JP2002122138A - 磁気軸受装置 - Google Patents

磁気軸受装置

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JP2002122138A
JP2002122138A JP2000315662A JP2000315662A JP2002122138A JP 2002122138 A JP2002122138 A JP 2002122138A JP 2000315662 A JP2000315662 A JP 2000315662A JP 2000315662 A JP2000315662 A JP 2000315662A JP 2002122138 A JP2002122138 A JP 2002122138A
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rotor
magnetic
coil
magnetic force
motor unit
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JP2000315662A
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Akira Yamauchi
明 山内
Masayuki Yamamoto
雅之 山本
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Seiko Instruments Inc
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Seiko Instruments Inc
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16C32/00Bearings not otherwise provided for
    • F16C32/04Bearings not otherwise provided for using magnetic or electric supporting means
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    • F16C32/044Active magnetic bearings
    • F16C32/0444Details of devices to control the actuation of the electromagnets
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータ部を有する磁気軸受装置において、ロ
ータの振れによりモータ部で生じる磁力のアンバランス
に起因する振動を低減すること。 【解決手段】 磁気軸受を制御するために取り付けたラ
ジアルセンサでロータの振れを検出する。そして、ロー
タとラジアルセンサとモータ部の幾何学的位置関係を用
いて、ラジアルセンサで検出されたロータの振れからモ
ータ部での振れを推定する。モータ部でのロータの振れ
の量と磁力のアンバランス量の関係はあらかじめ実験又
はシミュレーションによってデータベース化してあり、
このデータベースから磁力のアンバランス量を取得す
る。そして、この磁力のアンバランス量に抗する磁力を
軸受部のコイルに発生させ、このアンバランス量を相殺
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気軸受装置に関
し、例えば、ロータのラジアル方向の振れに起因する振
動を低減した磁気軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気軸受は例えば、複数のコイル(電磁
石)をロータ(回転子)の両端部の回りに配置すること
により形成されてる。通常の軸受けはボールベアリング
等によりロータを軸支するが、磁気軸受では、コイルの
発生する磁界をロータに作用させ、この磁界による吸引
力をバランスさせることによりロータを空間の定常位置
に非接触で支持する。ロータの振れ(定常位置からのラ
ジアル方向の変位、即ちロータの径方向の変位)は磁気
軸受部近傍に設置したラジアルセンサで検出され、その
振れが常に一定の範囲に入るようにコイルの吸引力を調
節するため、コイルの電流をフィードバック制御してい
る。
【0003】このように磁気軸受でロータを支持して回
転させるシステムでは、ロータの重心(あるいは慣性中
心)とロータの回転軸が一致しない場合がある。このよ
うな状態でロータを回転させると、ロータには、重心と
回転軸の不一致に起因するロータの回転周期に同期した
振れ回りが発生する。磁気軸受はこの振れ回りを押さえ
るために、ロータの回転周波数に同期した制動力を発生
する。この周期的な制動力のために、作用反作用の法則
により磁気軸受コイルが配置されたステータ側にロータ
の回転周波数に同期した振動が発生する。振動の発生を
抑制しなければならないシステムで磁気軸受を使用する
場合、上に述べた振動が問題となる。例えば、磁気軸受
を搭載したターボ分子ポンプを電子顕微鏡に使用する場
合などにおいて、ターボ分子ポンプの発生する振動をい
かに抑制するかは、重要な解決課題の一つである。
【0004】上に述べたロータの回転軸と重心の不一致
に起因する振動を抑制する研究は数多くなされており、
このような磁気軸受として、例えば特開平7−2598
54号広報の磁気軸受装置がある。この磁気軸受装置を
図11に示す。ロータ110はコイル107、108の
吸引力のバランスによりコイルからエアギャップX0を
隔てて軸支されている。ロータ110の振れは△Xはラ
ジアルセンサ109及び変位検出回路102により検出
される。磁気軸受制御回路101は、△Xを打ち消すよ
うなコイル107、108に流す電流の信号をパワーア
ンプ103、104に送信する。
【0005】磁気軸受制御回路101の信号により、パ
ワーアンプ103はコイル107に電流I0+△Iを、
パワーアンプ104はコイル108に電流I0−△Iを
供給し、この電流供給を受けたコイル107、108の
吸引力によりロータ110は定常位置X0に復帰する。
ここでI0はコイル107、108に流すバイアス電
流、△Iはエアギャップが△x変動した際に磁気軸受制
御回路101で生成されるロータの位置制御信号による
コイルの巻線電流Iの変動分である。この特開平の磁気
軸受装置は、ラジアルセンサ109から出力される変位
信号のパワースペクトルのうち、ロータ109の回転周
波数と等しい周波数(frとする)とそれ以外の周波数
成分に対し、△Iを別々に制御するものである。以下に
数式を用いて詳しく述べる。一般に磁気軸受に使用され
るコイルが発生する吸引力Fは以下の式で表される。
【0006】
【数1】 F=K{(I0+△I)/(X0+△X)}2 ・・・(1)
【0007】ここで、Kはコイルの形や巻き数できまる
定数である。磁気軸受制御回路101内では周波数fr
の信号を通過させる帯域通過フィルターと周波数fr以
外の信号を通過させる帯域遮断フィルタが並列に接続さ
れている。これらのフィルタにロータ110の変位信号
△Xを入力して、この信号を周波数frを有するものと
それ以外のものに分離する(周波数成分frの信号には
ロータ110の回転中心と慣性中心の不一致による振れ
によるものが含まれている)。帯域遮断フィルタから得
られた周波数fr以外の成分を持つ変位信号△Xについ
ていは、従来の磁気軸受装置と同様にしてコイルの電流
をフィードバック制御する。帯域通過フィルタから得ら
れた周波数frを持つ△Xの成分に対しては△Iを次の
式(2)で示した値になるように制御する。すると、式
(3)で示したようにコイルの吸引力は一定となる。
【0008】
【数2】△I=(I0/X0)△X ・・・(2) F=K(I0/X0)2 ・・・(3)
【0009】式(3)に示したように、周波数成分fr
を持つ振れについては常にコイル107、108がロー
タ110に及ぼす吸引力が一定となるため、磁気軸受部
には周波数frの振動は生じない。即ち、ロータ110
の回転軸と慣性軸の不一致(ロータ110の重心が回転
軸上にないともいえる)によって生じる振動(周波数f
rを有する)は生じない。ところで、両端を磁気軸受で
支持されたロータの中央部に磁極を備え、その周囲にコ
イル(モータ巻線)を備えたステータを配置して、ロー
タにモータ部が形成されている。この場合にロータがラ
ジアル方向に振れるとステータが生成する界磁によって
ロータに及ぼす磁力にアンバランスが生じる。この磁力
のアンバランスはロータ回転時に振動が発生する原因の
一つである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開平の
磁気軸受装置では磁気軸受自体に起因する振動は抑制す
ることができるが、上記モータ部での磁力のアンバラン
スに起因する振動については、その存在が明らかにも関
わらず、抑制することができない。なお、近年のモータ
の小型化効率化の要求により強力な永久磁石を搭載した
ブラシレスDCモータが普及しており、これらのモータ
によってモータ部が形成された場合、単にエアギャップ
間隔の差異による磁力のアンバランスに加えて、永久磁
石の位相に伴う磁気的アンバランスによっても振動が発
生する。また、場合によってはロータが界磁の吸引力の
ためにステータに固着してしまい、磁気軸受にてロータ
を浮上させることができない場合も考えられる。そのた
め、必要以上に磁気軸受を大型化したり、電流アンプの
容量を増大させることが求められる場合があった。
【0011】そこで、本発明はこの点に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、軸受部及びモー
タ部での振動を減少させた磁気軸受装置を提供すること
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、ロータと、前記ロータに設けられ、磁力
により前記ロータを回転させるモータ部と、前記ロータ
を所定の位置で磁気支持する磁気支持用のコイルと、前
記ロータが所定の位置からラジアル方向に振れることに
より前記モータ部で生じる前記ロータに作用する磁力の
アンバランスを取得する磁力のアンバランス取得手段
と、前記磁力のアンバランスに抗するように、前記磁気
支持用コイルの磁力を調節する磁気支持調節手段と、を
備えたことを特徴とする磁気軸受装置を提供する。この
ように磁気軸受装置を構成するとロータの位置がラジア
ル方向に振れることによって生じるロータとステータ間
の吸引力のアンバランスに抗する力を磁気軸受に発生さ
せることにより、ステータの振動を低減することができ
る。
【0013】また、前記ロータの所定の位置は、前記ロ
ータを前記ロータの回転軸が前記ロータの重心を通るよ
うに回転した場合即ち、前記ロータを慣性中心の回りに
回転させたときに得られる位置、または、前記ロータを
慣性中心の回りに回転させた場合に生じる、前記ロータ
と前記コイルのエアギャップの変動に対して、前記ロー
タとコイルの間に作用する磁力が、前記ロータが回転す
る一周期に渡って一定となるように、前記コイルの磁力
を補正した場合に得られた位置とすることができる。
【0014】このモータ部は、例えばブラシレスDCモ
ータとすることができる。ブラシレスDCモータはロー
タに固着した永久磁石と、この永久磁石の周囲に配置さ
れた複数のコイルから構成されている。そして、このコ
イルの磁極を順次切り替えて回転磁界を発生させ、この
回転磁界にロータの永久磁石を吸引追従させることによ
り、ロータを回転させる。ロータの位置がラジアル方向
に振れると、永久磁石とコイルの間の吸引力にアンバラ
ンスが生じ、これがモータ部が振動する原因となる。そ
のため、この吸引力のアンバランスをうち消すような吸
引力を磁気軸受部のコイルに発生させる。
【0015】また、モータ部でのロータの振れは、ラジ
アルセンサでロータの振れを検出し、この値及びモータ
部とラジアルセンサとロータの幾何学的な位置関係から
算出することができる。モータ部でのロータの振れが計
算によって推定されると、この振れの値と、ロータの磁
極の回転角度と界磁の角度からモータ部でのロータ、ス
テータ間の磁力のアンバランスを計算や、実験値から得
ることができる。そして、この磁力のアンバランスをう
ち消すように磁気軸受の軸受け力を制御することができ
る。また、この磁力のアンバランスはあらかじめ、ロー
タの振れ、磁極の回転角度、界磁の角度を変数としてデ
ータベース化しておくことができる。そして、ロータの
振れから磁力のアンバランスを取得するときは、このと
きの振れの量と磁極の回転角度、界磁の角度を用いてこ
のデータベースから得ることができる。
【0016】また、モータ部でのロータの振れによる吸
引力のアンバランスは、モータ内に直接ロータ、ステー
タ間の磁束を検出するセンサを取り付けて、このセンサ
の値から推定しても良い。磁極の回転角度、界磁の角
度、センサで検出された磁束の値とロータ、ステータ間
の磁力のアンバランスの関係はあらかじめ、磁場解析や
実験により求めておく。
【0017】また、ロータの回転によって生じる振動を
取得する例えば加速度センサなどのセンサを例えばモー
タ部のステータなどに設置し、ロータ回転時にこのセン
サにより検出される振動が小さくなるように磁気軸受部
のコイルの電流を制御する機構を付加することにより、
ロータの回転によって生じる振動を更に小さくすること
ができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、図1から図10を参照して詳細に説明する。
図1は本実施の形態に係る磁気軸受装置を示した図であ
る。図に示したようにロータ1の断面の中心から紙面上
方にx軸を、紙面表から裏へ向かう方向にy軸をとるこ
とにする。ロータ1の両端に磁気軸受部8、9が、中央
部にモータ部10が形成されている。磁気軸受部8には
所定のエアギャップを介してコイル3a、3bが配置さ
れている。コイル3a、3bはロータ1を互いに吸引
し、この吸引力のバランスによりロータ1はx方向の所
定の位置に非接触で保持される。図示していないがy方
向にも一対のコイルが3c、3dが配置され、ロータ1
をy方向の所定の位置に保持している。
【0019】磁気軸受部8より更にロータ1の端部方向
はラジアルセンサ2aがx方向に配置させている。ラジ
アルセンサ2aはロータ1のx方向の振れを非接触で検
出する。また、図示しないが同様にy方向(紙面裏方
向)にはロータ1のy方向の振れを検出するラジアルセ
ンサ2bが配置されている。磁気軸受装置の制御装置
は、これらのラジアルセンサによりロータ1の振れを検
出し、この値を基にコイル3a、3bの電流をフィード
バック制御し、軸受部8のx方向のエアギャップが所定
の値になるようにフィードバック制御する。図示しない
がy方向でも軸受部8のy方向のエアギャップが所定の
値になるようにコイル3c、3dの磁力をフィードバッ
ク制御している。同様に磁気軸受部9はx方向のコイル
5a、5bや図示しないy方向のコイル5c、5d及び
x方向のラジアルセンサ4a、y方向のラジアルセンサ
4bが設置されている。これらの構成、働きは軸受部8
と同様である。
【0020】モータ部10は、ロータ1に固着したN極
とS極からなる永久磁石11と、この永久磁石11の周
囲に6個のコイルを配置したステータから構成される。
図には図示の関係上コイル6a、6bの2つを示してあ
る。モータ部10の駆動は、モータドライバにより、こ
れらのコイル6a、6bなどに3相交流を供給して、次
々にコイルの極性を切り替えて回転磁界を発生させるこ
とにより行われる。この回転磁界にロータ1に固着した
永久磁石11のN極とS極が吸引され、ロータ1は磁界
の回転に伴って回転する。以降、センサ2a、2bやコ
イル6a、6bなどのように同じ素子でありこれらを特
に区別しない場合は、単にセンサ2、コイル6などのよ
うに略記することにする。
【0021】本実施の形態では、以上のように構成され
た磁気軸受装置において、以下の手順によりロータ1の
振れによりモータ部10で発生した磁力のアンバランス
を解消する。 (1)ラジアルセンサ2、4で検出されたロータ1の振
れから、モータ部10でのロータ1の振れを推定する。 (2)モータ部10でのロータ1の振れにより、コイル
6が生成する界磁が永久磁石11に及ぼす磁力のアンバ
ランスを推定する。 (3)磁気軸受部8、9がロータ1に及ぼす吸引力(磁
力)により、上記の磁力のアンバランスを相殺する。
【0022】以下順に上の(1)〜(3)について説明
する。 (1)ラジアルセンサ2、4で検出されたロータ1の振
れから、モータ部10でのロータ1の振れを推定する。
ラジアルセンサ2、4でロータ1の振れを検出し、ラジ
アルセンサ2、4、モータ部10、及びロータ1の幾何
学的位置関係から、モータ部10でのロータ1の振れを
算出する。このようにラジアルセンサ2、4の検出値か
らモータ部10でのロータ1の振れを推定する方法を採
用すれば、新たにモータ部10にロータ1の振れを検出
するセンサを設置する必要がなく、既存のセンサを利用
することができる。
【0023】図1に示したようにロータ1の重心7から
コイル6の中心までの距離をL、磁気軸受のコイル5の
中心までの距離をLb、ラジアルセンサ4までの距離を
Tb、コイル3の中心までの距離をLa、ラジアルセン
サ2までの距離Taとする。なお、これらの距離はロー
タ1の軸方向の距離である。今、ラジアルセンサ4aに
よって検出されたロータ1のx方向の振れがXa×si
nθ1、ラジアルセンサ2aによって検出されたロータ
1のx方向の振れがXb×sinθ2であると、モータ
部10でのロータ1のx方向の振れ△Xは以下の式で表
すことができる。ここでθ1、θ2はそれぞれ任意時刻
tでの位相を示す。位相θは一般にθ=ω×tである。
ここでωはロータ1の角速度、tは時間である。また、
ラジアルセンサ2b、4bによりy方向の振れ△Yも同
様にして計算される。
【0024】
【数3】 △X=Xa+(Xb−Xa)×(Ta+L)/(Ta+Tb)・・・(4) △Y=Ya+(Yb−Xa)×(Ta+L)/(Ta+Tb)・・・(5)
【0025】(2)モータ部10でのロータ1の振れに
より、コイル6が生成する界磁が永久磁石11に及ぼす
磁力のアンバランスを推定する。次に、モータ部10で
のロータ1の振れによって磁極11とコイル6が生成す
る界磁の間に生じる磁力のアンバランスを求める方法に
ついて述べる。まず、ブラシレスDCモータが仕組みに
ついて説明する。図2は図1のA−A線における断面図
である。コイル6は図に示したように6つあり、コイル
6e、6fにU相、6c、6dにV相、6a6bにW相
の電流を流すようになっている。それぞれの相のコイル
は対になっており、電流を流すと互いに極性が逆になる
ように導線が直列に接続されている。例えば、コイル6
e、6fにある方向にU相の電流を流すと、コイル6f
はN極、コイル6eはS極になり、電流を逆転するとコ
イル6fはS極、コイル6eはN極となる。V相のコイ
ル6c、6d及びW相のコイル6a、6bについても同
様の関係が成り立つ。
【0026】図2に示した状態はU、V相コイルが励磁
されており、合成磁界(界磁、太線で示した矢印21の
方向)はx’方向になっている。なお、以降合成磁界の
N極からS極へ向かう方向をx’軸、これに垂直に(即
ち無通電相のコイル方向に)y’軸をとる。コイル6に
供給する電流を順次切り替えることによりコイル6の極
性を次々に切り替え、これによって合成磁界をロータ1
を回転させたい方向(例えば図に細線で示した矢印20
の方向)に回転さる。この回転磁界にロータ1に固着し
た永久磁石11を吸引させてロータ1を回転させる。電
流の切り替えは磁極11の位置を検出しながらモータド
ライバによって制御される。ロータ1に最大トルクが作
用するのは図2に示したように、永久磁石11の磁界の
方向に対して、コイル6の合成磁界が90°の位置にあ
るときである。なお、コイル6に供給する電流の相を切
り替えて磁界が回転すると、上で考えたx’軸、y’軸
も回転するものとして以下の説明を行う。
【0027】次に、モータ部10でロータ1に振れ生じ
た場合、ロータ1にどのような磁力のアンバランスが作
用するか検討する。まず、モータ部10での振れがない
状態、即ちX0=Y0=δ0の場合を考える。ここで、
X0、Y0はそれぞれロータ1がモータの中心にあると
きのx’方向、及びy’方向のロータ1とコイル6の間
のエアギャップであり、δ0はある所定の一定値であ
る。仮に、ロータ1に永久磁石11を装着しない場合
は、ロータ1に作用する磁力は図3に示したようにF
1、F2、F3、F4となり、F1とF4及びF2とF
3はそれぞれ大きさと方向が逆になるので、F1からF
4までを加えた合力は0となる。よって磁力のアンバラ
ンスは生じない。
【0028】次に、永久磁石11を装着したロータ1が
モータの中心にあるときに、コイル6からロータ1に及
ぼす磁力について考える。この場合にロータ1作用する
磁力の一例を図4に示す。永久磁石11はコイル6から
磁力F1〜F6を受ける。これらの力の関係を示したベ
クトル図を図5に示す。この図に示したようにF3とF
6、F2とF5、F1とF4はそれぞれ大きさが同じで
方向が逆であるので、これらの和は0となり、ロータ1
にラジアル方向(半径方向)の力は生じない。しかし、
図4から明らかなように、磁力F1〜F6はロータ1を
矢線22の方向に回転させるトルクを生じる。即ち、モ
ータ部10を振動させる原因となるロータ1をラジアル
方向に移動させる力は生じずに、ロータ1を回転させる
トルクのみ生じる。しかし、通常はモータ部10ではロ
ータ1の振れが発生し、これによって磁力のアンバラン
スが生じ、ロータ1の回転に伴って振動が生じる。
【0029】次に、図6に示したようにモータ部10で
ロータ1がx方向に△Xだけ振れた場合に、コイル6に
よる界磁がロータ1に及ぼす磁力を考える。この場合は
以下の関係が成り立つ。
【0030】
【数4】|F1|<|F4| ・・・(6) |F6|<|F3| ・・・(7)
【0031】今、仮にδ0=1[mm]、△X=0.2
[mm]とすると、以下の式が成り立つ。
【0032】
【数5】X0−△X=0.8[mm] ・・・(8) X0+△X=1.2[mm] ・・・(9)
【0033】ロータ1とコイル6の間に作用する磁力が
エアギャップの2剰に比例すると仮定すると、以下の関
係が概略成り立つ。
【0034】
【数6】 |F1|=(0.8/1.2)2×|F4|=0.444|F4|・・・(1 0) |F6|=(0.8/1.2)2×|F3|=0.444|F3|・・・(1 1)
【0035】F1〜F6をベクトル図に示すと図7のよ
うになり、磁力の合成ベクトル23(Fsxとする)は
−y’方向であることがわかる。なお、F2とF5は大
きさが同じで方向が逆なので相殺する。以上からロータ
1がx方向へ振れすると、ロータ1にはコイル6が生成
する磁界から−y方向の磁力Fsxを受けることがわか
る。ここで角度αはx’軸とF3がなす角度である。ま
た、同様にしてロータ1がy’方向へ振れするとロータ
1はコイル6が生成する磁界から−x’方向の磁力Fs
yを受ける。ロータ1がx’方向へ△X振れ、y’方向
へ△Y振れた場合には、ロータ1に作用する磁力Fsは
FsxとFsyの合力であり、以下の式で表される。こ
こで、Fs、Fsx、Fsyはいずれもベクトル量であ
る。
【0036】
【数7】Fs=Fsx+Fsy ・・・(12)
【0037】次に、Fsxを求める方法について述べ
る。Fsxは△X、コイル6が生成する界磁の方向及び
ロータ1の最大トルク点からの回転角度γを変数とする
3変数の関数である(コイル6が生成する磁界の大きさ
は一定とする)。Fsyについても同様である。式(1
2)に従ってFsをFsxとFsyから求めるために
は、あらかじめこれら3つの変数の各種の値に対するF
sxとFsyをあらかじめ求めておいてデータベース化
し、これを利用することを考える。ところで、コイル6
が生成する磁界の方向はコイル6に固定したxy座標系
から見て0°、60°、120°、180°、240
°、300°の6種類であるが、γは0°から60°
(60°に達するとコイル6の界磁が次の相に切り替わ
り0°となる)までの連続量であり、△Xも連続量であ
るので、これらの3変数のすべてに渡ってFsxを求め
るとデータ数が膨大となってデータ処理等が困難であ
る。そこで、図8に示したようにロータ1の最大トルク
点からの回転角度は20°おきに0°、20°、40°
の3つの場合について考え、実際にFsxを求める際に
はγを、例えば0°±10°ならば0°、20°±10
°ならば20°、40°±10°ならば40°として、
0°、20°、40°の何れかに振り分けるものとす
る。なお、上の回転角度は0°、20°、40°に限定
されるものではない。以上のようにγの値を限定すると
Fsxはコイル6が生成する界磁の方向とγの2つをパ
ラメータとする△Xの1変数関数となる。同様にしてF
syは△Yの1変数関数g(△Y)となる。
【0038】コイル6の発生する磁界の方向とγ、及び
Fsx、Fsyの関係を示した表を図8に示す。この表
は、コイル6の発生する磁界の方向により6つのパター
ンに区分されている。それぞれのパターンは更に3つの
γ、即ち0°、20°40°によって3つに区分され
る。そして、例えばパターン1で、γが0°に固定した
場合、ロータ1をx’方向に△X変位させた時のFsx
をf1(△X)とする。f1(△X)は種々の△Xにつ
いて磁場解析や実験などによりあらかじめ求めておきデ
ータベース化しておく。同じ要領でf2(△X)、f3
(△X)を求めてデータベース化しておく。また、コイ
ル6の生成する界磁の各パターンに対し、モータ部10
は対照的な構造になっているため、パターン1で求めた
f1(△X)、f2(△X)、f3(△X)は他のパー
ターンにも適用できる。同様にしてFsyについてもg
1(△Y)、g2(△Y)、g3(△Y)をデータベー
ス化しておく。また、上のf1(△X)等は、データベ
ースを作成するのではなく、例えば最小二乗法などを用
いて近似式を求めておき、これに△Xを代入することに
よって演算するようにしても良い。
【0039】コイル6が生成する界磁の方向はモータの
U相、V相、W相の各電流波形をモニタすることにより
求めることができる。また、γはコイル6の生成する界
磁と磁極11の相対的な角度なので、γを求めるにはコ
イル6が生成する界磁の方向と永久磁石11の磁極の回
転方向の位置を知ることが必要である。永久磁石11の
磁極の位置、即ちステータに対するロータ1の位相は、
永久磁石11のN極とS極の磁極切り替え点を検出し、
これと回転数の情報から検出する。ここで、永久磁石1
1の磁極の切り替え点の検出は、例えば、ホール素子な
どのハード的な外部センサを用いても良いし、また、例
えばモータをフリーランさせ、そのときモータ巻線に誘
導される誘導起電力から推定するいわゆるセンサレスド
ライバを用いても良い。
【0040】(3)磁気軸受部8、9がロータ1に及ぼ
す吸引力(磁力)により、上記の磁力のアンバランスを
相殺する。次に、上に述べたモータ部10でのロータ1
の振れにより生ずる、コイル6とロータ1間の磁力のア
ンバランスを、磁気軸受部8、9の磁力で相殺する方法
について説明する。式(12)のFsは界磁と共に回転
するx’−y’座標系で記述されているため、これをコ
イル6(又はステータ)に固定したx−y座標系に変換
する。Fsはベクトル量であるので、これのx成分をF
x、y成分をFyとする。また、図9に示したように、
ロータ1が軸受部8でx、y方向に受ける磁力をそれぞ
れFax、Fay、軸受部9でx、y方向に受ける磁力
をそれぞれFbx、Fbyとする。ここでは、簡単のた
め磁気軸受のコイルを軸受部8ではコイル3a、3c、
軸受部9ではコイル5a、5cのみを用いて説明する。
コイル3b、3d、5b、5dは表記しないがコイル3
a、3c、5a、5cと同様に動作している。ロータ1
に作用する力の釣り合いから式(13)、(14)が成
り立ち、また、ロータ1の重心7の回りのモーメントの
釣り合いから式(15)、(16)が成り立つ。
【0041】
【数8】 Fx=Fax+Fbx ・・・・・・・・・・・・(13) Fy=Fay+Fby ・・・・・・・・・・・・(14) Fax×La+Fbx×Lb=−Fx×L ・・・(15) Fay×La+Fby×Lb=−Fy×L ・・・(16)
【0042】上の式(13)から式(16)までの連立
方程式を解くことにより、モータ部10で生じた磁力の
アンバランスをうち消すために、磁気軸受8、9に必要
な磁力Fax、Fbx、Fay、Fbyを求めることが
できる。次にコイル3に磁力Fax、Fayをコイル5
に磁力Fbx、Fbyを発生させるための電流値が必要
となる。磁気軸受8、9に供給する電流と、発生する磁
力の間には式(17)〜(20)の関係が成り立つ。こ
れらの関係は磁場解析、実験などにより求めてデータベ
ース化することができる。また、例えば最小二乗法等を
用いて近似式をもとめ、これを関数fの式としても良
い。ここで、Iax、Iay、Ibx、Ibyはそれぞ
れコイル3a、3c、5a、5cに供給する電流であ
る。
【0043】
【数9】Fax=f(Iax) ・・・(17) Fay=f(Iay) ・・・(18) Fbx=f(Ibx) ・・・(19) Fby=f(Iby) ・・・(20)
【0044】式(17)〜(20)の関係から逆に電流
値を磁力で表すと下の(21)〜(24)の関係が成り
立つ。なお、関数f-1は関数fの逆関数である。磁場解
析や実験などによりコイルの発生する磁力とコイルの電
流の関係がデータベース化してある場合は、これから必
要な磁力を発生させるための電流値をこのデータベース
から読みとることができる。
【0045】
【数10】Iax=f-1(Fax) ・・・(21) Iay=f-1(Fay) ・・・(22) Ibx=f-1(Fbx) ・・・(23) Iby=f-1(Fby) ・・・(24)
【0046】図10は本実施の形態の磁気軸受装置の制
御装置80を示したブロック図である。ロータ位相推定
器61は、ロータ1の回転数信号と永久磁石11の磁極
切り替え信号が入力され、永久磁石11の磁極の位置を
出力する。回転数信号はロータ1の回転数を表し、永久
磁石磁極位置切り替え信号は永久磁石11のN極とS極
の磁極の切り替え位置がモータ内に設置したセンサを通
過したタイミングを表す。この両者の信号から永久磁石
11の磁極の位置を推定し、これをFsx演算部66、
Fsy演算部69に出力する。ここで、永久磁石磁極位
置切り替え信号をカウントすれば、回転数信号が得ら
れ、回転数センサそのものは不要となる。モータ部ロー
タ振れ推定器63には軸受部8のラジアルセンサ3a、
3b及び軸受部9のラジアルセンサ5a、5bが接続さ
れている。それぞれのセンサにより軸受部8、9でのロ
ータ1の振れのxy成分が検出され、これらの値がモー
タ部ロータ振れ推定器63に入力される。モータ部10
ロータ振れ推定器63は式(4)、(5)に基づきモー
タ部10でのロータ1の振れ△X、△Yを演算し、出力
する。そして、△X、△YにX0、Y0が加算され、X
0+△XとY0+△YがそれぞれFsx演算部66、F
sy演算部69に入力される。
【0047】Fsx推定器64は、パターン推定部65
とFsx演算部66から構成されている。パターン推定
部65はU相、V相、W相モータ巻線の電流をモニタし
図8に示したコイル6が生成する磁界即ち界磁のパター
ンを推定する。Fsx演算部66はパターン推定部65
から界磁のパターンを、ロータ位相推定器61からロー
タ1の磁極の位置を取得し、これによってγを推定す
る。Fsx演算部は更に、モータ部ロータ振れ推定器6
3からモータ部10でのロータ1の振れ△XにX0を加
算された値を取得する。これらの3つの値、即ち界磁パ
ターン、γ、△Xから図8の表に従ってFsxを推定す
る。Fsxはロータ1がx’方向に△Xだけ振れること
によって生じる−y’方向の磁力である。Fsy推定部
67は、パターン推定部68とFsy演算部69から構
成されており、Fsx推定器64と同様にしてロータ1
がy’方向に振れることによって−x’方向に生じる磁
力、即ちFsyを推定する。
【0048】Fs推定器70はFsx演算部66とFs
y演算部69からFsx、Fsyを受け取り、式(1
2)からFsを合成する。Fsはモータ部10でロータ
1が界磁から受ける磁力のアンバランスであり、またこ
の量はベクトル量である。x−y成分分離器71はベク
トル量FsをFs推定器70から受け取り、これをコイ
ル6や軸受部8、9に固定したx−y座標系におけるF
x、Fyに分解する。Fx、Fyはロータ1のモータ部
10での振れによりロータ1がコイル6の生成する界磁
から受ける磁力のアンバランスのx成分、y成分であ
る。磁気軸受必要負荷推定器72はx−y成分分離器7
1からFx、Fyを受け取り、式(13)〜式(16)
で表されるロータ1に作用する力の釣り合いと、重心の
回りのモーメントの釣り合いからFx、Fyを打ち消す
ために必要な、磁気軸受部8、9に生成する磁力Fa
x、Fay、Fbx、Fbyを演算する。
【0049】必要電流推定器73は磁気軸受必要負荷推
定器72から磁力Fax、Fay、Fbx、Fbyの値
の信号を受け取り、この磁力をコイル6で発生するのに
必要な電流Iax、Iay、Ibx、Ibyを推定し、
これらの電流を発生するための信号を電流アンプ75a
〜75dへ送る。
【0050】また、ラジアルセンサ2、4はそれぞれP
ID補償器74a〜74d、電流アンプ75a〜75d
を介して磁気軸受部8、9のコイル3、5に接続されて
いる。制御回路80のこの系統は、従来から磁気軸受装
置の制御に用いられているものである。この部分は以下
のように動作する。磁気軸受部8のラジアルセンサ2a
は磁気軸受部8近傍でのロータ1のx方向の振れを検出
し、その信号をPID(Propotional In
tegral Derivative)補償器74aに
出力する。ここは磁気軸受部8、9に対して通常のPI
D制御を行う部分である。
【0051】PID制御とは例えば、ロータ1とコイル
3の間の磁気吸引力の変化分をロータ1の振れと速度に
比例させるようにコイル電流を制御することである。P
ID制御により磁気軸受装置は軸受け力を得る。即ち、
ロータ1がラジアル方向の一方へ振れれば、この振れを
戻すようにコイル3の磁力がフィードバック制御され
る。PID補償器74aの出力信号は電流アンプ75a
で増幅され、所定の電流がコイル76aに供給される。
そして、ロータ1は軸受部8のx方向の所定の吸引力を
得、コイル3と所定のエアギャップを隔てて支持され
る。磁気軸受部8のy方向の制御及び磁気軸受部9での
x、y方向の吸引力の制御も同様にして行われる。
【0052】PID補償器74aから電流アンプ75a
へ送られる電流値には必要電流推定器73からの電流値
が加算されるようになっている。これによって、コイル
76aが生成する磁界はロータ1を所定の位置に保持す
る軸受け力と、モータ部10で生じた界磁による磁力の
アンバランスを打ち消す磁力Faxが重畳されたものと
なる。磁気軸受部8のy方向の制御及び磁気軸受部9で
のx、y方向の吸引力の制御も同様にして行われる。以
上のように磁気軸受装置80を構成することにより、ロ
ータ1の振れによるモータ部10で生じる磁力のアンバ
ランスを解消し、その結果ステータの発生する振動を抑
制することができる。
【0053】本実施の形態では、ラジアルセンサ2、4
でのロータ1の振れからモータ部10でのロータの振れ
を推定し、これによってモータ部10でロータ1に作用
する磁力のアンバランスを推定したが、たとえば、モー
タ部10の内部に磁束検出センサを設置し、このセンサ
によりモータ内のエアギャップ内の磁束を直接検出し
て、この値からロータ1とコイル6の間に作用する磁力
のアンバランスを推定しても良い。本実施の形態では、
図8で示したように界磁のパターンとγと△X等により
ロータ1が受ける磁力を実験などにより求めたが、磁束
検出センサを用いる場合は界磁のパターン、γ、磁束検
出センサの出力とロータ1の受ける磁力の関係を実験や
磁場解析などにより求めてデータベース化する。そし
て、磁気軸受装置稼働時は磁界パターンとγと磁束セン
サの出力からこのデータベースを検索し、Fsx、Fs
yを推定する。
【0054】また、モータ部10や磁気軸受装置の筐体
などに加速度計又は振動計等を取り付けて、これによっ
て、モータ部10の振動を検出し、これが小さくなるよ
うに各磁気軸受部のコイルの電流を調整する制御装置を
付加すると、更に磁気軸受装置の振動を抑制することが
できる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、ロータの振れによるモ
ータの磁力のアンバランスに起因する振動の低減が可能
であり、磁気軸受部の小型化、高効率化を図ることがで
きる。また、磁気軸受装置のハード構成は従来のままで
良く、ラジアルセンサを新たに追加するなどの必要は無
い上、磁気軸受制御系内にマイコン(Micro Pr
ocessor)又は、DSP(Digital Si
gnal Processor)又は、メモリ等を用い
てモータ内の磁力のアンバランスなどを推定する推定
器、コイルの発生する磁力をコイルに流す電流値に変換
したりなどする変換器などを構成するだけで、モータ部
10に生じた磁力のアンバランスを打ち消すことができ
る。また、モータ部10でのロータの振れを直接推定又
は測定するため、モータ内でのロータの振れを高い精度
で取得することができる。実際に磁気軸受装置外部へ発
生する振動(加速度)を基に、これを最小化するように
調整できる機能を付加すると、更に振動抑制効果を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の磁気軸受装置を示した図
である。
【図2】図1のモータ部10のA−A線断面図である。
【図3】ロータが永久磁石11を備えない場合にステー
タコイルがロータに及ぼす磁力を示した図である。
【図4】ロータが永久磁石11を備えた場合にステータ
コイルがロータに及ぼす磁力を示した図である。
【図5】各ステータコイルが永久磁石11に及ぼす磁力
を示したベクトル図である。
【図6】ロータがx’方向に△X振れした場合に、ステ
ータコイルが永久磁石11に及ぼす磁力を示した図であ
る。
【図7】ロータがx’方向に△X振れした場合に、ステ
ータコイルが永久磁石11に及ぼす磁力を示したベクト
ル図である。
【図8】ステータコイルの界磁のパターンなどとFs
x、Fsyの関係を示した表である。
【図9】ロータと磁気軸受のコイルの吸引力を示した図
である。
【図10】本発明の磁気軸受装置の制御系を示したブロ
ック図である。
【図11】従来の磁気軸受装置を示した図である。
【符号の説明】
1 ロータ 2 ラジアルセンサ 3a コイル 3b コイル 3c コイル 3d コイル 4a ラジアルセンサ 4b ラジアルセンサ 5a コイル 5b コイル 5c コイル 5d コイル 6a ステータコイル 6b ステータコイル 7 重心 8 磁気軸受部 9 磁気軸受部 10 モータ部 11 永久磁石 61 ロータ位相推定器 63 モータ部ロータ振れ推定器 64 Fsx推定器 65 パターン推定部 66 Fsx演算部 67 Fsy推定器 68 パターン推定部 69 Fsy演算部 70 Fs推定器 71 x−y成分分離器 72 磁気軸受必要負荷推定器 73 必要電流推定器 74a PID補償器 74b PID補償器 74c PID補償器 74d PID補償器 75a 電流アンプ 75b 電流アンプ 75c 電流アンプ 75d 電流アンプ 80 磁気軸受制御装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータと、 前記ロータに設けられ、磁力により前記ロータを回転さ
    せるモータ部と、 前記ロータを所定の位置でラジアル方向に磁気支持する
    磁気支持用のコイルと、 前記ロータが所定の位置からラジアル方向に振れること
    により前記モータ部で生じる前記ロータに作用する磁力
    のアンバランスを取得する磁力のアンバランス取得手段
    と、 前記磁力のアンバランスに抗するように、前記磁気支持
    用のコイルの磁力を調節する磁力調節手段と、を備えた
    ことを特徴とする磁気軸受装置。
  2. 【請求項2】 前記ロータの所定の位置は、 前記ロータを前記ロータの回転軸が前記ロータの重心を
    通るように回転した場合に得られる位置、または、前記
    ロータを前記ロータの回転軸が前記ロータの重心を通る
    ように回転させた場合に生じる、前記ロータと前記コイ
    ルのエアギャップの変動に対して、前記ロータとコイル
    の間に作用する磁力が、前記ロータが回転する一周期に
    渡って一定となるように、前記コイルの磁力を補正した
    場合に得られる位置であることを特徴とする請求項1記
    載の磁気軸受装置。
  3. 【請求項3】 前記モータ部はロータに固着した複数の
    磁極と、 前記磁極の周囲に配置した複数のコイルとから構成され
    たブラシレスDC(直流)モータであることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載の磁気軸受装置。
  4. 【請求項4】 前記ロータのラジアル方向の振れを検出
    するラジアルセンサと、 前記ラジアルセンサと前記モータ部の幾何学的な位置関
    係から、前記ラジアルセンサにて取得した前記ロータの
    振れから前記モータ部でのラジアル方向の振れを推定す
    る第1の推定手段と、を備え、 前記磁力のアンバランス取得手段は、 前記磁極の回転角度と、 前記モータ部のコイルが生成している界磁と、 前記第1の推定手段で推定した前記ロータのラジアル方
    向の振れとから前記モータ部で前記ロータに作用する磁
    力のアンバランスを推定する第2の推定手段と、からな
    ることを特徴とする請求項3に記載の磁気軸受装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の推定手段は、 前記磁極の回転角度と、 前記モータ部のコイルが生成している界磁と、 前記ロータのラジアル方向の振れに対して、 前記モータ部で前記ロータに作用する磁力のアンバラン
    スを記録したデータベースであることを特徴とする請求
    項4記載の磁気軸受装置。
  6. 【請求項6】 前記磁力のアンバランス取得手段は、 前記磁極と前記モータ部のコイルとのエアギャップに存
    在する磁束を検出する磁束検出センサと、 前記磁束検出センサで検出された磁束から、前記モータ
    部での磁力のアンバランスを推定する第3の推定手段
    と、を備えたことを特徴とする請求項2に記載の磁気軸
    受装置。
  7. 【請求項7】 前記ロータが回転する際に発生する振動
    を検出する検出手段と、 前記検出手段によって検出された振動が小さくなるよう
    に前記磁気支持用コイルの磁力を調節する機構を更に備
    えたことを特徴とする請求項1から5までの何れかの一
    に記載の磁気軸受装置。
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