JP2002139118A - トラクションドライブ用転動体およびその製造方法 - Google Patents

トラクションドライブ用転動体およびその製造方法

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JP2002139118A
JP2002139118A JP2000337657A JP2000337657A JP2002139118A JP 2002139118 A JP2002139118 A JP 2002139118A JP 2000337657 A JP2000337657 A JP 2000337657A JP 2000337657 A JP2000337657 A JP 2000337657A JP 2002139118 A JP2002139118 A JP 2002139118A
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traction drive
gear
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JP2000337657A
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Masahiro Komata
又 正 博 小
Minoru Ota
田 稔 太
Tatsuomi Nakayama
山 達 臣 中
Haruhito Mori
春 仁 森
Hiroyuki Hirano
野 弘 之 平
Hideki Usuki
木 秀 樹 臼
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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  • Standing Axle, Rod, Or Tube Structures Coupled By Welding, Adhesion, Or Deposition (AREA)
  • Friction Gearing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外周部に機械的性能の異なる動力伝達用の歯
車を一体的に備えたトラクションドライブ用転動体を安
価に提供する。 【解決手段】 本体部10の外周部に歯車部20を締結
するに際し、本体部10と歯車部20の締結面の少なく
とも一方に接着剤を塗布した状態で、焼き嵌めおよび/
または冷し嵌めによって、本体部10の外周部に歯車部
20を締結し、締結面間に接着層30を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用の
変速機として用いられるトロイダル式無段変速機におい
て、動力伝達用部品として使用されるトラクションドラ
イブ用転動体と、このようなトラクションドライブ用転
動体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種の自動車用部品においては、環境へ
の影響の低減を考慮して、さらなる燃費の向上を図るた
め、車両重量をより一層軽減することが求められてお
り、変速機用のトロイダル式無段変速機においても、中
央部に配置されたディスクの一体成形などによってユニ
ットサイズを小型化すると共に、出力歯車を上記ディス
ク(転動体)の外周部に設けるなどの構造的な工夫が行
われている。
【0003】このように、その外周部に出力歯車を設け
た転動体の構造としては、転動面部分と歯車部分とに要
求される機械的性能がそれぞれ相違することから、例え
ば特開平11−63139号公報に記載されているよう
に、転動体と歯車とを別体とし、塑性変形や溶接によっ
て一体化したものや、特開平11−141637号公報
に記載されているように、転動体と歯車とを一体に成形
して浸炭処理を施したのち、不要な浸炭層を除去した
り、防炭や半防炭処理した状態で浸炭処理を施したり、
あるいは条件的に異なる高周波焼入れを施したりするこ
とによって、転動体の転動面部分と歯車部分の硬化層深
さを変えるようにした例が紹介されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
11−63139号公報に記載された転動体において
は、一体化時に割れを生じる可能性や、転動体と歯車と
を一体化するための断面積に制約を受ける可能性があ
る。また、特開平11−141637号公報に記載され
た転動体においては、均質な硬化層深さを得ることが難
しいなどの問題点がある。
【0005】一方、別体構造の転動体と歯車とを一体化
するための一般的な締結方法として、焼き嵌めや圧入な
どの方法があるが、形状や製造上の精度管理によって
は、強度的な条件を満たすことができないこともあり、
形状的な制約を受けると共に、安価に提供することが難
しいという問題があり、転動体と歯車とを高強度かつ低
コストに一体化するための構造や接合方法の開発がトロ
イダル式無段変速機の小型軽量化を図る上での課題とな
っていた。
【0006】
【発明の目的】本発明は、外周部に機械的性能の異なる
動力伝達用の歯車を備えた従来のトラクションドライブ
用転動体の製造における上記課題に着目してなされたも
のであって、転動体の外周側に歯車部分を容易に安定し
て締結することができるようにし、動力伝達用の歯車を
一体的に備えた高強度のトラクションドライブ用転動体
を安価に提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるトラクシ
ョンドライブ用転動体は、請求項1に記載しているよう
に、トラクションドライブにより動力を伝達する転動面
を備えた本体部の外周側に動力伝達用の歯車部を締結し
てなるトラクションドライブ用転動体であって、前記歯
車部が本体部よりも高温の状態で本体部に嵌め合わさ
れ、両者の温度差が実質的に解消された状態で締結され
ていると共に、前記本体部および歯車部の締結面間に接
着層が形成されている構成としたことを特徴としてお
り、トラクションドライブ用転動体におけるこのような
構成を前述した従来の課題を解決するための手段として
いる。
【0008】本発明に係わるトラクションドライブ用転
動体実施の一形態として、請求項2に係わるトラクショ
ンドライブ用転動体においては、本体部と歯車部の間の
締め代が締結面の寸法に対して0〜0.153%の範囲
である構成とし、同じく実施形態として、請求項3に係
わる転動体においては、本体部と歯車部の間の締め代が
締結面の寸法に対して0.037〜0.100%の範囲
である構成とし、請求項4に係わる転動体においては、
本体部と歯車部の締結面もしくは該締結面の端部に形成
した位置決め手段により本体部と歯車部の軸方向の位置
決めがなされている構成とし、請求項5に係わる転動体
においては、本体部および歯車部の一方の締結面端部に
形成されたかしめ片を本体部および歯車部の他方にかし
めてある構成とし、請求項6に係わる転動体において
は、当該トラクションドライブ用転動体をトロイダル型
無段変速機用の出力ディスクに適用するようにしたこと
を特徴としている。
【0009】また、本発明に係わるトラクションドライ
ブ用転動体の製造方法においては、請求項7に記載して
いるように、本体部および歯車部をあらかじめ所定の加
工および熱処理を施した状態で締結したのち、さらに所
定の加工を施す構成とし、その実施の形態として、請求
項8に係わる転動体の製造方法においては、歯車部をプ
レスクエンチ法により熱処理する構成としたことを特徴
としている。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係わるトラクシ
ョンドライブ用転動体の一例として、トロイダル型無段
変速機用の出力ディスクの構造例を示すものであって、
図1に示す出力ディスク1は、背面合わせされた転動面
11および12を備えた本体部10の外周部に、リング
状をなし、図外の歯車と噛み合う多数の歯21を供えた
動力伝達用の歯車部20が接着層30を介して締結され
ており、当該歯車部20は、本体部10よりも高温度状
態で本体部10に隙間をもって嵌め合わされ、嵌合後、
本体部10と歯車部20の間の温度差が実質的になくな
ることによって締め付け力が生じ、この締め付け力と、
接着層30による接着力によって、両者が所定の強度で
接合されている。
【0011】図2は、このようなトラクションドライブ
用転動体の製造工程の一例を示すものであって、転動体
1の本体部10および歯車部20は、例えば、JIS
G4052,G 4102〜4106などに規定される
はだ焼用の機械構造用合金鋼を用いて粗形状にそれぞれ
生加工したのち、それぞれ浸炭焼入れ焼戻し、浸炭窒化
焼入れ焼戻しなどの熱処理が施される。
【0012】すなわち、本体部10および歯車部20
は、それぞれ別々に加工され、熱処理が施されるので、
各々の機能を考慮した最適の材料を用いて最適な熱処理
による硬化層を得ることができる。具体的には、転動面
11および12には高い転動疲労強度が要求されること
から、本体部10には深い硬化層を浸炭焼入れ焼戻し処
理によって形成するようにし、歯車部20には、これよ
りも浅い硬化層が形成される。このとき、リング形状を
有する歯車部20の熱処理に当たっては、熱処理歪を抑
制する観点から、請求項8に記載しているようにプレス
クエンンチ法を採用することが望ましい。
【0013】次に、それぞれの締結面に機械加工を施
し、挿入時には本体部10よりも歯車部20の温度を高
くする(歯車部20の加熱、および/または本体部10
の冷却)ことによって、両部材を隙間をもって嵌め合わ
せることができ、しかも嵌合後に両部材間の温度差が解
消されたときに締り嵌めとなるような締結面寸法に加工
する。
【0014】このときの締結面の仕上げ寸法としては、
請求項2および請求項3に記載しているように、d−D
として定義される締め代(ここで、d:本体部10の締
結面外径、D:歯車部20の締結面内径)が歯車部20
の締結面内径(D)の0%以上、0.153%以下の範
囲とすることが望ましく、さらには0.037%以上、
0.100%以下の範囲とすることがより望ましい。こ
れは、締め代が内径Dの0%未満の場合には、両部材間
に隙間が生じることになって十分な締結強度を得ること
ができなくなることがあり、逆に内径Dの0.153%
を超えた場合には、嵌合時の温度差を大きくすることが
必要となって、作業性が劣化し、作業時間が長くなる傾
向があるばかりでなく、歯車部20に引張応力が生じて
変形し、図外に配置された歯車との噛み合わせに微妙な
変化が生じることがある。
【0015】この締結面加工に際しては、請求項4や請
求項5に記載しているように、必要に応じて、位置決め
用の段差部やつばなどの位置決め手段を形成したり、両
部材をかしめ固定するためのかしめ片を加工することが
望ましい。このとき、これら位置決め手段やかしめ片
は、本体部10のみならず歯車部20の側に設けること
ができる。なお、これら位置決め手段やかしめ片の位置
や形状によっては、これらを考慮した形状に生加工の段
階であらかじめ粗加工しておくことが望ましい。
【0016】このような位置決め手段として、段差部1
3および22を本体部10および歯車部20の締結面に
それぞれ形成した例を図3に示す。また、同じく位置決
め手段として、つば14を本体部10の締結面端部に形
成した例を図4に示す。このとき、歯車部20の締結面
とつば側端面との間に面取り23を施しておくことによ
って、本体部10の締結面と位置決めつば14との間の
入隅部に多少の段差やアール部が生じていたとしても、
正確な位置決めが可能になる。また、このとき、歯車部
20側締結面の端部に位置決め用のつばを設けるように
しても特に支障はない。
【0017】このような位置決め手段を形成しておくこ
とにより、歯車部20を本体部10の所定位置に、速や
かに精度よく、しかも安定して配置することができ、位
置決め途中で、両部材の温度差がなくなって締結されて
しまったり、後述する接着剤が硬化してしまったりする
不具合が防止される。
【0018】なお、図3に示したように位置決め手段と
しての段差部13,22を締結面に形成するようになす
ことによって、図4に示したように締結面の端部に位置
決めつば14を配置する場合に比べて、つば14の露出
を避けることができ、余計なスペースが不要となると共
に、外観も良好なものとなる。
【0019】図5(a)は、本体部10の締結面に設け
た位置決めつば14の軸方向反対側端部にかしめつば1
5(かしめ片)を形成した例を示し、歯車部20の締結
後、図5(b)に示すように、例えば超硬材製のかしめ
治具などにより歯車部20の側に倒し込むように荷重
(例えば1000N)をかけて塑性変形させ、位置決め
つば14との間に歯車部20を挟み込むようにして固定
する。これにより、締結力のさらなる向上を図ることが
できるばかりでなく、締結力と接着剤による接合強度
が、伝達トルクに万一耐えられなかった場合でも、歯車
部20が本体部10から分離するようなことがなくな
る。なお、このようなかしめつば15は、熱処理前の生
加工の段階で形成されており、その表面には硬化層が形
成されているので、熱処理後の締結面加工に際してあら
かじめ硬化層を除去しておく。また、嵌合に際して本体
部10を冷却した場合には、室温に戻った後にかしめを
行うことによって、低温脆化によるかしめ片の折損を避
けることが望ましい。
【0020】図6(a)および(b)は、歯車部20の
締結面の両端部に位置決めつば24とかしめつば25を
設けた例を示す。この場合も、締結面加工に際して硬化
層を除去する必要があるが、本体部10に比べて硬化層
が浅いので加工が容易であると共に、嵌合時の温度が本
体部10よりも高いのでかしめ加工を容易に行うことが
できる。
【0021】以上の締結面加工を終えた本体部10およ
び歯車部20は、洗浄された後、本体部10の締結面に
接着剤が塗布される一方、歯車部20は、例えば150
℃に加熱され、本体部10の外周部に歯車部20が嵌め
合わされ、室温まで放冷されることによって、本体部1
0の外周部に歯車部20が締結されると共に、接着剤が
硬化して締結面間に接着層30が形成され、本体部10
と歯車部20が強固に接合される。そして、かしめ片を
設けた場合には、これを相手側にかしめることによって
両者の接合をさらに確実なものとしたのち、仕上げ加工
が施され、これによって、一体化された部品としての寸
法精度が向上することになる。
【0022】なお、図2に示した製造工程においては、
歯車部20の側を加熱する例(いわゆる焼き嵌め)を示
したが、本発明においては、歯車部20の温度を本体部
よりもある程度高い状態で嵌合することが必要であり、
例えばドライアイスや液体窒素によって本体部10を冷
却すること(冷し嵌め)や、歯車部20の加熱と本体部
10の冷却を同時に行うことも可能である。
【0023】また、接着剤は、本体部10と歯車部20
の間の締め代を大きくすることによる歯車部20の変形
や破壊を招くことなく、両者の接合強度を向上させるた
めに必要なものであって、硬化時間が短く、生産工程に
待ち時間が生じないことから、空気を追い出すことによ
って硬化するタイプの嫌気性接着剤の使用が望ましい。
なお、上記製造工程例においては、本体部10の側に接
着材を塗布する例を示したが、歯車部20の締結面に塗
布したり、本体部10と歯車部20の両方に塗布したり
することも可能である。
【0024】
【発明の効果】本発明の請求項1に係わるトラクション
ドライブ用転動体は、本体部と歯車部とが接着層を介し
て熱膨張や収縮によって締結された構造のものであるか
ら、要求性能の異なる本体部と歯車部の素材や熱処理を
最適な組み合わせを選択することによって、それぞれ最
適の強度や耐久性を備えた本体部と歯車部とを一体化す
ることができると共に、接着層によって本体部と歯車部
との間の締め代をさほど大きくすることなく十分な接合
強度を得ることができ、歯車部の破損や変形を防止し
て、騒音のない円滑な噛み合わせ状態を確保することが
できるという極めて優れた効果をもたらすものである。
【0025】本発明に係わるトラクションドライブ用転
動体における実施形態として、請求項2に係わるトラク
ションドライブ用転動体は、本体部と歯車部の間の締め
代を歯車部の締結面寸法に対して0%以上、0.153
%以下の範囲としたものであるから、外周部の歯車部に
過剰な引っ張り応力がかかることなく、必要な締結力を
得ることができ、その品質を安定なものとすることがで
き、請求項3に係わるトラクションドライブ用転動体
は、当該締め代を歯車部の締結面寸法に対して0.03
7%以上、0.100%以下の範囲にさらに限定したも
のであるから、組み立て作業性がより向上すると共に、
上記効果をより確実なものとすることができる。
【0026】本発明の請求項4に係わるトラクションド
ライブ用転動体においては、締結面あるいはその近傍位
置に、位置決め手段を備えているので、嵌合に際して、
歯車部を本体部の所定位置に速やかに位置決めすること
ができ、当該転動体の寸法精度が向上すると共に、嵌合
途中で接着剤が硬化してしまったり、締結されてしまっ
たりする不具合を防止することができ、請求項5に係わ
るトラクションドライブ用転動体においては、締結面の
近傍位置にかしめ片が形成され、当該かしめ片が相手側
にかしめてあるので、さらに接合力を向上することがで
き、より大きな動力を伝達することができると共に、締
結力と接着力による接合強度が、万一伝達力に耐えられ
なかったとしても、歯車部が本体部から外れて、他の部
品を損傷するような事態を未然に防止することができる
という優れた効果がもたらされる。
【0027】また、請求項6に係わるトラクションドラ
イブ用転動体は、本発明に係わる構造をトロイダル型無
段変速機用の出力ディスクに適用したものであるから、
トロイダル型無段変速機の軽量化および生産性の向上、
さらにはコスト低減に大きく寄与するものである。
【0028】本発明の請求項7に係わるトラクションド
ライブ用転動体の製造方法においては、本体部および歯
車部をあらかじめ所定の加工および熱処理を施した状態
で締結したのち、さらに所定の加工を施すようにしてい
るので、本体部および歯車部の各々に最適な硬化層深さ
に管理することによって、それぞれ最適の強度や耐久性
を備えた本体部と歯車部からなる転動体を得ることでき
ると共に、締結後さらに所定の加工を施すことによっ
て、一体化部品としての寸法精度を向上させることがで
き、請求項8に係わるトラクションドライブ用転動体の
製造方法においては、歯車部の熱処理に際して、プレス
クエンチ法を適用するようにしているので、熱処理歪が
軽減され、歪を除去するために行う加工の削り代が少な
くてすむので加工コストが低減できると共に、仕上げ加
工の削り代を均一化することができることから、浸炭に
よる効果層深さを均一なものとすることができるという
優れた効果がもたらされる。
【0029】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいてさらに具
体的に説明する。
【0030】まず、JIS G 4052に規定される
クロムモリブデン鋼SCM420Hを素材として、図1
に示す本体部10を粗加工するとともに、同じくJIS
G4052に規定されるクロム鋼SCr420Hを素
材として、図1に示す歯車部20を粗加工したのち、こ
れら本体部10および歯車部20にそれぞれ別条件の浸
炭焼入れ焼戻し処理を施した。
【0031】次いで、本体部10の締結面外径寸法d、
および歯車部20の締結面内径寸法Dをそれぞれ150
mmを目標とし、それぞれ若干のばらつきが生じるよう
に締結面に加工を施したのち、本体部10の締結面に嫌
気性接着剤(ロックタイト社製LOCTITE1448
6)を塗布したのち、150℃に加熱した歯車部20を
接着材が塗布された本体部10に嵌合し、室温まで自然
放冷することにより本体部10の外周に締結した。そし
て、接着剤の硬化を確認した後、締結面の引き抜き力を
調査した。
【0032】図7は、設計上必要な引き抜き強度を1と
したときの引き抜き力比を縦軸にとり、室温(20℃)
における締結面外径寸法d(本体部)および締結面内径
寸法D(歯車部)の実測値から算出される締め代(d−
D)の締結面内径寸法Dに対する百分率(100×(d
−D)/D)を横軸にとって整理した結果を示すもので
あって、締め代(d−D)が0%未満、すなわち隙間を
有する締結状態では、十分な締め付け強度と接着剤の硬
化強度が得られず、引き抜き強度にばらつきが生じて、
所望の強度が得られないことがあり、さらに締め代(d
−D)が締結面内径寸法Dの0.153%を超えた場合
には、嵌合時に十分な隙間が得られないために、締結途
中で接着剤が硬化して所定位置に到達する前に固着して
しまったり、歯車部20が破損することもあったりし
て、引き抜き強度のばらつきが大きい結果となることが
確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるトラクションドライブ用転動体
として、出力ディスクの構造例を示す断面図である。
【図2】本発明に係わるトラクションドライブ用転動体
の製造方法の一例を示す工程図である。
【図3】位置決め手段として締結面に段差部を設けた実
施形態を示す断面図である。
【図4】位置決め手段として本体部の締結面端部につば
を設けた実施形態を示す断面図である。
【図5】(a)および(b)はかしめ片として本体部の
締結面端部にかしめつばを設けた実施形態を示す断面図
である。
【図6】(a)および(b)はかしめ片として歯車部の
締結面端部にかしめつばを設けた実施形態を示す断面図
である。
【図7】引き抜き強度に及ぼす締結面内径Dに対する締
め代(d−D)の影響を示すグラフである。
【符号の説明】
1 出力ディスク(トラクションドライブ用転動体) 10 本体部 11,12 転動面 13 段差部(位置決め手段) 14 つば(位置決め手段) 15 かしめつば(かしめ片) 20 歯車部 22 段差部(位置決め手段) 24 つば(位置決め手段) 25 かしめつば(かしめ片) 30 接着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16B 11/00 F16B 11/00 A // B21D 53/88 B21D 53/88 Z (72)発明者 中 山 達 臣 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 森 春 仁 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 平 野 弘 之 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 臼 木 秀 樹 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3J023 EA01 GA01 3J051 AA03 BA03 BB02 BD02 BE09 EC02 ED16 ED20 FA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トラクションドライブにより動力を伝達
    する転動面を備えた本体部の外周側に動力伝達用の歯車
    部を締結してなるトラクションドライブ用転動体であっ
    て、前記歯車部が本体部よりも高温の状態で本体部に嵌
    め合わされ、両者の温度差が実質的に解消された状態で
    締結されていると共に、前記本体部および歯車部の締結
    面間に接着層が形成されていることを特徴とするトラク
    ションドライブ用転動体。
  2. 【請求項2】 本体部と歯車部の間の締め代が歯車部の
    締結面寸法に対して0〜0.153%の範囲であること
    を特徴とする請求項1記載のトラクションドライブ用転
    動体。
  3. 【請求項3】 本体部と歯車部の間の締め代が歯車部の
    締結面寸法に対して0.037〜0.100%の範囲で
    あることを特徴とする請求項1記載のトラクションドラ
    イブ用転動体。
  4. 【請求項4】 本体部と歯車部の締結面もしくは該締結
    面の端部に形成した位置決め手段により本体部と歯車部
    の軸方向の位置決めがなされていることを特徴とする請
    求項1ないし請求項3のいずれかに記載のトラクション
    ドライブ用転動体。
  5. 【請求項5】 本体部および歯車部の一方の締結面端部
    に形成されたかしめ片を本体部および歯車部の他方にか
    しめてあることを特徴とする請求項1ないし請求項4の
    いずれかに記載のトラクションドライブ用転動体。
  6. 【請求項6】 トロイダル型無段変速機用の出力ディス
    クであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のい
    ずれかに記載のトラクションドライブ用転動体。
  7. 【請求項7】 本体部および歯車部をあらかじめ所定の
    加工および熱処理を施した状態で締結したのち、さらに
    所定の加工を施すことを特徴とする請求項1ないし請求
    項6のいずれかに記載のトラクションドライブ用転動体
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 歯車部をプレスクエンチ法により熱処理
    することを特徴とする請求項7記載のトラクションドラ
    イブ用転動体の製造方法。
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