JP2002137307A - 繊維強化樹脂製風車ブレード構造体 - Google Patents

繊維強化樹脂製風車ブレード構造体

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JP2002137307A
JP2002137307A JP2000335657A JP2000335657A JP2002137307A JP 2002137307 A JP2002137307 A JP 2002137307A JP 2000335657 A JP2000335657 A JP 2000335657A JP 2000335657 A JP2000335657 A JP 2000335657A JP 2002137307 A JP2002137307 A JP 2002137307A
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thickness
fiber
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JP2000335657A
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Hiroshi Onishi
博 大西
Toshihiro Ito
俊弘 伊藤
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来以上の高い曲げ疲労疲労強度を有した状
態でより一層軽量なブレード構造体を提供する。 【解決手段】 補強繊維と樹脂とからなるFRP製の風
車ブレード構造体1であって、幅Wのブレード1におい
て、桁材のフランジ部10がブレード1の断面重心位置
3、4を中心に、0.2〜0.5Wの範囲内の幅Wfを
有し、かつ炭素繊維強化樹脂層14と高伸度繊維強化樹
脂層15とが交互に積層されている。この場合複合層1
7の上下のフランジ部10に占める総厚み2Tfは、ブ
レードの厚みTの10〜30%の範囲内のものである。
上記複合層17は、その体積の少なくとも70%以上
が、ブレードの長手方向に配向された1層の厚みが1〜
6mmである炭素繊維強化樹脂層と、ガラス繊維強化樹
脂層の厚みが0.2〜1.5mmのものとの積層体であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、風力発電に用いら
れる風車ブレード構造体の改良に関するものであり、詳
しくは高い曲げ疲労疲労強度を有しながらも軽量なブレ
ード構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、風力発電用の風車ブレード
は、流線型の翼断面構造を有し、要求される性能として
は回転体のために軽量性が重要であり、適用材質として
は金属よりも比強度・比弾性率の高い繊維強化樹脂(以
下、FRPという)製のブレードが実用化されている。
【0003】ところで、FRP製の風車ブレードは、通
常、FRP製のシート状物を複数層積み重ねて形成され
るため、ブレードの断面は層構造を有し、層中の補強繊
維は主にブレードの長手方向に配列されている。そして
風力によりブレードの長手方向に曲げモーメントが発生
するため、ブレードの長手方向に多くの繊維を配列させ
(例えば、特開平6−66244号公報)、ブレードの
曲げ疲労による寿命の低下を防止する設計がとられてい
る。さらにブレードには遠心力、自重による一回転毎の
変動荷重、振動等により、圧縮やねじり、剪断等が複雑
に作用しており、それらの影響を定量化するにはかなり
の労力が必要であるため、従来はブレードの長手方向に
配列する繊維に加え、長手方向と±45度乃至90度の
方向に繊維を配列させた、等方性に近い疑似等方性の積
層構成をとって対応していた。例えば、特開平3−27
1566号公報では繊維の配向角が10度乃至50度の
構成のブレードが、特開平6−66244号公報には長
手方向の一方向ロービング上にガラスクロスとガラスマ
ットとが包帯状に積層された構成のブレードが開示され
ている。さらに、特開平11−311101号公報には
曲げ疲労寿命を向上させるために、ブレードの長手方向
に配列する繊維に加え、長手方向と±50度乃至70度
の方向に繊維を配列した構成のものが開示されている。
【0004】しかしながら、これら積層構造の従来ブレ
ードは、いずれも補強繊維の積層数の増大に伴い、風車
全体が大型化して風車の発電効率は向上するが、重量や
耐久性の点から見れば、いづれも軽量化、疲労寿命の向
上に限界があるという問題があった。特にブレード長さ
が増大するとブレードの重量も長さの2.5〜3乗に比
例して増大し、回転機構に与える負荷が大きくなり重量
限界が存在する。また、ブレード重量が重いと面内の発
生応力増の問題がある他、生産、輸送、マウント時のハ
ンドリング性が悪くなる。従って、より軽量で曲げ疲労
強度および曲げ剛性の高いブレードが必要である。
【0005】よって、従来のブレード構造体は、FRP
の最大の利点である軽量効果を必ずしも生かしきった補
強繊維の積層構成になっておらず、産業界はブレード構
造体に、より適する積層構成を必要としていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点に鑑みてなされたもので、FRP製風車用ブ
レードにおいて、補強繊維の積層構成を最適化すること
により、従来以上の高い曲げ疲労疲労強度を有し、かつ
軽量なブレード構造体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明は、水平方向の幅(W)と垂直方向の厚み
(T)を有する繊維強化樹脂製の中空翼形状断面のブレ
ードの内部に、桁材であるフランジ部が設けられた風車
用ブレード構造体において、前記フランジ部は、(A)
前記ブレードの断面の重心位置を中心に、水平方向に
0.2〜0.5(W)の範囲内の幅(Wf)を有すると
ともに、(B)前炭素繊維強化樹脂層と、伸度が2〜6
%の範囲内の高伸度繊維強化樹脂層とが交互に積層され
てなる複合層で構成されており、かつ(C)該複合層の
総厚み(2Tf)が、前記ブレードの厚み(T)の10
〜30%の範囲内であることを特徴とする繊維強化樹脂
製風車ブレード構造体を要旨とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の風車ブレード構造体を図
1〜3に示す一実施例の図面に基づいて説明する。図1
は、本発明にかかるブレード構造体の軸、および補強繊
維の配列角の定義を示すものである。本発明におけるブ
レード1の長手軸2は、ブレードの付け根部分の断面重
心3とブレード長さの1/2の位置における断面重心4
を結ぶ直線で定義する。なお、ブレードの長さは10〜
50m程度である。
【0009】図2は、図1のブレード1の中央部4位置
における長手軸2に直角な面の横断面図で厚みがT(最
大翼厚の垂直距離)の流線形をしている。ブレード1の
断面は、前縁部5と後縁部6を結ぶ上スキン7と下スキ
ン8と呼ばれる外板からなり、上スキン7と下スキン8
の間には、ブレードの長手方向に亘り、層構造を有する
スパー9と呼ばれる水平幅がWfで垂直方向の厚みがTf
のボックス状の桁材が入っている。さらにスパー9は、
スキン7、8の内周面と接触しているフランジ部10
と、ブレードの上と下のフランジ部をつなぐウエブ部1
1とで構成されている。なお、上記スパー9は、ボック
ス状の他、Cの字状、Iの字状、または板状のものであ
ってもよい。なお、上下スキンは軽量化および耐食性の
理由により繊維強化樹脂製であることが好ましい。
【0010】図3は、図2のフランジ部10の断面図で
ある。フランジ部10は、図に示すように、炭素繊維層
14、ガラス繊維層15、接着層16とで複合層17を
構成し、これらが一体に積層されて垂直方向の厚みがT
fとなっている。炭素繊維層14は、後述する補強繊維
12にマトリクス樹脂13が含浸されたもの、ガラス繊
維層15は、ガラス繊維にマトリクス樹脂が含浸された
もの、炭素繊維層16は、炭素繊維にマトリックス樹脂
が含浸されたものである。
【0011】ところでブレード1の曲げ剛性に最も影響
するのは図3に示す、フランジ部10の強度、弾性率、
繊維体積含有率などの特性であり、フランジ部10の上
記幅Wfは、断面重心位置3、4を中心に、ブレード幅
Wに対して水平方向に0.2〜0.5Wの範囲内の幅を
有していることが必要である。フランジ部10の幅がこ
れより広くなっても狭くなっても平均の断面高さが低く
なり、ブレード全体の曲げ剛性が低下するからである。
さらに、ブレード重量あたりの曲げ剛性は、フランジ部
10の複合層17の厚みTfを増加させると低下する。
従って、フランジ部の幅Wfはブレード幅Wに対して
0.2〜0.5Wの幅を有し、フランジ部10の複合層
17の厚みTfは、ブレードの厚みTの10〜30%の
範囲内であることが好ましい。
【0012】ブレードの厚みTを一定にした場合に、フ
ランジ部の幅Wfを横軸にとって、フランジ部の複合層
17の厚みを変化させた時の、ブレードの重量を縦軸に
とったグラフを図4に示す。この図4は、図から分かる
ように、フランジ部10の幅Tfが0.3〜0.4Wの
幅を有し、フランジ部10の複合層17の厚みTfが、
ブレードの厚みTの15〜25%の範囲内であると、ブ
レード1の全重量が最適化されて低下しており、曲げ剛
性と曲げ疲労強度とを確保した状態でより軽量化されこ
とを示している。
【0013】ブレード1の曲げ疲労寿命に最も影響する
のは、図3に示すフランジ部10の複合層17の曲げ疲
労特性である。優れた曲げ疲労特性を得るには、複合層
17は少なくともブレード1の長手軸2方向に対し、±
9度以内の角度で配列する炭素繊維を有する層14と、
高伸度のマトリックス樹脂をガラス繊維層15とが交互
に連続した構造を有していることが好ましい。また、必
要によりブレードの捻り剛性を向上させるために、例え
ば炭素繊維からなる配向角度±45゜の炭素繊維層16
を積層しても良い。
【0014】層14は、主としてブレード1の長手軸2
方向の剛性および強度を担うものであり、好ましい補強
繊維の配列角度は、+9度〜−9度の範囲内であること
が好ましい。ブレードの長さが大きいほどブレードの変
形量が大きくなるので、配列角度は上記範囲より0度方
向に近い方がブレードの剛性が高くなりたわみが小さく
なるのでより好ましい。
【0015】層15は、層14と連続することで層14
の曲げ疲労寿命を向上させる役割を果たすものであり、
その結果、ブレードの曲げ寿命は著しく向上する。すな
わち、層15は3〜10%の伸びを持つ高伸度のマトリ
ックス樹脂を用いているので破壊伸度が大きくなり、層
間剪断強度が大きくなって、層14に生じる歪みを局部
的に緩和し、層14の破壊を抑制する効果を有し、さら
に、層14と連続するため、曲げ疲労時に層14が破壊
することを妨げ、層14の圧縮荷重の負担能力を増加さ
せる作用、効果を有する。層15での補強繊維の配列角
θは、層14と同じ範囲内にあると上記の効果の他に、
それ自身の圧縮強度が高いため、全体の圧縮強度を増加
させる効果がありより好ましい。なお、層15の補強繊
維の配列角θは、特開平11−311101号公報に記
載されているように曲げ疲労寿命を向上させるために、
長手方向と±50度乃至70度の範囲内の方向に繊維を
配列せても良いし、±45度あるいは0/90度の範囲
内であっても良い。なお、本発明において、「層が連続
している」とは、例えば、層の間に他の繊維強化樹脂等
が挟まれずに隣接した状態にあることを指す。層15の
厚みは、層14と、層15の厚み比率が1:0.05〜
1:0.3の範囲内にあることが好ましい。本範囲より
小さいと、曲げ疲労寿命の向上効果が十分ではなく、大
きいと長手方向の剛性が十分ではなくなり易い。より好
ましくは1:0.05〜1:0.2の範囲内である。す
なわち、フランジ部10の複合層17の体積の少なくと
も70%以上が、炭素繊維強化樹脂層からなっているこ
とが好ましい。より好ましくは80%以上であるとより
ブレードは軽量化され、曲げ剛性、曲げ疲労寿命も向上
する。
【0016】ブレード1の曲げ剛性を維持して、曲げ疲
労寿命を向上させようとする場合には、層14は層15
で挟み込むことが好ましい。この場合、効果がより高く
なり、ブレードの曲げ疲労寿命は飛躍的に向上する。層
15を複数層配することで効果をさらに高めることがで
きる。この際、ブレードの長手方向の剛性を極端に低下
させないためには、層15の1層の厚みを薄くして、全
体厚みは増加させずに、層の数を増加させることが極め
て効果的である。中でも、層14に対し、層15からな
る層が鏡面対称に設けられていると、層14の面外変形
が少なくなり好ましい。面外変形は、ブレード構造体の
厚みが薄いほど、また、ブレード構造体が大きいほど顕
著となるので、ブレードの長さが20m〜50m程度の
ものであれば、層14の厚みは1mm〜6mm程度の範
囲内であることが好ましい。
【0017】本発明の層14、15の補強繊維としては
それぞれ炭素繊維、ガラス繊維を使用するのが好まし
い。
【0018】ここで、炭素繊維とは、ポリアクリルニト
リル繊維やピッチを原料として、耐炎化、炭化/黒鉛化
工程等を経て製造されるいわゆる炭素繊維のことで、単
繊維の直径は5〜10μmで、高強度タイプのものと、
高弾性率タイプのものが市販されている。本発明におい
ては、PAN(ポリアクリルニトリル)系、ピッチ系の
いずれでもかまわないが、中でもPAN系の炭素繊維は
上記弾性率、伸度以外に径方向の強度も高いので、ブレ
ードの厚み方向の強度を向上させ、しいては曲げ疲労を
向上させるので特に好ましい。また、軽量化には炭素繊
維を使用することが好ましい。一般に、炭素繊維は、単
繊維(モノフィラメント)を数千〜数十万本単位に束ね
たストランド形態で使用するが、本発明においては、繰
り返し曲げ荷重を受けた際の炭素繊維強化樹脂内部のス
トランド間のスプリッティングを低減する意味で、スト
ランド間隔の大きい、24000本以上の単繊維からな
る炭素繊維束が好ましい。中でも、プロセス(生産)性
向上を考慮すると、48000本〜200000本の間
のトウ(太束)炭素繊維がより好ましい。ブレード1の
剛性が小さいと、ブレードの変形が大きくなり、本発明
が問題としている曲げモードでの変形歪み量が大きくな
り、曲げ疲労し易くなるので、ブレードは高剛性である
ことが好ましいので、層14に使用する炭素繊維は、弾
性率が230〜600GPaの範囲内であることが好ま
しい。また、この範囲の炭素繊維を使用することで、ブ
レードのねじり剛性が向上してブレードの空力学的特性
を維持できるというメリットも有する。繰り返し曲げ特
性を向上させるためには、ブレードの曲げ強度も高い方
が好ましく、炭素繊維の強度は3GPa〜10GPaの
ものが好ましい。尚、炭素繊維の弾性率と強度は、JI
S R7601により測定することができる。ガラス繊
維は、圧縮/引張の強度バランスが良く(圧縮強度と引
張強度がほぼ等しい)、また伸度が大きいので曲げ特性
に優れ、本発明において好ましい補強繊維の一つであ
る。ガラス繊維とは、二酸化珪素(SiO2)を主成分
とするいわゆるEガラス、Cガラス、Sガラスなどの繊
維状ガラスのことで、繊維径は5〜20μm程度のもの
である。また、炭素繊維と比較して安価にできるという
特長を有する。ブレードは高強度であることが好ましい
ので、層Bに使用するガラス繊維は、伸度が2〜6%の
ものが好ましい。
【0019】補強繊維の形態としては、連続繊維あるい
は長繊維状であることが好ましく、あらかじめ連続繊維
に樹脂を含浸させてシート状にしたプリプレグ、連続繊
維織物に樹脂を含浸させた織物プリプレグを積層した
り、ストランド、ロービング、織物、マット状の補強繊
維に樹脂を含浸させながら層構造を形成しても差し支え
ない。強度および剛性上の観点から好ましいのは、ヤー
ン、ストランドあるいは、ロービング形態である。
【0020】次に、層14、15を構成する樹脂は、エ
ポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。中でもエポキシ
樹脂は、伸度が大きく、繊維強度の利用率が高いので耐
疲労特性上最好ましい。また、エポキシ樹脂は、ブレー
ドの振動減衰(ダンピング)性能上も好ましい樹脂であ
る。エポキシ樹脂以外に好ましい樹脂としては、ポリエ
ステル樹脂が耐候性、耐環境性に優れていて耐久性上好
ましい。また、ビニルエステル樹脂も耐衝撃性に優れて
いて好ましい。また、体積固有抵抗が1×1012〜1×
1016Ω・cmの範囲にある樹脂は、落雷などによる通電
による損傷を低減するので安全上好ましい。
【0021】曲げ疲労においては、樹脂の伸度が影響す
るので、好ましくは、樹脂の伸度は2〜10%の範囲内
であることが好ましい。2%以下であると繊維より先に
樹脂自体が疲労する可能性があり、10%以上であると
クリープする可能性があるからである。尚、樹脂の伸度
はJIS−K7113により求める。
【0022】伸度を上記範囲にする手段として、エポキ
シ樹脂系の熱硬化樹脂において、硬化剤を柔軟な構造の
ものにしたり硬化温度を低下させるなどして、架橋点間
距離を大きくしたり架橋密度を小さくしたりすることが
有効である。また、FRP中のボイド量を5%以下に抑
えることでも繊維強化樹脂層の伸度が増大して、曲げ疲
労寿命が向上するので好ましい。ボイド量が3%以下に
なるとさらに伸度が向上して、より好ましい。尚、ボイ
ド量はJIS−K7053またはJIS−K7075に
より求められる。尚、熱応力を低減する必要がある場合
には、室温(10℃〜40℃)硬化タイプの樹脂が好ま
しい。層A、層Bの樹脂に対する補強繊維の体積含有率
は、40%以上80%未満であることが好ましい。体積
含有率はJIS−K7052またはJIS−K7075
により測定できる。
【0023】次に、本発明のFRP製ブレード構造体の
製造方法としては、プリプレグ法、レジントランスファ
ーモールディング(RTM)法、引抜き法、フィラメン
トワインド法、ハンドレイアップ法等の公知のあらゆる
成形技術を用いることができる。中でも、補強繊維の強
度を発現させ、曲げ疲労特性を向上させるためには、プ
リプレグ法、RTM法および引抜き法が好ましい。プリ
プレグ法というのは、補強繊維に樹脂を含浸させたシー
ト状のプリプレグ(中間基材)を積層(層状に積み重ね
る)して、加熱または非加熱で樹脂を硬化させる成形法
である。通常、硬化あるいは積層時に圧力を負荷する。
RTM法とは、プリフォームと呼ばれる織物やマット状
物などの補強繊維からなる基材を所定の型内にセット
し、未硬化の樹脂を流し込んで、加熱又は非加熱で賦形
/硬化させる成形法である。引抜き法とは、補強繊維を
引揃え、樹脂を含侵させた後、型に引込み賦形/硬化さ
せ連続的に成形する方法である。本発明の炭素繊維強化
樹脂層を引抜き法で成形した板、ロッド状の成形体を埋
込、RTM法、ハンドレイアップ法等の成形法と組み合
わせて、形成しても良い。その際、板厚は2mm〜6m
m、幅は10mm〜100mmが成形上好ましい。
【0024】
【実施例】図1〜3のブレード1において、ブレード全
長(W)を263mm、ブレード厚み(T)を56mm
とし、スパー9として、PAN系の炭素繊維(強度49
0MPa、弾性率235GPa、ねじり弾性率25GP
a、伸度2%、比重1.8)とエポキシ樹脂(樹脂伸度
4%、体積固有抵抗5.7×1015Ω・cm)からなるプ
リプレグ(炭素繊維の体積含有率60%)、およびガラ
ス繊維(強度160MPa、弾性率75GPa、伸度
2.1%、比重2.5)プリプレグ(繊維体積含有率5
5%)を積層して、長さ3mのボックス断面形状のもの
を得た。
【0025】本スパー9の上下フランジ部10は、とも
に厚み(Tf)が5mm、幅(Wf)が100mm、ウ
エブ部11の厚みが5mm、全高さを50mmとした
(よって、Wf/Wは0.38、2Tf/Tは0.18
である。)。
【0026】フランジ部10の積層構成は、下スキン8
側より、厚み0.5mm、ガラス繊維の配列角度0度の
層15と、連続して厚み3mm、炭素繊維の配列角度0
度の層14に相当)、連続して厚み0.5mm、ガラス
繊維の配列角度0度の層15と、さらに連続して厚み1
mm、炭素繊維の配列角度±45度の層16とした。
【0027】本スパー9を静的強度の70%のたわみ量
で3点曲げ疲労試験(測定法:JIS K7118、K
7082に準拠、測定スパン:2.5m)をしたとこ
ろ、サイクル数106回後も曲げ剛性の低下はみられな
かった。また、上下フランジ10とも14層と15層の
間に剥離などの異常は認められなかった。
【0028】ガラス繊維強化樹脂で、3mmの厚みとな
るように、別途積層成形した外皮(前縁部5、およびス
キン7、8)に、上記の構成で成形したスパー9を接着
剤により一体化し23m長さのブレードを製作したとこ
ろ全ガラス繊維製ブレードより34%の軽量化が達成で
きた。
【0029】比較例 実施例1において、層15のガラス繊維の配列角度を9
0度として、実施例と全く同様にして曲げ疲労試験した
ところ、サイクル数105回で下部フランジ(引張側)
の層15中にクラックが認められ、106回後には曲げ
剛性が90%に低下した。その原因は高伸度繊維強化樹
脂層による応力緩和の効果が発現しないためであると考
えられる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の繊維強化
樹脂製風車ブレード構造体は、ブレード全体の長さと厚
みに対して、フランジ部の幅およびフランジ部の炭素繊
維強化樹脂層の厚みを適正な範囲内に規定したので、ブ
レード重量の最適化を達成でき、その結果、曲げ剛性と
曲げ疲労強度を確保した状態でより一層の軽量なブレー
ド構造体が得られる。さらに、フランジ部の炭素繊維強
化樹脂層とガラス繊維強化樹脂層を交互に積層して一体
化することにより、ブレード構造体の曲げ強度および曲
げ疲労寿命が大幅に向上し、長寿命の風車ブレード構造
体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維強化樹脂製風車ブレード構造体の
一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の繊維強化樹脂製風車ブレード構造体の
ブレード長方軸に直角な方向における横断面図である。
【図3】図2の上フランジ部の部分断面図である。
【図4】本発明において、ブレードの厚みを一定にした
場合に、フランジ部の幅を横軸にとり、フランジ部の複
合層の厚みを変化させたときのブレードの重量を縦軸に
とったグラフである。
【符号の説明】
1:ブレード 2:ブレードの長手軸 3:ブレードの付け根部の断面重心 4:ブレード長さの1/2における断面重心 5:前縁部 6:後縁部 7:上スキン 8:下スキン 9:スパー 10:フランジ部 11:ウェブ部 12:補強繊維 13:樹脂 14:炭素繊維層層 15:ガラス繊維層 16:炭素繊維層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29C 67/14 U Fターム(参考) 3H078 BB12 CC02 4F072 AA07 AB09 AB10 AD08 AD23 AD38 AG03 AH02 AL09 4F205 AA39 AA41 AA43 AG09 AG26 AG27 AH04 HA19 HA33 HA35 HA45 HB01 HC16 HC17 HL13 HL14 HT02 HT26 HW02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平方向の幅(W)と垂直方向の厚み
    (T)を有する繊維強化樹脂製の中空翼形状断面のブレ
    ードの内部に、桁材であるフランジ部が設けられた風車
    用ブレード構造体において、 前記フランジ部は、 (A)前記ブレードの断面の重心位置を中心に、水平方
    向に0.2〜0.5(W)の範囲内の幅(Wf)を有す
    るとともに、 (B)前炭素繊維強化樹脂層と、伸度が2〜6%の範囲
    内の高伸度繊維強化樹脂層とが交互に積層されてなる複
    合層で構成されており、かつ (C)該複合層の総厚み(2Tf)が、前記ブレードの
    厚み(T)の10〜30%の範囲内であることを特徴と
    する繊維強化樹脂製風車ブレード構造体。
  2. 【請求項2】 前記複合層は、その体積の少なくとも7
    0%以上がブレードの長手方向に配向された炭素繊維強
    化樹脂層であって、該炭素繊維強化樹脂層の1層の厚み
    が1〜6mmの範囲内にあり、かつ高伸度繊維強化樹脂
    層の1層の厚みが0.2〜1.5mmの範囲内にあるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の繊維強化樹脂製風車ブ
    レード構造体。
  3. 【請求項3】 前記複合層のマトリックス樹脂の伸度
    は、3%以上、10%未満であることを特徴とする請求
    項1または2に記載の繊維強化樹脂製ブレード構造体。
  4. 【請求項4】 前記フランジ部は、前記ブレードの縦断
    面の形状がボックス状、Cの字状、Iの字状、または板
    状の繊維強化樹脂よりなる桁材であり、前記ブレードの
    長手軸方向に設けられていることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の繊維強化樹脂製風車ブレード構
    造体。
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