JP2002137974A - セラミック体と銅板の接合方法 - Google Patents
セラミック体と銅板の接合方法Info
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Abstract
ラミック体と、光沢度1.1以上かつ表面粗さRz1.
0以下の無酸素銅板とを、無酸素銅板の平滑性を損なわ
せない低温で、十分な接合強度をもって接合すること。 【解決手段】窒化アルミニウム又は窒化珪素を主体とす
るセラミック体と、光沢度1.1以上かつ表面粗さRz
1.0以下の無酸素銅板とを、金属成分として、銀75
〜89%、銅1〜23%、錫1〜5%、チタン、ジルコ
ニウム及びハフニウムから選ばれた少なくとも1種の活
性金属成分1〜6%を含んでなる接合ろう材を用い、温
度800〜830℃で接合することを特徴とする接合方
法。
Description
に使用される回路基板の製造に好適なセラミック体と平
滑無酸素銅板との接合方法に関する。
の高性能化にともない、大電力・高効率インバーター等
大電力モジュールの変遷が進み、半導体素子から発生す
る熱も増加の一途をたどっている。この熱を効率よく放
散させるため、大電力モジュール基板では従来より様々
な方法がとられてきた。最近では、良好な熱伝導を有す
るセラミックス基板が利用できるようになり、その表裏
両面に銅板等の金属板を接合し、エッチングによって一
方の面に金属回路、他方の面に放熱金属板を形成させた
後、そのままあるいはメッキ等の処理を施し、金属回路
部分に半導体素子を実装し、反対面をベース銅板と半田
付けし、ヒートシンクに取り付けて使用されている。
の分野に使用されている金属回路基板の信頼性に対する
要求は、年々厳しくなる一方であり、これまで要求され
てきた、セラミック基板の割れや金属回路とセラミック
基板との密着強度等だけではなく、金属回路表面特性、
すなわちユーザーで行うワイヤボンディング性に対して
も高い信頼性を要求されてきた。
平滑で光沢があり、しかも酸素量が20ppm以下の無
酸素銅板を金属回路の材質とすればよいことが知られて
いたが、このような無酸素銅板を、チタン、ジルコニウ
ム等の活性金属成分を含有する通常の銀及び/又は銅を
主成分とするろう材を用いて窒化アルミニウム基板に接
合する場合、所用接着強度を得るための接合温度が約8
60℃と高温となる。これでは、接合された銅の粒成長
が過度となり、表面が荒れてしまうので、平滑な無酸素
銅板を接合することの意義が薄れ、窒化アルミニウム基
板と十分な接合強度をもって接合することはできなかっ
た。
属回路表面を研磨し、表面の平滑性を保持することによ
ってワイヤボンディングの信頼性を確保してきた。しか
し、研磨工程の付加はそのままコストアップにつなが
り、しかも研磨工程管理が不十分であると、金属板の損
傷や表面性状の不均一性を引き起こし、何かと問題であ
った。
り、その目的は、窒化アルミニウム又は窒化珪素を主体
とするセラミック体と、光沢度1.1以上かつ表面粗さ
Rz1.0以下の無酸素銅板とを、銅の粒成長が過度と
ならない830℃以下の低温で、十分な接合強度をもっ
て接合する方法を提供することである。
化アルミニウム又は窒化珪素を主体とするセラミック体
と光沢度1.1以上かつ表面粗さRz1.0以下の無酸
素銅板とを、金属成分として、銀75〜89%、銅1〜
23%、錫1〜5%、チタン、ジルコニウム及びハフニ
ウムから選ばれた少なくとも1種の活性金属成分1〜6
%を含んでなる接合ろう材を用い、温度800〜830
℃で接合することを特徴とする接合方法である。
る。
性の高い銅板表面性状とは、簡単にいうとより平滑であ
るということである。その平滑さを推し量る尺度とし
て、表面粗さと光沢度がある。比較的大きな範囲(0.
1mm〜数mm程度)での平滑さは表面粗さという尺度
が好ましい。表面粗さの中にも、Ra、Rmax、Rz
等があるが、本発明ではRzで評価することが望まし
い。比較的小さな範囲(0.01mm〜0.1mm程
度)での平滑さは光沢度という尺度を使用する。本発明
でいう光沢度とは、光沢度計(例えばマクベス社製「R
D918(Gretag Macbeth」)にてイエ
ローレンジ測定された値である。
(0.1mm〜数mm程度)と比較的小さな範囲(0.
01mm〜0.1mm程度)のそれぞれにおいて平滑で
あることが重要である。すなわち、光沢度1.1以上
で、表面粗さRz1.0以下の無酸素銅板が必要とな
る。光沢度が1.1未満であると、表面の微少部分
(0.01mm〜0.1mm程度)での表面粗さが大き
くなり、ワイヤーの密着性が悪くなる。表面粗さRzが
1.0を超えると、表面の比較的大きな範囲(0.1m
m〜数mm程度)における表面粗さが大きくなり、ワイ
ヤーの密着が不均一となる。
であることが好ましく、それよりも多くなると、接合ろ
う材成分中の活性金属成分が酸化され、接合ろう材のセ
ラミック体への反応が妨げられる。
ミック体とを接合する際に、金属成分として、銀75〜
89%、銅1〜23%、錫1〜5%、チタン、ジルコニ
ウム及びハフニウムから選ばれた少なくとも1種の活性
金属成分1〜6%を含んでなる接合ろう材を用い、温度
800〜830℃で接合することである。
分はセラミック体に拡散し、また錫成分は銀成分と無酸
素銅板との濡れ性を向上させる結果、セラミック体と無
酸素銅板とが、直接、強固に接合する。
未満であると、銅と錫の金属間化合物の生成量が増大し
て接合層が脆弱なものとなり、機械的強度の信頼性が大
きく低下する。また、89%を超えると、接合ろう材の
無酸素銅板に対する濡れ性が低下し、接合層中にボイド
が形成され接合強度が低下する。
融点が低下しないので、800〜830℃の低温におい
て、無酸素銅板又はセラミック体への接合ろう材の濡れ
性が低下する。また、23%を超えると、銀銅共晶点組
成よりも銅成分が著しく多くなるため、これまた接合ろ
う材の融点が高くなり、800〜830℃の低温で十分
な接合強度をもって接合させることが困難となる。
ろう材中に溶解する割合が多くなって、接合ろう材の融
点が上昇し、接合温度を高めなねばならなくなるととも
に、接合層にボイドが形成され接合強度が大きく低下す
る。また、5%を超えると、銅と錫の金属間化合物の生
成量が増大して接合層が脆弱なものとなり、機械的強度
の信頼性が大きく低下する。
選ばれた少なくとも1種の活性金属成分が1%未満であ
ると、セラミック体と接合層との接合強度が弱く、また
6%を超えると、接合層が脆弱なものとなり、機械的強
度の信頼性が低下する。これらの活性金属成分は、それ
らを成分とする単体又は化合物が使用される。
合金の箔や粉末をそのまま用いることができるが、好ま
しくはペーストを調合し、それをセラミック体と無酸素
銅板の間に介在させて熱処理することである。ペースト
調合の一例を示せば、金属成分100部(部は質量部、
以下同じ)あたり、PIBMA等の媒体4〜10部であ
る。ペーストの塗布量は、乾燥基準で9〜10mg/m
2 とすることが好ましい。
0℃である。800℃未満では接合が十分でなくなり、
また830℃を超えると、無酸素銅板の表面において、
銅の粒成長が過度となり、表面粗さが粗くなってしま
う。接合雰囲気は真空が好ましい。
アルミニウム又は窒化珪素を主体とするものである。窒
化アルミニウムを主体とするものは、強度、熱伝導率、
純度が、それぞれ400MPa以上、150W/mK以
上、93%以上であることが好ましく、また窒化珪素を
主体とするものは、それぞれ600MPa以上、50W
/mK以上、93%以上であることが好ましい。これら
のセラミック体には、市販品があるのでそれを用いるこ
とができる。
的に説明する。
金属粉末及びテルピネオールを配合し、ポリイソブチル
メタアクリレートのテルピネオール溶液を加えて混練
し、接合ろう材ペーストを調製した。この接合ろう材ペ
ーストを窒化アルミニウム基板(サイズ:60mm×3
6mm×0.65mm 曲げ強さ:500MPa 熱伝
導率:155W/mK、純度95%以上)の両面にロー
ルコーターによって基板全面に塗布した。塗布量は、乾
燥基準で9mg/m2 とした。
形成面には表1に示す無酸素銅板(56mm×32mm
×0.3mm)を、また金属放熱板形成面には表1に示
す種無酸素銅板(56mm×32mm×0.15mm)
を接触配置してから、真空度0.1Torr以下の真空
下、表1に示す温度で30分加熱した後、600℃まで
急冷し、その後2℃/分の降温速度で冷却した。そし
て、金属回路形成面には回路パターン状に、金属放熱板
形成面に放熱板状にレジストインクをスクリーン印刷し
てから銅板と接合層のエッチングを行い、回路及び放熱
板を形成した。その後、無電解Ni−Pメッキ(厚み3
μm)を施し回路基板とした。
ECO社「ON分析計」で測定しところ、いずれも10
ppm以下の検出限界以下であることを確認した。光沢
度は、マクベス社製光沢度計「RD918(Greta
g Macbeth)」を用い、イエローレンジで測定
した。表面粗さは、ミツトヨ社製表面粗さ計「サーフテ
スト301」を用い、以下の条件で測定した。 カットオフ値(測定距離):0.8mm 測定区間 :5(上記測定距離を5区間行う) ピークカウント :1
りAlボンディングワイヤ(田中電子工業社製「TAN
W 」直径300μm)を用い、ボンディング間距離が
10mm程度のループが形成されるよう、太線用超音波
ボンダー(超音波工業社製「SW−1−20A」)を用
い、両ボンディング共に3.7Wの出力で行った。
工業社製プルテスター「UJ−246−1C」を用い、
ループの頂点を引っ張った際、ワイヤーがちぎれたとき
のプル強度と、そのときの剥離モードのうち、界面より
剥離するものの確率をn=50にて測定した。これらの
結果を表2に示す。
窒化珪素を主体とするセラミック体と、光沢度1.1以
上かつ表面粗さRz1.0以下の無酸素銅板とを、無酸
素銅板の平滑性を損なわせない低温で、十分な接合強度
をもって接合することができるため、ワイヤボンディン
グ性に優れた回路基板となる。
Claims (1)
- 【請求項1】 窒化アルミニウム又は窒化珪素を主体と
するセラミック体と光沢度1.1以上かつ表面粗さRz
1.0以下の無酸素銅板とを、金属成分として、銀75
〜89%、銅1〜23%、錫1〜5%、チタン、ジルコ
ニウム及びハフニウムから選ばれた少なくとも1種の活
性金属成分1〜6%を含んでなる接合ろう材を用い、温
度800〜830℃で接合することを特徴とする接合方
法。
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JP2000324912A JP4323706B2 (ja) | 2000-10-25 | 2000-10-25 | セラミック体と銅板の接合方法 |
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- 2000-10-25 JP JP2000324912A patent/JP4323706B2/ja not_active Expired - Fee Related
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