JP2002136294A - ヒトケモカインポリペプチド - Google Patents

ヒトケモカインポリペプチド

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JP2002136294A
JP2002136294A JP2001252785A JP2001252785A JP2002136294A JP 2002136294 A JP2002136294 A JP 2002136294A JP 2001252785 A JP2001252785 A JP 2001252785A JP 2001252785 A JP2001252785 A JP 2001252785A JP 2002136294 A JP2002136294 A JP 2002136294A
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ハオドン・リー
Mark D Adams
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒトケモカインポリペプチド、およびそのよ
うなケモカインポリペプチドをコードするDNA(RN
A)、およびそのようなポリペプチドを組換え技術によ
り製造する方法を提供する。 【解決手段】 そのようなケモカインポリペプチドを、
白血病、腫瘍、慢性感染、自己免疫疾患、線維症障害、
創傷治癒および乾癬の処置に利用する方法もまた開示す
る。そのようなケモカインポリペプチドに対するアンタ
ゴニスト、並びに慢性関節リウマチ、自己免疫疾患、お
よび慢性の炎症性疾患、および感染症、アレルギー反
応、プロスタグランジンとは無関係の発熱、骨髄不全を
処置するための治療法としての、それらの使用もまた開
示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、新たに同定されたポリヌクレオ
チド、そのようなポリヌクレオチドによりコードされる
ポリペプチド、そのようなポリヌクレオチドおよびポリ
ペプチドの使用、さらにはまた、そのようなポリヌクレ
オチドおよびポリペプチドの製造に関する。とりわけ、
本発明のポリペプチドは、時として以下で、「Ckβ−
4」および「Ckβ−10」と呼ばれ、「ケモカイン(ch
emokine)ポリペプチド」と総称される、ヒトケモカイン
ベータ−4およびヒトケモカインベータ−10である。
本発明はまた、そのようなポリペプチドの作用を阻害す
ることにも関する。
【0002】ケモカインは、構造上および機能上関係の
ある小さな分泌サイトカインの、出現する(emerging)ス
ーパーファミリーである。ケモカインは全て、アミノ酸
レベルで25〜75%の相同性を示し、また本発明のポ
リペプチドがそうであるように、空間的に保存されたシ
ステイン残基を含む。好中球を活性化するペプチド (N
AP)/IL−8ファミリーとしてもまた知られてい
る、「C−X−C分枝(ブランチ)」(保存されたモチー
フにおける最初の2つのシステインの位置による)のメ
ンバーは、主に好中球(例えば、IL−8およびNAP
−2)に対する作用によって、早期炎症性(pro-inflamma
tory)活性を発揮するが、「C−C分枝(ブランチ)」フ
ァミリーのメンバーは、ある単核細胞を誘引するらし
い。「C−C分枝(ブランチ)」のメンバーには、PF
4、MIP、MCP、および本発明のケモカインポリペ
プチドが含まれる。
【0003】多くの生物学的活性が、このケモカインフ
ァミリーに属するものとされている。マクロファージ炎
症性タンパク質1αおよび1βは、異なったリンパ球集
団(populations)および単球に対して走化性である(Sch
all,T.J.、Cytokine、3:165(1991))が、
MCP−1は、特異的な単球化学誘引物質として記載さ
れている(Matsushima,K.ら、J.Exp.Med.、16
9:1485(1989))。このケモカインファミリ
ーの共通機能は、細胞の異なったセット、例えば、免疫
細胞(白血球)および線維芽細胞の走化性遊走を刺激する
能力である。これらのケモカインはまた、このファミリ
ーにおける、ある細胞を活性化することもできる。
【0004】ケモカインに応答する免疫細胞は、莫大な
数のインビボにおける機能を有することから、そのよう
なケモカインによる調節が、疾患の処置において重要な
分野である。
【0005】例えば、好酸球は、寄生虫を破壊して、寄
生虫感染を減少させる。好酸球はまた、呼吸器系の気道
における慢性炎症の原因でもある。マクロファージに
は、脊椎動物における腫瘍形成を抑える役目がある。さ
らに、好塩基球は、アレルギー性炎症において重要な役
割を担い得るヒタミンを放出する。従って、そのような
細胞を助長する、また阻害することは、広い治療利用を
有する。
【0006】本発明の一態様により、Ckβ−4、およ
びCkβ−10である新規ポリペプチド、さらにはま
た、そのフラグメント、アナログおよび誘導体を提供す
る。本発明のポリペプチドは、ヒト起源である。
【0007】本発明の別の態様により、そのようなポリ
ペプチドをコードするポリヌクレオチド(DNAまたは
RNA)を提供する。
【0008】本発明のまたさらなる態様により、そのよ
うなポリペプチドを組換え技術により製造する方法を提
供する。
【0009】本発明のまたさらなる態様により、そのよ
うなポリペプチド、またはそのようなポリペプチドをコ
ードするポリヌクレオチドを、治療目的に、例えば、固
体(solid)腫瘍、慢性感染、自己免疫疾患、乾癬、喘
息、アレルギーを処置するために、造血を調節するため
に、また創傷治癒を促進するために利用する方法を提供
する。
【0010】本発明のまたさらなる態様により、そのよ
うなポリペプチドに対する抗体を提供する。
【0011】本発明のまた別の態様により、例えば、自
己免疫疾患、慢性炎症および感染症、ヒスタミンにより
媒介されるアレルギー反応、プロスタグランジンとは無
関係の発熱、骨髄不全、珪肺症、サルコイドーシス、過
エオシン好性症候群および肺炎症の処置において、その
ようなポリペプチドの作用を阻害するために使用するこ
とができる、そのようなポリペプチドに対するアンタゴ
ニスト/インヒビターを提供する。
【0012】本発明のこれらの態様および他の態様は、
本明細書中の教示から当業者に明らかであろう。
【0013】以下の図面は、本発明の態様を説明するも
のであって、請求の範囲により包含される本発明の範囲
を限定しようとするものではない。第1図は、Ckβ−
4のcDNA配列および対応する推定アミノ酸配列を示
す。最初の24個のアミノ酸はCkβ−4の推定リーダ
ー配列を示すことから、推定される成熟ポリペプチドは
72個のアミノ酸を含んでなる。アミノ酸に関する標準
的な1文字略号を使用する。第2図は、Ckβ−10のc
DNA配列および対応する推定アミノ酸配列を示す。最
初の23個のアミノ酸はCkβ−10の推定されるリー
ダー配列を示すことから、推定される成熟ポリペプチド
は75個のアミノ酸を含んでなる。アミノ酸に関する標
準的な1文字略号を使用する。第3図は、Ckβ−4と
エオタキシン(eotaxin)の成熟ペプチド(下段)との間の
アミノ酸配列の相同性を示す。第4図は、Ckβ−10
(上段)とヒトMCP−3(下段)との間のアミノ酸配列の
相同性を示す。
【0014】本発明の一態様により、第1図の推定アミ
ノ酸配列を有する成熟Ckβ−4ポリペプチド、または
1994年7月29日にATCC寄託番号第75848
号として寄託されたクローンのcDNAによりコードさ
れる成熟ポリペプチド、および第2図の推定アミノ酸配
列を有する成熟Ckβ−10ポリペプチド、または19
94年7月29日にATCC寄託番号第75849号と
して寄託されたクローンのcDNAによりコードされる
成熟ポリペプチドをコードする、単離された核酸(ポリ
ヌクレオチド)を提供する。
【0015】Ckβ−4をコードするポリヌクレオチド
は、ヒト胆嚢から得られたcDNAライブラリー中で発
見された。Ckβ−4は、構造的上、ケモカインファミ
リーに関係がある。それは、116個のアミノ酸残基の
タンパク質をコードするオープンリーディングフレーム
を含み、このうち、最初の約24個のアミノ酸残基は推
定されるリーダー配列であることから、成熟タンパク質
は92個のアミノ酸を含んでなる。そのタンパク質は、
エオタキシンに対し、コード配列全体にわたり、20%
の同一性および37%の類似性をもって、最も高い程度
の相同性を示す。ケモカインにおける4つの空間的に保
存されたシステイン残基が、本発明のポリペプチドにお
いて見い出されることもまた重要である。
【0016】Ckβ−10をコードするポリヌクレオチ
ドは、9週の初期ヒト組織から得られたcDNAライブ
ラリー中で発見された。Ckβ−10は、構造的上、ケ
モカインファミリーに関係がある。それは、98個のア
ミノ酸残基のタンパク質をコードするオープンリーディ
ングフレームを含み、このうち、最初の約23個のアミ
ノ酸残基は推定されるリーダー配列であることから、成
熟タンパク質は75個のアミノ酸を含んでなる。そのタ
ンパク質は、MCP−3に対し、コード配列全体にわた
り、65%の同一性および77%の類似性をもって、最
も高い程度の相同性を示す。
【0017】本発明のポリヌクレオチドは、RNAの形
で、またはDNAの形であり得、このDNAには、cD
NA、ゲノムDNA、および合成DNAが含まれる。該
DNAは、二本鎖または一本鎖であり得、また一本鎖で
あるなら、コード鎖または非コード(アンチ−センス)鎖
であり得る。成熟ポリペプチドをコードするコード配列
は、第1図および第2図に示すコード配列または寄託さ
れたクローンのコード配列と同じであってよく、あるい
は遺伝コードの重複または縮重の結果として、第1図お
よび第2図のDNAまたは寄託されたcDNAと同じ成
熟ポリペプチドをコードする異なったコード配列であっ
てもよい。
【0018】第1図および第2図の成熟ポリペプチドま
たは寄託されたcDNAによりコードされる成熟ポリペ
プチドをコードするポリヌクレオチドには、以下のもの
が含まれ得る:成熟ポリペプチドのコード配列のみ;成
熟ポリペプチドのコード配列、およびリーダーもしくは
分泌配列またはプロタンパク質配列といったような付加
的コード配列;成熟ポリペプチドのコード配列(また場
合により、付加的コード配列)、および成熟ポリペプチ
ドのコード配列のイントロンまたは非コード配列5'お
よび/または3'といったような非コード配列。
【0019】従って、「ポリペプチドをコードするポリ
ヌクレオチド」という用語は、ポリペプチドのコード配
列のみが含まれるポリヌクレオチド、さらにはまた、付
加的コードおよび/または非コード配列が含まれるポリ
ヌクレオチドを包含する。
【0020】本発明はさらに、第1図および第2図の推
定アミノ酸配列を有するポリペプチドまたは寄託された
クローンのcDNAによりコードされるポリペプチドの
フラグメント、アナログおよび誘導体をコードする、上
記のポリヌクレオチドの変異体に関する。ポリヌクレオ
チドの変異体は、ポリヌクレオチドの天然に存在するア
レル変異体またはポリヌクレオチドの天然には存在しな
い変異体であり得る。
【0021】従って、本発明には、第1図および第2図
に示すのと同じ成熟ポリペプチドまたは寄託されたクロ
ーンのcDNAによりコードされる同じ成熟ポリペプチ
ドをコードするポリヌクレオチド、さらにはまた、その
ようなポリヌクレオチドの変異体が含まれ、これらの変
異体は、第1図および第2図のポリペプチドまたは寄託
されたクローンのcDNAによりコードされるポリペプ
チドのフラグメント、誘導体またはアナログをコードす
る。そのようなヌクレオチド変異体には、欠失変異体、
置換変異体並びに付加および挿入変異体が含まれる。
【0022】先に示したように、該ポリヌクレオチド
は、第1図および第2図に示すコード配列の天然に存在
するアレル変異体または寄託されたクローンのコード配
列の天然に存在するアレル変異体であるコード配列を有
し得る。当業界で知られているように、アレル変異体
は、1つまたはそれ以上のヌクレオチドの置換、欠失ま
たは付加を有し得る別の形のポリヌクレオチド配列であ
り、これは、コードされるポリペプチドの機能を実質的
には変えない。
【0023】本発明にはまた、成熟ポリペプチドのコー
ド配列が、宿主細胞からのポリペプチドの発現および分
泌を助けるポリヌクレオチド配列、例えば、細胞からの
ポリペプチドの輸送を制御するための分泌配列として機
能するリーダー配列に、同じ読み枠内で融合し得るポリ
ヌクレオチドも含まれる。リーダー配列を有するポリペ
プチドがプレタンパク質であり、また宿主細胞により切
断されて、成熟型のポリペプチドを形成したリーダー配
列を有することがある。該ポリヌクレオチドはまた、付
加的5'アミノ酸残基を加えた成熟タンパク質であるプ
ロタンパク質もコードし得る。プロ配列を有する成熟タ
ンパク質がプロタンパク質であり、また不活性型のタン
パク質である。プロ配列が一度切断されると、活性成熟
タンパク質が残る。
【0024】従って、例えば、本発明のポリヌクレオチ
ドは、成熟タンパク質、またはプロ配列を有するタンパ
ク質、またはプロ配列およびプレ配列(リーダー配列)の
両方を有するタンパク質をコードし得る。
【0025】本発明のポリヌクレオチドはまた、本発明
のポリペプチドの精製を可能とするマーカー配列に枠内
で融合したコード配列も有し得る。細菌宿主の場合に
は、そのマーカー配列は、マーカーに融合した成熟ポリ
ペプチドの精製を提供するための、pQE−9ベクター
により与えられるヘキサ−ヒスチジンタグ(tag)であっ
てよく、または、例えば、哺乳動物宿主、例えば、CO
S−7細胞を使用する場合には、そのマーカー配列は、
赤血球凝集素(HA)タグであってよい。HAタグは、イ
ンフルエンザ赤血球凝集素タンパク質から得られるエピ
トープに対応する(Wilson,I.ら、Cell、37:76
7(1984))。
【0026】本発明はさらに、配列間に少なくとも50
%、また好ましくは70%の同一性がある場合に、上記
の配列にハイブリダイズするポリヌクレオチドに関す
る。本発明は特に、ストリンジェント条件下、上記のポ
リヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチド
に関する。本明細書中で使用する場合、「ストリンジェ
ント条件」という用語は、配列間に少なくとも95%、
また好ましくは少なくとも97%の同一性がある場合に
のみ、ハイブリダイゼーションが起こるであろうことを
意味する。好ましい態様では、上記のポリヌクレオチド
にハイブリダイズするポリヌクレオチドは、第1図およ
び第2図のcDNAまたは寄託されたcDNAによりコー
ドされる成熟ポリペプチドと同じ生物学的機能または活
性を実質的には保有するポリペプチドをコードする。
【0027】本明細書中で言う寄託は、特許手続上の微
生物の寄託の国際承認に関するブダペスト条約の条件の
下に保持されるであろう。これらの寄託は、単に当業者
への便宜として与えられるものであって、寄託が35
U.S.C. §112下に要求されることを承認するもの
ではない。寄託された物質中に含まれるポリヌクレオチ
ドの配列、さらにはまた、それによりコードされるポリ
ペプチドのアミノ酸配列は、本明細書の一部を構成し
て、本明細書中の配列のいずれかの記載と矛盾する際は
いつでも照合している。寄託された物質を製造し、使用
し、または販売するには、実施許諾が要求され得、また
そのような実施許諾は、ここでは付与されない。
【0028】本発明はさらに、第1図および第2図の推
定アミノ酸配列を有する、または寄託されたcDNAに
よりコードされるアミノ酸配列を有するケモカインポリ
ペプチド、さらにはまた、そのようなポリペプチドのフ
ラグメント、アナログおよび誘導体に関する。
【0029】第1図および第2図のポリペプチドまたは
寄託されたcDNAによりコードされるポリペプチドを
示す場合、「フラグメント」、「誘導体」および「アナ
ログ」という用語は、そのようなポリペプチドと実質的
に同じ生物学的機能または活性を保有するポリペプチド
を意味する。従って、アナログには、プロプロテイン部
分を切断することにより活性化して、活性な成熟ポリペ
プチドを製造することができるプロプロテインが含まれ
る。
【0030】本発明のケモカインポリペプチドは、組換
えポリペプチド、天然ポリペプチドまたは合成ポリペプ
チド、好ましくは組換ポリペプチドであってよい。
【0031】第1図および第2図のポリペプチドまたは
寄託されたcDNAによりコードされるポリペプチドの
フラグメント、誘導体またはアナログは、(i)1つま
たはそれ以上のアミノ酸残基が同型または非同型アミノ
酸残基(好ましくは、同型アミノ酸残基)で置換されてお
り、またそのような置換アミノ酸残基が遺伝コードによ
りコードされるものであってもよく、またはコードされ
たものでなくてもよいもの、(ii)1つまたはそれ以上
のアミノ酸残基に置換基が含まれるもの、または(ii
i)成熟ポリペプチドが、該ポリペプチドの半減期を増
加させる化合物(例えば、ポリエチレングリコール)のよ
うな、他の化合物と融合しているもの、または(iv)リ
ーダーもしくは分泌配列、または成熟ポリペプチドの精
製に使用される配列、またはプロプロテイン配列といっ
たような、付加的アミノ酸が成熟ポリペプチドに融合し
ているものであり得る。そのようなフラグメント、誘導
体およびアナログは、本明細書中の教示から当業者の範
囲内であると思われる。
【0032】本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオ
チドは、単離された形で提供されるのが好ましく、好ま
しくは、均一となるまで精製される。
【0033】「単離された」という用語は、物質がその
元の環境(例えば、それが天然に存在するなら、天然の
環境)から除去されていることを意味する。例えば、生
きている動物にある天然に存在するポリヌクレオチドま
たはポリペプチドは単離されていないが、天然の系にお
ける共存物質のいくつかまたは全てから分離された同じ
ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されてい
る。そのようなポリヌクレオチドはベクターの部分とな
り得、および/またはそのようなポリヌクレオチドまた
はポリペプチドは組成物の部分となり得、またそのよう
なベクターまたは組成物はその天然の環境の部分ではな
いという点で、なお単離されている。
【0034】本発明はまた、本発明のポリヌクレオチド
が含まれるベクター、本発明のベクターで遺伝的に操作
された宿主細胞、および本発明のポリペプチドの組換え
技術による製造にも関する。
【0035】宿主細胞は、例えば、クローニングベクタ
ーまたは発現ベクターであり得る本発明のベクターで遺
伝的に操作される(トランスデュースされ、またはトラ
ンスフォームされ、またはトランスフェクトされる)。
該ベクターは、例えば、プラスミド、ウイルス粒子、フ
ァージ等の形であり得る。操作された宿主細胞は、プロ
モーターを活性化し、トランスフォーマントを選択し、
またはCkβ−4およびCkβ−10遺伝子を増幅するの
に適するよう改変された従来の栄養培地で培養すること
ができる。温度、pH等といったような培養条件は、発
現用に選択された宿主細胞で先に使用した培養条件であ
って、当業者に明らかであろう。本発明のポリヌクレオ
チドは、ペプチドを組換え技術により製造するのに使用
することができる。従って、例えば、該ポリヌクレオチ
ドを、ポリペプチドを発現するための様々な発現ベクタ
ーのいずれか1つに含ませることができる。そのような
ベクターには、染色体、非染色体および合成DNA配
列、例えば、SV40の誘導体;細菌プラスミド;ファ
ージDNA;バキュロウイルス;酵母プラスミド;プラ
スミドとファージDNAとの組合せから得られるベクタ
ー;ワクシニア、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性
狂犬病といったようなウイルスDNAが含まれる。しか
し、他のいずれのベクターも、それが宿主中で複製可能
であって、生存可能である限り、使用することができ
る。
【0036】適当なDNA配列を様々な方法によりベク
ターに挿入することができる。一般には、DNA配列を
当業界で既知の方法により適当な制限エンドヌクレアー
ゼ部位に挿入する。そのような方法および他の方法は、
当業者の範囲内であると思われる。
【0037】発現ベクターのDNA配列を、適当な発現
制御配列(プロモーター)に作動可能に結合し、mRNA
合成を行わせる。そのようなプロモーターの代表例とし
て、以下のものが挙げられる:LTRまたはSV40プ
ロモーター、E.coli. lacまたはtrp、ファージラムダ
プロモーター、および原核もしくは真核細胞または
それらのウイルスでの遺伝子の発現を制御することが知
られている他のプロモーター。発現ベクターはまた、翻
訳開始のためのリボソーム結合部位および転写終結区も
含む。該ベクターはまた、発現を増幅するのに適当な配
列も含み得る。さらに、発現ベクターは、真核細胞培養
の場合にはジヒドロフォレートレダクターゼまたはネオ
マイシン耐性といったような、またはE.coliではテト
ラサイクリンまたはアンピシリン耐性といったような、
トランスフォームされた宿主細胞の選択のための表現型
特性を与えるために、1つまたはそれ以上の選択可能な
マーカー遺伝子を含むのが好ましい。
【0038】上記のような適当なDNA配列、さらには
また、適当なプロモーターまたは制御配列を含むベクタ
ーを、適当な宿主をトランスフォームするために使用し
て、その宿主がタンパク質を発現するのを可能にするこ
とができる。
【0039】適当な宿主の代表例として、以下のものが
挙げられる:E.coliStreptomycesSalmonella ty
phimuriumといったような細菌細胞;酵母のような真菌
細胞;DrosophilaおよびSf9といったような昆虫細
胞;CHO、COSまたはBowesメラノーマといったよ
うな動物細胞;植物細胞等。適当な宿主の選択は、本明
細書中の教示から当業者の範囲内であると思われる。
【0040】とりわけ、本発明にはまた、先に広く記載
した配列を1つまたはそれ以上含んでなる組換え構築物
も含まれる。その構築物は、本発明の配列が順または逆
方向で挿入されている、プラスミドまたはウイルスベク
ターといったようなベクターを含んでなる。この実施態
様の好ましい態様では、該構築物はさらに、例えば、該
配列に作動可能に結合したプロモーターを含め、制御配
列を含んでなる。適当なベクターおよびプロモーターが
多数、当業者に知られていて、市販されている。以下の
ベクターを例として挙げる。細菌用: pQE70、pQE
60、pQE−9(Qiagen)、pBS、pD10、ファージ
スクリプト(phagescript)、psiX174、pbluescript
SK、pbsks、pNH8A、pNH16a、pNH18A、p
NH46A(Stratagene);ptrc99a、pKK223−
3、pKK233−3、pDR540、pRIT5(Pharm
acia)。真核生物用: pWLNEO、pSV2CAT、pO
G44、pXT1、pSG(Stratagene)、pSVK3、p
BPV、pMSG、pSVL(Pharmacia)。しかし、他の
いずれのプラスミドまたはベクターも、それらが宿主中
で複製可能であって、生存可能である限り、使用するこ
とができる。
【0041】プロモーター領域は、CAT(クロラムフ
ェニコールトランスフェラーゼ)ベクターまたは選択マ
ーカーを有する他のベクターを用いて、いずれかの所望
の遺伝子から選択することができる。2つの適当なベク
ターは、PKK232−8およびPCM7である。個々
に名付けられた細菌プロモーターには、lacI、lacZ、
T3、T7、gpt、ラムダP、Pおよびtrpが含まれ
る。真核プロモーターには、CMV即時初期(immediate
early)、HSVチミジンキナーゼ、初期および後期S
V40、レトロウイルス由来のLTR、およびマウスの
メタロチオネイン−Iが含まれる。適当なベクターおよ
びプロモーターの選択は、十分、当業者のレベルの範囲
内である。
【0042】さらなる態様では、本発明は、上記の構築
物を含む宿主細胞に関する。その宿主細胞は、哺乳動物
細胞のような高等真核細胞、酵母細胞のような低等真核
細胞であり得、または該宿主細胞は、細菌細胞のような
原核細胞であり得る。構築物の宿主細胞への導入は、リ
ン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキ
ストラン媒介トランスフェクションまたはエレクトロポ
レーションにより行うことができる。(Davis,L.、Di
bner,M.、Battey,L.、Basic Methods inMolecula
r Biology(1986))。
【0043】宿主細胞中の構築物を通常の方法で使用し
て、組換え配列によりコードされる遺伝子産物を製造す
ることができる。あるいはまた、本発明のポリペプチド
は、従来のペプチド合成装置により合成的に製造するこ
とができる。
【0044】成熟タンパク質は、適当なプロモーターの
制御下、哺乳動物細胞、酵母、細菌、または他の細胞中
で発現させることができる。そのようなタンパク質を、
本発明のDNA構築物から得られるRNAを用いて製造
するために、無細胞翻訳系もまた使用することができ
る。原核および真核宿主で使用するのに適当なクローニ
ングおよび発現ベクターは、Sambrookら、Molecular
Cloning:A Laboratory Manual, 第2版、Cold S
pring Harbor、ニューヨーク、(1989)により記載
されており、この開示は、本明細書の一部を構成する。
【0045】本発明のポリペプチドをコードするDNA
の高等真核生物による転写は、エンハンサー配列をベク
ターに挿入することにより増加する。エンハンサーは、
プロモーターに作用してその転写を増加させる、通常、
約10〜300bpの、DNAのシス作用性要素である。
例には、bp 100〜270の、複製開始点の後期側に
あるSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期
プロモーターエンハンサー、複製開始点の後期側にある
ポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハ
ンサーが含まれる。
【0046】通例、組換え発現ベクターには、複製開始
点、および宿主細胞のトランスフォーメーションを可能
にする選択可能なマーカー、例えば、E.coliのアンピ
シリン耐性遺伝子およびS.cerevisiae TRP1遺伝
子、並びに下流の構造配列の転写を行わせるために高度
に発現される遺伝子から得られるプロモーターが含まれ
るであろう。そのようなプロモーターは、とりわけ、3
−ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)のような解糖系
酵素、α因子、酸性ホスファターゼ、または熱ショック
タンパク質をコードするオペロンから得ることができ
る。ヘテロロガス構造配列は、翻訳開始および終結配
列、また好ましくは、翻訳されたタンパク質の細胞周辺
腔または細胞外媒体への分泌を行わせることができるリ
ーダー配列と共に、適当な相(phase)で構築される。場
合により、そのヘテロロガス配列は、所望の特性、例え
ば、発現された組換え生成物の安定化または精製の簡易
化を与えるN−末端同定ペプチドが含まれる融合タンパ
ク質をコードすることができる。
【0047】細菌で使用するのに有用な発現ベクター
は、所望のタンパク質をコードする構造DNA配列を、
適当な翻訳開始および終結シグナルと共に、機能的なプ
ロモーターを有する作動可能なリーディング相に挿入す
ることにより構築される。そのベクターは、ベクターの
維持を確実なものとするために、また所望により、宿主
内での増幅を与えるために、1つまたはそれ以上の表現
型の選択可能なマーカーおよび複製開始点を含んでなる
であろう。トランスフォーメーションに適当な原核宿主
には、E.coliBacillus subtilisSalmonella typ
himurium、並びにPseudomonas属、Streptomyces属、
およびStaphylococcus属の範囲内の様々な種が含まれ
るが、他のものもまた、選択物質として使用することが
できる。
【0048】代表的であるが、非限定的な例として、細
菌で使用するのに有用なベクターは、周知のクローニン
グベクター pBR322(ATCC 37017)の遺伝
要素を含んでなる市販のプラスミドから得られる、選択
可能なマーカーおよび細菌の複製開始点を含んでなり得
る。そのような市販のベクターには、例えば、pKK2
23−3(Pharmacia Fine Chemicals、Uppsala、ス
ウェーデン)およびpGEM1(Promega Biotec、Madi
son、WI、米国)が含まれる。これらのpBR322「骨
核」部分を適当なプロモーターおよび発現されるべき構
造配列と組み合わせる。
【0049】適当な宿主株をトランスフォーメーション
して、その宿主株を適当な細胞密度まで増殖させた後、
選択されたプロモーターを適当な方法(例えば、温度シ
フトまたは化学誘導)により誘導して、細胞をさらなる
期間培養する。
【0050】細胞を、一般的には、遠心分離により収集
し、物理的または化学的方法により破壊して、その結果
得られた粗製の抽出物を更なる精製のために保有する。
【0051】タンパク質の発現に使用される微生物細胞
は、凍結−解凍サイクル、音波処理、機械的破壊、また
は細胞溶解剤の使用を含め、いずれの従来法によっても
破壊でき、そのような方法は、当業者に周知である。
【0052】組換えタンパク質を発現させるために、様
々な哺乳動物細胞培養系もまた使用することができる。
哺乳動物発現系の例には、Gluzman、Cell、23:1
75(1981)により記載されている、サルの腎臓線
維芽細胞のCOS−7系、および適合可能なベクターを
発現させることができる他の細胞系、例えば、C12
7、3T3、CHO、HeLaおよびBHK細胞系が含ま
れる。哺乳動物発現ベクターは、複製開始点、適当なプ
ロモーターおよびエンハンサー、またいずれかの必要な
リボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライス
ドナーおよびアクセプター部位、転写終結配列、および
5'に隣接する非転写配列もまた含んでなるであろう。
SV40のスプライシングから得られるDNA配列、お
よびポリアデニル化部位を使用して、必要とされる非転
写遺伝要素を与えることができる。
【0053】ケモカインポリペプチドは、硫酸アンモニ
ウムまたはエタノール沈降、酸抽出、陰イオンまたは陽
イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロ
マトグラフィー、疎水的相互作用クロマトグラフィー、
アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパ
タイトクロマトグラフィー、およびレクチンクロマトグ
ラフィーが含まれる方法により、組換え細胞培養物から
回収して、精製することができる。必要に応じて、タン
パク質の再生工程を、成熟タンパク質の立体配置を完成
するのに使用することができる。最後に、高性能液体ク
ロマトグラフィー(HPLC)を最終精製工程に使用する
ことができる。
【0054】本発明のケモカインポリペプチドは、天然
に精製された産物、もしくは化学合成法の産物であり得
るか、または原核もしくは真核宿主から(例えば、培養
物中の細菌、酵母、高等植物、昆虫および哺乳動物細胞
によって)組換え技術により製造することができる。組
換え製造方法で使用する宿主により、本発明のポリペプ
チドは、グリコシル化され得るか、またはグルコシル化
され得ない。本発明のポリペプチドにはまた、最初のメ
チオニンアミノ酸残基が含まれ得る。
【0055】ケモカインポリペプチドは、癌の化学療法
の間の、また白血病に対する補助的保護処置として、骨
髄幹細胞のコロニー形成を阻害するために使用すること
ができる。
【0056】該ケモカインポリペプチドはまた、ケラチ
ノサイトの過増殖により特徴付けられる乾癬の処置とし
て、表皮ケラチノサイト増殖を阻害するために使用する
こともできる。
【0057】該ケモカインポリペプチドはまた、宿主防
御細胞、例えば、細胞障害性T細胞およびマクロファー
ジの侵入および活性化を刺激することにより、固形腫瘍
を処置するために使用することもできる。それらはま
た、耐性の慢性感染、例えば、ミコバクテリア白血球の
誘引および活性化によるミコバクテリア感染に対する宿
主防御を高めるために使用することもできる。
【0058】該ケモカインポリペプチドはまた、IL2
の生合成阻害によってT細胞の増殖を阻害することによ
り、自己免疫疾患およびリンパ性白血病を処置するため
に使用することもできる。
【0059】Ckβ−4およびCkβ−10はまた、デブ
リ(debris)をクリアリングする、また結合組織を促進す
る炎症性細胞の漸増によって、また過剰のTGFβによ
り媒介される線維症の制御によっても、創傷治癒におい
て使用することもできる。これと同じ方法で、Ckβ−
4およびCkβ−10をまた、肝硬変、変形性関節症お
よび肺線維症が含まれる、他の線維症障害を処置するた
めに使用することもできる。該ケモカインポリペプチド
はまた、住血吸虫症、旋毛虫症および回虫症でのよう
に、組織に侵入する寄生虫の幼虫を殺すという、特徴の
ある機能を有する好酸球の存在も増加させる。それらは
また、様々な造血始原細胞の活性化および分化を調節す
ることにより、造血を調節するために使用することもで
きる。
【0060】ケモカインポリペプチドはまた、脈管形成
のインヒビターとして使用することもでき、従って、そ
れらは抗腫瘍効果を有する。
【0061】本発明のケモカインポリペプチドはまた、
同様の生物学的活性を有する他の分子を同定するのにも
有用である。このことに関するスクリーニングの例は、
既知のDNA配列を使用してオリゴヌクレオチドプロー
ブを合成することにより、遺伝子のコード領域を単離す
ることである。本発明の遺伝子の配列に相補的な配列を
有する標識化オリゴヌクレオチドを、ヒトのcDNA、
ゲノムDNAまたはmRNAのライブラリーをスクリー
ニングするために使用して、ライブラリーのどのメンバ
ーにプローブがハイブリダイズするかを決定する。
【0062】本発明はまた、変化したレベルのポリペプ
チド、またはそのようなポリペプチドに関するメッセー
ジを提供するmRNAを定量的かつ定性的に検出するた
めの診断用アッセイにも関する。そのようなアッセイは
当業界で周知であり、またELISAアッセイ、ラジオ
イムノアッセイおよびRT−PCRが含まれる。該アッ
セイにおいて検出されるポリペプチド、またはそれらの
mRNAのレベルは、様々な疾患におけるポリペプチド
の意義の解明に、また変化したレベルのポリペプチドが
重要となり得る疾患の診断に使用することができる。
【0063】本発明は、ポリペプチドに対する受容体の
同定方法を提供する。該受容体をコードする遺伝子は、
発現クローニングにより同定することができる。ポリア
デニル化RNAを該ポリペプチドに応答する細胞から調
製して、このRNAから作られるcDNAライブラリー
をプールに分けて、COS細胞または該ポリペプチドに
応答しない他の細胞をトランスフェクトするために使用
する。ガラススライド上で増殖させた、トランスフェク
トされた細胞を、標識化ポリペプチドにさらす。該ポリ
ペプチドは、ヨウ素化または部位特異的プロテインキナ
ーゼに対する認識部位の包含を含め、様々な方法により
標識化することができる。固定およびインキュベーショ
ンに続いて、そのスライドをオートラジオグラフ分析に
かける。陽性のプールを同定して、サブプールを調製
し、反復サブプーリングおよび再スクリーニング方法を
利用して、再びトランスフェクトし、最終的には、推定
される受容体をコードする単一クローンを得る。受容体
を同定するための他の方法として、標識化ポリペプチド
を細胞膜と光親和性により結合させるか、または受容体
分子を発現する調製物を抽出することができる。橋かけ
(cross-linked)物質をPAGE分析により分けて、X線
フィルムにさらす。該ポリペプチドの受容体を含む標識
化複合体を切除し、ペプチドフラグメントに分けて、タ
ンパク質ミクロ配列決定にかけることができる。ミクロ
配列決定から得られるアミノ酸配列を使用して、一組の
オリゴヌクレオチドプローブを設計し、cDNAライブ
ラリーをスクリーニングして、推定される受容体をコー
ドする遺伝子が同定されるであろう。
【0064】本発明は、ポリペプチドの、それらの同定
された受容体に対する相互作用を高める(アゴニスト)、
またはブロックする(アンタゴニスト)薬物を同定するた
めに、薬物をスクリーニングする方法を提供する。アゴ
ニストは、該ポリペプチドの天然の生物学的機能を増大
させる化合物であるが、アンタゴニストは、そのような
機能を排除する。例として、該ポリペプチドの受容体を
発現する哺乳動物の細胞または膜調製物が、薬物の存在
下、標識化ケモカインポリペプチド、例えば、放射能と
インキュベートされるであろう。次いで、この相互作用
を高める、またはブロックする、その薬物の能力を測定
することができるであろう。
【0065】可能性のあるアンタゴニストには、抗体、
また幾つかの場合には、ポリペプチドに結合するオリゴ
ヌクレオチドが含まれる。可能性のあるアンタゴニスト
の別の例は、ポリペプチドの負の(negative)優性突然変
異体である。負の優性突然変異体は、野生型のポリペプ
チドの受容体に結合するが、生物学的活性を保有してい
ないポリペプチドである。
【0066】ポリペプチドの負の優性突然変異体を検出
するためのアッセイには、ポリビニルピロリドンを含ま
ないポリカーボネート膜を備えたマルチウエル走化性チ
ャンバーを使用して、可能性のあるアンタゴニスト/イ
ンヒビターまたはアゴニスト分子の存在下および不存在
下、白血球に対するポリペプチドの化学誘引物質能を測
定するという、インビトロにおける走化性アッセイが含
まれる。
【0067】アンチセンス技術を利用して製造されたア
ンチセンス構築物もまた、可能性のあるアンタゴニスト
である。アンチセンス技術を利用して、三重らせん形成
またはアンチセンスDNAもしくはRNAによって遺伝
子発現を制御することができ、この方法は両方とも、ポ
リヌクレオチドのDNAまたはRNAへの結合に基づ
く。例えば、本発明の成熟ポリペプチドをコードする、
ポリヌクレオチド配列の5'コード部分を使用して、長
さ約10〜40塩基対のアンチセンスRNAオリゴヌク
レオチドを設計する。DNAオリゴヌクレオチドを、転
写に関与する遺伝子領域に対して相補的であるよう設計
し(三重らせん−Leeら、Nucl.Acids Res.、6:3
073(1979);Cooneyら、Science、241:
456(1988);およびDervanら、Science、2
51:1360(1991)を参照)、そのことによっ
て、転写およびポリペプチドの産生を妨げる。アンチセ
ンスRNAオリゴヌクレオチドは、インビボにおいてm
RNAにハイブリダイズして、mRNA分子のポリペプ
チドへの翻訳をブロックする(アンチセンス−Okano、
J.Neurochem.、56:560(1991);Oligode
oxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene
Expression、CRC Press、Boca Raton、FL(1
988))。上記のオリゴヌクレオチドをまた、細胞に
送り込むことから、アンチセンスRNAまたはDNAを
インビボにおいて発現させて、ポリペプチドの産生を阻
害することができる。
【0068】別の可能性のあるアンタゴニストは、生物
学的機能を失ってしまってはいるが、それにもかかわら
ず、ポリペプチドの受容体を認識して結合し、それによ
って、その受容体を有効にブロックするポリペプチド
の、自然に、または合成的に修飾されたアナログであ
る、ポリペプチドのペプチド誘導体である。ペプチド誘
導体の例には、これらに限定されるものではないが、小
さなペプチドまたはペプチド様分子が含まれる。
【0069】該アンタゴニストは、自己免疫疾患および
慢性の炎症性疾患および感染症において、マクロファー
ジおよびそれらの前駆体の、並びに好中球、好塩基球、
Bリンパ球および幾つかのT細胞サブセット、例えば、
活性化およびCD8細胞障害性T細胞、並びに天然のキ
ラー細胞の走化性および活性化を阻害するために使用す
ることができる。自己免疫疾患の例には、慢性関節リウ
マチ、多発性硬化症、およびインスリン依存性糖尿病が
含まれる。幾つかの感染症には、単核食細胞の漸増およ
び活性化を妨げることによる珪肺症、サルコイドーシ
ス、特発性肺線維症、好酸球産生および遊走を妨げるこ
とによる特発性過エオシン好性症候群、マクロファージ
の遊走および本発明のケモカインポリペプチドの産生を
妨げることによる内毒素性ショックが含まれる。該アン
タゴニストはまた、動脈壁における単球浸潤を妨げるこ
とにより、アテローム性動脈硬化症を処置するために使
用することもできる。
【0070】該アンタゴニストはまた、ケモカインによ
り誘発されるマスト細胞および好塩基球の脱顆粒、並び
にヒスタミンの放出を阻害することにより、ヒスタミン
により媒介されるアレルギー反応を処置するために使用
することもできる。
【0071】該アンタゴニストはまた、単球の創傷領域
への誘引を妨げることにより、炎症を処置するために使
用することもできる。それらはまた、急性および慢性の
炎症性肺疾患が、肺における単核食細胞の腐骨形成と関
連があることから、正常な肺のマクロファージ数を調節
するために使用することもできる。
【0072】アンタゴニストはまた、患者の関節におい
て単球の滑液中への誘引を妨げることにより、慢性関節
リウマチを処置するために使用することもできる。単球
の流入および活性化は、変性および炎症性関節炎の両方
の病因において重要な役割を担う。
【0073】該アンタゴニストはまた、他の炎症性サイ
トカインの生合成を妨げる、主としてIL−1およびT
NFが原因となる有害なカスケードを妨げるために使用
することもできる。この方法では、該アンタゴニストは
また、炎症を妨げるために使用することもできる。該ア
ンタゴニストはまた、ケモカインにより誘発される、プ
ロスタグランジンとは無関係の発熱を阻止するために使
用することもできる。
【0074】該アンタゴニストはまた、骨髄不全の病
症、例えば、再生不良性貧血および脊髄形成異常症候群
を処置するために使用することもできる。
【0075】該アンタゴニストはまた、肺における好酸
球蓄積を妨げることにより、喘息およびアレルギーを処
置するために使用することもできる。該アンタゴニスト
はまた、薬学上許容され得る担体、例えば、以下に記載
するような担体と共に、組成物中で使用することもでき
る。
【0076】本発明のケモカインポリペプチドおよびア
ゴニストまたはアンタゴニストは、適当な薬学的担体と
組み合わせて使用することができる。そのような組成物
は、治療上有効な量のポリペプチド、および薬学上許容
され得る担体または賦形剤を含んでなる。そのような担
体には、これに限定されるものではないが、生理食塩
水、緩衝化生理食塩水、デキストロース、水、グリセロ
ール、エタノール、およびそれらの組み合わせが含まれ
る。その製剤は、投与方法に適合すべきである。
【0077】本発明はまた、本発明の医薬組成物の成分
を1つまたはそれ以上充填した、1つまたはそれ以上の
容器を含んでなる医薬品パックまたはキットも提供す
る。そのような容器に関連して、薬学的または生物学的
製品の製造、使用または販売を規制する政府当局により
規定された形の通知を付してもよく、この通知は、ヒト
への投与のための製造、使用または販売の、該当局によ
る承認を表わす。さらに、本発明のポリペプチドは、他
の治療化合物と共に使用することができる。
【0078】該医薬組成物は、局所、静脈内、腹腔内、
筋肉内、腫瘍内、皮下、鼻腔内または皮内経路といった
ような、便利な方法で投与することができる。該ポリペ
プチドは、具体的な徴候を治療および/または予防する
のに有効な量で投与される。一般に、該ポリペプチド
は、少なくとも約10μg/kg(体重)の量で投与され、
最も多くの場合、それらは、1日当り約8mg/kg(体重)
を超えない量で投与されるであろう。最も多くの場合、
投与経路および症状等を考慮に入れて、投薬量は、毎日
約10μg/kg〜約1mg/kg(体重)である。
【0079】該ケモカインポリペプチドおよびアゴニス
トまたはアンタゴニストは、「遺伝子治療」と呼ばれる
ことが多い、そのようなポリペプチドのインビボにおけ
る発現により、本発明に従って使用することができる。
【0080】従って、例えば、患者由来の細胞を、エク
スビボにおいてポリペプチドをコードするポリヌクレオ
チド(DNAまたはRNA)で操作した後、操作した細胞
を該ペプチドで処置すべき患者に与える。そのような方
法は、当業界で周知である。例えば、本発明のポリペプ
チドをコードするRNAを含むレトロウイルス粒子の使
用によって、細胞を当業界で既知の方法により操作する
ことができる。
【0081】同様に、例えば、当業界で既知の方法によ
り、ポリペプチドのインビボにおける発現のために、細
胞をインビボにおいて操作することができる。当業界で
知られているように、細胞をインビボにおいて処理し
て、ポリペプチドをインビボにおいて発現させるため
に、本発明のポリペプチドをコードするRNAを含むレ
トロウイルス粒子を製造するための産生細胞を患者に投
与することができる。そのような方法により本発明のポ
リペプチドを投与するためのこれらの方法および他の方
法は、本発明の教示から当業者に明らかであろう。例え
ば、細胞を操作するための発現ビヒクルは、レトロウイ
ルス以外のもの、例えば、適当な運搬ビヒクルと組み合
わせた後、細胞をインビボにおいて操作するために使用
することができるアデノウイルスであってもよい。
【0082】本発明の配列はまた、染色体同定にも有益
である。その配列を個々のヒト染色体上の特定の位置に
対して具体的に標的化して、ハイブリダイズさせること
ができる。そのうえ、現在、染色体上の特定の部位を同
定する必要がある。実際の配列データ(反復多型性)に基
づいた染色体マーキング試薬は、現在、染色***置をマ
ークするのにはほとんど利用できない。本発明によるD
NAの染色体へのマッピングは、それらの配列を病気と
関連する遺伝子と関係づける重要な第一段階である。
【0083】簡単に言えば、cDNA由来のPCRプラ
イマー(好ましくは、15−25bp)を調製することによ
り、配列を染色体にマップすることができる。cDNA
のコンピューター分析を使用して、ゲノムDNA中の1
つ以上のエクソンをスパン(span)しないプライマーを迅
速に選択することから、増幅過程を複雑なものとする。
次いで、これらのプライマーを、個々のヒト染色体を含
む体細胞ハイブリッドのPCRスクリーニングに使用す
る。プライマーに対応するヒト遺伝子を含む、それらの
ハイブリッドのみが、増幅されたフラグメントを与える
であろう。体細胞ハイブリッドのPCRマッピングは、
特定のDNAを特定の染色体に帰属させるための迅速な
方法である。同じオリゴヌクレオチドプライマーを用い
ての本発明を利用して、サブローカリゼーションは、具
体的な染色体または大きいゲノムクローンのプール由来
のフラグメントのパネルを用いる類似の方法で達成する
ことができる。その染色体へマップするのに同様に利用
することができる他のマッピング方法には、in situ ハ
イブリダイゼーション、標識化フロー−ソーティッド(f
low−sorted)染色体を用いてのプレスクリーニング、お
よび染色体特異的cDNAライブラリーを構築するため
のハイブリダイゼーションによるプレセレクションが含
まれる。
【0084】cDNAクローンの、中期染色体スプレッ
ドへの蛍光 in situ ハイブリダイゼーション(FIS
H)を利用して、正確な染色***置を一工程で与えるこ
とができる。この技術は、500または600塩基とい
う短いcDNAで利用することができる;しかし、2,0
00bpより大きいクローンは、簡単な検出に十分なシグ
ナル強度を有する独自の染色***置へ結合する可能性が
高い。FISHは、ESTが得られるクローンの使用を
必要とし、また長ければ長いほどよい。例えば、2,0
00bpが良好であり、4,000はより良好であって、
4,000以上は、恐らく、良好な結果を妥当な時間割
合で得るのに必要ない。この技術の復習には、Verma
ら、Human Chromosomes:a Manual of Basic Tech
niques、Pergamon Press、ニューヨーク(1988)
を参照。
【0085】ある配列が正確な染色***置に一度マップ
されると、染色体上の配列の物理的位置を遺伝マップデ
ータと関連付けることができる。そのようなデータは、
例えば、V.McKusick、Mendelian Inheritance in
Man(Johns Hopkins University Welch Medical
Libraryを介してオンラインで利用できる)に見い出さ
れる。次いで、同じ染色体領域にマップされている遺伝
子と疾患との間の関係を結合分析(物理的に隣接した遺
伝子の共遺伝(coinheritance))によって確認する。
【0086】次に、病気に冒された個体と冒されていな
い個体との間のcDNAまたはゲノム配列の相違を決定
する必要がある。変異が、冒された個体のいくつかまた
は全てにおいて認められるが、いずれの正常な個体にお
いても認められないなら、その変異は疾患の原因となる
ものであるらしい。
【0087】現在、物理的マッピングおよび遺伝的マッ
ピングの分析から、疾患と関連する染色体領域に正確に
局在化したcDNAは、50〜500の可能な原因とな
る遺伝子の1つとなり得るであろう。(これは、1メガ
ベースのマッピング分析および20kb当り1つの遺伝子
を仮定する)。
【0088】ポリペプチド、それらのフラグメントもし
くは他の誘導体、もしくはそれらのアナログ、またはそ
れらを発現する細胞を免疫源として使用して、それらに
対する抗体を製造することができる。これらの抗体は、
例えば、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体であ
り得る。本発明にはまた、キメラ、単鎖、およびヒト化
抗体、さらにはまた、Fabフラグメント、またはFab発
現ライブラリーの生成物も含まれる。当業界で既知の様
々な方法を、そのような抗体およびフラグメントの製造
に使用することができる。
【0089】本発明の配列に対応するポリペプチドに対
して生成される抗体は、ポリペプチドを動物に直接注入
することにより、またはポリペプチドを動物、好ましく
はヒトでない動物に投与することにより得ることができ
る。次いで、そのようにして得られた抗体は、そのポリ
ペプチド自体に結合するであろう。この方法では、ポリ
ペプチドのフラグメントのみをコードする配列さえも、
完全な天然のポリペプチドを結合する抗体を製造するの
に使用することができる。次いで、そのような抗体を使
用して、そのポリペプチドを発現する組織からポリペプ
チドを単離することができる。
【0090】モノクローナル抗体を調製するには、連続
的な細胞系培養により産生される抗体を与える技術を全
て使用することができる。例には、ハイブリドーマ技術
(KohlerおよびMilstein、1975、Nature、25
6:495−497)、トリオーマ(trioma)技術、ヒトB
細胞ハイブリドーマ技術(Kozborら、1983、Immun
ology Today 4:72)、およびヒトモノクローナル抗
体を製造するためのEBV−ハイブリドーマ技術(Cole
ら、1985、Monoclonal Antibodies and Cancer
Therapy、Alan R.Liss,Inc.、77−96頁におい
て)が含まれる。
【0091】単鎖抗体の産生に関して記載されている技
術(米国特許第4,946,778号)は、本発明の免疫原
性ポリペプチド産生物に対する単鎖抗体を製造するのに
適合し得る。
【0092】本発明をさらに、以下の実施例に関して記
載する;しかし、本発明は、そのような実施例に限定さ
れないことを理解すべきである。部または量は全て、特
にことわらない限り、重量単位である。
【0093】以下の実施例の理解を容易にするために、
幾つかの頻繁に出てくる方法および/または用語を記載
する。
【0094】「プラスミド」は、前置きする小文字のp
および/または続けて大文字および/または数字により
示す。本明細書中の出発プラスミドは、市販されてい
て、限定されない基盤の下に公に入手可能であるか、ま
たは公開された方法により入手可能なプラスミドから構
築できる。さらに、記載したプラスミドと同等のプラス
ミドは、当業界で既知であって、当業者に明らかであろ
う。
【0095】DNAの「消化」は、DNAのある配列に
のみ作用する制限酵素でDNAを触媒切断することを示
す。本明細書中で使用する様々な制限酵素は市販されて
おり、それらの反応条件、補因子および他の必要条件
は、当業者に知られているように使用した。分析目的に
は、一般的に、緩衝溶液約20μl中、1μgのプラスミ
ドまたはDNAフラグメントを約2単位の酵素と共に使
用する。プラスミド構築のためのDNAフラグメントを
単離する目的には、一般的に、より多量の体積中、DN
A5〜50μgを20〜250単位の酵素で消化する。
特定の制限酵素に適当な緩衝液および基質量は、製造者
により指定されている。37℃で約1時間のインキュベ
ーション時間が通常利用されるが、供給者の指示に従っ
て変えることができる。消化後、その反応物をポリアク
リルアミドゲルで直接電気泳動して、所望のフラグメン
トを単離する。
【0096】切断したフラグメントのサイズ分離は、G
oeddel,Dら、Nucleic Acids Res.、8:4057
(1980)により記載されている8% ポリアクリル
アミドゲルを用いて行う。
【0097】「オリゴヌクレオチド」は、化学的に合成
することができる、一本鎖ポリデオキシヌクレオチド、
または2つの相補的ポリヌクレオチド鎖を示す。そのよ
うな合成オリゴヌクレオチドは5'ホスフェートを有さ
ないことから、キナーゼの存在下、ATPでホスフェー
トを加えることなしには、別のオリゴヌクレオチドにラ
イゲートしないであろう。合成オリゴヌクレオチドは、
脱リン酸化されていないフラグメントにライゲートする
であろう。
【0098】「ライゲーション」は、2つの二本鎖核酸
フラグメントの間にホスホジエステル結合を形成する過
程をいう(Maniatis,T.ら、同上、146頁)。特にこ
とわらない限り、ライゲーションは、ライゲートさせる
べきDNAフラグメントのほぼ等モル量の0.5μg当り
10単位のT4DNAリガーゼ(「リガーゼ」)と共に、
既知の緩衝液および条件を用いて成し遂げることができ
る。
【0099】特にことわらない限り、トランスフォーメ
ーションは、Graham,F.およびVan der Eb,A.、Vi
rology、52:456−457(1973)の方法に記
載されているようにして行った。
【0100】
【実施例】実施例 1 Ckβ−4の細菌発現および精製 最初に、Ckβ−4をコードするDNA配列、ATCC
第75848号を、プロセシングされたCkβ−4タン
パク質の5'および3'配列(推定されるシグナルペプチ
ド配列なし)に対応するPCRオリゴヌクレオチドプラ
イマーを利用して増幅する。Ckβ−4に対応する付加
的ヌクレオチドを各々、5'および3'配列に付加した。
5'オリゴヌクレオチドプライマーは、配列: を有し、SphI制限酵素部位(肉太の活字)、続いて、成
熟タンパク質をコードする配列の第2ヌクレオチドから
始まる17ヌクレオチドのCkβ−4コード配列(下線を
引いた活字)を含む。ATGコドンは、SphI部位に含
まれる。ATGに続く次のコドンでは、1つ目の塩基が
SphI部位に由来し、また残りの2つの塩基は、推定さ
れる成熟タンパク質の最初のコドンの2つ目および3つ
目の塩基に対応する。結果として、このコドンにおける
1つ目の塩基は、もとの配列と比較して、GからCに変
わり、結果的には、組換えタンパク質においてEがQに
置き換わる。3'配列: は、BamH1部位に対する相補的配列(肉太の活字)、続
いて、終止コドンより前に、21ヌクレオチドの遺伝子
特異的配列を含む。その制限酵素部位は、細菌発現ベク
ター pQE−70(Qiagen,Inc. 9259 Eton Av
e.、Chatsworth、CA 91311)上の制限酵素部位
に対応する。pQE−70は、抗生物質耐性(Amp)、
細菌の複製開始点(ori)、IPTG−調節可能なプロモ
ーターオペレーター(P/O)、リボソーム結合部位(R
BS)、6−Hisタグおよび制限酵素部位をコードす
る。次いで、pQE−70をSphIおよびBamH1で消
化した。増幅された配列をpQE−70にライゲートし
て、ヒスチジンタグおよびRBSをコードする配列と共
に枠内に挿入した。第8図は、この配列(arrangement)
の模式的な表示を示す。次いで、そのライゲーション混
合物を使用して、Sambrook,J.ら、Molecular Cloni
ng:A Laboratory Manual、Cold Spring Laborat
ory Press(1989)に記載されている手順により、
Qiagenから商標 M15/rep4で入手可能なE.coli.
株をトランスフォームした。M15/rep4はプラスミ
ドpREP4の多重コピーを含み、これは、lacIリプレ
ッサーを発現して、またカナマイシン耐性(Kan)も与
える。トランスフォーマントを、それらがLBプレート
で増殖する能力により同定して、アンピシリン/カナマ
イシン耐性コロニーを選択した。プラスミドDNAを単
離して、制限分析により確認した。所望の構築物を含む
コロニーを、Amp(100ug/ml)とKan(25ug/ml)の
両方を補ったLB培地中での液体培養で一晩増殖させた
(O/N)。そのO/N培養物を使用して、大きな培養物
を1:100〜1:250の割合で播種した。細胞が、
0.4〜0.6の光学密度600(O.D.600)まで増殖
した。次いで、IPTG(「イソプロピル−B−D−チ
オガラクトピラノシド」)を、最終濃度が1mMとなるま
で加えた。IPTGは、lacIリプレッサーを不活性化
することにより、P/Oのクリアリングを誘導し、遺伝
子発現を増加させる。細胞をさらに3〜4時間増殖させ
た。次いで、細胞を遠心分離により収集した。細胞ペレ
ットをカオトロピック剤である6モルのグアニジンHC
l中で可溶化した。清澄後、この溶液から、6−ヒスチ
ジンタグを含むタンパク質による強固な結合を可能にす
る条件下、ニッケル−キレートカラムでのクロマトグラ
フィーにより、可溶化したCkβ−4を精製した。(Hoc
huli,E.ら、J.Chromatography 411:177−1
84(1984))。6モルのグアニジンHCl(pH 5.
0)中、Ckβ−4(純度 >98%)をカラムから溶出し
た。GnHClからのタンパク質の再生は、幾つかのプロ
トコルにより成し遂げることができる。(Jaenicke,R.
およびRudolph,R.、Protein Structure−A Pract
ical Approach、IRL Press、ニューヨーク(19
90))。まず最初に、段階透析を利用して、GnHCL
を除去する。あるいはまた、Ni−キレートカラムから
単離される精製タンパク質を、減少型リニアGnHCL
グラジエントを通す第2カラムに結合させることができ
る。そのタンパク質をカラムに結合させる間に再生した
後、250mMのイミダゾール、150mMのNaCl、2
5mMのトリス−HCl(pH 7.5)および10%のグリ
セロールを含む緩衝液で溶出する。最後に、可溶性タン
パク質を、5mMの重炭酸アンモニウムを含む貯蔵緩衝
液に対して透析する。
【0101】実施例 2 Ckβ−10の細菌発現および精製 最初に、Ckβ−10をコードするDNA配列、ATC
C第75849号を、プロセシングされたCkβ−10
タンパク質(シグナルペプチド配列なし)の5'および3'
配列、およびCkβ−10遺伝子の3'側のベクター配列
に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを利用
して増幅する。Ckβ−10に対応する付加的ヌクレオ
チドを各々、5'および3'配列に付加した。5'オリゴ
ヌクレオチドプライマーは、配列: を有し、SphI制限酵素部位(肉太の活字)、続いて、成
熟タンパク質をコードする配列から始まる19ヌクレオ
チドのCkβ−10コード配列(下線を引いた活字)を含
む。ATGコドンは、SphI部位に含まれる。3'配
列: は、BamH1部位に対する相補的配列(肉太の活字)、続
いて、終止コドンより前に、19ヌクレオチドの遺伝子
特異的配列を含む。その制限酵素部位は、細菌発現ベク
ター pQE−70(Qiagen,Inc. 9259 Eton Av
e.、Chatsworth、CA 91311)上の制限酵素部位
に対応する。pQE−70は、抗生物質耐性(Amp)、
細菌の複製開始点(ori)、IPTG−調節可能なプロモ
ーターオペレーター(P/O)、リボソーム結合部位(R
BS)、6−Hisタグおよび制限酵素部位をコードす
る。次いで、pQE−70をSphIおよびBamH1で消
化した。増幅された配列をpQE−70にライゲートし
て、ヒスチジンタグおよびRBSをコードする配列と共
に枠内に挿入した。第10図は、この配列の模式的な表
示を示す。次いで、そのライゲーション混合物を使用し
て、Sambrook,J.ら、Molecular Cloning:A Labo
ratory Manual、Cold Spring Laboratory Press
(1989)に記載されている手順により、Qiagenか
ら商標 M15/rep4で入手可能なE.coli.株をトラン
スフォームした。M15/rep4はプラスミドpREP4
の多重コピーを含み、これは、lacIリプレッサーを発
現して、またカナマイシン耐性(Kan)も与える。トラ
ンスフォーマントを、それらがLBプレートで増殖する
能力により同定して、アンピシリン/カナマイシン耐性
コロニーを選択した。プラスミドDNAを単離して、制
限分析により確認した。所望の構築物を含むコロニー
を、Amp(100ug/ml)とKan(25ug/ml)の両方を補
ったLB培地中での液体培養で一晩増殖させた(O/
N)。そのO/N培養物を使用して、大きな培養物を
1:100〜1:250の割合で播種した。細胞が、
0.4〜0.6の光学密度600(O.D.600)まで増殖
した。次いで、IPTG(「イソプロピル−B−D−チ
オガラクトピラノシド」)を、最終濃度が1mMとなるま
で加えた。IPTGは、lacIリプレッサーを不活性化
することにより、P/Oのクリアリングを誘導し、遺伝
子発現を増加させる。細胞をさらに3〜4時間増殖させ
た。次いで、細胞を遠心分離により収集した。細胞ペレ
ットをカオトロピック剤である6モルのグアニジンHC
l中で可溶化した。清澄後、この溶液から、6−ヒスチ
ジンタグを含むタンパク質による強固な結合を可能にす
る条件下、ニッケル−キレートカラムでのクロマトグラ
フィーにより、可溶化したCkβ−10を精製した。(H
ochuli,E.ら、J.Chromatography 411:177−
184(1984))。6モルのグアニジンHCl(pH
5.0)中、Ckβ−10(純度 >98%)をカラムから溶
出した。GnHClからのタンパク質の再生は、幾つかの
プロトコルにより成し遂げることができる。(Jaenick
e,R.およびRudolph,R.、Protein Structure−A
Practical Approach、IRL Press、ニューヨーク
(1990))。まず最初に、段階透析を利用して、Gn
HCLを除去する。あるいはまた、Ni−キレートカラ
ムから単離される精製タンパク質を、減少型リニアGn
HCLグラジエントを通す第2カラムに結合させること
ができる。そのタンパク質をカラムに結合させる間に再
生した後、250mMのイミダゾール、150mMのNa
Cl、25mMのトリス−HCl(pH 7.5)および10%
のグリセロールを含む緩衝液で溶出する。最後に、可溶
性タンパク質を、5mMの重炭酸アンモニウムを含む貯
蔵緩衝液に対して透析する。次いで、そのタンパク質を
SDS−PAGEゲル上で分析した。
【0102】実施例 3 COS細胞における組換えCkβ−4の発現 プラスミド、Ckβ−4 HAの発現は、1)SV40
複製開始点、2)アンピリシン耐性遺伝子、3)E.col
i 複製開始点、4)ポリリンカー領域、SV40 イン
トロンおよびポリアデニル化部位が続くCMVプロモー
ターを含む、ベクター pcDNAI/Amp(Invitrogen)
から得られる。完全なCkβ−4前駆体およびその3'末
端に枠内で融合したHAタグ(tag)をコードするDNA
フラグメントを、そのベクターのポリリンカー領域にク
ローン化したことから、組換えタンパク質発現は、CM
Vプロモーターの下に指示される。HAタグは、前記の
ようなインフルエンザ赤血球凝集素タンパク質から得ら
れるエピトープに対応する(I.Wilson、H.Niman、
R.Heighten、A.Cherenson、M.Connolly、および
R.Lerner、1984、Cell 37、767)。HAタ
グを標的タンパク質へ融合させることにより、組換えタ
ンパク質を、HAエピトープを認識する抗体で容易に検
出することが可能となる。プラスミド構築方法を以下に
記載する:Ckβ−4をコードするDNA配列、ATC
C第 号を、2つのプライマーを用いてクロー
ン化された、もとのESTでのPCRにより構築した: 5'プライマー は、HindIII部位、続いて、開始コドンから始まる20
ヌクレオチドのCkβ−4コード配列を含む; 3'配列 は、XbaI部位に対する相補的配列、翻訳終止コドン、
HAタグ、およびCkβ−4コード配列の最後の20ヌ
クレオチド(終止コドンは含まれていない)を含む。従っ
て、PCR産物は、HindIII部位、Ckβ−4コード配
列、続いて、枠内で融合したHAタグ、そのHAタグの
隣の翻訳終了終止コドン、およびXbaI部位を含む。P
CRにより増幅されたDNAフラグメントおよびベクタ
ー、pcDNAI/Ampを、HindIIIおよびXbaI制限酵
素で消化して、ライゲートさせた。そのライゲーション
混合物をE.coli株 SURE(Stratagene Cloning S
ystems、11099 North Torrey Pines Road、L
a Jolla、CA 92037から入手可能である)にトラ
ンスフォームし、そのトランスフォームされた培養物を
アンピシリン培地プレート上に置いて、耐性コロニーを
選択した。プラスミド DNAをトランスフォーマント
から単離して、正しいフラグメントの存在に関して制限
分析により試験した。組換えCkβ−4の発現には、D
EAE−DEXTRAN方法により、COS細胞を発現
ベクターでトランスフェクトした(J.Sambrook、E.F
ritsch、T.Maniatis、Molecular Cloning:A Lab
oratory Manual、Cold Spring Laboratory Pres
s、(1989))。Ckβ−4 HAタンパク質の発現
を、放射能標識および免疫沈降法により検出した。(E.
Harlow、D.Lane、Antibodies:A Laboratory Ma
nual、Cold Spring Laboratory Press、(198
8))。トランスフェクションから2日後、細胞を35
S−システインで8時間標識化した。次いで、細胞培地
を集めて、細胞を界面活性剤(RIPA緩衝液(150m
M NaCl、1% NP−40、0.1% SDS、1%
NP−40、0.5% DOC、50mM トリス、pH
7.5))で溶菌した。(Wilson,I.ら、同上 37:76
7(1984))。細胞溶菌液および培養培地は両方と
も、HAに特異的なモノクローナル抗体で沈降した。沈
降したタンパク質をSDS−PAGEにより分析した。
【0103】実施例 4 COS細胞における組換えCkβ−10の発現 プラスミド、Ckβ−10 HAの発現は、1)SV40
複製開始点、2)アンピリシン耐性遺伝子、3)E.co
li 複製開始点、4)ポリリンカー領域、SV40 イン
トロンおよびポリアデニル化部位が続くCMVプロモー
ターを含む、ベクター pcDNAI/Amp(Invitrogen)
から得られる。完全なCkβ−10前駆体およびその3'
末端に枠内で融合したHAタグ(tag)をコードするDN
Aフラグメントを、そのベクターのポリリンカー領域に
クローン化したことから、組換えタンパク質発現は、C
MVプロモーターの下に指示される。HAタグは、前記
のようなインフルエンザ赤血球凝集素タンパク質から得
られるエピトープに対応する(I.Wilson、H.Niman、
R.Heighten、A.Cherenson、M.Connolly、および
R.Lerner、1984、Cell 37、767)。HAタ
グを標的タンパク質へ融合させることにより、組換えタ
ンパク質を、HAエピトープを認識する抗体で容易に検
出することが可能となる。プラスミド構築方法を以下に
記載する:Ckβ−10をコードするDNA配列、AT
CC第75849号を、2つのプライマーを用いてクロ
ーン化された、もとのESTでのPCRにより構築し
た: 5'プライマー は、HindIII部位、続いて、開始コドンから始まる19
ヌクレオチドのCkβ−10コード配列を含む; 3'配列 は、XbaI部位に対する相補的配列、翻訳終止コドン、
HAタグ、およびCkβ−10コード配列の最後の19
ヌクレオチド(終止コドンは含まれていない)を含む。従
って、PCR産物は、HindIII部位、Ckβ−10コー
ド配列、続いて、枠内で融合したHAタグ、そのHAタ
グの隣の翻訳終了終止コドン、およびXbaI部位を含
む。PCRにより増幅されたDNAフラグメントおよび
ベクター、pcDNAI/Ampを、HindIIIおよびBamH
1制限酵素で消化して、ライゲートさせた。そのライゲ
ーション混合物をE.coli株 SURE(Stratagene Cl
oningSystems、11099 North Torrey Pines R
oad、La Jolla、CA 92037から入手可能であ
る)にトランスフォームし、そのトランスフォームされ
た培養物をアンピシリン培地プレート上に置いて、耐性
コロニーを選択した。プラスミド DNAをトランスフ
ォーマントから単離して、正しいフラグメントの存在に
関して制限分析により試験した。組換えCkβ−10の
発現には、DEAE−DEXTRAN方法により、CO
S細胞を発現ベクターでトランスフェクトした(J.Sam
brook、E.Fritsch、T.Maniatis、Molecular Clon
ing:A Laboratory Manual、Cold Spring Labora
tory Press、(1989))。Ckβ−10 HAタンパ
ク質の発現を、放射能標識および免疫沈降法により検出
した。(E.Harlow、D.Lane、Antibodies:A Labo
ratory Manual、Cold Spring Laboratory Press、
(1988))。トランスフェクションから2日後、細
胞を35S−システインで8時間標識化した。次いで、
細胞培地を集めて、細胞を界面活性剤(RIPA緩衝液
(150mM NaCl、1% NP−40、0.1% SD
S、1% NP−40、0.5% DOC、50mM トリ
ス、pH 7.5))で溶菌した。(Wilson,I.ら、同上 3
7:767(1984))。細胞溶菌液および培養培地
は両方とも、HAに特異的なモノクローナル抗体で沈降
した。沈降したタンパク質をSDS−PAGEにより分
析した。
【0104】実施例 5 バキュロウイルス発現システムを用いての Ckβ−10のクローニングおよび発現 完全な長さのCkβ−10タンパク質をコードするDN
A配列、ATCC第75849号を、遺伝子の5'およ
び3'配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライ
マーを利用して増幅した。 その5'プライマーは、配列: を有し、またBamHI制限酵素部位(肉太の活字)、続い
て、真核細胞における翻訳の開始に有効なシグナルに似
ている12ヌクレオチドを含み(J.Mol.Biol.198
7、196、947−950、Kozak,M.)、またすぐ
後ろは、Ckβ−10コード配列の最初の6ヌクレオチ
ドである(翻訳開始コドン「ATG」に下線を引く)。 その3'プライマーは、配列: を有し、また制限エンドヌクレアーゼ Asp781の切
断部位、およびCkβ−10遺伝子の3'非翻訳配列に対
して相補的な19ヌクレオチドを含む。増幅された配列
を、市販のキット(「Geneclean」、BIO 101 In
c.、La Jolla、Ca.)を使用して、1% アガロースゲ
ルから単離した。次いで、そのフラグメントをエンドヌ
クレアーゼ BamHIおよびAsp781で消化した後、
1% アガロースゲル上で次に精製した。このフラグメ
ントをF2と名付ける。ベクター pRG1(pVL941
ベクターの修飾、以下に論ずる)を、バキュロウイルス
発現システムを用いてのCkβ−10タンパク質の発現
に使用した(レビューには、Summers,M.D.およびSmi
th,G.E. 1987、A manual of methods for bacul
ovirus vectors and insect cell culture procedure
s、TexasAgricultural Experimental Station Bul
letin No.1555を参照)。この発現ベクターは、オ
ートグラファ(Autographa)カリフォルニア核多角体病
ウイルス群(AcMNPV)の強多角体(strong polyhedri
n)プロモーター、続いて、制限エンドヌクレアーゼ Ba
mHIおよびAsp781の認識部位を含む。シミアンウ
イルス(SV) 40のポリアデニル化部位を、有効なポ
リアデニル化に使用する。組換えウイルスを容易に選択
するには、E.coli由来のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子
を、多角体(polyhedrin)遺伝子のポリアデニル化シグナ
ルが続く多角体プロモーターと同じ向きに挿入する。同
時トランスフェクトした(cotransfected)野生型ウイル
スDNAの、細胞により媒介される相同組換えのための
ウイルス配列を多角体配列の両側に隣接させる。多くの
他のバキュロウイルスベクターを、pAc373、pVL
941、およびpAcIM1といったようなpRG1の代
わりに使用することができるであろう(Luckow,V.A.
およびSummers,M.D.、Virology、170:31−3
9)。プラスミドを制限酵素BamHIおよびAsp781
で消化した後、当業界で既知の方法により、仔ウシ腸ホ
スファターゼを用いて脱リン酸化した。次いで、DNA
を1% アガロースゲルから単離した。このベクター D
NAをV2と名付ける。フラグメント F2および脱リ
ン酸化プラスミド V2をT4 DNAリガーゼでライゲ
ートさせた。次いで、E.coli HB101細胞をトラン
スフォームして、Ckβ−10遺伝子を有するプラスミ
ド(pBacCkβ−10)を含む細菌を、酵素 BamHIお
よびAsp781を用いて同定した。クローン化されたフ
ラグメントの配列を、DNA配列決定により確認した。
リポフェクション法を利用して、プラスミド pBacCk
β−10 5μgを市販の線形化バキュロウイルス(「Ba
culoGoldTM バキュロウイルス DNA」、Pharming
en、San Diego、CA)1.0μgと共に同時トランスフ
ェクトした(Felgnerら、Proc.Natl.Acad.Sci. U
SA、84:7413−7417(1987))。Bacu
loGoldTM ウイルス DNA 1μgおよびプラスミド
pBacCkβ−10 5μgを、無血清グレイス(Grace's)
培地(Life Technologies Inc.、Gaithersburg、M
D)50μlを含むマイクロタイタープレートの無菌ウェ
ル中で混合した。その後、リポフェクチン(Lipofecti
n)10μlとグレイス培地90μlを加え、混合して、室
温で15分間インキュベートした。次いで、トランスフ
ェクション混合物を、無血清グレイス培地1mlを含む、
35mmの組織培養プレートに播種したSf9昆虫細胞(A
TCC CRL 1711)に滴加した。そのプレートを
前後に揺り動かして、新たに加えた溶液を混合した。次
いで、そのプレートを27℃で5時間インキュベートし
た。5時間後、そのトランスフェクション溶液をプレー
トから除去して、10% ウシ胎児血清を補ったグレイ
ス昆虫培地1mlを加えた。そのプレートをインキュベー
ターに戻して、27℃で4日間培養し続けた。
【0105】4日後、上清を集めて、SummersおよびS
mith(上記)により記載されたようにして、プラークアッ
セイを行った。変更として、「Blue Gal」(Life Te
chnologies Inc.、Gaithersburg)を含むアガロースゲ
ルを使用したが、このことにより、青色に染色されたプ
ラークを容易に単離することが可能となる。(「プラー
クアッセイ」の詳細な記述はまた、昆虫細胞培養に関す
る利用者のガイド、およびLife Technologies In
c.、Gaithersburgにより配布されたバキュロウイルス
学、9−10頁にも見い出すことができる)。
【0106】ウイルスの連続希釈物を細胞に加えてから
4日後に、青色に染色されたプラークをエッペンドルフ
ピペットの先端で採取した。次いで、組換えウイルスを
含む寒天を、グレイス培地200μlを含むエッペンド
ルフ管内で再び懸濁させた。その寒天を短時間の遠心分
離により除去して、組換えバキュロウイルスを含む上清
を、35mmの皿に播種した昆虫Sf9細胞を感染させる
のに使用した。4日後、これらの培養皿の上清を収集し
た後、4℃で保存した。
【0107】Sf9細胞を、10% 熱不活性化FBSを
補ったグレイス培地で増殖させた。その細胞を、感染多
重度(MOI) 2で組換えバキュロウイルス V−Ckβ
−10に感染させた。6時間後、その培地を除去して、
メチオニンおよびシステインを含まないSF900 II
培地(Life Technologies Inc.、Gaithersburg)に替
えた。42時間後、5μCiの35S−メチオニンおよ
び5μCiの35S システイン5μCi(Amersham)を加
えた。その細胞をさらに16時間インキュベートした
後、それらを遠心分離により収集して、標識化タンパク
質を、SDS−PAGEおよびオートラジオグラフィー
により視覚化した。
【0108】先の教示から見て、本発明の多数の変更お
よび変化が可能であることから、後記する請求の範囲内
で、特に記載した以外の方法で、本発明を行うことがで
きる。
【0109】配 列 表 (1) 一般的情報 : (i) 特許出願人 : リー等 (ii) 発明の名称 : ヒトケモカインポリペプチド (iii) 配列の数 : 4 (iv) 連絡先 : (A) 住所 : カレラ,バーン,ベーン,ギルフィラ
ン,セッチ,ステュアート・アンド・オルステイン (B) 通り : ベッカー・ファーム・ロード6番 (C) 市 : ローズランド (D) 州 : ニュージャージー (E) 国 : アメリカ合衆国 (F) ZIP : 07068 (v) コンピューター解読書式 : (A) 媒体型 : 3.5インチ ディスケット (B) コンピューター : IBM PS/2 (C) オペレーティング・システム : MS−DOS (D) ソフトウエア : ワードパーフェクト 5.1 (vi) 本出願のデータ : (A) 出願番号 : (B) 出願日 : 同日 (C) 分類 : (vii) 先行技術データ : (A) 出願番号 : (B) 出願日 : (viii) 弁理士/代理人情報 : (A) 氏名 : フェルラロ,グレゴリー・ディ (B) 登録番号 : 36,134 (C) 参照/整理番号 : 325800−183 (ix) 電話連絡先情報 : (A) 電話番号 : 201−994−1700 (B) ファックス番号 : 201−994−1744 (2) 配列番号1の情報 : (i) 配列の特徴 (A) 長さ : 291塩基対 (B) 型 : 核酸 (C) 鎖の数 : 一本鎖 (D) トポロジー : 直鎖状 (ii) 分子の種類 : cDNA (xi) 配列の記述 : 配列番号1 : (3) 配列番号2の情報 : (i) 配列の特徴 : (A) 長さ : 96アミノ酸 (B) 型 : アミノ酸 (C) 鎖の数 : (D) トポロジー : 直鎖状 (ii) 配列の種類 : タンパク質 (xi) 配列の記述 : 配列番号2 : (4) 配列番号3の情報 : (i) 配列の特徴 (A) 長さ : 297塩基対 (B) 型 : 核酸 (C) 鎖の数 : 一本鎖 (D) トポロジー : 直鎖状 (ii) 分子の種類 : cDNA (xi) 配列の記述 : 配列番号3 : (5) 配列番号4の情報 : (i) 配列の特徴 : (A) 長さ : 98アミノ酸 (B) 型 : アミノ酸 (C) 鎖の数 : (D) トポロジー : 直鎖状 (ii) 配列の種類 : タンパク質 (xi) 配列の記述 : 配列番号4 :
【図面の簡単な説明】
【図1】 Ckβ−4のcDNA配列および対応する推定
アミノ酸配列を示す。最初の24個のアミノ酸はCkβ
−4の推定リーダー配列を示すことから、推定される成
熟ポリペプチドは72個のアミノ酸を含んでなる。アミ
ノ酸に関する標準的な1文字略号を使用する。
【図2】 Ckβ−10のcDNA配列および対応する推
定アミノ酸配列を示す。最初の23個のアミノ酸はCk
β−10の推定されるリーダー配列を示すことから、推
定される成熟ポリペプチドは75個のアミノ酸を含んで
なる。アミノ酸に関する標準的な1文字略号を使用す
る。
【図3】 Ckβ−4とエオタキシン(eotaxin)の成熟ペ
プチド(下段)との間のアミノ酸配列の相同性を示す。
【図4】 Ckβ−10(上段)とヒトMCP−3(下段)
との間のアミノ酸配列の相同性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 A61P 1/16 48/00 11/00 A61P 1/16 11/06 11/00 17/02 11/06 17/06 17/02 19/02 17/06 31/00 19/02 35/00 31/00 35/02 35/00 37/02 35/02 37/08 37/02 43/00 105 37/08 C12N 15/00 ZNAA 43/00 105 A61K 37/02 (72)発明者 ハオドン・リー アメリカ合衆国20878メリーランド州ゲイ ザーズバーグ、ラトリッジ・ドライブ 11033番 (72)発明者 マーク・ディ・アダムス アメリカ合衆国20878メリーランド州ノー ス・ポトマック、ダフィーフ・ドライブ 15205番 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA21 CA04 DA02 DA05 DA11 EA02 EA03 EA04 GA11 HA01 4C084 AA02 AA13 AA17 BA01 BA08 BA20 BA21 MA01 NA14 ZA592 ZA752 ZA892 ZA962 ZB072 ZB112 ZB132 ZB212 ZB262 ZB272 ZB322 ZB372 4C085 AA13 AA14 CC32 EE01 GG01 4C086 AA01 AA02 EA16 MA01 MA04 NA14 ZA59 ZA75 ZA89 ZA96 ZB07 ZB11 ZB13 ZB21 ZB26 ZB27 ZB32 ZB37

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)図1又は図2に示す全アミノ酸配
    列を含むポリペプチドをコードする核酸; (b))図1又は図2に示す推定アミノ酸配列を有する
    ポリペプチドの少なくとも成熟形を含むポリペプチドを
    をコードする核酸; (c)ポリペプチドの少なくとも成熟形をコードする図
    1又は図2に示すコード配列を有する核酸; (d)(a)〜(c)のいずれかの核酸によりコードさ
    れるポリペプチドの断片、アナログ、又は誘導体をコー
    ドする核酸; (e)その相補鎖が(a)〜(d)のいずれかの核酸に
    ストリンジェント条件下でハイブリダイズし、Ckβ−
    4活性を有するポリペプチドをコードする核酸; (f)その相補鎖が(a)〜(d)のいずれかの核酸に
    ストリンジェント条件下でハイブリダイズし、Ckβ−
    10活性を有するポリペプチドをコードする核酸; (g)該核酸がN−末端メチオニンをコードしない
    (a)〜(f)のいずれかの核酸; (h)該核酸がN−末端メチオニンをコードする(a)
    〜(f)のいずれかの核酸; (i)(a)〜(h)のいずれかの核酸に相補性のポリ
    ヌクレオチド; (j)ATCC寄託番号第75848号又は第7584
    9号に含まれるcDNAによりコードされる全アミノ酸
    配列を含むポリペプチドをコードする核酸; (k)ATCC寄託番号第75848号又は第7584
    9号に含まれるcDNAによりコードされるポリペプチ
    ドの少なくとも成熟形を含むポリペプチドをコードする
    核酸; (l)ポリペプチドの少なくとも成熟形をコードするA
    TCC寄託番号第75848号又は第75849号に含
    まれるcDNAのコード配列を有する核酸; (m)(j)〜(l)のいずれかの核酸によりコードさ
    れるポリペプチドの断片、アナログ、又は誘導体をコー
    ドする核酸; (n)その相補鎖が(j)〜(l)のいずれかの核酸に
    ストリンジェント条件下でハイブリダイズし、Ckβ−
    4活性を有するポリペプチドをコードする核酸; (o)その相補鎖が(j)〜(m)のいずれかの核酸に
    ストリンジェント条件下でハイブリダイズし、Ckβ−
    10活性を有するポリペプチドをコードする核酸; (p)該核酸がN−末端メチオニンをコードしない
    (j)〜(o)のいずれかの核酸; (q)該核酸がN−末端メチオニンをコードする(j)
    〜(o)のいずれかの核酸;及び (r)(j)〜(q)のいずれかの核酸に相補性のポリ
    ヌクレオチド;よりなる群から選択される核酸を含むポ
    リヌクレオチド;又は該ポリヌクレオチドによりコード
    されるアミノ酸配列を含むポリペプチドの癌化学治療の
    間の保護処置のための、白血病、個体腫瘍、慢性感染
    症、自己免疫病、乾癬、喘息、アレルギーを処置するた
    めの、又は創傷治癒を促進するための使用。
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