JP2002129089A - 画像記録用着色組成物の製造方法 - Google Patents

画像記録用着色組成物の製造方法

Info

Publication number
JP2002129089A
JP2002129089A JP2000322909A JP2000322909A JP2002129089A JP 2002129089 A JP2002129089 A JP 2002129089A JP 2000322909 A JP2000322909 A JP 2000322909A JP 2000322909 A JP2000322909 A JP 2000322909A JP 2002129089 A JP2002129089 A JP 2002129089A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pigment
water
resin
image recording
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000322909A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoru Kobayashi
覚 小林
Hideki Nakamu
秀樹 中務
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Color Works Ltd
Original Assignee
Sanyo Color Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Color Works Ltd filed Critical Sanyo Color Works Ltd
Priority to JP2000322909A priority Critical patent/JP2002129089A/ja
Publication of JP2002129089A publication Critical patent/JP2002129089A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水性プレスケーキ顔料のように、取り扱い上
や品質管理上の問題も無く、更に顔料を微細に分散し、
フルカラーの複写機やプリンター等を使用してフルカラ
ー画像を形成した時に、更に鮮明で透明性がよく、十分
な色再現性、発色性が得られる画像記録用着色組成物の
製造方法を提供することにある。 【解決手段】 粉末顔料と顔料ウェッティング剤と樹脂
とを水の存在下、100℃未満で加熱混練し、水の一部
を除去し、次いで加熱混練しながら顔料を樹脂に移行さ
せ、分離した水を除去し、さらに分散処理して、顔料を
微細化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像記録用着色組
成物の製造方法に関し、更に詳しくは顔料の分散性及び
透明性に優れている画像記録用着色組成物の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機及びプリンター等において
フルカラー画像への展開が急速に進みつつあり、その実
用化もなされている。
【0003】フルカラー電子写真法によるカラー画像形
成は、一般に3原色合成方式を基礎とし、3枚の静電潜
像を形成後、3原色のカラートナーによって被転写紙上
で合成する方法が一般的である。
【0004】即ち、フルカラー画像は、被転写材上に複
数色のトナーが重ね合わさられることによって得られる
ために、個々のトナーの光透過性が不足すると、色再現
性が悪化し、鮮明な画像を得ることが困難となる。
【0005】従って、カラートナーに使用される着色剤
としても、当然色の鮮明性及び透明性に優れた着色剤が
要望され、顔料自身の改良と共に顔料の樹脂中での高分
散性が強く要求されている。一般に顔料は乾燥させると
凝集する性質があり、乾燥粉末顔料には粗大な二次凝集
粒子が多数存在するため、従来の、粉末顔料を樹脂バイ
ンダーと高剪断を与えるロール混練機を用いて混練した
り、ニーダーで混練し、更にロール混練機を用いる等の
方法では対応が困難である。
【0006】この問題を解決する方法が、特開平5−3
4978号公報に開示されている。この公報では、顔料
を乾燥重量で約20〜70重量%含有する水性プレスケ
ーキとし、これを熱溶融性の樹脂バインダーと共に混練
機に仕込み、混合し、加熱して樹脂を溶融させ、加熱混
練しながら水相の顔料を溶融樹脂に移行させた後、水分
を除去するフラッシング方法が使用されている。この方
法では顔料を乾燥させる工程が無いので顔料の凝集が起
き難く、顔料粒子を細かい状態のまま樹脂で被覆するこ
とができ、高い顔料分散体が得られる。しかしながら、
この方法を用いて着色組成物を得ようとした場合、顔料
分散性は粉末顔料を使用した場合に比較して優れている
が、原料として顔料の水性プレスケーキを使用するた
め、取り扱い面では、重量物の運搬となり、また品質面
では、顔料の水性プレスケーキに含まれる水分を常に一
定に保つための管理が必要となる。更に、水性プレスケ
ーキを長期保存した場合腐敗するという問題があり、品
質管理上の問題を抱えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、取り扱い上や品質管理上の問題も無く、従来のフラ
ッシング法よりも更に顔料を微細に分散し、フルカラー
の複写機やプリンター等を使用してフルカラー画像を形
成した時に、更に鮮明で透明性がよく、十分な色再現
性、発色性が得られる画像記録用着色組成物の製造方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を達成するため鋭意検討の結果、顔料ウェッティング剤
と水の存在下加熱混練することで、顔料を均一に微細な
粒子として分散させることができること、粉末顔料を使
用することにより、取り扱い上や品質管理上の問題も解
決できることを見いだし本発明を完成した。即ち、本発
明の組成物の製造方法は、粉末顔料と顔料ウェッテング
剤と樹脂とを水の存在下、加熱混練した後、水分を除去
し、さらに分散処理してなる画像記録用着色組成物の製
造方法であり、そして、粉末顔料と顔料ウェッティング
剤と樹脂とを水の存在下、100℃未満で加熱混練し、
水の一部を除去し、次いで加熱混練しながら顔料を樹脂
に移行させ、分離した水を除去し、さらに分散処理する
画像記録用着色組成物の製造方法である。前記顔料は、
有機顔料、黒色顔料、無機顔料及びそれらの組合せから
なる郡より選択される粉末顔料であってもよい。前記顔
料ウェッティング剤は、界面活性剤及び/又は低級アル
コールであってもよく、顔料を高濃度に含有する固体状
の組成物であってもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においては、顔料ウェッテ
ィング剤を使用し粉末顔料と水と樹脂とを混練すること
により、顔料の分散性が改良され、顔料の粗大粒子を含
まず、顔料が微細に分散した画像記録用着色組成物が得
られる。着色組成物の製造に当たっては、水性プレスケ
ーキ顔料を使用せず、粉末顔料を使用するので、重量物
の運搬等の取り扱い上の問題や水性プレスケーキ顔料の
水分の管理や腐敗等の品質上の問題が起きない。ここで
得られる着色組成物を含むカラートナーは、フルカラー
の複写機やプリンター等を使用してフルカラー画像を形
成したときに、さらに鮮明で透明性がよく、十分な色再
現性、発色性が得られる等の特徴を発揮する。
【0010】本発明で用いられる粉末顔料は、水に溶解
しない顔料であればよく、トナーに使用される種々の有
機顔料、黒色顔料、無機顔料及びそれらの組合せが使用
可能である。
【0011】有機顔料としては、例えば、アゾ系[アセ
トアセトアリールイド系、ピラゾロン系、2,3−オキ
シナフトイルアリールアミド系、バルビツール酸系、チ
オバルビツール酸系、2,4,6−トリアミノ−1,3
−ピリミジン系、3−シアノ−4−メチルピリドン系等
のモノアゾまたはジスアゾ化合物ならびにアゾ化合物の
金属塩等]、(具体的には、C.I.ピグメントブラウ
ン23、ピグメントオレンジ31、ピグメントオレンジ
60、ピグメントオレンジ64、ピグメントスカーレッ
ト160、C.I.ピグメントレッド5、ピグメントレ
ッド220、ブリリアントカーミン6B、C.I.ピグ
メントイエロー9、C.I.ピグメントイエロー17、
C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメント
イエロー93等を例示することができる)、アンスラキ
ノン系(具体的には、C.I.ピグメントレッド17
7、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ソル
ベントイエロー163等を例示することができる)、フ
タロシアニン系[銅フタロシアニン、塩素化銅フタロシ
アニン等]、(具体的には、C.I.ピグメントブルー
15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、C.
I.ピグメントグリーン7等を例示することができ
る)、ペリノン、ペリレン系(具体的には、C.I.ピ
グメントレッド149、ペリレンレッド、ペリレンスカ
ーレッド等を例示することができる)、ベンズイミダゾ
ロン系(具体的には、C.I.ピグメントイエロー18
0等を例示することができる)、インジゴ、チオインジ
ゴ系、ジオキサジン系、キナクリドン系(具体的には、
2,9−ジメチル−キナクリドン、C.I.分散レッド
15、C.I.ピグメントレッド122、キナクリドン
レッド、キナクリドンマゼンタ等を例示することができ
る)、イソインドリノン系(具体的には、C.I.ピグ
メントイエロー185等を例示することができる)等の
顔料を挙げることができる。
【0012】黒色顔料としては、例えば、アニリンブラ
ック系、カーボンブラック系(例えば、アセチレンブラ
ック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等)等
を挙げることができる。
【0013】無機顔料としては、例えば、チタンホワイ
ト、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファーストイ
エロー、モリブデンオレンジ、カドミウムレッド、マン
ガン紫、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロム
等を挙げることができる。
【0014】それらの中で特に親油性の高い有機顔料が
好ましい。これらの顔料は単独または2種以上併用して
用いられる。また、顔料を高濃度に含有する水性スラリ
ーや水性ケーキを脱水加熱乾燥した乾燥粉末顔料を使用
した場合に効果を最も発揮する。
【0015】本発明で用いられる樹脂は、融点または軟
化点が140℃以下、好ましくは60〜130℃であ
り、より好ましくは70〜120℃であり、常温では固
体の樹脂である。融点または軟化点が140℃を越える
と顔料との混練時に多大なエネルギーを必要とし、加圧
する必要もある、またカラートナーの融点が上がり好ま
しくない。
【0016】これらの樹脂は、どのような合成方法を用
いて製造してもよい。合成方法の例としては、溶液重
合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合などを挙げることが
できる。また、これらの樹脂は、熱可塑性樹脂であるこ
とが望ましく、例えば、スチレン系重合体、アリルアル
コール系重合体、ポリビニルケトン類、(メタ)アクリ
ル酸系重合体、ハロゲン含有ビニル重合体、オレフィン
系重合体等の付加重合系の樹脂を挙げることができる。
【0017】前記スチレン系重合体の具体例として、例
えば、芳香族ビニル単量体(スチレン系単量体)の単独
または共重合体(ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチ
レン)、ポリ(4−クロロスチレン)等)、芳香族ビニ
ル単量体と共重合性単量体との共重合体(スチレン−
(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体(スチレ
ン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸ブチル共重合体等)、スチレン−メタアクリル酸メ
チル−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、
スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−マレイ
ン酸エステル共重合体、スチレン−マレイミド共重合体
等)等を例示することができる。
【0018】前記アリルアルコール系重合体の具体例と
して、例えば、アリルアルコール−アルキルビニルエー
テル共重合体(アリルアルコール−メチルビニルエーテ
ル共重合体等)等を例示することができる。
【0019】前記ポリビニルケトン類の具体例として、
例えば、ポリビニルメチルケトン、ポリビニルメチルイ
ソブチルケトン、ポリメチルイソプロペニルケトン等を
例示することができる。
【0020】前記ポリアルキルビニルエーテルの具体例
として、例えば、ポリメチルビニルエーテル、メチルビ
ニルエーテル−無水マレイン酸共重合体等を例示するこ
とができる。
【0021】前記(メタ)アクリル酸系重合体の具体例
として、例えば、(メタ)アクリル系単量体[(メタ)
アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル単量体
等]の単独または共重合体、(メタ)アクリル系単量体
と共重合性単量体[ビニルエステル系単量体、複素環式
ビニル系単量体、芳香族ビニル単量体、重合性不飽和ジ
カルボン酸またはその誘導体などのビニル系単量体]と
の共重合体等を例示することができる。
【0022】前記ハロゲン含有ビニル重合体の具体例と
して、例えば、ハロゲン含有ビニル単量体の単独または
共重合体(ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロ
ライド、ポリビニルブロマイド、ポリビニルフロライ
ド、ポリビニリデンフロライド等)、ハロゲン含有ビニ
ル単量体と共重合性単量体との共重合体(塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニリデン−(メタ)アクリルアミド共重合
体、塩化ビニリデン−(メタ)アクリル酸共重合体、塩
化ビニリデン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体
等)等を例示することができる。
【0023】前記オレフィン系重合体の具体例として、
例えば、オレフィン類の単独または共重合体(ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリイソブテ
ン、ポリブタジエン、エチレン−プロピレン共重合体
等)、オレフィン類と共重合性単量体との共重合体(エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アク
リル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体、変性ポリオレフィン等)等を例示すること
ができる。
【0024】更にポリエステル、ポリアミド、ポリウレ
タン等を単独または他の樹脂と混合した形で使用するこ
とができる。これらの樹脂の中でもポリエステル樹脂が
好ましく使用できる。ポリエステル樹脂は、多価アルコ
ールと多塩基性カルボン酸またはその反応性酸誘導体と
の反応によって製造することができる。
【0025】ポリエステル樹脂を構成する多価アルコー
ルとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピ
レングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジ
オール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメ
タノールなどのジオール類、ビスフェノールA、水素化
ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノー
ルA・アルキレンオキサイド付加化合物、その他の2価
アルコール等を挙げることができる。
【0026】また、多塩基性カルボン酸としては、例え
ば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セ
バシン酸、アルキルコハク酸、リノレイン酸、マレイン
酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン
酸、グルタコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ナフ
タレンジカルボン酸、1,2−ビス(4−カルボキシフ
ェノキシ)エタン、フタール酸、イソフタール酸、テレ
フタール酸、その他の2塩基性カルボン酸、或いはこれ
らの酸無水物、アルキルエステル、酸ハライド等の反応
性誘導体等を挙げることができる。
【0027】これらのカルボン酸に加えて、ポリマーを
テトラヒドロフラン不溶分が生じない程度に非線状化す
る目的で、3価以上の多価アルコール及び/または3価
以上の多塩基性カルボン酸を加えてもよい。3価以上の
多価アルコールとしては、例えば、ソルビトール、1,
2,3,6−ヘキサンテトラオール、1,4−ソルビタ
ン、ペンタエリストール、1,2,4−ブタントリオー
ル、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2
−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4
−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチ
ロールプロパン、1,3,5,−トリメチロールベンゼ
ン等を挙げることができる。3価以上の多塩基性カルボ
ン酸としては、例えば、1,2,4−ブタントリカルボ
ン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベ
ンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカ
ルボン酸等を挙げることができる。
【0028】前記樹脂のうち好ましいものは、ポリエス
テル樹脂及びスチレン−(メタ)アクリル酸系樹脂であ
る。これらの樹脂は単独または2種以上併用して用いら
れる。
【0029】樹脂と顔料の割合は、樹脂100重量部に
対して、顔料0.5〜250重量部であり、好ましくは
1〜150重量部、より好ましくは1〜100重量部で
ある。そして、樹脂と顔料の割合は、その着色組成物の
目的によって異なり、高濃度組成物(マスターバッチ)
の場合は、樹脂100重量部に対して20〜250重量
部、好ましくは25〜150重量部、より好ましくは4
0〜100重量部である。顔料の割合が0.5重量部よ
り少ないと着色力が弱く、顔料の割合が250重量部よ
り多いと混練加工性が低下し顔料の分散が不十分になり
易い。
【0030】顔料と水の割合は、顔料100重量部に対
して、水50〜250重量部であり、好ましくは80〜
200重量部、より好ましくは90〜150重量部であ
る。水の添加量が50重量部未満であると、顔料粒子へ
の水分の浸透が十分でなく、顔料の粒径の大きいものが
残りそのため顔料の分散が不十分なものとなる。一方、
水の添加量が250重量部を越えると、樹脂との混練時
に、いわゆるスラリー状態になり、好適な機械的剪断応
力が加わらなくなるため、やはり顔料の分散が不十分と
なる。
【0031】本発明で用いられる、顔料ウェッティング
剤とは、親油性の高い顔料に水をすみやかに浸透させ
て、顔料粒子の表面を均一に濡らす働きをするものであ
り、例えば、界面活性剤や低級アルコールなどを例示す
ることができる。界面活性剤としては、従来公知の物質
をいずれも使用することができる。
【0032】陰イオン(アニオン)系の界面活性剤とし
ては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、
リン酸エステル塩等が挙げられ、具体的には、高級アル
コール硫酸エステルナトリウム塩、アルキルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、モノエステル型スルホ琥珀酸塩、
アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エ
ステル塩等(ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナ
トイウム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、ドデシル
ナフタレン硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム等)を例示す
ることができる。
【0033】陽イオン(カチオン)系の界面活性剤とし
ては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベ
ンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム
塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられ、具体的には、ア
ルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジ
メチルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルベンジ
ルアンモニウムクロリド、4級ポリオキシエチルアミン
のハロゲン化塩等(ステアリルトリメチルアンモニウム
クロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、セ
チルトリメチルアンモニウムブロミド、ジステアリルジ
メチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジ
ルアンモニウムクロリド等)を例示することができる。
【0034】両性系の界面活性剤としては、カルボキシ
ベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベ
タイン、レシチン等を挙げることができる。
【0035】非イオン(ノニオン)系の界面活性剤とし
ては、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、
含窒素型等が挙げられ、具体的には、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、
ポリオキシエチレンアルキルアミド等(ポリオキシエチ
レンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエー
テル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキ
シエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン
モノラウレート、ポリオキシエチレンステアリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等)を
例示することができる。また、フッ素系の界面活性剤や
反応性の界面活性剤等も含まれる。なかでも、陰イオン
(アニオン)界面活性剤が好ましい。これらの界面活性
剤は単独または2種以上併用して用いられる。
【0036】低級アルコールとしては、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−
ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソ
ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコー
ル等が挙げられ、なかでもイソプロピルアルコールが好
ましい。これらの低級アルコールは単独または2種以上
併用して用いられる。
【0037】水と顔料ウェッティング剤の割合は、水1
00重量部に対して、顔料ウェッティング剤0.05〜
50重量部、好ましくは0.08〜35重量部、より好
ましくは0.1〜20重量部である。
【0038】顔料ウェッティング剤に界面活性剤を使用
する場合には、水100重量部に対して、界面活性剤
0.05〜2.0重量部であり、好ましくは0.08〜
1.5重量部、より好ましくは0.1〜1.0重量部で
ある。界面活性剤の添加量が0.05重量部未満では、
顔料の表面を均一に水で濡らすことが困難であり、2.
0重量部を越えると、着色組成物の耐熱性が低下し、フ
ルカラー画像の発色性や色再現性を低下させる。界面活
性剤は使用に際して水で稀釈して使用してもよい。通常
は界面活性剤の20重量%水溶液として使用される。
【0039】顔料ウェッティング剤に低級アルコールを
使用する場合には、水100重量部に対して、低級アル
コール3〜50重量部であり、好ましくは5〜35重量
部、より好ましくは7〜20重量部である。低級アルコ
ールの添加量が3重量部未満では、顔料を均一に湿潤化
することが難しく、50重量部を越えると、経済的に不
利となる。
【0040】本発明における画像記録用着色組成物は、
粉末顔料と樹脂と顔料ウェッティング剤とを水の存在下
で加熱混練後、水分を除去し、さらに分散処理して得ら
れる。製造に際しては、フラッシャーまたはニーダーな
どの混練機に粉末顔料と水と樹脂と顔料ウェッティング
剤とを仕込み、混合し、仕込み樹脂のガラス転移温度
(Tg)より高い温度で実質的に100℃未満の温度ま
で加熱して樹脂を溶融させる。この時、予め粉末顔料と
水と顔料ウェッティング剤とを撹拌混合しておき、これ
と樹脂とを混練機で加熱溶融させる方法、混練機に樹脂
と水と顔料ウェッティング剤とを仕込み、撹拌混合しな
がら粉末顔料を数回に分けて投入して加熱溶融させる方
法、粉末顔料と水と顔料ウェッティング剤と樹脂とを同
時に混練機に仕込み混合し、加熱して樹脂を溶融させる
方法とがあるが、これらのどの方法であってもよい。
【0041】次いで、混練機での混練を実質的に100
℃未満の温度で加熱混練を行う。この間水を沸騰させな
い状態に加熱温度をコントロールする。加熱混練してい
る間に水の一部を蒸発させて除去する。水の一部を蒸発
除去した後、水の存在下に混練を行うが、この時混練温
度を少し低下させて混練することも好ましい。低下させ
る温度としては、2〜30℃程度で十分である。ここで
水を完全に除去させないで水の存在下で混練を行うこと
によって、混練物を硬く、そしてシェアーのかかる状態
で練り込むことができるので、顔料の分散性をより高め
ることができる。加熱混練時間は顔料と樹脂の種類や添
加量で変化するが、通常は10分乃至60分程度が好ま
しい。
【0042】次いで、昇温しながら混練を続けると水相
の顔料が溶融樹脂相に移行が始まり、明瞭に水分が分離
した時点で、分離した水を排出除去する。水分が分離し
た時点の温度よりも温度を下げて混練することも好まし
く、この温度で混練を続け顔料の分散をより高めること
もできる。混練中に内部発熱などで混練物の温度が10
0℃を越えないようにニーダーのジャケトに冷却水など
を流して、混練物の温度をコントロールすることが好ま
しい。ここでの混練時間は顔料と樹脂の種類や添加量な
どで異なるが、一般的には30分乃至120分程度が好
ましい。
【0043】次いで、ニーダーなどの混練機から混練物
を取り出し冷却固化させハンマーミルなどを用いて粗粉
砕する。粗粉砕品は、さらに分散処理機により顔料をよ
り高度に分散させる処理を行う。このことで顔料は分散
度が上がり、顔料が微細に分散するため顔料分散体の透
明性が向上する。
【0044】本発明の分散処理は、公知の方法を広く使
用することができる。分散処理に使用する分散処理機と
しては、公知の分散処理機を使用することができ、例え
ば、3本ロール、バンバリーミキサー、コニーダー、1
或いは2軸押出機などを挙げることができる。分散処理
温度は、使用した樹脂の軟化点付近で行うことができ
る。前記混練物には水分が残留している可能性があるの
で、開放状態で加熱分散処理ができる3本ロールなどが
好ましく使用することができる。密閉式の分散機(押出
機など)であっても、ベント口より真空で吸引すること
で、残留水分の乾燥と分散処理とを行うことができる。
このようにして、残留水分を完全に除去され、しかも顔
料が高度に分散された顔料樹脂混練物を得ることができ
る。得られた顔料樹脂混練物は、ハンマーミルなどで粉
砕して粉体の画像記録用着色組成物として得ることがで
きる。
【0045】カラートナーを製造するためには、前記着
色組成物に結着樹脂を所望の割合で混合し、必要に応じ
てその他荷電制御剤や添加剤等を加えて、ヘンシェルミ
キサー等で予備混合を行い、その後バンバリーミキサ
ー、ニーダー、コンティニュアスミキサー、ロールミ
ル、1或いは2軸押出機、コニーダーなどにより溶融・
混練を行い、次いで冷却した後、ハンマーミルなどで粗
粉砕しジェットミルなどで微粉砕する。その後に風力分
級機などで分級し、平均粒径5〜20μm程度の所定の
粒度分布を有する分級品を得ればよい。
【0046】結着樹脂は、前記した樹脂が使用される
が、各色の着色組成物で使用した樹脂と同一または同系
統のものであることが好ましい。結着樹脂の添加量は、
着色組成物の顔料の割合などで異なるが、カラートナー
に顔料が0.5〜10重量%、好ましくは2〜8重量%
含まれるように結着樹脂を添加すればよい。
【0047】カラートナーの荷電制御は、結着樹脂、顔
料自体で行ってもよいが、必要に応じて、色再現上問題
の生じないような荷電制御剤を併用してもよい。荷電制
御剤は、結着樹脂中に混合添加して用いても、トナー粒
子表面に付着させた形で用いてもよい。荷電制御剤とし
ては、正・負帯電いずれも公知のものが全て使用でき
る。トナーが黒色の場合には、荷電制御剤として、例え
ば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系染料、クロ
ム含有金属錯体、モリブデン酸キレート顔料、ローダミ
ン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩、
アルキルアミド、アルキル置換サリチル酸の金属錯体
(例えば、ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯
体、アルミニウム錯体、または亜鉛錯体等)のような有
機金属錯体等を挙げることができる。またトナーが黒以
外の場合には、画像の色調に影響を与えない無色または
淡色の荷電制御剤が好ましい。例えば、アルキル置換サ
リチル酸の金属錯体(例えば、ジ−tert−ブチルサ
リチル酸のクロム錯体、アルミニウム錯体、または亜鉛
錯体等)のような有機金属錯体等を挙げることができ
る。
【0048】
【実施例】以下に、実施例及び比較例に基づき、本発明
を更に詳細に説明する。実施例及び比較例中、部及び%
は、重量部及び重量%をそれぞれ表す。
【0049】[実施例1]ポリエステル樹脂(軟化点約
80℃)75部、水59部及び顔料ウェッティング剤と
してアニオン系界面活性剤(第一工業製薬(株)製、商
品名、ネオゲンR−K)の20%水溶液1部をニーダー
に仕込み撹拌混合し、次いで、粉末の銅フタロシアニン
ブルー顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)50
部を数回に分けてニーダーに投入し、撹拌混合しながら
徐々に加熱した。水を沸騰させないようにして、材料温
度80〜90℃で約20分混練した。この間、水分の一
部を蒸発により除去した。その後、徐々に昇温し顔料が
溶融樹脂に移行し水相と着色樹脂相とが明瞭に分離した
時点でニーダーを横転させて分離した水分を排出除去し
た。次いで、材料温度を80〜100℃で、約90分混
練して顔料の分散を行った。この間、内容物温度が10
0℃を越えないように冷却水で温度をコントロールし
た。ニーダーから内容物を排出して冷却後更に100〜
110℃に加熱した3本ロールでロール圧力24.5×
105〜34.3×105Paで混練、分散処理を行っ
た。
【0050】分散処理品を冷却し、粗砕後、粉砕して青
色顔料を40%の濃度で含有した高濃度着色組成物を得
た。この着色組成物の分散性及び透明性を評価した結果
を表1に示した。
【0051】[実施例2]ポリエステル樹脂(軟化点約
105℃)36部、水24部及び顔料ウェッティング剤
としてアニオン系界面活性剤(第一工業製薬(株)製、
商品名、ネオゲンR−K)の20%水溶液1部をニーダ
ーに仕込み撹拌混合し、次いで、粉末のジスアゾイエロ
ー顔料(C.I.ピグメントイエロー17)24部を数
回に分けてニーダーに投入し、撹拌混合しながら徐々に
加熱した。水を沸騰させないようにして、材料温度80
〜90℃で約20分混練した。この間、水分の一部を蒸
発により除去した。その後、徐々に昇温し顔料が溶融樹
脂に移行し水相と着色樹脂相とが明瞭に分離した時点で
ニーダーを横転させて分離した水分を排出除去した。次
いで、材料温度を80〜100℃で、約90分混練して
顔料の分散を行った。この間、内容物温度が100℃を
越えないように冷却水で温度をコントロールした。ニー
ダーから内容物を排出して冷却後更に100〜110℃
に加熱した3本ロールでロール圧力24.5×105
34.3×105Paで混練、分散処理を行った。
【0052】分散処理品を冷却し、粗砕後、粉砕して黄
色顔料を40%の濃度で含有した高濃度着色組成物を得
た。この着色組成物の分散性及び透明性を評価した結果
を表1に示した。
【0053】[実施例3]ポリエステル樹脂(軟化点約
105℃)75部、水54部及び顔料ウェッティング剤
としてアニオン系界面活性剤(第一工業製薬(株)製、
商品名、ネオゲンR−K)の20%水溶液1.5部をニ
ーダーに仕込み撹拌混合し、次いで、粉末のジメチルキ
ナクリドン顔料(C.I.ピグメントレッド122)5
0部を数回に分けてニーダーに投入し、撹拌混合しなが
ら徐々に加熱した。水を沸騰させないようにして、材料
温度80〜90℃で約20分混練した。この間、水分の
一部を蒸発により除去した。その後、徐々に昇温し顔料
が溶融樹脂に移行し水相と着色樹脂相とが明瞭に分離し
た時点でニーダーを横転させて分離した水分を排出除去
した。次いで、材料温度を80〜100℃にし、約90
分混練して顔料の分散を行った。この間、内容物温度が
100℃を越えないように冷却水で温度をコントロール
した。ニーダーから内容物を排出して冷却後更に100
〜110℃に加熱した3本ロールでロール圧力24.5
×105〜34.3×105Paで混練、分散処理を行っ
た。
【0054】分散処理品を冷却し、粗砕後、粉砕して赤
色顔料を40%の濃度で含有した高濃度着色組成物を得
た。この着色組成物の分散性及び透明性を評価した結果
を表1に示した。
【0055】[実施例4]ポリエステル樹脂(軟化点約
80℃)30部、水22部及び顔料ウェッティング剤と
してアニオン系界面活性剤(第一工業製薬(株)製、商
品名、ネオゲンR−K)の20%水溶液0.6部をニー
ダーに仕込み撹拌混合し、次いで、粉末のジスアゾイエ
ロー顔料(C.I.ピグメントイエロー17)3.87
部、粉末のモノアゾ顔料(C.I.ピグメントレッド
5)8.33部、粉末の銅フタロシアニンブルー顔料
(C.I.ピグメントブルー15:3)4.8部及びカ
ーボンブラック粉末3.0部を数回に分けてニーダーに
投入し、撹拌混合しながら徐々に加熱した。水を沸騰さ
せないようにして、材料温度80〜90℃で約20分混
練した。この間、水分の一部を蒸発により除去した。そ
の後、徐々に昇温し顔料が溶融樹脂に移行し水相と着色
樹脂相とが明瞭に分離した時点でニーダーを横転させて
分離した水分を排出除去した。次いで、材料温度を80
〜100℃にし、約90分混練して顔料の分散を行っ
た。この間、内容物温度が100℃を越えないように冷
却水で温度をコントロールした。ニーダーから内容物を
排出して冷却後更に100〜110℃に加熱した3本ロ
ールでロール圧力24.5×105〜34.3×105
aで混練、分散処理を行った。
【0056】分散処理品を冷却し、粗砕後、粉砕して混
色顔料を40%の濃度で含有した高濃度黒色組成物を得
た。この黒色組成物の分散性及び透明性を評価した結果
を表1に示した。
【0057】[実施例5]ポリエステル樹脂(軟化点約
105℃)36部、水22.5部及び顔料ウェッティン
グ剤としてイソプロピルアルコール2.5部をニーダー
に仕込み撹拌混合し、次いで、粉末のジスアゾイエロー
顔料(C.I.ピグメントイエロー93)24部を数回
に分けてニーダーに投入し、撹拌混合しながら徐々に加
熱した。水を沸騰させないようにして、材料温度80〜
90℃で約20分混練した。この間、水分の一部を蒸発
により除去した。その後、徐々に昇温し顔料が溶融樹脂
に移行し水相と着色樹脂相とが明瞭に分離した時点でニ
ーダーを横転させて分離した水分を排出除去した。次い
で、材料温度を80〜100℃にし、約90分混練して
顔料の分散を行った。この間、内容物温度が100℃を
越えないように冷却水で温度をコントロールした。ニー
ダーから内容物を排出して冷却後更に100〜110℃
に加熱した3本ロールでロール圧力24.5×105
34.3×105Paで混練、分散処理を行った。
【0058】分散処理品を冷却し、粗砕後、粉砕して黄
色顔料を40%の濃度で含有した高濃度着色組成物を得
た。この着色組成物の分散性及び透明性を評価した結果
を表1に示した。
【0059】[比較例1]ポリエステル樹脂(軟化点約
80℃)75部と粉末の銅フタロシアニンブルー顔料
(C.I.ピグメントブルー15:3)50部をニーダ
ーに仕込み撹拌混合しながら徐々に加熱した。材料温度
80〜90℃で約20分混練した。その後、徐々に昇温
し材料温度を80〜100℃で、約90分混練して顔料
の分散を行った。この間、内容物温度が100℃を越え
ないように冷却水で温度をコントロールした。ニーダー
から内容物を排出して冷却後更に100〜110℃に加
熱した3本ロールでロール圧力24.5×105〜3
4.3×105Paで混練、分散処理を行った。
【0060】分散処理品を冷却し、粗砕後、粉砕して青
色顔料を40%の濃度で含有した高濃度着色組成物を得
た。この着色組成物の分散性及び透明性を評価した結果
を表1に示した。
【0061】[比較例2]ポリエステル樹脂(軟化点約
80℃)75部、水59部をニーダーに仕込み撹拌混合
し、次いで、粉末の銅フタロシアニンブルー顔料(C.
I.ピグメントブルー15:3)50部を数回に分けて
ニーダーに投入し、撹拌混合しながら徐々に加熱した。
水を沸騰させないようにして、材料温度80〜90℃で
約20分混練した。この間、水分の一部を蒸発により除
去した。その後、徐々に昇温し顔料が溶融樹脂に移行し
水相と着色樹脂相とが明瞭に分離した時点でニーダーを
横転させて分離した水分を排出除去した。次いで、材料
温度を80〜100℃で、約90分混練して顔料の分散
を行った。この間、内容物温度が100℃を越えないよ
うに冷却水で温度をコントロールした。ニーダーから内
容物を排出して冷却後更に100〜110℃に加熱した
3本ロールでロール圧力24.5×105〜34.3×
105Paで混練、分散処理を行った。
【0062】分散処理品を冷却し、粗砕後、粉砕して青
色顔料を40%の濃度で含有した高濃度着色組成物を得
た。この着色組成物の分散性及び透明性を評価した結果
を表1に示した。
【0063】[比較例3]ポリエステル樹脂(軟化点約
80℃)75部と銅フタロシアニンブルー顔料(C.
I.ピグメントブルー15:3)の水性プレスケーキ
(顔料の含有量50%)100部をニーダーに仕込み撹
拌混合しながら徐々に加熱した。水を沸騰させないよう
にして、材料温度80〜90℃で約20分混練した。こ
の間、水分の一部を蒸発により除去した。その後、徐々
に昇温し顔料が溶融樹脂に移行し水相と着色樹脂相とが
明瞭に分離した時点でニーダーを横転させて分離した水
分を排出除去した。次いで、材料温度を80〜100℃
で、約90分混練して顔料の分散を行った。この間、内
容物温度が100℃を越えないように冷却水で温度をコ
ントロールした。ニーダーから内容物を排出して冷却後
更に100〜110℃に加熱した3本ロールでロール圧
力24.5×105〜34.3×105Paで混練、分散
処理を行った。
【0064】分散処理品を冷却し、粗砕後、粉砕して青
色顔料を40%の濃度で含有した高濃度着色組成物を得
た。この着色組成物の分散性及び透明性を評価した結果
を表1に示した。
【0065】得られた着色組成物の分散性及び透明性は
下記に示す方法で評価した。 (1) エナメルの作成 テトラヒドロフラン/シクロヘキサノン=1/1の溶剤
40部に着色組成物4部を添加して、ペイントコンディ
ショナーで30分、分散処理して作成した。 (2) 分散性 100μmグラインドメーターに(1)のエナメルを流
し込み、スクレバーで押しつけたまま掻き取り、素早く
溝の目盛りを読みとった。(JIS K5101−19
91の9:「分散性」に基準)結果は分散している最大
粒子径で表示した。 (3) 透明性 (1)のエナメルをポリエステル(PET)フィルムに
基準品と並べて置き、0.15mm径のバーコーターで
展色し、乾燥後肉眼にて透明性を評価した。
【0066】評価は次の4段階で表示した。
【0067】 ◎ 透明性優れている ○ 透明性良好 △ 透明性やや劣る × 不透明
【0068】
【表1】
【0069】以上のように、本発明の着色組成物の製造
方法は、粉末顔料のみ(比較例1)、粉末顔料で顔料ウ
ェッティング剤なし(比較例2)に比べ分散性及び透明
性に優れていることが確認された。又、水性プレスケー
キ顔料を使用したものと同等以上の分散性及び透明性が
得られることが確認された。
【0070】
【発明の効果】本発明の着色組成物の製造方法により、
原材料の顔料の取り扱い上や品質管理上の問題も無く、
着色組成物中の顔料は、微細に分散し、鮮明で十分な色
再現性、発色性が得られ、特にOHP用シートのような
透明基材へ画像形成した時、鮮明で著しい透明性が得ら
れる着色組成物及びカラートナーが得られる。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H005 AA21 AB02 CA21 CA30 4J037 AA02 AA08 AA12 AA13 AA19 AA22 AA30 CB04 DD05 DD24 EE25 EE28 EE43 FF03 FF09 FF15 4J039 AD01 AD03 AD04 AD06 AD09 AD14 AE04 AE06 AE08 BA04 BA13 BA35 BC07 BC14 BC27 BC33 BC39 BC54 BC60 BC79 BE01 BE12 BE22 CA10 DA02 DA05 DA06 EA29 EA33 GA06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末顔料と顔料ウェッティング剤と樹脂
    とを水の存在下、加熱混練した後、水分を除去し、さら
    に分散処理してなる画像記録用着色組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 粉末顔料と顔料ウェッティング剤と樹脂
    とを水の存在下、100℃未満で加熱混練し、水の一部
    を除去し、次いで加熱混練しながら顔料を樹脂に移行さ
    せ、分離した水を除去し、さらに分散処理する画像記録
    用着色組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 分散処理が、加熱3本ロール処理である
    請求項1又は2に記載の画像記録用着色組成物の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 粉末顔料が、有機顔料、黒色顔料、無機
    顔料及びそれらの組合せからなる郡より選択される粉末
    顔料である請求項1乃至3の何れかに記載の画像記録用
    着色組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 顔料ウェッティング剤が、界面活性剤及
    び/又は低級アルコールである請求項1乃至4の何れか
    に記載の画像記録用着色組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 界面活性剤が、アニオン界面活性剤であ
    る請求項5に記載の画像記録用着色組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 組成物が、顔料を高濃度に含有する固体
    状の組成物である請求項1乃至6に記載の画像記録用着
    色組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7の何れかに記載の方法で
    製造した画像記録用着色組成物。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の着色組成物を含むカラ
    ートナー。
JP2000322909A 2000-10-23 2000-10-23 画像記録用着色組成物の製造方法 Pending JP2002129089A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000322909A JP2002129089A (ja) 2000-10-23 2000-10-23 画像記録用着色組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000322909A JP2002129089A (ja) 2000-10-23 2000-10-23 画像記録用着色組成物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002129089A true JP2002129089A (ja) 2002-05-09

Family

ID=18800702

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000322909A Pending JP2002129089A (ja) 2000-10-23 2000-10-23 画像記録用着色組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002129089A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004198751A (ja) * 2002-12-19 2004-07-15 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用イエロー現像剤及び画像形成方法
EP1975730A1 (en) 2003-11-07 2008-10-01 Canon Kabushiki Kaisha Yellow toner, image forming apparatus and a method for producing a toner

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004198751A (ja) * 2002-12-19 2004-07-15 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用イエロー現像剤及び画像形成方法
EP1975730A1 (en) 2003-11-07 2008-10-01 Canon Kabushiki Kaisha Yellow toner, image forming apparatus and a method for producing a toner
US7455947B2 (en) 2003-11-07 2008-11-25 Canon Kabushiki Kaisha Yellow toner, image forming apparatus and a method for producing a toner

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3447777B2 (ja) トナー組成物の製造方法
JP4063337B2 (ja) 粒状組成物の製法
JP4612905B2 (ja) マゼンタトナー及びマゼンタトナーの製造方法
EP1084458B1 (en) Process for making particulate compositions
JPH0469384B2 (ja)
JP3556835B2 (ja) 画像記録用着色組成物及びその製造方法
JP2001089682A (ja) 複合顔料、着色組成物及び画像記録剤
EP1070747B1 (en) Composite pigments, coloring compositions, and image recording substances
DE60214323T2 (de) Ladungskontrollmittel, Herstellungsverfahren, Ladungskontrollharzteilchen und Toner für die Entwicklung Elektrostatischer Bilder
DE3149575A1 (de) Toner zum entwickeln latenter elektrostatischer bilder
JP3108228B2 (ja) 画像記録用着色組成物の製造方法及び電子写真用乾式現像剤の製造方法
JP3670148B2 (ja) 画像記録用着色組成物及び画像記録剤
JPH11190914A (ja) フルカラー電子写真用トナーおよびその製造方法
JP2002129089A (ja) 画像記録用着色組成物の製造方法
JPH10312088A (ja) フルカラートナー組成物及びフルカラー画像形成方法
JP2002201379A (ja) 粗製顔料及び粗製顔料分散体
JPH06130724A (ja) カラ−トナーおよびカラートナー用マスターバッチの製造方法
JP2910945B2 (ja) 画像記録用着色組成物の製造方法
JP3306005B2 (ja) 微粒子状着色組成物の製造方法及び微粒子状着色組成物
JPH09269610A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2018131567A (ja) 色素化合物及びトナー
JPH05113693A (ja) 電子写真用トナー
JP7127646B2 (ja) マゼンタトナー
JP2018053157A (ja) 混合物、トナーおよび分散体
JP3635895B2 (ja) トナー母粒子、及びトナー並びに現像剤