JP2002149029A - 画像形成方法、画像形成装置、及び感光体 - Google Patents

画像形成方法、画像形成装置、及び感光体

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JP2002149029A
JP2002149029A JP2000347027A JP2000347027A JP2002149029A JP 2002149029 A JP2002149029 A JP 2002149029A JP 2000347027 A JP2000347027 A JP 2000347027A JP 2000347027 A JP2000347027 A JP 2000347027A JP 2002149029 A JP2002149029 A JP 2002149029A
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JP2000347027A
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Masaya Kawada
将也 河田
Hironori Owaki
弘憲 大脇
Kunimasa Kawamura
邦正 河村
Koji Yamazaki
晃司 山崎
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境(特に温度)変化に対する変動が少ない
良好なクリーニング性を実現し、また感光体とクリーニ
ング部材との耐久性を向上させる。 【解決手段】 感光体表面にクリーニングブレードを当
接させて感光体表面の転写残トナーを除去する。感光体
表面とクリーニング部材との間に作用する動摩擦力のば
らつきの負荷依存性を表す動摩擦の標準偏差係数を、動
摩擦偏差係数とするとしたときに、感光体表面とクリー
ニング部材とが当接する当接部における温度が15〜6
0℃の範囲において、動摩擦偏差係数が0.1以内とな
るようにする。また、当接部における温度が15〜60
℃の範囲の任意の点において、感光体表面とクリーニン
グ部材との間の摩擦係数が1以下で、かつ15〜60℃
の任意の範囲における摩擦係数の変化幅が0.4以内と
なるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
等の、画像形成方法、画像形成装置、及び感光体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真装置は、複写機としてば
かりでなく、近年需要の伸びの著しいコンピュータやワ
ードプロセッサの出力手段であるプリンタとしても、広
く利用されている。これらは従来のオフィスユースに加
え、パーソナルユースが増大したため、低コスト、省エ
ネ、メンテナンスフリーといった経済性が重視される。
【0003】また、省エネや廃棄物の低減ないし解消と
いった環境性も、経済性と同様に求められている。
【0004】このような画像形成装置においては、一般
に、帯電器、露光器、現像器等によって感光体表面にト
ナー像を形成し、このトナー像を紙等の記録材に転写す
る。トナー像転写後の記録材は、定着器によって表面に
トナー像が定着された後、画像形成装置本体の外部に排
出される。一方、トナー像転写後の感光体は、記録材に
転写されないで表面に残ったトナー(転写残トナー)が
クリーニング装置のクリーニング部材によって除去され
る。このクリーニング部材としては、例えば、ブレード
状(クリーニングブレード)、ブラシ状(クリーニング
ブラシ)、ローラ状(クリーニングローラ)に形成され
た部材が使用される。いずれのクリーニング部材も感光
体表面に所定の圧力で当接され、これにより、感光体表
面を摺擦することで、感光体表面の転写残トナーを掻き
取るようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、電子写真方式
の画像形成装置においては、感光体のクリーニングに際
し、クリーニング部材と感光体表面とは、所定の相対速
度で相対移動することになる。このときの両者間の摩擦
特性は、クリーニング性の良否を含む、クリーニング部
材や感光体の寿命に係る重要な特性である。
【0006】クリーニング部材と感光体表面との間に作
用する摩擦力は、低すぎるとクリーニング不良の要因と
なり、逆に高すぎるとクリーニング部材や感光体の損
傷、クリーニング部材のめくれや欠けといった故障の要
因となる。また、不適正な摩擦力の領域で使用している
と転写残トナー等の除去が不十分となり、転写残トナー
が感光体表面に固着して、画像欠陥が生じる場合もあ
る。
【0007】また、摩擦力=摩擦係数×負荷〔gf〕で
ある。そのため摩擦係数の規定をしているが、摩擦係数
は当接する部材の相関により得られる値であり、本発明
では、感光体表面の特性とクリーニング部材の特性によ
り変化し得るものである。
【0008】クリーニング部材の特性としては、例え
ば、下記のように弾性材の反発弾性、摩擦係数などが規
定されている。
【0009】特開平09−292722号公報には、反
発弾性や当接圧、当接角、及び静止摩擦係数を規定した
ものが提案され、また特開平09−050144号公報
には、耐久前後の動摩擦係数の変化率を規定したものが
提案され、さらに特開平08−286510号公報に
は、反発弾性や当接圧、当接角、食込み量、及び静止摩
擦係数を規定したもの等が提案されている。
【0010】ところが、弾性材は熱可塑性部材などを使
用しているため、その特性は環境、特に温度によって大
きく変動する。しかしながら、これらは環境、特に温度
の変動と摩擦特性の変動の相関に関する開示はない。
【0011】なお、反発弾性や硬度の評価は、一般には
JIS規格の条件で測定される。このJIS規格の測定
条件は、温度23±2℃、湿度50±5%である。
【0012】画像形成装置の電源投入時、一定の暖機運
転後と、画像形成工程を連続で行っているときとでは、
定着器その他の画像形成装置本体内(以下適宜「機内」
という。)の熱源の影響やクリーニング部材と感光体と
の当接部での摩擦などにより、当接部をはじめとするク
リーニング装置等の機内温度の変動がある。特に感光体
がドラムヒータを持たない系や定着器が大容量の系など
では温度変化も大きくなる傾向にある。
【0013】このため、使用する系での温度変動は環境
変動、機内のヒータ等による昇温、当接部局所において
は摩擦による昇温などがあり、その変動によって、上述
のように、耐久特性でのクリーニングブレードのめくれ
や欠け等の構造的な欠陥が生じたり、必要な設定負荷が
変動して結果としてクリーニング不良が生じたりする場
合があった。
【0014】また、クリーニングの当接部における、摩
擦力の振動については、従来、ほとんど考慮されていな
かった。例えば、摩擦係数を規定の状態で使用している
場合においても、クリーニング部材の振動等によるトナ
ーすり抜けが要因のクリーニング不良や、感光体の部分
的な摩耗等が発生する場合があった。しかしながら、摩
擦力の振動に関する開示はなく、もちろん振動や摩擦力
の変動とクリーニング性、耐久性との相関に関する開示
もない。
【0015】このため、画像形成装置の設計に際して
は、画像形成装置が使用されるそれぞれの環境におい
て、クリーニング性や、クリーニング部材及び感光体の
寿命などの様々な項目に対して、感光体表面やクリーニ
ング部材の選定、設定条件などを調整して耐久試験を行
う、といった試行錯誤がなされるのが現状である。
【0016】本発明は、上述事情に鑑みてなされたもの
であり、環境(特に温度)変化に対する変動が少ない良
好なクリーニング性を実現し、また感光体とクリーニン
グ部材との耐久性を向上させ、さらに設定ラチチュード
を広げることができる画像形成方法、画像形成装置、及
び感光体を提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの請求項1に係る本発明は、感光体表面を帯電する帯
電工程と、帯電後の前記感光体表面を露光して静電潜像
を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナー像として
現像する現像工程と、前記トナー像を前記感光体表面か
ら他部材に転写する転写工程と、転写後の前記感光体表
面に残った転写残トナーを除去するクリーニング工程と
を含む一連の画像形成工程によって画像を形成する画像
形成方法において、前記クリーニング工程が、前記感光
体表面に当接させたクリーニング部材によって前記感光
体表面の転写残トナーを除去する工程であり、前記画像
形成工程中の前記感光体表面と前記クリーニング部材と
の間に作用する動摩擦力のばらつきの負荷依存性を表す
動摩擦の標準偏差係数を、動摩擦偏差係数とするとした
ときに、前記感光体表面と前記クリーニング部材とが当
接する当接部における温度が15〜60℃の範囲におい
て、前記動摩擦偏差係数が0.1以内である、ことを特
徴とする。
【0018】請求項2に係る本発明は、請求項1に記載
の画像形成方法において、前記当接部の温度が15〜6
0℃のうちの任意の範囲における前記動摩擦偏差係数の
変化幅が0.02以内である、ことを特徴とする。
【0019】請求項3に係る本発明は、感光体表面を帯
電する帯電工程と、帯電後の前記感光体表面を露光して
静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナー
像として現像する現像工程と、前記トナー像を前記感光
体表面から他部材に転写する転写工程と、転写後の前記
感光体表面に残った転写残トナーを除去するクリーニン
グ工程とを含む一連の画像形成工程によって画像を形成
する画像形成方法において、前記クリーニング工程が、
前記感光体表面に当接させたクリーニング部材によって
前記感光体表面の転写残トナーを除去する工程であり、
前記感光体表面と前記クリーニング部材とが当接する当
接部における温度が15〜60℃の範囲の任意の点にお
いて、前記感光体表面と前記クリーニング部材との間の
摩擦係数が1以下で、かつ前記15〜60℃の任意の範
囲における前記摩擦係数の変化幅が0.4以内である、
ことを特徴とする。
【0020】請求項4に係る本発明は、請求項3に記載
の画像形成方法において、前記摩擦係数の変化幅が0.
2以内である、ことを特徴とする。
【0021】請求項5に係る本発明は、請求項1又は2
に記載の画像形成方法において、耐久前と前記画像形成
工程を15万回繰り返した耐久後とにおける前記動摩擦
偏差係数の変化量が0.02以内である、ことを特徴と
する。
【0022】請求項6に係る本発明は、請求項3又は4
に記載の画像形成方法において、耐久前と前記画像形成
工程を15万回繰り返した耐久後とにおける前記摩擦係
数の変化量が0.4以内である、ことを特徴とする。
【0023】請求項7に係る本発明は、請求項1〜6の
いずれかに記載の画像形成方法において、前記クリーニ
ング部材は、弾性を有するクリーニングブレードであ
り、JIS K−7311に準ずる前記クリーニングブ
レードの反発弾性が5〜75%であり、またJIS K
−6253に準ずる前記クリーニングブレードの硬度が
60〜90度である、ことを特徴とする。
【0024】請求項8に係る本発明は、請求項7に記載
の画像形成方法において、前記クリーニングブレードが
前記感光体表面に当接する当接圧が49〜490mN/
cm(5〜50gf/cm)である、ことを特徴とす
る。
【0025】請求項9に係る本発明は、請求項7又は8
に記載の画像形成方法において、前記クリーニングブレ
ードと前記感光体表面との当接部及びその近傍に、ほぼ
一定量の潤滑材が介在する、ことを特徴とする。
【0026】請求項10に係る本発明は、請求項9に記
載の画像形成方法において、前記潤滑材がトナーであ
る、ことを特徴とする。
【0027】請求項11に係る本発明は、請求項1〜1
0のいずれかに記載の画像形成方法において、前記感光
体が、主として非晶質のケイ素及び/又は炭素からなる
表面層を有する、ことを特徴とする。
【0028】請求項12に係る本発明は、請求項1〜1
1のいずれかに記載の画像形成方法において、前記感光
体は、主として非晶質のケイ素からなり、温度による帯
電特性の変化率である温度特性が±2V/deg以内で
ある、ことを特徴とする。
【0029】請求項13に係る本発明は、請求項12に
記載の画像形成方法において、前記感光体は、主として
非晶質のケイ素からなり、少なくとも前記露光工程で露
光される部分におけるサブバンドギャップ光の吸収スペ
クトルから得られる指数関数裾の特性エネルギーが50
〜70meVである、ことを特徴とする。
【0030】請求項14に係る本発明は、請求項1〜1
3のいずれかに記載の画像形成方法において、前記露光
工程における露光が、非画像部を露光するバックグラウ
ンド露光である、ことを特徴とする。
【0031】請求項15に係る本発明は、表面にトナー
像が形成される感光体と、前記感光体表面のトナー像を
他部材に転写した後に前記感光体表面に残った転写残ト
ナーを除去するクリーニング手段と、を備えた画像形成
装置において、前記クリーニング手段は、前記感光体表
面に当接されて前記感光体表面の転写残トナーを除去す
るクリーニング部材を有し、画像形成工程中の前記感光
体表面と前記クリーニング部材との間に作用する動摩擦
力のばらつきの負荷依存性を表す動摩擦の標準偏差係数
を、動摩擦偏差係数とするとしたときに、前記感光体表
面と前記クリーニング部材とが当接する当接部における
温度が15〜60℃の範囲において、前記動摩擦偏差係
数が0.1以内である、ことを特徴とする。
【0032】請求項16に係る本発明は、請求項15に
記載の画像形成装置において、前記当接部の温度が15
〜60℃のうちの任意の範囲における前記動摩擦偏差係
数の変化幅が0.02以内である、ことを特徴とする。
【0033】請求項17に係る本発明は、表面にトナー
像が形成される感光体と、前記感光体表面のトナー像を
他部材に転写した後に前記感光体表面に残った転写残ト
ナーを除去するクリーニング手段と、を備えた画像形成
装置において、前記クリーニング手段は、前記感光体表
面に当接されて前記感光体表面の転写残トナーを除去す
るクリーニング部材を有し、前記感光体表面と前記クリ
ーニング部材とが当接する当接部における温度が15〜
60℃の範囲の任意の点において、前記感光体表面と前
記クリーニング部材との間の摩擦係数が1以下で、かつ
前記15〜60℃の任意の範囲における前記摩擦係数の
変化幅が0.4以内である、ことを特徴とする。
【0034】請求項18に係る本発明は、請求項17に
記載の画像形成装置において、前記摩擦係数の変化幅が
0.2以内である、ことを特徴とする。
【0035】請求項19に係る本発明は、請求項15又
は16に記載の画像形成装置において、耐久前と前記画
像形成工程を15万回繰り返した耐久後とにおける前記
動摩擦偏差係数の変化量が0.02以内である、ことを
特徴とする。
【0036】請求項20に係る本発明は、請求項17又
は18に記載の画像形成装置において、耐久前と前記画
像形成工程を15万回繰り返した耐久後とにおける前記
摩擦係数の変化量が0.4以内である、ことを特徴とす
る。
【0037】請求項21に係る本発明は、請求項15〜
20のいずれかに記載の画像形成装置において、前記ク
リーニング部材は、弾性を有するクリーニングブレード
であり、JIS K−7311に準ずる前記クリーニン
グブレードの反発弾性が5〜75%であり、またJIS
K−6253に準ずる前記クリーニングブレードの硬
度が60〜90度である、ことを特徴とする。
【0038】請求項22に係る本発明は、請求項21に
記載の画像形成装置において、前記クリーニングブレー
ドが前記感光体表面に当接する当接圧が49〜490m
N/cm(5〜50gf/cm)である、ことを特徴と
する。
【0039】請求項23に係る本発明は、請求項21又
は22に記載の画像形成装置において、前記クリーニン
グブレードと前記感光体表面との当接部及びその近傍
に、ほぼ一定量の潤滑材を供給する潤滑材供給手段を備
える、ことを特徴とする。
【0040】請求項24に係る本発明は、請求項23に
記載の画像形成装置において、前記潤滑材がトナーであ
る、ことを特徴とする。
【0041】請求項25に係る本発明は、請求項23又
は24に記載の画像形成装置において、前記潤滑材供給
手段は、前記感光体表面の移動方向に沿っての前記クリ
ーニングブレードの上流側に配設されて、前記感光体表
面に対して所定の相対速度をもって駆動される、ことを
特徴とする。
【0042】請求項26に係る本発明は、請求項23〜
25のいずれかに記載の画像形成装置において、前記潤
滑材供給手段は、磁気的に及び/又は機械的に前記潤滑
材を保持又は供給する、ことを特徴とする。
【0043】請求項27に係る本発明は、請求項15〜
26のいずれかに記載の画像形成装置において、前記感
光体が、主として非晶質のケイ素及び/又は炭素からな
る表面層を有する、ことを特徴とする。
【0044】請求項28に係る本発明は、請求項15〜
27のいずれかに記載の画像形成装置において、前記感
光体は、主として非晶質のケイ素からなり、温度による
帯電特性の変化率である温度特性が±2V/deg以内
である、ことを特徴とする。
【0045】請求項29に係る本発明は、請求項28に
記載の画像形成装置において、前記感光体は、主として
非晶質のケイ素からなり、少なくとも露光される部分に
おけるサブバンドギャップ光の吸収スペクトルから得ら
れる指数関数裾の特性エネルギーが50〜70meVで
ある、ことを特徴とする。
【0046】請求項30に係る本発明は、請求項15〜
29のいずれかに記載の画像形成装置において、前記感
光体表面に対する露光が、非画像部を露光するバックグ
ラウンド露光である、ことを特徴とする。
【0047】請求項31に係る本発明は、他部材に対す
るトナー像の転写後に感光体表面に残った転写残トナー
が、前記感光体表面に当接されたクリーニング部材によ
って除去される感光体において、画像形成工程中の前記
感光体表面と前記クリーニング部材との間に作用する動
摩擦力のばらつきの負荷依存性を表す動摩擦の標準偏差
係数を、動摩擦偏差係数とするとしたときに、前記感光
体表面と前記クリーニング部材とが当接する当接部にお
ける温度が15〜60℃の範囲において、前記動摩擦偏
差係数が0.1以内である、ことを特徴とする。
【0048】請求項32に係る本発明は、請求項31に
記載の感光体において、前記当接部の温度が15〜60
℃のうちの任意の範囲における前記動摩擦偏差係数の変
化幅が0.02以内である、ことを特徴とする。
【0049】請求項33に係る本発明は、他部材に対す
るトナー像の転写後に感光体表面に残った転写残トナー
が、前記感光体表面に当接されたクリーニング部材によ
って除去される感光体において、前記感光体表面と前記
クリーニング部材とが当接する当接部における温度が1
5〜60℃の範囲の任意の点において、前記感光体表面
と前記クリーニング部材との間の摩擦係数が1以下で、
かつ前記15〜60℃の任意の範囲における前記摩擦係
数の変化幅が0.4以内である、ことを特徴とする。
【0050】請求項34に係る本発明は、請求項31に
記載の感光体において、前記摩擦係数の変化幅が0.2
以内である、ことを特徴とする。
【0051】請求項35に係る本発明は、請求項31又
は32に記載の感光体において、耐久前と前記画像形成
工程を15万回繰り返した耐久後とにおける前記動摩擦
偏差係数の変化量が0.02以内である、ことを特徴と
する。
【0052】請求項36に係る本発明は、請求項33又
は34に記載の感光体において、耐久前と前記画像形成
工程を15万回繰り返した耐久後とにおける前記摩擦係
数の変化量が0.4以内である、ことを特徴とする。
【0053】請求項37に係る本発明は、請求項31〜
36のいずれかに記載の感光体において、主として非晶
質のケイ素及び/又は炭素からなる表面層を有する、こ
とを特徴とする。
【0054】請求項38に係る本発明は、請求項31〜
36のいずれかに記載の感光体において、主として非晶
質のケイ素からなり、温度による帯電特性の変化率であ
る温度特性が±2V/deg以内である、ことを特徴と
する。
【0055】請求項39に係る本発明は、請求項31〜
38のいずれかに記載の感光体において、主として非晶
質のケイ素からなり、温度による帯電特性の変化率であ
る温度特性が±2V/deg以内である、ことを特徴と
する。
【0056】請求項40に係る本発明は、請求項39に
記載の感光体において、主として非晶質のケイ素からな
り、少なくとも露光される部分におけるサブバンドギャ
ップ光の吸収スペクトルから得られる指数関数裾の特性
エネルギーが50〜70meVである、ことを特徴とす
る。
【0057】
【発明の実施の形態】まず、本発明の全体の概要を説明
する。
【0058】本発明者らは、感光体表面とクリーニング
部材との間に作用する摩擦力の振動を抑制することがク
リーニング性、耐久性に有効であることを、さらには感
光体とクリーニング部材との、摩擦力の振動を含む摩擦
特性に温度の依存性があること突き止めた。
【0059】また、クリーニング部材の特性の調整の
他、感光体の表面層の改良によっても摩擦係数や動摩擦
偏差係数の値のみならず、それらの温度依存性を制御す
ることができることを見出した。
【0060】図1(a)、(b)は、それぞれ感光体の
表面層の組成及び/又はクリーニング部材の組成を変化
させたときの、摩擦係数(後述)や動摩擦偏差係数(後
述)の温度依存性についての一実施例を示す。これらの
図中の記号が同一のものは、同一の組み合わせであるこ
とを示す。なお、「●」、「▲」、「■」は、それぞれ
「周知のa−SiC表面層の感光体と、周知のクリーニ
ング部材の内のある種との、組合せによるもの」、「●
に対し、クリーニング部材のみを替えたもの」、「▲に
対し、さらにアモルファスカーボン(a−C)表面層の
感光体としたもの」である。
【0061】これらの図から明らかなように、リーニン
グ部材との当接部の温度により、摩擦特性の値自体、及
び変動率も、感光体とクリーニング部材との組合せによ
り異なる。
【0062】本発明は、上述の点に鑑み、感光体に当接
するクリーニング部材を用いたクリーニング工程を有
し、繰り返し画像形成を行う画像形成方法、画像形成装
置において、当接する一方、又は双方を限定された組み
合わせで使用することにより、摩擦特性の値を所定の範
囲に制御し、さらにはこの摩擦特性の環境、特に温度に
よる依存性を低減し、又は抑制する。
【0063】そして、上述の事項を中心に、当接する材
料や、当接条件等を良好な範囲に限定することにより、
環境によらず良好なクリーニング性を、安定して得るこ
とができる。
【0064】具体的には、感光体表面とクリーニング部
材との当接部における温度が15〜60℃の範囲におい
て、感光体表面とクリーニング部材との間に作用する動
摩擦力のばらつきの負荷依存性(以下「動摩擦の標準偏
差係数」又は「動摩擦偏差係数」という。)が0.1以
内であることを特徴とする。
【0065】さらに、同温度範囲において、動摩擦偏差
係数の変化幅が、0.02以内であることを特徴とす
る。
【0066】以上の構成によりクリーニング部材の摩擦
力のばらつき、及び使用環境、特に温度の変動によるば
らつき量の変動が規定され、またそれにより生じるクリ
ーニング部材の振動、いわゆる「びびり」を防止、安定
したクリーニング性を得ることができる。また、摩擦力
のばらつきを抑制することにより、感光体への局所的な
負荷を防止し、この感光体が部分的に摩耗する「削れむ
ら」などを、低減したり解消したりすることができる。
【0067】摩擦係数に関して、動摩擦係数が低い方が
クリーニングに際しての当接圧のラチチュードが広が
る。すなわち、クリーニング不良やブレードめくれ等の
クリーニング部材の損傷等の防止に有効である。また、
近年では省エネルギーの観点から低融点トナーの開発、
また感光体やクリーニング部材の長寿命化が希求されて
おり、そのためにも動摩擦係数の低減が重要である。
【0068】上述の理由から、同温度範囲において動摩
擦係数が1.0以下であること、かつ温度による摩擦係
数の変化幅が0.4以内、より好ましくは0.2以内で
あることを特徴とする。この構成により、使用環境によ
る変動を抑え、安定して良好なクリーニング性を得るこ
とができる。
【0069】一方、摩擦係数が低すぎると、クリーニン
グに必要な摩擦力を得るための負荷が大きくなったり、
当接不良等によるトナーのすり抜けが発生したりするな
ど、実用上あまり好ましくない。そのため該摩擦係数は
0.2以上が好ましい。より好ましくは0.3以上であ
る。
【0070】また、画像形成工程を15万(150K)
回繰り返した耐久前後での、動摩擦偏差係数の変化量を
0.02以内、摩擦係数の変化量0.4以内に規定す
る。このような構成により、クリーニングに要する負
荷、摩擦を一定に保持でき、耐久特性の向上を図れる。
【0071】また、感光体表面とクリーニング部材との
当接圧をクリーニング性、耐久性の両方の観点から適し
た領域で使用することが有効である。具体的には49〜
490mN/cm(5〜50gf/cm)に規定するこ
とが好ましい。
【0072】さらに、安定したクリーニング性、当接状
態を保持するために、一定量の潤滑材を介在させること
が有効である。固体潤滑材として、例えば、PTFE、
PFA、PVDF等のフッ素化合物や球状のアクリル樹
脂及びポリエチレン樹脂などの樹脂粉末や酸化ケイ素及
び酸化アルミニウムなどの金属酸化物粉末などを挙げる
ことができる。特に、フッ素原子を多量に含むフッ素原
子含有樹脂は、表面エネルギーが著しく小さいので、潤
滑材としての効果が大きい。また、トナーを潤滑材とし
て流用してもよい。
【0073】潤滑材の選択においては、潤滑性はもとよ
り、トナーリユース性(トナーの再利用性)や感光体の
硬度などの電子写真としての仕様に応じて適宜選択され
ることが好ましい。
【0074】摩擦特性の規定の手段として、クリーニン
グ部材、感光体の一方、又は双方の特性を改善すること
が有効である。
【0075】クリーニング部材は、反発弾性が5〜75
%で、硬度が60〜90度の弾性ブレードであることを
特徴とする。ここで言う反発弾性、硬度はそれぞれ各々
JIS K−7311に準ずる方法、JIS K−62
53に準ずる方法で評価するが、温度などの測定環境
は、これらのJISの範囲外をも含む。
【0076】感光体表面は、電気的な特性はもちろんの
こと、離型性、耐久性に優れ、さらに摩擦特性の温度依
存性が少ない材料がよい。表面層としては、非晶質炭素
(アモルファスカーボン:a−C)系の材料などを使用
することも有効である。a−C系の材料はa−SiCと
同等以上の硬度を持ち、撥水性に優れた材料であり、良
好な耐久、耐刷特性を発揮する。このようなa−C表面
層を表面層に使用することで、クリーニング性、耐刷特
性、環境特性をより向上させることができる。
【0077】また、他の特性との兼ね合い等により、組
成を変化させることも可能である。なお、表面層の電気
抵抗率は電荷の阻止能、画像ボケ防止等の観点から、1
×1010〜5×1015Ω・cmが好ましい。
【0078】さらに、感光体の電気的特性も環境による
変動が低減されていることが好ましい。電気的特性の環
境依存性として、帯電能の温度依存性(以下「温度特
性」という。)が±2V/deg以内とする。この構成
により、潜像形成、顕像形成(トナー像形成)にかかる
感光体の特性が環境によらず安定し、転写残トナー等、
クリーニングにかかる条件を安定に保持するとともに、
高画質な画像を提供できる。
【0079】温度特性を制御する方法としては、感光体
の指数関数裾のエネルギー(アーバックテール:Eu)
を制御することも有効である。
【0080】一般にa−Siのサブギャップ光吸収スペ
クトルは大きく二つの部分に分けられる。すなわち吸収
係数αが光子エネルギーhνに対して指数関数的、すな
わち直線的に変化する部分(指数関数裾又はアーバック
テール:Eu)と、αがhνに対してより緩やかな依存
性を示す部分である。
【0081】前述の直線的な領域はa−Si中の荷電子
帯側のテール準位から伝導体への光学遷移による光吸収
に対応し、直線領域の吸収係数αのhνに対する指数関
数的依存性は次式で表される。
【0082】α=αexp(hν/Eu) この両辺の対数をとると、 lnα=(1/Eu)・hν+α1 ただし、α1=lnα となり、特性エネルギーEuの逆数(1/Eu)が、直
線部分の傾きを表すことになる。Euは価電子帯側のテ
ール準位の指数関数的エネルギー分布の特性エネルギー
に相当するため、Euが小さければ価電子帯側のテール
準位が少ないことを意味する。
【0083】本発明において、具体的には、Euを50
〜70meV、より好ましくは50〜65meVにする
ことにより、温度特性を±2V/deg以内、より好ま
しくは±1.5V/deg以内にできる。
【0084】なお、Euの下限として50meVとした
のは、Euが50meVより小さい感光体の作製におい
ては、成膜速度が低下するために実用上の成膜が困難だ
からである。
【0085】さらに、露光方式としては、バックグラウ
ンド露光(BAE)、現像方式では正規現像を採用する
ことにより、クリーニングのラチチュードがさらに広が
る。
【0086】なお、例えば、回転多面鏡(ポリゴンミラ
ー)によって光ビームを走査する構成の場合、その原理
上、感光体表面に入射する光ビームの角度が異なるた
め、感光体表面で軸方向の光量分布(画角特性)を生じ
るが、可干渉性の表面層を用いることにより、干渉によ
って入射光量が変わるため、膜厚膜質によって画角特性
を制御することが可能である、という優れた効果を有す
る。
【0087】以下、図面に沿って、本発明の実施の形態
について説明する。
【0088】〈実施の形態1〉図2に、本発明に係る画
像形成装置の一例を示す。同図は、電子写真方式のレー
ザプリンタの概略構成を示す縦断面図である。まず、同
図を参照して、画像形成装置全体の概略、及び画像形成
プロセスについて説明する。
【0089】〔画像形成プロセス〕図2に示す画像形成
装置は、ドラム型の感光体(感光ドラム)を備えてい
る。感光体1の周辺には、主帯電器(一次帯電器)2、
露光器3、現像器4、記録材給送系8、転写・分離帯電
器5、搬送系9、クリーニング装置6、主除電光源7な
どが配設されている。感光体1は、必要に応じて内面ヒ
ータ(不図示)等の加熱手段(以下適宜「ドラムヒー
タ」という。)によって温度調整するようにしてもよ
い。
【0090】感光体1は、矢印R1方向に回転駆動さ
れ、主帯電器2によって表面が一様に帯電される(帯電
工程)。帯電後の感光体表面は、露光器3によって画像
情報に応じた光照射がなされ、静電潜像が形成される
(露光工程)。この静電潜像は、現像器4によってトナ
ーが付着されてトナー像として現像される(現像工
程)。
【0091】一方、記録材(他部材)Pは、記録材通路
8a、レジストローラ8b等を有する記録材供給系8を
通って、感光体1と転写帯電器5aとの間の転写部Tに
供給される。供給された記録材Pは、この転写部Tにお
いて、転写帯電器5aにより背面からトナーとは反対極
性の電界が与えられ、これによって感光体表面のトナー
像が転写される(転写工程)。トナー像転写後の記録材
Pは、分離帯電器5bによって感光体表面から分離され
る。分離後の記録材Pは、記録材搬送系9を通って定着
器(不図示)に搬送され、ここで表面にトナー像が定着
された後、画像形成装置本体の外部に排出される。
【0092】なお、転写部Tにおいて記録材Pに転写さ
れないで感光体表面に残ったいわゆる転写残トナーは、
クリーニング装置6に至り、クリーニングブレード6a
等のクリーニング部材によってロジン、タルク、紙粉
(以下適宜「紙粉等」という。)などとともに異物として
除去される(クリーニング工程)。転写残トナーや紙粉
等の異物(以下適宜「転写残トナー等」という。)が除去
された感光体1は、さらに、主除電光源7によって除電
され、次の画像形成プロセスに供される。
【0093】次に、クリーニング装置6について説明す
る。
【0094】〔クリーニング装置〕上述のように、感光
体表面に形成した転写可能なトナー像を、紙などの記録
材Pに転写する転写工程を繰り返す周知の画像形成装置
において、転写後に、感光体表面に残った転写残トナー
等を除去する必要がある。このために使用されるクリー
ニング部材としては、従来から、ゴム等の樹脂からなる
クリーニングブレードや、樹脂繊維等からなるクリーニ
ングブラシなどが実用化されている。その他には磁気な
どにより感光体表面に残留するトナー等の磁性粉体を吸
着除去する方法もある。
【0095】図2のクリーニング装置6は、クリーニン
グブレード6a、廃トナー溜まり6b、廃トナー搬送系
6c、漏れ防止シート6d等によって構成されている。
【0096】クリーニングブレード6aは、ポリウレタ
ンゴムなどの弾性材によって板状に形成されたものが一
般的である。このクリーニングブレード6aは、弾性、
硬度などの特性が適宜に調整される。また、使用する系
に応じて、感光体1への当接圧や当接角度等が調節され
た状態で使用される。クリーニングブレード6aによっ
て感光体表面から掻き落とされた転写残トナー等は、漏
れ防止シート6dによって下方の搬送系9等に落下する
のを防止されつつ、廃トナー溜まり6bに回収される。
回収された転写残トナー等は、廃トナー搬送系6cによ
って、廃トナー回収容器(不図示)に回収されたり、ト
ナーリユース機構(不図示)を介して再利用されたりす
る。
【0097】クリーニング部材としては、上述のクリー
ニングブレード6aの他にも、天然繊維や合成繊維等か
らなる毛ブラシを表面に有するブラシ状のもの(クリー
ニングブラシ)や、シリコーンゴムやスポンジなどの弾
性材からなるブロック状のもの(クリーニングブロッ
ク)を使用することができる。これらクリーニングブラ
シやクリーニングブロックを感光体表面に当接させて摺
擦させ、これにより、感光体表面の転写残トナー等を掻
き取る。さらに、磁石や、トナーと逆極性のバイアスを
印加したローラ状の部材(クリーニングローラ)を使用
して、転写残トナーを電磁気的に吸引してクリーニング
を行うものなどがある。なお、このようなクリーニング
ローラには、回収した転写残トナー等が付着コートさ
れ、このコート層を感光体1に当接させて感光体表面と
の間に所定の相対速度をもって摺擦を行うものもある。
【0098】図3(a)、(b)、(c)、(d)は、
クリーニング工程の繰り返しにおける各動作を模式的に
示す動作説明図である。以下、同図を例に、クリーニン
グ工程の概略を、順を追って説明する。なお、これらの
図における符号1は感光体、6aはクリーニングブレー
ド、6eはクリーニングローラ、6fはドクターローラ
(なお、ドクターブローラに代えて、ドクターブレード
を使用してもよい。)である。
【0099】ステップ1:図3(a)に対応。
【0100】クリーニング装置6のクリーニングブレー
ド6aが当接している感光体1の表面が所定の速度で回
転する。なお、図3(a)〜(d)においては、感光体
1の表面は、平面状に図示してあり、左方から右方に移
動するものとする。
【0101】感光体表面には、前述の図2に示す、主帯
電器2による帯電工程、露光器3による露光工程、現像
器4による現像工程によって、トナー像が形成される。
このトナー像は、転写部Tにおいて記録材Pの表面に転
写されるが、このとき記録材Pに転写されないで感光体
表面に残った転写残トナー等は、静電気力(クーロン
力)や、分子間力、摩擦力その他の付着力等により、感
光体表面に付着した状態で、クリーニング装置6に接近
する。
【0102】ここで、感光体1は、例えば必要に応じて
ドラムヒータなどによって、所定の温度に保持されてい
る場合もある。また、クリーニングローラ6eやドクタ
ーローラ6fは、付随していない場合もある。
【0103】クリーニングブレード6aは、感光体表面
との当接部において、感光体1との潤滑性を持たせるた
めに粉体を塗布した状態で使用することが好ましい。潤
滑材としてはトナーを流用してもよい。本図において
は、クリーニングローラ6eからトナー溜まり6b(図
2参照)を介して、既に回収された廃トナー(転写残ト
ナー)の一部、あるいは適宜な方法でクリーニングロー
ラ6eに付与されているトナーが適宜供給されている。
【0104】ステップ2:図3(b)に対応。
【0105】クリーニングローラ6eを有する系では、
上述の転写残トナー等は、クリーニングローラ6eによ
り摺擦され、掻き取り、あるいは吸引回収される。これ
ら転写残トナー等は、このクリーニングローラ6eに取
り込まれる。
【0106】ステップ3:図3(c)に対応。
【0107】クリーニングローラ6eに取り込まれた転
写残トナー等は、一部はドクターローラ6fにより回収
される。回収された転写残トナー等は、クリーニング装
置6内のトナー溜まり6b(図2参照)へ送られる。こ
うして回収された転写残トナー等は、さらに廃トナー搬
送系6c等を経由して、廃トナー回収容器(不図示)に
回収され、又は、選別されて、一部の転写残トナーはト
ナーリユース機構(不図示)により再利用される場合も
ある。
【0108】ステップ4:図3(d)に対応。
【0109】上述のクリーニングローラ6eにより回収
されなかった転写残トナー等、あるいはクリーニングロ
ーラ6eを有していない系の転写残トナー等は、感光体
表面に付着した状態でクリーニングブレード6aに接近
する。
【0110】これら転写残トナー等は、例えば以下のよ
うにクリーニング装置6のクリーニングブレード6aに
よって掻き落とされ、回収される。
【0111】クリーニングブレード6aは、感光体表面
に当接しており、感光体表面との摩擦力に引かれて、先
端がその弾性によりmからnの方向へ撓む。さらに撓み
が進み、感光体表面との接触面積及び摩擦力が増加して
いく。そして、限界点まで達すると、クリーニングブレ
ード6aはその反発弾性(復元力)によりnからmへ復
元し、このとき同時に感光体表面の転写残トナー等を掻
き落とすことになる。こうして掻き落とされた転写残ト
ナー等は、クリーニングブレード6a又はクリーニング
ローラ6e等により回収される。回収後の転写残トナー
等は、廃トナー溜まり6b(図2参照)から廃トナー搬
送系(例えばスクリュー)6cを経由し、廃トナー回収
容器(不図示)へ搬送、排出される。あるいは、トナー
リユース機構(不図示)によって後述するように再利用
される場合もある。
【0112】廃トナー回収容器は、画像形成装置本体の
内部に設置されている場合もあり、また、画像形成装置
本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジを使用す
る画像形成装置では、プロセスカートリッジと一体のク
リーニング装置に組み込まれる場合もある。なお、トナ
ー像転写後に、感光体1表面に残留する電荷は、主除電
光源7(図2参照)によって除去される。
【0113】なお、上述のクリーニングローラ6eに代
えて、ブラシ状のクリーニングブラシを感光体表面に圧
接摺擦して転写残トナー等を除去するようにしてもよ
い。また、磁性体からなるクリーニングローラや、トナ
ーと逆の極性にバイアスを印加したクリーニングロー
ラ、又はクリーニングローラ自体をトナーと逆特性にな
るように構成したものを使用し、非接触で、あるいは感
光体表面に当接させ、あるいは吸引した回収トナー等に
より、間接的に感光体表面に圧接摺擦して転写残トナー
等を除去する方法等が既に提案されている。これらの部
材(クリーニングブレード、クリーニングブラシ、クリ
ーニングローラ等)は、クリーニング装置6内に配置さ
れており、それぞれ単独で又は適宜に組み合わせて使用
し、感光体表面から転写残トナー等を除去するようにし
ている。
【0114】〔トナーの再利用〕また、廃棄物の低減な
いし解消のために、転写残トナーを低減させることも重
要である。
【0115】このため、感光体表面に形成されたトナー
像(顕像)が記録材Pへ転写されるときの効率、いわゆ
る転写効率を向上させることも必要であるが、それと同
様にトナーの再利用(リユース)も重要な技術である。
【0116】前述のように、転写残トナー等は、図2の
クリーニング装置6で感光体1から除去、回収された
後、トナーリユース機構(不図示)により現像器4へ輸
送され、再利用(リユース)される場合がある。
【0117】トナーは、画質を良好に維持するために、
粒径や特性が厳密に規制されており、トナーへの異物の
混入は極力避けなければならない。リユースされるべき
転写残トナー(回収トナー)についても同様で、転写残
トナー及び紙粉等からなる異物(転写残トナー等)か
ら、転写残トナー以外の紙粉等は必要に応じて別途除去
される。
【0118】なお、トナーリユースについては、様々な
方法が提案されているが、基本的には上述の回収した転
写残トナー等から紙粉等を除去して、転写残トナーのみ
を効率よく選別することが重要である。
【0119】〔正規現像と反転現像〕電子写真方式の画
像形成方法は、現像に関して、潜像形成と現像領域の関
係で、正規現像と反転現像とに大別される。前者の正規
現像は、感光体表面の帯電電荷と逆極性のトナーを、露
光により帯電電荷を除去した部分以外に付着させて可視
像を形成するものであり、後者の反転現像は、感光体表
面の帯電電荷と同極性のトナーを、露光により帯電電荷
を除去した部分に付着させて可視像を形成するものであ
る。
【0120】〔イメージ露光とバックグランド露光〕さ
らに、電子写真方式の画像形成方法には、画像情報と露
光部との関係で、イメージ露光(IAE)とバックグラ
ンド露光(BAE)とに大別される。前者のイメージ露
光は、画像部を露光(照射)するものであり、後者のバ
ックグランド露光は、非画像部(背景部)を露光(照
射)するものである。
【0121】上述のイメージ露光、バックグランド露光
とも実用化されているが、それぞれ使用する感光体や現
像剤等の制約で決定されることが多い。
【0122】構成上、正規現像とバックグランド露光と
の組み合わせ、また反転現像とイメージ露光との組み合
わせが、一般に実用化されている。
【0123】デジタル系の電子写真方式で多用される光
ビーム走査による画像記録においては、一般に、以下に
述べるように、イメージ露光よりもバックグランド露光
の方がラチチュード(自由度)が狭くなるため、イメー
ジ露光が採用されている。
【0124】光ビーム走査による画像記録技術は、光ビ
ームのスポットの大きさ・形状・パワー等が画質や安定
性に大きな影響を与える。
【0125】図4(a)は、縦軸Yを境に、左側部にイ
メージ露光の1ラインの状態、すなわち1ラインのみ光
ビームONの潜像状態を、また右側部にバックグランド
露光の1ラインの状態、すなわち1ラインのみ光ビーム
OFFの潜像状態を示し、イメージ露光のラチチュード
はV−V、バックグランド露光のラチチュードはV
−Vである。
【0126】なお、この潜像は、図4(b)のように露
光手段の光分布と、感光体のEV特性とから導くことが
できる。
【0127】この図4(a)からわかるように、バック
グランド露光では、走査線間隔に対して光ビームのスポ
ット径が小さい場合や光ビームパワーが小さすぎる場合
には、光ビームの照射部に電位の隙間ができ、Vが高
くなってラチチュードが小さくなるため、走査線間隔に
対して光ビームのスポット径やパワーには下限がある。
このように、光ビームの照射による潜像形成に関して
は、バックグランド露光のラチチュードはイメージ露光
より狭いことが知られている。
【0128】一方、転写・分離性能は、転写効率と分離
・再転写のラチチュードに大きく左右されるものである
が、イメージ露光では非画像部(背景部)の電位が画像
部より高いため、転写・分離性能に関しては、イメージ
露光よりもバックグランド露光の方がラチチュードは広
い。
【0129】また、クリーニング装置に突入するときの
感光体の電位は減衰しているため、電位の低い部分に現
像する方式のイメージ露光では、クリーニング部分で多
くの現像剤が感光体に付着しやすく、クリーニングに関
しても、イメージ露光よりもバックグランド露光の方が
ラチチュードは広い。
【0130】このように、バックグランド露光の方が設
計しやすく、結果的にラチチュードの広い安定した電子
写真装置を供給できるといったポテンシャルを有してい
る。
【0131】〔感光体〕(OPC、a−Si) 電子写真方式の感光体は、有機系と無機系の2種類に大
別される。
【0132】〈有機光導電体(OPC)〉電子写真感光
体の光導電材料として、近年、種々の有機光導電材料の
開発が進み、特に電荷発生層と電荷輸送層とを積層した
機能分離型の感光体は既に実用化され、複写機やレーザ
ビームプリンタに搭載されている。
【0133】しかしながら、これらの感光体は一般的に
耐久性が低いことが1つの大きな欠点であるとされてき
た。耐久性としては、感度、残留電位、帯電能、画像ぼ
け等の電子写真の物性面の耐久性、及び摺擦による感光
体表面の摩耗や引っ掻き傷等の機械的な耐久性に大別さ
れる。これら物性面の耐久性、機械的な耐久性のいずれ
も、感光体の寿命を決定する大きな要因となっている。
【0134】このうち、電子写真の物性面の耐久性、特
に画像ぼけに関しては、主帯電器や転写・分離帯電器に
使用されるコロナ帯電器から発生するオゾン、NOx等
の活性物質により、感光体表面層に含有される電荷輸送
物質が劣化することが原因であることが知られている。
【0135】一方、機械的な耐久性に関しては、感光層
に対して記録材、クリーニング部材(クリーニングブレ
ード、クリーニングローラなど)、トナー等が物理的に
接触して摺擦することが原因であることが知られてい
る。
【0136】電子写真の物性面の耐久性を向上させるた
めには、オゾン、NOx等の活性物質により劣化されに
くい電荷輸送物質を用いることが重要であり、酸化電位
の高い電荷輸送物質を選択するとよいことが知られてい
る。
【0137】一方、機械的な耐久性を上げるためには、
記録材やクリーニング部材による摺擦に耐えるために、
表面の潤滑性を上げて摩擦を小さくすること、トナーの
フィルミング融着等を防止するために表面の離型性をよ
くすることが重要であり、このために、フッ素系樹脂粉
体、フッ化黒鉛、ポリオレフィン系樹脂粉体等の潤滑材
を感光体の表面層に配合することが知られている。しか
しながら、摩耗が著しく小さくなるとオゾン、NOx等
の活性物質により生成された吸湿性物質が感光体表面に
堆積し、その結果として表面抵抗が下がり、表面電荷が
横方向に移動して画像のぼけ(画像流れ)を生ずるとい
う問題があった。
【0138】また、感度や帯電能などの電位特性につい
て、上記の理由により耐久によって摩耗させることが必
要であるため、耐久変化があり、また摩耗に伴う表面形
状の変化が引き起こす光散乱等により、画質の低下が生
じる、という問題が有った。
【0139】〈無機光導電体:アモルファスシリコン系
感光体(a−Si)〉電子写真方式の画像形成装置にお
いて、感光体における感光層を形成する光導電材料とし
ては、高感度で、SN比〔光電流(Ip)/暗電流(I
d)〕が高く、照射する電磁波のスペクトル特性に適合
した吸収スペクトルを有すること、光応答性が早く、所
望の暗抵抗値を有すること、使用時において人体に対し
て無害であること、等の特性が要求される。特に、事務
機としてオフィスで使用される画像形成装置内に組み込
まれる画像形成装置用の感光体の場合には、上述の使用
時における無公害性は重要な点である。このような点に
優れた性質を示す光導電材料に水素化アモルファスシリ
コン(以下「a−Si:H」という。)があり、例え
ば、特公昭60−35059号公報には画像形成装置用
の感光体としての応用が記載されている。
【0140】図5(a)、(b)、(c)、(d)は、
本発明に係る画像形成装置用の感光体のそれぞれ異なる
層構成を説明するための模式的である。なお、これらの
図は、感光体50を、その軸心を含む平面で切った断面
の一部を示すものである。
【0141】図5(a)に示す画像形成装置用の感光体
50は、感光体用としての支持体(ドラム基体)51の
上に、感光層52が設けられている。この感光層52
は、a−Si:H,X(水素原子(H)及び/又はハロ
ゲン原子(X)を含むアモルファスシリコン)からなり
光導電性を有する光導電層53で構成されている。
【0142】図5(b)に示す画像形成装置用の感光体
50は、感光体用としての支持体51の上に、感光層5
2が設けられている。この感光層52は、a−Si:
H,Xからなり光導電性を有する光導電層53と、アモ
ルファスシリコン系の表面層54とから構成されてい
る。表面層54の表面は、自由表面58となっている。
【0143】図5(c)に示す画像形成装置用の感光体
50は、感光体用としての支持体51の上に、感光層5
2が設けられている。この感光層52は、a−Si:
H,Xからなり光導電性を有する光導電層53と、アモ
ルファスシリコン系の表面層54と、アモルファスシリ
コン系の電荷注入阻止層55とから構成されている。表
面層54の表面は、自由表面58となっている。
【0144】図5(d)に示す画像形成装置用の感光体
50は、感光体用としての支持体51の上に、感光層5
2が設けられている。この感光層52は、光導電層53
を構成するa−Si:H,Xからなる電荷発生層56及
び電荷輸送層57と、アモルファスシリコン系の表面層
54とから構成されている。表面層54の表面は、自由
表面58となっている。
【0145】a−Si:Hを用いた画像形成装置用の感
光体は、一般的には、導電性の支持体を50℃〜400
℃に加熱し、この支持体上に真空蒸着法、スパッタリン
グ法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD
法、プラズマCVD法(以下「PCVD法」という。)
等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を形成す
る。なかでもPCVD法、すなわち、原料ガスを直流又
は高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解
し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適な
ものとして実用に付されている。
【0146】また、特開昭54−83746号公報にお
いては、導電性の支持体と、ハロゲン原子(X)を構成
要素として含むa−Si(以下「a−Si:X」とい
う。)光導電層からなる画像形成装置用の感光体が提案
されている。この公報においては、a−Siにハロゲン
原子を1ないし40原子%含有させることにより、耐熱
性が高く、画像形成装置用の感光体の光導電層として良
好な電気的、光学的特性を得ることができるとしてい
る。
【0147】また、特開昭57−11556号公報に
は、a−Si堆積膜で構成された光導電層を有する光導
電部材の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、光
学的、光導電的特性、及び耐湿性等の使用環境特性、さ
らには経時的安定性について改善を図るため、シリコン
原子を母体としたアモルファス材料で構成された光導電
層上に、シリコン原子及び炭素原子を含む非光導電性の
アモルファス材料で構成された表面層を設ける技術が記
載されている。
【0148】さらに、特開昭60−67951号公報に
は、アモルファスシリコン、炭素、酸素、及びフッ素を
含有してなる透光絶縁性オーバーコート層を積層する感
光体についての技術が記載され、特開昭62−1681
61号公報には、表面層として、シリコン原子と炭素原
子と41〜70原子%の水素原子を構成要素として含む
非晶質材料を用いる技術が記載されている。
【0149】次に、特開昭57−158650号公報に
は、水素を10〜40原子%含有し、赤外吸収スペクト
ルの2100cm-1と2000cm-1の吸収ピークの吸
収係数比が0.2〜1.7であるa−Si:Hを光導電
層に用いることにより高感度で高抵抗な画像形成装置用
の感光体が得られることが記載されている。
【0150】一方、特開昭60−95551号公報に
は、アモルファスシリコン感光体の画像品質向上のため
に、感光体表面近傍の温度を30℃ないし40℃に維持
して帯電、露光、現像、及び転写といった画像形成工程
を行うことにより、感光体表面での水分の吸着による表
面抵抗の低下とそれに伴って発生する画像流れ(高湿流
れ)を防止する技術が開示されている。
【0151】これらの技術により、画像形成装置用の感
光体の電気的、光学的、光導電的特性、及び使用環境特
性が向上し、それに伴って画像品質も向上してきた。
【0152】また、耐久によって摩耗させることが必須
ではないため、感光体の感度、すなわちEV特性の耐久
変化は少なく、OPCのような摩耗に伴う問題は発生し
ない。
【0153】〔支持体〕本発明において使用される支持
体51としては、導電性でも電気絶縁性であってもよ
い。導電性の支持体51としては、Al、Feなどの周
知の金属、及びこれらの合金、例えばステンレス等が挙
げられる。また、合成樹脂のフィルム又はシート、ガラ
ス、セラミック等の電気絶縁性の支持体51の少なくと
も感光層を形成する側の表面を導電処理した支持体51
も用いることができる。
【0154】本発明おいて使用される支持体51の形状
は平滑表面又は凹凸表面の、円筒状又は無端ベルト状で
あってもよい。
【0155】特にレーザ光などの可干渉光を用いて像記
録(潜像形成)を行う場合には、可視画像(トナー像)
において現れる、いわゆる干渉縞模様による画像不良を
より効果的に解消するために、帯電キャリヤの減少が実
質的にない範囲で支持体51の表面に凹凸を設けてもよ
い。支持体51の表面に設けられる凹凸は、特開昭60
−168156号公報、同60−178457号公報、
同60−225854号公報等に記載された公知の方法
により形成することができる。
【0156】また、レーザ光などの可干渉光を用いた場
合の干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消する
別の方法として、帯電キャリヤの減少が実質的にない範
囲で支持体51の表面に複数の球状痕跡窪みによる凹凸
形状を設けてもよい。すなわち、支持体51の表面が画
像形成装置用の感光体50に要求される解像力よりも微
少な凹凸を有し、しかもこの凹凸が、複数の球状痕跡窪
みによるものであるとする。支持体51の表面に設けら
れる複数の球状痕跡窪みによる凹凸は、特開昭61−2
31561号公報に記載された公知の方法により形成す
ることができる。
【0157】さらに、レーザ光等の可干渉光を用いた場
合の干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消する
さらに別の方法として、感光層52内、又は感光層52
の下側に光吸収層等の干渉防止層又は領域を設けるよう
にしてもよい。
【0158】〔光導電層〕本発明において、その目的を
効果的に達成するために支持体51上、必要に応じて下
引き層(不図示)上に形成され、感光層52の一部を構
成する光導電層53は真空堆積膜形成方法によって、所
望の特性が得られるように適宜に成膜パラメーターの数
値条件を設定することで形成することができる。具体的
には、例えばグロー放電法(低周波CVD法、高周波C
VD法、若しくはマイクロ波CVD法等の交流放電CV
D法、又は直流放電CVD法等)、スパッタリング法、
真空蒸着法、イオンプレーティング法、光CVD法、熱
CVD法などの数々の薄膜堆積法によって形成すること
ができる。これらの薄膜堆積法は、製造条件、設備資本
投資下の負荷程度、製造規模、作製される画像形成装置
用の感光体に所望される特性等の要因によって適宜選択
されて採用されるが、所望の特性を有する画像形成装置
用の感光体50を製造するに当たっての条件の制御が比
較的容易であることから、グロー放電法が好適である。
【0159】グロー放電法によって光導電層53を形成
するには、基本的にはシリコン原子(Si)を供給し得
るSi供給用の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得
るH供給用の原料ガス及び/又は及び/又はハロゲン原
子(X)を供給し得るX供給用の原料ガスを、内部を減
圧にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入して、こ
の反応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定
の位置に設置してある所定の支持体51上にa−Si:
H,Xからなる層を形成すればよい。
【0160】また、本発明において光導電層53中に水
素原子及び/又はハロゲン原子が含有されることが必要
であるが、これはシリコン原子の未結合手を補償し、層
品質の向上、特に光導電性及び電荷保持特性を向上させ
るために必須不可欠であるからである。よって水素原子
又はハロゲン原子の含有量、又は水素原子とハロゲン原
子の和の量は、シリコン原子と水素原子及び/又はハロ
ゲン原子の和に対して10〜30原子%、より好ましく
は15〜25原子%とされるのが望ましい。
【0161】本発明において使用されるSi供給用ガス
となり得る物質としてはガス状態の、又はガス化し得る
水素化ケイ素(シラン類)が有効に使用されるものとし
て挙げられ、さらに層作製時の取り扱い易さ、Si供給
効率の良さ等の点で、SiH 、Siが好ましい
ものとして挙げられる。
【0162】そして、形成される光導電層53中に水素
原子を構造的に導入し、水素原子の導入割合の制御を一
層容易になるように図り、本発明の目的を達成する膜特
性を得るために、これらのガスにさらにH及び/又は
Heあるいは水素原子を含むケイ素化合物のガスも所望
量混合して層形成することが必要である。また、各ガス
は単独種のみでなく所定の混合比で複数種混合するよう
にしてもよい。
【0163】また本発明において使用されるハロゲン原
子供給用の原料ガスとして有効なのは、例えばハロゲン
ガス、ハロゲン化物、ハロゲンを含むハロゲン間化合
物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状の又
はガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられる。
また、さらにはシリコン原子とハロゲン原子とを構成要
素とするガス状の又はガス化し得る、ハロゲン原子を含
む水素化ケイ素化合物も有効なものとして挙げることが
できる。
【0164】光導電層53中に含有される水素原子及び
/又はハロゲン原子の量を制御するには、例えば支持体
51の温度、水素原子及び/又はハロゲン原子を含有さ
せるために使用される原料物質の反応容器内へ導入する
量、放電電力等を制御すればよい。
【0165】本発明においては、光導電層53には必要
に応じて伝導性を制御する原子を含有させることが好ま
しい。伝導性を制御する原子は、光導電層53中に万遍
なく均一に分布した状態で含有されていてもよいし、あ
るいは層厚方向には不均一な分布状態で含有している部
分があってもよい。
【0166】上述の伝導性を制御する原子としては、半
導体分野における、いわゆる不純物を挙げることがで
き、周知のように、p型伝導特性を与える周期律表13
(IIIB)族に属する原子(第13族原子)又はn型伝導
特性を与える周期律表15(Vb)族に属する原子(第
15族原子)を用いることができる。
【0167】また、これらの伝導性を制御する原子導入
用の原料物質を必要に応じてH及び/又はHeにより
希釈して使用してもよい。
【0168】さらに本発明においては、光導電層53に
炭素原子及び/又は酸素原子及び/又は窒素原子を含有
させることも有効である。炭素原子及び/又は酸素原子
及び/又は窒素原子は、光導電層中に万遍なく均一に含
有されてもよいし、光導電層の層厚方向に含有量が変化
するような均一な分布をもたせた部分があってもよい。
【0169】本発明において、光導電層53の層厚は、
所望の電子写真特性が得られること及び経済的効果等の
点から適宜に所望に従って決定され、好ましくは20〜
50μm、より好ましくは23〜45μm、最適には2
5〜40μmとするのが望ましい。
【0170】本発明の目的を達成し、所望の膜特性を有
する光導電層53を形成するために、Si供給用のガス
と希釈ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電
力、及び支持体温度を適宜設定することが必要である。
【0171】なお、上述の各条件は、通常は独立的に別
々に決められるものではなく、所望の特性を有する感光
体50を形成すべく相互的かつ有機的関連性に基づいて
最適値を決めるのが望ましい。
【0172】〔表面層〕本発明においては、上述のよう
にして支持体51上に形成された光導電層53の上に、
さらに表面層54を形成することが好ましい。この表面
層54は自由表面58を有し、主に耐湿性、連続繰り返
し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特性、耐久性にお
いて本発明の目的を達成するために設けられる。
【0173】表面層54は、アモルファスシリコン(a
−Si)系の材料や、例えば、水素原子(H)及び/又
はハロゲン原子(X)を含有し、さらに炭素原子を含有
するアモルファスシリコン(以下「a−SiC:H,
X」という。)、水素原子(H)及び/又はハロゲン原
子(X)を含有し、さらに酸素原子を含有するアモルフ
ァスシリコン(以下「a−SiO:H,X」とい
う。)、水素原子(H)及び/又はハロゲン原子(X)
を含有し、さらに窒素原子を含有するアモルファスシリ
コン(以下「a−SiN:H,X」という。)、水素原
子(H)及び/又はハロゲン原子(X)を含有し、さら
に炭素原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも一つを含
有するアモルファスシリコン(以下「a−SiCON:
H,X」という。)等の材料が好適に用いられる。
【0174】本発明において、その目的を効果的に達成
するために、表面層54は、真空堆積膜形成方法によっ
て、所望の特性が得られるように適宜に成膜パラメータ
ーの数値条件が設定されて作製される。具体的には、例
えばグロー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法、
又はマイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるい
は直流放電CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着
法、イオンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法
などの数々の薄膜堆積法によって形成することができ
る。これらの薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下
の負荷程度、製造規模、作製される画像形成装置用の感
光体50に所望される特性等の要因によって適宜に選択
されて採用されるが、感光体50の生産性から光導電層
53と同等の堆積法によることが好ましい。
【0175】例えば、グロー放電法によってa−Si
C:H,Xからなる表面層54を形成するには、基本的
にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の原
料ガスと、炭素原子(C)を供給し得るC供給用の原料
ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料ガ
ス及び/又はハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用
の原料ガスを、内部を減圧にし得る反応容器内に所望の
ガス状態で導入して、この反応容器内にグロー放電を生
起させ、あらかじめ所定の位置に設置された光導電層5
3を形成した支持体51上にa−SiC:H,Xからな
る層を形成すればよい。
【0176】表面層をa−SiCを主成分として構成す
る場合の炭素量は、シリコン原子と炭素原子の和に対し
て30〜90%の範囲が好ましい。
【0177】また、本発明において表面層54中に水素
原子及び/又はハロゲン原子が含有されることが必要で
あるが、これはシリコン原子の未結合手を補償し、層品
質の向上、特に光導電性特性及び電荷保持特性を向上さ
せるために必須不可欠である。水素含有量は、構成原子
の総量に対して通常の場合30〜70原子%、好適には
35〜65原子%、最適には40〜60原子%とするの
が望ましい。また、フッ素原子の含有量として、通常の
場合は0.01〜15原子%、好適には0.1〜10原
子%、最適には0.6〜4原子%とするのが望ましい。
【0178】表面層内の欠陥(主にシリコン原子や炭素
原子のダングリングボンド)は、例えば自由表面58か
ら光導電層53への電荷の注入による帯電特性の劣化、
使用環境、例えば高い湿度のもとで表面構造が変化する
ことによる帯電特性の変動、さらにコロナ帯電時や光照
射時に光導電層53により表面層54に電荷が注入さ
れ、表面層内の欠陥に電荷がトラップされることによる
繰り返し使用時の残像現像の発生等、画像形成装置用の
感光体50としての特性に悪影響を及ぼすことが知られ
ている。
【0179】表面層内の水素含有量を30原子%以上に
制御することで、上述の表面層内の欠陥が大幅に減少
し、電気的特性面及び高速連続使用性の向上を図ること
ができる。一方、前記表面層中の水素含有量が70原子
%を超えると、表面層54の硬度が低下することにより
耐久性が低下する。
【0180】また、表面層中のフッ素含有量を0.01
原子%以上の範囲に制御することで表面層内のシリコン
原子と炭素原子内の結合の発生をより効果的に達成する
ことが可能となる。さらに、表面層中のフッ素原子の働
きとして、コロナ等のダメージによるシリコン原子と炭
素原子の結合の切断を効果的に防止することができる。
一方、表面層中のフッ素含有量が15原子%を超えると
表面層内のシリコン原子と炭素原子の結合の発生の効果
及びシリコン原子と炭素原子の結合の切断を防止する効
果がほとんど認められなくなる。さらに、過剰のフッ素
原子が表面層中のキャリヤの走行性を阻害するため、残
留電位や画像メモリが顕著に認められてくる。
【0181】表面層中のフッ素含有量や水素含有量は、
ガスの流量、支持体温度、放電パワー、ガス圧等に
よって制御し得る。
【0182】本発明における表面層54の層厚として
は、通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μ
m、最適には0.1〜1μmとするのが望ましいもので
ある。層厚が0.01μmよりも薄いと、感光体50の
使用中に摩耗等の理由により表面層54が失われてしま
い、3μmを超えると残留電位の増加等の電子写真特性
の低下がみられる。
【0183】本発明による表面層54は、その要求され
る特性が所望通りに与えられるように注意深く形成され
る。すなわち、Si、C及び/又はN及び/又はO、H
及び/又はXを構成要素とする物質は、その形成条件に
よって構造的には結晶からアモルファスまでの形態をと
り、電気物性的には導電性から半導体性、絶縁性までの
間の性質を、また光導電的性質から非光導電的性質まで
の間の性質をそれぞれ示すので、本発明においては、目
的に応じた所望の特性を有する化合物が形成されるよう
に、所望に従ってその形成条件の選択が厳密になされ
る。
【0184】例えば、表面層54を耐圧性の向上を主な
目的として設けるには、使用環境において電気絶縁性的
な挙動の顕著な非単結晶材料として作製される。
【0185】また連続繰り返し使用特性や使用環境特性
の向上を主たる目的とする場合には、上述の電気絶縁性
の度合いはある程度緩和され、照射される光に対してあ
る程度の感度を有する非単結晶材料として形成される。
【0186】さらに、表面層54の低抵抗による画像流
れを防止し、又は残留電位等の影響を防止するために、
一方では帯電効率を良好にするために、層作製に際し
て、その抵抗値を適宜に制御することが好ましい。
【0187】さらに本発明においては、光導電層53と
表面層54の間に、炭素原子、酸素原子、窒素原子の含
有量を表面層54よりも減らしたブロッキング層(下部
表面層)を設けることも帯電能等の特性をさらに向上さ
せるためには有効である。
【0188】また表面層54と光導電層53との間に炭
素原子及び/又は酸素原子及び/又は窒素原子の含有量
が光導電層53に向かって減少するように変化する領域
を設けてもよい。これにより表面層54と光導電層53
の密着性を向上させ、界面での光の反射による干渉の影
響をより少なくすることができる。
【0189】〔電荷注入阻止層〕本発明の画像形成装置
用の感光体50においては、導電性の支持体51と光導
電層53との間に、導電性の支持体側からの電荷の注入
を阻止する働きのある電荷注入阻止層55(図5(c)
参照)を設けるのが一層効果的である。すなわち、電荷
注入阻止層55は、感光層52が一定の極性の帯電処理
をその自由表面58に受けた際、支持体側から光導電層
側に電荷が注入されるのを阻止する機能を有し、逆の極
性の帯電処理を受けた際にはそのような機能は発揮され
ない、いわゆる極性依存性を有している。そのような機
能を付与するために、電荷注入阻止層55には伝導性を
制御する原子を光導電層53に比べ比較的多く含有させ
る。
【0190】この電荷注入阻止層55に含有される伝導
性を制御する原子は、電荷注入阻止層中に万遍なく均一
に分布されてもよいし、あるいは層厚方向には万遍なく
含有されてはいるが、不均一に分布する状態で含有して
いる部分があってもよい。分布濃度が不均一な場合に
は、支持体側に多く分布するように含有させるのが好適
である。
【0191】しかしながら、いずれの場合にも支持体5
1の表面と平行面内方向においては、均一な分布で万遍
なく含有されることが面内方向における特性の均一化を
図る点からも必要である。
【0192】電荷注入阻止層55に含有される伝導性を
制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる
不純物を挙げることができ、p型伝導特性を与える周期
律表第13族原子又はn型伝導特性を与える周期律表第
15族原子を用いることができる。
【0193】本発明において電荷注入阻止層中に含有さ
れる伝導性を制御する原子の含有量としては、本発明の
目的が効果的に達成できるように所望に従って適宜に決
定される。
【0194】さらに、電荷注入阻止層55には、炭素原
子、窒素原子、及び酸素原子の少なくとも一種を含有さ
せることによって、電荷注入阻止層55に直接接触して
設けられる他の層との間の密着性の向上をより一層高め
ることができる。
【0195】電荷注入阻止層55に含有される炭素原子
又は窒素原子又は酸素原子は、電荷注入阻止層中に万遍
なく均一に分布されてもよいし、あるいは層厚方向には
万遍なく含有されてはいるが、不均一に分布する状態で
含有している部分があってもよい。しかしながら、いず
れの場合にも支持体51の表面と平行面内方向において
は、均一な分布で万遍なく含有されることが面内方向に
おける特性の均一化を図る点からも必要である。
【0196】本発明おける電荷注入阻止層55の全層領
域に含有される炭素原子及び/又は窒素原子及び/又は
酸素原子の含有量は、本発明の目的が効果的に達成され
るように適宜に決定される。
【0197】また、本発明における電荷注入阻止層55
に含有される水素原子及び/又はハロゲン原子は、電荷
注入阻止層内に存在する未結合手を補償し、膜質の向上
に効果を奏する。
【0198】本発明において、電荷注入阻止層55の層
厚は、所望の電子写真特性が得られること、及び経済的
効果等の点から好ましくは0.1〜5μm、より好まし
くは0.3〜4μm、最適には0.5〜3μmとするの
が望ましい。
【0199】本発明において電荷注入阻止層55を形成
するには、前述の光導電層53を形成する方法と同様の
真空堆積法が採用される。
【0200】このほかに、本発明の画像形成装置用の感
光体50においては、感光層52の支持体51側に、少
なくともアルミニウム原子、シリコン原子、水素原子及
び/又はハロゲン原子を層厚方向に不均一な分布状態で
含有する層領域を有することが望ましい。
【0201】また、本発明の画像形成装置用の感光体5
0においては、支持体51と光導電層53あるいは電荷
注入阻止層55との間の密着性の一層の向上を図る目的
で、例えば、Si、SiO、SiO、あるいは
シリコン原子を母体とし、水素原子及び/又はハロゲン
原子と、炭素原子及び/又は酸素原子及び/又は窒素原
子とを含む非晶質材料等で構成される密着層を設けても
よい。さらに、前述のように、支持体51からの反射光
による干渉模様の発生を防止するための光吸収層を設け
てもよい。
【0202】〔製造装置〕上記のような感光体50は、
周知のCVD装置(成膜装置)を使用して作製される。
【0203】図6に、RF帯を用いた高周波プラズマC
VD法(以下「RF−PCVD」という。)の装置の一
例を示す。この装置は大別すると、堆積装置100、原
料ガス供給装置200、反応容器111内を減圧にする
ための排気装置(図示せず)から構成されている。堆積
装置100中の反応容器111内には円筒状の支持体5
1、支持体加熱用のヒータ113、原料ガス導入管11
4が設置され、さらに高周波マッチングボックス115
が接続されている。
【0204】原料ガス供給装置200は、SiH、H
、CH、B、PH等の原料ガスのボンベ2
21〜226と、バルブ231〜236、241〜24
6、251〜256と、マスフローコントローラ211
〜216から構成され、各原料ガスのボンベ221〜2
26は、バルブ260、主導入管116を介して反応容
器111内の原料ガス導入管114に接続されている。
なお、同図中の261〜266は流量計、117、11
8は排気用のバルブ、119はガスタンクである。
【0205】また、図7に、VHF帯を用いた高周波プ
ラズマCVD法(以下「VHF−PCVD」という。)
の装置の一例を示す。この装置は、図6の堆積装置10
0を図7に示す堆積装置300に交換して原料ガス供給
装置200と接続することにより、VHF−PCDV法
による製造装置とした例である。この装置は大別する
と、真空気密化構造の減圧にし得る反応容器311と、
原料ガスの供給装置200(図6参照)と、反応容器内
を減圧にするための排気装置(不図示)から構成されて
いる。反応容器311内には円筒状の支持体50、支持
体加熱用のヒータ313、原料ガス導入管321、電極
315が設置され、電極315にはさらに高周波マッチ
ングボックス316を通じて拡散ポンプ(不図示)が接
続されている。反応容器311の内側には、複数の円筒
状の支持体50によって取り囲まれた放電空間330が
形成されている。これら支持体50は、モータ320、
ギヤ322、323によって回転され、外周面が万遍な
く放電にさらされるようになっている。
【0206】以下、実験例1〜7、実施例1〜9、比較
例1〜7によって、本発明をさらに詳述する。ただし、
本発明は、これらに制限されるものではない。
【0207】<実験例1>:摩擦係数、動摩擦偏差係
数、及びそれらの温度依存性 本発明における動摩擦偏差係数や摩擦係数といった摩擦
特性の測定は、下記のような装置、方法で行った。
【0208】図8に摩擦特性評価装置の概要を示す。
【0209】試料である感光体11を、駆動系(不図
示)により、矢印R11方向に所定の面速度(周速度)
で回転駆動する。感光体11の周囲には、クリーニング
部材12を所定の当接角αで固定したホルダー13、帯
電器15、露光系16、現像器17が適宜な角度で配置
される。また、非接触の温度計(不図示)が配置され、
クリーニング部材12と感光体11との当接部における
温度をモニターしている。さらに必要に応じて、潤滑材
供給用部材(潤滑材供給手段)やクリーニングローラ
(いずれも不図示)等の部材を配置する。
【0210】ホルダー13は、バランスアーム18によ
り、無負荷の状態で水平にて感光体11に当接するよう
に調整される。さらにホルダー13は、上皿19を有
し、ここに当接圧用の負荷を加える。さらに、ホルダー
13には荷重変換器14が設置され、同図の左右方向に
かかる力を検出する。さらに、荷重変換器14は動歪み
アンプ(新東科学製HEIDON 3K−84A)を介
して、オシロスコープ、コンピュータ等20へと接続さ
れる。
【0211】さらに、所定長のクリーニング部材12に
負荷を載せ、当接圧を調節した後、感光体11に当接さ
せる。さらに、駆動系(不図示)により、感光体11を
所定の速度で一定時間、回転させ、回転開始時、及び回
転までの荷重変換器14にかかる力を摩擦力として動歪
みアンプ、オシロスコープ等20の機器により検出す
る。
【0212】図9(a)に、検出された摩擦力の例を示
す。横軸に時間、縦軸に摩擦力を取っている。抗力、す
なわち負荷を持ってクリーニング部材12が感光体11
に当接された状態で、感光体11とクリーニング部材1
2が所定の相対速度で駆動されるとき、駆動開始時の直
前には、摩擦力は最大の最大静止摩擦力となる。そし
て、その後の定常回転時(定常駆動時)には、ほぼ一定
の範囲でばらつく摩擦力となる。ここで定常回転での平
均値を動摩擦力という。
【0213】感光体11とクリーニング部材12の表面
粗さ、凝着等の表面状態により、定常回転時において、
必ずしも摩擦力は動摩擦力に安定しておらず、微少な変
動を伴う。この定常回転時、すなわち動摩擦力が作用す
るときのその摩擦力のばらつきとして、動摩擦力の標準
偏差(動摩擦偏差)を算出した。
【0214】さらに、抗力としてホルダー12に付随の
上皿19の負荷を変化させ、最大静止摩擦力、動摩擦
力、及び動摩擦偏差の、負荷依存性を評価する。クリー
ニング部材12としてブレード状の部材を使用し、その
当接部の長さ当たりの当接圧(以下「線圧」という。)
と、摩擦係数や最大静止摩擦力、動摩擦力、動摩擦偏差
の相関の一例を図9(b)に示す。最大静止摩擦力、動
摩擦力、動摩擦偏差の傾きを、それぞれ静止摩擦係数、
動摩擦係数、動摩擦偏差係数とする。
【0215】前述のように、動摩擦偏差係数はクリーニ
ング部材12の当接部の摩擦の変動を意味し、この動摩
擦偏差係数が小さいということは、クリーニング部材1
2と感光体11との当接部が、クリーニング部材12の
バタツキや引っかかりなどの無い、スムーズな摺擦がな
されていることを示す。
【0216】また、摩擦係数は、前述のように、クリー
ニング性や耐久性や設計上のラチチュードに関わる特性
である。
【0217】図7の摩擦評価装置を、環境を制御可能な
周知の環境試験箱又は環境試験室に設置する。この環境
試験室を所定の温湿度に設定した後、24時間以上放置
して感光体11やクリーニング部材12等を設定環境に
合わせてから、上述の実験例1と同様に摩擦係数、動摩
擦偏差係数を測定する。
【0218】これ以降、環境は、特に断らない限り、温
度23℃、相対湿度50%を基準とし、必要に応じて温
度、湿度を変化させる。以下、この基準環境(常温常湿
環境)を「N/N環境」という。
【0219】なお、摩擦評価装置の形態は、本実験例の
ものに制限されるものではなく、上述の原理を実現でき
るものであれば任意のものを使用することができる。摩
擦力の評価用に周知のピエゾ素子の歪みゲージなどを使
用してもよいし、また、例えばクリーニング部材12を
周知の画像形成装置に組み込んで実験を行うようにして
もよい。
【0220】<実験例2>:Euと温度特性 図5に示す成膜装置を使用し、円筒形のサンプルホルダ
ーに設置したガラス基板(コーニング社7059)及び
Siウエハー上に、光導電層の作製条件で膜厚約1μm
のa−Si膜サンプルを堆積させた。ガラス基板上の薄
膜(堆積膜)サンプルにはAlの串型電極を蒸着し、指
数関数裾の特性エネルギー(アーバックテール:Eu)
を測定した。このようなバンドギャップ中の局在準位の
状態を測定する方法として、一般に深準位分光法、等温
容量過渡分光法、光熱偏向分光法、光音響分光法、一定
光電流法等が用いられている。中でも一定光電流法(C
onstant Photocurrent Meth
od:以下「CPM」という。)は、a−Si:Hの局
在準位に基づくサブギャップ光吸収スペクトルを簡便に
測定する方法として有用である。
【0221】この測定は、上述のCPMにて行った。C
PMは、波長を振った光を、薄膜サンプルの光電流が一
定となるように光量を変化させて照射し、この薄膜サン
プルのエネルギー準位を測定する方法である。本実験例
においては、分光光度計(日本分光製SS−25G
D)、電流印加アンプ(NF回路製LI−76)、ロッ
クインアンプ(NF回路製5610B)を使用して評価
を行った。
【0222】また、サンプルと同等の処方の光導電層を
有する感光体を作製した。
【0223】一方、評価用の画像形成装置としては、図
1に示すような画像形成装置、例えば、キヤノン製NP
6750に、別途NP6750内蔵の感光体表面電位セ
ンサを改造したものを設置するなどして電気特性評価用
に改造した。さらにドラムヒータの改造、クリーニング
部材の当接圧調整機構の改造、非接触温度計の設置等を
行った。
【0224】温度特性は、図2に示すような画像形成装
置を使用して、露光光を照射しない(画像露光を行わな
い)状態の、感光体表面電位(暗電位:Vd)を、感光
体表面温度を15〜50℃まで変化させながら帯電特性
を測定し、このときの1℃当たりの、Vdの変化割合を
測定した。さらに、このときの温度1℃当たりの帯電能
の変化を測定して、±2V/deg以内を合格と判定し
た。この結果を図10に示す。
【0225】これらの結果から、Euが50〜70me
V以下のときに、温度特性が±2V/deg以内の良好
な特性が得られることがわかる。65meV以下の範囲
がより好ましい。
【0226】<実験例3>:表面層の抵抗値 上述の実験例2でサンプルを作製したのと同様の装置を
使用し、Al基板上に膜厚約0.5〜1μmのa−Si
C系、a−C系の表面層サンプルを作製した。このサン
プルには、さらに主電極、及びガード電極を蒸着した。
抵抗率の測定はJIS−K6911に準ずる手法で行っ
た。
【0227】一方、光導電層までは同一処方で作製し、
その光導電層上に上述のサンプルと同様の処方で作製し
た様々な表面層を形成し、様々な感光体を作製した。
【0228】実験例2と同様の装置で、画像露光をOF
Fにして、帯電性を、また、画像露光を最強の状態にし
て残電を評価した。また、画像露光がOFFの状態で、
主帯電器での帯電量を過剰にしていき、感光体の絶縁破
壊が生じる耐電圧特性、といった電子写真特性を評価し
た。表面層の抵抗率との相関を図11に示す。
【0229】図11から、表面層の抵抗率1×1010
5×1015Ω・cmの範囲のときに電子写真特性が良好
であることがわかる。
【0230】<実験例4>:クリーニングブレードの特
性(反発弾性、硬度) クリーニング部材として、ウレタンゴムからなるブレー
ド状の部材を使用し、反発弾性と硬度を変化させたもの
を複数作製した。
【0231】クリーニング部材の当接部の温度はクリー
ニング部材内部に配設した非接触温度計で検出した。
【0232】反発弾性測定はJIS K−7311に準
ずる方法で、また硬度測定はA硬度測定であるJIS
K−6253に準ずる方法で評価した。測定環境は前述
のN/N環境とした。
【0233】また、図6に示す成膜装置で、実験例2及
び実験例3から得られた好ましい範囲と同一処方のa−
Si系の感光体を作製した。これを実験例2と同様の画
像形成装置に配設した。トナーはNP6750用の純正
トナーを使用し、N/N環境において、感光体のドラム
ヒータはOFFで、画像形成装置やクリーニング部材等
を環境に慣らした。
【0234】この環境において、画像露光を照射しない
ときの電位(暗電位Vd)と、べた白画像の露光量の画
像露光を照射したときの電位(以下「明電位Vl」とい
う。)等の調整をし、さらにNA−7チャート(キヤノ
ン製テストチャート:FY9−9060−000)で画
像の最適化、及び3色[黒/ハーフトーン/白]チャー
ト(キヤノン製テストチャート:FY9−9017−0
00)でクリーニング不良の有無を確認した。
【0235】上述の初期調整後に150000(150
K)枚の連続通紙耐久試験を行った。耐久は、耐久用チ
ャートとしてTC−A1チャート(キヤノン製テストチ
ャート:FY9−9045−000)を使用した。その
際、適宜な枚数ごとに上述の初期調整に使用したテスト
チャートで画像サンプルの画像出しを行った。なお、最
初期のクリーニングブレードめくれ防止のため、新品の
クリーニングブレードの取付けの際、所定量の上述のト
ナーをこのクリーニングブレードに塗布するようにし
た。
【0236】〔クリーニング性〕なお、クリーニング不
良、及びベタ白部がトナーにより濃度を有する「かぶ
り」を含むクリーニング性の判定は下記のように行っ
た。
【0237】画像にクリーニング部材をすり抜けた黒ス
ジの発生があるか否かの検査を行い、また、べた白部の
濃度を反射濃度計(東京電色社製リフレクトメーター/
モデルTC−6DS)を用いて行い、画像形成前の記録
材の反射濃度をDr、画像形成後の記録材の白地反射濃
度の最悪値をDsとして、ΔDs≡Ds−Drをカブリ
量として評価した。
【0238】さらに、クリーニング部材を通過後の感光
体表面にセロテープ(登録商標)等の粘着材を貼付した
後、この粘着材を記録材に貼付して反射濃度を測定した
値をDtとし、感光体をアルコール拭き、乾拭きし、ト
ナー等を除去した状態で同様に粘着材を貼付して、反射
濃度を測定した値をDnとして、ΔDt≡Dt−Dnを
求めた。 ・クリーニング性が非常に良好「◎」:ΔDsが1.0
%未満、かつΔDtが1.0%未満、かつ黒スジなし ・クリーニング性が良好「○」:ΔDsが1.0〜1.
5%未満、かつΔDtが1.0〜1.5%未満、かつ黒
スジなし ・クリーニング性が実用上問題なし「△」:ΔDsが
1.5〜2.0%未満、かつΔDtが1.5〜2.0%
未満、かつ黒スジは1.5mm以内で5個所以内 ・クリーニング性が実用上やや問題あり「×」:上述の
範囲以外のもの。
【0239】〔クリーニングブレードめくれ〕クリーニ
ングブレードめくれ(以下「CLN捲れ」という。)は
下記の判定基準で行った。実際のCLN捲れの他、クリ
ーニングブレードと感光体との当接部での振動音、いわ
ゆる「鳴き」なども含めて判定した。 ・CLN捲れが良好「◎」:CLN捲れなし、かつ「鳴
き」も皆無 ・CLN捲れ実用上問題なし「○」:CLN捲れなし、
「鳴き」発生する場合もあり ・CLN捲れ実用上問題あり「×」:CLN捲れが発
生、又は「鳴き」が多発。
【0240】〔クリーニングブレード欠け〕クリーニン
グブレード欠け(以下「CLN欠け」という。)は下記
の判定基準で行った。耐久後のクリーニングブレード
の、感光体表面に当接する端部を100倍にて顕微鏡観
察して判定した。 ・CLN欠けが非常に良好「◎」:CLN欠け見られず ・CLN欠けが良好「○」:径50μm以上のCLN欠
けなし、径10〜50μmのCLN欠けあり、ただし、
CLN不良なし ・CLN欠けが実用上問題なし「△」:径50μm以上
のCLN欠け5個以内、径10〜50μmのCLN欠け
あり、ただし、CLN不良なし ・CLN欠けが実用上やや問題あり「×」:上述の範囲
以外のもの、又はCLN不良に及ぶCLN欠けあり。
【0241】〔感光体への損傷〕 a−Si系感光体 また、a−SiCやa−C等の、a−Si系の感光体表
面の摩耗による表面層厚の減少など、感光体への損傷の
判定は、耐久後の感光体表面の観察、表面層厚測定、画
像評価により行った。なお、表面層厚の測定は、反射分
光器(大塚電子(株)製MCPD−2000)による反
射ピークから算出した。結果の例を図12に示す。測定
する表面層は別途に屈折率を測定し、この図12の反射
ピーク波長と、屈折率とから、表面層厚を算出する。 ・感光体の損傷度が非常に良好「◎」:全体、ないし部
分的な表面層厚の減少なし、表面層厚変化に伴う感度変
化や画像上のむらなし ・感光体の損傷度が良好「○」:全体的な表面層厚は5
%以内で減少あり。ただし、部分的な表面層厚の減少
(以下「削れむら」という。)なし、表面層厚変化に伴
なう変化や画像上のむらなし ・感光体の損傷度が実用上問題なし「△」:全体的な表
面層厚の減少は5%以内。かつ「削れむら」あり、ただ
し、表面層厚変化に伴なう感度変化や画像上のむらなし ・感光体の損傷度が実用上やや問題あり「×」:全体的
な表面層厚の減少量が5%以上、又は「削れむら」あ
り。表面層厚変化に伴なう感度変化や画像上のむら発生
あり。
【0242】OPC 一方、OPCの感光体への損傷は、耐久中のサンプリン
グを行った画像から、どの段階で画像に影響が出るかで
判定した。 ・感光体の損傷度が非常に良好「◎」:「削れむら」や
摩耗による感度変化や画像上のむらが80000枚未満
では発生しない ・感光体の損傷度が良好「○」:「削れむら」や摩耗に
よる感度変化や画像上のむらが50000〜80000
枚未満で発生 ・感光体の損傷度が実用上問題なし「△」:「削れむ
ら」や摩耗による感度変化や画像上のむらが20000
〜50000枚未満で発生 ・感光体の損傷度が実用上やや問題あり「×」:「削れ
むら」や摩耗による感度変化や画像上のむらが2000
0枚未満で発生。
【0243】上述の評価の結果、硬度が低すぎると、ク
リーニングブレードが、当接部で感光体に押されて当接
状態を安定に維持できない。また、転写残トナー等の異
物摺擦力が低減する。一方、硬度が高すぎると当接する
感光体等を損傷したり、逆にクリーニングブレードが欠
けるなどの損傷を受ける場合があった。このため硬度は
60〜90度が好ましい。
【0244】反発弾性は、クリーニング特性上極めて重
要な要素であるが、反発弾性が高い方が摺擦力に富み、
良好なクリーニング性を得られる。しかし、高すぎると
感光体表面への損傷が生じる場合があった。一方、反発
弾性が低すぎるとクリーニングブレードのめくれ等が発
生し易くなり、クリーニング不良となる場合があった。
したがって、反発弾性は5〜75%が好ましい。
【0245】<実験例5>:当接圧範囲、当接部の温度
範囲 画像形成装置は、前述の実験例2〜実験例4と同様の装
置を用い、さらに感光体を回転駆動する駆動モータ(不
図示)のトルク測定を行えるようにした。トナーは、実
験例4と同様に、NP6750用の純正トナーを使用
し、クリーニング部材は、実験例4と同様の、種々のウ
レタンゴム製のクリーニングブレードを使用した。ま
た、当接圧を0(調節機構開放)〜490mN/cm
(0〜50gf/cm)まで変化させた。感光体は、実
験例4と同様のものの外、原料ガスの組成や放電電力等
を調整して表面の摩擦特性が異なる感光体を作製した。
【0246】上述の各クリーニングブレード、感光体に
ついて、画像形成装置を環境試験室にて温度10℃、湿
度15%の低温低湿環境(以下「L/L環境」とい
う。)、温度23℃、湿度50%のN/N環境、温度3
3℃、湿度85%の高温高湿環境(以下「H/H環境」
とする)で通紙耐久を行った。
【0247】ドラムヒータについては、L/L環境、N
/N環境においてはOFFとし、H/H環境はドラムヒ
ータOFF及び設定温度を振ってONとした場合の評価
を行った。さらに、耐久中のクリーニング部材の当接部
の温度を観測した。
【0248】初期の電位や画像の調整、またクリーニン
グ性などの耐久前後の画像評価は実験例4の判定に準ず
る。
【0249】〔融着〕また、転写残トナーがクリーニン
グ、回収という工程において、感光体表面から除去され
ず、上述の工程を繰り返し通過して、感光体表面に固着
し、画像上に黒スジとして発生する状態(以下「融着」
という。)の判定は下記の判定基準で行った。画像、及
び感光体表面を観察して判定した。 ・融着が非常に良好「◎」:感光体表面へのトナー固着
なし ・融着が良好「○」:トナー固着は1.5mm以内かつ
3個以内、黒スジなし ・融着が実用上問題なし「△」:上述の範囲以外の感光
体表面への固着あり、かつこの固着に伴う黒スジは1.
5mm以内で5個所以内 ・融着が実用上やや問題あり「×」:感光体表面のトナ
ー固着に伴なう、上述以外の範囲の黒スジあり
【0250】当接圧について、クリーニングブレードの
当接圧が49mN/cm(5gf/cm)以下の場合
は、当接圧不足によりクリーニングブレードが大きくば
たつき、クリーニング不良が発生した。一方、490m
N/cm(50gf/cm)以上ではクリーニングブレ
ード欠けや、クリーニングブレードの先端部が変形す
る、いわゆる「へたり」などが生じた。また、クリーニ
ングブレードのめくれが生じる場合があった。したがっ
て、49〜490mN/cm(5〜50gf/cm)の
範囲が好適な範囲であった。
【0251】クリーニング部材の当接部の温度は、ほぼ
10〜70℃であった。このうち、15〜60℃の範囲
のときに、クリーニング性が良好に維持された。
【0252】前述のように、クリーニング用の弾性材と
しては一般に熱可塑性樹脂を使用する。このため、低温
では硬度上昇や反発弾性の低下が生じる。本実施例にお
いて、温度が15℃以下の場合、耐久中のクリーニング
ブレード欠けやトナーすり抜けによるクリーニング不良
などが発生する場合があった。
【0253】トナーが感光体表面やクリーニング部材に
固着してしまう場合があった。あまり高温になるとトナ
ーが熔けて感光体等に付着して画像に出る、いわゆる融
着等が発生し、好ましくない。
【0254】また、当接圧を上述の好ましい範囲よりも
高くして摩擦力を大きくしたものや、ドラムヒータの設
定温度の変更を施したものなどでは、さらに温度上昇が
見られたが、60℃以上ではトナーが感光体表面やクリ
ーニング部材に固着してしまう場合があった。あまり高
温になるとトナーが感光体等に固着して画像に出る、い
わゆる融着等に対するラチチュードも狭くなり、好まし
くない。
【0255】<実験例6>:耐久前後の動摩擦偏差係
数、摩擦係数の変動 実験例5の各クリーニングブレード、感光体の組み合わ
せについて、耐久前後の感光体、クリーニングブレード
の動摩擦偏差係数、及び摩擦係数の測定を行った。
【0256】測定方法は実験例1に示した方法を使用し
た。測定環境は実験例5の耐久と同環境、すなわちL/
L環境、N/N環境、H/H環境とした。
【0257】この摩擦特性測定と上述の実験5の耐久の
結果、耐久前後の動摩擦偏差係数の変動が0.02以内
の場合、安定したクリーニング性を得ることができた。
また、トナーのすり抜け等のクリーニング不良に対する
耐久性が良好であった。
【0258】また、摩擦係数の耐久による変動が0.4
以内のものはトルク変動が少なく、上述と同様に安定し
たクリーニング性を得ることができた。
【0259】感光体の駆動用モータのトルクも増加し、
省エネルギーの観点からも、動摩擦偏差係数、摩擦係数
の変動は抑制されることが好ましい。
【0260】<実験例7>:バックグランド露光の優位
性 画像形成装置は、実験例5の装置を改造し、一般にリー
ダー又はスキャナなどと呼ばれる原稿読取り装置と、画
像露光として周知のレーザ光学系を搭載したものを用い
た。レーザ波長(IE波長)は655nmのものを使用
した。また、感光体は実験例4と同様のa−Si系感光
体を使用した。
【0261】クリーニング装置は、クリーニングローラ
等は除去し、クリーニングブレードのみでクリーニング
を行う構成とした。さらに現像器にかかる現像バイア
ス、転写・分離帯電器にかかるバイアスを、極性の変更
を含めて調節できるようにした。さらに紙間(先行する
記録材の後端と後続の記録材の先端との間)での露光
(「ブランク露光」という。)のON/OFF機構など
の設置を行った。
【0262】環境はN/N環境とし、クリーニング部材
は、実験例4と同様の、種々のウレタンゴム製のクリー
ニングブレードを使用した。また、当接圧を0(調節機
構開放)〜490mN/cm(0〜50gf/cm)ま
で変化させた。
【0263】NP6750用の純正トナーを使用し、通
常のバイアス、ブランク露光の条件で、画像露光は前述
のバックグランド露光で行った。この条件で実施例5と
同様に電位及び画像の調整を行い、連続通紙を行った。
【0264】一方、同様の装置において、トナーは、N
P6750用の純正トナーに対して逆極性のトナーを使
用し、現像バイアス、転写・分離の各バイアスの極性変
更等や、ブランク露光のOFFなどを行った状態で、画
像露光をイメージ露光として、電位及び画像調整を行い
連続通紙を行った。
【0265】この結果、クリーニング部材の当接圧低下
に対して、バックグランド露光の方がトナーのすり抜け
等のクリーニング不良の発生を抑制し、良好なクリーニ
ング性を得ることができた。
【0266】したがって、クリーニングに関して、バッ
クグランド露光ないしは正現像がよりラチチュードが広
く好ましい。
【0267】本発明をさらに以下の実施例により説明す
るが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではな
い。
【0268】<実施例1>感光体は、a−Si系感光体
で、さらに抵抗率が2×1016Ω・cmのa−SiC表
面層をほぼ0.8μm付けたものを使用した。また、画
像形成に関し、制御方式は256階調のPWMを使用し
た。
【0269】クリーニング部材は、ウレタンゴムのクリ
ーニングブレードを使用した。
【0270】上述の感光体とクリーニングブレードとの
摩擦特性を、実験例1に示した装置で、当接部の温度を
変化させて測定した結果、本実施例で使用する感光体と
クリーニングブレードの、初期の動摩擦偏差係数は、1
5〜60℃で0.035〜0.068の範囲であった。
また、初期動摩擦係数は、15〜60℃で0.40〜
0.68の範囲であった。
【0271】これら感光体とクリーニングブレードの画
像評価に際しては、アナログ式キヤノン製複写機NP6
750を、実験例7同様にレーザ光学系を搭載するよう
に改造した。なお、IE波長は、655nmとし、光学
系の潜像形成方式はイメージ露光とした。
【0272】また、定着器の熱がクリーニング装置側へ
影響を及ぼすのを防止するため、熱遮断用の板や排気フ
ァン等を追加設置した。また、ドラムヒータはOFFと
した。
【0273】さらに、クリーニング装置で回収された転
写残トナー等、いわゆる回収トナーからトナー以外の異
物ないしは不要物を除去し、現像で再利用する、いわゆ
るリユース機構を設置した。
【0274】クリーニング装置は、クリーニングブレー
ドの摺擦によって転写残トナー等を除去する方式とし、
このクリーニングブレードの感光体への当接圧は可変と
した。
【0275】さらに実験例1と同様の評価を行えるよう
に、クリーニング部材のホルダーに荷重変換素子をセッ
トした。本改造複写機での摩擦特性の評価結果は上述と
同等であった。以後、耐久前、ないし耐久後の摩擦特性
評価は、本改造複写機にて行う。
【0276】また、本実施例で使用中のクリーニングブ
レードと感光体との当接部の温度は25℃であり、この
温度でのクリーニングブレードの反発弾性、硬度はそれ
ぞれ35度、73度である。また、動摩擦偏差係数は
0.054、動摩擦係数は0.58である。
【0277】なお、本実施例では画像出し及び通紙耐久
中の当接圧は98mN/cm(10gf/cm)となる
ようにセットした。
【0278】上述の状態で実験例5同様にVd、Vl等
の電位調整、及び画像出し等の初期評価を行った。
【0279】さらにこの環境にて150000枚の連続
通紙耐久を行い、耐久後の画像、クリーニングブレード
や感光体表面の状態の観察を行い、さらに初期のよう
に、摩擦特性評価を行った。
【0280】初期クリーニング性、耐久後のクリーニン
グ不良、融着、CLN欠け、CLN捲れ、感光体の損
傷、高湿画像流れ、またトナーリユース性の評価を行っ
た。
【0281】本実施例において、クリーニング性、CL
N欠け等は上述の実験例に記載の判定に準ずる。なお、
高湿画像流れ、トナーリユース性は下記の判定を行っ
た。
【0282】〔高湿画像流れ〕N/N環境において、1
画素を1ドットで形成するドットの画像光線を形成し、
画像形成を行った。また、33±3℃、80±3%の
「H/H環境」下で、評価対象となる感光体やクリーニ
ング装置を含む画像形成装置をこの環境に慣らした状態
で、同様のドット径で画像出しを行った。光学系の同一
のドット径に対する、N/N環境下の画像のドット径と
H/H環境下での画像のドット径のずれ比率を高湿画像
流れとして評価した。 ・高湿流れが非常に良好「◎」:N/N環境とH/H環
境でのずれ10%以内 ・高湿流れが良好「○」:N/N環境とH/H環境での
ずれ10〜20%以内 ・高湿流れが実用上問題なし「△」:N/N環境とH/
H環境でのずれ20〜25%以内 ・高画質流れが実用上やや問題あり「×」:N/N環境
とH/H環境でのずれ25%以上。
【0283】〔トナーリユース性〕トナーリユース性の
一環として、クリーニング装置で感光体表面から除去、
回収される転写残トナー等、いわゆる回収トナーと、新
品トナー(通常のトナー)の感光体表面電位に対する現
像される画像の濃度の差を評価し、リユース性とした。
この濃度差は下記のように評価した。
【0284】リユーストナーと、リユースではない、通
常のトナー(新品トナー)のそれぞれについて、N/N
環境で、上述の画像形成装置の画像露光用のレーザ光の
強度を調整し、べた射ちで画像露光を行って静電潜像を
形成した。この静電潜像を現像した後、画像の濃度を反
射濃度計(東京電色社製リフレクトメーター/モデルT
C−6DS)を用いて行い、リユーストナーによる画像
の反射濃度をDreuse、新品トナーによる画像の反
射濃度をDnewとして、ΔDrn≡Dreuse−D
newをリユース性の指標として評価した。 ・リユース性が非常に良好「◎」:ΔDrnが1.0%
未満 ・リユース性が良好「○」:ΔDrnが1.0〜2.0
%未満 ・リユース性が実用上問題なし「△」:ΔDrnが2.
0〜4.0%未満 ・リユース性が実用上やや問題あり「×」:上述の範囲
以外のもの
【0285】図13に、上述の各評価、さらに特性の変
動や精度からみた設計ラチチュードや総合判定を、◎:
非常に良好、○:良好、△:実用上問題なし、×:実用
上問題あり、にて判定した結果を示す。
【0286】同図からわかるように、本実施例の系では
総合的に良好、との結果が得られた。
【0287】<実施例2>光学系の潜像形式方式をバッ
クグランド露光とした以外は、実施例1と同様の装置を
用いた。
【0288】感光体も実施例1と同様のものを使用し
た。
【0289】本実施例で使用する感光体とウレタンゴム
ブレードの動摩擦偏差係数は、実施例1同様に15〜6
0℃の範囲で0.035〜0.068、動摩擦係数は1
5〜60℃の範囲で0.40〜0.68であった。
【0290】クリーニング装置は、クリーニングブレー
ドによる摺擦除去とし、このクリーニングブレードの感
光体への当接圧は98mN/cm(10gf/cm)と
した。
【0291】また、本実施例で使用中のクリーニングブ
レードと感光体との当接部の温度は25℃であり、この
温度でのクリーニングブレードの反発弾性、硬度はそれ
ぞれ35度、73度である。また、動摩擦偏差係数は
0.054、動摩擦係数は0.58である。
【0292】実施例1のように電位、画像調整を行い、
初期クリーニング性、耐久後のクリーニング不良、融
着、CLN欠け、CLN捲れ、感光体の損傷、高湿画像
流れ、またトナーリユース性の評価、さらに特性の変動
や精度からみた設計ラチチュードや総合判定を、◎:非
常に良好、○:良好、△:実用上問題なし、×:実用上
問題あり、にて判定した結果を、図13に示す。
【0293】また、耐久後の摩擦係数が0.85で耐久
前後の摩擦係数の差異が0.4以下であった。本実施例
において、クリーニング性が非常によい結果が得られ
た。
【0294】これからわかるように、本実施例の系では
総合的に良好、との結果が得られた。
【0295】<実施例3>本実施例の耐久、評価機には
実施例2と同様の装置を用いた。
【0296】感光体はa−SiC表面層の原料ガスの流
量や放電パワーを調整して、実施例1とは異なる摩擦特
性の感光体を作製した。表面層の抵抗率は7×1015Ω
・cmで、厚さはほぼ0.8μmとした。また、クリー
ニングブレードの組成も変化させたものを作製した。
【0297】本実施例で使用する感光体とウレタンゴム
のクリーニングブレードの動摩擦偏差係数は、15〜6
0℃で0.031〜0.045で、温度による差異は
0.014である。
【0298】また、動摩擦係数は15〜60℃で0.4
1〜0.67であった。
【0299】クリーニング装置はクリーニングブレード
による摺擦除去とし、このクリーニングブレードの感光
体への当接圧は147mN/cm(15gf/cm)と
した。
【0300】また、本実施例で使用中のクリーニングブ
レードと感光体との当接部の温度は21℃と50℃につ
いて、それぞれ同一製法の新品のクリーニングブレード
と感光体とを使用して耐久前後の特性評価を行った。
【0301】実施例1のように電位、画像調整を行い、
初期クリーニング性、耐久後のクリーニング不良、融
着、CLN欠け、CLN捲れ、感光体の損傷、高湿画像
流れ、またトナーリユース性の評価、さらに特性の変動
や精度からみた設計ラチチュードや総合判定を、◎:非
常に良好、○:良好、△:実用上問題なし、×:実用上
問題あり、にて判定した結果を図13に示す。
【0302】また、感光体とクリーニングブレードを限
定された組み合わせで使用することにより、動摩擦偏差
係数の温度による変動幅を低減でき、その結果、異なる
温度環境においても、クリーニング性や耐久性におい
て、同様に良好な結果を得ることができた。すなわち、
温度を変化させた両耐久において良好な特性が得られ、
設計ラチチュードが非常に良好な結果が得られた。
【0303】これからわかるように、本実施例の系では
総合的に良好、との結果が得られた。
【0304】<実施例4>実施例2と同様のバックグラ
ンド露光の装置を用い、表面性を調整したa−SiC表
面層をほぼ0.8μm搭載したa−Si系感光体と、特
性を調整したクリーニングブレードを作製した。
【0305】動摩擦偏差係数の温度による変化、動摩擦
係数の温度による変化は、それぞれ0.18、0.15
である。
【0306】クリーニング装置は、クリーニングブレー
ドによる摺擦除去とし、このクリーニングブレードの感
光体への当接圧は147mN/cm(15gf/cm)
とし、使用時のクリーニングブレードと感光体との当接
部の温度が20℃と45℃について、それぞれ新品の感
光体、クリーニングブレードを用いて耐久前後の評価を
行った。
【0307】実施例1のように電位、画像調整を行い、
初期クリーニング性、耐久後のクリーニング不良、融
着、CLN欠け、CLN捲れ、感光体の損傷、高湿画像
流れ、またトナーリユース性の評価、さらに特性の変動
や精度からみた設計ラチチュードや総合判定を、◎:非
常に良好、○:良好、△:実用上問題なり、×:実用上
問題あり、にて判定した結果を図13に示す。
【0308】これからわかるように、本実施例の系では
総合的に良好、との結果が得られた。
【0309】また、感光体とクリーニングブレードを限
定された組み合わせで使用することにより、動摩擦偏差
係数の温度による変動幅を低減でき、その結果、異なる
温度環境においても、クリーニング性や耐久性におい
て、同様に良好な結果を得ることができた。すなわち、
温度を変化された両耐久において良好な特性が得られ、
設計ラチチュードが非常に良好な結果が得られた。
【0310】<実施例5>実施例2と同様のバックグラ
ンド露光の装置を用い、表面性を調整したa−SiC表
面層をほぼ0.8μm搭載したa−Si系感光体と、特
性を調整したクリーニングブレードを作製した。なお、
本実施例においては、潤滑材としてクリーニングブレー
ドと感光体との当接部にPVDF粒子を供給する装置
(潤滑材供給手段)を、感光体の回転方向でクリーニン
グブレードの上流側に設けた。
【0311】動摩擦偏差係数の温度による変化、動摩擦
係数の温度による変化は、それぞれ0.013、0.1
5である。
【0312】クリーニング装置は、クリーニングブレー
ドによる摺擦除去とし、このクリーニングブレードの感
光体への当接圧は98mN/cm(10gf/cm)と
し、使用時のクリーニングブレードと感光体との当接部
の温度が40℃として、耐久前後の評価を行った。
【0313】実施例1のように電位、画像調整を行い、
初期クリーニング性、耐久後のクリーニング不良、融
着、CLN欠け、CLN捲れ、感光体の損傷、高湿画像
流れ、またトナーリユース性の評価、さらに特性の変動
や精度からみた設計ラチチュードや総合判定を、◎:非
常に良好、○:良好、△:実用上問題なし、×:実用上
問題あり、にて判定した結果を図13に示す。
【0314】これからわかるように、本実施例の系では
総合的に非常に良好、との結果が得られた。
【0315】また、動摩擦係数、動摩擦偏差、及びそれ
らの変化が抑制され、CLN欠けやCLN捲れでも、特
に良好な結果が得られた。
【0316】<実施例6>実施例2と同様のバックグラ
ンド露光の装置を用い、表面性を調整したa−SiC表
面層をほぼ0.8μm搭載したa−Si系感光体と、特
性を調整したクリーニングブレードを作製した。なお、
本実施例においては、潤滑材としてトナーを所定の枚数
の耐久ごとに現像してクリーニングブレードと感光体と
の当接部に供給する手法を用いた。以下、黒帯シーケン
スと称する。
【0317】動摩擦偏差係数の温度による変化、動摩擦
係数の温度による変化は、それぞれ0.018、0.1
6である。
【0318】クリーニング装置はクリーニングブレード
による摺擦除去とし、このクリーニングブレードの感光
体への当接圧は98mN/cm(10gf/cm)と
し、使用時のクリーニングブレードと感光体との当接部
の温度が40℃として、耐久前後の評価を行った。
【0319】実施例1のように電位、画像調整を行い、
初期クリーニング性、耐久後のクリーニング不良、融
着、CLN欠け、CLN捲れ、感光体の損傷、高湿画像
流れ、またトナーリユース性の評価、さらに特性の変動
や精度からみた設計ラチチュードや総合判定を、◎:非
常に良好、○:良好、△:実用上問題なし、×:実用上
問題あり、にて判定した結果を図13に示す。
【0320】これからわかるように、本実施例の系では
総合的に良好、との結果が得られた。
【0321】また、トナーリユース性において、特に良
好な結果が得られた。新品トナーを供給することによる
効果ではないかと考えられる。
【0322】<実施例7>潤滑材供給として、感光体の
回転方向でクリーニングブレードの上流側にローラ状の
磁石からなる部材を設け、磁気的に付着したトナーを感
光体表面に当接させ、クリーニングブレードと感光体と
の当接部に供給する機構を設けた。以下、Mgローラと
称する。
【0323】実施例1のように電位、画像調整を行い、
初期クリーニング性、耐久後のクリーニング不良、融
着、CLN欠け、CLN捲れ、感光体の損傷、高湿画像
流れ、またトナーリユース性の評価、さらに特性の変動
や精度からみた設計ラチチュードや総合判定を、◎:非
常に良好、○:良好、△:実用上問題なし、×:実用上
問題あり、にて判定した結果を図13に示す。
【0324】また、高湿画像流れや融着において、特に
良好な結果が得られた。Mgローラにおける摺擦の効果
が良好に寄与したのではないかと考えられる。
【0325】これからわかるように、本実施例の系では
総合的に非常に良好、との結果が得られた。
【0326】<実施例8>実施例2と同様のバックグラ
ンド露光の装置を用い、実施例7と同じく表面性を調整
したa−SiC表面層をほぼ0.7μm搭載し、さらに
その上に高硬度で、撥水性に優れた表面層材料としてa
−C:Hを搭載し、総表面層厚がほぼ0.8μmとなる
ようにしたa−Si系感光体と、特性を調整したクリー
ニングブレードを作製した。
【0327】また潤滑材供給手段は設けていない。
【0328】クリーニング装置はクリーニングブレード
による摺擦除去とし、このクリーニングブレードの感光
体への当接圧は98mN/cm(10gf/cm)と
し、使用時のクリーニングブレードと感光体との当接部
の温度が40℃として、耐久前後の評価を行った。
【0329】実施例1のように電位、画像調整を行い、
初期クリーニング性、耐久後のクリーニング不良、融
着、CLN欠け、CLN捲れ、感光体の損傷、高湿画像
流れ、またトナーリユース性の評価、さらに特性の変動
や精度からみた設計ラチチュードや総合判定を、◎:非
常に良好、○:良好、△:実用上問題なし、×:実用上
問題あり、にて判定した結果を図13に示す。
【0330】これからわかるように、本実施例の系では
総合的に非常に良好、との結果が得られた。
【0331】また、最表面にa−C表面層を用いること
で、摩擦係数や動摩擦偏差係数といった摩擦特性が、さ
らに向上した。
【0332】また、Mgローラ等の追加機構が無い状態
でも融着や高湿画像流れに非常に良好な結果が得られ
た。さらに摩擦係数や動摩擦偏差係数が小さく抑制され
ており、感光体の駆動トルクが抑制され、省エネルギー
の観点からも好ましい。
【0333】<実施例9>実施例2と同様のバックグラ
ンド露光の装置を用い、表面性を調整したa−C表面層
をほぼ0.8μm搭載したa−Si系感光体と、特性を
調整したクリーニングブレードを作製した。
【0334】また、感光体の表面層は高硬度で、撥水性
に優れた表面層材料としてa−C:Hを使用した。
【0335】また潤滑材供給手段は黒帯シーケンスを用
いた。
【0336】クリーニング装置はクリーニングブレード
による摺擦除去とし、このクリーニングブレードの感光
体への当接圧は98mN/cm(10gf/cm)と
し、使用時のクリーニングブレードと感光体との当接部
の温度が40℃として、耐久前後の評価を行った。
【0337】実施例1のように電位、画像調整を行い、
初期クリーニング性、耐久後のクリーニング不良、融
着、CLN欠け、CLN捲れ、感光体の損傷、高湿画像
流れ、またトナーリユース性の評価、さらに特性の変動
や精度からみた設計ラチチュードや総合判定を、◎:非
常に良好、○:良好、△:実用上問題なし、×:実用上
問題あり、にて判定した結果を図13に示す。
【0338】これからわかるように、本実施例の系では
総合的に非常に良好、との結果が得られた。
【0339】また、本実施例では実施例8の効果に加
え、トナーリユース性が非常に良好な結果が得られた。
【0340】<比較例1>感光体はa−Si系感光体
で、さらに抵抗率が4×1016Ω・cmのa−SiC表
面層をほぼ0.8μm付けたものを使用した。また、実
施例1同様、イメージ露光の装置を使用した。
【0341】クリーニング部材はウレタンブレードと
し、クリーニング部材と感光体との当接部の温度が40
℃となるようにした。
【0342】この環境下での初期の動摩擦偏差係数は
0.41、動摩擦係数は0.89であった。
【0343】実施例1のように電位、画像調整を行い、
初期クリーニング性、耐久後のクリーニング不良、融
着、CLN欠け、CLN捲れ、感光体の損傷、高湿画像
流れ、またトナーリユース性の評価、さらに特性の変動
や精度からみた設計ラチチュードや総合判定を、◎:非
常に良好、○:良好、△:実用上問題なし、×:実用上
問題あり、にて判定した結果を図13に示す。
【0344】これからわかるように、本比較例の系では
総合的に実用上問題あり、との結果が得られた。
【0345】<比較例2>感光体はa−Si系感光体
で、さらに抵抗率が1×1016Ω・cmのa−SiC表
面層をほぼ0.8μm付けたものを使用した。また、比
較例1同様、イメージ露光の装置を使用した。
【0346】クリーニング部材はウレタンブレードと
し、クリーニング部材と感光体との当接の温度が40℃
となるようにした。
【0347】この環境下での初期の動摩擦偏差係数は
0.089、動摩擦係数は1.20であった。
【0348】実施例1のように電位、画像調整を行い、
初期クリーニング性、耐久後のクリーニング不良、融
着、CLN欠け、CLN捲れ、感光体の損傷、高湿画像
流れ、またトナーリユース性の評価、さらに特性の変動
や精度からみた設計ラチチュードや総合判定を、◎:非
常に良好、○:良好、△:実用上問題なし、×:実用上
問題あり、にて判定した結果を図13に示す。
【0349】これからわかるように、本比較例の系では
総合的に実用上問題なし、との結果が得られた。
【0350】<比較例3>感光体はOPCを使用し、表
面層にはPTFE含有の硬化樹脂を使用した。比較例1
と同様のイメージ露光の装置を用いた。
【0351】クリーニング部材はウレタンブレードと
し、クリーニング部材と感光体との当接部の温度が30
℃となるようにした。当接圧は343mN/cm(35
gf/cm)とした。
【0352】実施例1のように電位、画像調整を行い、
初期クリーニング性、耐久後のクリーニング不良、融
着、CLN欠け、CLN捲れ、感光体の損傷、高湿画像
流れ、またトナーリユース性の評価、さらに特性の変動
や精度からみた設計ラチチュードや総合判定を、◎:非
常に良好、○:良好、△:実用上問題なし、×:実用上
問題あり、にて判定した結果を図13に示す。
【0353】これからわかるように、本比較例の系では
総合的に実用上問題なし、との結果が得られた。
【0354】<比較例4>感光体はa−Si系感光体
で、さらに抵抗率が8×1015Ω・cmのa−SiC表
面層をほぼ0.8μm付けたものを使用した。また、比
較例1同様、イメージ露光の装置を使用した。
【0355】クリーニング部材はウレタンブレードと
し、クリーニング部材と感光体との当接部の温度が65
℃となるようにし、当接圧は98mN/cm(10gf
/cm)とした。
【0356】この環境下での初期の動摩擦係数は0.1
0、動摩擦係数は0.74であった。
【0357】実施例1のように電位、画像調整を行い、
初期クリーニング性、耐久後のクリーニング不良、融
着、CLN欠け、CLN捲れ、感光体の損傷、高湿画像
流れ、またトナーリユース性の評価、さらに特性の変動
や精度からみた設計ラチチュードや総合判定を、◎:非
常に良好、○:良好、△:実用上問題なし、×:実用上
問題あり、にて判定した結果を図13に示す。
【0358】これからわかるように、高温によるクリー
ニング部材のへたりや融着が発生し、本比較例の系では
総合的に実用上に問題あり、との結果が得られた。
【0359】<比較例5>感光体はa−Si系感光体
で、さらに抵抗率が6×1015Ω・cmのa−SiC表
面層をほぼ0.8μm付けたものを使用した。また、比
較例1同様、イメージ露光の装置を使用した。
【0360】クリーニング部材はウレタンブレードと
し、クリーニング部材と感光体との当接部の温度が10
℃となるようにし、当接圧は245mN/cm(25g
f/cm)とした。
【0361】この環境下での初期の動摩擦偏差係数は
0.032、動摩擦係数は0.35であった。
【0362】実施例1のように電位、画像調整を行い、
初期クリーニング性、耐久後のクリーニング不良、融
着、CLN欠け、CLN捲れ、感光体の損傷、高湿画像
流れ、またトナーリユース性の評価、さらに特性の変動
や精度からみた設計ラチチュードや総合判定を、◎:非
常に良好、○:良好、△:実用上問題なし、×:実用上
問題あり、にて判定した結果を図13に示す。
【0363】これからわかるように、本実施例の系では
総合的に実用上問題なし、との結果が得られた。
【0364】<比較例6>感光体はa−Si系感光体
で、さらに抵抗率が6×1015Ω・cmのa−SiC表
面層をほぼ0.8μm付けたものを使用した。また、比
較例1同様、イメージ露光の装置を使用した。
【0365】クリーニング部材はウレタンブレードと
し、クリーニング部材と感光体との当接部の温度が25
℃となるようにし、当接圧588mN/cm(60gf
/cm)とした。
【0366】この環境下での初期の動摩擦偏差係数は
0.050、動摩擦係数は0.58であった。
【0367】実施例1のように電位、画像調整を行い、
初期クリーニング性、耐久後のクリーニング不良、融
着、CLN欠け、CLN捲れ、感光体の損傷、高湿画像
流れ、またトナーリユース性の評価、さらに特性の変動
や精度からみた設計ラチチュードや総合判定を、◎:非
常に良好、○:良好、△:実用上問題なし、×:実用上
問題あり、にて判定した結果を図13表に示す。
【0368】これからわかるように、当接圧過剰による
と思われるCLN欠けなどが発生し、本比較例の系では
総合的に実用上問題あり、との結果が得られた。
【0369】<比較例7>感光体はa−Si系感光体
で、さらに抵抗率が6×1015Ω・cmのa−SiC表
面層をほぼ0.8μm付けたものを使用した。また、比
較例1同様、イメージ露光の装置を使用した。
【0370】クリーニング部材はウレタンブレードと
し、クリーニング部材と感光体との当接部の温度が40
℃となるようにし、当接圧9.8mN/cm(1gf/
cm)とした。
【0371】この環境下での初期の動摩擦偏差係数は
0.053、動摩擦係数は0.59であった。
【0372】実施例1のように電位、画像調整を行い、
初期クリーニング性、耐久後のクリーニング不良、融
着、CLN欠け、CLN捲れ、感光体の損傷、高湿画像
流れ、またトナーリユース性の評価、さらに特性の変動
や精度からみた設計ラチチュードや総合判定を、◎:非
常に良好、○:良好、△:実用上問題なし、×:実用上
問題あり、にて判定した結果を図13に示す。
【0373】これからわかるように、CLN不良が発生
し、本比較例の系では総合的に実用上問題あり、との結
果が得られた。
【0374】なお、ドラムヒータに関しては、a−Si
系感光体を使用した画像形成装置に搭載されている場合
がある。しかし省エネルギーの観点から、ヒータの容量
を減少し、さらにはヒータレスとすることが好ましい。
感光体の表面温度が低下することで、トナーの融着に対
するラチチュードも拡大する。ただし、ドラムヒータの
容量を低減したり、ドラムヒータ自体をなくしたりする
場合、感光体の帯電能などの特性が温度により実用上変
化しないことが好ましい。
【0375】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
環境(特に温度)変化に対する変動が少ない良好なクリ
ーニング性を実現し、また感光体とクリーニング部材と
の耐久性を向上させ、さらに設定ラチチュードを広げる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は摩擦係数の温度依存性や組み合せによ
る差異を示す図である。(b)は動摩擦偏差係数の温度
依存性や組み合せによる差異を示す図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す縦
断面図である。
【図3】(a)〜(d)はクリーニング工程を説明する
模式図である。
【図4】(a)はイメージ露光とバックグランド露光
の、1ラインの潜像のモデル図である。(b)は光量分
布とEV特性とから、潜像モデルを導くための概念図で
ある。
【図5】(a)〜(d)はそれぞれ異なる感光体の層構
成を説明するための模式的な構成図である。
【図6】RF−PCVDの装置の一例を示す図である。
【図7】VHF−PCVDの装置の一例を示す図であ
る。
【図8】摩擦特性評価装置の一例を示す概略構成図であ
る。
【図9】(a)は摩擦特性評価で得られるデータの例を
示す図である。(b)は摩擦特性評価についての用語を
説明するための図である。
【図10】Euと温度特性の相関を示す図である。
【図11】表面層の抵抗率と帯電性、耐電圧性、残電の
評価結果を示す図である。
【図12】a−Si感光体の表面層の分光反射測定例を
示す図である。
【図13】実施例1〜9、及び比較例1〜7の条件と結
果とを示した図である。
【符号の説明】
1、50 感光体 2 主帯電器 3 露光器 4 現像器 5 転写・分離帯電器 6 クリーニング手段(クリーニング装置) 6a クリーニング部材(クリーニングブレー
ド) 7 主除電光源 51 支持体 52 感光層 53 光導電層 54 表面層 55 電荷注入阻止層 56 電荷発生層 57 電荷輸送層 58 自由表面 P 他部材(記録材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河村 邦正 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 山崎 晃司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H034 BA01 BC00 BF03 BF05 BF06 CA01 CA04 2H068 CA03 DA02 DA03 DA17 DA37 FC15

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光体表面を帯電する帯電工程と、帯電
    後の前記感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光
    工程と、前記静電潜像をトナー像として現像する現像工
    程と、前記トナー像を前記感光体表面から他部材に転写
    する転写工程と、転写後の前記感光体表面に残った転写
    残トナーを除去するクリーニング工程とを含む一連の画
    像形成工程によって画像を形成する画像形成方法におい
    て、 前記クリーニング工程が、前記感光体表面に当接させた
    クリーニング部材によって前記感光体表面の転写残トナ
    ーを除去する工程であり、 前記画像形成工程中の前記感光体表面と前記クリーニン
    グ部材との間に作用する動摩擦力のばらつきの負荷依存
    性を表す動摩擦の標準偏差係数を、動摩擦偏差係数とす
    るとしたときに、 前記感光体表面と前記クリーニング部材とが当接する当
    接部における温度が15〜60℃の範囲において、前記
    動摩擦偏差係数が0.1以内である、 ことを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 前記当接部の温度が15〜60℃のうち
    の任意の範囲における前記動摩擦偏差係数の変化幅が
    0.02以内である、ことを特徴とする請求項1に記載
    の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 感光体表面を帯電する帯電工程と、帯電
    後の前記感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光
    工程と、前記静電潜像をトナー像として現像する現像工
    程と、前記トナー像を前記感光体表面から他部材に転写
    する転写工程と、転写後の前記感光体表面に残った転写
    残トナーを除去するクリーニング工程とを含む一連の画
    像形成工程によって画像を形成する画像形成方法におい
    て、 前記クリーニング工程が、前記感光体表面に当接させた
    クリーニング部材によって前記感光体表面の転写残トナ
    ーを除去する工程であり、 前記感光体表面と前記クリーニング部材とが当接する当
    接部における温度が15〜60℃の範囲の任意の点にお
    いて、前記感光体表面と前記クリーニング部材との間の
    摩擦係数が1以下で、かつ前記15〜60℃の任意の範
    囲における前記摩擦係数の変化幅が0.4以内である、 ことを特徴とする画像形成方法。
  4. 【請求項4】 前記摩擦係数の変化幅が0.2以内であ
    る、 ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 耐久前と前記画像形成工程を15万回繰
    り返した耐久後とにおける前記動摩擦偏差係数の変化量
    が0.02以内である、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方
    法。
  6. 【請求項6】 耐久前と前記画像形成工程を15万回繰
    り返した耐久後とにおける前記摩擦係数の変化量が0.
    4以内である、 ことを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成方
    法。
  7. 【請求項7】 前記クリーニング部材は、弾性を有する
    クリーニングブレードであり、 JIS K−7311に準ずる前記クリーニングブレー
    ドの反発弾性が5〜75%であり、またJIS K−6
    253に準ずる前記クリーニングブレードの硬度が60
    〜90度である、 ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像
    形成方法。
  8. 【請求項8】 前記クリーニングブレードが前記感光体
    表面に当接する当接圧が49〜490mN/cm(5〜
    50gf/cm)である、 ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 前記クリーニングブレードと前記感光体
    表面との当接部及びその近傍に、ほぼ一定量の潤滑材が
    介在する、 ことを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成方
    法。
  10. 【請求項10】 前記潤滑材がトナーである、 ことを特徴とする請求項9に記載の画像形成方法。
  11. 【請求項11】 前記感光体が、主として非晶質のケイ
    素及び/又は炭素からなる表面層を有する、 ことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の画
    像形成方法。
  12. 【請求項12】 前記感光体は、主として非晶質のケイ
    素からなり、温度による帯電特性の変化率である温度特
    性が±2V/deg以内である、 ことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の画
    像形成方法。
  13. 【請求項13】 前記感光体は、主として非晶質のケイ
    素からなり、少なくとも前記露光工程で露光される部分
    におけるサブバンドギャップ光の吸収スペクトルから得
    られる指数関数裾の特性エネルギーが50〜70meV
    である、 ことを特徴とする請求項12に記載の画像形成方法。
  14. 【請求項14】 前記露光工程における露光が、非画像
    部を露光するバックグラウンド露光である、 ことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の画
    像形成方法。
  15. 【請求項15】 表面にトナー像が形成される感光体
    と、前記感光体表面のトナー像を他部材に転写した後に
    前記感光体表面に残った転写残トナーを除去するクリー
    ニング手段と、を備えた画像形成装置において、 前記クリーニング手段は、前記感光体表面に当接されて
    前記感光体表面の転写残トナーを除去するクリーニング
    部材を有し、 画像形成工程中の前記感光体表面と前記クリーニング部
    材との間に作用する動摩擦力のばらつきの負荷依存性を
    表す動摩擦の標準偏差係数を、動摩擦偏差係数とすると
    したときに、 前記感光体表面と前記クリーニング部材とが当接する当
    接部における温度が15〜60℃の範囲において、前記
    動摩擦偏差係数が0.1以内である、 ことを特徴とする画像形成装置。
  16. 【請求項16】 前記当接部の温度が15〜60℃のう
    ちの任意の範囲における前記動摩擦偏差係数の変化幅が
    0.02以内である、 ことを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 【請求項17】 表面にトナー像が形成される感光体
    と、前記感光体表面のトナー像を他部材に転写した後に
    前記感光体表面に残った転写残トナーを除去するクリー
    ニング手段と、を備えた画像形成装置において、 前記クリーニング手段は、前記感光体表面に当接されて
    前記感光体表面の転写残トナーを除去するクリーニング
    部材を有し、 前記感光体表面と前記クリーニング部材とが当接する当
    接部における温度が15〜60℃の範囲の任意の点にお
    いて、前記感光体表面と前記クリーニング部材との間の
    摩擦係数が1以下で、かつ前記15〜60℃の任意の範
    囲における前記摩擦係数の変化幅が0.4以内である、 ことを特徴とする画像形成装置。
  18. 【請求項18】 前記摩擦係数の変化幅が0.2以内で
    ある、 ことを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。
  19. 【請求項19】 耐久前と前記画像形成工程を15万回
    繰り返した耐久後とにおける前記動摩擦偏差係数の変化
    量が0.02以内である、 ことを特徴とする請求項15又は16に記載の画像形成
    装置。
  20. 【請求項20】 耐久前と前記画像形成工程を15万回
    繰り返した耐久後とにおける前記摩擦係数の変化量が
    0.4以内である、 ことを特徴とする請求項17又は18に記載の画像形成
    装置。
  21. 【請求項21】 前記クリーニング部材は、弾性を有す
    るクリーニングブレードであり、 JIS K−7311に準ずる前記クリーニングブレー
    ドの反発弾性が5〜75%であり、またJIS K−6
    253に準ずる前記クリーニングブレードの硬度が60
    〜90度である、 ことを特徴とする請求項15〜20のいずれかに記載の
    画像形成装置。
  22. 【請求項22】 前記クリーニングブレードが前記感光
    体表面に当接する当接圧が49〜490mN/cm(5
    〜50gf/cm)である、 ことを特徴とする請求項21に記載の画像形成装置。
  23. 【請求項23】 前記クリーニングブレードと前記感光
    体表面との当接部及びその近傍に、ほぼ一定量の潤滑材
    を供給する潤滑材供給手段を備える、 ことを特徴とする請求項21又は22に記載の画像形成
    装置。
  24. 【請求項24】 前記潤滑材がトナーである、 ことを特徴とする請求項23に記載の画像形成装置。
  25. 【請求項25】 前記潤滑材供給手段は、前記感光体表
    面の移動方向に沿っての前記クリーニングブレードの上
    流側に配設されて、前記感光体表面に対して所定の相対
    速度をもって駆動される、 ことを特徴とする請求項23又は24に記載の画像形成
    装置。
  26. 【請求項26】 前記潤滑材供給手段は、磁気的に及び
    /又は機械的に前記潤滑材を保持又は供給する、 ことを特徴とする請求項23〜25のいずれかに記載の
    画像形成装置。
  27. 【請求項27】 前記感光体が、主として非晶質のケイ
    素及び/又は炭素からなる表面層を有する、 ことを特徴とする請求項15〜26のいずれかに記載の
    画像形成装置。
  28. 【請求項28】 前記感光体は、主として非晶質のケイ
    素からなり、温度による帯電特性の変化率である温度特
    性が±2V/deg以内である、 ことを特徴とする請求項15〜27のいずれかに記載の
    画像形成装置。
  29. 【請求項29】 前記感光体は、主として非晶質のケイ
    素からなり、少なくとも露光される部分におけるサブバ
    ンドギャップ光の吸収スペクトルから得られる指数関数
    裾の特性エネルギーが50〜70meVである、 ことを特徴とする請求項28に記載の画像形成装置。
  30. 【請求項30】 前記感光体表面に対する露光が、非画
    像部を露光するバックグラウンド露光である、 ことを特徴とする請求項15〜29のいずれかに記載の
    画像形成装置。
  31. 【請求項31】 他部材に対するトナー像の転写後に感
    光体表面に残った転写残トナーが、前記感光体表面に当
    接されたクリーニング部材によって除去される感光体に
    おいて、 画像形成工程中の前記感光体表面と前記クリーニング部
    材との間に作用する動摩擦力のばらつきの負荷依存性を
    表す動摩擦の標準偏差係数を、動摩擦偏差係数とすると
    したときに、 前記感光体表面と前記クリーニング部材とが当接する当
    接部における温度が15〜60℃の範囲において、前記
    動摩擦偏差係数が0.1以内である、 ことを特徴とする感光体。
  32. 【請求項32】 前記当接部の温度が15〜60℃のう
    ちの任意の範囲における前記動摩擦偏差係数の変化幅が
    0.02以内である、 ことを特徴とする請求項31に記載の感光体。
  33. 【請求項33】 他部材に対するトナー像の転写後に感
    光体表面に残った転写残トナーが、前記感光体表面に当
    接されたクリーニング部材によって除去される感光体に
    おいて、 前記感光体表面と前記クリーニング部材とが当接する当
    接部における温度が15〜60℃の範囲の任意の点にお
    いて、前記感光体表面と前記クリーニング部材との間の
    摩擦係数が1以下で、かつ前記15〜60℃の任意の範
    囲における前記摩擦係数の変化幅が0.4以内である、 ことを特徴とする感光体。
  34. 【請求項34】 前記摩擦係数の変化幅が0.2以内で
    ある、 ことを特徴とする請求項31に記載の感光体。
  35. 【請求項35】 耐久前と前記画像形成工程を15万回
    繰り返した耐久後とにおける前記動摩擦偏差係数の変化
    量が0.02以内である、 ことを特徴とする請求項31又は32に記載の感光体。
  36. 【請求項36】 耐久前と前記画像形成工程を15万回
    繰り返した耐久後とにおける前記摩擦係数の変化量が
    0.4以内である、 ことを特徴とする請求項33又は34に記載の感光体。
  37. 【請求項37】 主として非晶質のケイ素及び/又は炭
    素からなる表面層を有する、 ことを特徴とする請求項31〜36のいずれかに記載の
    感光体。
  38. 【請求項38】 主として非晶質のケイ素からなり、温
    度による帯電特性の変化率である温度特性が±2V/d
    eg以内である、 ことを特徴とする請求項31〜36のいずれかに記載の
    感光体。
  39. 【請求項39】 主として非晶質のケイ素からなり、温
    度による帯電特性の変化率である温度特性が±2V/d
    eg以内である、 ことを特徴とする請求項31〜38のいずれかに記載の
    感光体。
  40. 【請求項40】 主として非晶質のケイ素からなり、少
    なくとも露光される部分におけるサブバンドギャップ光
    の吸収スペクトルから得られる指数関数裾の特性エネル
    ギーが50〜70meVである、 ことを特徴とする請求項39に記載の感光体。
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