JP2002113317A - 照明器具に内蔵された空気清浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の空気清浄機では、一定の設置場所を必
要としたり、長時間使用による電力の浪費等の問題があ
る。また、現在提案されている天井取り付け型の照明器
具に付設させた空気清浄機では、「照明器具と一体化」
というメリットが充分に活かされていない。 【解決手段】 空気清浄機を天井取り付け型の照明器具
に内蔵させることにより、特定の設置場所を必要とせ
ず、美観上の問題もなくなる。また、室内の空気対流に
より天井付近に集まりやすい微細な塵や臭気微粒子等を
効率よく捕捉するとともに、蛍光灯の光エネルギーを用
いて太陽電池から得られた電力を使うことによって、コ
ストをかけずに空気清浄機を作動させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、天井取り付け型の
照明器具本体の中に組み込まれた空気清浄機に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来の空気清浄機では、一定の設置場所
を必要とし、スイッチの入切の煩雑さ、長時間使用によ
る電力の浪費等の問題点がある。

【０００３】また、現在提案されている天井取り付け型
の照明器具に付設させた空気清浄機では、下部中央に吸
気口があるため、対流により天井付近に集まりやすい微
細な塵や臭気微粒子の除去に充分な効果を発揮できな
い。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、対流により
天井付近に集まる微細なハウスダストや臭気微粒子等を
より効率的に、かつ経済的に除去することを目的とす
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、照明器具の上部周縁部から吸気し、照明器具の下部
中央から排気する。これは、エアコンやファンヒーター
等の使用による空気の拡散や対流により、汚れた空気が
確実に集まる天井付近から吸気するためであり、また、
部屋の中央部に清浄化された空気を送り込むと同時に、
室内のより効果的な対流を促すためである。

【０００６】吸気部に集塵フィルターだけでなく木炭粒
等を装填した濾過装置を備えることにより、通常の集塵
フィルターでは除去できない微細なハウスダストやペッ
トなどからの臭気微粒子等も除去できる。なお、本発明
は天井取り付け型の器具であるため、集塵フィルターの
掃除の煩雑さが指摘される。しかし、この問題は、図４
に示すような本発明専用の掃除用ノズルを通常の電気掃
除機に接続し使用することによって解決される。

【０００７】太陽電池を用いて照明器具の人工光から得
られる電気と家庭用電気の両方で作動する電動ファンを
備えることにより、空気清浄機を作動させるための通常
の電気料金が不要となる。すなわち、照明器具のスイッ
チを入れ、蛍光灯が点灯すると、空気清浄機が自動的に
作動し続け、ゆっくりではあるが確実に、かつ静かに部
屋の清浄化がなされる。なお、空気の汚れが著しく、清
浄化を急ぐ時や蛍光灯を点灯しない時には、家庭用電気
を使いファンを高速回転させる。

【０００８】

【実施例】本発明は、蛍光灯を使用する天井取り付け型
の照明器具の全てについて応用可能であるが、ここで
は、円形の天井密着型照明器具への実施例について説明
する。また、本発明は、既製の照明器具の基本構造をほ
とんど変更することなく改造できるという製造上の経済
的メリットを併せ持つ。

【０００９】本発明の天井密着型の照明器具に内蔵され
た空気清浄機の実施例を図１の断面図と、図２の照明装
置を除去した平面図で示す。本発明の空気清浄機は、照
明器具本体の裏側に設置された吸気部１と送気管６、お
よび、照明器具本体の中央に設置されたファン９と送気
筒１０、排気部１１より構成される。以上の吸気部から
排気部までの間は密閉される必要がある。合成樹脂等か
らなり、十字型に配置された吸気部１および送気管６
は、中央部でそれぞれが一体化し、送気筒１０へとネジ
込み式により接続される。

【００１０】吸気部１は厚さ１〜２ｃｍ程度の扇形と
し、図３のカートリッジ式の濾過装置が装填される。図
３の集塵フィルター２とペーパーフィルター４との間
に、空気の流れを妨げない程度に数ｍｍ〜１０ｍｍ前後
の木炭粒または竹炭片３を装填する。木炭粒は備長炭を
使用するのが最も好ましい。ペーパーフィルター４は木
炭粉末等が送気管６に入るのを防ぐ目的で設置するた
め、通気性の高いものを使用する。なお、木炭粒等は、
水洗いして使用すれば微粉末を生じない。濾過装置１の
内部には、数個の仕切板５を設け、濾過作用が均一に行
われるようにする。

【００１１】４本の送気管６が環状蛍光灯１３の２灯と
最も近接するそれぞれの位置に太陽電池７を設置する。
各太陽電池７は環状蛍光灯１３と対面させ、表面を透明
な合成樹脂でおおい、送気管６の気密性を保つ。太陽電
池７をこの位置に設置する目的は、蛍光灯の照明効果を
妨げないためと、送気管６を通る清浄な空気で太陽電池
７を冷却するためである。太陽電池７を冷却する目的
は、蛍光灯点灯による５０℃前後の高温で太陽電池の発
電効率が低下するのを防ぐためである。

【００１２】太陽電池７は、１．５Ｖ−４００ｍＡｈ程
度のものを４枚使用する。４枚のうち隣接する２枚ずつ
を直列につなぎ、その２組を並列つなぎとし、ソーラー
モーター８に接続する。なお、使用する太陽電池７の発
電能力および個数は本実施例にとらわれるものではな
く、希望する出力に応じて様々なパターンが可能であ
る。また、太陽電池７で発電した余剰電力をニッケル水
素バッテリー等に蓄電し、常夜灯用として使用すること
も可能である。

【００１３】吸気部１から吸入した空気を排気部１１へ
と送るためのファンを作動させるモーター８は、小電力
でも高速回転が得られるソーラーモーターを使用すると
良い。また、整流器と変圧器を使い、家庭用電気でもモ
ーター８を作動できるように配線する。これにより、清
浄化を急ぐ時や蛍光灯を点灯しない時の空気清浄機の高
速回転が可能となる。

【００１４】十字型に配置された送気管６の中央部でネ
ジ込みによって接続された送気筒１０は、照明効果を妨
げないようにするため、透明の合成樹脂を用いる。

【００１５】照明器具をおおう透光性カバー１４の中央
部にドーナツ状の排気部１１を設ける。排気部１１は透
光性カバー１４と一体をなすものであり、素材も同一の
ものを使用することが望ましい。排気部１１には、排気
が真下に向かわないようにするため、やや外側に向けた
環状のスリットを入れる。また、環状のスリットの上に
は、外からの塵や虫が入らないようにするためのネット
１２を設置する。

【００１６】

【発明の効果】以上のように、請求項１記載の発明によ
れば、年間を通じて汚れた空気を確実に捕捉できる天井
付近から吸気し、清浄化された空気を部屋の中央部に送
り出すことができる。特に、暖められた空気が天井付近
に集まる冬場においては、サーキュレーターの役目を併
せ持ち、暖房効果を高める。

【００１７】請求項２記載の発明によれば、木炭粒また
は竹炭片を併用することにより、通常の集塵フィルター
では除去できない微細な塵や臭気微粒子等までも捕捉で
きるとともに、健康にも良いとされるマイナスイオンを
含む清浄化された空気を提供することができる。備長炭
を使用すれば、この効果はいっそう高まる。

【００１８】請求項３記載の発明によれば、照明器具の
照明効果を損なうことなく、蛍光灯の光エネルギーを有
効に活用することができる。照明器具の人工光を用いて
太陽電池から得られる電気を使った空気清浄機は、オフ
ィスやホテル等、長時間にわたり照明を使用する場所に
おいては、いっそうの経済的効果を発揮する。なお、請
求項３記載の発明は、本発明への利用に限らず、照明器
具の装飾灯や常夜灯などへの応用も可能にするものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る照明器具に内蔵された空気清浄
機の一例を示す断面図である。

【図２】 本発明に係る空気清浄装置についてのみその
一例を示した平面図である。

【図３】 集塵フィルターと木炭粒または竹炭片を装填
したカートリッジ式の濾過装置の一例を示す平面図であ
る。

【図４】 集塵フィルターを掃除するための専用の掃除
機用ノズルについて示した図である。

【符号の説明】

１−−− 吸気部 ２−−− 集塵フィルター ３−−− 木炭粒または竹炭片 ６−−− 送気管 ７−−− 太陽電池 １０−−− 送気筒 １１−−− 排気部 ａ−−− ブラシ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】照明器具の上部周縁部に吸気口を持ち、照
   明器具の下部中央に排気口を持つ空気清浄機。
2. 【請求項２】吸気部に集塵フィルターと木炭粒または竹
   炭片を装填したカートリッジ式の濾過装置を備えた請求
   項１記載の空気清浄機。
3. 【請求項３】照明器具の人工光を用いて太陽電池から得
   られる電気の利用。