JP2002129925A - オイルフィルタ - Google Patents

オイルフィルタ

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JP2002129925A
JP2002129925A JP2000328866A JP2000328866A JP2002129925A JP 2002129925 A JP2002129925 A JP 2002129925A JP 2000328866 A JP2000328866 A JP 2000328866A JP 2000328866 A JP2000328866 A JP 2000328866A JP 2002129925 A JP2002129925 A JP 2002129925A
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lubricating oil
oil
oil filter
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JP2000328866A
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Hideo Kanzawa
秀夫 神澤
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BUKO SANGYO KK
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BUKO SANGYO KK
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  • Filtration Of Liquid (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来は不可能であったごく小さなコンタミナ
ントの除去を可能とし、潤滑油の清浄化をより高精度に
行う。 【解決手段】 エンジンに送る潤滑油の流路を、主通路
3と迂回通路4とに分岐させ、主通路3に高精度の濾過
体7を配置し、迂回通路4に圧力制御弁5を配置する。
そして、高精度の濾過体7の大きな通過抵抗により、主
通路3に潤滑油の全流入量の10〜20%を流す。また、主
通路3を流れる潤滑油の圧力が高くなることにより、迂
回通路4に設けた圧力制御弁5を常時開いて、全流入量
の90〜80%の潤滑油を、迂回通路4に常時分流させる。
主通路3を通過しない潤滑油B2は、迂回通路4を通過
して再びエンジンへと供給され、エンジンとオイルフィ
ルタとの間で循環を繰返すうちに主通路3を通過して、
潤滑油全体Bのコンタミナントの除去が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンオイルを
清浄化するための、オイルフィルタに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図6には、従来から用いられているオイ
ルフィルタの構造を模式的に示している。エンジン内部
の潤滑に供された潤滑油は、オイルフィルタ1の濾過体
2によってコンタミナント(不純物)の濾過が行われ、
清浄化された後に再びエンジンへと供給されるサイクル
を繰り返す。したがって、濾過体2には、コンタミナン
トが徐々に蓄積され、目詰まりを生ずることになる。か
かる目詰まりの度合いが高まると、濾過体2を通過する
潤滑油の通過抵抗は増大し、潤滑油の流路の圧力も上昇
する。そして、潤滑油が規定圧力に上昇すると、濾過体
2を設けた主通路3を迂回する通路4(迂回通路)の、
圧力制御弁5が開き、潤滑油は迂回通路4を流れて、未
浄化のまま再びエンジンへと供給される。したがって、
未浄化ではあるが必要量の潤滑油はエンジンに供給され
続けるので、最低限、エンジンの焼きつきを防止するこ
とは可能となる。
【0003】このように、従来のオイルフィルタ1は、
エンジンから戻ってきた潤滑油の全流量(A)を濾過体
2に通して濾過し、再びエンジンへと送り出すものであ
る。また、濾過体2に目詰まりを生ずると、エンジンか
ら戻ってきた潤滑油のほぼ全流量(A’)は、濾過体2
を迂回して、再びエンジンへと送り出される。かかる従
来の構造では、濾過体2の荒さを、より高精度のもの
(より目の細かいもの)にすることに起因して、潤滑油
が濾過体2を通過する際の通過抵抗が増大し、当初か
ら、若しくは極めて短時間で迂回通路4の圧力制御弁5
が開き、オイルフィルタとしての機能を発揮しなくなっ
てしまう事をおそれて、濾過体2には、30μ以下のコン
タミナントの捕捉は不可能な、目の荒いものを用いてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年のエン
ジンのメタル、ベアリング等の加工精度は高く、より精
密となっていることから、回転部分に供給する潤滑油中
に、数μ程度のごく小さなコンタミナントが混入してい
る場合でも、回転部品の精度に影響を及ぼし、初期の高
精度な状態を、長期維持することが困難となる虞が生じ
ている。かかる不具合を回避するためには、例えば、オ
イル交換をより頻繁に行う等の対応策が必要となった。
【0005】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、従来は不可能であった
ごく小さなコンタミナントの除去を可能とし、潤滑油の
清浄化をより高精度に行うことを可能とすることにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、本発明の請求項1に係るオイルフィルタは、エンジ
ンに送る潤滑油を常時分流し、分流された一方の潤滑油
のみ濾過することを特徴とする。
【0007】本発明によれば、常時、エンジンに送る潤
滑油を分流することで、分流された一方の潤滑油を高精
度に濾過することによる通過抵抗の増大を生じても、濾
過を行わない分流された他方により、エンジンへの必要
な潤滑油供給量を確保することができる。そして、従来
濾過することが不可能であったごく小さなコンタミナン
トの除去を、分流された一方の潤滑油に対して行う。な
お、前記分流された他方の潤滑油は、エンジンとオイル
フィルタとの間で循環を繰返すうちに、濾過される側の
分流へと割振られることになるので、一定時間の間に
は、必ず潤滑油全体のコンタミナントの除去が行われる
こととなる。
【0008】また、本発明の請求項2に係るオイルフィ
ルタは、エンジンに送る潤滑油の流路を、主通路と迂回
通路とに分岐させ、高精度の濾過体を前記主通路に配置
し、圧力制御弁を前記迂回通路に配置したことを特徴と
する。
【0009】本発明では、前記主通路に高精度の濾過体
を配置することによって、当該主通路を通過する潤滑油
に対しては、従来濾過することが不可能であったごく小
さなコンタミナントの除去を行うことが可能となる。ま
た、前記主通路に配置する濾過体を高精度としたことに
より、潤滑油の通過抵抗は増大し、前記主通路を流れる
潤滑油の圧力は上昇するが、それによって前記迂回通路
に設けた圧力制御弁を開くことで、エンジンへの必要な
潤滑油供給量を確保することができる。なお、前記迂回
通路を通過した潤滑油は、エンジンとオイルフィルタと
の間で循環を繰返すうちに前記主通路を通過し、一定時
間の間には、必ず潤滑油全体のコンタミナントの除去が
行われることとなる。
【0010】また、本発明の請求項3に係るオイルフィ
ルタは、一端を閉じた管路の内部に、流入路と流出路と
を同心状に配置し、該流入路と流出路とを、濾過体を介
して連通させる主通路と、圧力制御弁を介して連通させ
る迂回通路とを備えるオイルフィルタにおいて、前記主
通路の濾過体の荒さを、前記迂回通路の圧力制御弁を常
時開放させ得るだけの通過抵抗を潤滑油に付与するよう
に、設定したことを特徴とする。
【0011】本発明に係るオイルフィルタは、一端を閉
じた管路の内部に、流入路と流出路とを同心状に配置
し、該流入路と流出路とを、濾過体を介して連通させる
主通路と、圧力制御弁を介して連通させる迂回通路とを
備えるオイルフィルタであり、かかる構造は、従来のオ
イルフィルタと同様である。そして、前記圧力制御弁の
作動圧力等、潤滑油の流通回路に加わる圧力も、従来の
オイルフィルタと同様であり、従来のオイルフィルタと
交換する態様での使用が可能となる。
【0012】また、前記主通路の濾過体の荒さは、前記
迂回通路の圧力制御弁を常時開放させ得るだけの通過抵
抗を潤滑油に付与する(目の細かい)ものとしたこと
で、従来濾過することが不可能であったごく小さなコン
タミナントの除去が可能である。しかも、前記迂回通路
の圧力制御弁を常時開放させることで、エンジンへの必
要な潤滑油供給量を確保することができる。なお、前記
迂回通路を通過した潤滑油は、エンジンとオイルフィル
タとの間で循環を繰返すうちに前記主通路を通過し、一
定時間の間には、必ず潤滑油全体のコンタミナントの除
去が行われることとなる。
【0013】さらに、本発明の請求項4に係るオイルフ
ィルタは、前記主通路に潤滑油の全流入量の10〜20%を
流し、かつ、単位時間あたりの濾過量は単位時間あたり
のコンタミナントの発生量を上回るように、前記濾過体
の荒さを設定したものである。
【0014】本発明では、前記濾過体の荒さは、前記主
通路に潤滑油の全流入量の10〜20%を流すだけの通過抵
抗を潤滑油に付与する目の細かいものであり、従来濾過
することが不可能であったごく小さなコンタミナントの
除去が可能である。しかも、前記濾過体の単位時間あた
りの濾過量は単位時間あたりのコンタミナントの発生量
を上回るものであることから、前記主通路を通過しない
潤滑油は、前記迂回通路を通過して再びエンジンへと供
給され、エンジンとオイルフィルタとの間で循環を繰返
すうちに前記主通路を通過して、潤滑油全体のコンタミ
ナントの除去が行われることとなる。
【0015】また、本発明の請求項5に係るオイルフィ
ルタでは、前記濾過体は、濾過精度を段階的に細かくし
た三重構造を有している。
【0016】この構成によれば、比較的大きなコンタミ
ナントは、三重構造の最も目の荒い部分で捕捉し、中程
度の大きさのコンタミナントは、中程度の荒さの部分で
捕捉し、比較的小さなコンタミナントは、最も目の細か
い部分で捕捉する。したがって、前記濾過体の最も目の
細かい部分は、比較的大きなコンタミナント及び中程度
の大きさのコンタミナントによって目詰まりを起こすこ
とはなく、また、前記濾過体の中程度の荒さの部分は、
比較的大きなコンタミナントによって目詰まりを起こす
ことはない。このように、荒さの異なる各部分が、各々
分担して様々な大きさのコンタミナントを捕捉すること
で、最も目の細かい部分が比較的大きなコンタミナント
によって早期に目詰まりを生じてしまうことを防ぎ、比
較的小さなコンタミナントの除去を、長期にわたって行
うことを可能とする。
【0017】また、本発明の請求項6に係るオイルフィ
ルタでは、前記迂回通路にストレーナを配置している。
本発明では、潤滑油全体の一部分は、短時間の間のみ着
目すれば、前記濾過体を通過することなく前記迂回路を
通ってエンジンへと再供給されるため、極めて大きな異
物に関しては、前記迂回路に設けたストレーナによっ
て、通過抵抗を増大させることなく捕捉し、極めて大き
な異物に関しての、潤滑油の清浄化を確実なものとす
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。ここで、従来技術と同一部分
または相当する部分については同一符号で示し、詳しい
説明は省略する。
【0019】図1には、本発明の実施の形態に係るオイ
ルフィルタ6の構造を模式的に示している。オイルフィ
ルタ6は、エンジンに送る潤滑油の流路を、主通路3と
迂回通路4とに分岐させ、高精度の濾過体7を主通路3
にのみ配置し、圧力制御弁5を迂回通路4にのみ配置し
ている。高精度の濾過体7の荒さは、主通路3に潤滑油
の全流入量の10〜20%(B1)を流し、かつ、単位時間
あたりの濾過量は、単位時間あたりにエンジンで発生す
るコンタミナントの量を上回るように設定される。
【0020】ところで、高精度の濾過体7の荒さを、主
通路3に潤滑油の全流入量の10〜20%(B1)を流し得
る、目の細かいものとすることで、主通路3を流れる潤
滑油の圧力は上昇する。その結果として、迂回通路4に
設けた圧力制御弁5を常時開いて、全流入量の90〜80%
(B2)の潤滑油を、迂回通路4に分流させることとな
る。なお、圧力制御弁5の開放圧力は、従来のオイルフ
ィルタ1の圧力制御弁5と同じとなっており、エンジン
等の潤滑油の流通回路に、従来以上の多大な圧力を付加
するものではない。
【0021】また、迂回通路4には、100メッシュ程度
のストレーナ8を配置し、通過抵抗を増大させることな
く、大きなコンタミナントを捕捉し、極めて大きな異物
に関しての、潤滑油の清浄化を確実なものとしている。
【0022】図2は、本発明の実施の形態に係るオイル
フィルタ6の具体的構造を示しており、(a)は縦断面
図、(b)は正面図である。オイルフィルタ6は、一端
が閉じられた管状のボディー11の内部に、セットスプリ
ング12を介して濾過体であるエレメント7を挿入し、さ
らに、ゴム等の弾性体で形成されたアンチドレーンバル
ブ14を介在させて、ベース15でボディー11の開放端を閉
じた構造を有する。
【0023】ベース15は円盤状をなし、同一円周上に複
数の小径開口15aを、中心部に大径のねじ穴15bを有し
ている。アンチドレーンバルブ14は、セットスプリング
12によって付勢されるエレメント7と、ベース15の内壁
とに密着して弾性変形することで、後述する流入路と流
出路とを流体遮断する。また、アンチドレーンバルブ14
のリップ部14aは、小径開口15aからオイルフィルタ6
内部への潤滑油の流入のみ許容する、逆止弁として機能
する。
【0024】ベース15の外壁には、エンジン側のマウン
ト部(図示省略)と密着する、ボディーパッキン16が取
りつけられている。そして、ベース15のねじ穴15bをエ
ンジンから突出する連結管路(図示省略)に捩じ込むこ
とで、オイルフィルタ6をエンジンに固定し、潤滑油の
受渡しを行うことができる。なお、かかるオイルフィル
タ6の外観形状及びエンジンへの固定構造は、従来のオ
イルフィルタと同様である。
【0025】図3には、オイルフィルタ6のエレメント
7を、部分断面図で示している。エレメント7は、中心
部に複数のパンチ穴を設けたインナーチューブ17を配
し、その周囲を、フィルタチューブ18で取り囲んでい
る。また、インナーチューブ17及びフィルタチューブ18
の両端部は、バルブプレート21とベースプレート22とで
挟持され、軸方向のズレが生じないように固定される。
【0026】バルブプレート21は、中心部に開口21aを
有し、開口21aの内側には、インナーチューブ17に挿入
された漏斗状のスクリーン20(図1のストレーナ8とし
て機能する)、スクリーン20内に配置されたバルブ23、
バルブ23をバルブプレート21の内壁へと付勢するバルブ
スプリング24等を有している。そして、バルブプレート
の開口21a、バルブ23、バルブスプリング24で、圧力制
御弁5(図1)を構成している。前述のごとく、圧力制
御弁5の開放圧力は、従来のオイルフィルタに用いられ
ていた圧力制御弁と同様である。なお、ベースプレート
22の中心部にも、開口22aが形成されており、開口22a
に前述のアンチドレーンバルブ14が取りつけられる。
【0027】エレメント7のフィルタチューブ18は、図
4に示すように、帯状の濾紙25を蛇腹状に折り曲げ、両
端部をバインダー19(図3)で固定して、円筒状に形成
したものである。濾紙25は、濾過精度を段階的に細かく
した三重構造をなしている。そして、インナーチューブ
17に組み付けられた状態で、半径方向の一番外側に位置
する表面層25aは30μ以上のコンタミナントを捕捉する
荒さを有し、中間層25bは10μ以上のコンタミナントを
捕捉する荒さを有し、内側層25cは1μ以上のコンタミ
ナントを捕捉する荒さを有している。
【0028】以上の構成をなす、本発明の実施の形態に
係るオイルフィルタ6は、ベース15の小径開口15a、弾
性変形するアンチドレーンバルブ14のリップ部14a、ボ
ディー11の内壁およびフィルタチューブ18の外周部で、
潤滑油の流入路を形成し、インナーチューブ17およびベ
ースのねじ穴15bとで潤滑油の流出路を形成し、しか
も、該流入路および流出路を、同心状に配置した構造を
有している。さらに、該流入路と流出路とを、フィルタ
チューブ18を介して連通させることで、主通路3(図
1)を形成し、該流入路と流出路とを、圧力制御弁5
(バルブプレートの開口21a、バルブ23、バルブスプリ
ング24)を介して連通させることで、迂回通路4(図
1)を形成している。
【0029】以上のごとく、流入路および流出路を同心
状に配置した構造は、従来のオイルフィルタと同様であ
り、前述のごとく、エンジンへの固定構造及び外観形状
も、従来のオイルフィルタと同様であることと合わせ
て、本発明の実施の形態に係るオイルフィルタ6は、従
来のオイルフィルタを備えるエンジンとの互換性を有す
る。
【0030】上記構成をなす本発明の実施の形態により
得られる作用効果は、以下の通りである。オイルフィル
タ6は、エンジンに送る潤滑油の流路を、主通路3と迂
回通路4とに分岐させ、高精度の濾過体であるエレメン
ト7を、主通路3にのみ配置し、圧力制御弁5を迂回通
路4にのみ配置する。そして、エレメント7の大きな通
過抵抗により、主通路3に潤滑油の全流入量の10〜20%
(図1の符号B1)を流す。また、主通路3を流れる潤
滑油の圧力が高くなることにより、迂回通路4に設けた
圧力制御弁5を常時開いて、全流入量の90〜80%(図1
の符号B2)の潤滑油を、迂回通路4に常時分流させ
る。
【0031】そして、エレメント7は、濾過精度を段階
的に細かくした三重構造(表面層25a、中間層25b、内
側層25c)の濾紙25を有していることから、主通路3を
通過する潤滑油に対して、従来濾過することが不可能で
あった、数μ程度のごく小さなコンタミナントの除去を
行うことが可能である。しかも、迂回通路4に設けた圧
力制御弁5を常時開くことで、エンジンへの必要な潤滑
油供給量を確保することができる。なお、迂回通路4を
通過した潤滑油B2は、エンジンとオイルフィルタとの
間で循環を繰返すうちに主通路3を通過し、一定時間の
間には、必ず潤滑油全体(B=B1+B2)のコンタミナ
ントの除去が行われることとなる。
【0032】例えば、ガソリンエンジンに使用されるオ
イルパンの油量は、4リットル程度であるが、エンジン
に潤滑油を供給するオイルポンプは、通常、毎分10〜20
リットルの潤滑油を供給することが可能である。よっ
て、オイルパン内の潤滑油は、毎分2.5〜4回程度、エ
ンジン内を循環することになる。その結果として、全潤
滑油は1〜4分程度で主通路3のエレメント7を通過
し、潤滑油全体のコンタミナントの除去が行われる。し
かも、濾紙25の、荒さの異なる表面層25a、中間層25
b、内側層25cが、各々分担して様々な大きさのコンタ
ミナントを捕捉することで、比較的小さなコンタミナン
トの除去を、長期にわたって行うことを可能としてい
る。
【0033】また、迂回通路4には、100メッシュ程度
のストレーナ8を配置し、通過抵抗を増大させることな
く、大きなコンタミナントを捕捉し、極めて大きな異物
に関しての潤滑油の清浄化を確実なものとし、オイルフ
ィルタとしての信頼性を高めている。
【0034】さらに、オイルフィルタ6の、流入路およ
び流出路を同心状に配置した構造、エンジンへの固定構
造及び外観形状は、従来のオイルフィルタと同様である
ことから、本発明の実施の形態に係るオイルフィルタ6
は、従来のオイルフィルタを備えるエンジンとの互換性
を有し、単に、従来のオイルフィルタを本発明の実施の
形態に係るオイルフィルタ6に交換することのみによっ
て、潤滑油の清浄化をより高精度に行うことが可能とな
る。
【0035】
【実施例】図5には、本発明の実施の形態に係るオイル
フィルタ6(図1)と、従来構造のオイルフィルタ1
(図6)との、ライフ・濾過効率試験の結果を比較して
示している。かかる試験は、JIS D 3904に準拠して実施
されたものであり、縦軸には、圧力損失Δp(kg/cm2)、
および濾過効率fe(%)を表し、横軸には経過時間(h
r)を表している。
【0036】まず、圧力損失Δpの比較であるが、従来
のオイルフィルタ1の値の変化を符号P1で、本発明の
実施の形態に係るオイルフィルタ6の値の変化を符号P
6で示す。従来のオイルフィルタ1は、30μ以下のコン
タミナントに関しては、濾過体2を通過する、目の荒い
エレメントを使用しているので、使用開始の時点では圧
力損失は低いが、徐々に目詰まりを起こすことによって
圧力損失が増大する。一般的に、圧力損失の値が1.0(kg
/cm2)を超えたとき、圧力制御弁5が開くように設定さ
れている。これに対し、本発明の実施の形態に係るオイ
ルフィルタ6は、常時圧力制御弁5を開いて用いるの
で、圧力損失の値は一定である。
【0037】続いて、濾過効率feの比較であるが、従来
のオイルフィルタ1の値の変化を符号fe1で、本発明の
実施の形態に係るオイルフィルタ6の値の変化を符号fe
6で示す。従来のオイルフィルタ1は、30μ以下のコン
タミナントを通過させる目の荒いものを用いるので、使
用開始の時点では濾過効率は低い。しかし、徐々に目詰
まりを起こすことによって、より小さなコンタミナント
の捕捉が可能となり、時間経過と共に、濾過効率の値は
増加する。これに対し、本発明の実施の形態に係るオイ
ルフィルタ6は、当初から1μ以上のコンタミナントを
捕捉することが可能であり、使用開始の時点から、高い
濾過効率を示す。しかも、高い濾過効率を一定時間維持
することが可能である。
【0038】なお、符号fe6’で示す値は、本発明の実
施の形態に係るオイルフィルタ6において、エレメント
7の濾紙25の目の荒さを、若干荒い方向へとシフトした
場合を例示している。この場合は、濾過効率は若干低下
するが、従来よりも高い一定の濾過効率を、より長時間
に渡って維持することが可能となる。よって、本発明の
実施の形態に係るオイルフィルタ6は、濾過効率と耐用
時間との兼ね合いから、必要に応じて濾紙25の荒さ設定
をすることが望ましい。
【0039】
【発明の効果】本発明はこのように構成したので、以下
のような効果を有する。まず、本発明の請求項1に係る
オイルフィルタによれば、エンジンへの必要な潤滑油供
給量を確保しつつ、濾過体の精度をより高めることがで
きるので、従来は不可能であったごく小さなコンタミナ
ントの除去を可能とし、潤滑油の清浄化をより高精度に
行うことが可能となる。
【0040】また、本発明の請求項2に係るオイルフィ
ルタによれば、高精度の濾過体を前記主通路に配置する
ことで、従来は不可能であったごく小さなコンタミナン
トの除去を可能とし、また、前記迂回通路に設けた圧力
制御弁を常時開くことで、エンジンへの必要な潤滑油供
給量を確保することができる。
【0041】また、本発明の請求項3に係るオイルフィ
ルタによれば、従来のオイルフィルタを備えるエンジン
との互換性を有し、単に、従来のオイルフィルタを本発
明の実施の形態に係るオイルフィルタ6に交換すること
のみによって、潤滑油の清浄化をより高精度に行うこと
が可能となる。
【0042】さらに、本発明の請求項4に係るオイルフ
ィルタによれば、従来濾過することが不可能であったご
く小さなコンタミナントの除去が可能であり、かつ、前
記主通路を通過しない潤滑油は、前記迂回通路を通過し
て再びエンジンへと供給され、エンジンとオイルフィル
タとの間で循環を繰返すうちに前記主通路を通過して、
潤滑油全体のコンタミナントの除去を行い、潤滑油の清
浄化をより高精度に行うことが可能となる。
【0043】また、本発明の請求項5に係るオイルフィ
ルタによれば、前記濾過体の荒さの異なる三層の各層
が、各々分担して様々な大きさのコンタミナントを捕捉
することで、比較的小さなコンタミナントの除去を、長
期にわたって行うことが可能となる。よって、長時間に
渡って、潤滑油の清浄化をより高精度に行うことが可能
となる。
【0044】さらに、本発明の請求項6に係るオイルフ
ィルタによれば、極めて大きな異物に関しては、前記迂
回路に設けたストレーナによって、通過抵抗を増大させ
ることなく捕捉し、極めて大きな異物に関しての、潤滑
油の清浄化を確実に行うことが可能となる。よって、オ
イルフィルタとしての信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るオイルフィルタの構
造を示す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るオイルフィルタの具
体的構造を示す縦断面図および正面図である。
【図3】図2に示すオイルフィルタのエレメントを示す
部分断面図である。
【図4】図3に示すエレメントの濾紙の構造を示す部分
断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るオイルフィルタと、
従来構造のオイルフィルタとの、ライフ・濾過効率試験
の結果を示す図である。
【図6】従来のオイルフィルタの構造を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 オイルフィルタ 2 濾過体 3 主通路 4 迂回通路 5 圧力制御弁 6 オイルフィルタ 7 濾過体 8 ストレーナ B 潤滑油 B1 潤滑油 B2 潤滑油
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 39/18 B01D 35/02 E

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンに送る潤滑油を常時分流し、分
    流された一方の潤滑油のみ濾過することを特徴とするオ
    イルフィルタ。
  2. 【請求項2】 エンジンに送る潤滑油の流路を、主通路
    と迂回通路とに分岐させ、高精度の濾過体を前記主通路
    に配置し、圧力制御弁を前記迂回通路に配置したことを
    特徴とするオイルフィルタ。
  3. 【請求項3】 一端を閉じた管路の内部に、流入路と流
    出路とを同心状に配置し、該流入路と流出路とを、濾過
    体を介して連通させる主通路と、圧力制御弁を介して連
    通させる迂回通路とを備えるオイルフィルタにおいて、
    前記主通路の濾過体の荒さを、前記迂回通路の圧力制御
    弁を常時開放させ得るだけの通過抵抗を潤滑油に付与す
    るように、設定したことを特徴とするオイルフィルタ。
  4. 【請求項4】 前記主通路に潤滑油の全流入量の10〜20
    %を流し、かつ、単位時間あたりの濾過量は単位時間あ
    たりのコンタミナントの発生量を上回るように、前記濾
    過体の荒さを設定したことを特徴とする請求項2または
    3記載のオイルフィルタ。
  5. 【請求項5】 前記濾過体は、濾過精度を段階的に細か
    くした三重構造を有することを特徴とする請求項2から
    4のいずれか1項記載のオイルフィルタ。
  6. 【請求項6】 前記迂回通路にストレーナを配置したこ
    とを特徴とする請求項2から5のいずれか1項記載のオ
    イルフィルタ。
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