JP2002121292A - 液体金属架橋粒子クラスターによる熱伝導性化合物の製法 - Google Patents

液体金属架橋粒子クラスターによる熱伝導性化合物の製法

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JP2002121292A
JP2002121292A JP2001106954A JP2001106954A JP2002121292A JP 2002121292 A JP2002121292 A JP 2002121292A JP 2001106954 A JP2001106954 A JP 2001106954A JP 2001106954 A JP2001106954 A JP 2001106954A JP 2002121292 A JP2002121292 A JP 2002121292A
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Sanjay Misra
ミスラ サンジェイ
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Bergquist Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱を発生する半導体デバイスと熱を消失させ
る表面との相対する表面の間に熱伝導性ブリッジを形成
する改良された方法を与える。 【解決手段】 熱伝導性機械的順応性パッドの製法にお
いて、(a)(1)120℃より低い液体状態温度にある
合金を含有する多量のガリウム及び(又は)インジウ
ム、(2)質的に窒化硼素からなる熱伝導性粒状固体、の
混合物を調製し、(b)前記混合物を機械的に混合して
前記粒子の表面を前記液体合金で濡らし均一なペースト
を形成し、然も、前記液体合金が前記窒化硼素の個々の
粒子をカプセルに包み、(c)前記ペーストを多量の流
動性プラスチック樹脂材料と一緒にし、約10体積%〜
90体積%の金属被覆粒子及び残余の流動性プラスチッ
ク樹脂からなる熱伝導性物質を形成する、諸工程からな
るパッド製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】参照関連出願本願は、本願と同じ譲受け人
に譲渡されている、「液体金属架橋粒子クラスターによ
る熱伝導性化合物の製造方法」(METHOD OF PREPARING T
HERMALLY CONDUCTIVE COMPOUNDS BY LIQUID METAL BRID
GED PARTICLE CLUSTERS)と題する、2000年4月5日
に出願された、前の共願の米国特許出願Serial
No.09/543,661のCIPである。
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に熱を発生す
る半導体デバイスから、熱吸収体、熱分散体(heat spre
ader)等の熱消散体(heat dissipator)への熱移動を改良
するための機械的順応性の熱伝導性化合物(thermally c
onductive mechanically compliant compounds)を製造
するための改良された方法及び組成物に関する。特に、
本発明は、液体金属で被覆された浸出性(percolating)
粒状クラスターを導入又は充填した重合体液体のよう
な、高度に熱伝導性の重合体化合物の改良された配合物
を製造することに関し、この場合、液体金属の耐湿性が
疎水性アルキル官能性シラン、特にオクチル−トリエト
キシシランの添加によって安定化されている。そのよう
な化合物は、液体金属で促進される浸透により高度に効
果的になっており、その液体金属は増大した安定性を有
する。本発明は、液体金属で粒状固体を均一に被覆し、
然る後、それら被覆した粒子を液体又は流体重合体と、
疎水性アルキル官能性シラン、特にオクチル−トリエト
キシシランとの混合物からなる組成物と混合し、熱的通
路を有する高度に安定な順応性パッドを形成する方法を
含む。
【0003】
【従来の技術】従来、熱を発生する半導体デバイスのた
めの熱伝導性ペースト内に配合するものとして液体金属
が提案されてきた。殆どの場合、この目的のために液体
金属を適用することは広く用いられることはなかった。
なぜなら、第一に、液体金属が合金及び/又はアマルガ
ムを形成し、それにより液体金属含有取付けパッドの物
理的性質が変化及び制限される傾向があることによる問
題が生ずるためである。或る用途では、液体金属成分
が、本体構造中と同様、表面に沿って酸化されるように
なる。従来法の高度に熱伝導性のペーストは電気伝導性
であるのが典型的であるが、この性質は或る用途及び状
況では望ましくない。或る他の状況では、液体金属及び
/又は液体金属の合金を重合体と混合し、然る後、その
重合体を硬化して複合体熱伝導性取付けパッドを与えて
いる。これらの部材は有用ではあるが、主に最終製品中
の液体金属成分が不安定であることにより、広く利用さ
れることはなかった。この不安定性は、液体金属成分の
極めて高い表面張力によることの外、その他の化学的及
び物理的性質によるものである。例として、分散した液
体金属の液滴は、オストワルト成長過程により凝集する
傾向をもち、重合体マトリックスから金属の巨視的分離
を起こす。更に、液体金属の酸化は、湿潤環境に曝され
ると促進され、脆い酸化物を形成することになり、それ
がその化合物の熱的性質を悪化する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主目的は、高
度に熱伝導性であることの外に、液体金属を三相複合体
中に固定し、安定化する働きをする改良された粒状材料
を与えることにある。
【0005】本発明の更に別な目的は、熱を発生する半
導体デバイスと熱を消失させる表面との相対する表面の
間に熱伝導性ブリッジを形成する改良された方法を与え
ることにあり、その熱伝導性ブリッジは、無機粒状物・
液体金属・液体シリコーン重合体/オクチル−トリエト
キシシラン混合物からなる三相複合体からなる。
【0006】本発明の更に他の目的は、次の明細書の記
載、特許請求の範囲、及び図面を研究することにより当
業者には明らかになるであろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、液体金属で被
覆された粒子と、オクチル−トリエトキシシランと共に
重合体キャリヤーとの組合せを用いる。アルキル官能性
シランは、金属の表面酸化物層に結合し、疎水性障壁を
形成し、それが金属に対する湿分の攻撃を防ぐ。本発明
で記載する製造方法は、向上した安定性、特に巨視的相
分離を起こす傾向を遅延する化合物も与える。更に、そ
の配合物及びその製造方法は、熱移動特性を向上する液
体金属被覆粒子の大きな浸透性クラスターの形成を可能
にする。その組合せも、希望の機械的性質を有し、それ
が製造操作でそれを使用し易くしている。
【0008】本発明に従い、窒化硼素、アルミナ、又は
窒化アルミニウムのような粒状物を最初に乾燥し、然る
後、液体金属、典型的には室温で液体であるか、又は比
較的低い温度で溶融し、典型的には120℃より低く、
好ましくは60℃より低い温度で溶融する金属と接触さ
せる。液体金属は、ガリウム・インジウム・錫・亜鉛合
金、ビスマス・インジウム合金、又は錫・インジウム・
ビスマス合金のようなガリウム及び/又はインジウムの
合金からなるのが好ましい。粒子の表面を適切に濡らす
ため、乾燥粒子と液体金属との混合物を、粒子が液体金
属で均一に被覆されるまで混合操作にかける。絶対的に
必要な訳ではないが、窒化硼素粒子は液体金属合金と混
合する前に乾燥していることが望ましい。この混合段階
で、液体金属と粉末とのチキソトロピー性ペーストが得
られる。そのペーストは、大きな浸透性クラスターとし
て見ることもできる。
【0009】被覆操作に続き、被覆された粒子を、例え
ば、希望の又は選択された粘度の液体シリコーン油のよ
うな液体重合体キャリヤー材料及びオクチル−トリエト
キシシランの混合物と混合する。液体金属粒子は、シリ
コーン/シラン混合物中に充填限界まで又はその近くま
で配合するのが好ましい。液体金属被覆窒化硼素の場
合、充填分率は、約60体積%〜65体積%の被覆粒子
及び残余の液体シリコーン/オクチル−トリエトキシシ
ラン混合物からなるのが典型的である。これらの体積分
率では、大きな充填密度により、優れた熱伝導度を有す
る機械的に順応性のある化合物が得られる。これは、半
導体デバイスと熱吸収体との相対する間隔を開けた表面
間に順応性のある界面を生ずることにより熱移動を改良
する。
【0010】本発明により極めて熱伝導性の機械的に順
応性のあるブリッジを製造するため、熱伝導性粒子を先
ず選択するが、窒化硼素がその好ましい粒子である。酸
化アルミニウム(アルミナ)及び窒化アルミニウムのよ
うな材料も、液体金属と接触させる前に適当に乾燥され
ているならば、有用であることが判明している。本発明
を適用するため、粒径は、平均断面の厚さが約5μより
小さくなるようにすべきである。液体金属、好ましくは
低融点合金をその粒状物に添加し、粒子表面が液体金属
によって実質的に均一に濡らされ、均一なペーストが形
成されるまで機械的に混合する。然る後、液体重合体混
合物、好ましくは液体又は流体シリコーン重合体/オク
チル−トリエトキシシランをその液体金属ペーストへ添
加し、作用配合物を形成し、この作用配合物を機械的混
合操作にかけ、その操作は激しいか又は高速混合工程を
含むのが典型的であり、目で見て滑らかなペーストが形
成されるまで激しい混合を継続する。
【0011】液体シリコーン/シラン混合物中へ配合す
ると、液体金属被覆粒子の添加が粘度を効果的に減少す
ることが見出されている。この粘度の変化に含まれる機
構は、「効果的粒子」・シリコーン油/シラン界面で粘
性遅滞が減少することによるものと考えられる。液体金
属被覆は、粒子の形状の球状性を増大し、さもなければ
堅い粒子の効果的「軟化」にも寄与する。これら二つの
因子が、相互に共働する仕方で働き、得られる複合体の
粘度及びモジュラスの両方を減少する。
【0012】液体金属被覆粒子は、熱及び/又は熱エネ
ルギーを効果的に移動する外、液体金属を三相複合体中
へ固体して安定化し、大きな移動を防ぐことが更に見出
されている。この三相は粒子・液体金属・重合体混合物
である。金属相の粘度を増大することにより、金属液滴
が移動し、大きな液滴へ凝集して巨視的に分離し、複合
体から漏洩する傾向が著しく遅延される。更に、液体被
覆粒子が、得られる複合体にビンガム(Bingham)プラス
チック状特性を与え、これが外部応力が存在しない時に
ペーストを静止状態に維持し、更に応力を受けた時に容
易に順応し且つ(又は)流動できるようにしていること
が判明している。
【0013】液体金属は、巨視的液・液分離を受ける傾
向があるので、シリコーンを含めた重合体液体とはよく
混合しない。しかし、本発明によれば、特定の窒化硼素
の粒状物を最初にガリウム合金で被覆すると、巨視的分
離現象が減少し、金属相のチキソトロピー性の増大によ
り、液体金属が被覆された粒子の形で支持又は維持され
る。更に、被覆された粒子は、シリコーン/シラン混合
物に添加すると、複合体中の熱移動路を効果的に形成す
る機能を果たす。或る場合には、窒化硼素のような粒子
の熱伝導度は、液体金属、例えば、ガリウム、錫及びイ
ンジウムの共融合金の熱伝導度さえも越えることがあ
る。
【0014】熱的性質の外に、複合体が望ましい電気的
性質を同様に持つことは、本発明の更に別の特徴であ
る。最適熱的性質を有する配合物は、108〜1012Ω
・cmの範囲の体積電気抵抗率を有することが判明して
いる。
【0015】簡単に述べると、本発明の方法は、最初に
粒状材料を用途に対し選択する工程を含む。窒化硼素粒
子が特に望ましく、0.3m2/gのBET比表面積を
有する粒子が極めて有用であることが判明している。窒
化硼素は異方性板状子状粒子の形の形態をしているのが
典型的であり、板の直径は約5〜50μmの範囲にあ
り、板の厚さは約2〜3μmである。次の工程は粒子の
被覆である。液体金属で被覆すると、これらの粒子は
4:1〜1:1の範囲の液体金属/窒化硼素体積比を有
する。被覆は、前に述べたように、機械的に混合するこ
とにより達成される。その次に適当な量の混合液体又は
流体シリコーン及びオクチル−トリエトキシシランをそ
の被覆粒子に添加し、その添加の後に、目で見て滑らか
なペーストが得られるまで、高速混合する。
【0016】上で示したように、窒化硼素は好ましい粒
状物であるが、アルミナを使用することにより好ましい
結果が達成されており、そのアルミナは、粒子の完全な
乾燥を含む前処理を必要とするのが典型的である。窒化
アルミニウムのような他の粒状物も、完全な乾燥後に、
液体金属ペーストを形成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】好ましい態様を記述するため、次
の実施例を与える:
【0018】例1
【0019】選択した粒状物は、窒化硼素で、その粒子
は平均して40μの直径及び2μの断面厚さを持つ正常
な板状子状形態を持っていた。この粒子はガリウム合金
により容易に濡らされた。液体ガリウム合金で被覆する
と、BN粉末は、堅い凝集物は形成せず、むしろチキソ
トロピー性ペーストを形成した。この形態はBNが「面
内(in-plane)」方向に大きな熱伝導度を有する限り望ま
しいものであり、その伝導度は液体金属架橋により実質
的に改良される。BNは2.25の比重を有し、350
W・m-1・K-1の熱伝導度(面内)を有する(方向によ
り平均した熱伝導度は約60W・m-1・K-1であると報
告されている)。選択した重合体マトリックスは、シリ
コーン油とオクチル−トリエトキシシランとの混合物で
あり、そのシリコーン油成分は、100センチストーク
スの動的粘度、0.86の比重、及び0.15W・m-1
・K-1の熱伝導度を有するものであった。金属は6.5
の比重及び20W・m-1・K-1の熱伝導度を有する。
【0020】異方性板状子BN粒子を、最初に液体ガリ
ウム合金で被覆した。液体金属対BN体積比は、下の表
Iに記載したように、三つの異なった範囲で選択した:
【0021】
【0022】被覆は、例1の液体ガリウム合金とBN粉
末とを機械的に混合することにより達成され、これは手
で行うか、又は高速混合機により達成することができ
る。混合の後に、適当な量のシリコーン油/オクチル−
トリエトキシシラン混合物を添加し、次に目で見て滑ら
かなペーストが得られるまで高速混合した。
【0023】混合処理は化合物を安定化する。シリコー
ン油/シラン混合物の表面張力は約20mN/mである
のに対し、液体金属については400〜500mN/m
の程度である。このことは、表面を濡らすシリコーン油
/シラン混合物の能力、即ち拡散係数が、液体金属のそ
れよりも遥かに大きいことを意味する。従って、BN粒
子は、シリコーン油/シラン混合物と接触させる前に液
体金属で被覆し、適切で望ましい濡れを達成するように
する。特に、次の利点が存在する: 1. その材料は液体架橋を形成する;及び 2. 混合物中に疎水性アルキル官能性シランが存在す
ることにより、液体金属の巨視的分離の量は著しく減少
する。
【0024】試験は、本発明の連続的工程に従わずに、
配合物の全ての材料を一緒に混合すると、粉末は液体金
属によって適切に濡らされないことを示していた。混合
工程の順序は、本発明で安定で熱伝導性の化合物の製造
に成功する鍵である。
【0025】例2
【0026】選択した粒状物は、酸化アルミニウム、即
ちアルミナで、球対称の粒子であり、3μmの直径及び
2m2/gのBET比表面積を持っていた。アルミナ及
び合金の両方を100℃(合金2の融点より上)に加熱
し、混合した。液体合金で被覆した時、アルミナは滑ら
かでチキソトロピー性のペーストを形成した。アルミナ
は3.75の比重を有し、25W・m-1・K-1の熱伝導
度を持っている。選択した重合体マトリックスは、シリ
コーン油とオクチル−トリエトキシシランとの混合物で
あり、そのシリコーン油成分は、100センチストーク
スの動的粘度、0.86の比重、及び0.15W・m-1
・K-1の熱伝導度を有するものであった。液体金属は
7.88の比重及び25W・m-1・K-1の熱伝導度を有
する。
【0027】アルミナ粒子は、最初に液体金属合金で被
覆した。金属対アルミナ体積比は、下の表IIに記載した
ように、三つの異なった範囲で選択した:
【0028】
【0029】被覆は、例2の液体合金とアルミナ粉末と
を機械的に混合することにより達成され、これは手で行
うか、又は高速混合機により達成することができる。混
合の後に、適当な量のシリコーン油/シラン混合物を添
加し、次に目で見て滑らかなペーストが得られるまで高
速混合した。
【0030】例3
【0031】選択した粒状物は、例2のアルミナであっ
た。液体ガリウム合金で被覆すると、アルミナは滑らか
でチキソトロピー性のペーストを形成した。選択した重
合体マトリックスはシリコーン油/オクチル−トリエト
キシシランであり、そのシリコーン油は、100センチ
ストークスの動的粘度、0.86の比重、及び0.15
W・m-1・K-1の熱伝導度を有するものであった。液体
金属は6.5の比重及び20W・m-1・K-1の熱伝導度
を有する。
【0032】アルミナ粒子は、最初に液体ガリウム合金
で被覆した。液体金属対アルミナ体積比は、下の表III
に記載したように、三つの異なった範囲で選択した:
【0033】
【0034】被覆は、例1の液体ガリウム合金とアルミ
ナ粉末とを機械的に混合することにより達成され、これ
は手で行うか、又は高速混合機により達成することがで
きる。混合の後に、適当な量のシリコーン油を添加し、
次に目で見て滑らかなペーストが得られるまで高速混合
した。
【0035】試験結果 配合物1(表I)を、熱伝導度について試験した。AS
TM D5470法は、8.0W・m-1・K-1の熱伝導
度を与えた。工業的標準材料に対する制御熱インピーダ
ンス試験も行なった。これらの一つは、ダウ・コーニン
グ(Dow Corning)からの一般的熱界面化合物(DC−3
40サーマルグリース)であり、もう一つはシン・エチ
ュ社(Shin-Etsu Corporation)により製造された高性能
化合物(G−749サーマルグリース)であった。この
配合物は、図8のインピーダンス/湿潤環境露出曲線の
比較により実証されるように、湿潤環境に曝した時、向
上した安定性を示した。例示したように、シランを含ま
ない配合物とは対照的に、オクチル−トリエトキシシラ
ンを含有する配合物については、応答曲線は比較的安定
なままになっている。
【0036】液体金属被覆粒子の性質 図面に例示したように、図1は、個々の被覆粒子、特に
液体ガリウム合金で被覆したBNの間で改良された接触
が得られる仕方を例示している。複合体の表面特性又は
性質は、液体架橋の形成により接触を改良している。こ
のスケッチは、通常隣接する粒子の間に現れる表面抵抗
率の著しい低下を与える粒子表面の濡れの特徴を示して
いる。液体金属は、オクチル−トリエトキシシランをシ
リコーン油成分に添加することにより安定化される。
【0037】図2は、臨界に近い充填率から得られる改
良された浸透の特徴を例示している。図2の左側の部分
に示してあるような表面対表面接触が、臨界に近い充填
率が高い濃度によって達成された場合に向上する。
【0038】図3の目的は、粒子の液体金属被覆によっ
て達成される縦横比の減少を実証することにある。窒化
硼素は異方性板状子構造を有するので本発明によって意
図される用途でのその性能は向上する。液体金属被覆に
より「効果的粒子」の形状は一層楕円状になる。
【0039】図4の目的は、個々の粒子を被覆すること
により粘性消散を低下する本発明の有利な特徴を示すこ
とにある。改良された全性能が予想でき、実際に得られ
ている。
【0040】図6は、本発明による順応性パッドの製造
に従って行われる工程の工程図である。図に示されてい
るように、またその工程図から明らかなように、粒状物
及び合金を、それら粒子の表面が完全に濡らされるまで
混合し、然る後、液体重合体の添加によりペースト配合
物を形成する。
【0041】図7は、従来の形態の熱を発生する半導体
デバイスに関連して本発明の順応性パッドを使用した場
合を例示するために与えられている。従って、図7に示
した組立体10は、12で例示した熱吸収体、熱分散
体、又は他の熱消散部材を有する、11で例示した熱発
生半導体デバイス又はパッケージを有する。半導体デバ
イス11と熱消散部材12との相対する表面の間に、本
発明に従って製造された機械的順応性パッド13が挿入
されている。
【0042】図8は、オクチル−トリエトキシシランの
添加により達成される向上した安定性を示すための比較
を与えている。図に示したように、オクチル−トリエト
キシシランが存在する場合と存在しない場合の配合物
(表I)との性能が比較されている。データは、85
℃、相対湿度85%の環境中に曝すことにより得られ
た。
【0043】一般的説明 前に示したように、BN又はアルミナ粒子は、約1μま
での直径及び約40μまでの断面厚さの大きさ範囲にす
ることができる。特に窒化硼素の板状子状形態は、液体
金属で濡らされた時、図3に例示した効果的な粒子との
極めて望ましい組合せを与えることが観察されるであろ
う。この特徴により粘度制御が補助される。
【0044】実施例中の成分として用いられたシリコー
ン油は、典型的な液体シリコーンであり、典型的にはV
EB100〔以前ハルス・アメリカ(Huls America)であ
ったシルベント社(Sivento Inc.)〕であり、これらの材
料は、勿論市販されている。約1000センチストーク
スまでの粘度を有するシリコーンを満足に用いることが
できる。シランの存在は粘度を僅かに変化させ、僅かに
低い粘度を有する油組成物を生ずる。
【0045】本発明の一つの異常な特徴は、抵抗率であ
る。半導体と熱吸収体の相対する表面の間のパッドとし
て配合物1を形成すると、抵抗率は極めて大きく、約1
12Ω・cmまでの値を有することが判明している(表
I、配合物1)。
【0046】上の実施例は例示の目的でのみ与えられて
おり、特許請求の範囲に対する限定として別に見做すべ
きものではないことは認められるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】液体金属で被覆した粒子(BN)間の改良され
た接点を示す概略的例示図である。粒子の表面の濡れ
が、隣接粒子間の表面抵抗を著しく減少することは明ら
かである。
【図2】一層大きな長さのスケールでクラスターを形成
することによる粒子で充填された重合体マトリックスの
変化を例示し、更に液体金属被覆粒子の体積分率が、球
状粒子として充填限界に近い時の複合体の望ましい状態
を例示する模式的スケッチであり、臨界充填分率に近い
熱浸透が得られるような高濃度の特徴を例示するスケッ
チである。
【図3】液体金属被覆を用い、特にBN粒子の板状子形
状の場合の縦横比の減少を例示する、図2と同様な例示
スケッチである。
【図4】粒子の被覆として軟質液体ガリウム合金を用
い、粘性消散を低下するようにした特徴を例示する図で
ある。
【図5】本発明の結果を達成するように個々の液体ガリ
ウム金属液滴の凝集及び分離を示す図である。
【図6】本発明の順応性パッドを製造するために行う工
程を例示する工程図である。
【図7】蝶番で止めた熱吸収体上に取付けた典型的な半
導体で、その熱吸収体と半導体デバイスの相対する表面
の間に介在させた本発明により製造された順応性パッド
を有する半導体デバイスの例示図である。
【図8】特定の湿潤環境に種々の時間露出した時の熱イ
ンピーダンスの性能を示すグラフである。
【符号の説明】
10 組立体 11 半導体デバイス 12 熱消散部材 13 順応性パッド

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機械的順応性の熱伝導性パッドの製造方
    法において、 (a)(1) 120℃より低い温度で液体状態である、ガ
    リウム及び/又はインジウムを含有する多量の合金と、 (2) 本質的に窒化硼素からなる熱伝導性粒状固体と、の
    混合物を調製する工程と、 (b) 前記混合物を機械的に混合して前記粒子の表面
    を前記液体合金で濡らし、均一なペーストを形成する工
    程であって、前記液体合金が前記窒化硼素の個々の粒子
    をカプセル状に包む該工程と、 (c) 前記ペーストを、シリコーン油とオクチル−ト
    リエトキシシランとの混合物から本質的になる多量の流
    動性プラスチック樹脂材料と一緒にし、金属被覆粒子
    約10体積%〜90体積%及び残余の流動性プラスチッ
    ク樹脂からなる熱伝導性物質を形成する工程と、を含
    む、上記製造方法。
  2. 【請求項2】 流動性プラスチック樹脂材料混合物が、
    シリコーン油 約70%〜約95%及び残余のオクチル
    −エトキシシランからなる、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 熱伝導性粒状固体を構成する粒子が、約
    1μ〜40μの直径を有する、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 液体金属合金が、60℃より低い温度で
    液体状態である、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の諸工程に従って製造さ
    れた熱伝導性順応性パッド。
  6. 【請求項6】 機械的順応性の熱伝導性パッドの製造方
    法において、 (a)(1) 120℃より低い温度で液体状態である、ガ
    リウム及びインジウムからなる群から選択された成分を
    含有する液体金属合金と、 (2) 窒化硼素、窒化アルミニウム及びアルミナからなる
    群から選択された熱伝導性粒状固体と、の混合物を調製
    する工程と、 (b) 前記混合物を機械的に混合して前記粒子の表面
    を前記液体合金で濡らし均一なペーストを形成する工程
    であって、前記液体合金が前記粒状物からなる個々の粒
    子をカプセル状に包む該工程と、 (c) 前記ペーストを、シリコーン油と疎水性表面処
    理剤、例えば、アルキル官能性シラン又はチタネートと
    の混合物から本質的になる多量の流動性プラスチック樹
    脂材料と一緒にし、金属被覆粒子 約10体積%〜90
    体積%及び残余の流動性プラスチック樹脂混合物からな
    る熱伝導性物質を形成する工程と、を含む、上記製造方
    法。
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