JP2002128899A - 生分解性を有する吸水性高分子 - Google Patents

生分解性を有する吸水性高分子

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JP2002128899A
JP2002128899A JP2000369281A JP2000369281A JP2002128899A JP 2002128899 A JP2002128899 A JP 2002128899A JP 2000369281 A JP2000369281 A JP 2000369281A JP 2000369281 A JP2000369281 A JP 2000369281A JP 2002128899 A JP2002128899 A JP 2002128899A
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carboxyl group
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Saeko Murakami
小枝子 村上
Takeshi Endo
剛 遠藤
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Kanagawa Prefecture
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Kanagawa Prefecture
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた生分解性と高い吸水性を有する吸水性高
分子を提供する。 【解決手段】側鎖にカルボキシル基を有する生分解性ポ
リアミノ酸を、同一分子内にカルボキシル基と反応する
2個の官能基とこの官能基と同種の2個以上の親水基又
はこの官能基と異種の1個以上の親水基を有する生分解
性化合物で、直接架橋したことを特徴とする生分解性を
有する吸水性高分子を提供し、この架橋反応を、有機溶
媒、水、又は、それらの混合溶媒中で、水溶性カルボジ
イミドを用いて、また、必要に応じて更に塩基を加えて
行わせることを特徴とする生分解性を有する吸水性高分
子の製造方法を提案する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療分野における
体液吸収体や薬物徐放担体、及び、緑化分野における土
壌の水分保持材等に使用される吸水性高分子に関するも
のである。従来から、医療分野を中心に吸水量の多い素
材に対する要求が高まり、多くの素材が提供されてき
た。しかしながら、これらの素材には、完全な生分解性
がないものが多く、その廃棄について多くの問題があっ
た。本発明は、生分解性を有する新規な吸水性高分子に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、澱粉にアクリロニトリルをグ
ラフト重合したものをアルカリ加水分解した高分子化合
物が高い吸水性を有していることが知られていた。しか
しながら、この高分子化合物が生分解性を有しないこと
から、ポリアスパラギン酸やポリグルタミン酸等の生分
解性が期待される高分子を骨格とする吸水性高分子の開
発が進められた。
【0003】例えば、特開平11−5838号公報に
は、ポリコハク酸イミドを、塩基性アミノ酸のカルボン
酸塩で架橋し、残りのイミド環を加水分解して、架橋ポ
リアスパラギン酸を製造する方法が開示されている。こ
の場合、ポリアスパラギン酸鎖には、αアミド結合とβ
アミド結合が混在するものと考えられるが、一応、生分
解性は期待できるものと考えられる。しかしながら、原
料となるポリコハク酸イミドは自然界には存在していな
いものである。また、その架橋の方法も、イミド環を経
由するという間接的な方法を用いている。
【0004】また、特開平11−343339号公報に
は、ポリ−γ−グルタミン酸を、その側鎖のカルボキシ
ル基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物(以下
「架橋剤」という)と反応させたことを特徴とする生分
解性吸水性樹脂が開示されている。しかしながら、ここ
で使用される架橋剤は必ずしも生分解性を有するものに
限定されていない。この明細書に例示された架橋剤は、
エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレン
グリコールジグリシジルエーテル、グリセリン−1、3
−ジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグ
リシジルエーテル等であり、また、実施例で使用された
架橋剤は、エチレングリコールジグリシジルエーテルだ
けであって、表1に記載された架橋剤は、エチレングリ
コールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジ
グリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシ
ジルエーテルだけである。そして、その殆どが生分解性
を有していないものである。
【0005】また、特開2000−63511号公報に
は、ポリアミノ酸から、架橋剤として、ポリエポキシ化
合物、ポリオール、ポリチオール、ポリイソシアナー
ト、ポリアジリジン、及び、多価金属から選択された少
なくとも一種を用いて、架橋ポリアミノ酸を製造する方
法が開示されている。しかしながら、この発明に係わる
架橋ポリアミノ酸は、生分解性を有することを目的とし
たものではなく、この発明の要件として記載された架橋
剤は、その殆どが生分解性を有していないものである。
また、この明細書に記載された実施例1の架橋剤は、リ
ジンメチルエステルであり、実施例6の架橋剤は、ヘキ
サメチレンジアミンであり、実施例7の架橋剤はエチレ
ングリコールジグリシルエーテルであって、すべてに生
分解性があるわけではない。実施例2〜5は、実施例1
で得られた吸水性樹脂の応用例であって、そこで、使用
されたソルビトールやキトサン微粒子は、架橋剤として
使用されたものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、単に骨格となる高分子に生分解性を有して
いるものを用いるだけでなく、架橋剤も生分解性を有し
ているものを用いて直接架橋し、優れた生分解性と高い
吸水性とを兼ね備えた吸水性高分子を開発することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の課
題を解決するため、側鎖にカルボキシル基を有する生分
解性ポリアミノ酸を、同一分子内にカルボキシル基と反
応する2個の官能基とこの官能基と同種の2個以上の親
水基又はこの官能基と異種の1個以上の親水基を有する
生分解性化合物で、直接架橋したことを特徴とする生分
解性を有する吸水性高分子(以下「第1発明」とい
う)、第1発明において、同一分子内にカルボキシル基
と反応する2個の官能基とこの官能基と同種の2個以上
の親水基又はこの官能基と異種の1個以上の親水基を有
する生分解性化合物が、糖類である生分解性を有する吸
水性高分子(以下「第2発明」という)、第1発明にお
いて、側鎖にカルボキシル基を有する生分解性ポリアミ
ノ酸がポリ−γ−グルタミン酸である生分解性を有する
吸水性高分子(以下「第3発明」という)、側鎖にカル
ボキシル基を有する生分解性ポリアミノ酸を、同一分子
内にカルボキシル基と反応する2個の官能基とこの官能
基と同種の2個以上の親水基又はこの官能基と異種の1
個以上の親水基を有する生分解性化合物で直接架橋する
反応を、有機溶媒、水、又は、それらの混合溶媒中で、
水溶性カルボジイミドを用いて行わせることを特徴とす
る第1発明ないし第3発明の生分解性を有する吸水性高
分子の製造方法(以下「第4発明」という)、並びに、
側鎖にカルボキシル基を有する生分解性ポリアミノ酸を
糖類と直接エステル結合させて架橋する反応を、有機溶
媒、水、又は、それらの混合溶媒中で、水溶性カルボジ
イミド、及び、塩基を用いて行わせることを特徴とする
第2発明の生分解性を有する吸水性高分子の製造方法
(以下「第5発明」という)を提供する。
【0008】第1発明に係わる吸水性高分子は、側鎖に
カルボキシル基を有する生分解性ポリアミノ酸(以下
「骨格ポリアミノ酸」と略す)を、同一分子内にカルボ
キシル基と反応する2個の官能基とこの官能基と同種の
2個以上の親水基又はこの官能基と異種の1個以上の親
水基を有する生分解性化合物(以下「架橋化合物」と略
す)で、直接架橋したことを特徴としている。骨格ポリ
アミノ酸には、アスパラギン酸やグルタミン酸のような
天然に存在するモノアミノジカルボン酸の単独重合体、
及び、その両者の共重合体、並びに、これらのモノアミ
ノジカルボン酸と、天然に存在するグリシン、アラニ
ン、バリン、ロイシン、及び、イソロイシンのようなモ
ノアミノモノカルボン酸との共重合体をあげることがで
きる。
【0009】また、骨格ポリアミノ酸には、微生物によ
って生合成されるものもある。例えば、ポリ−γ−グル
タミン酸は、納豆菌に代表される数種の微生物の醗酵に
より生産されるものであって、これらの微生物によっ
て、分子量百万以上のものも生産されている。
【0010】架橋化合物において、カルボキシル基と反
応する官能基としては、カルボキシル基とエステル結合
する水酸基や、カルボキシル基とアミド結合するアミノ
基等があげられ、また、親水基としては、カルボキシル
基や水酸基等があげられる。しかしながら、架橋化合物
において、骨格ポリアミノ酸のカルボキシル基と反応す
る官能基と親水基が同種の場合、例えば、骨格ポリアミ
ノ酸と反応する官能基が水酸基であり、親水基も水酸基
の場合は、骨格ポリアミノ酸とエステル結合する2個の
水酸基の他に、更に親水基として2個以上の水酸基を必
要とする。その理由は、架橋化合物の親水基として考え
ていた水酸基の一部も、骨格ポリアミノ酸とエステル結
合し、架橋反応に消費されることにあると考えられる。
このような場合、一般的に、骨格ポリアミノ酸と反応し
ない親水基の数の多い方が吸水性が高くなる。例えば、
天然に存在する糖類において、単糖類のフルクトースで
は吸水性はさほど高くないが、二糖類のラクトースにな
ると吸水性が高くなり、更に、シクロデキストリンにな
ると吸水性が飛躍的に高くなる。
【0011】また、架橋化合物において、骨格ポリアミ
ノ酸のカルボキシル基と反応する官能基と親水基が異種
の場合、例えば、カルボキシル基と反応する官能基とし
てアミノ基を有し、親水基としてカルボキシル基を有す
る場合には、親水基は1個以上あればよい。その理由
は、親水基が骨格ポリアミノ酸との架橋反応に消費され
るおそれがないことにあると考えられる。このような架
橋化合物として、天然に存在するリシンやオルニチンの
ようなジアミノモノカルボン酸をあげることができる。
そして、これらの化合物は、カルボキシル基と反応する
2個のアミノ基の他には、親水基として1個のカルボキ
シル基しか有していないにもかかわらず、これらの化合
物で架橋した高分子は、いずれも非常に高い吸水性を有
している。
【0012】更に、架橋化合物として、アミノ糖からな
る多糖類であるキチンを脱アセチル化して得られる水溶
性キトサンをあげることができる。この水溶性キトサン
は、糖の水酸基がエステル結合し、又は、アセチルアミ
ド基から生成したアミノ基がアミド結合することによっ
て架橋するものと考えられる。そして、これらの化合物
は多数の親水基を有するので、これらの化合物で架橋し
た場合は、いずれも非常に高い吸水性が得られる。
【0013】また、直接架橋するとは、製造過程で生分
解性の有無が明らかでない出発原料を用いずに、生分解
性を有する骨格ポリアミノ酸と架橋化合物とを前処理な
しに架橋させることをいい、それによって、生分解性を
有する吸水性高分子を製造することができる。従って、
本発明に係わる吸水性高分子の架橋方法には、特開平1
1−5838号公報に開示されたポリコハク酸イミドを
経由する架橋ポリアスパラギン酸の製造方法は含まれな
い。
【0014】第2発明に係わる吸水性高分子は、第1発
明の架橋化合物を糖類に限定した生分解性を有する吸水
性高分子である。この糖類には、単糖類のフルクトー
ス、二糖類のラクトース、環状オリゴ糖のシクロデキス
トリン等が含まれ、更に、アミノ糖からなる多糖類から
得られるキトサンも含まれる。
【0015】第3発明に係わる吸水性高分子は、第1発
明の骨格ポリアミノ酸をポリ−γ−グルタミン酸に限定
した吸水性高分子である。このポリ−γ−グルタミン酸
は、前述のように、納豆菌に代表される数種の微生物の
醗酵により生産されるものである。
【0016】第4発明に係わる吸水性高分子の製造方法
は、骨格ポリアミノ酸を架橋化合物で直接架橋する反応
において、有機溶媒、水、又は、それらの混合溶媒中
で、水溶性カルボジイミドを用いて反応させることを特
徴としている。ここで使用される溶媒は、ポリ−γ−グ
ルタミン酸のような側鎖にカルボキシル基を有する生分
解性ポリアミノ酸を、溶解し、膨潤し、又は、分散でき
るものであれば、どのようなものでもよく、通常、水、
有機溶媒、又は、それらの混合物が使用される。しか
し、高い収率を得るには、骨格ポリアミノ酸を溶解しう
る有機溶媒、特に極性有機溶媒が好ましい。中でもジメ
チルスルホキシドが最も好ましい。
【0017】また、この架橋反応に使用される縮合剤に
は、水溶性カルボジイミドが好ましい。このカルボジイ
ミドは、反応溶媒に溶解するものであれば、特に制限は
ないが、毒性の低さ、反応後の精製のしやすさから、3
−(3−ジメチルアミノプロピル)−1−エチルカルボ
ジイミド塩酸塩が適している。
【0018】第5発明に係わる吸水性高分子の製造方法
は、骨格ポリアミノ酸を糖類で架橋する反応において、
有機溶媒、水、又は、それらの混合溶媒中で、水溶性カ
ルボジイミド、及び、塩基を用いて行わせることを特徴
としている。この塩基としては、無機塩基、及び、有機
塩基のいずれも使用することができる。その中でも、有
機溶媒中で使用する場合には、4−ジメチルアミノピリ
ジンや4−ピロリジノピリジンのように、有機溶媒に溶
解し強い塩基性を有するものが適している。
【0019】
【発明の実施の形態】1.吸水性高分子の製造 〔実施例1〕ポリ−γ−グルタミン酸(以下「γ−PG
A」と略す)100mgと4−ジメチルアミノピリジン
(以下「DMAP」と略す)9.4mgを15mlねじ
口試験管に入れ、ジメチルスルホキシド(以下「DMS
O」と略す)1.4mlを加えて攪拌した。次いでD−
フルクトース34.9mgを溶かしたDMSO溶液0.
1mlを加えて攪拌して全体を溶かした。これに3−
(3−ジメチルアミノプロピル)−1−エチルカルボジ
イミド塩酸塩(以下「WSC」と略す)80mgを加え
攪拌した。室温で24時間反応させた後、アセトンを加
えて反応生成物を洗浄し、DMSOとDMAPを除い
た。得られた白色沈澱にpH7.2のりん酸緩衝液を加
えて一晩膨潤させた後、1M水酸化ナトリウム水溶液を
加えて溶液のpHを8とした。このゲルを含む液を25
5メッシュのナイロンバッグに入れ蒸留水に侵けて充分
洗浄した。その後ナイロンバッグを引き上げて水切りを
し残ったゲルを凍結乾燥して粉末(以下「化合物1」と
いう)120.1mgを得た。本実施例、及び、その後
の実施例で用いる収率を、反応に用いたγ−PGAの重
量と架橋化合物の重量の和に対する得られた吸水性高分
子(化合物1〜10)の乾燥後重量の百分率で表すこと
にすると、その収率は89%であった。
【0020】〔実施例2〕γ−PGA100mgとDM
AP9.4mgを15mlねじ口試験管に入れ、DMS
O0.3mlを加えて攪拌した。次いでラクトース6
9.8mgを溶かしたDMSO溶液0.4mlを加え攪
拌して全体を溶かした。これにWSC80mgを溶解し
たDMSO0.3mlを加え、室温で24時間反応させ
た。以下実施例1と同様に処理して粉末(以下「化合物
2」という)147gを得た。収率は87%であった。
【0021】〔実施例3〕γ−PGA100mg、DM
AP9.4mg、及び、α−シクロデキストリン18.
9mgを15mlねじ口試験管に入れ、DMSO0.7
mlを加え、攪拌して全体を溶かした。これにWSC8
0mgを溶解したDMSO0.3mlを加え、室温で2
4時間反応させた。以下実施例1と同様に処理して、粉
末(以下「化合物3」という)107.4mgを得た。
収率は90%であった。
【0022】〔実施例4〕γ−PGA100mgとDM
AP9.4mgを15mlねじ口試験管に入れ、DMS
O0.5mlを加えて攪拌し、次いでβ−シクロデキス
トリン43.6mgを溶かしたDMSO溶液0.06m
lを加え攪拌して全体を溶かした。これにWSC80m
gを溶解したDMSO溶液0.3mlを加え、室温で1
6時間反応させた。以下実施例1と同様に処理して粉末
(以下「化合物4」という)96.5mgを得た。収率
は67%であった。
【0023】〔実施例5〕γ−PGA100mg、DM
AP9.4mg、及び、γ−シクロデキストリン25.
1mgを15mlねじ口試験管に入れ、DMSO0.7
mlを加え、攪拌して溶かした。次いで、WSC80m
gを溶解したDMSO溶液0.3mlを加え、室温で2
4時間反応させた。以下実施例1と同様に処理して粉末
(以下「化合物5」という)92.1mgを得た。収率
は73.6%であった。
【0024】〔実施例6〕γ−PGA50mgを15m
lねじ口試験管に入れ、DMSO0.5mlを加え、攪
拌して溶解した。次いでWSC40mgを溶解したDM
SO溶液0.15mlを加えて攪拌した。これに、L−
リシン一塩酸塩17.7mgを溶かし、1M水酸化ナト
リウム水溶液でpH9に調整した水溶液80μlを加
え、室温で24時間反応させた。以下実施例1と同様に
処理して、粉末(以下「化合物6」という)60.1m
gを得た。収率は88.8%であった。
【0025】〔実施例7〕γ−PGA50mgを15m
lねじ口試験管に入れ、DMSO0.5mlを加え、攪
拌して溶解した。次いでWSC40mgを溶解したDM
SO溶液0.15mlを加えて攪拌した。これに、L−
オルニチン一塩酸塩16.3mgを溶かし、1M水酸化
ナトリウム水溶液でpH8に調整した水溶液80μlを
加え、室温で24時間反応させた。以下実施例1と同様
に処理して粉末(以下「化合物7」という)50.2m
gを得た。収率は75.7%であった。
【0026】〔実施例8〕γ−PGA50mgを15m
lねじ口試験管に入れ、DMSO0.5mlを加え攪拌
して溶解した。次いでWSC40mgを溶解したDMS
O溶液0.15mlを加えて攪拌した。これに水溶性キ
トサン15.6mgを溶かした水溶液77.4μlを加
え、室温で24時間反応させた。以下実施例1と同様に
処理して粉末(以下「化合物8」という)70.9mg
を得た。収率は70.9%であった。
【0027】〔実施例9〕γ−PGA50mgを15m
lねじ口試験管に入れて、1M水酸化ナトリウム水溶液
0.194mlを加えて溶かした。これにWSC40m
gを加えて攪拌した。更に、水溶性キトサン15.6m
gを溶かした水溶液77.4μlを加え、室温で24時
間反応させた。以下実施例1と同様に処理して粉末(以
下「化合物9」という)17mgを得た。収率は25.
9%であった。
【0028】〔比較例〕γ−PGA100mg、DMA
P9.4mg、及び、グリセリン17.8mgを、15
mlねじ口試験管に入れ、DMSO0.7mlを加え、
攪拌して溶解した。次いで、WSC80mgを溶解した
DMSO0.3mlを加え、室温で24時間反応させ
た。以下実施例1と同様に処理して粉末(以下「化合物
10」という)119mgを得た。収率は100%であ
った。
【0029】2.吸水性試験 実施例1〜9で得られた化合物1〜9、及び、比較例で
得られた化合物10について、JIS K7223に記
載された方法に準じて吸水性試験を行った。すなわち、
予め乾燥した化合物1〜10を、それぞれ、秤量して2
55メッシュのナイロンバッグに入れ、24時間過剰の
蒸溜水に浸した後、10分間水切りをして、それぞれの
重量を測定し、得られた重量から、それぞれ、乾燥した
化合物1〜10の重量を差し引き、更に、24時間蒸溜
水に浸し10分間水切りした空のナイロンバックの重量
を差し引いて、化合物1〜10について、それぞれ、吸
収された水の重量を求め、その水の重量を、乾燥した化
合物1〜10の重量で、それぞれ除して、吸水量とし
た。このようにして求められた吸水量は表1のとおりで
あった。
【0030】
【表1】
【0031】表1にみられるように、架橋化合物とし
て、天然の糖類を使用した場合、官能基と親水基が同種
であり、同一分子内の2個の官能基が水酸基であり、2
個以上の親水基も水酸基であるが、同一分子内の親水基
数の増加とともに吸水性が増加しているのがわかる。即
ち、吸水性は、単糖類のフルクトースではさほど高くな
いが、二糖類のラクトースでは高くなり、シクロデキス
トリンでは飛躍的に高くなるのが認められる。このよう
に、シクロデキストリンの吸水性が非常に高いのは、水
酸基の数が単糖類や二糖類に比べて特に多いためと考え
られる。また、水溶性キトサンも高い吸水性を有してい
るが、これも同一分子内に多数の親水基を有するためと
考えられる。なお、骨格ポリアミノ酸の架橋にグリセリ
ンを使用した場合は、吸水性はさほど高くないことがわ
かる。この理由は、グリセリンの2個の水酸基だけでな
く、第3番目の水酸基も一部架橋に使用され、フリーの
水酸基が少なくなっているためと考えられる。
【0032】また、表1にみられるように、官能基と親
水基が異種の場合、すなわち、2個の官能基がアミノ基
で、親水基が1個のカルボキシル基であるリシンやオル
ニチンの場合は、親水基が1個であっても高い吸水性の
あることがわかる。これは、架橋反応の際に親水基が架
橋反応に消費されないためであると考えられる。
【0033】
【発明の効果】本発明に係わる生分解性を有する吸水性
高分子は、前述のような構成と特性を有するので、優れ
た生分解性と高い吸水性を有していることは明らかであ
る。また、本発明に係わる生分解性を有する吸水高分子
の製造方法は、このような高分子の製造を初めて可能に
するものである。従って、本発明は、医療分野における
体液吸収体や薬物徐放担体、また、緑化分野における土
壌の水分保持材等、幅広い分野に適用されるだけでな
く、使用後の処置に関する諸問題をも解決できるもので
あって、関連産業の発達と環境の保護に大きく貢献する
ものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側鎖にカルボキシル基を有する生分解性
    ポリアミノ酸を、同一分子内にカルボキシル基と反応す
    る2個の官能基とこの官能基と同種の2個以上の親水基
    又はこの官能基と異種の1個以上の親水基を有する生分
    解性化合物で、直接架橋したことを特徴とする生分解性
    を有する吸水性高分子
  2. 【請求項2】 同一分子内にカルボキシル基と反応する
    2個の官能基と官能基と同種の2個以上の親水基又はこ
    の官能基と異種の1個以上の親水基を有する生分解性化
    合物が糖類である請求項1記載の生分解性を有する吸水
    性高分子
  3. 【請求項3】 側鎖にカルボキシル基を有する生分解性
    ポリアミノ酸がポリ−γ−グルタミン酸である請求項1
    記載の生分解性を有する吸水性高分子
  4. 【請求項4】 側鎖にカルボキシル基を有する生分解性
    ポリアミノ酸を、同一分子内にカルボキシル基と反応す
    る2個の官能基とこの官能基と同種の2個以上の親水基
    又はこの官能基と異種の1個以上の親水基を有する生分
    解性化合物で、直接架橋する反応を、有機溶媒、水、又
    は、それらの混合溶媒中で、水溶性カルボジイミドを用
    いて行わせることを特徴とする請求項1ないし請求項3
    記載の生分解性を有する吸水性高分子の製造方法
  5. 【請求項5】 側鎖にカルボキシル基を有する生分解性
    ポリアミノ酸を糖類と直接エステル結合させて架橋する
    反応を、有機溶媒、水、又は、それらの混合溶媒中で、
    水溶性カルボジイミド、及び、塩基を用いて行わせるこ
    とを特徴とする請求項2記載の生分解性を有する吸水性
    高分子の製造方法
JP2000369281A 2000-10-27 2000-10-27 生分解性を有する吸水性高分子 Pending JP2002128899A (ja)

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