか、耐熱性を
備え十分な強度があるような樹脂薄膜、ゴム膜(例えば
イソプレン・ラバー膜)等で構成し得る。
【0040】また、薄膜隔壁211の厚さは、射出する
超音波SSの周波数が単一の場合、その半波長の整数倍
に該厚さを一致させると、超音波SSの透過率が大きく
なることが知られていることに鑑み、決定することがで
きる。すなわち一般に、厚さbの平面平行板に、波長λ
1の音波が垂直に入射する場合には、 b=nλ1/2(n=0,1,2,…)…(1) なる条件が満たされるとき、理論的には、音波は完全透
過することが知られている。言い換えれば、当該平面平
行板によっては、強力超音波SSは殆ど減衰されないこ
ととなる。
【0041】また、b≪λ1であるような場合、すなわ
ち前記平行平面板が“薄板”であるような場合であっ
て、かつ、これを水や油に浸したような場合には、当該
薄板についての音波の透過率は、一定振動数では、板の
質量だけに依存し、材質によらないとされている(以
上、実吉純一、菊池喜充、能本乙彦監修、「超音波技術
便覧(新訂版)」、p74−p76参照(日刊工業新聞
社発行、昭和35年11月25日初版発行、昭和53年
7月20日新訂初版発行))。
【0042】具体的に、縦波音速及び一定周波数をそれ
ぞれ5790m/s及び1.6MHzとすれば、この薄
膜隔壁211の厚さb0は、(1)式を用いて、 b0=(5790・(1.6×106))÷2≒1.8m
m にすればよいことがわかる。なお、上記では、薄膜隔壁
211をできるだけ薄くするという要求を考慮して、
(1)式におけるnを“1”としている。
【0043】なお、このような薄膜隔壁211により、
プローブ2ないし音響媒体槽31は、音響媒体SMを封
入するという意味において密閉系を構成することになる
が、ただし、ここにいう「密閉系」とは、「完全な」密
閉である必要はない。例えば冷却目的等のため音響媒体
SMを所定の系で循環させる場合等には、少なくとも超
音波SSがプローブ先端部210に伝達される領域内に
関しては音響媒体SMが満たされている、という意味に
おける「密閉系」であればよい。
【0044】具体的には、図8又は図1に示すように、
治療装置本体3内に備えられる音響媒体槽31に、例え
ば音響媒体SMの腐敗や、音響媒体槽31等に音響媒体
SMを常時満たしておくことにより生じるおそれのある
金属等の溶出等を避けるため、音響媒体循環系33を設
けるような場合においては、厳密に言うと一部が開放さ
れた「開放系」となる。もっとも、この音響媒体循環系
33を含む全体の系に関して言えば、上記薄膜隔壁21
1の存在により、プローブ2ないし音響媒体槽31は密
閉系を構成する、とはいえよう。いずれにしても、上記
したように、超音波SSが通過する領域内に音響媒体S
Mが満たされていればよい、ということが最も根本的な
規範であることに変わりはない。
【0045】ちなみに、上記音響媒体循環系33は、図
8に示すように、供給系と貯留系とに大きく分かれ、供
給系は、音響媒体SMを供給路331を介して音響媒体
槽31ないしプローブ本体21に対し供給する供給タン
ク332、前記供給タンク332内の音響媒体SMを音
響媒体槽31等に送り込む動力源たるポンプ333等か
らなり、貯留系は、音響媒体槽31から排出路334を
介して流れてくる音響媒体SMを貯留する貯留タンク3
35等からなっている。また、このような音響媒体循環
系33には、前記供給タンク332に対しその中の音響
媒体量を検知する液面センサ336が、前記供給路33
1及び前記排出路334に対しその各々の途上に設置さ
れる液切れセンサ337及び338が設置され、適宜、
液量のチェックを行い得るようになっている。なお、図
1においては、上記のうち、液面センサ337及び33
8の図示が省略されている。
【0046】次に、音響媒体供給口212及び音響媒体
吸引口213は、図6又は図7に示すように、いずれも
プローブ先端部210の最先端部位に設けられた開口部
である。このうち、音響媒体供給口212(以下、単に
「供給口」と略す。)は、臓器POの表面に音響媒体S
M1を供給するためのものである。また、音響媒体吸引
口213(以下、単に「吸引口」と略す。)は、前記供
給口212から供給された音響媒体SM1を吸引するた
めのものである。
【0047】これら供給口212及び吸引口213の具
体的形状は、例えば図6又は図7に示すように、前者
(供給口212)が、プローブ先端部210の最先端部
位周囲を取り巻くように、略円形状の開口部として形成
される一方、後者(吸引口213)が前記略円形の中心
と位置的に対応した形で、かつ、プローブ先端部210
に設けられる音響レンズ214の中心に位置するよう
に、単純な一つ孔の開口部として形成される。
【0048】ここに、音響レンズ214は、その音響イ
ンピーダンスが生体組織のそれより大きい材質により構
成され、その形状が、前記プローブ本体21、薄膜隔壁
211を透過してきた超音波SSを集束させるため、
「凹型」のものとして形成されている。より具体的に
は、その材質として、例えば透明な材質である溶融石
英、人工サファイア等を用いることが可能であるが、不
透明であっても特段不都合はない。
【0049】供給口212は、図6又は図7に示すよう
に、プローブ先端部210内の空洞部であって前記薄膜
隔壁211の外方(=よりプローブ2先端側)に位置す
る充填室216と連通するとともに、図1に示すよう
に、その途上にポンプ212a(治療装置本体3内)を
備えた供給路212bと連通している。また、この供給
路212bは前記音響媒体循環系33を構成する供給タ
ンク332に接続されている。すなわち、本実施形態に
おいては、プローブ本体21と供給口212とに関し別
経路を介して音響媒体SM及びSM1が供給されるよう
になってはいるが、供給タンク332については、共通
に使用される形態となっている(上記にいう音響媒体
「SM1」なる符合は、このような事情を指してい
る)。なお、上記供給タンク332は減菌されており、
かつ、例えば減菌精製水や脱気水等の被検体Pに対し無
害な音響媒体SMを蓄えている。
【0050】また、供給「口」212は、発泡金属構造
又は毛細管を束にしたような構造を有している。このう
ち発泡金属とは、金属内に多数の微細な気孔が形成され
ており、気体・液体が通過できる構造を有する金属材料
のことをいう。例えば三菱マテリアル社製のスラリー発
泡法による発泡金属によれば、気孔率が90〜97%ま
で高率化された発泡金属が発表されている。このような
構成によれば、音響媒体SM1は、いわば滲み出てくる
ような状態で供給口212から浸出することとなるか
ら、臓器POの表面上に満遍なく音響媒体SM1を供給
することが可能となる。なお、前記ポンプ212aの出
力等を調整することにより、音響媒体SM1にかける圧
力(又はその流量)を変化させ、前記浸出させる量を加
減することが可能なことは勿論である。
【0051】一方、吸引口213は、図6又は図7及び
図1に示すように、該吸引口213の地点を負圧にする
ためのポンプ213a(治療装置本体3内)をその途上
に配置した吸引路213bと連通している。また、この
吸引路213bには、図1に示すように、該吸引路21
3b内の音響媒体SM1の量を検知する液切れセンサ2
13cが配置されるとともに、その最終端には、吸引済
みタンク213dが接続されている。
【0052】なお、吸引口213、あるいは吸引路21
3bの口径は、次のような事情に基づき決定し得る。す
なわち、図6及び図7に示すように、吸引路213bを
超音波SSの進行する領域内に配置する場合において
は、該吸引路213b内に空気が存在しうる場合(例え
ば、音響媒体SM1の吸引完了後、空気を吸い込むよう
な状況)があり、これにより超音波SSを反射させてし
まうことが考えられるから、該吸引路213bの「太
さ」は可能な限り小さい方が好ましい。しかしながら一
方で、これをあまりに細くすると、臓器POの表面近傍
に浮遊している組織破片等のごみを吸い込むことによっ
て目詰まりさせる可能性が高くなる。
【0053】結局、吸引口213及び吸引路213bの
口径は、上記のような事情を勘案して最適なものを選択
・決定することができる。なお、吸引路213b内に空
気が存在することにつき何らの懸念も生じさせないよう
にするためには、そもそも、該吸引路の配すべき位置
を、超音波SSの進行領域から外すような工夫があって
もよい。また、上記目詰まりということに対処するため
には、口径を大きくする他、適当なフィルタを配するこ
と等も考えられよう。
【0054】また、この吸引口213は、既に述べたよ
うに、凹型の音響レンズ214の中央に一致するよう、
つまり該凹型形状の最低部(図6及び図7で言えば、最
「上」部ということになる。)に位置するように形成さ
れている。したがって、この吸引口214によれば、前
記ポンプ213aの作用とも相俟って、いわば「吸盤」
に類似する構造ないし作用を呈することとなり、結果、
臓器PO表面へのプローブ先端部210の密着、吸引な
いし保持がしやすくなる。
【0055】さて次に、プローブ先端部210には上記
構成の他、図9及び図1に示すように、光学的マーキン
グ手段215が付設されている。図9及び図1におい
て、この光学的マーキング手段215は、図1中の治療
装置本体3内に配設される光源215A、レンズ系21
5B、前記光源215Aから発され前記レンズ系215
Bを介した光を、プローブ先端部210に導くための光
ファイバー215C、該光ファイバイー215Cの先端
部に設けられるマイクロレンズ215D等から概ね構成
されている。
【0056】光源215Aは、本実施形態において、有
色可視光(白色以外で肉眼で認識可能な光、より好まし
くは「見えやすい」光。例えば、赤色、青色、緑色等)
を発する構成となっている。その理由は、後述する本装
置1の作用効果説明時に述べる。
【0057】光ファイバー215Cは、図10にその概
略詳細が示されているように、クラッド215C1及び
コア215C2(いずれも周知)から構成されている。
また、本実施形態におけるこの光ファイバー215C
は、図9及び図1に示すように二筋の光を射出すること
が可能なよう、二本用意されるとともに、プローブ先端
部210を通じて射出される超音波SSの当該射出方向
(そのうち例えば超音波SSが最大圧力である方向を選
ぶことができる)に略平行な光を発することが可能なよ
うに配置されている。つまり、二本の光ファイバー21
5Cの先端部及びその極近傍は、プローブ先端部210
の軸線に沿って配置され、該光ファイバー215Cから
発せられた光は、超音波SSの射出方向を指し示すこと
となる。
【0058】マイクロレンズ215Dは、図10に示さ
れるように、その形状が概略凸型レンズであって、前記
光ファイバー215Cの先端部から射出される光の広が
り角を抑え、これを概ねビーム形状にする作用を有す
る。より具体的には、このマイクロレンズ215Dとし
て、例えばリコー化学社製のマイクロレンズ(特注品供
給が通常であるため、一般的な製品形式名をここではあ
げない。)等を利用することが可能である。
【0059】以上のような構成により、プローブ先端部
210を臓器POの表面に近づけさせる際において、術
者Dは、内視鏡を見ることを通じて、該先端部210が
被検体P内部で正しく進行しているか否かを判断するこ
とが可能となり、また、該先端部210を正しく誘導す
ることが可能となる。これが可能となるは、プローブ先
端部210における前記光ファイバイー215Cから、
二筋の光が投射されることによるものであり、また、術
者Dは、この光を頼りに該先端部210の操作を行うこ
とができるからである。なお、このような効果は、図9
等に示す構成から明らかなように、プローブ先端部21
0が前記屈曲部21aによって屈曲されているか否かに
かかわらず享受し得る。
【0060】なお、図9においては、プローブ本体21
の全体が、図5に示すような剛性部のみにより構成され
ている場合(屈曲しない構造)における光ファイバ21
5Cの配置手法が特に図示されている。この図から明ら
かなように、光ファイバー215Cは、プローブ本体2
1の周囲に螺旋状に巻き付けるような形で配置すると好
ましい。このようにすれば、光ファイバー215Cが徒
に弛むといったことがなく、安定した使用をすることが
できる。なお、プローブ本体21において、上述した屈
曲部21a等を含む場合においても、上記考え方を適用
し得ることは当然である。
【0061】また、上記では、二本の光ファイバ215
Cが用意されるとしたが、本発明は、このような形態に
限定されるものではない。例えば三本以上の光ファイバ
ー215Cを設けるような形態は勿論、光ファイバー2
15Cを一本のみ設けるような形態としてもよい。た
だ、本発明の目的からすれば、光ファイバー215Cは
複数設け、かつその複数の光ファイバー215Cは、そ
れら各々の先端部が、プローブ先端部210を軸方向か
ら臨んだ場合において対称的となるように配置される形
態が好ましいとは言えよう。というのも、このような形
態であるほうが、超音波射出口の中心部分の現在位置の
特定が行い易いからである。
【0062】以上説明した事項が本実施形態におけるプ
ローブ2の概略構成であるが、一方、図1に示す治療装
置本体3、とりわけ音響媒体槽31及び超音波発生振動
子32等ついては、本実施形態において次のような構成
を採る。
【0063】まず、音響媒体槽31は、図1に示すよう
に、その内部が音響媒体SMにより満たされており、か
つ、前記プローブ2に接続されている。また、既に述べ
たように、この音響媒体槽31とプローブ2とは、音響
媒体SMを封入するという意味において「密閉系」を構
成する。さらに、該媒体槽31には、図8に示したよう
に音響体循環系33を設けうる。
【0064】さらに、この音響媒体槽31には、図1の
要部を抜書した図11に示すように、ヒートシンク31
1及び冷却ファン312が、その壁面に沿って付設され
ている。ここに、ヒートシンク311は、例えば熱拡散
率の大きい適当な金属材料(例えばアルミニウム等)に
より構成すればよい。これにより、音響媒体SMが蓄え
る熱を、外部に放出することが可能となる。
【0065】一方、超音波発生振動子32は、板状の圧
電セラミックス振動子であって、その両面において電極
321及び322が形成されている。その具体的な構成
としては、例えば銀の焼きつけ塗装によるものや、ニッ
ケルめっきによるもの等を選択し得る。つまり、これら
の場合においては、「銀」及び「ニッケル」がそれぞれ
電極321及び322の材質ということになる。
【0066】そして、本実施形態において特徴的なの
は、図11に示すように、この超音波発生振動子32が
音響媒体槽31の壁を貫通して配置されている点にあ
る。したがって、超音波振動子32の片側に設置され
る、超音波SSの発生する側の電極321は、音響媒体
SMと直接に接する電極となる(以下、これを「前面側
電極321」といい、反対側の電極を「後面側電極32
2」という。)。
【0067】このような構成により、例えば特開平10
−216140号公報で示されているように、音響整合
層や媒体層の壁を介して超音波を伝播する構成(同公
報、図2参照)とは異なり、前面側電極321から発生
した超音波SSを音響媒体SMに伝達するに際し、その
エネルギ損失を小さく抑えることが可能となる。
【0068】なお、前面側電極321は、上記したよう
に、音響媒体SM1に直接にふれることとなるから、そ
の材質としては、好ましくは耐腐食性を有するものを採
用するのが好ましい。この点、上記した具体例によれ
ば、「ニッケルめっき」による電極形成を採用するとよ
い。
【0069】また、前記前面側電極321及び後面側電
極322には、図1又は図11に示すように、超音波発
生振動子32を駆動するための電気信号を送信する導線
321a及び322aが接続されるとともに、これら導
線321a及び322aは、アイソレーション機能を有
するマッチング回路323(例えば高周波トランス等)
に接続されている。そして、このマッチング回路323
の一次側には、高周波パワーアンプ324及び発信器3
25が接続されている。
【0070】このようなマッチング回路323及び前面
側電極321を接地(図11中、「GND」参照)させ
ることにれば、前記高周波パワーアンプ324の出力側
を直流的に絶縁した上で、前面側電極321の電位を常
に接地電位に等しく保ったまま、超音波発生振動子32
の駆動ができることになる。したがって、前面側電極3
21が音響媒体SMに直接に接していることにより若干
懸念される、感電(電極321、音響媒体槽31及びプ
ローブ2内の音響媒体SM及び臓器POの順に至る電気
の流れ)の発生を未然に防止することが可能となり、電
気的な安全が図られることになる。
【0071】なお、治療装置本体3内におけるその他の
構成としては、図1に示すように、操作パネル34及び
コントロールユニット35等が設置される。操作パネル
34は例えば各種スイッチやボタン等を備え、本装置1
に関する各種の操作指令を適宜与えるためのものであ
り、コントロールユニット35は、前記操作指令によ
り、又は場合により自動的に、本装置1を構成する各種
要素を調和的に制御・動作させるためのものである。
【0072】ちなみに、図1においては、コントロール
ユニット35から発せられる動作指令A乃至Eが、それ
ぞれ、光学的マーキング手段215の光源215A(指
令A)、供給路212bの途上に設けられるポンプ21
2a(指令B)、吸引路213bの途上に設けられるポ
ンプ213a(指令C)、音響媒体循環系33のポンプ
333(指令D)、及び超音波発生振動子32を駆動さ
せるための高周波パワーアンプ324(指令E)に伝達
されることが、また、該ユニット35に対しては、吸引
路213b内の音響媒体SM1の量を検知する液切れセ
ンサ213c及び音響媒体循環系33の供給タンク33
2に設置される液面センサ336から検出信号F及びG
が、それぞれ送られてくることが、特に示されている。
【0073】以下では、上記構成例となる本実施形態の
超音波治療装置1についての作用効果に関する説明を行
う。
【0074】先ず本装置1により超音波照射による焼灼
術を執り行う術者Dは、図1に示すように、被検体Pの
腹壁PWを貫通するようにトラカールカニューレ4(以
下、単に「トラカール」という。)を装着する。図1に
おいては、前記プローブ本体21を挿通させるためのト
ラカール4と、図中上方に示されているように、光学内
視鏡5を挿通させるためのトラカール4Aとを設けてお
く。なお、ここにいうトラカール4及び光学内視鏡5
は、公知のものを使用すればよい。
【0075】次に、術者Dは、プローブ2における操作
部22を把持してプローブ本体21をトラカール4内に
挿通させ、そのプローブ先端部210が、病変部PXを
含む直線と臓器PO表面とが交差する点(以下、「目標
地点」という。なお、上述したように病変部が臓器PO
表面に位置する場合等は、それそのものが「目標地点」
である。)に到達するように、該プローブ本体21の位
置を適宜変更しながら腹腔PH内を移動する。この際、
屈曲調整用リール23を用いて、プローブ本体21の屈
曲部21aを適宜屈曲させながら、前記目標地点を探索
するようにしても勿論よい。なお、このような探索は、
光学内視鏡5に搭載されている照明装置(通常、白色光
源)により明るく照らされた臓器PO表面を視認しつつ
行われることになる。
【0076】そしてこのとき、本実施形態における超音
波治療装置1においては、上記光学的マーキング手段2
15の作用効果が発揮される。すなわち、図9又は図1
に示すように、プローブ先端部210には、その軸線に
沿って二本の光ファイバー215Cが設けられているか
ら、これらの先端から射出されたビーム状の光は、臓器
POの表面において二つの光マーキングM(図9参照)
を形成することとなる。そして、これら二つの光マーキ
ングMに挟まれた部分が、超音波SSの射出方向である
から、術者Dは、これを頼りにプローブ先端部210を
目標地点に位置付けることが可能となるのである。
【0077】なおこの際、臓器POの表面は、前記光学
内視鏡5の照明装置により白色に照らされているが、本
実施形態における光学的マーキング手段215によれ
ば、上述した通り、光源215Aの発する光が有色可視
光であるから、その視認性に何ら問題を生じさせない。
つまり、本実施形態においては、通常の光学内視鏡5と
の併用が可能である。
【0078】加えて、上記光学的マーキング手段21
5、ないしこれを光ファイバー215Cにより構成する
こと、の利点として、「光」マーキングMであること
から被検体Pに対する安全性を確保することができる、
プローブ本体21の「太さ」を最小限に抑えることが
可能であるから、腹壁PWに開ける孔のサイズを小さく
抑えることが可能となる(図9又は図1における光ファ
イバー215Cの配置態様、参照)、光源215A等
の構成が被検体Pの外に置かれるから、これによっても
プローブ本体21の「太さ」を最小限に抑えることが可
能である、等の効果を享受し得る。
【0079】さて、このようにして術者Dは、前記目標
地点にプローブ先端部210を容易に到達させた後、操
作パネル34を通じた指令によって、プローブ先端部2
10における供給口212から音響媒体SM1を浸出さ
せるとともに、吸引口213からその浸出した音響媒体
SM1を吸引するため、ポンプ212a及び213aの
動作を開始させる。
【0080】このことにより、既に図6及び図7を参照
して説明したように、プローブ先端部210の最先端部
位と臓器POの表面との間には、音響媒体SM1が存在
することとなるとともに、吸引口213を通じた吸引力
により、臓器POの表面は前記最先端部位に吸着するこ
ととなり、プローブ先端部210は前記目標地点に一致
した状態で保持されることとなる。これはすぐ後に予定
される焼灼術の実施最中にあっても変化はない。
【0081】以上の準備段階を経たら、術者Dは、操作
パネル34を通じて超音波振動子32の駆動を開始させ
て超音波SSを発生させ、これを、音響媒体槽31、プ
ローブ本体21を通じて臓器POの表面、そして病変部
PXに到達させて、焼灼術を開始する。
【0082】この超音波SSの伝播は、音響媒体槽3
1、プローブ本体21、薄膜隔壁211、充填室216
及び音響レンズ214の順に行われることになる。この
うちプローブ本体21においては、その内壁の法線ベク
トルと超音波SSの進行主方向を示すベクトルとの角度
が135度以下とされていたから、エネルギの無駄なく
超音波SSの伝播が可能となっている。また、薄膜隔壁
211は、上述したように、上記所定の厚さに構成等さ
れているから、何ら問題なく超音波SSを透過させる
(しかし、音響媒体SMは通さない)。また、充填室2
16は、音響媒体SM1で満たされているから、超音波
SSは、ここにおいても何ら問題なく伝播する。
【0083】そしてまた、本実施形態においては、プロ
ーブ先端部210と臓器POの表面との間には前記供給
口212から浸出した音響媒体SM1が存在しているか
ら、この地点における音響インピーダンスの急激な変化
がなく、超音波SSは、当該地点をも何ら問題なく通過
する(=当該地点における超音波SSの反射が殆どな
い)こととなり、結果、該超音波SSに関しエネルギ損
失を殆ど生じさせることなく、これを病変部PXに至ら
しめることが可能となる。
【0084】加えて、プローブ先端部210は、上記し
たように、臓器POの表面に対して吸着保持された状態
にあってその位置の変動が生じ難いこととなっているか
ら、従来のように、術者Dをして、該先端部210の位
置を保持するための操作を行わせる必要がない。したが
って、本実施形態における放射線治療装置1は、その操
作性が極めて優れているということがいえる。また、こ
の吸着保持されるという点は、単に操作性向上という効
果をもたらすだけでなく、超音波SSの病変部PXに対
する効率的な到達という効果に資することも明らかであ
る。
【0085】なお、このような焼灼術実施中において、
プローブ先端部210の臓器POの表面に対する吸着が
たとい外れたとしても、即座に元通りの吸着状態に復帰
させるため、少なくとも超音波照射中は、供給口212
から音響媒体SM1が常時供給され、吸引口213は常
時負圧に引いた状態にて使用することが好ましい。
【0086】以下では、上記第一実施形態に関する補足
説明を行う。まず、上記においては、供給口212の構
造が、発泡金属等とされると述べたが、本発明はこのよ
うな形態に限定されるものではない。例えば図12に示
すように、供給口212Xを、吸引口213が単純な一
つ孔の開口部として形成されていたのと同様な構造の開
口部として形成するようにしてもよい。この場合におい
ては、図12に併せて示すように、二つの開口部(供給
口212X及び吸引口213)を並列させて穿った音響
レンズ214Xを使用する形態となろう。
【0087】また、上記図6及び図7では、供給口21
2の開口部形状がプローブ先端部210の最先端部位周
囲を取り巻くように略円形状とされていたが、これに代
えて、例えば図13に示すように、吸引口213Cの開
口部形状を同略円形状とするような形態とし、供給口2
12Xは、上記図6及び図7における吸引口213のよ
うな、あるいは上記図12において説明した供給口21
2Xのような形状・配置形態とすることも可能である。
すなわち、この場合においては、供給口212X及び吸
引口213Cの配置関係が、図6及び図7とはちょうど
逆になったものといえる。このような構成によれば、音
響媒体SM1はプローブ先端部210の中心から浸出し
て周囲に拡散し、これを円形状の吸引口213Cにより
吸引するといった作用形態となる。
【0088】さらに、吸引口213について、本発明
は、上記図6及び図7のような構造に限定されるもので
はない。例えば、吸引口213そのものの開口形態につ
いては変更を加えないものの、図14又は図15に示す
ように、該吸引口213とこれに連通する吸引路213
bとの双方に連通するアスピレータ213eを新たに設
けるような形態とすることができる。なお、図14は、
供給口212が、図6及び図7と同様にプローブ先端部
210の最先端部位周囲を取り巻くように略円形状の開
口部として形成され、かつ、発泡金属等の構造を有する
ものについて示したものであり、図15は、供給口21
2Xが上記図12と同様に単純な一つ孔構造の開口部と
して設けられているものについて示したものである。
【0089】このアスピレータ213eは、図14又は
図15に示すように、いわゆる「水流ポンプ」構造を有
し、前記図6及び図7と比して新規な構成としては音響
媒体導入路(以下、単に「導入路」という。)213f
が加えられている点を挙げることができる。ここに「水
流ポンプ」とは、水の噴流により生じる負圧によって、
その周囲に存在する水又は気体を巻き込みこれを運ぶポ
ンプのことをいう(岩波理化学辞典第3版増補版、19
82年2月24日発行)。
【0090】具体的に上記アスピレータ213eは、上
記導入路213fの先端が、吸引路213bにおける前
記吸引口213に連通する部位(該部位はその路内容積
が増大されている、図14又は図15参照)に対して挿
入された構成となっている。ちなみに、このような構造
は、音響レンズ内に設けるようにすればよく、図14に
おいては音響レンズ214Y(その内部にアスピレータ
213e関連構造のみを有する)として、図15におい
ては音響レンズ214Z(その内部にアスピレータ21
3e関連構造と供給口212X構造を有する)として、
それぞれその具体例が示されている。また、導入路21
3fの図示しない基端(治療装置本体3内に設置される
と考えてよい)には、音響媒体SM2に送出圧力を加え
るための循環ポンプ(不図示)が設けられている。さら
に、この導入路213fの基端と吸引路213bのそれ
とは接続した構成とすることができる。
【0091】そして、上記導入路213fに音響媒体S
M2を流通させることによれば、前記連通する部位にお
いて負圧を生じさせることが可能となり、これをもって
供給口212又は212Xから浸出した音響媒体SM1
を吸引口213を通じて吸引し、該音響媒体SM1を前
記音響媒体SM2とともに吸引路213bを通じて排出
し、又は循環させること(導入路213fの基端と吸引
路213bのそれとが接続された場合)が可能となる。
【0092】このような構成ないし作用によれば、まず
吸引力の作用する地点が吸引口213に近いから、プロ
ーブ先端部210と臓器POの表面との吸着をより確実
なものとし得る。また、上記図6及び図7において必要
であった吸引路213bの途上に設けられていたポンプ
213aを必ずしも設ける必要がないから、超音波治療
装置1全体の構成を、より簡易にまとめ得る可能性があ
る(例えば、前記循環ポンプと供給口212用のポンプ
212aを併用とする等)。ただし、上記アスピレータ
213eによる吸引力に若干問題がある等その他必要が
あるならば、本発明において、上記アスピレータ213
eに加え、ポンプ213aを併せ持つ形態としても一向
に差し支えない。
【0093】更に加えて、図示はしないが、プローブ先
端部210の最先端部位と臓器POの表面との吸着・保
持を確実なものとするという視点のみを重視する立場か
らすれば、場合により、供給口212は設けず、吸引口
のみを設ける(それは、音響媒体SM1を吸引するので
はなく、単に臓器POの表面を吸引するのみである)よ
うな形態であってもよい。
【0094】次に、上記実施形態における光学的マーキ
ング手段215は、治療装置本体3内に設けられる光源
215A及びレンズ系215Bと、ここから発せられる
光を導くための光ファイバー215C等とを設ける構成
となっていたが、本発明は、このような形態に限定され
るものではない。
【0095】例えば図16に示すように、プローブ先端
部210の側壁において、表面実装型であって小型の半
導体レーザ(光源)215Eを配置・モールドし、該半
導体レーザ215Eから発せられるレーザ光を、同じく
前記側壁に配置される反射鏡215Fにより反射させる
ことで、上述した光ファイバー215Cの先端から発せ
られた光と全く同様な位置に光マーキングMを形成(図
16又は図9参照)することの可能な構成としてもよい
(なお、図16においては、吸引口213等の詳細な構
成は、簡略化のためその図示を省略した。)。また、図
中符合215Gは、半導体レーザ215Eに電力を供給
するための電源線であるが、該電源線215Gを図示す
るようにプローブ本体21側壁に這わせるような配置と
すれば、該プローブ本体21の「太さ」を増大させるよ
うなこと、すなわち被検体Pの腹壁PWに開ける孔の口
径を大きくするようなこともない。
【0096】さらに、上記音響媒体槽31と超音波発生
振動子32、あるいはヒートシンク311等の構成につ
いても、本発明は、上記実施形態に限定されない。例え
ば、この点については、上で何度か触れている特開平1
0−216140号公報に開示されているように、超音
波発生振動子32を音響媒体槽31の「外壁」に固定し
たり(本実施形態のように外壁に「貫通」させない)、
放熱のためのヒートシンク311(冷却ファン312を
設けず)を媒体槽の外壁又は超音波発生振動子31にお
ける超音波を発生しない側の面(上記用語で言えば、
「後面側電極322」)に直接取りつける構造をとって
もよい(当該公報の図2、図5及び図6等参照)。
【0097】以下では、本発明の第二の実施形態につい
て説明する。本第二実施形態は、上記第一実施形態にお
ける超音波治療装置1のプローブ先端部210に係る構
成に変更を加えた点に特徴がある。なお、残余の点につ
いては、上記第一実施形態と同様であるので、その説明
を省略ないし簡略化することとする。
【0098】本第二実施形態におけるプローブ先端部2
20は、図17に示すように、光学的モニター手段22
1及びその中心に貫通孔222aを有する音響レンズ2
22等が備えられている。
【0099】なお、この図17においては、上記図6及
び図7、あるいは図12乃至図15に示されるものとは
その具体的形態がやや異なるが、供給口223及び吸引
口224が設けられている点、並びにこれらそれぞれに
通ずる供給路223a及び吸引路224aが設けられて
いる点は、上記第一実施形態と同様である。ただ、異な
る点としては、図17に示されるように、供給口223
及び吸引口224が共通のものとして設けられ(つま
り、音響媒体SM1を供給する開口部でありながら吸引
もする開口部である)、かつ、その形状はプローブ先端
部210の外径にほぼ等しい内径を有する開口部として
設けられている点、また、供給路223aがこの供給口
223及び吸引口224のごく近傍に設けられ、吸引路
224aが薄膜隔壁225の近傍に設けられている点、
を挙げることができる。
【0100】光学的モニター手段221は、光ファイバ
ー221A、固定反射鏡221B及び回動凹面鏡(回動
鏡)221C等から構成されている。このうち光ファイ
バー221Aは、図17中上方において、図1に示した
と同様な光源221Dから発せられた光を、プローブ先
端部220に導く。なお、この光源221Dは、図18
に示すように、例えば図1に示す治療装置本体3内等に
おいて、ハーフミラー221E及びCCD撮像素子22
1F等とともに設けられている。
【0101】一方、固定反射鏡221Bは、図17に示
すように、プローブ先端部220の外壁に固定されて設
けられるとともに、回動凹面鏡221Cは、その周囲に
おける一端をプローブ先端部220の内壁に回動自在に
固定されて設けられている。前記光ファイバー221A
内を通過した光は、これら固定反射鏡221B及び回動
凹面鏡221Cを順次反射して、当該光をプローブ先端
部220の最先端部位(この場合においては、前記供給
口223及び吸引口224の形成位置にも合致)に導
く。
【0102】なお、回動凹面鏡221Cは、上述したよ
うに回動自在であるから、これにより、プローブ先端部
220内部に関し、これを「開」又は「閉」状態とする
ことが可能となっている。なお、ここにいう「開」又は
「閉」状態とは、前記吸引路224aと最先端部位との
関係に関して言えば、前者が後者に対して「開」(両者
が連通)又は「閉」(両者が非連通)のいずれかの状態
にすることを意味する。また、「開」である状態におい
ては、図から明らかなとおり、超音波SSがプローブ先
端部220の最先端部位に到達可能であることをも当然
に意味する。
【0103】ちなみに、この回動凹面鏡221Cの回動
は、被検体P外に設けた例えば上記屈曲調整用リール2
3等、内視鏡において広く使用されいてる構造を応用す
れば容易に実現することが可能である。
【0104】さらに、固定反射鏡221B及び回動凹面
鏡221Cは、上記光が臓器POの表面で反射した後の
光を再び順次反射して、これを光ファイバー221Aに
導く作用も有する。そして、このいわば逆に辿る光は、
図18に示したハーフミラー221Eを介しCCD撮像
素子221Fに到達することになる。
【0105】なお、音響レンズ222は、上述したよう
に、その中心部において貫通孔222aが穿たれた構造
を有しており、前記光の行き来(光源221Dから臓器
POの表面へ、臓器POの表面からCCD撮像素子22
1Fへ)は当該貫通孔222aを介して行われることに
なる。また、この音響レンズ222自体の形状は、図1
7に示すように、二枚の凹型レンズをその各々の背面側
において張り合わせたような構造を有している。ちなみ
に、その材質としては、上記第一実施形態における音響
レンズ214と同等なものを用いればよい。
【0106】このような構成となる本第二実施形態にお
いては、次のような作用効果が享受される。まず、本第
二実施形態において図示しないプローブ本体21を臓器
PO表面上の目標地点に到達させる際においては、前記
回動凹面鏡221Cが上記に言う「閉」の状態とされ、
かつ、該回動凹面鏡221Cとプローブ先端部220の
最先端部位との間には、音響媒体SM1が導入されてい
ない状態となっている。このことにより、前記光源22
1Aを発し臓器POの表面に至った光に基づく当該表面
の光学像が、回動凹面鏡221C、反射鏡221B及び
光ファイバ221Aを経由して体外に取り出せることと
なり、前記CCD撮像素子221Fによりこれを撮像し
て、図示しないモニター上に表示させることが可能とな
る。
【0107】要するに、本第二実施形態においては、上
記第一実施形態では光学的マーキング手段215による
光マーキングMを頼りにプローブ先端部210を目標地
点に到達させていたのに代えて、臓器POの表面そのも
のの像を観察しながら、プローブ先端部220を目標地
点に到達させることとなる。また、本第二実施形態にお
いては、上記説明から明らかなように、第一実施形態に
おいて用いられていた内視鏡5が、基本的には必要でな
い。
【0108】このようにしてプローブ先端部220を容
易に目標地点に到達させた後は、回動凹面鏡221Cを
「開」(プローブ先端部220の内壁に密着させる)と
し、超音波SSがプローブ先端部220の最先端部位に
到達可能な状態とするとともに、供給路223aを通じ
て音響媒体SM1を供給口223に対し導入し、吸引路
224aを通じて吸引口224(上述した通り供給口2
23と共通)から音響媒体SM1を吸引する。
【0109】この際、本第二実施形態においては、供給
路223aが、吸引路224aに対し図中下方に位置す
るように配置されているから、プローブ先端部220内
部ないし該内部に満たされる音響媒体SM1中に気泡を
混入させるようなことがない(気泡が混入すれば、それ
により超音波SSが反射されてしまうことが考えられ
る)。
【0110】なお、このような作用効果をより確実なも
のとするためには、使用状態に応じて変化する供給路2
23a及び吸引路224aの位置、すなわちプローブ先
端部220の姿勢に関する情報が術者Dに対して伝達さ
れるような構成としておくと好ましい。というのも、当
該姿勢の如何を術者Dが知ることができれば、供給路2
23aを吸引路224aよりも常に鉛直下方に位置する
ような使用をすることが可能となるからである。ちなみ
に、上記情報が術者Dに伝達されるような構成として
は、例えば周知の傾斜センサ等を用いればよい。
【0111】なお、プローブ先端部220に対する音響
媒体SM1導入開始から、それが該先端部220内部に
完全に満たされたか否かは、吸引路224aの途上に設
ける液切れセンサ224b等により検知するようにすれ
ばよい。この液切れセンサ224bとしては、例えば株
式会社ウエルコ製の製品(形式名S10−A、S10−
B)等を用いるとよい。また、液切れセンサ224bで
はなくて、圧力センサ等で検知するようにしてもよい。
【0112】後は、上記第一実施形態と同様な作用効果
が達成されることが明らかである。すなわち、超音波発
生振動子32を発した超音波SSは、薄膜隔壁225を
介して前記導入された音響媒体SM1中を伝播し、音響
レンズ222により集束されることになる。そして、プ
ローブ先端部220の最先端部位と臓器POの表面との
間には、前記音響媒体SM1が介在することにより、こ
の地点における超音波SSの反射等が生じることが殆ど
なく、該超音波SSを効率よく病変部PXに到達させる
ことが可能となる。また、吸引口224及び吸引路22
4aによる吸引により、プローブ先端部220は目標地
点に吸着された状態で保持されることになるとともに、
この保持によりまた、超音波SSの病変部PXに対する
効率的な到達を可能とする。
【0113】なお、上記における光学的モニター手段2
21においては、光源221DあるいはCCD撮像素子
221F周囲に、第一実施形態において述べたようなレ
ンズ系215Bを設け、また、光ファイバー221Aの
先端にマイクロレンズを設けるような形態としてよいこ
とは勿論である。
【0114】以下では、本第二実施形態の第1の変形例
について説明する。上記では、供給口223及び吸引口
224等、音響媒体SM1の供給及び吸引を行う構成を
備えた形態であったが、本第1変形例では、これが省略
された形態となるものである。
【0115】すなわち、本第1変形例では、図19に示
すように、光学的モニター手段221に代えて図18に
示したような光学的マーキング手段215´が備えられ
ている点、また、プローブ先端部220´の最先端部位
に、弾性樹脂膜226が設けられている点で上記と異な
る。
【0116】まず、図19における光学的マーキング手
段215´は、上記したような回動凹面鏡221C(本
変形例では、該凹面鏡も「光学的マーキング手段」を構
成するが、便宜上、上記と同一の符号を用いる。後述の
回転反射鏡「221」Gについても同趣旨。)が同様に
設けられているが、上記図18に示した光源221D等
が設けられていたのに代えて、図16で示したような電
源線215´G及び半導体レーザ215´Eがプローブ
先端部220´の側壁に設けられている。本第1変形例
では、この半導体レーザ215´Eから発せられた光
が、プローブ先端部220´側壁に形成された開口部H
を介してその内部に導入され、前記回動凹面鏡221C
の中央で反射して前記弾性樹脂膜226を介し外部へと
射出されるようになっている。なおしたがって、本第1
変形例においては、図示しない光マーキングの位置は、
超音波SSが射出される中心位置に合致することとな
る。
【0117】また、上記弾性樹脂膜226は、図19に
示すように、外方へ球面状の膨らみを有するように所定
の張力が与えられている(=伸縮性を有する)。また、
その材質は、前記半導体レーザ215´Eからの光を外
部に射出するため半透明の材質により構成しておく。そ
して、この弾性樹脂膜226と薄膜隔壁225とにより
挟まれたプローブ先端部220´内部には、音響媒体S
M3が供給路227から導入され吸引路228から排出
されるようになっている。
【0118】このような構成によれば、次のような作用
効果を享受し得る。すなわちまず、本第1変形例では、
上記第二実施形態と同様、図示しないプローブ本体21
を臓器PO表面上の目標地点に到達させる際において
は、前記回動凹面鏡221Cが「閉」の状態とされ、か
つ、薄膜隔壁225と弾性樹脂膜226との間には、音
響媒体SM3が導入されていない状態となっている。こ
のことにより、前記半導体レーザ215´Eによる光マ
ーキングが臓器POの表面においてはっきりと視認さ
れ、これを頼りにプローブ先端部220´の位置付けを
行うことができる。
【0119】このようにしてプローブ先端部220´を
容易に目標地点に到達させた後は、回動凹面鏡221C
を「開」(プローブ先端部220´の内壁に密着させ
る)とし、供給路227を通じて音響媒体SM3を前記
薄膜隔壁225と弾性樹脂膜226との間に対し導入す
るとともに、吸引路228を通じてこれを吸引する。
【0120】このとき、弾性樹脂膜226には上述した
ように張力が与えられているから、これを臓器POの表
面に押しつけることにより、該膜226と該表面との間
には所定の密着性が得られることとなる。つまり、この
場合にあっても、(吸着されるということはないにして
も)プローブ先端部220´と臓器POの表面とは、好
適な所定位置における保持が可能となっている。
【0121】後は、上記第一実施形態及び上記第二実施
形態と全く同様である。なお、本第1変形例では、上記
音響レンズ222が設けられていないから、超音波SS
を長手方向に集束させずに照射させる場合に適用され
る。その具体的ケースとしては、例えば臓器POに関し
浅く広く焼灼を実施したい場合等が考えられる。ただ
し、本第1変形例においても場合により、音響レンズ2
22を設けるような構成としてよいこと、ないしそれが
可能であることは、図19に示す構成を図17に示す構
成と照らし合わせることで明らかである。
【0122】以下では、本第二実施形態の第2の変形例
について説明する。上記第1変形例では、プローブ先端
部220´の軸線方向に沿った超音波SSの射出がなさ
れるような形態であったが、本第2変形例では、プロー
ブ先端部220´´が、該超音波SSをその側方から射
出する形態となるものである。
【0123】すなわち、本第2変形例では、図20に示
すように、プローブ先端部220´´の側壁に上記弾性
樹脂膜226が設けられているとともに、その近傍に、
上記回動凹面鏡221Cとは別途に回転反射鏡(回転
鏡)221Gが設けられている。つまり、プローブ先端
部220´´は、二種の反射鏡を有する構造となり、ま
た、臓器POの表面と接する部位は、上記側壁に設けら
れた弾性樹脂膜226であるような構成となる。
【0124】これら二種の反射鏡のうち、回動凹面鏡2
21Cは、上記第二実施形態ないしその第1変形例と同
様、プローブ先端部220´´側壁に設けられた半導体
レーザ215´Eから発せられた光を反射するためのも
のである。そしてもう一方の回転反射鏡221Gは、上
記回動凹面鏡221Cを反射してきた光を再び反射して
前記弾性樹脂膜226に導くためのものであるととも
に、進行してきた超音波SSを反射・集束させる作用を
も有する。ちなみに、両者とも、上述したと同様に、被
検体Pの外から動作(=回動ないし回転)可能な機構に
なっている。
【0125】なお、上記弾性樹脂膜226は、上記第1
変形例と同様、外方へ球面状の膨らみを有するように張
力が与えられているとともに、その材質は、前記半導体
レーザ215´Eからの光を外部に射出するため半透明
の材質により構成されている。特に、本第二変形例で
は、上記「膨らみ」の度合いが、前記回転反射鏡221
Gの回転軸を中心とした球を想定するときに、当該球の
表面に合致するようなものとしておくと好ましい。
【0126】このような構成によれば特に、上記回転反
射鏡221Gの存在により、超音波SSの照射方向を任
意に変更することが可能であるとともに、それに追随し
て光マーキングの形成を行うことが可能となる。なぜな
ら、回転反射鏡221Gは、超音波SS及び半導体レー
ザ215´Eから発せられた光のいずれをも反射するか
らである。
【0127】したがって、プローブ先端部220´´の
臓器PO表面に対する誘導は、上記第1実施形態並びに
第二実施形態及びその第1変形例と同様、容易に行うこ
とができるし、また、超音波SSの射出方向を任意に変
更することが可能であるから、操作時ないし治療時にお
ける術者Dの採り得る選択肢が広がり、その操作性はよ
り向上することとなる。
【0128】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の超音波治
療装置によれば、実際の治療に則して術者は、操作上何
ら困難な負担を受けることなく(=より使用勝手よ
く)、これを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施形態に係る放射線治療装
置全体の概要及びその使用の様子を示す概要図である。
【図2】 図1に示す放射線治療装置のプローブの構成
例を示す概要図である。
【図3】 図2に示すプローブを構成する屈曲部等の具
体的構成例を示す概要図である。
【図4】 図2に示すプローブを構成する屈曲部を屈曲
させる機構の構成例を示す概要図である。
【図5】 図2とは異なる形態となるプローブの構成例
を示す概要図である。
【図6】 図2に示すプローブの一部であるプローブ先
端部の構成例を示す概要図である。
【図7】 図6と同趣旨の図であって、その斜視図であ
る。
【図8】 図1に示す放射線治療装置の音響媒体槽に付
設される音響媒体循環系の構成例を示す概要図である。
【図9】 プローブ先端部に設けられる光学的マーキン
グ手段の光ファイバーの配置例を示す概要図である。
【図10】 図9に示す光ファイバーの詳細な構成例を
示す概要図である。
【図11】 図1に示す放射線治療装置の音響媒体槽並
びに超音波発生振動子及びその周辺部の構成例を示す概
要図である。
【図12】 図6とは異なる形態となるプローブ先端部
の構成例を示す図であって、供給口が一つ孔構造となる
ものを示す概要図である。
【図13】 図6とは異なる形態となるプローブ先端部
の構成例を示す図であって、供給口及び吸引口のは位置
関係が逆となるようなものを示す概要図である。
【図14】 図6とは異なる形態となるプローブ先端部
の構成例を示す図であって、吸引口付近にアスピレータ
が設けられるものを示す概要図である。
【図15】 図14と同趣旨の図である。
【図16】 図9とは異なる光学的マーキング手段の構
成例を示す概要図である。
【図17】 本発明の第二の実施形態における放射線治
療装置に係り、そのプローブ先端部の構成例を示す概要
図である。
【図18】 図17に示す光学的モニター手段の光ファ
イバーに接続される光源及びCCD撮像素子等の配置の
様子を示す概要図である。
【図19】 第二実施形態の第1変形例に係り、音響媒
体の供給及び吸引に関する機構を設けないものの構成例
を示す概要図である。
【図20】 第二実施形態の第2変形例に係り、超音波
の射出方向をプローブ先端の側壁とした場合のものの構
成例を示す概要図である。
【符号の説明】
1 放射線治療装置 2 プローブ 21 プローブ本体 21a 屈曲部 21b、21c 剛性部 21d 収束部 210、220、220´、220´´ プローブ先端
部 211、225 薄膜隔壁 212、212X、223 音響媒体供給口 212a ポンプ 212b、223a 供給路 213、213C、224 音響媒体吸引口 213a ポンプ 213b、224a 吸引路 224b 液切れセンサ 213c 液切れセンサ 213d 吸引済みタンク 213e アスピレータ 213f 音響媒体導入路 214、214X、214Y、214Z、222 音響
レンズ 222a 貫通孔 215、215´ 光学的マーキング手段 215A 光源 215B レンズ系 215C 光ファイバー 215D マイクロレンズ 215E、215´E 半導体レーザ 215F 反射鏡 215G、215´G 電源線 M 光マーキング 216 充填室 221 光学的モニター手段 221A 光ファイバー 221B 固定反射鏡 221C 回動凹面鏡 221D 光源 221E ハーフミラー 221F CCD撮像素子 H 開口部 221G 回転反射鏡 226 弾性樹脂膜 227 供給路 228 吸引路 22 操作部 23 屈曲部調整リール 3 治療装置本体 31 音響媒体槽 311 ヒートシンク 312 冷却ファン 32 超音波発生振動子 321 前面側電極 322 後面側電極 321a、322a 導線 323 マッチング回路 324 高周波パワーアンプ 325 発信器 33 音響媒体循環系 331 供給路 332 供給タンク 333 ポンプ 334 排出路 335 貯留タンク 336 液面センサ 337、338 液切れセンサ 34 操作パネル 35 コントロールユニット 4、4A トラカールカニューレ 5 光学内視鏡 P 被検体 PW 腹壁 PH 腹腔 PX 病変部(所定の部位) D 術者 SS 強力超音波 SM 音響媒体 SM1 (供給口から臓器表面に供給等される)音響媒
体 SM2 (アスピレータ駆動に用いられる)音響媒体 SM3 (プローブ先端部に弾性樹脂膜を用いる場合に
利用される)音響媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石橋 義治 栃木県大田原市下石上字東山1385番の1 株式会社東芝那須工場内 Fターム(参考) 4C026 AA06 BB08 FF02 FF17 FF34 FF36 FF53 FF55 GG06 HH03 4C060 JJ12 JJ13 JJ15 JJ17 JJ27 JJ30 4C082 RA06 RC09 RE02 RE17 RE34 RE35 RE36 RE53 RE55 RJ06 RL03

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体外に設置される超音波発生振動子
    を備えた治療装置本体と、その内部に音響媒体を収容
    し、前記超音波発生振動子から発生した超音波を被検体
    内の所定の部位に導きかつ照射することの可能なプロー
    ブ本体とを有する超音波治療装置において、 前記プローブ本体は、その内壁面の殆どすべての点にお
    いて、当該内壁面上で定義される法線ベクトルと前記超
    音波の進行主方向を示すベクトルとの角度が所定値以下
    とされていることを特徴とする超音波治療装置。
  2. 【請求項2】 前記所定値は、135度であることを特
    徴とする請求項1記載の超音波治療装置。
  3. 【請求項3】 前記プローブ本体が、前記被検体の外部
    の操作によってその屈曲の度合いを変更することの可能
    な屈曲部を備えていることを特徴とする請求項1記載の
    超音波治療装置。
  4. 【請求項4】 前記プローブ本体は、金属で構成される
    ことを特徴とする請求項1記載の超音波治療装置。
  5. 【請求項5】 被検体外に設置される超音波発生振動子
    を備えた治療装置本体と、その内部に音響媒体を収容
    し、前記超音波発生振動子から発生した超音波を被検体
    内の所定の部位に導きかつ照射することの可能なプロー
    ブ本体とを有する超音波治療装置において、 前記プローブ本体の一部を構成するプローブ先端部の内
    部には、前記音響媒体が当該プローブ本体より漏出する
    ことを防止する薄膜隔壁が備えられることを特徴とする
    超音波治療装置。
  6. 【請求項6】 前記薄膜隔壁の厚さbは、前記超音波の
    波長をλとするときに、 b=nλ/2 (n=0,1,2,…) を満たすことを特徴とする請求項5記載の超音波治療装
    置。
  7. 【請求項7】 被検体外に設置される超音波発生振動子
    を備えた治療装置本体と、その内部に音響媒体を収容
    し、前記超音波発生振動子から発生した超音波を被検体
    内の所定の部位に導きかつ照射することの可能なプロー
    ブ本体とを有する超音波治療装置において、 前記プローブ本体の一部を構成するプローブ先端部は、
    前記所定の部位乃至その近傍の目標地点に接する部位で
    ある最先端部位を有し、 当該最先端部位には、前記目標地点に音響媒体を供給す
    る音響媒体供給口と、その供給された音響媒体を吸引す
    るとともに該最先端部位を前記目標地点に吸着させるこ
    との可能な音響媒体吸引口とが備えられることを特徴と
    する超音波治療装置。
  8. 【請求項8】 前記音響媒体供給口は、発泡金属又は毛
    細管を束にした構造により構成されることを特徴とする
    請求項7記載の超音波治療装置。
  9. 【請求項9】 前記音響媒体供給口及びこれに通ずる供
    給路又は/及び前記音響媒体吸引口及びこれに通ずる吸
    引路は、 前記プローブ先端部の内部に設けられ前記超音波を前記
    所定の部位に対し集束又は拡散する音響レンズ内に形成
    されることを特徴とする請求項7記載の超音波治療装
    置。
  10. 【請求項10】 前記音響レンズは凹型レンズであり、
    前記音響媒体吸引口は、当該音響レンズの中央に配置・
    形成されることを特徴とする請求項9記載の超音波治療
    装置。
  11. 【請求項11】 被検体外に設置される超音波発生振動
    子を備えた治療装置本体と、その内部に音響媒体を収容
    し、前記超音波発生振動子から発生した超音波を被検体
    内の所定の部位に導きかつ照射することの可能なプロー
    ブ本体とを有する超音波治療装置において、 前記プローブ本体の一部を構成するプローブ先端部は、
    前記所定の部位乃至その近傍の目標地点に接する部位で
    ある最先端部位を有し、 当該最先端部位には、該部位を前記目標地点に吸着させ
    ることの可能な吸引口が備えられることを特徴とする超
    音波治療装置。
  12. 【請求項12】 被検体外に設置される超音波発生振動
    子を備えた治療装置本体と、その内部に音響媒体を収容
    し、前記超音波発生振動子から発生した超音波を被検体
    内の所定の部位に導きかつ照射することの可能なプロー
    ブ本体とを有する超音波治療装置において、 前記プローブ本体の一部を構成するプローブ先端部を通
    じて射出される前記超音波の当該射出方向を指し示すこ
    との可能な光学的マーキング手段を備えることを特徴と
    する超音波治療装置。
  13. 【請求項13】 前記光学的マーキング手段は前記被検
    体外に設置される光源と、該光源から発せられた光を導
    く光ファイバーとを少なくとも有し、 該光ファイバーの先端部が前記プローブ先端部周囲に配
    置されることを特徴とする請求項12記載の超音波治療
    装置。
  14. 【請求項14】 前記光ファイバーは前記プローブ本体
    の周囲を螺旋状に巻き付けられて配置されることを特徴
    とする請求項13記載の超音波治療装置。
  15. 【請求項15】 前記光ファイバーは複数本あり、か
    つ、これら光ファイバーは、前記プローブ先端部を軸方
    向から望んだ際において、それら各々の先端部が対称的
    となるように配置されることを特徴とする請求項13記
    載の超音波治療装置。
  16. 【請求項16】 前記光学的マーキング手段は光源とし
    て半導体レーザを有することを特徴とする請求項12記
    載の超音波治療装置。
  17. 【請求項17】 前記光源は有色可視光を発することを
    特徴とする請求項13又は16に記載の超音波治療装
    置。
  18. 【請求項18】 被検体外に設置される超音波発生振動
    子を備えた治療装置本体と、その内部に音響媒体を収容
    し、前記超音波発生振動子から発生した超音波を被検体
    内の所定の部位に導きかつ照射することの可能なプロー
    ブ本体とを有する超音波治療装置において、 前記超音波発生振動子は、 該超音波発生振動子における前記超音波の発生する側
    が、前記プローブ本体に接続された音響媒体槽内の前記
    音響媒体に接するように、該音響媒体槽の壁を貫通して
    配置されることを特徴とする超音波治療装置。
  19. 【請求項19】 前記超音波発生振動子を駆動するため
    の信号を受けるとともに該超音波発生振動子における前
    記超音波の発生する側に設けられる電極は、接地される
    ことを特徴とする請求項18記載の超音波治療装置。
  20. 【請求項20】 被検体外に設置される超音波発生振動
    子を備えた治療装置本体と、その内部に音響媒体を収容
    し、前記超音波発生振動子から発生した超音波を被検体
    内の所定の部位に導きかつ照射することの可能なプロー
    ブ本体とを有する超音波治療装置において、 前記被検体外に設置される光源及び撮像素子と、その一
    旦が前記プローブ本体の一部を構成するプローブ先端部
    の内壁に回動自在に固定されて設けられる回動鏡と、前
    記光源及び撮像素子と前記回動鏡との間における光の往
    来を可能とする光ファイバーとを有する光学的モニター
    手段が備えられ、 前記回動鏡は、 該回動鏡が前記プローブ先端部を閉状態とするときに
    は、前記光源より発せられ前記光ファイバーを介した光
    を反射して、これを前記所定の部位乃至その近傍の目標
    地点に送るとともに、前記目標地点で反射した光を反射
    して、これを前記光ファイバーを介して前記撮像素子に
    送り、 該回動鏡が前記プローブ先端部を開状態とするときに
    は、前記プローブ先端部のうち前記目標地点に接する部
    位である最先端部位に対して前記超音波を到達可能とす
    ることを特徴とする超音波治療装置。
  21. 【請求項21】 被検体外に設置される超音波発生振動
    子を備えた治療装置本体と、その内部に音響媒体を収容
    し、前記超音波発生振動子から発生した超音波を被検体
    内の所定の部位に導きかつ照射することの可能なプロー
    ブ本体とを有する超音波治療装置において、 前記プローブ本体の一部を構成するプローブ先端部にお
    いて前記所定の部位乃至その近傍に接する部位に設けら
    れ所定の張力を与えられた弾性樹脂膜と、 光源から発せられた光を反射可能であって、その一旦が
    前記プローブ先端部の内壁に回動自在に固定されて設け
    られる回動鏡を有し、前記プローブ先端部を通じて射出
    される前記超音波の当該射出方向を指し示すことの可能
    な光学的マーキング手段とを備え、 前記回動鏡は、 該回動鏡が前記プローブ先端部を閉状態とするときに
    は、前記光源より発せられた光を反射して、これを前記
    弾性樹脂膜に送り、 該回動鏡が前記プローブ先端部を開状態とするときに
    は、前記弾性樹脂膜に対して前記超音波を到達可能とす
    ることを特徴とする超音波治療装置。
  22. 【請求項22】 前記弾性樹脂膜は前記プローブ先端部
    の側壁に設けられ、 前記回動鏡を反射した光を反射して前記弾性樹脂膜に送
    ることが可能であるとともに前記超音波を反射しかつ前
    記所定の部位に対し集束することの可能な回動自在の回
    転鏡が備えられることを特徴とする請求項21記載の超
    音波治療装置。
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