JP2002113041A - 皮膚常在菌をコントロールする吸収性物品 - Google Patents
皮膚常在菌をコントロールする吸収性物品Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 紙オムツ、生理用ナプキン等の吸収性物品を
装着するときに発生する臭気や皮膚のかぶれを防止でき
る吸収性物品を提供すること。 【解決手段】 人体に有用及び／又は無害で皮膚に常在
する微生物のみが資化できる化合物を含有することを特
徴とする吸収性物品。人体に有用及び／又は無害で皮膚
に常在する微生物のみが資化できる化合物がグルコオリ
ゴ糖である吸収性物品。
装着するときに発生する臭気や皮膚のかぶれを防止でき
る吸収性物品を提供すること。 【解決手段】 人体に有用及び／又は無害で皮膚に常在
する微生物のみが資化できる化合物を含有することを特
徴とする吸収性物品。人体に有用及び／又は無害で皮膚
に常在する微生物のみが資化できる化合物がグルコオリ
ゴ糖である吸収性物品。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、オムツ、生理用ナ
プキン等の吸収性物品を装着するときに、発生する臭気
や皮膚炎（かぶれ）を低減することができる吸収性物品
に関する。
プキン等の吸収性物品を装着するときに、発生する臭気
や皮膚炎（かぶれ）を低減することができる吸収性物品
に関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、紙オムツ、生理用ナプキン等の吸
収性物品は、吸収体及び／又は表面材の改良により、尿
や経血等の体液吸収キャパシティが増加している。それ
に伴い吸収性物品の装着感が大幅に改善され、吸収性物
品の装着者においては、連続装着の時間が長くなる傾向
にある。また、最近、特に女性の間で、ガードル、パン
ティストッキング等の強制下着の装着習慣が定着しつつ
あり、それに加えて清潔志向から生理日以外の日でもパ
ンティライナー等の吸収性シートを使用するようにな
り、性器付近は恒常的に高い湿度に曝されるようになっ
た。一方、紙オムツや生理用ナプキン等の吸収性物品を
装着し続けることにより、皮膚が摩擦圧迫の刺激を受
け、皮膚の抵抗性が低下しているという問題点も生じて
いる。
収性物品は、吸収体及び／又は表面材の改良により、尿
や経血等の体液吸収キャパシティが増加している。それ
に伴い吸収性物品の装着感が大幅に改善され、吸収性物
品の装着者においては、連続装着の時間が長くなる傾向
にある。また、最近、特に女性の間で、ガードル、パン
ティストッキング等の強制下着の装着習慣が定着しつつ
あり、それに加えて清潔志向から生理日以外の日でもパ
ンティライナー等の吸収性シートを使用するようにな
り、性器付近は恒常的に高い湿度に曝されるようになっ
た。一方、紙オムツや生理用ナプキン等の吸収性物品を
装着し続けることにより、皮膚が摩擦圧迫の刺激を受
け、皮膚の抵抗性が低下しているという問題点も生じて
いる。
【０００３】吸収性物品装着部位の皮膚及び吸収性物品
内部（以下、単に「吸収性物品部位」ということがあ
る）は、高温多湿で且つ体液という栄養源が存在するの
で、微生物が増殖するには好適な環境であるが、前記の
ような連続装着の背景により、吸収性物品部位は、微生
物が増殖するのにより好適な環境になっているといえ、
好ましくない微生物による臭気や皮膚炎等が発生しやす
い環境がより進んでいるということができる。
内部（以下、単に「吸収性物品部位」ということがあ
る）は、高温多湿で且つ体液という栄養源が存在するの
で、微生物が増殖するには好適な環境であるが、前記の
ような連続装着の背景により、吸収性物品部位は、微生
物が増殖するのにより好適な環境になっているといえ、
好ましくない微生物による臭気や皮膚炎等が発生しやす
い環境がより進んでいるということができる。
【０００４】より詳細に説明すれば、吸収性物品部位に
は、Corynebacterium xerosis（コリネハ゛クテリウム キセリシス）、
Staphylococcus capitis（スタフィロコッカス キャヒ゜ティス）等の
悪臭を発生する微生物が増殖して、吸収性物品の装着時
及び交換時に悪臭を発生し、不快感が増加する。
は、Corynebacterium xerosis（コリネハ゛クテリウム キセリシス）、
Staphylococcus capitis（スタフィロコッカス キャヒ゜ティス）等の
悪臭を発生する微生物が増殖して、吸収性物品の装着時
及び交換時に悪臭を発生し、不快感が増加する。
【０００５】また、吸収性物品部位におけるPropioniba
cterium acnes（ホ゜ロヒ゜オニハ゛クテリウム アクネス）、Gardenerell
a vaginalis（カ゛ーテ゛ネリラ ハ゛シ゛ナリス）、Corynebacteruim
minutissimum（コリニハ゛クテリウム ミニティシウム）、及びStaphyloc
occus aureus（スタフィロコッカス アウレウス）等の皮膚炎及びその
他の病気に罹る可能性のある病原性微生物の増殖、及び
Propionibacterium avidum（フ゜ロヒ゜オニハ゛クテリウム アウ゛ィシ゛ウ
ム）、Propionibacterium granulosum（ホ゜ロヒ゜オニハ゛クテリウム
フランロシ゛ウム）、Staphylococcus warneri（スタフィロコッカス ワ
ルネリ）及びCandida albicans（キャンテ゛タ゛ アルヒ゛カンス）等の
感染症に関わる微生物の増殖により、装着者自身が皮膚
炎や感染症に罹る危険性のみならず、介護者にも皮膚炎
や感染症を起こす場合がある。
cterium acnes（ホ゜ロヒ゜オニハ゛クテリウム アクネス）、Gardenerell
a vaginalis（カ゛ーテ゛ネリラ ハ゛シ゛ナリス）、Corynebacteruim
minutissimum（コリニハ゛クテリウム ミニティシウム）、及びStaphyloc
occus aureus（スタフィロコッカス アウレウス）等の皮膚炎及びその
他の病気に罹る可能性のある病原性微生物の増殖、及び
Propionibacterium avidum（フ゜ロヒ゜オニハ゛クテリウム アウ゛ィシ゛ウ
ム）、Propionibacterium granulosum（ホ゜ロヒ゜オニハ゛クテリウム
フランロシ゛ウム）、Staphylococcus warneri（スタフィロコッカス ワ
ルネリ）及びCandida albicans（キャンテ゛タ゛ アルヒ゛カンス）等の
感染症に関わる微生物の増殖により、装着者自身が皮膚
炎や感染症に罹る危険性のみならず、介護者にも皮膚炎
や感染症を起こす場合がある。
【０００６】また、このような微生物が繁殖する条件下
においては、微生物がアンモニア、アミン類等の塩基性
物質を代謝することによりｐＨが上昇し、皮膚が元来持
っている弱酸性（ｐＨ＝４．５〜６．５）にコントロー
ルする機能が低下する。また、ｐＨが上昇すると、角質
層最外部でバリア機能を発現し皮膚を保護している皮脂
及びタンパク質・アミノ酸の膜が流れ出し易い環境とな
る。さらに、ｐＨの上昇により、微生物が発育し易い条
件となり、これらが相乗的に働き、悪循環を繰返し、人
体に対しての環境は、悪化する一方となる。
においては、微生物がアンモニア、アミン類等の塩基性
物質を代謝することによりｐＨが上昇し、皮膚が元来持
っている弱酸性（ｐＨ＝４．５〜６．５）にコントロー
ルする機能が低下する。また、ｐＨが上昇すると、角質
層最外部でバリア機能を発現し皮膚を保護している皮脂
及びタンパク質・アミノ酸の膜が流れ出し易い環境とな
る。さらに、ｐＨの上昇により、微生物が発育し易い条
件となり、これらが相乗的に働き、悪循環を繰返し、人
体に対しての環境は、悪化する一方となる。
【０００７】従来、吸収性物品の装着部位における微生
物の増殖を防止するための技術として、特開平２−１２
６５号公報に、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリ
ジニウム等の第４級アンモニウム塩を抗菌剤として添加
する吸収性物品が開示されている。この吸収性物品は、
吸収性物品の装着時に皮膚上で増殖し、接触皮膚炎の原
因となる細菌類を死滅させるものではあるが、抗菌剤を
使用するために皮膚上の人体に有用な微生物までも死滅
させてしまい、その結果、皮膚上の菌叢に変化が起こ
り、かえって有害微生物の繁殖につながり接触皮膚炎の
原因になってしまうという問題が生じる。さらに、抗菌
剤として使用される第４級アンモニウム塩は、カチオン
界面活性剤であるから、２４時間連続装着するような吸
収性物品では、皮膚最外層の角質層上にある皮脂、天然
保湿成分を溶出させてしまうことにより、バリア層の破
壊が起こることが考えられ、かえって体液及び刺激性化
学物質の皮膚への透過性を亢進させてしまい、逆に接触
皮膚炎の原因となってしまう。
物の増殖を防止するための技術として、特開平２−１２
６５号公報に、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリ
ジニウム等の第４級アンモニウム塩を抗菌剤として添加
する吸収性物品が開示されている。この吸収性物品は、
吸収性物品の装着時に皮膚上で増殖し、接触皮膚炎の原
因となる細菌類を死滅させるものではあるが、抗菌剤を
使用するために皮膚上の人体に有用な微生物までも死滅
させてしまい、その結果、皮膚上の菌叢に変化が起こ
り、かえって有害微生物の繁殖につながり接触皮膚炎の
原因になってしまうという問題が生じる。さらに、抗菌
剤として使用される第４級アンモニウム塩は、カチオン
界面活性剤であるから、２４時間連続装着するような吸
収性物品では、皮膚最外層の角質層上にある皮脂、天然
保湿成分を溶出させてしまうことにより、バリア層の破
壊が起こることが考えられ、かえって体液及び刺激性化
学物質の皮膚への透過性を亢進させてしまい、逆に接触
皮膚炎の原因となってしまう。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な現状の問題点を解決することを課題とする。すなわ
ち、オムツ、生理用ナプキン等の吸収性物品による装着
者の皮膚上に、悪臭や、皮膚炎、及び感染症等の原因と
なる好ましくない微生物の増殖を防止し、ひいては吸収
性物品を装着するときに発生する臭気や皮膚炎（かぶ
れ）等のトラブルを低減することができる吸収性物品を
提供することを課題とする。
な現状の問題点を解決することを課題とする。すなわ
ち、オムツ、生理用ナプキン等の吸収性物品による装着
者の皮膚上に、悪臭や、皮膚炎、及び感染症等の原因と
なる好ましくない微生物の増殖を防止し、ひいては吸収
性物品を装着するときに発生する臭気や皮膚炎（かぶ
れ）等のトラブルを低減することができる吸収性物品を
提供することを課題とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために、鋭意研究した結果、人体に有用で
皮膚に常在する微生物及び／又は人体に無害で皮膚に常
在する微生物を増殖させることにより、他の好ましくな
い微生物の増殖を抑制でき、よって皮膚を清潔に保つこ
とができるという知見を吸収性物品に応用すれば、吸収
性物品における上記の問題点を解決できることに想到
し、本発明に至った。すなわち、吸収性物品の装着部位
あるいは吸収性物品内部に、人体に有用で皮膚に常在す
る微生物及び／又は人体に無害で皮膚に常在する微生物
を増殖させ、好ましくない微生物の増殖を抑制すれば、
吸収性物品による臭気や装着者の皮膚炎（かぶれ）等の
トラブルを低減することができるということを見出し
て、本発明に至ったものである。本発明では、さらに、
吸収性物品部位に人体に有用及び／又は無害で皮膚に常
在する微生物を増殖させ、好ましくない微生物の増殖を
抑制するためには、吸収性物品に人体に有用及び／又は
無害で皮膚に常在する微生物のみが資化できる物質を含
有させることが有効であることを見出し、本発明を完成
するに至った。
題を解決するために、鋭意研究した結果、人体に有用で
皮膚に常在する微生物及び／又は人体に無害で皮膚に常
在する微生物を増殖させることにより、他の好ましくな
い微生物の増殖を抑制でき、よって皮膚を清潔に保つこ
とができるという知見を吸収性物品に応用すれば、吸収
性物品における上記の問題点を解決できることに想到
し、本発明に至った。すなわち、吸収性物品の装着部位
あるいは吸収性物品内部に、人体に有用で皮膚に常在す
る微生物及び／又は人体に無害で皮膚に常在する微生物
を増殖させ、好ましくない微生物の増殖を抑制すれば、
吸収性物品による臭気や装着者の皮膚炎（かぶれ）等の
トラブルを低減することができるということを見出し
て、本発明に至ったものである。本発明では、さらに、
吸収性物品部位に人体に有用及び／又は無害で皮膚に常
在する微生物を増殖させ、好ましくない微生物の増殖を
抑制するためには、吸収性物品に人体に有用及び／又は
無害で皮膚に常在する微生物のみが資化できる物質を含
有させることが有効であることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【００１０】すなわち本発明は、（１）人体に有用及び
／又は無害で皮膚に常在する微生物のみが資化できる物
質を含有させることを特徴とする吸収性物品、（２）人
体に有用及び／又は無害で皮膚に常在する微生物が、乳
酸球菌、乳酸桿菌、及び単球菌のいずれか一種以上であ
る上記（１）の吸収性物品、（３）人体に有用及び／又
は無害で皮膚に常在する微生物のみが資化できる物質
が、α１−２構造の糖骨格を有することを特徴とする上
記（１）又は（２）の吸収性物品、及び（４）人体に有
用及び／又は無害で皮膚に常在する微生物のみが資化で
きる物質が、グルコオリゴ糖である上記（１）〜（３）
の吸収性物品、に関するものである。
／又は無害で皮膚に常在する微生物のみが資化できる物
質を含有させることを特徴とする吸収性物品、（２）人
体に有用及び／又は無害で皮膚に常在する微生物が、乳
酸球菌、乳酸桿菌、及び単球菌のいずれか一種以上であ
る上記（１）の吸収性物品、（３）人体に有用及び／又
は無害で皮膚に常在する微生物のみが資化できる物質
が、α１−２構造の糖骨格を有することを特徴とする上
記（１）又は（２）の吸収性物品、及び（４）人体に有
用及び／又は無害で皮膚に常在する微生物のみが資化で
きる物質が、グルコオリゴ糖である上記（１）〜（３）
の吸収性物品、に関するものである。
【００１１】本発明において、人体に有用で皮膚に常在
する微生物及び／又は人体に無害で皮膚に常在する微生
物を増殖させれば、好ましくない微生物の増殖を抑制で
きるのは、微生物の増殖は、栄養源、水分、酸素、ｐＨ
等により左右されるが、一定の環境下では一定量の微生
物しか繁殖できないために、一定の環境下では微生物が
拮抗状態で繁殖し、有用及び／又は無害な微生物が繁殖
し易い環境下では、好ましくない微生物が拮抗して繁殖
し難くなるためであると説明できる。これらの乳酸球
菌、乳酸桿菌あるいは単球菌の増殖は、好ましくない微
生物の増殖を抑制することができると同時に、代謝によ
り乳酸を排出するので、皮膚上及び吸収性物品表面及び
内部が弱酸性に保たれ、ｐＨが下がることにより、自浄
機能も奏することができる。さらには、これらの微生物
は、代謝により、乳酸や尿素を排出するので、皮膚の保
湿性を向上させるという機能も有している。
する微生物及び／又は人体に無害で皮膚に常在する微生
物を増殖させれば、好ましくない微生物の増殖を抑制で
きるのは、微生物の増殖は、栄養源、水分、酸素、ｐＨ
等により左右されるが、一定の環境下では一定量の微生
物しか繁殖できないために、一定の環境下では微生物が
拮抗状態で繁殖し、有用及び／又は無害な微生物が繁殖
し易い環境下では、好ましくない微生物が拮抗して繁殖
し難くなるためであると説明できる。これらの乳酸球
菌、乳酸桿菌あるいは単球菌の増殖は、好ましくない微
生物の増殖を抑制することができると同時に、代謝によ
り乳酸を排出するので、皮膚上及び吸収性物品表面及び
内部が弱酸性に保たれ、ｐＨが下がることにより、自浄
機能も奏することができる。さらには、これらの微生物
は、代謝により、乳酸や尿素を排出するので、皮膚の保
湿性を向上させるという機能も有している。
【００１２】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明する
が、本発明は、これに限定されるものではない。本発明
における吸収性物品には、乳児用及び大人用紙オムツ、
生理用ナプキン、おりものライナー、失禁用パンツ、ト
レーニングパンツ、オムツホルダー、タンポン等の膣挿
入吸収性物品等が挙げられる。これらの紙オムツ、生理
用ナプキン及びおりものライナーは、吸収性物品の最上
面に存在する液透過性のトップシート、トップシートの
下に存在し、トップシートを透過した体液を吸収保持す
る吸収体、及び吸収体の外側に存在する吸収した体液を
漏らさないバックシートからなる基本構造を有してい
る。
が、本発明は、これに限定されるものではない。本発明
における吸収性物品には、乳児用及び大人用紙オムツ、
生理用ナプキン、おりものライナー、失禁用パンツ、ト
レーニングパンツ、オムツホルダー、タンポン等の膣挿
入吸収性物品等が挙げられる。これらの紙オムツ、生理
用ナプキン及びおりものライナーは、吸収性物品の最上
面に存在する液透過性のトップシート、トップシートの
下に存在し、トップシートを透過した体液を吸収保持す
る吸収体、及び吸収体の外側に存在する吸収した体液を
漏らさないバックシートからなる基本構造を有してい
る。
【００１３】本発明は、このような吸収性物品に、人体
に有用及び／又は無害で皮膚に常在する微生物のみが資
化できる物質を含有させて、人体に有用及び／又は無害
で皮膚に常在する微生物を選択的に増殖させ、人体に好
ましくない微生物の増殖を抑制することを特徴としてい
る。言い換えれば、本発明は、微生物の一定以上には増
殖しないという特性を利用して、人体に有用及び／又は
無害な微生物を選択的に増殖させれば、逆に人体に好ま
しくない微生物の増殖は抑制できるという特性を利用す
るものである。なお、以下において、人体に有用及び／
又は無害で皮膚に常在する微生物のみが資化できる化合
物のことを「常在菌コントロール剤」ということがあ
る。
に有用及び／又は無害で皮膚に常在する微生物のみが資
化できる物質を含有させて、人体に有用及び／又は無害
で皮膚に常在する微生物を選択的に増殖させ、人体に好
ましくない微生物の増殖を抑制することを特徴としてい
る。言い換えれば、本発明は、微生物の一定以上には増
殖しないという特性を利用して、人体に有用及び／又は
無害な微生物を選択的に増殖させれば、逆に人体に好ま
しくない微生物の増殖は抑制できるという特性を利用す
るものである。なお、以下において、人体に有用及び／
又は無害で皮膚に常在する微生物のみが資化できる化合
物のことを「常在菌コントロール剤」ということがあ
る。
【００１４】人体に有用及び／又は無害で皮膚に常在す
る微生物としては、乳酸球菌、乳酸桿菌等の乳酸菌類、
及び単球菌類が挙げられる。特に、有用な乳酸菌類とし
てはLactobacillus pentosus（ラクトハ゛チルス ヘ゜ントサス）、有
用な単球菌類としてはMicrococcus Kristinae（ミクロコッカス
クリスチナエ）が好ましい。
る微生物としては、乳酸球菌、乳酸桿菌等の乳酸菌類、
及び単球菌類が挙げられる。特に、有用な乳酸菌類とし
てはLactobacillus pentosus（ラクトハ゛チルス ヘ゜ントサス）、有
用な単球菌類としてはMicrococcus Kristinae（ミクロコッカス
クリスチナエ）が好ましい。
【００１５】これらの人体に有用及び／又は無害で皮膚
に常在する微生物のみが資化できる物質としては、グル
コオリゴ糖のようなα１−２糖骨格を有する化合物が用
いられる。α１−２糖骨格は、乳酸菌が特異的に持って
いる酵素の基質となりうる。α１−２糖骨格を有する他
の化合物としては、コージビオースが挙げられる。
に常在する微生物のみが資化できる物質としては、グル
コオリゴ糖のようなα１−２糖骨格を有する化合物が用
いられる。α１−２糖骨格は、乳酸菌が特異的に持って
いる酵素の基質となりうる。α１−２糖骨格を有する他
の化合物としては、コージビオースが挙げられる。
【００１６】本発明で人体に有用及び／又は無害で皮膚
に常在する微生物のみが資化できる物質（常在菌コント
ロール剤）として用いるグルコオリゴ糖は、グルコオリ
ゴ糖を含有する物質であれば良く、好ましくはグルコオ
リゴ糖を７０重量％以上含有する物質である。例えば、
天然の糖であるシュクロース及びマルトースから固定化
酵素法によって得られた市販のグルコオリゴ糖BIOECOLI
A（日光ケミカルズ（株）の登録商標）を用いるのが簡
便である。BIOECOLIA（登録商標）は、グルコオリゴ糖
を８７％以上含有している。
に常在する微生物のみが資化できる物質（常在菌コント
ロール剤）として用いるグルコオリゴ糖は、グルコオリ
ゴ糖を含有する物質であれば良く、好ましくはグルコオ
リゴ糖を７０重量％以上含有する物質である。例えば、
天然の糖であるシュクロース及びマルトースから固定化
酵素法によって得られた市販のグルコオリゴ糖BIOECOLI
A（日光ケミカルズ（株）の登録商標）を用いるのが簡
便である。BIOECOLIA（登録商標）は、グルコオリゴ糖
を８７％以上含有している。
【００１７】人体に有用及び／又は無害で皮膚に常在す
る微生物は、弱酸性側で増殖し易いために、本発明で
は、吸収性物品に有機酸を併用すると、人体に有用及び
／又は無害な皮膚常在菌の増殖を助長することができる
ので、さらに好ましい。併用できる有機酸としては、ク
エン酸、グリコール酸、酒石酸、乳酸が挙げられる。
る微生物は、弱酸性側で増殖し易いために、本発明で
は、吸収性物品に有機酸を併用すると、人体に有用及び
／又は無害な皮膚常在菌の増殖を助長することができる
ので、さらに好ましい。併用できる有機酸としては、ク
エン酸、グリコール酸、酒石酸、乳酸が挙げられる。
【００１８】本発明において、グルコオリゴ糖のような
常在菌コントロール剤は、吸収性物品のトップシート、
吸収体及びバックシートのいずれか一個所以上に存在さ
せればよいが、トップシートに塗工するかあるいは吸収
体と複合化させるのが好ましい。常在菌コントロール剤
がトップシートの皮膚に接触する側に塗工されるときに
は、皮膚表面の微生物をコントロールすることができ、
吸収体と複合化させるときには、吸収体内に吸収された
体液に対して微生物をコントロールすることができる。
常在菌コントロール剤は、吸収性物品のトップシート、
吸収体及びバックシートのいずれか一個所以上に存在さ
せればよいが、トップシートに塗工するかあるいは吸収
体と複合化させるのが好ましい。常在菌コントロール剤
がトップシートの皮膚に接触する側に塗工されるときに
は、皮膚表面の微生物をコントロールすることができ、
吸収体と複合化させるときには、吸収体内に吸収された
体液に対して微生物をコントロールすることができる。
【００１９】常在菌コントロール剤を、トップシートに
塗工するときは、トップシートに対して０．１〜２０重
量％、吸収体あるいはバックシートに複合化させるとき
には、吸収性物品重量に対して０．００１〜１０重量
％、好ましくは０．１〜５重量％使用する。
塗工するときは、トップシートに対して０．１〜２０重
量％、吸収体あるいはバックシートに複合化させるとき
には、吸収性物品重量に対して０．００１〜１０重量
％、好ましくは０．１〜５重量％使用する。
【００２０】常在菌コントロール剤を複合化させる方法
は、コーティング、含浸、ディップ等の公知の方法がい
ずれも採用できる。常在菌コントロール剤は、水、プロ
ピレングリコール、１，３−ブチレングリコール、グリ
セリン等の水溶性溶剤に溶解または分散させて、吸収性
物品に塗工あるいは複合化させ、乾燥させる。
は、コーティング、含浸、ディップ等の公知の方法がい
ずれも採用できる。常在菌コントロール剤は、水、プロ
ピレングリコール、１，３−ブチレングリコール、グリ
セリン等の水溶性溶剤に溶解または分散させて、吸収性
物品に塗工あるいは複合化させ、乾燥させる。
【００２１】常在菌コントロール剤の吸収性物品への固
着を向上させるためには、ポリビニルアルコール、カル
ボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリ
コール、ポリアクリル酸等の水溶性高分子の水溶液をバ
インダーとして使用することができる。非水溶性のバイ
ンダーでは、常在菌コントロール剤が皮膚へ移行するの
が妨げられるために、本発明の機能が発現されない。
着を向上させるためには、ポリビニルアルコール、カル
ボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリ
コール、ポリアクリル酸等の水溶性高分子の水溶液をバ
インダーとして使用することができる。非水溶性のバイ
ンダーでは、常在菌コントロール剤が皮膚へ移行するの
が妨げられるために、本発明の機能が発現されない。
【００２２】本発明の常在菌コントロール剤を塗工する
トップシートは、限定されないが、通常は液透過性を有
するシート状物で、不織布、液透過性の開孔フィルム等
である。吸収性物品に使用される不織布は、１〜５ｄの
繊維からなる１０〜５０g/m2の不織布である。不織布を
構成する繊維は、ポリオレフィン、ポリエステル等の合
成繊維、レーヨン等の半合成繊維、コットン、パルプ、
シルク等の天然繊維のいずれでも良い。使用できる開孔
フィルムは、熱可塑性高分子からなるフィルムを押し出
した後、熱針、エンボス、熱風等で開口した透液性の開
孔フィルムである。開孔フィルムを構成する熱可塑性樹
脂としては、ポリエチレン（密度０．８６〜１．１g/cm
3）やポリプロピレン（密度０．８９〜１．２g/cm3）等
を単独または多層、混合したものが使用できる。
トップシートは、限定されないが、通常は液透過性を有
するシート状物で、不織布、液透過性の開孔フィルム等
である。吸収性物品に使用される不織布は、１〜５ｄの
繊維からなる１０〜５０g/m2の不織布である。不織布を
構成する繊維は、ポリオレフィン、ポリエステル等の合
成繊維、レーヨン等の半合成繊維、コットン、パルプ、
シルク等の天然繊維のいずれでも良い。使用できる開孔
フィルムは、熱可塑性高分子からなるフィルムを押し出
した後、熱針、エンボス、熱風等で開口した透液性の開
孔フィルムである。開孔フィルムを構成する熱可塑性樹
脂としては、ポリエチレン（密度０．８６〜１．１g/cm
3）やポリプロピレン（密度０．８９〜１．２g/cm3）等
を単独または多層、混合したものが使用できる。
【００２３】液透過性を有するシート状物には、体液の
透過性が必要であり、JISＬ1092（繊維製品の防水性試
験法、耐水度試験Ａ法（低水圧法））による耐水圧は少
なくとも、０〜３００mmH2Oが必要である。また、表面
材から吸収体への水蒸気の流通、すなわち通気性が必要
であり、JISＬ1906（一般長繊維不織布試験方法、通気
性フラジール型法）による通気度が、少なくとも、５〜
７００cm3/cm2/秒必要である。
透過性が必要であり、JISＬ1092（繊維製品の防水性試
験法、耐水度試験Ａ法（低水圧法））による耐水圧は少
なくとも、０〜３００mmH2Oが必要である。また、表面
材から吸収体への水蒸気の流通、すなわち通気性が必要
であり、JISＬ1906（一般長繊維不織布試験方法、通気
性フラジール型法）による通気度が、少なくとも、５〜
７００cm3/cm2/秒必要である。
【００２４】以上の構成により、本発明では、人体に有
用及び／又は無害で皮膚に常在する微生物のみが資化で
きる物質を吸収性物品に含有させるので、人体に有用及
び／又は無害で皮膚に常在する微生物のみが選択的に増
殖して、人体に好ましくない微生物は増殖が制御され
る。その結果、本発明では、吸収性物品装着部位あるい
は吸収性物品の好ましくない微生物による臭気を防止で
き、装着者あるいは介護者の皮膚炎あるいは微生物によ
る感染症を防止することができる。
用及び／又は無害で皮膚に常在する微生物のみが資化で
きる物質を吸収性物品に含有させるので、人体に有用及
び／又は無害で皮膚に常在する微生物のみが選択的に増
殖して、人体に好ましくない微生物は増殖が制御され
る。その結果、本発明では、吸収性物品装着部位あるい
は吸収性物品の好ましくない微生物による臭気を防止で
き、装着者あるいは介護者の皮膚炎あるいは微生物によ
る感染症を防止することができる。
【００２５】さらに、これらの人体に有用及び／又は無
害で皮膚に常在する微生物を選択的に増殖させることに
より、これらの微生物は代謝により乳酸を排出するので
皮膚上及び吸収性物品表面・内部が弱酸性に保たれ、好
ましくない微生物の増殖を引き起こす環境が抑制され
る。さらにまた、これらの微生物は、代謝により乳酸や
尿素を排出するので、皮膚の保湿性を向上させる効果も
発揮させることができる。
害で皮膚に常在する微生物を選択的に増殖させることに
より、これらの微生物は代謝により乳酸を排出するので
皮膚上及び吸収性物品表面・内部が弱酸性に保たれ、好
ましくない微生物の増殖を引き起こす環境が抑制され
る。さらにまた、これらの微生物は、代謝により乳酸や
尿素を排出するので、皮膚の保湿性を向上させる効果も
発揮させることができる。
【００２６】以上には、紙オムツ、生理用ナプキン、お
りものライナー等の吸収性物品について詳細に説明した
が、本発明は、失禁用パンツ、タンポン等のその他の吸
収性物品へ適用することもできる。
りものライナー等の吸収性物品について詳細に説明した
が、本発明は、失禁用パンツ、タンポン等のその他の吸
収性物品へ適用することもできる。
【００２７】以下には、人体に有用及び／又は無害で皮
膚に常在する微生物のみが資化できる物質によって、人
体に有用及び／又は無害で皮膚に常在する微生物を選択
的に増殖させ、人体に好ましくない微生物の増殖を抑制
できるというコントロール作用について試験例を用いて
説明する（日光ケミカルズ（株）のカタログ「BIOECOLI
A」(1997年2月)参照）。
膚に常在する微生物のみが資化できる物質によって、人
体に有用及び／又は無害で皮膚に常在する微生物を選択
的に増殖させ、人体に好ましくない微生物の増殖を抑制
できるというコントロール作用について試験例を用いて
説明する（日光ケミカルズ（株）のカタログ「BIOECOLI
A」(1997年2月)参照）。
【試験例１】試験例１は、各種微生物に対するグルコオ
リゴ糖の資化性を示すものである。皮膚又は膣粘膜にみ
られる種々の菌をグルコオリゴ糖の存在下で４８時間培
養した後の消化率を測定した。グルコオリゴ糖として
は、BIOECOLIA（登録商標）を用いた。BIOECOLIA（登録
商標）は、グルコオリゴ糖≧８７％、グルコース≦４
％、フルクトース≦４％の組成を有している。対照とし
て、グルコースの存在下で同様に培養した後の消化率を
測定した。
リゴ糖の資化性を示すものである。皮膚又は膣粘膜にみ
られる種々の菌をグルコオリゴ糖の存在下で４８時間培
養した後の消化率を測定した。グルコオリゴ糖として
は、BIOECOLIA（登録商標）を用いた。BIOECOLIA（登録
商標）は、グルコオリゴ糖≧８７％、グルコース≦４
％、フルクトース≦４％の組成を有している。対照とし
て、グルコースの存在下で同様に培養した後の消化率を
測定した。
【００２８】試験例１における消化率は、次のように評
価した。
価した。
【００２９】結果を表１〜表３に示す。表１は皮膚常在
菌、表２は病原菌、表３は感染症に関連する菌による消
化性を示している。
菌、表２は病原菌、表３は感染症に関連する菌による消
化性を示している。
【表１】
【表２】
【表３】
【００３０】表１の結果からみて、人体に有用な皮膚常
在菌の大部分は、グルコオリゴ糖を消化することが分か
った。一方、表２及び表３の結果からみて、病原菌ある
いは感染症と関連する菌のうちグルコオリゴ糖を消化す
るものは殆どないことが分かった。以上の結果から、グ
ルコオリゴ糖は有用な皮膚常在菌によって選択的に消化
される一方、病原菌等の好ましくない菌によっては、消
化されにくいことが明らかになった。
在菌の大部分は、グルコオリゴ糖を消化することが分か
った。一方、表２及び表３の結果からみて、病原菌ある
いは感染症と関連する菌のうちグルコオリゴ糖を消化す
るものは殆どないことが分かった。以上の結果から、グ
ルコオリゴ糖は有用な皮膚常在菌によって選択的に消化
される一方、病原菌等の好ましくない菌によっては、消
化されにくいことが明らかになった。
【００３１】
【試験例２】試験例１により、グルコオリゴ糖が有用な
皮膚常在菌によって選択的に消化されることが明らかに
なったので、以下の試験例２により、皮膚に近い試験系
として、２種類の菌を一緒に培養した際のグルコオリゴ
糖の作用について示す。菌としては、有用な常在菌であ
るMicrococcus Kristinae（ミクロコッカス クリスチナエ）と、病原
菌であるStaphylococcus aureus（スタフィロコッカス アウレウス）
あるいはCorynebacterium xerosis（コリネハ゛クテリウム キセリシ
ス）を使用した。各菌を０．５ｇのBIOECOLIA（登録商
標）を含む培地に播種し、２４時間培養した後にそれぞ
れの菌数を測定することによってグルコオリゴ等の作用
を評価した。
皮膚常在菌によって選択的に消化されることが明らかに
なったので、以下の試験例２により、皮膚に近い試験系
として、２種類の菌を一緒に培養した際のグルコオリゴ
糖の作用について示す。菌としては、有用な常在菌であ
るMicrococcus Kristinae（ミクロコッカス クリスチナエ）と、病原
菌であるStaphylococcus aureus（スタフィロコッカス アウレウス）
あるいはCorynebacterium xerosis（コリネハ゛クテリウム キセリシ
ス）を使用した。各菌を０．５ｇのBIOECOLIA（登録商
標）を含む培地に播種し、２４時間培養した後にそれぞ
れの菌数を測定することによってグルコオリゴ等の作用
を評価した。
【００３２】（１）有用な常在菌であるMicrococcus Kr
istinae（ミクロコッカス クリスチナエ）と、病原菌であるStaphylo
coccus aureus（スタフィロコッカス アウレウス）との混合菌系にお
ける結果を表４に示す。
istinae（ミクロコッカス クリスチナエ）と、病原菌であるStaphylo
coccus aureus（スタフィロコッカス アウレウス）との混合菌系にお
ける結果を表４に示す。
【表４】 表４に示すように、開始時に比較して、有用な菌数は１
０倍以上増加しているのに対して、病原菌数は１／１０
０程度まで減少していることが分かった。この結果か
ら、菌の混合系においても、グルコオリゴ糖によって、
有用なMicrococcus Kristinae（ミクロコッカス クリスチナエ）は優
先的に増殖し、病原菌であるStaphylococcus aureus（ス
タフィロコッカス アウレウス）の増殖は阻害されることが明らかに
なった。
０倍以上増加しているのに対して、病原菌数は１／１０
０程度まで減少していることが分かった。この結果か
ら、菌の混合系においても、グルコオリゴ糖によって、
有用なMicrococcus Kristinae（ミクロコッカス クリスチナエ）は優
先的に増殖し、病原菌であるStaphylococcus aureus（ス
タフィロコッカス アウレウス）の増殖は阻害されることが明らかに
なった。
【００３３】（２）有用な皮膚常在菌であるMicrococcu
s Kristinae（ミクロコッカス クリスチナエ）と、悪臭の原因となる
菌であるCorynebacterium xerosis（コリネハ゛クテリウム キセリシ
ス）との混合菌系の結果を表５に示す。播種量は、各１
０6細胞／ｍｌであった。
s Kristinae（ミクロコッカス クリスチナエ）と、悪臭の原因となる
菌であるCorynebacterium xerosis（コリネハ゛クテリウム キセリシ
ス）との混合菌系の結果を表５に示す。播種量は、各１
０6細胞／ｍｌであった。
【表５】 表５の結果から、グルコオリゴ糖によって、有用なMicr
ococcus Kristinae（ミクロコッカス クリスチナエ）が優先的に増殖
し、悪臭の原因となるCorynebacterium xerosis（コリネハ゛
クテリウム キセリシス）の増殖は阻害されることが分かった。
ococcus Kristinae（ミクロコッカス クリスチナエ）が優先的に増殖
し、悪臭の原因となるCorynebacterium xerosis（コリネハ゛
クテリウム キセリシス）の増殖は阻害されることが分かった。
【００３４】（３）播種量を各１０5細胞／ｍｌに代え
た以外は（２）と同様の試験を行った。結果を表６に示
す。
た以外は（２）と同様の試験を行った。結果を表６に示
す。
【表６】 表６の結果から、菌を低濃度で播種した場合にも、グル
コオリゴ糖によって、有用なMicrococcus Kristinae（ミ
クロコッカス クリスチナエ）が優先的に増殖し、悪臭の原因となる
Corynebacterium xerosis（コリネハ゛クテリウム キセリシス）の増殖
は阻害されることが分かった。
コオリゴ糖によって、有用なMicrococcus Kristinae（ミ
クロコッカス クリスチナエ）が優先的に増殖し、悪臭の原因となる
Corynebacterium xerosis（コリネハ゛クテリウム キセリシス）の増殖
は阻害されることが分かった。
【００３５】次には、上記の試験例１及び２の知見を吸
収性物品に応用した本発明の実施例を記載するが、本発
明は、これらに限定されるものではない。
収性物品に応用した本発明の実施例を記載するが、本発
明は、これらに限定されるものではない。
【実施例１】常在菌コントロール剤を含有させた吸収性
物品による菌の増殖を試験した。 ［試料の作成方法］試料には、液透過性のトップシート
と、パルプと高吸収性樹脂からなる体液を吸収・保持す
る吸収体と、ポリエチレンフィルムのバックシートから
なるパッド状の吸収性物品を用いた。該吸収性物品は、
トップシートとして、ポリオレフィン繊維を熱融着した
２５ｇ／ｍ2の不織布を用い、トップシート材を連続供
給して、吸収体及びバックシートと共に組み立てて製造
した。実施例の吸収性物品には、予めBIOECOLIA（登録
商標）の５％水溶液を２０ｇ／ｍ2塗工して乾燥させた
トップシートを用い、比較例の吸収性物品のトップシー
トには常在菌コントロール剤は塗工しなかった。
物品による菌の増殖を試験した。 ［試料の作成方法］試料には、液透過性のトップシート
と、パルプと高吸収性樹脂からなる体液を吸収・保持す
る吸収体と、ポリエチレンフィルムのバックシートから
なるパッド状の吸収性物品を用いた。該吸収性物品は、
トップシートとして、ポリオレフィン繊維を熱融着した
２５ｇ／ｍ2の不織布を用い、トップシート材を連続供
給して、吸収体及びバックシートと共に組み立てて製造
した。実施例の吸収性物品には、予めBIOECOLIA（登録
商標）の５％水溶液を２０ｇ／ｍ2塗工して乾燥させた
トップシートを用い、比較例の吸収性物品のトップシー
トには常在菌コントロール剤は塗工しなかった。
【００３６】［細菌の増殖性の確認］下記ｉ〜ｖの菌を
１×１０5細胞／ｍｌとなるように調整した菌液を、実
施例と比較例との各吸収性物品のトップシート上より１
ｍｌ接種した。各試料を３５℃、湿度９５Ｒｈ％の環境
下に２４時間放置した。２４時間放置後、各試料を滅菌
蒸留水で抽出し、寒天培地上で培養することにより、生
菌数を確認した。結果を表７に示す。 ｉ： Lactobacillus pentosus（ラクトハ゛チルス ヘ゜ントサス） ii： Micrococcus Kristinae（ミクロコッカス クリスチナ） iii： Staphylococcus aureus（スタフィロコッカス アウレウス） iv： Corynebacterium xerosis（コリネハ゛クテリウム キセリシス） ｖ： Propionibacterium avidum（フ゜ロヒ゜オニハ゛クテリウム アウ
゛ィシ゛ウム）
１×１０5細胞／ｍｌとなるように調整した菌液を、実
施例と比較例との各吸収性物品のトップシート上より１
ｍｌ接種した。各試料を３５℃、湿度９５Ｒｈ％の環境
下に２４時間放置した。２４時間放置後、各試料を滅菌
蒸留水で抽出し、寒天培地上で培養することにより、生
菌数を確認した。結果を表７に示す。 ｉ： Lactobacillus pentosus（ラクトハ゛チルス ヘ゜ントサス） ii： Micrococcus Kristinae（ミクロコッカス クリスチナ） iii： Staphylococcus aureus（スタフィロコッカス アウレウス） iv： Corynebacterium xerosis（コリネハ゛クテリウム キセリシス） ｖ： Propionibacterium avidum（フ゜ロヒ゜オニハ゛クテリウム アウ
゛ィシ゛ウム）
【００３７】
【表７】 表７の結果から、グルコオリゴ糖を吸収性物品に含有さ
せることによって、吸収性物品において有益な菌の増殖
が確認され、有害な菌の減少が確認された。
せることによって、吸収性物品において有益な菌の増殖
が確認され、有害な菌の減少が確認された。
【００３８】
【実施例２】実施例１の吸収性物品を健常成人に１週間
装着させ、装着開始から１週間後に装着部位のカユミの
有無、および皮膚の状態を確認した。オムツは、毎日５
枚交換した。吸収性物品を装着した健常成人は、食事、
入浴、外出等の通常の生活をした。
装着させ、装着開始から１週間後に装着部位のカユミの
有無、および皮膚の状態を確認した。オムツは、毎日５
枚交換した。吸収性物品を装着した健常成人は、食事、
入浴、外出等の通常の生活をした。
【００３９】結果を表８に示す。
【表８】 表８から、グルコオリゴ糖を含有させた実施例の吸収性
物品を装着するときには、１週間連続装着してもカユ
ミ、皮膚の状態に変化が見られないのに対して、グルコ
オリゴ糖を含有させない比較例の吸収性物品を装着する
ときには、皮膚にカユミ、微かな紅斑が見られることが
分かった。
物品を装着するときには、１週間連続装着してもカユ
ミ、皮膚の状態に変化が見られないのに対して、グルコ
オリゴ糖を含有させない比較例の吸収性物品を装着する
ときには、皮膚にカユミ、微かな紅斑が見られることが
分かった。
【００４０】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の人体に有用及び
／又は無害で皮膚に常在する微生物のみが資化できる化
合物を含有させた吸収性物品により、人体に有用及び／
又は無害な皮膚に常在する微生物を選択的に増殖するこ
とができ、好ましくない微生物の増殖を抑制できる。そ
の結果、本発明の吸収性物品は、微生物による悪臭の発
生を防止でき、皮膚のかぶれ等も見られないという有用
な効果を奏することができた。
／又は無害で皮膚に常在する微生物のみが資化できる化
合物を含有させた吸収性物品により、人体に有用及び／
又は無害な皮膚に常在する微生物を選択的に増殖するこ
とができ、好ましくない微生物の増殖を抑制できる。そ
の結果、本発明の吸収性物品は、微生物による悪臭の発
生を防止でき、皮膚のかぶれ等も見られないという有用
な効果を奏することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） // Ｃ１２Ｎ 1/20 (72)発明者 遠藤 知子 香川県三豊郡豊浜町和田浜高須賀1531−７ ユニ・チャーム株式会社テクニカルセン ター内 Ｆターム(参考） 3B029 BD22 4B065 AA01X AA34X AC20 BB17 BD37 CA44 CA60 4C003 AA11 BA06 CA04 HA00 4C098 AA09 CC02 DD05 DD14
Claims (4)
- 【請求項１】 人体に有用及び／又は無害で皮膚に常在
する微生物のみが資化できる物質を含有させることを特
徴とする吸収性物品。 - 【請求項２】 人体に有用及び／又は無害で皮膚に常在
する微生物が、乳酸球菌、乳酸桿菌、及び単球菌のいず
れか一種以上である請求項１に記載の吸収性物品。 - 【請求項３】 人体に有用及び／又は無害で皮膚に常在
する微生物のみが資化できる物質が、α１−２構造の糖
骨格を有することを特徴とする請求項１又は２に記載の
吸収性物品。 - 【請求項４】 人体に有用及び／又は無害で皮膚に常在
する微生物のみが資化できる物質が、グルコオリゴ糖で
ある請求項１乃至３のいずれかに記載の吸収性物品。
Priority Applications (8)
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|---|---|---|---|
| JP2000310849A JP2002113041A (ja) | 2000-10-11 | 2000-10-11 | 皮膚常在菌をコントロールする吸収性物品 |
| CA002357586A CA2357586A1 (en) | 2000-10-11 | 2001-09-21 | Absorbent article for controlling normal flora of the skin |
| US09/961,861 US6706941B2 (en) | 2000-10-11 | 2001-09-24 | Absorbent article for controlling normal flora of the skin |
| TW090124563A TW508236B (en) | 2000-10-11 | 2001-10-04 | Absorbent article for controlling normal skin flora |
| EP01308544A EP1197231B1 (en) | 2000-10-11 | 2001-10-05 | Absorbent article for controlling normal flora of the skin |
| DE60130613T DE60130613T2 (de) | 2000-10-11 | 2001-10-05 | Absorbierender Artikel zum Einstellen der normalen Hautflora |
| CNB011454407A CN1185020C (zh) | 2000-10-11 | 2001-10-11 | 吸收性物品 |
| KR1020010062551A KR100808891B1 (ko) | 2000-10-11 | 2001-10-11 | 피부 상주균을 조절하는 흡수성 물품 |
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000310849A JP2002113041A (ja) | 2000-10-11 | 2000-10-11 | 皮膚常在菌をコントロールする吸収性物品 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002113041A true JP2002113041A (ja) | 2002-04-16 |
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|---|---|---|---|
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| KR (1) | KR100808891B1 (ja) |
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| CA (1) | CA2357586A1 (ja) |
| DE (1) | DE60130613T2 (ja) |
| TW (1) | TW508236B (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010509982A (ja) * | 2006-11-17 | 2010-04-02 | エスセーアー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー | 微生物阻害組成物を含む衛生用品 |
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|---|---|---|---|---|
| US20020161347A1 (en) * | 2001-02-15 | 2002-10-31 | Arie Besemer | Absorbent article |
| GB0130666D0 (en) * | 2001-12-21 | 2002-02-06 | Accantla Holdings Ltd | Absorbent tampons |
| US9035123B2 (en) | 2002-10-01 | 2015-05-19 | The Procter & Gamble Company | Absorbent article having a lotioned topsheet |
| SE526982C2 (sv) * | 2003-05-27 | 2005-11-29 | Sca Hygiene Prod Ab | Enskiktspolymermatrisfilm innefattande mjölksyraproducerande bakterier, framställning samt användning därav |
| US20060029567A1 (en) * | 2004-08-04 | 2006-02-09 | Bki Holding Corporation | Material for odor control |
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