JP2002146291A - 抗菌性木質部用塗料 - Google Patents

抗菌性木質部用塗料

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JP2002146291A
JP2002146291A JP2000346619A JP2000346619A JP2002146291A JP 2002146291 A JP2002146291 A JP 2002146291A JP 2000346619 A JP2000346619 A JP 2000346619A JP 2000346619 A JP2000346619 A JP 2000346619A JP 2002146291 A JP2002146291 A JP 2002146291A
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Japan
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antibacterial
ligneous
hinokitiol
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JP2000346619A
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Kenji Hatatani
賢次 旗谷
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OSAKA TORYO KOGYO CO Ltd
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OSAKA TORYO KOGYO CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 木質部用塗料にヒトに対して無害な天然由来
の成分を配合することによって、抗菌性を付与し、しか
もその特性は経時的に充分な持続性があり、さらに紫外
線や耐湿性に優れており、耐候性に優れた抗菌性木質部
用塗料を提供することである。 【解決手段】 ヒノキチオールを有効成分として含有す
る抗菌性木質部用塗料とする。ヒノキチオールが、徐放
性マイクロカプセル内に保持されている有効成分である
抗菌性木質部用塗料とする。または、ヒノキチオールを
有効成分として含有し、かつ撥水性成分として蜜蝋を含
有する抗菌性木質部用塗料とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、天然物に含有さ
れている抗菌性成分や撥水性成分を含有する建材などに
適した抗菌性木質部用塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、木質部用塗料は、木質部に展着
される塗膜成分(不揮発成分)、塗膜助成分(溶剤また
は希釈剤)、顔料または展色剤などからなり、建材用途
などに汎用性がある。
【0003】このような木質部用塗料は、塗装した後に
塗膜助成分であるトルエン、キシレンなどの有機溶剤
(シンナー)が徐々に揮発して異臭を放ったり、木質用
の防腐剤として配合したホルマリンなどが室内などに揮
発・滞留する場合がある。これらの成分は微量でもヒト
に長時間接することによって健康に有害な影響を及ぼ
し、いわゆるシックハウス症候群の原因となることが近
年に問題とされ、ヒトの生活環境において長時間その雰
囲気に接していても充分に安全な塗料が求められてい
る。
【0004】ヒトの健康に有害な影響を及ぼさないよう
にする対策としては、トルエンやキシレンなどの特定の
有害物質を溶媒として使用せず、水性塗料とすること
や、植物油をベースとすることが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の自然塗料と呼ばれる木質部用塗料は、塗膜形成後にお
ける抗菌性について、経時的に充分な持続性がなく、そ
のためにカビが発生したり、木質の腐敗を起こしやすい
という問題点がある。
【0006】また、従来の木質部用塗料を屋外の建材に
使用すると、紫外線で塗膜が焼けて変色したり、吸湿と
乾燥の繰り返しで結晶性成分が濃縮および析出し、塗装
膜表面に白化現象を起こしやすく、耐候性が充分でない
という問題点もある。
【0007】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決して木質部用塗料にヒトに対して無害な天然由
来の成分を配合することによって、抗菌性を付与し、し
かもその特性は経時的に充分な持続性がある抗菌性木質
部用塗料を提供することである。
【0008】また、この発明の他の課題としては、上記
の課題を解決すると共に紫外線や耐湿性に優れており、
耐候性に優れた抗菌性木質部用塗料とすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、ヒノキチオールを有効成分として含有する抗菌性
木質部用塗料としたのである。
【0010】上記の抗菌性木質部用塗料において、ヒノ
キチオールが、徐放性マイクロカプセル内に保持されて
いる有効成分である構成を採用することが持続性のある
抗菌性木質部用塗料とするために好ましいことである。
【0011】また、天然由来の成分を配合し、かつ耐候
性を改善するという課題を解決するため、この発明にお
いては、ヒノキチオールを有効成分として含有し、かつ
撥水性成分として蜜蝋を含有する抗菌性木質部用塗料と
したのである。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明の抗菌性木質部用塗料に
用いる塗膜形成成分は、アマニ油、サフラワー油、ヒバ
油、綿実油、ヒマワリ油などの天然植物油、シェラック
樹脂、コーパル、ロジンなどの天然樹脂が挙げられる。
【0013】また、この発明の抗菌性木質部用塗料は、
着色剤を含有する着色塗料またはそれを含有しないクリ
ヤーのいずれであってもよい。使用可能な着色剤の例と
しては、ベンガラ、チタン白などの焼成顔料、カーボン
ブラック、植物性色素(シソ色素、ココア色素、サフラ
ワー色素)などが挙げられる。
【0014】また、抗菌性木質部用塗料に用いる溶剤
は、FDA(米国食品衛生局)の規格に適合する程度の
無害性のものを採用するか、または無溶剤とすることが
好ましいが、たとえば好ましい溶剤の具体例としては醸
造アルコールやテレピン油が挙げられる。
【0015】この発明に用いる抗菌成分であるヒノキチ
オールは、β−ツヤプリシンとも称され、そのIUPA
Cによる化学名は、4−イソプロピル−2ヒドロキシ−
2,4,6シクロヘプタトリエン−オンで表わされるも
のであり、アスナロ、イブキ、ハイネズミ、クロベ、タ
イワンヒノキ、ウエスタンレッドシダー、インセンスシ
ダーなどのヒノキ科植物、特に青森ヒバに多く含まれて
おり、有機溶媒に可溶で水に難溶の成分である。
【0016】ヒバ油には、ヒノキチオールのほかにも多
くの生理活性物質が含まれており、例えば、抗菌・防カ
ビ成分としてヒノキチオール、β−ドラブリン、防虫成
分としてシトロネール、殺蟻成分としてトリメチルナフ
タリン、芳香成分としてテルペン類などがある。このよ
うにこの発明において、ヒノキチオールを配合する場合
に、ヒバ油を用いることは好ましいことであるといえ
る。
【0017】因みに、ヒノキチオールは、我国において
天然食品添加物の保存料として認可されているように、
塗料用成分として用いても極めて安全性の高い物質であ
る。なお、参考のために公定書等による安全性試験結果
を以下に示す。 [ヒノキチオール(CAS No.449−44−5)] ・急性毒性 LD(50) カエル 163±45mg/kg マウス 339±45mg/kg MLD モルモット1000 mg/kg ・慢性毒性 体内への残留性を認めず。
【0018】この発明の塗料におけるヒノキチオールの
配合量は、0.5〜4重量%程度であることが好まし
い。なぜなら、上記所定量未満の少量では、抗菌性の効
果が充分に発揮されず、カビなども発生しやすくて好ま
しくなく、上記所定量を超えて多量に配合すると、塗膜
表面が粘着性を帯びて空気中の塵埃を吸着しやすくな
り、好ましくない。
【0019】ヒノキチオールを粒径0.5〜150μm
程度の大きさのマイクロカプセルに形成するには、ヒノ
キチオールとゼラチンなどのカプセル膜材料とを乳化剤
と共に混合して乳化し、アラビアゴムおよびグルタール
アルデヒドを添加して膜を不溶化すると共に硬化するな
どの周知のマイクロカプセル化処理法を採用する。他の
カプセル化方法としては、多孔性物質であるセルロース
やシリカ(珪藻土)、パーライトからなる粒子に含浸す
るか、または包接化合物であるサイクロデキストリンな
どに封入してもよい。
【0020】次に、この発明に用いる撥水性分である蜜
蝋(ミツロウ)は、ミツバチの巣から加熱圧搾して採取
するロウであって、好ましくは精製脱色したものであ
り、艶出し剤やワックス、または化粧品や薬用成分とし
て周知の物質である。
【0021】因みに、ミツロウの主成分は、パルミチン
酸ミリシル、セロチン酸ミリシル、ヒポガエン酸ミリシ
ルなどのエステルであり、この他にリグノセリン酸、セ
ロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、プリシン酸、ヒポ
ガエン酸などの遊離酸、ペンタコンタン、ヘプタコンタ
ン、ノナコンタンなどの炭化水素およびその他の遊離ア
ルコールを含むものである。
【0022】この発明の塗料における蜜蝋の配合量は、
0.5〜3重量%程度であることが好ましい。なぜな
ら、上記所定量未満の少量では、塗料表面に撥水性の効
果が充分に発揮されず、耐候性の向上を望めず、上記所
定量を超えて多量に配合しても撥水性がそれ以上改良さ
れることはなく、実用的な添加量でなくなり、また異臭
を発する場合があって好ましくない。
【0023】以上説明した材料の他に、この発明の塗料
には乾燥促進のためのドライヤーを添加してもよく、例
えばナフテン酸コバルト、ナフテン酸カルシウム、オク
チル酸ジルコニウムなどを用いて好ましい結果を得てい
る。
【0024】
【実施例および比較例】[実施例](着色系塗料) アマニ油17.4重量%、アマニ油スタンド油8.2重
量%、エチルアルコールおよびFDA認可溶剤36.5
重量%、ヒバ油5.0重量%(収率54パーセントのシ
リカ系マイクロカプセルを含有する。)、オクテン酸ジ
ルコニウム1.0重量%、ナフテン酸コバルト0.4重
量%、ナフテン酸カルシウム3.0重量%、蜜蝋ワック
ス3.0重量%、弁柄25.5重量%を混合し、赤色系
塗料を製造した。
【0025】得られた塗料を厚さ1cmの木板(ラワン
材に11〜14m2 /リットル)に塗布し、20℃、湿
度65%で20時間乾燥させたものを試験片とした。
【0026】得られた試験片を下記の抗菌力試験によっ
て評価し、その結果を表1中に示した。 [抗菌力試験]抗菌製品の抗菌力試験法I(抗菌製品技
術協議会の品質と安全性に関する規格、1998年度版、フ
ィルム密着法)に準拠し、検体(実施例)および対照
(ポリエチレンフィルム)の抗菌性を評価した。なお、
接種した菌液調整溶液は、1/500NB培地であり、
試験菌は大腸菌のエシェリヒア コリ(Escherichia co
liIFO 3972)および黄色ブドウ球菌のスタフィロコッカ
ス アウレウス(Staphylococcus aureus IFO 12732)
とした。
【0027】
【表1】
【0028】また、前記検体(実施例)の試験片のかび
抵抗性をJIS Z 2911:1992「かび抵抗性
試験方法」塗料の試験に準拠し、試験菌株としてアスペ
ルギルス ニガー(Aspergillus niger IFO 6342)、ペ
ニシリウム フニクロサム(Penicillium funiculosum
IFO 6345)、クラドスポリウム クラドスポリオイデス
(Cladosporium cladosporioides IFO 6348)、オーレ
オバシディウム パルランス(Aureobasidium pullulan
s IFO 6353)、グリオクラディウム ビレンス(Gliocl
adium virens IFO 6355)を用いて以下のように行なっ
た。
【0029】すなわち、各試験菌株をポテトデキストロ
ース寒天培地で25℃10日間培養した後、胞子(分生
子)をそれぞれ0.005%スルホコハク酸ジオクチル
ナトリウム溶液に浮遊させ、単一胞子懸濁液とした。各
単一胞子懸濁液を等量ずつとり、混合胞子懸濁液とし
た。
【0030】平板培地(精製水1000ml、ブドウ糖40
g、ペプトン10g、寒天25g)の上に試験片を載
せ、混合胞子懸濁液1mlを培地表面および試験片上に
均等に撒きかけ、蓋をして温度28±2℃にて1週間培
養した。培養後、試験片表面に生じた菌糸の発育状況を
肉眼で観察した。
【0031】この結果、試験片の接種した部分に認めら
れる菌糸の発育部分の面積は、全面積の約1/3程度ま
たはそれ以下であると認められた。
【0032】また、上記の試験片について、サンシャイ
ンウェザーメーターにて600時間まで段階的に曝露
し、表面に水滴を垂らして球状にまとまるか否かを見
て、撥水性を評価した。その結果、サンシャインウェザ
ーメーターにて480時間(屋外での天然曝露の約1年
半に相当する)まで曝露する条件で塗膜の撥水性が認め
られた。
【0033】
【発明の効果】本願の抗菌性木質部用塗料に係る発明
は、以上説明したように、ヒノキチオールを有効成分と
して含有する抗菌性木質部用塗料としたので、天然物の
抽出成分であるヒノキチオールによる抗菌性が持続性よ
く発揮されて、防虫、防腐および防カビ効果が充分に持
続し、しかも塗料成分が揮発する雰囲気にヒトが長時間
接していても安全であり、さらに徐放されたヒノキチオ
ールにより森林浴やアロマテラピー効果もあるという利
点がある。
【0034】上記の抗菌性木質部用塗料において、ヒノ
キチオールが徐放性マイクロカプセル内に保持されてい
るものは、特に持続性の優れた抗菌性木質部用塗料であ
るという利点がある。
【0035】また、本願の撥水性木質部用塗料に係る発
明のうち、蜜蝋を含有するものは、安定して持続的な撥
水性および耐候性があるという利点があり、しかも塗料
成分が揮発する雰囲気にヒトが長時間接していても安全
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 193/00 C09D 193/00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒノキチオールを有効成分として含有す
    る抗菌性木質部用塗料。
  2. 【請求項2】 ヒノキチオールが、徐放性マイクロカプ
    セル内に保持されている有効成分である請求項1記載の
    抗菌性木質部用塗料。
  3. 【請求項3】 撥水性成分として蜜蝋を含有する請求項
    1または2に記載の抗菌性木質部用塗料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015519408A (ja) * 2012-12-26 2015-07-09 サン ジョン,ミン 建築物の室内仕上げ材用親環境水性塗料組成物
JP2018172555A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 中国塗料株式会社 水性塗料組成物

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015519408A (ja) * 2012-12-26 2015-07-09 サン ジョン,ミン 建築物の室内仕上げ材用親環境水性塗料組成物
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