JP2002122406A - カップリングの芯出し治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】回転機器のカップリングの芯出し作業をマグネ
ットスタンド式のダイヤルゲージを用いて作業する時、
中小型の回転機器の場合作業中にマグネットがずれた
り、落下したりして作業性が悪かった。フランジ形たわ
み軸カップリングの芯出し作業でこの問題を解決する方
法及び装置を提供する。 【解決手段】カップリングボルトの頭部にダイヤルゲー
ジ接続体末端のマグネットスタンドへの接続用オスネジ
と接合可能なメスネジを切り込んだボルトを作成する。
このボルトに接合されたダイヤルゲージ接合体をモータ
ー側のフランジにナットで固定する。ダイヤルゲージは
ポンプ側のボルト頭部にセットされており、計測針はポ
ンプ側のフランジに接触セットされ、ずれたり落下する
事なしに迅速に安定に芯の偏位を測定する事が出来、芯
出し作業が出来る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は回転機器のモーター
とポンプ等回転体のカップリング部位の芯出し治具の固
定方法に関するものである。フランジ形たわみ軸カップ
リングの芯出し作業をダイヤルゲージで行う時のダイヤ
ルゲージ接続体を接続固定するボルト、及びボルトに接
続したダイヤルゲージ接続体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】現在一般に市販されている回転機器の芯
出し治具の固定方法は回転体シャフトにマグネットで固
定するマグネットスタンド方式が多く採用されている。
この方法は大型の回転体では大変便利な方法である。カ
ップリングがフランジ形でもスチールフレックス形でも
大型であれば便利な固定方法である。

【０００３】しかるに中型、小型の回転機器でフランジ
の厚みの薄いもの、シャフト径の細いもの、カップリン
グ部とモーター又はポンプのケーシングとのスペースが
狭いものでは作業性に問題があった。すなわちマグネッ
トスタンド方式では、手で回転させながら芯の偏位を測
定中にマグネット部がずれたり落下することがあり、現
場での測定に困難をきたしてきた。

【０００４】本発明と類似の考案が存在する。実開平６
−８４３０７（実録２５５４９６２）「回転軸間結合部
の変位計測用アダプター」である。本考案は変位の計測
に棒状のセンサーを使用する事、カップリングの一方の
フランジにボルトでセンサーの支持具具を固定する事、
カップリングフランジが切り離されている事、センサー
の支持具を固定した側のフランジは静止させ常にトップ
の位置にある等、本発明と大きく異なるところである。

【０００５】

【本発明が解決しようとする課題】フランジ形たわみ軸
カップリングを持つ中、小型の回転機器の芯出し作業を
市販のマグネットスタンド方式のダイヤルゲージを用い
て行う時測定中にマグネットスタンドがずれたり落下し
たりして作業に支障をきたす事が多かった。本発明はこ
れらの問題を解決しダイヤルゲージを迅速に固定し安定
した芯出し作業が出来る治具を提供する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】図２にフランジ形たわみ
軸継手用ボルトのオリジナル品を示す。このボルトの頭
部７にメスネジ１２を切った本発明を図３に示す。本発
明のボルト１のメスネジ１２にダイヤルゲージ接続体の
末端のオスネジ１３をねじ込んで図５の様にセットし、
図６の様にモーター側のフランジ８にナット６で固定
し、ポンプ側のフランジ９で偏位を測定する事で安定し
て精度の良い芯出し作業を実行する。

【０００７】フランジ形たわみ軸継手は一本を残して他
は組み込んで良い。一本のボルト穴にダイヤルゲージを
セットしたボルトを挿入してナット６で固定し、対面す
るフランジ面９にダイヤルゲージの測定針１１を接触さ
せて安定に偏位を測定する。

【０００８】

【発明の実施の形態】回転体のカップリングには幾つか
のタイプがある。本発明は「フランジ形たわみ継手」に
適用されるものである。従ってボルトを使用しないスチ
ールフレックスカップリングの様なタイプには適用出来
ない。モーター側とポンプ側はボルトでカップリングさ
れた状態で使用される。

【０００９】図１にフランジ形たわみ軸継手セットを示
す。図２にオリジナルの継手ボルトを示す。１はボル
ト、２はワッシャー、３はカップリングゴム、４はワッ
シャ‐、５はスプリングワッシャ‐、６はナット、７は
ボルトの頭である。８はモーター側のフランジ、９はポ
ンプ側のフランジである。

【００１０】本発明のボルトと使用する付属品を図３に
示す。ボルト１の頭部７にメスネジ１２を切り込む。ネ
ジの寸法は使用するダイヤルゲージ接続部末端のオスネ
ジと接合できるサイズとする。使用する付属品は４ワッ
シャ‐、５スプリングワッシャ‐、６ナットである。

【００１１】図４に本発明のボルトをフランジにセット
した時の様子を示す。ボルトはモーター側のフランジ８
にワッシャ‐４、スプリングワッシャ‐５、ナット６に
よりしっかりと固定される。ポンプ側のフランジ９との
間にはカップリングゴムがない分フランジ８とフランジ
９には充分な自由度がある。

【００１２】図５に本発明のボルト１の頭部７のメスネ
ジ１２にダイヤルゲージ接続部の末端オスネジ１３をね
じ込み固定した図を示す。この様にセットされたボルト
をモーター側のフランジ８にしっかりと固定する事で芯
出しゲージを固定する事が出来るのである。

【００１３】図６に芯出しダイヤルゲージ１０がフラン
ジに固定された図を示す。芯出しダイヤルゲージはモー
ター側のフランジ８に固定されたボルトを通じて固定さ
れる。芯出しダイヤルゲージは幾つかのユニバーサルジ
ョイントで結合されており、測定用ダイヤルゲージ１０
の測定針１１はポンプ側のフランジ９に接触する。

【００１４】モーター側のフランジ８をゆっくり手回し
しながらダイヤルゲージ１０の目盛の変化を読み取る事
でポンプ側との芯の偏位を測定する事が出来る。この方
法であれば測定中にゲージの取り付け部が緩んだり落下
することはなく安定した作業が出来る。

【発明の効果】従来のマグネットスタンドを使用して回
転機器の芯出し作業をしていた時はスタンドがずれたり
落下したりして作業に支障をきたしていた。フランジ形
たわみ軸継手の芯出し作業で本発明のボルトにセットさ
れたダイヤルゲージを使用する事で迅速に固定され、安
全に安定した芯出し作業を行う事が出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】フランジ形たわみ軸継手セット

【図２】フランジ形たわみ軸継手ボルト

【図３】本発明のボルト及び使用する付属品

【図４】本発明のボルトをカップリングフランジにセッ
トした図

【図５】本発明のボルトに芯出し用ダイヤルゲージ接続
体末端オスネジをセットした図

【図６】本発明のボルトにセットされた芯出し用ダイヤ
ルゲージセットがカップリングフランジにセットされた
図

【符号の説明】

１ ボルト ２ ワッシャ‐ ３ カップリングゴム ４ ワッシャ‐ ５ スプリングワッシャ‐ ６ ナット ７ ボルトの頭部 ８ モーター側のフランジ ９ ポンプ側のフランジ １０ ダイヤルゲージ １１ 測定針 １２ メスネジ １３ オスネジ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2F061 AA12 CC22 CC40 DD40 FF03 FF09 FF72 FF81 GG01 RR33 VV08 2F062 AA12 BB07 BC59 BC80 EE01 EE62 FF07 FF17 GG18 HH04 MM06

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カップリングの芯出し測定用のダ
   イヤルゲージ接続体末端部のオスネジをネジ込み固定出
   来る様に、フランジ形たわみ軸継手用ボルトの頭部にメ
   ス型のネジを切り込んだ継手用ボルト。
2. 【請求項２】 請求項１の継手ボルトにオスネジ
   部位をねじ込み固定した、回転機器の芯出し用ダイヤル
   ゲージ。