JP2002141199A - 電子ビームの軌道補正装置及び軌道補正方法 - Google Patents

電子ビームの軌道補正装置及び軌道補正方法

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JP2002141199A
JP2002141199A JP2000332689A JP2000332689A JP2002141199A JP 2002141199 A JP2002141199 A JP 2002141199A JP 2000332689 A JP2000332689 A JP 2000332689A JP 2000332689 A JP2000332689 A JP 2000332689A JP 2002141199 A JP2002141199 A JP 2002141199A
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trajectory
steering
electron
electromagnets
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Daizo Amano
大三 天野
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステアリング電磁石とビームポジションモニ
タとの数の制約を受けずに、簡単かつ適切な励磁電流量
を算出できる演算装置を備えた電子ビームの軌道補正装
置及び軌道補正方法を提供する。 【解決手段】 複数の偏向電磁石90A、90Bを備
え、電子(陽電子を含む)ビームを所定の閉軌道内に所
望のエネルギーで蓄積するようにした電子蓄積リング1
00において、電子ビームを垂直方向、及び水平方向に
偏向させるm個のステアリング電磁石60A〜60H
と、各ステアリング電磁石60A〜60Hに励磁電流を
供給するステアリング電磁石用電源114と、電子ビー
ムの位置を検出するn個のビームポジションモニタ92
A〜92Dと、電子ビームが所定の軌道を通るような偏
向角となるための各ステアリング電磁石60A〜60H
の励磁電流を、特異値分解法により算出する演算装置2
0とを備えた構成とした。この場合、演算装置20とし
て、所定の特異値よりも小さい特異値を無視して各ステ
アリング電磁石60A〜60Hの励磁電流を算出する
と、一層、適切な励磁電流量が求められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビームを閉軌
道内に所望のエネルギーで蓄積し、主としてシンクロト
ロン放射光を発生させることを目的とした電子蓄積リン
グに係り、特に、蓄積した電子ビームの軌道を補正する
ための軌道補正装置及び、その軌道補正装置を用いた電
子ビームの軌道補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子蓄積リングの特徴及び各装置につい
ては、特願平11−151339号、特願平11−22
7051号に比較的詳細に説明されているので、以下、
簡単に電子蓄積リングの特徴について説明し、次に、従
来の電子ビームの軌道補正装置及び軌道補正方法につい
て説明する。
【0003】先ず、図2を用いて、電子蓄積リングの主
要構成を簡単に説明する。図2に電子蓄積リングの一例
として、レーストラック型の電子蓄積リング100の平
面図を示す。このタイプの電子蓄積リング100では、
図2に示すように180度偏向型の偏向電磁石90A、
90Bを対向配置して、図示しない真空ポンプにより高
真空(〜1×10-9Torr)に保たれたレーストラッ
ク型のビームダクト80内の周回軌道に、磁場の偏向作
用を利用して電子ビームを蓄積する。
【0004】また、図2において、70A、70Bは、
四重極電磁石であり、これらの四重極電磁石70A、7
0Bにより電子ビームはビームダクト80内で高真空に
保たれた閉軌道内から発散することなく、安定な状態で
電子蓄積リング100に蓄積されることになる。50は
高周波加速空胴であるが、これについては後に補足説明
する。
【0005】次に、図2を用いて、電子蓄積リング10
0の電子ビームの軌道補正装置110及び軌道補正方法
について説明する。従来の軌道補正装置110は、主要
構成として、図2に示すように、電子軌道位置を検出
し、ビームポジション計測回路116を備えた、単数或
いは複数(図示のものでは4つ)のビームポジションモ
ニタ92A〜92D(以下総括的に「92」とする場合
がある)と、励磁コイルに励磁電流を流し、磁場の作用
により電子を偏向させて、電子軌道を補正する単数或い
は複数(図示のものでは4つ)のステアリング電磁石6
0A〜60D(以下総括的に「60」とする場合があ
る)を備えている。
【0006】また、従来の電子ビームの軌道補正装置1
10は、図2に示すように、ビームポジションモニタ9
2A〜92Dからの電子ビーム位置信号を受信して、電
子ビームが所定の軌道を通るような偏向角となるための
各ステアリング電磁石60A〜60Dの励磁電流を算出
する計算機112と、各ステアリング電磁石60A〜6
0Dに励磁電流を供給するステアリング電磁石用電源1
14を備えている。なお、図示の煩雑さを避けるため
に、ビームポジション計測回路116、計算機112、
ステアリング電磁石用電源114は、ビームポジション
モニタ92D、ステアリング電磁石60Dに対応するも
ののみ示している。
【0007】ところで、電子蓄積リングでは、電子ビー
ムを蓄積する場合、例えば、放射光を十分に使用できる
ようにするために、電子ビームが丁度設計した周回軌道
上に蓄積されるようにすること、及び、その設計された
軌道が安定であることは、その高品位を担保する観点か
ら重要である。
【0008】しかし、実際には、電子蓄積リングの各構
成の設置誤差や、誤差磁場等の影響で、電子ビームは、
この設計軌道からずれた周回軌道を周回することにな
る。従って、図2に示すビームポジションモニタ92A
〜92Dで、随時、電子ビームの設計軌道からの変位を
検出し、ステアリング電磁石60A〜60Dでこの変位
が無くなるように、電子ビームの軌道を修正しなければ
ならない。
【0009】なお、ここで、従来技術及び本願発明の電
子ビームの軌道補正装置の理解の便を図るために、これ
らの主要な構成要素となるビームポジションモニタ9
2、ステアリング電磁石60について、図3乃至図5を
用いて補足説明する。先ず、図3を用いて、電子蓄積リ
ング100の電子ビームの位置測定に用いるビームポジ
ションモニタ92について補足説明をする。
【0010】図3は、このビームポジションモニタ92
の概略構造を示す縦断側面図である。図3に示すビーム
ポジションモニタ92は、通常は、ボタン型ビーム位置
モニタといわれ、このような電子蓄積リング100に用
いられる典型的な電子ビームの軌道位置計測モニタであ
る。ビームポジションモニタ92は、図3にその縦断面
図を示すように、真空チャンバ94に同軸コネクタ96
A〜96Dを介して、4つのボタン電極98A〜98D
が固定されている構造である。
【0011】電子ビームが、図面に垂直な方向で、真空
チャンバ内94を通過するときに4つのボタン電極98
A〜98Dに夫々誘起された電荷を信号として検出し、
電子ビームの位置を電子ビームの進行を妨げることな
く、水平及び垂直方向の夫々で検出することができる。
【0012】図2に示す電子蓄積リング100の場合、
電子ビームのスポット径は(Φ〜0.6mm)程度であ
り、このボタン型ビーム位置モニタタイプのビームポジ
ションモニタ92を用いれば、10〜20μm程度の測
定誤差で、電子ビームの位置を計測することができる。
【0013】次に、ステアリング電磁石60の構造につ
いて、図4及び図5を用いて簡単に説明する。図4は、
ステアリング電磁石60の縦断面図、図5は、ステアリ
ング電磁石60の側面図である。図4及び図5に示すよ
うに、ステアリング電磁石60は、鉄心64と、この鉄
心に巻回される励磁用コイル62A〜62Dを備えた構
成である。
【0014】図2に示すステアリング電磁石用電源11
4からステアリング電磁石60の励磁用コイル62A〜
62Dに励磁用電流を流し、電子ビームが通過する領域
に磁場を発生させて、この磁場の作用により電子ビーム
を水平方向及び垂直方向の夫々で、所望の角度、偏向さ
せてビームの位置を補正するようにしている。
【0015】次に、高周波加速空胴50について補足説
明する。高周波加速空胴50とは、高周波電力を投入
し、電子が高周波加速空胴50の加速ギャップに差し掛
かった際に、丁度加速されるように高周波加速空胴50
に発生する高周波電圧の位相と電子の位置とをうまく同
期させて、蓄積電子にエネルギーを供給するようにした
装置である。
【0016】従って、高周波加速空胴50の主要な役割
は、蓄積電子にエネルギーを供給することであるが、一
方で、高周波の周波数を変化させることで、それに同期
して蓄積電子の周回周波数が変化し、これによって電子
ビームの周回軌道が変わるので、ステアリング電磁石6
0と同様に、電子ビームの軌道補正に用いられることが
ある。
【0017】以上の各構成の説明を踏まえて、次に、こ
の従来の電子ビームの軌道補正装置110の基本動作、
及び、軌道補正方法について、図2を参照して具体的に
説明する。例えば、ビームポジションモニタ92A〜9
2Dの数をn(図示のものでは4)個、ステアリング電
磁石94A〜94Dの数をm(図示のものでは4)個と
する。
【0018】この構成で、電子蓄積リング100を周回
している電子ビームの、第iのビームポジションモニタ
92で検出した、各電子ビームの実際の周回軌道と設計
軌道との変位をpiとする。但し、iは、1≦i≦nの
自然数とする。iを1からnまで順次変動させることに
より、各ビームポジションモニタ92A〜92Dにおけ
る電子ビームの設計軌道からの変位を、それぞれ求める
ことができる。
【0019】次に、第jのステアリング電磁石60A〜
60Dを単独で単位電流励磁した場合に、第iのビーム
ポジションモニタ92A〜92Dにおける電子ビームの
設計軌道からの変位を測定し、それをqijとする。これ
により、第jのステアリング電磁石60A〜60Dに励
磁電流Ijを流した場合、第iのビームポジションモニ
タ92A〜92Dにおける電子ビームの設計軌道からの
変位の補正量は、qijjで表される。
【0020】従って、各ステアリング電磁石60A〜6
0Dに励磁電流を流した場合、第iのビームポジション
モニタ92A〜92Dにおける電子ビームの設計軌道か
らの変位を補正するには、各励磁電流は、次式(1)を
満たせばよい。 qi11+qi22+・・・+qimm+pi=0 (1)
【0021】従って、式(1)を第1乃至第nのビーム
ポジションモニタに、順次適用することにより、次のn
個で、変数がm個の連立方程式が求められる。 q111+q122+・・・+q1mm+p1=0 q211+q222+・・・+q2mm+p2=0 ・ (2) ・ qn11+qn22+・・・+qnmm+pn=0 従来の電子ビームの軌道補正方法では、この連立方程式
を、計算機等を用いて、周知のアルゴリズムで解くこと
により、各ステアリング電磁石60A〜60Dの励磁電
流を算出して、電子ビームが各ビームポジションモニタ
で、設計軌道を周回軌道を周回するように軌道の補正を
行うようにしていた。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに、従来の電子ビームの軌道補正方法では、連立方程
式(2)を、周知のアルゴリズムで解いて、各ステアリ
ング電磁石の励磁電流を算出する方法を用いていた。こ
の従来の方法では、ビームポジションモニタの数nとス
テアリング電磁石の数mが同数の場合、即ち、連立方程
式の数と変数の数が同数の場合は、周知の通り、各変数
の解が一意に求められる。
【0023】また、ビームポジションモニタの数nが、
ステアリング電磁石の数mよりも大きい場合、即ち、連
立方程式の数が、変数の数よりも多い場合は、最小自乗
法により解を最適値化して算出するようにしていた。
【0024】一方、ビームポジションモニタの数nが、
ステアリング電磁石の数mよりも小さい場合、即ち、連
立方程式の数が変数の数よりも少ない場合は、良く知ら
れている通り、各変数の解は不定となり、この場合は、
各ステアリング電磁石の励磁電流量を計算できず、電子
ビームの軌道を補正することができなかった。
【0025】しかし、小型電子蓄積リングのように、ビ
ームポジションモニタの設置スペースが限られている場
合、ビームポジションモニタの数より、ステアリング電
磁石の数が多くなる場合が想定され、従来の電子ビーム
の軌道補正装置及び軌道補正方法では対応できなくなる
という問題を備えていた。
【0026】また、従来の連立方程式を解く方法では、
ステアリング電磁石同士が接近していたり、各ビームポ
ジションモニタにおける軌道の変位量が同じようなステ
アリング電磁石が存在する場合には、解が機械的に算出
されるため、求められたステアリング電磁石の励磁電流
量が極めて大きな値となり、この結果に基づいて軌道ム
補正を行うと、電子ビームの軌道が不安定になるという
問題も備えていた。従って、このような従来の問題がな
い解法を備えた電子ビームの軌道補正装置及び軌道補正
方法が要請されていた。
【0027】本発明は、上記課題(問題点)を解決し、
ステアリング電磁石とビームポジションモニタとの数の
制約を受けずに、簡単かつ適切な励磁電流量を算出でき
る演算装置を備えた電子ビームの軌道補正装置及び軌道
補正方法を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明の電子ビームの軌
道補正装置は、請求項1に記載のものでは、複数の偏向
電磁石を備え、電子(陽電子を含む)ビームを所定の閉
軌道内に所望のエネルギーで蓄積するようにした電子蓄
積リングの電子ビームの軌道補正装置において、電子ビ
ームを垂直方向、及び水平方向に偏向させるm個のステ
アリング電磁石と、前記各ステアリング電磁石に励磁電
流を供給するステアリング電磁石用電源と、電子ビーム
の位置を検出するn個のビームポジションモニタと、電
子ビームが所定の軌道を通るような偏向角となるための
各ステアリング電磁石の励磁電流を、特異値分解法によ
り算出する演算装置とを備えた構成とした。但し、m及
びnは1以上の自然数とする。
【0029】このように構成すると、ステアリング電磁
石とビームポジションモニタとの数の制約を受けずに、
ステアリング電磁石の励磁電流が算出でき、汎用性に優
れた電子ビームの軌道補正装置とすることができる。特
に、小型電子蓄積リングのように、ビームポジションモ
ニタの設置スペースが限られている場合に、ビームポジ
ションモニタの数に制限されずにステアリング電磁石を
増やすことができるので、効果的にステアリング電磁石
を使用して、電子ビームの軌道補正精度を向上させるこ
とが可能である。また、多くのステアリング電磁石を用
いて軌道補正を行うことにより、各ステアリング電磁石
への負担を少なくすることができ、ステアリング電磁石
用電源の限界を超えてしまう事態を回避できる。
【0030】請求項2に記載の電子ビームの軌道補正装
置は、請求項1に記載の電子ビームの軌道補正装置にお
いて、ステアリング電磁石の数mと、ビームポジション
モニタの数nとの関係を、m>nとした構成とした。
【0031】本発明の電子ビームの軌道補正装置では、
このように、ビームポジションモニタの数がステアリン
グ電磁石よりも少なく、従来の電子ビームの軌道補正装
置ではステアリング電磁石の励磁電流量を算出できなか
った場合に、特に効果的である。
【0032】請求項3に記載の電子ビームの軌道補正装
置は、請求項1又は2に記載の電子ビームの軌道補正装
置において、上記電子ビームの軌道補正装置が、上記電
子蓄積リングに適宜配置された1又は2以上の高周波加
速空胴を備えるようにした構成とした。
【0033】このように構成すると、高周波加速空胴の
軌道補正機能も活用できるので、電子ビームの軌道補正
の方法が多様化し、軌道補正の精度が向上する。
【0034】請求項4に記載の電子ビームの軌道補正装
置は、請求項1乃至3に記載の電子ビームの軌道補正装
置において、上記演算装置として、所定の特異値よりも
小さい特異値を無視して各ステアリング電磁石の励磁電
流を算出する演算装置を用いるように構成した。
【0035】このように構成すると、ステアリング電磁
石同士が接近していたり、各ビームポジションモニタに
おける軌道の変位量が同じようなステアリング電磁石が
存在する場合でも、適切なステアリング電磁石の励磁電
流量を算出できる電子ビームの軌道補正装置とすること
ができる。
【0036】請求項5に記載の電子ビームの軌道補正方
法は、請求項1乃至3に記載の電子ビームの軌道補正装
置を備えた電子蓄積リングの電子ビームの軌道補正方法
において、先ず、上記m個の各ステアリング電磁石に単
位励磁電流量を流して励磁した時の、各n個のビームポ
ジションモニタにおける軌道の変位をそれぞれ測定し、
次に、第iのビームポジションモニタにおける電子ビー
ムの所定の設計軌道との変位を計測し、第jのステアリ
ング電磁石の励磁電流量を変数とし、第iのビームポジ
ションモニタにおける電子ビームの軌道の変位を補正す
る第iの方程式を作成し、上記iを1からnまで順次変
動させて、n個の方程式からなる連立方程式を作成し、
このn個の連立方程式を、特異値分解法により解くこと
により、第1乃至第mの各ステアリング電磁石の励磁電
流量の解を算出し、電子ビームが所定の設計軌道を通る
ように補正するようにした。但し、i、jは、1≦i≦
n、1≦j≦m、の自然数であり、iは1からnまで、
jは1からmまで、1おきに順次変動するものとする。
【0037】このように構成すると、ステアリング電磁
石とビームポジションモニタとの数の制約を受けずに、
ステアリング電磁石の励磁電流が算出でき、汎用性に優
れた電子ビームの軌道補正方法とすることができる。特
に、小型電子蓄積リングのように、ビームポジションモ
ニタの設置スペースが限られている場合に、ビームポジ
ションモニタの数に制限されずにステアリング電磁石を
増やすことができるので、効果的にステアリング電磁石
を使用して、電子ビームの軌道補正精度を向上させるこ
とが可能である。また、多くのステアリング電磁石を用
いて軌道補正を行うことにより、各ステアリング電磁石
への負担を少なくすることができ、ステアリング電磁石
用電源の限界を超えてしまう事態を回避できる。
【0038】請求項6に記載の電子ビームの軌道補正方
法は、請求項4に記載の電子ビームの軌道補正装置を備
えた電子蓄積リングの電子ビームの軌道補正方法におい
て、先ず、上記m個の各ステアリング電磁石に単位励磁
電流量を流して励磁した時の、各n個のビームポジショ
ンモニタにおける軌道の変位をそれぞれ測定し、次に、
第iのビームポジションモニタにおける電子ビームの所
定の設計軌道との変位を計測し、第jのステアリング電
磁石の励磁電流量を変数とし、第iのビームポジション
モニタにおける電子ビームの軌道の変位を補正する第i
の方程式を作成し、上記iを1からnまで順次変動させ
て、n個の方程式からなる連立方程式を作成し、このn
個の連立方程式を、特異値分解法により解き、かつ、所
定の特異値よりも小さい特異値を無視して、第1乃至第
mの各ステアリング電磁石の励磁電流量の解を算出し、
電子ビームが所定の設計軌道を通るように補正するよう
にした。但し、i、jは、1≦i≦n、1≦j≦m、の
自然数であり、iは1からnまで、jは1からmまで、
1おきに順次変動するものとする。
【0039】このように構成すると、ステアリング電磁
石同士が接近していたり、各ビームポジションモニタに
おける軌道の変位量が同じようなステアリング電磁石が
存在する場合でも、適切なステアリング電磁石の励磁電
流量を算出できる電子ビームの軌道補正方法とすること
ができる。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明の電子ビームの軌道補正装
置(以下、簡単のために「補正装置」とのみいう場合が
ある。)及び電子ビームの軌道補正方法(以下、同様に
「補正方法」とのみいう場合がある。)の一実施の形態
について、図1を用いて説明する。なお、図1におい
て、図2に示した同一の構成については同一の符号を付
し、その説明は省略する。
【0041】先ず、本発明の電子ビームの軌道補正装置
10の基本構成について説明する。本発明の補正装置の
主要な構成は、従来の補正装置110と同様に、電子蓄
積リング100に取り付けられる単数或いは複数(図示
のものでは4つ)の電子軌道位置を検出するビームポジ
ションモニタ92A〜92D、電子軌道を補正する単数
或いは複数(図示のものでは8つ)のステアリング電磁
石60A〜60Hである。
【0042】また、他の構成として、ビームポジション
モニタ92A〜92Dからの電子ビームの設計軌道から
の変位を受信して、電子ビームが所定の軌道を通るよう
な偏向角となるための各ステアリング電磁石60A〜6
0Hの励磁電流を算出するマイクロコンピュータ等の計
算機(演算装置)20と、ステアリング電磁石60A〜
60Hに励磁電流を供給するステアリング電磁石用電源
114を備えている。また、ビームポジションモニタ9
2A〜92Dは、ビームポジション計測回路116を備
えている。
【0043】一方、本発明の電子ビームの軌道補正装置
10では、従来の補正装置110とは異なり、各ステア
リング電磁石60A〜60Hの励磁電流を算出する計算
機20は、従来の補正装置の説明において、式(2)で
示した連立方程式を解く際に、後述する特異値分解法で
各励磁電流量を算出する演算機能を備えている。なお、
図示の煩雑さを避けるために、従来技術の説明と同様、
ビームポジション計測回路116、計算機20、ステア
リング電磁石用電源114は、ビームポジションモニタ
92D、ステアリング電磁石60Hに対応するもののみ
示している。
【0044】以上の構成において、本実施の形態の電子
ビームの軌道補正装置10の基本動作及び軌道補正方法
について、図1を用いて説明する。なお、電子ビームの
軌道補正は、その進行方向に対して垂直な平面内におい
て、水平方向及び垂直方向の双方で行うが、水平方向、
垂直方向の補正の方法はほぼ同様の手順となるので、以
下、特に区別することなく説明するものとする。
【0045】先ず、従来の補正方法同様に、電子蓄積リ
ング100を周回している電子ビームの、各ビームポジ
ションモニタ92A〜92Dにおける電子ビームの実際
の周回軌道と設計軌道との変位をそれぞれ測定する。
【0046】次に、各ステアリング電磁石60A〜60
Hを単独で単位電流励磁した場合に、各ビームポジショ
ンモニタ92A〜92Dにおける電子ビームの設計軌道
からの変位を測定し、各ビームポジションモニタ92A
〜92Dにおける電子ビームの設計軌道からの変位の補
正量に関して、上述した式(1)で示された方程式を作
成する。
【0047】これを従来の補正方法同様に、各ビームポ
ジションモニタ92A〜92Dにおいて作成すると、上
述した式(2)に示されるn(図示のものでは4)個
の、変数がm(図示のものでは8)個の連立方程式を作
成することができる。このケースでは、上述したよう
に、方程式の数が変数の数よりも少なく、従来の補正装
置、及び、補正方法では電子ビームの軌道を設計軌道に
補正できなかった。しかし、本実施の形態における電子
ビームの軌道補正装置及び軌道補正方法では、式(2)
の連立方程式は、特異値分解法により計算される。
【0048】ここで、特異値分解法について説明する。
一般に、式(2)の連立方程式は、次式(3)の行列形
式に表現できる。 Ax=b (3) ここで、Aはn行m列の行列、xは各ステアリング電磁
石60A〜60Hの励磁電流量、bは、従来の補正方法
同様に、各ビームポジションモニタ92A〜92Dにお
いて計測した、電子ビームの実際の周回軌道と設計軌道
との変位である。
【0049】従来の補正方法では、式(2)から周知の
アルゴリズムを用いて、各ステアリング電磁石60A〜
60Hの励磁電流量xを求めていたが、本実施の形態に
おける補正方法では、行列Aを周知のアルゴリズムによ
り、次式(4)の通り分解する。 A=U´D´Vt´ (4) ここで、U´、V´は、それぞれn行n列、m行m列の
直交行列で、Vt´はこのV´の転置行列、D´は、各
要素σiが、σi≧0を満たすn行m列の対角行列で、σ
1>σ2>、、、>σlである。ここで、iは、自然数
で、l≧i≧1で、lは、m、nのいずれか小さい方で
ある。このように、行列Aを式(4)のように分解する
ことを特異値分解といい、対角行列Dの各要素σiを行
列Aの特異値という。
【0050】ここで、D´が対角行列であることに注目
すると、n行m列の対角行列D´の左側から掛け合わせ
る行列U´の場合、行列U´のn行m列だけが有効であ
り、他の要素は計算結果に何の影響も与えていない。ま
た、同様に、n行m列の対角行列D´の右側から掛け合
わせる行列V´の場合、行列V´のm行m列だけが有効
であり、他の要素は計算結果に何の影響も与えていな
い。
【0051】以上の事柄を踏まえると、実用的な特異値
分解は、不要な領域を持たず、不要な計算を行わないた
めに、次式(5)のように変形できる。 A=UDVt (5) ここで、U、Vは、それぞれn行l列、m行l列の直交
行列で、VtはこのVの転置行列、Dは、各成分σiが、
σi≧0を満たすl次の対角行列である。ここでlは、
上述したとおり、m、nのいずれか小さい方である。
【0052】このとき、式(3)の解は、次式(6)の
ように求めることができる。 x=VD+tb (6) ここで、UtはUの転置行列、D+は、各成分diが、di
=σi -1を満たすl次の対角行列である。
【0053】また、lはm、nのいずれか小さい方であ
ることに注目すると、本実施の形態の特異値分解法を用
いる補正方法では、上記従来の補正方法とは異なり、ビ
ームポジションモニタ92A〜92Dの数nが、ステア
リング電磁石60A〜60Hの数mよりも小さい場合で
も、各ステアリング電磁石60A〜60Hの励磁電流量
を算出できることを示している。
【0054】勿論、逆に、ビームポジションモニタ92
A〜92Dの数nが、ステアリング電磁石60A〜60
Hの数mよりも大きい場合でも、従来の方法同様に、何
の支障もなく、各ステアリング電磁石60A〜60Hの
励磁電流量を算出できる即ち、本実施の形態の補正方法
によれば、ビームポジションモニタ92A〜92Dの数
n、ステアリング電磁石60A〜60Hの数mに制約さ
れず、ステアリング電磁石60A〜60Hの励磁電流量
を算出でき、電子ビームの軌道を設計軌道に修正でき
る。特に、小型電子蓄積リング100のように、ビーム
ポジションモニタ92A〜92Dの設置スペースが限ら
れている場合に、ビームポジションモニタ92A〜92
Dの数に制限されずに、ステアリング電磁石60A〜6
0Hを増やすことができるので、効果的にステアリング
電磁石60A〜60Hを使用して、電子ビームの軌道補
正が可能である。また、多くのステアリング電磁石60
A〜60Hを用いて軌道補正を行うことにより、各ステ
アリング電磁石60A〜60Hへの負担を少なくするこ
とができ、ステアリング電磁石用電源の限界を超えてし
まう事態を回避できる。
【0055】また、特異値が、σ1>σ2>、、、>σl
という性質を有していることから、実用上の計算におい
て、ある特異値σpよりも小さい特異値を無視すれば、
励磁電流量の近似的最小自乗解x´pは次式(7)によ
り求めることができる。なお、pは、1≦p≦lの自然
数である。 x´p=VDp´+tb (7) ここで、Dp´+は、各成分diが、di=σi -1(i≦
p)、di=0(i>p)を満たすl次の対角行列であ
る。
【0056】このように、実用上の計算において、ある
特異値σpよりも小さい特異値を無視すれば、その逆数
であるdiが大きくなりすぎ、従来の補正方法のように
解xの値が大きくなり、電子ビームが不安定になるとい
う問題を解消することができる。従って、ステアリング
電磁石同士が接近していたり、各ビームポジションモニ
タ92A〜92Dにおける軌道の変位量が同じようなス
テアリング電磁石60A〜60Hが存在する場合でも、
適切なステアリング電磁石60A〜60Hの励磁電流量
を算出できる補正装置10とすることができる。
【0057】また、本発明の電子ビームの軌道補正装置
の他の実施の形態としては、構成要件として高周波加速
空胴を付加したものを用いるようにしても良い。このよ
うにすると、高周波加速空胴の軌道補正機能も活用でき
るので、電子ビームの軌道補正の方法が多様化し、軌道
補正の精度が向上する。
【0058】本発明の電子ビームの軌道補正装置及び軌
道補正方法は上記実施の形態に限定されず、種々の変更
が可能である。先ず、上記実施の形態では、ビームポジ
ションモニタの数が4、ステアリング電磁石の数が8の
場合を図示したが、ビームポジションモニタの数、及
び、ステアリング電磁石の数は、これらに限定されない
のは勿論である。また、本発明は、ビームポジションモ
ニタの数がステアリング電磁石の数よりも少ない場合
に、特に威力を発揮するが、本発明の特徴は、演算装置
において、特異値分解法により、各ステアリング電磁石
の励磁電流量を算出することであり、この条件に限定さ
れるものではない。更に、従来技術及び上記実施の形態
では、小型のレーストラック型の電子蓄積リングで説明
したが、本発明は他の形態、例えば、大型の電子蓄積リ
ングにも適用可能である。
【0059】また、本発明の電子ビームの軌道補正装置
及び軌道補正方法の特徴は、第1に、各ステアリング電
磁石の励磁電流量を算出する過程において、特異値分解
法を用いること、第2に、適切な各ステアリング電磁石
の励磁電流量を算出するために、所定の特異値よりも小
さな特異値を無視する場合があることであり、上記実施
の形態では、この双方の特徴を用いた例で説明した。し
かし、勿論、特異値分解法のみを用いて各ステアリング
電磁石の励磁電流量を算出する方法も本発明に含まれる
のは言うまでもないことである。
【0060】また、本発明の電子ビームの軌道補正方法
において、各ステアリング電磁石に単位励磁電流量を流
して励磁した時の、各ビームポジションモニタにおける
軌道の変位をそれぞれ測定する手順と、ビームポジショ
ンモニタにおける電子ビームの所定の設計軌道との変位
を計測する手順は、必ずしもこの順番に拘束されず、相
前後しても何ら差し支えない。
【0061】
【発明の効果】本発明の電子ビームの軌道補正装置及び
軌道補正方法は、上述のように構成したために、以下の
ような優れた効果を有する。 (1)本発明の電子ビームの軌道補正装置は、請求項1
に記載したように、電子ビームを垂直方向、及び水平方
向に偏向させるm個のステアリング電磁石と、各ステア
リング電磁石に励磁電流を供給するステアリング電磁石
用電源と、電子ビームの位置を検出するn個のビームポ
ジションモニタと、電子ビームが所定の軌道を通るよう
な偏向角となるための各ステアリング電磁石の励磁電流
を、特異値分解法により算出する演算装置とを備えた構
成としたために、ステアリング電磁石とビームポジショ
ンモニタとの数の制約を受けずに、ステアリング電磁石
の励磁電流が算出でき、汎用性に優れた電子ビームの軌
道補正装置とすることができる。 (2)特に、小型電子蓄積リングのように、ビームポジ
ションモニタの設置スペースが限られている場合に、ビ
ームポジションモニタの数に制限されずにステアリング
電磁石を増やすことができるので、効果的にステアリン
グ電磁石を使用して、電子ビームの軌道補正が可能であ
る。 (3)また、多くのステアリング電磁石を用いて軌道補
正を行うことにより、各ステアリング電磁石への負担を
少なくすることができ、ステアリング電磁石用電源の限
界を超えてしまう事態を回避できる。
【0062】(4)請求項2に記載の電子ビームの軌道
補正装置は、ステアリング電磁石の数mと、ビームポジ
ションモニタの数nとの関係を、m>nとした構成とし
たために、ビームポジションモニタの数がステアリング
電磁石よりも少なく、従来の電子ビームの軌道補正装置
ではステアリング電磁石の励磁電流量を算出できなかっ
た場合に、特に効果的である。
【0063】(4)請求項3に記載の電子ビームの軌道
補正装置は、電子ビームの軌道補正装置が、電子蓄積リ
ングに適宜配置された1又は2以上の高周波加速空胴を
備えるようにしたために、高周波加速空胴の軌道補正機
能も活用できるので、電子ビームの軌道補正の方法が多
様化し、軌道補正の精度が向上する。
【0064】(5)請求項4に記載の電子ビームの軌道
補正装置は、所定の特異値よりも小さい特異値を無視し
て各ステアリング電磁石の励磁電流を算出するように構
成したために、ステアリング電磁石同士が接近していた
り、各ビームポジションモニタにおける軌道の変位量が
同じようなステアリング電磁石が存在する場合でも、適
切なステアリング電磁石の励磁電流量を算出できる電子
ビームの軌道補正装置とすることができる。
【0065】(6)本発明の電子ビームの軌道補正方法
は、請求項5に記載したように構成すると、ステアリン
グ電磁石とビームポジションモニタとの数の制約を受け
ずに、ステアリング電磁石の励磁電流が算出でき、汎用
性に優れた電子ビームの軌道補正方法とすることができ
る。 (7)特に、小型電子蓄積リングのように、ビームポジ
ションモニタの設置スペースが限られている場合に、ビ
ームポジションモニタの数に制限されずにステアリング
電磁石を増やすことができるので、効果的にステアリン
グ電磁石を使用して、電子ビームの軌道補正が可能であ
る。 (8)また、多くのステアリング電磁石を用いて軌道補
正を行うことにより、各ステアリング電磁石への負担を
少なくすることができ、ステアリング電磁石用電源の限
界を超えてしまう事態を回避できる。
【0066】(9)本発明の電子ビームの軌道補正方法
は、請求項6に記載したように構成すると、ステアリン
グ電磁石同士が接近していたり、各ビームポジションモ
ニタにおける軌道の変位量が同じようなステアリング電
磁石が存在する場合でも、適切なステアリング電磁石の
励磁電流量を算出できる電子ビームの軌道補正方法とす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子ビームの軌道補正装置の一実施の
形態を示す平面図である。
【図2】従来の電子ビームの軌道補正装置の構成の配置
を示す電子蓄積リングの平面図である。
【図3】ビームポジションモニタの構造を示す縦断側面
図である。
【図4】ステアリング電磁石の構造を示す断面図であ
る。
【図5】ステアリング電磁石の構造を示す縦断側面図で
ある
【符号の説明】
10:電子ビームの軌道補正装置 20:計算機(演算装置) 50:高周波加速空胴 60、60A〜60H:ステアリング電磁石 90A、90B:偏向電磁石 92、92A〜92D:ビームポジションモニタ 100:電子蓄積リング 114:ステアリング電磁石用電源 116:ビームポジション計測回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の偏向電磁石を備え、電子(陽電子
    を含む)ビームを所定の閉軌道内に所望のエネルギーで
    蓄積するようにした電子蓄積リングの電子ビームの軌道
    補正装置において、 電子ビームを垂直方向、及び水平方向に偏向させるm個
    のステアリング電磁石と、 前記各ステアリング電磁石に励磁電流を供給するステア
    リング電磁石用電源と、 電子ビームの位置を検出するn個のビームポジションモ
    ニタと、 電子ビームが所定の軌道を通るような偏向角となるため
    の各ステアリング電磁石の励磁電流を、特異値分解法に
    より算出する演算装置とを備えたことを特徴とする電子
    ビームの軌道補正装置。但し、m及びnは1以上の自然
    数とする。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子ビームの軌道補正
    装置において、 ステアリング電磁石の数mと、ビームポジションモニタ
    の数nとの関係を、 m>nとしたことを特徴とする電子ビームの軌道補正装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の電子ビームの軌
    道補正装置において、 上記電子ビームの軌道補正装置が、上記電子蓄積リング
    に適宜配置された1又は2以上の高周波加速空胴を備え
    るようにしたことを特徴とする電子ビームの軌道補正装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3に記載の電子ビームの軌
    道補正装置において、 上記演算装置として、所定の特異値よりも小さい特異値
    を無視して各ステアリング電磁石の励磁電流を算出する
    演算装置を用いたことを特徴とする電子ビームの軌道補
    正装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3に記載の電子ビームの軌
    道補正装置を備えた電子蓄積リングの電子ビームの軌道
    補正方法において、 先ず、上記m個の各ステアリング電磁石に単位励磁電流
    量を流して励磁した時の、各n個のビームポジションモ
    ニタにおける軌道の変位をそれぞれ測定し、 次に、第iのビームポジションモニタにおける電子ビー
    ムの所定の設計軌道との変位を計測し、 第jのステアリング電磁石の励磁電流量を変数とし、第
    iのビームポジションモニタにおける電子ビームの軌道
    の変位を補正する第iの方程式を作成し、 上記iを1からnまで順次変動させて、n個の方程式か
    らなる連立方程式を作成し、 このn個の連立方程式を、特異値分解法により解くこと
    により、第1乃至第mの各ステアリング電磁石の励磁電
    流量の解を算出し、 電子ビームが所定の設計軌道を通るように補正するよう
    にしたことを特徴とする電子ビームの軌道補正方法。但
    し、i、jは、1≦i≦n、1≦j≦m、の自然数であ
    り、iは1からnまで、jは1からmまで、1おきに順
    次変動するものとする。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の電子ビームの軌道補正
    装置を備えた電子蓄積リングの電子ビームの軌道補正方
    法において、 先ず、上記m個の各ステアリング電磁石に単位励磁電流
    量を流して励磁した時の、各n個のビームポジションモ
    ニタにおける軌道の変位をそれぞれ測定し、 次に、第iのビームポジションモニタにおける電子ビー
    ムの所定の設計軌道との変位を計測し、 第jのステアリング電磁石の励磁電流量を変数とし、第
    iのビームポジションモニタにおける電子ビームの軌道
    の変位を補正する第iの方程式を作成し、 上記iを1からnまで順次変動させて、n個の方程式か
    らなる連立方程式を作成し、 このn個の連立方程式を、特異値分解法により解き、か
    つ、所定の特異値よりも小さい特異値を無視して、第1
    乃至第mの各ステアリング電磁石の励磁電流量の解を算
    出し、 電子ビームが所定の設計軌道を通るように補正するよう
    にしたことを特徴とする電子ビームの軌道補正方法。但
    し、i、jは、1≦i≦n、1≦j≦m、の自然数であ
    り、iは1からnまで、jは1からmまで、1おきに順
    次変動するものとする。
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