JP2002112885A - 自動炊飯器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 家庭で使用する自動炊飯器を対象として、無
洗米を水に潤す時間を考慮して美味しく炊き上げること
のできる自動炊飯器を提供すること。 【解決手段】 米の炊き上げ状態の種類や米の処理状態
に対応して、炊き上がり時刻をタイマー設定して自動的
に炊飯する自動炊飯器において、水の供給開始を指令す
る水供給タイマー設定部３を配設する。さらに、前記要
件に加えて炊飯器本体１の蓋４に水供給部９を連接する
自動炊飯器や、蓋４の自動開閉に水供給部９からの送水
を連動させた自動炊飯器なども提供される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は主として無洗米を自
動的に炊飯する自動炊飯器に関する。

【０００２】

【従来の技術】無洗米の炊飯を対象とした先行技術は特
開平０８−２７５８６５号公報に「無洗米炊飯装置」と
して開示されている。該装置は多量の無洗米を貯米部に
貯留しておき、所要の炊飯量を洗浄後、該炊飯量と炊飯
水量とを炊飯部に自動排出して炊飯するもので、炊飯時
間の短縮を図って炊飯作業能率を高めるための技術であ
る。したがって、各家庭で使用する炊飯器を対象とする
炊飯技術ではなく、特に食事時間に対応して美味しく炊
き上げるための、無洗米を予め潤すという要素が炊飯に
関与されていない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術に鑑
み、家庭で使用する自動炊飯器を対象として無洗米を水
に潤す時間を考慮して美味しく炊き上げる自動炊飯器を
提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】第１発明の自動炊飯器
は、米の炊き上げ状態の種類や米の処理状態に対応し
て、炊き上がり時刻をタイマー設定して自動的に炊飯す
る自動炊飯器において、水の供給開始を指令する水供給
タイマー設定部が配設されて成る。第２発明の自動炊飯
器は第１発明の自動炊飯器において、炊飯量に適量の炊
飯水量を計量供給する水供給部を連接して成る。第３発
明の自動炊飯器は第２発明における水供給部が、炊飯器
本体の蓋に接合され、連通口が自動的に開閉自在に炊飯
釜に連通されて成る水タンクから成る。第４発明の自動
炊飯器は第１発明の自動炊飯器において、炊飯量に適量
の炊飯水量を計量供給する水供給部と、炊飯器本体の蓋
を自動的に開閉する自動蓋開閉手段とを具備して成る。

【０００５】

【発明の実施の形態】計量供給する水供給部は、炊飯水
量に貯水した水タンク内の水をポンプで供給するもの
や、所要に貯水した水タンク内の水をポンプで量水器を
介して供給するものや、蛇口から取水する水道水の送水
圧を利用して開閉バルブ（電磁弁など）と量水器を連動
させて水を供給するものなどが選択される。自動蓋開閉
手段とは、蓋のロック解除機構とともに、蓋の回動支持
軸で該蓋を開閉自在に駆動するものから、回動支持軸で
捩りコイルバネや挟みバネなどの弾発力によって蓋を閉
方向に回動させ、他方で前記弾発力に抗して蓋を開方向
に押し上げるなど、閉止構造と開口構造とから成るもの
も選択される。この自動蓋開閉手段を有する場合の自動
炊飯器においては、蓋の開口を確認後、水供給部からの
給水がなされ、所要炊飯水量の計量供給の完了を待って
蓋が閉止される。

【０００６】

【実施例】本発明を実施例により説明すると、図１
（ａ）に示した自動炊飯器ａは、炊飯器本体１には炊飯
タイマー設定部２と水の供給開始を指令する水供給タイ
マー設定部３を配設し、蓋４には上面中央部に開閉弁を
内蔵した送水管接続部５を配設し、送水管接続部５には
量水器６と電磁弁７と送水管８とから成る水供給部９の
送水管８の一端を接続し、他端を水道管（図外）の蛇口
１０に接続して成る。このようにして成る自動炊飯器ａ
は、所要の無洗米が炊飯釜（図外）に入れられ、炊飯器
本体１の炊飯タイマー設定部２に設定時から炊き上がり
時刻までの炊き上がり時間を設定し、かつ 、この炊き
上がり時間からセットバックして炊き上げ時間に無洗米
の湿潤時間を加えた時間を差し引き、この残り時間を設
定時から水供給開始時刻までの時間として水供給タイマ
ー設定部３に設定すると、タイムアップの信号は電磁弁
７の開口を指令し、また、量水器６では無洗米の炊飯量
に必要な炊飯水量が指示部（図外）で指示され、そのタ
イムアップ信号は電磁弁７の開口を指令するものであ
る。これを具体的に例示すると、自動炊飯器ａの運転を
指令した時刻が午後９時で炊き上がり時刻が午前６時で
あるとすれば、炊飯タイマー設定部２には午後９時から
午前６時までの９：００（９時間）が設定される。無洗
米の湿潤時間（水に潤す時間）を２時間とし炊き上げ時
間を３０分とすれば、炊き上がり時刻より２時間３０分
前に電磁弁７を開口すればよいから、水供給タイマー設
定部３には前記９時間から２時間３０分を差し引いた
６：３０が入力設定される。上記の例において従来の自
動炊飯器で炊き上げるときは、午後９時の時点で無洗米
と水が炊飯釜に収納されることになるから、無洗米が６
時間３０分も水に湿潤された状態となり、膨潤過多の炊
き上がりとなり美味しくなくなる。なお、前記タイマー
の設定において、午前６時より２時間３０分前の３時３
０分に水供給タイマー設定部３に入力するよう設定し、
３０分前の５時３０分に炊飯タイマー設定部２に入力す
るよう設定することもできる。

【０００７】次に、図１（ｂ）に示した自動炊飯器ａに
ついて説明すると、炊飯器本体１には、炊飯タイマー設
定部２と水の供給開始を指令する水供給タイマー設定部
３を配設し、蓋４には上面中央部に開閉弁を内蔵した送
水管接続部５を配設し、送水管接続部５には量水器６と
ポンプ１１と送水管８とから成る水供給部９の送水管８
の一端を接続し、他端を水を満たした水タンク１２に連
通して成る。このようにして成る自動炊飯器ａも所要の
無洗米が炊飯釜（図外）に入れられ、炊飯器本体１の炊
飯タイマー設定部２には設定時から炊き上がり時刻まで
の炊き上がり時間が設定され、水供給タイマー設定部３
には設定時から水供給開始時刻までの時間が設定され、
運転開始スイッチの入力によって刻々と時が刻まれ、水
供給開始時間のタイムアップによってポンプ１１が始動
し、水タンク１２から汲み上げられた水が送水管８によ
って量水器６を経由し送水管接続部５の開閉弁（図外）
を押圧して炊飯釜に送水される。量水器６の指示部では
炊飯量に必要な炊飯水量が指示され、そのタイムアップ
信号はポンプ１１の運転を停止させる。その後２時間程
度（予め考慮された無洗米の水への湿潤時間）を経て炊
き上げの指令が出され、３０分程度（炊飯量によって変
動する）で炊飯タイマー設定部２の炊き上がり時間がタ
イムアップして炊き上がりとなる。

【０００８】図２に示した自動炊飯器ｂについて説明す
ると、炊飯器本体１には自動炊飯器ａと同様に炊飯タイ
マー設定部２と水の供給開始を指令する水供給タイマー
設定部３を配設し、蓋４の上面には水供給部９としての
水タンク１３が接合される。水タンク１３は図４に示す
ように、炊飯釜とタンク本体１４の水収容室１５とを連
通する連通口１６が、タンク本体１４の上部のバルブ開
閉モータ１７の駆動軸１８によって回転昇降するスピン
ドル１９に一体の円錐弁２０により開閉自在となってい
る。すなわち、駆動軸１８に大径軸部２１を外嵌接合す
る接合軸２２は、その小径軸部２３にスピンドル１９の
上部のネジ軸部２４が回転昇降自在に外嵌接合され、ネ
ジ軸部２４は水収容室１５の中央に縦設した案内中空軸
２５の上部内周面に螺設した雌ネジ部２６に螺合し、ス
ピンドル１９は案内中空軸２５の案内孔２７に案内さ
れ、その下端に一体の円錐弁２０を連通口１６を開口し
た円錐弁座２８に着脱自在に内嵌し、透明なタンク本体
１４は周面には水量目盛２９を表示し上面にはキャップ
３０を開閉自在に内嵌した注水口３１を配設して成る。
このようにして成る自動炊飯器ｂは、炊飯釜に所要の無
洗米が入れられ、タンク本体１４の水収容室１５にも注
水口３１から水量目盛２９によって無洗米の炊飯量に見
合う水が入れられ、炊飯器本体１の炊飯タイマー設定部
２には設定時から炊き上がり時刻までの時間が設定さ
れ、水供給タイマー設定部３には設定時から水供給開始
時刻までの時間が設定され、運転開始スイッチの入力に
よって刻々と時が刻まれ、水供給開始時間のタイムアッ
プによってバルブ開閉モータ１７が始動し、スピンドル
１９の回転上昇によって円錐弁座２８から円錐弁２０が
離脱し、連通口１６が開口して水収容室１５の水が炊飯
釜に落下し、落下時間のタイマー設定により、バルブ開
閉モータ１７が逆転し、連通口１６が円錐弁２０で閉止
される。水供給によって無洗米は所定時間湿潤され、炊
き上がり時刻の指令から逆算された時刻に炊き上げ指令
が出されて加熱炊飯され、設定時刻に美味しく炊き上げ
られる。

【０００９】図３に示した自動炊飯器ｃについて説明す
ると、炊飯器本体１に炊飯タイマー設定部２と水の供給
開始を指令する水供給タイマー設定部３を配設し、炊飯
量に見合う炊飯水量を計量供給する水供給部９と、炊飯
器本体１の蓋４を自動的に開閉する自動蓋開閉手段３２
が配設されて成る。この実施例の水供給部９は、炊飯量
に見合う水を入れることのできる水タンク１２とポンプ
１１と送水管８とから成り、送水管８の一端は蓋４を開
けた状態で炊飯釜に水を落下できる姿勢で位置取りさ
れ、他端は水タンク１２に連通されて成る。自動蓋開閉
手段３２は図５に示す蓋４のロック解除機構３３と、図
６に示す蓋開閉機構３４とから成る。ロック解除機構３
３について説明すると図５に示すように、蓋４のロック
レバー３５をその一端で押圧する押圧レバー３６は、取
手３７の上面に取着した支持体３８の二股受け部３９に
上下揺動自在に軸支され、その他端を支持体３８に固着
した小形モータ４０で回転駆動されるカム盤４１に当接
し、押圧レバー３６の背面には支持体３８に昇降自在に
案内される押圧ピン４２の下端を当接して成る。上記ロ
ック解除機構３３によれば、小形モータ４０の回転によ
って回転軸に一体のカム盤４１が回転し、押圧レバー３
６は仮想線で示す位置に変動し、その一端（下端）がロ
ックレバー３５を押圧してロック解除の状態となる。な
お、小形モータ４０の停止状態でも押圧ピン４２を指で
押し下げれば、押圧レバー３６は仮想線で示す位置に押
圧されてロックレバー３５を押し下げるから同じく解除
できる。蓋開閉機構３４について説明すると図６に示す
ように、蓋４を閉方向に回動させる閉止構造４３と、蓋
４を開方向に押し上げる開口構造４４とから成り、閉止
構造４３は蓋４の回動支持軸４５に外嵌した捩りコイル
バネ４６の一端を炊飯器本体１に係止し、他端を蓋４の
閉方向に弾発力を付勢する状態で蓋４に係止している。
開口構造４４は炊飯器本体１の外周面に周設した駆動ボ
ックス４７において図７に示すように、小形モータ４８
の回転力を一対のベベルギヤ４９を介してピニオン５０
に伝達し、ピニオン５０の回転力を炊飯器本体１の周壁
間に軸支した昇降棒５１のラック５２に伝達し、昇降棒
５１の昇降によって蓋４を開閉する。すなわち、小形モ
ータ４８の正回転で昇降棒５１を押し上げると、昇降棒
５１の上端は閉止構造４３の捩りコイルバネ４６の弾発
力に抗して蓋４を所要開口状態まで開口し、小形モータ
４８の逆回転で昇降棒５１を降下させると蓋４は捩りコ
イルバネ４６の弾発力によって閉じられる。このように
して成る自動炊飯器ｃも前記と同様に、所要の無洗米が
炊飯釜に入れられ、炊飯器本体１の炊飯タイマー設定部
２には、その表示部５３に時単位スイッチ５４と分単位
スイッチ５５を押すことによって設定時から炊き上がり
時刻までの時間が設定され、水供給タイマー設定部３に
はその表示部５６に時単位スイッチ５７と分単位スイッ
チ５８を押すことによって設定時から水供給開始時刻ま
での時間が設定される。運転開始スイッチの入力によっ
て時が刻まれ、水供給開始時間がタイムアップすると、
蓋４のロック解除機構３３の小形モータ４０が所要数回
転して押圧レバー３６を押し下げ、ロックレバー３５が
押し下げられてロック解除となる。次いで、タイマー指
令（他の手段でもよい）によって開口構造４４における
小形モータ４８を回転させて昇降棒５１を押し上げ、蓋
４を所要開口状態に開口する。次いで、蓋４の開口状態
を待って水供給部９のポンプ１１を駆動し、送水管８か
ら炊飯量に見合う水が炊飯釜に注がれ、注水完了指令に
よって開口構造４４の小形モータ４８が逆回転し昇降棒
５１の降下に伴って蓋４はその自重と閉止構造４３の捩
りコイルバネ４６の弾発力によって閉じられ、同時に蓋
４はロックレバー３５によって炊飯器本体１にロックさ
れる。このように水が注がれた無洗米は考慮された理想
時間だけ湿潤され、その後、炊き上がり時刻から逆算さ
れた時間分加熱炊飯されて炊き上げられる。なお、本発
明の自動炊飯器は無洗米に限らず、水で研いだ普通米の
炊飯に適用できるが、無洗米と通常米の各炊飯量に適応
する各炊飯水量が水タンク１３や量水器６に指示され
る。

【００１０】

【発明の効果】本発明によれば、加熱炊飯に入る前に米
に必要とされる湿潤時間を選択して米を水に湿潤できる
から、炊き上がりが膨潤過多にならず、ふっくらと美味
しいご飯を炊き上げできる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の自動炊飯器ａの構成説明図。

【図２】本発明の自動炊飯器ｂの構成説明図。

【図３】本発明の自動炊飯器ｃの構成説明図。

【図４】自動炊飯器ｂにおける水タンクの縦断面図。

【図５】自動炊飯器ｃの蓋のロック解除機構を示す正面
図。

【図６】自動炊飯器ｃの蓋開閉機構を示す背面図。

【図７】自動炊飯器ｃの蓋開閉機構の要部横断面図。

【符号の説明】

１ 炊飯器本体 ２ 炊飯タイマー設定部 ３ 水供給タイマー設定部 ４ 蓋 ５ 送水管接続部 ６ 量水器 ７ 電磁弁 ８ 送水管 ９ 水供給部 １０ 蛇口 １１ ポンプ １２ 水タンク １３ 水タンク １４ タンク本体 １５ 水収容室 １６ 連通口 １７ バルブ開閉モータ １８ 駆動軸 １９ スピンドル ２０ 円錐弁 ２１ 大径軸部 ２２ 接合軸 ２３ 小径軸部 ２４ ネジ軸部 ２５ 案内中空軸 ２６ 雌ネジ部 ２７ 案内孔 ２８ 円錐弁座 ２９ 水量目盛 ３０ キャップ ３１ 注水口 ３２ 自動蓋開閉手段 ３３ ロック解除機構 ３４ 蓋開閉機構 ３５ ロックレバー ３６ 押圧レバー ３７ 取手 ３８ 支持体 ３９ 二股受部 ４０ 小形モータ ４１ カム盤 ４２ 押圧ピン ４３ 閉止構造 ４４ 開口構造 ４５ 回動支持軸 ４６ 捩りコイルバネ ４７ 駆動ボックス ４８ 小形モータ ４９ ベベルギヤ ５０ ピニオン ５１ 昇降棒 ５２ ラック ５３ 表示部 ５４ 時単位スイッチ ５５ 分単位スイッチ ５６ 表示部 ５７ 時単位スイッチ ５８ 分単位スイッチ ａ乃至ｃ 自動炊飯器

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 米の炊き上げ状態の種類や米の処理状態
   に対応して炊き上がり時刻をタイマー設定して自動的に
   炊飯する自動炊飯器において、炊飯量に対応する水の供
   給開始を指令する水供給タイマー設定部が配設されて成
   る自動炊飯器。
2. 【請求項２】 請求項１記載の自動炊飯器において、 炊飯量に適量の炊飯水量を計量供給する水供給部を連接
   して成る自動炊飯器。
3. 【請求項３】 水供給部が炊飯器本体の蓋に接合され、
   連通口が自動的に開閉自在に炊飯釜に連通されて成る水
   タンクから成る請求項２記載の自動炊飯器。
4. 【請求項４】 請求項１記載の自動炊飯器において、 炊飯量に適量の炊飯水量を計量供給する水供給部と、炊
   飯器本体の蓋を自動的に開閉する自動蓋開閉手段とを具
   備して成る自動炊飯器。