JP2002144458A - 樹脂フィルム - Google Patents

樹脂フィルム

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JP2002144458A JP2000340788A JP2000340788A JP2002144458A JP 2002144458 A JP2002144458 A JP 2002144458A JP 2000340788 A JP2000340788 A JP 2000340788A JP 2000340788 A JP2000340788 A JP 2000340788A JP 2002144458 A JP2002144458 A JP 2002144458A
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裕和 小長谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラップ部で色調の変化が目立たなく、しかも
ネック成形時に浮き上がりのない樹脂フィルムを提供す
る。 【解決手段】 樹脂シート5の一方の面に印刷層4が設
けられ、中空体1の外周面に巻き付けられるとともに、
両端部が重ね合わせられて前記中空体1の外面に貼着さ
れる樹脂フィルム2において、前記印刷層4のうち前記
互いに重ね合わせられる両端部での印刷層8,9の厚さ
が、他の部分での印刷層4より薄く形成され、かつ前記
ラップ部における印刷層8,9の厚さを2μm以下とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は缶胴の外側面など
のような中空体の外周面に、印刷が施された樹脂フィル
ムを中空体の外周長よりもわずかに長く切断し、中空体
の外周面に貼り付ける時に樹脂フィルムの両端部が重な
ってラップ部が形成される樹脂フィルムに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、絞りしごき加工や2回以上の絞り
加工により缶胴と缶底とが一体的に成形されるツーピー
ス缶では、その缶胴の金属面の露出を防ぎ、表面を保護
するために、かつその缶胴に美麗な外観を得るために、
模様や文字などの印刷が施された帯状のプラスチック製
フィルムを貼り付けることが行われている。
【0003】すなわち、缶胴の外周長よりもわずかに長
く切断された樹脂フィルムを用いて、樹脂フィルムの両
端部が重なり合ったラップ部を設けるように貼り付ける
ことが行われている。
【0004】しかしながら、従来の樹脂フィルムの両端
部を重ねて形成したラップ部では、印刷が施された樹脂
フィルムが重なり合うために、ラップ部以外の部分と比
較して色調が変化し色の濃度が濃くなって、美観を損な
う問題がある。また、従来のラップ部は、ラップ部以外
の部分のほぼ2倍の厚さを有する。このような樹脂フィ
ルムが貼り付けられた缶体に対して、ネックイン加工お
よびフランジ加工を施す場合では、その缶体のラップ部
に成形圧力が集中され、印刷層が凝集破壊を起こして、
そのラップ部分の樹脂フィルムが剥離して浮き上がるこ
とがある。特に飲料缶の場合には、内容物を充填した後
の加熱殺菌処理で樹脂フィルムの剥離が生じやすくな
る。
【0005】このような不都合を解決するために、その
ラップ部の幅を小さくすることが行われているが、樹脂
フィルムの貼り付け工程での機械的な精度を考慮する
と、缶胴の金属面を露出させないように貼り付けるため
には、ある程度の幅を持つラップ部を設けることが必要
であり、ラップ部の幅を小さくすることには限界があ
る。また、ラップ部となる部分の樹脂フィルムの厚さを
薄くしたり、顔料の粒径を小さくしたり、均一にしたり
して、フィルムおよび印刷層の樹脂成分が後の工程の加
工に耐えられるものにする改良が行われている。その一
例が、特開平4−57747号公報に開示されている。
【0006】特開平4−57747号公報に記載された
発明は、ラップ部に当たる部分のフィルムの厚さを延伸
加工することで減少させ、その結果、ラップ部における
樹脂フィルムの厚さを薄くすることによって、ラップ部
の加工性を向上させ、同時に色調の変化を目立たせない
ようにするものである。また、ここには、ラップ部に当
たる部分には印刷層を設けない方が好ましい旨の記載さ
れており、各実施例では、印刷層は重なり合うことな
く、その両端部が隔置された状態となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した公報に記載さ
れた缶胴体に貼り付ける樹脂フィルムによれば、延伸加
工により重なり部(ラップ部)の厚さを樹脂フィルムの
厚さの1.6倍以下にすることができ、ラップ部の加工
性が向上するとされている。しかし、特開平4−577
47号公報に記載された発明では、新たに、ラップ部に
あたる樹脂フィルムの両端部を薄く加工する工程が増え
るために、樹脂フィルムの延伸装置およびそれに関連す
る設備が必要であり、生産工程が複雑になり、高コスト
となって、生産性が低下する問題がある。また、ラップ
部において印刷層が存在しない部分を有するので、缶胴
体にフィルム樹脂の色又は缶胴地金の色等の縦方向に延
びる線が現れるので、消費者に奇異な印象を与え、かえ
って外観性が劣ったものになってしまう。一方、薄くす
る部分に印刷層が存在する場合、樹脂フィルムの両端部
を薄くする工程の中で、樹脂フィルムを局所的に延伸す
る方法を取ると、印刷層の性能によってはその時点で凝
集破壊を起こすおそれがあり、結局、耐剥離性の向上効
果が失われ、または減殺される。
【0008】この発明は、上記の技術的課題に着目して
なされたものであって、成形加工における印刷層の凝集
破壊を防ぐことができると同時に、ラップ部とその周囲
との色調の変化を軽減する樹脂フィルムを提供すること
を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用】この発明
は、上記の目的を達成するために、ラップ部の印刷層の
厚さを他の部分より薄くしたことを特徴とする樹脂フィ
ルムである。より具体的には、請求項1の発明は、樹脂
シートの一方の面に印刷層が設けられ、中空体の外周面
に巻き付けられるとともに、両端部が重ね合わせられて
ラップ部を形成するように前記中空体の外面に貼着され
る樹脂フィルムにおいて、前記印刷層のうち互いに重ね
合わせられる前記両端部での印刷層の厚さが、他の部分
での印刷層より薄く形成されていることを特徴とする樹
脂フィルムである。
【0010】したがって、請求項1の発明では、樹脂シ
ートの一方の面に印刷層が施され、樹脂フィルムが形成
される際に、中空体(すなわち、缶胴)の外周面に樹脂
フィルムを貼り付けた時、ラップ部(すなわち、重ね
部)に当たる部分の印刷層の厚さが、予め薄く形成され
ることによって、樹脂フィルムを貼り付けた後の中空体
(すなわち、缶胴)にネック成形などの加工を施すこと
にしても、樹脂フィルムのラップ部(すなわち、重ね
部)における印刷層の凝集破壊および樹脂フィルム自身
の浮き上がりを引き起こすことを防ぐことができる。
【0011】その上に、ラップ部(すなわち、重ね部)
に当たる印刷層の厚さを薄くすることにより、色の濃さ
も薄くなる。そのため、ラップ部に当たる印刷層の厚さ
が他の部分より薄い樹脂フィルムを中空体(すなわち、
缶胴)に貼り付けると、印刷層の色の薄い部分が重ね合
わされてラップ部(すなわち、重ね部)を構成するの
で、ラップ部およびその近傍の樹脂フィルムの色が、他
の部分との色の濃度差が小さくなり、色調の変化が少く
なることによって、ラップ部が目立たなくなる。
【0012】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
において、前記印刷層が網点印刷により印刷され、かつ
前記ラップ部およびラップ部近傍の領域の網点をラップ
部およびラップ部近傍以外の領域よりも減少させたこと
を特徴とする樹脂フィルムである。
【0013】したがって、請求項2の発明では、樹脂シ
ートに印刷層が網点印刷により印刷される際に、ラップ
部(すなわち、重ね部)およびラップ部近傍の領域の網
点を減少させることによって、設備や工程を増すことな
く、簡単しかも確実に印刷層を薄くする樹脂フィルムを
生産することができる。
【0014】また、請求項3の発明は、請求項1の発明
において、前記両端部およびそれよりも中央側の所定範
囲内の印刷層がベタ刷りにより印刷され、かつ前記ラッ
プ部およびラップ部近傍の色の数をラップ部およびラッ
プ部近傍以外の領域よりも減少させたことを特徴とする
樹脂フィルムである。
【0015】したがって、請求項3の発明では、樹脂シ
ートの両端部側部分に印刷層がベタ刷り(或る色のイン
キを或る色の印刷領域に点状に付着させるのではなくて
全面に付着させる)により印刷される際に、ラップ部
(すなわち、重ね部)およびラップ部近傍の領域の色の
数を減少させることによって、設備や工程を増すことな
く、簡単しかも確実に印刷層を薄くする樹脂フィルムを
生産することができる。
【0016】さらに、請求項4の発明は、請求項1ない
し3のいずれかに記載の発明において、前記ラップ部に
おける印刷層の厚さを2μm以下としたことを特徴とす
る樹脂フィルムである。
【0017】したがって、請求項4の発明では、樹脂フ
ィルムのラップ部(すなわち、重ね部)における印刷層
の厚さを2μm以下に制限することによって、ネックイ
ン加工などにより引き起こされる印刷層の凝集破壊を確
実に防ぐことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の樹脂フィルム
を、図面に示す具体例を参照して説明する。まず、樹脂
フィルムの構成を説明する。図1に示すように、缶胴1
(すなわち、中空体)の外周面に貼り付けられる樹脂フ
ィルム2であって、この樹脂フィルム2は、接着剤3
と、印刷層4と、樹脂シート5と、クリヤ層6とからな
る。すなわち、樹脂シート5の一方の面(缶胴1に貼着
するときに表側となる面)に滑剤を含有した熱硬化性樹
脂のクリヤ層6が形成されるとともに、該樹脂シートの
他方の面に(缶胴1に貼着するときに裏側となる面)、
印刷層4および接着層3が順次形成されるものである。
また、印刷層4は、例えば印刷色4Aと、印刷色4B
と、印刷色4Cとにより構成されている。
【0019】上記の樹脂フィルム2の両端部同士が、缶
胴1(すなわち、中空体)に沿って重ね合わせされて、
ラップ部7を形成する。ラップ部7では、その下側とな
る部分には、クリヤ層6が全く存在しておらず、その上
側となる部分の下面にある接着剤3が、下側部分の樹脂
シート5に直接接着されているとともに、ラップ部7の
上側部分にも、その上面にクリヤ層6が存在していな
い。ここで示した具体例では、接着剤3とクリヤ層6と
の接着性がよくないためラップ部7の下側部分にクリヤ
層6が存在しないように構成しているが、接着性が良好
な場合にはラップ部7の下側部分にクリヤ層6が存在す
るように構成することができる。また、ラップ部7の上
側部分には、接着性の良否にかかわらずクリヤ層6が存
在してもよい。
【0020】缶胴1は、金属製であり、その素材として
の金属板には、アルミニウム板、ティンフリースチール
などの表面処理鋼板、ブリキ、クロムメッキ鋼板、アル
ミメッキ鋼板、ニッケルメッキ鋼板、その他の各種合金
メッキ鋼板、金属板の表面を熱硬化型や紫外線硬化型の
塗料で被覆するか、又は熱可塑性樹脂により被覆した樹
脂被覆金属板を用いることができる。
【0021】樹脂シート5の材料としては、熱可塑性樹
脂を用い、具体的にはポリエチレンテレフタレート樹
脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などのポリエステ
ル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートとイソフタル酸
との共重合体などからなる共重合ポリエステル系樹脂、
ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチ
レン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン共重合
体などのうちから選ばれた透明な高分子樹脂単体、ある
いは上記樹脂の複合体からなる熱可塑性樹脂シート5で
あって、その厚さについては、材質によって違い、適宜
に決定され、一例としては、10〜30μm程度の厚さ
の樹脂シート5を使用することができる。
【0022】この樹脂シート5の一方の面に印刷層4が
形成され、その上に接着層3が形成される。その樹脂シ
ート5の反対側の面にはクリヤ層6が形成される。樹脂
シート5が、良好な耐摩耗性、滑り性を有する場合には
クリヤ層6を省略することが可能である。また、樹脂シ
ート5の一方の面に接着層3を形成し、他方の面に印刷
層4と、クリヤ層6を順次形成するように構成すること
もできる。(この層構成にする場合には、樹脂シート5
の樹脂中に白色顔料や銀色顔料のように隠蔽力の強い顔
料を混入することができる。)この場合でも、印刷層4
が、良好な耐摩耗性、滑り性を有する場合にはクリヤ層
6を省略することが可能である。さらに、樹脂シート5
自体が缶胴1の金属表面に対して、良好な接着特性を有
する場合には接着層3を省略してもよい。印刷層4を形
成するためには、グラビア印刷、フレキソ印刷等、適宜
選択してよいが、高品質で、しかも高速度の印刷を行え
るグラビア印刷が好ましい。
【0023】上記のラップ部7におけるラップ部印刷層
8の厚さが、他の部分の印刷層4より薄く形成されてい
る。ここで、例えば、印刷色4A,4B,4Cがそれぞ
れ薄くされ、より厚さの薄い印刷色8A,8B,8Cと
なっており、その結果、他の部分の印刷層4より薄いラ
ップ部印刷層8が形成されても良いし、また、印刷色4
A,4B,4Cのうちどれか一色または二色が薄くさ
れ、より厚さの薄い印刷色8Aまたは印刷色8B,8C
となり、その結果、他の部分の印刷層4より薄いラップ
部印刷層8が形成されても良い。
【0024】さらに、ラップ部7を形成する樹脂フィル
ム2の両端部のうち、どちらか一方の印刷層4が薄くさ
れ、ラップ部印刷層8が形成されても良い。あるいは、
ラップ部7を形成する樹脂フィルム2の両端部のうち、
どちらか一方の印刷層4において、その印刷色4A,4
B,4Cのうちどれか一色または二色が薄くされ、ラッ
プ印刷層8が形成されても良い。
【0025】ここで、樹脂フィルム2が形成される際
に、網点印刷により複数の印刷色(例えば印刷色4A,
4B,4C)の色を重ねて印刷層4を構成している場合
は、ラップ部7に当たる印刷層4の色を構成する網点を
すべての色について減少させ、より厚さの薄いラップ部
印刷層8が形成され、ベタ刷りで複数の印刷色(例えば
印刷色4A,4B,4C)を重ねて印刷層4を構成して
いる場合は、ラップ部7に当たる印刷層4の色を構成す
る印刷色の一色あたりの印刷色の厚さを減少させること
によって、より厚さの薄いラップ部印刷層8を形成する
ことができる。また、ベタ刷りで複数の印刷色を重ねて
印刷層4を構成している場合は、印刷層4の色を構成す
る印刷色の数を1〜2色減少させてより厚さの薄いラッ
プ部印刷層8を形成することもできる。
【0026】図2を参照してこの発明の他の具体例につ
いて説明する。なお、図1と同じ部分には、図1と同じ
符号を使用し、その説明を省略する。ラップ部7におけ
るラップ部印刷層9の厚さが、他の部分の印刷層4より
薄く形成されている。ここで、ラップ部印刷層9が、例
えば、印刷層4の印刷色4Bと印刷色4Cとを無くして
構成されている。すなわち、ラップ部7を構成している
樹脂フィルム2の両端部では、その樹脂フィルム2の印
刷層9は、その厚さが、他の部分の印刷層4の厚さより
薄く、かつ印刷色4Aだけによって構成されている。な
お、印刷層4における印刷色4Bまたは印刷色4Cは、
完全に無くすことに替えて、顔料の量を減らしても良
い。
【0027】また、印刷層4の印刷色(例えば、印刷色
4A,4B,4C)の数を減らす場合には、なるべく缶
胴1の金属表面に近い側に塗られる印刷層4の印刷色を
抜くようにすることが好ましい。(例えば、金属表面側
から白色、銀色、赤色の場合には、白色または白色と銀
色とを抜くのが好ましい。)さらに、白色、赤色、青
色、銀色など凝集破壊を起こしやすい印刷色を減らすこ
とによって、より高い密着性のある樹脂フィルム2が得
られる。
【0028】上記のように構成することによって、ラッ
プ部7にあたる樹脂フィルム2の両端部の印刷層8,9
の厚さを1〜2μmにすることができ、樹脂フィルム2
の缶胴1に対する密着性が向上して、樹脂フィルム2を
貼り付けた後の缶胴1の加工性が向上する。
【0029】つぎにこの発明の樹脂フィルムの実施例を
示す。
【0030】
【実施例1】絞りしごき成形したブリキ製ツーピース缶
体(缶胴内径65.8mmの350ml缶)を使用して
樹脂フイルム貼着缶を製造した。印刷層4およびラップ
部印刷層8は、図2に模式的な断面図として示してい
る。樹脂シート5は、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)樹脂で形成され、その厚さが16μmである。樹
脂シート5の一方の面に、印刷層4が形成され、その印
刷層4の厚さは、一色(例えば印刷色4A)につき1μ
mにする。印刷層4の上に形成される接着剤3を4〜5
μmの厚みで塗布した。また、ラップ部7を構成する樹
脂フィルム2の両端部の印刷層8を3mmの幅に亘っ
て、それぞれ一色、二色、三色、四色にして4種類のサ
ンプルを用意した。さらに、その樹脂フィルム2を所定
の大きさに切断し、温度150℃、押し付け力2940
Nにて速度100m/minで缶胴1に貼付した後、ネ
ックイン加工を実施した。その後、温水を適量に入れ、
125℃x30分のレトルト処理を実施した。
【0031】レトルト後、缶胴1の表面を目視にて樹脂
フィルム2の浮き上がりを確認した。実施した結果を表
1に示している。×は、樹脂フィルムが浮き上がってい
て、製品として使用不可であることを示し、○は、浮き
上がりがない良品であることを示し、△は、フィルムが
浮き上がった領域の最大幅が0.5mm以内であり製品
として使用可能な缶胴であることを示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1から明らかにラップ部7の印刷層8の
印刷色を減らし、厚さを減少させることによって、印刷
層8の凝集破壊を抑制でき、樹脂フィルム2の浮き上が
りを確実に防ぐことができた。この実験から、本実施例
の缶胴は、レトルト殺菌を必要とする内容物用の缶胴と
して使用可能であることが判る。
【0034】
【実施例2】網点印刷により複数の印刷色を重ねて印刷
層4を構成する。ここで使用している缶胴1と、接着剤
3と、樹脂シート5とは、実施例1と同じである。ま
た、印刷層4は、印刷色4Aと、印刷色4Bと、印刷色
4Cとで構成されている。なお、印刷層4およびラップ
部印刷層8は、図1に模式的な断面図として示してい
る。さらに、実施例1と同じように、一缶胴分の樹脂フ
ィルム2の両端部では、3mmの幅に亘って、それぞれ
減網ナシ、10%減網、20%減網、30%減網、40
%減網、50%減網の6種類の版を用意し、ラップ部7
を構成する樹脂フィルム2の両端部に印刷を実施し、樹
脂フィルム2の印刷層8を形成した。さらに、その樹脂
フィルム2を所定の大きさに切断し、温度150℃、押
し付け力2940Nにて速度100m/minで缶胴1
に貼付した後、ネックイン加工を実施した。その後、温
水を適量に入れ、125℃x30分のレトルト処理を実
施した。
【0035】レトルト後、缶胴1の表面を目視にて樹脂
フィルム2の浮き上がりを確認した。実施した結果を表
2に示している。×は、樹脂フィルムが浮き上がってい
て、製品として使用不可であることを示し、○は、浮き
上がりがない良品であることを示し、△はフィルムが浮
き上がった領域の最大幅が0.5mm以内であり製品と
して使用可能な缶胴であることを示す。
【0036】
【表2】
【0037】表2から明らかにラップ部7の印刷層8の
印刷色の減網率が40%に達する時に、樹脂フィルム2
の浮き上がりを100%防ぐことができた。この実験の
結果、本実施例である実験No.6の缶胴はレトルト殺菌
を必要としない内容物用として使用することが好まし
く、また、レトルト殺菌をする内容物用としては実験N
o.7〜10のものを使用することが可能であり、なかで
も、実験No.9,10のものを使用することがより好ま
しいことが判明した。
【0038】なお、具体例および実施例には、金属製の
缶胴1を用いたが、この缶胴としては、実施例に用いた
ような缶底と缶胴とが一体に成形された底付缶体、所謂
ツーピース缶の他にも、金属板を筒状に形成し、両端部
を重ね合わせて溶接接合した溶接缶を用いてもよい。ま
た、この発明は、これに限定されることなく、プラスチ
ックや、セラミックスや、ガラスなどからできる中空体
であればよい。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、樹脂シートの一方の面に印刷層が施され、樹脂
フィルムが形成される際に、予め中空体(すなわち、缶
胴)の外周面に貼り付ける時に、ラップ部(すなわち、
重ね部)に当たる部分の樹脂フィルムの印刷層の厚さ
が、薄く形成されることによって、樹脂フィルムを貼り
付けた後の中空体(すなわち、缶胴)にネック成形など
の加工を施すことにしても、樹脂フィルムのラップ部
(すなわち、重ね部)における印刷層の凝集破壊および
樹脂フィルム自身の浮き上がりを引き起こすのを防ぐこ
とができる。
【0040】また、ラップ部(すなわち、重ね部)に当
たる印刷層の厚さを薄くすることにより、色の濃さも薄
くなる。そのため、他の部分よりラップ部に当たる印刷
層の厚さが薄い樹脂フィルムを中空体(すなわち、缶
胴)に貼り付けると、色の薄い部分が重ね合わされてラ
ップ部を構成するので、ラップ部およびその近傍の樹脂
フィルムの色が、他の部分との色の濃度差が小さくな
り、色調の変化が小さくなることによって、ラップ部が
目立たなくなる。
【0041】また、請求項2の発明によれば、樹脂シー
トに印刷層が網点印刷により印刷される際に、ラップ部
(すなわち、重ね部)およびラップ部近傍の領域の網点
を減少させることによって、設備や工程を増すことな
く、簡単しかも確実に印刷層を薄くする樹脂フィルムを
生産することができる。
【0042】また、請求項3の発明によれば、樹脂シー
トに印刷層がベタ刷りにより印刷される際に、ラップ部
(すなわち、重ね部)およびラップ部近傍の領域の色の
数を減少させることによって、設備や工程を増すことな
く、簡単しかも確実に印刷層を薄くする樹脂フィルムを
生産することができる。
【0043】さらに、請求項4の発明によれば、樹脂フ
ィルムのラップ部(すなわち、重ね部)における印刷層
の厚さを2μm以下に制限することによって、ネックイ
ン加工などにより引き起こされる印刷層の凝集破壊を確
実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る樹脂フィルムの一例を示す模
式的な断面図である。
【図2】 この発明に係る樹脂フィルムの他の例を示す
模式的な断面図である。
【符号の説明】
1…缶胴、 2…樹脂フィルム、 4,8,9…印刷
層、 5…樹脂シート、7…ラップ部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 真弘 神奈川県相模原市西橋本5−5−1 大和 製罐株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 3E062 AA04 AC03 DA06 JA04 JA08 JB06 JC02 JD10 4F100 AB03 AB21 AK01A AK42 AT00A BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA41 DA01 DB02 EH46 GB16 GB23 HB31 HB31B JA20B JK06 JL02 JN30 YY00B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂シートの一方の面に印刷層が設けら
    れ、中空体の外周面に巻き付けられるとともに、両端部
    が重ね合わされてラップ部を形成する前記中空体の外面
    に貼着される樹脂フィルムにおいて、 前記印刷層のうち互いに重ね合わされてラップ部を形成
    する前記両端部での印刷層の厚さが、他の部分での印刷
    層より薄く形成されていることを特徴とする樹脂フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 前記印刷層が網点印刷により印刷され、
    かつ前記ラップ部およびラップ部近傍の領域の網点をラ
    ップ部およびラップ部近傍以外の領域よりも減少させた
    ことを特徴とする請求項1に記載の樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】 前記両端部およびそれよりも中央側の所
    定範囲内の印刷層がベタ刷りにより印刷され、かつ前記
    ラップ部およびラップ部近傍の色の数をラップ部および
    ラップ部近傍以外の領域よりも減少させたことを特徴と
    する請求項1に記載の樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】 前記ラップ部における印刷層の厚さを2
    μm以下とすることを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の樹脂フィルム。
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