JP2002111137A - 半導体レーザ素子 - Google Patents

半導体レーザ素子

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JP2002111137A
JP2002111137A JP2001212979A JP2001212979A JP2002111137A JP 2002111137 A JP2002111137 A JP 2002111137A JP 2001212979 A JP2001212979 A JP 2001212979A JP 2001212979 A JP2001212979 A JP 2001212979A JP 2002111137 A JP2002111137 A JP 2002111137A
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semiconductor layer
semiconductor laser
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laser device
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JP2001212979A
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English (en)
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Masahiro Kume
雅博 粂
Isao Kidoguchi
勲 木戸口
Yuzaburo Ban
雄三郎 伴
Satoshi Kamiyama
智 上山
Ayumi Tsujimura
歩 辻村
Akihiko Ishibashi
明彦 石橋
Yoshiteru Hasegawa
義晃 長谷川
Ryoko Miyanaga
良子 宮永
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低抵抗化を図る半導体レーザ素子のジャンク
ションダウン・ボンディングを容易に且つ確実に行なえ
るようにし、また、基板の劈開時のリッジ部を保護でき
るようにする。 【解決手段】 基板11のエピタキシャル層における中
央部には、n型半導体層12、活性層13及びp型半導
体層14を含む凸状部からなる共振器形成部が形成され
ている。共振器形成部におけるp型半導体層14の上部
には中央部がストライプ状に突出したリッジ部14aが
形成されている。共振器形成部の側方であって、n型半
導体層12の露出部には、Ti/Alからなるn側電極
16が形成されている。n側電極16のp側電極15側
の領域、並びにp側電極15を除く共振器形成部の上面
及び側面は、それぞれSiNからなる絶縁膜17に覆わ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ素子
に関し、特に基板の劈開時のリッジ部を保護できる半導
体レーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化物系化合物半導体レーザ装置は、活
性層にInGaNからなる混晶を用い、クラッド層にA
lGaNからなる混晶を用いることにより、波長が40
0nm〜430nmの青紫色のレーザ光を発振できるた
め、高密度光ディスク用の光源として実用化が期待され
ている。
【0003】最近、中村らはサファイア基板上に有機金
属気相エピタキシ(MOVPE)法により作製した半導
体レーザ素子を用いて、室温で1000時間を超える連
続動作に成功している(Appl.Phys.Let
t.,Vol.72,No.2,pp.211−21
3,1998)。
【0004】サファイアからなる絶縁性基板上に、n型
半導体とp型半導体とを積層したpn接合からなる半導
体レーザ素子の場合は、p型半導体に電流を流すp側電
極とn型半導体に電流を流すn側電極とを基板の同一面
側に、すなわち、エピタキシャル層側に形成しなければ
ならない。
【0005】以下、特開平9−321381号公報に開
示されている従来の窒化物系半導体レーザ素子について
図面を参照しながら説明する。
【0006】図6は従来の窒化物系半導体レーザ素子に
おけるレーザ光の出射方向に垂直な方向の断面構成を概
略的に示している。図6に示すように、サファイアから
なる基板101上には、n型半導体層102、活性層1
03及びp型半導体層104が順次形成されている。p
型半導体層104の上部には断面凸形状でレーザ光の出
射方向に延びる畝状のリッジ部104aが形成され、該
リッジ部104aの上面にはp側電極105が形成され
ている。さらに、リッジ部104aの両側にはn型半導
体層102が露出し、露出した領域にn側電極106が
形成されている。
【0007】このように、n側電極106をp側電極1
05の両側に形成することによって、n側電極106と
n型半導体層102との接触面積を大きくしている。こ
のため、n側電極106のコンタクト抵抗が小さくなっ
て動作電圧が低減すると共に、p側電極105の両側に
電流を流すことにより、活性層103に注入される電流
の偏りがなくなるので、光出力特性が向上する。
【0008】図6に示すように、p側電極105から流
入する電流はn型半導体層102を基板面に平行に流れ
るが、n型半導体層102の厚さが2μm〜3μmと小
さいため、抵抗(シート抵抗)により電圧が上昇する。
従って、n側電極106のp側電極105側の端部とp
側電極105のn側電極106側の端部との間隔d1は
小さい程望ましく、本公報においては間隔d1を100
μm以下と規定している。
【0009】一般に、半導体レーザ素子は活性層や電極
等の抵抗値が大きい領域で発熱するため、発生する熱を
効率良く放熱することがレーザ素子の長寿命化を図る上
で重要となる。このため、素子形成面側(pn接合側)
を熱伝導率が大きい保持体(マウント)とボンディング
する、いわゆるジャンクションダウン・ボンディングを
行なうことにより、放熱の効率を向上させている。ここ
で、ジャンクションダウン・ボンディングとは、絶縁性
で且つ熱伝導率が大きい炭化珪素(SiC)、ダイヤモ
ンド(C)、窒化ホウ素(BN)又は窒化アルミニウム
(AlN)等からなる保持体の主面上にレーザ素子のp
側電極及びn側電極にそれぞれ対向する電極を設けてお
き、レーザ素子の電極と支持体の電極とを電気伝導及び
熱伝導に優れる半田材や銀ペースト材を用いて接合する
方法をいう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の窒化物系半導体レーザ素子は、ジャンクションダウ
ン・ボンディングを行なわずに、熱伝導率が小さい基板
101側を保持体とボンディングしているため、レーザ
素子の温度上昇が著しく、レーザ素子の特性や信頼性が
低くなる。
【0011】このため、前記従来の窒化物系半導体レー
ザ素子のようにp側電極105とn側電極106との距
離を極めて小さくして低抵抗化を図ったレーザ素子を放
熱性の向上のためにジャンクションダウン・ボンディン
グを行なおうとすると、保持体との位置合わせが困難と
なるという第1の問題が生じる。
【0012】すなわち、図6に示すように、p側電極1
05とn側電極106との間隔d1が100μm以下と
なると、n側電極106同士の間隔d2が、幅が10μ
m以下のp側電極と合わせて210μm以下となる。半
導体レーザ素子の共振器長は0.5mm〜1mm程度で
あるため、保持体の主面上における、レーザ素子のn側
電極に挟まれるp側電極と対向する電極は幅寸法が長さ
寸法と比べて極めて小さい形状となり、レーザ素子と保
持体とを精度良く位置合わせを行なわないと、レーザ素
子のp側電極が保持体のn側電極と、また、レーザ素子
のn側電極が保持体のp側電極とショートしやすくな
る。
【0013】また、半導体レーザは結晶面を共振器ミラ
ーとして機能させており、この共振器ミラーの形成はサ
ファイアからなる基板を適当に劈開することにより行な
っている。窒化物半導体は六方晶系の結晶構造を有して
おり、立方晶のヒ化ガリウム(GaAs)やリン化イン
ジウム(InP)と比べて劈開性が弱く、劈開により共
振器ミラーを形成することは困難である。
【0014】しかも、サファイア上にエピタキシャル成
長する窒化物半導体はサファイアの結晶面と30度ずれ
ているため、サファイアが劈開しやすい面と窒化物半導
体結晶が劈開しやすい面とが一致せず、共振器ミラーを
劈開により形成することを一層困難にしている。
【0015】窒化物半導体層からミラー面を得るにはA
面(=(1−100)面)が得やすいが、このときのサ
ファイアはA面と30度ずれたM面となって基板が良好
に劈開されない。従って、基板が良好に劈開されない
と、エピタキシャル層もクラックが入りやすくなり、特
に、図6に示すリッジ部104aが欠けやすくなるとい
う第2の問題がある。なお、本願においては、面方位の
指数のうち負符号「−」に続く指数を反転した指数とす
る。
【0016】前記の特開平9−321381号公報にお
いては、劈開後の共振器面を研磨している。このとき、
リッジ部104aの欠けた部分が大きいと、損傷部分に
対して研磨を行なって該損傷部分をすべて取り除かなけ
ればならず、長時間の研磨を必要とする上に、研磨によ
る研磨くずのミラー面へのコンタミネーションや研磨時
の発熱等の新たな問題が発生する。従って、劈開時のリ
ッジ部104a周辺部への損傷をできるだけ抑えること
が重要となる。
【0017】本発明は、前記従来の問題を解決し、低抵
抗化を図る半導体レーザ素子のジャンクションダウン・
ボンディングを容易に且つ確実に行なえるようにするこ
とを第1の目的とし、基板の劈開時のリッジ部を保護で
きるようにすることを第2の目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る半導体レー
ザ装置は、前記第1の目的を達成し、絶縁性基板の主面
上に順次形成された第1導電型の第1の半導体層、活性
層及び第2導電型の第2の半導体層からなり、第1の半
導体層が第2の半導体層側に露出部を有する積層体と、
第1の半導体層の露出部に設けられた第1のレーザ電極
と、第2の半導体層における第1の半導体層の反対側の
面に設けられた第2のレーザ電極とを有する半導体レー
ザ素子と、主面上における第1のレーザ電極と対向する
位置に第1の保持体電極を有すると共に第2のレーザ電
極と対向する位置に第2の保持体電極を有しており、主
面が絶縁性基板の主面と互いに対向すると共に、第1の
レーザ電極と第1の保持体電極とが接続し且つ第2のレ
ーザ電極と第2の保持体電極とが接続するように半導体
レーザ素子を保持している保持体とを備え、第1のレー
ザ電極における第2のレーザ電極側の領域は絶縁膜に覆
われており、第1の保持体電極は、第1のレーザ電極に
おける絶縁膜に覆われていない領域と接続されている。
【0019】本発明の半導体レーザ装置によると、第1
のレーザ電極における第2のレーザ電極側の領域は絶縁
膜に覆われており、第1の保持体電極は、第1のレーザ
電極における絶縁膜に覆われていない領域と接続されて
いるため、低抵抗化のために第1のレーザ電極及び第2
のレーザ電極との間隔を小さくした半導体レーザ素子で
あっても、半導体レーザ素子の内部においては動作電流
が短い距離を流れる一方、保持体と対向する外部側は第
1のレーザ電極と第2のレーザ電極との実質的な距離が
大きくなるので、実装位置のマージンが大きくなる。
【0020】本発明に係る第1の半導体レーザ素子は、
前記第2の目的を達成し、絶縁性基板の主面上に順次形
成された第1導電型の第1の半導体層、活性層及び第2
導電型の第2の半導体層とからなる積層体と、積層体の
上側部分に、第1の半導体層、活性層及び第2の半導体
層を含むように形成された凸状部からなり、レーザ光の
出射方向を規制する共振器形成部と、第1の半導体層の
上における共振器形成部の側方に設けられた第1のレー
ザ電極と、共振器形成部の上部のほぼ中央部に互いに間
隔をおいて形成され且つ出射方向に延びる一対の溝部同
士の間に設けられたリッジ部と、リッジ部の上面に設け
られた第2のレーザ電極とを備えている。
【0021】第1の半導体レーザ素子によると、凸状部
からなる共振器形成部の上部のほぼ中央部に、互いに間
隔をおいて形成され且つレーザ光の出射方向に延びる一
対の溝部同士の間に設けられたリッジ部を備えているた
め、共振器形成部の上部におけるリッジ部の外側には該
リッジ部の両端部を保護する領域が形成される。本願に
おいては、この領域をダミーポストと呼ぶことにする。
【0022】本発明に係る第2の半導体レーザ素子は、
第1の目的及び第2の目的を達成し、絶縁性基板の主面
上に順次形成された第1導電型の第1の半導体層、活性
層及び第2導電型の第2の半導体層とからなる積層体
と、積層体の上部に第1の半導体層に達するように形成
され、レーザ光の出射方向を規制する溝部と、積層体に
おける溝部の側方に形成され、第1の半導体層、活性層
及び第2の半導体層を含む共振器形成部と、積層体にお
ける溝部に対して共振器形成部と反対側の領域に形成さ
れ、基板面からの高さが共振器形成部の基板面からの高
さとほぼ等しいダミーポストと、溝部の内部における第
1の半導体層の上に設けられた第1のレーザ電極と、共
振器形成部における第2の半導体層の上に設けられ、レ
ーザ光の出射方向にストライプ状に延びる第2のレーザ
電極と、第1のレーザ電極、ダミーポストの側面及び上
面に跨るように形成された配線電極とを備えている。
【0023】第2の半導体レーザ素子によると、積層体
における溝部の側方に、基板面からの高さが共振器形成
部の基板面からの高さとほぼ等しいダミーポストを備え
ているため、基板の劈開時に第2の半導体層における第
2のレーザ電極形成部分の損傷を防止できる。また、ダ
ミーポストは基板面からの高さが共振器形成部の基板面
からの高さとほぼ等しくなるように形成されているた
め、ジャンクションダウン・ボンディングを行なう際
に、保持体上に形成された第1のレーザ電極及び第2の
レーザ電極とそれぞれ対向する保持体電極との接触がほ
ぼ同時に行なわれるので、共振器形成部に加わる応力を
小さくできる。
【0024】第2の半導体レーザ素子は、絶縁性基板よ
りも熱伝導率が大きい絶縁体からなり、主面上における
第1のレーザ電極と対向する位置に第1の保持体電極を
有すると共に第2のレーザ電極と対向する位置に第2の
保持体電極を有しており、主面が絶縁性基板の主面と互
いに対向すると共に、第1のレーザ電極と第1の保持体
電極とが導電性接合材を介して接続し且つ第2のレーザ
電極と第2の保持体電極とが導電性接合材を介して接続
するように半導体レーザ素子を保持している保持体をさ
らに備えていることが好ましい。
【0025】第2の半導体レーザ素子において、該第2
の半導体レーザ素子が保持体にボンディングされている
場合に、溝部に、酸化アルミニウム、窒化シリコン、窒
化アルミニウム又はダイヤモンドからなる充填材が充填
されていることが好ましい。
【0026】本発明に係る第3の半導体レーザ素子は、
前記第2の目的を達成し、第1導電型を有する導電性基
板の主面上に順次形成された第1導電型の第1の半導体
層、活性層及び第2導電型の第2の半導体層とからなる
積層体と、導電性基板の下面に設けられた第1のレーザ
電極と、積層体の上部に互いに間隔をおいて形成され且
つレーザ光の出射方向に延びる一対の溝部同士の間に設
けられたリッジ部と、リッジ部の上面に設けられた第2
のレーザ電極とを備えている。
【0027】第3の半導体レーザ素子によると、導電性
基板を用いた場合であっても、積層体の上部に互いに間
隔をおいて形成され且つレーザ光の出射方向に延びる一
対の溝部同士の間に設けられたリッジ部を備えているた
め、積層体における各溝部に対するリッジ部と反対側の
領域にはそれぞれ積層体の第2の半導体層が広がってい
るので、基板の劈開時に第2の半導体層における電極形
成部分の損傷を防止できる。
【0028】第3の半導体レーザ素子において、積層体
の上におけるリッジ部の上面を除く領域には溝部を含む
全面にわたって絶縁膜が形成されていることが好まし
い。このようにすると、積層体のリッジ部の上面を除く
領域に設けられた絶縁膜の上に配線電極を設ければ、該
配線電極における溝部を除く領域が、積層体がエッチン
グされていない領域であるため、配線電極におけるリッ
ジ部の基板面からの高さと他の領域の基板面からの高さ
とがほぼ等しくなる。
【0029】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)本発明に係る
第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0030】図1は本発明の第1の実施形態に係る窒化
物系半導体レーザ装置におけるレーザ光の出射方向に垂
直な方向の断面構成を示している。図1において、10
は半導体レーザ素子であり、20は半導体レーザ素子1
0を保持する、例えば、絶縁体で且つ熱伝導に優れるS
iCからなる保持体である。図1に示すように、半導体
レーザ素子10は、該半導体レーザ素子10の素子形成
面が保持体20の主面と対向するジャンクションダウン
・ボンディングにより接合されている。
【0031】半導体レーザ素子10は、C面(=(00
01)面)を持つサファイアからなる基板11の主面上
に、n型GaN及びn型AlGaNが積層されてなるn
型半導体層12と、InGaNを含む多重量子井戸構造
を有する活性層13と、p型GaN及びp型AlGaN
が積層されてなるp型半導体層14とが順次形成された
積層体としてのエピタキシャル層を有している。
【0032】基板11のエピタキシャル層における中央
部には、n型半導体層12、活性層13及びp型半導体
層14を含む凸状部からなり、レーザ光の出射方向を規
制する共振器形成部が形成されており、さらに、共振器
形成部におけるp型半導体層14の上部には中央部がス
トライプ状に突出したリッジ部14aが形成されてい
る。リッジ部14a上にはニッケル(Ni)/金(A
u)又はマグネシウム(Mg)/金(Au)からなる第
2のレーザ電極としてのp側電極15が形成されてい
る。
【0033】共振器形成部の両側であって、n型半導体
層12の露出部には、チタン(Ti)/アルミニウム
(Al)又はチタン(Ti)/モリブデン(Mo)から
なる第1のレーザ電極としてのn側電極16がそれぞれ
形成されている。なお、p側電極15はp型GaNと接
触し、n側電極16はn型GaNと接触する方がコンタ
クト抵抗を減らす上で有効である。
【0034】本実施形態の特徴として、n側電極16の
p側電極15側の領域、並びにp側電極15を除く共振
器形成部の上面及び側面は、それぞれ窒化シリコン(S
iN)、酸化シリコン(SiO2 )又は酸化アルミニウ
ム(Al23 )からなる絶縁膜17に覆われている。
【0035】共振器形成部のp側電極15及び絶縁膜1
7を含む上面にはp側配線電極18が形成されている。
ここで、p側配線電極18には、チタン(Ti)/金
(Au)、クロム(Cr)/金(Au)又はチタン(T
i)/白金(Pt)/金(Au)が用いられる。
【0036】保持体20の主面上には、半導体レーザ素
子10のp側配線電極18及びn側電極16とそれぞれ
対向する位置に第2の保持体電極としてのp側保持体電
極21及び第1の保持体電極としてのn側保持体電極2
2がそれぞれ形成されており、保持体20の主面と半導
体レーザ素子10の主面側とを対向させることにより該
半導体レーザ素子10を保持している。互いに対向する
p側配線電極18及びp側保持体電極21並びにn側電
極16及びn側保持体電極22はそれぞれ電気伝導及び
熱伝導に優れる鉛スズ系の半田、金スズ系の半田又は銀
ペーストからなる導電性接合材23により接合されてい
る。
【0037】このように、本実施形態によると、半導体
レーザ素子10は、p側電極15とn側電極16との距
離を短縮して低抵抗化を図りながら、n側電極16のp
側電極15側の一部分の領域が絶縁膜17により覆われ
ているため、保持体20にボンディングする際に各保持
体電極21,22との接続位置のマージンが実質的に大
きくなる。従って、ジャンクションダウン・ボンディン
グ時の各電極間のショートを防止できる。これにより、
窒化物系の半導体レーザ素子10の低抵抗化と放熱性の
向上とを両立できる。
【0038】なお、保持体20に形成されたp側保持体
電極21とn側保持体電極22との距離を大きくするだ
けでは、半導体レーザ素子10を保持体20にボンディ
ングする際に保持体20の主面に対して半導体レーザ素
子10が回転してずれると、例えば、半導体レーザ素子
10のn側電極16とp側保持体電極21とがショート
するおそれがある。
【0039】以下、前記のように構成された窒化物系半
導体レーザ装置の製造方法の概略を説明する。
【0040】まず、主面にC面を持つサファイアからな
る基板11上に、例えば、III 族源であるトリメチルガ
リウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)
及びトリメチルインジウム(TMI)並びに窒素源であ
るアンモニア(NH3 )を原料とするMOVPE法を用
いて、基板温度を1000℃に加熱しながら、n型半導
体層12、活性層13及びp型半導体層14を順次エピ
タキシャル成長させることにより、窒化物半導体からな
る積層体を形成する。
【0041】ここで、n型半導体層12にはn型ドーパ
ントであるシリコン(Si)をドープし、p型半導体層
14にはp型ドーパントであるマグネシウム(Mg)を
ドープする。また、絶縁性の基板11には、サファイア
に限らず、スピネル(MgAl24 )、酸化マグネシ
ウム(MgO)又は酸化亜鉛(ZnO)等の単結晶を用
いてもよい。
【0042】次に、エピタキシャル層が形成された基板
11を反応炉から取り出し、p型半導体層14の上面の
所定領域に、例えばNi及びAuを順次蒸着させてp側
電極15を形成する。その後、基板11をイオンミリン
グ装置に投入し、p側電極15をマスクとしてアルゴン
(Ar)イオンを用いてp型半導体層14に対してエッ
チングを行なうことにより、p型半導体層14からなり
幅が約3μmのリッジ部14aを形成する。
【0043】次に、基板11上の共振器形成部をマスク
し、イオンミリング装置又は反応性イオンエッチング装
置を用いてn型半導体層12が露出するまでエッチング
を行なって、n型半導体層12、活性層13及びp型半
導体層14を含む凸形状の共振器形成部を形成する。
【0044】次に、n型半導体層12上における共振器
形成部の両側に、例えばTi及びAlを順次蒸着させ、
幅が約150μmで且つp側電極15の側部との間隔が
20μm程度のn側電極16を形成する。
【0045】次に、n側電極16のp側電極15側の領
域並びにp側電極15を除く共振器形成部の上面及び側
面に、例えばSiNからなる絶縁膜17を堆積させる。
その後、共振器形成部のp側電極15及び絶縁膜17を
含む上面にp側配線電極18を形成して、リッジ部14
a上の幅が極めて小さいp側電極15の幅を実質的に広
くすることにより、電流の注入を容易にする。
【0046】次に、基板11の裏面に対して厚さが70
μmとなるまで研磨を行ない、続いて、ダイヤモンドス
クライバを用いて基板11を劈開して共振器長が約70
0μmの半導体レーザ素子10を得る。
【0047】続いて、各保持体電極21,22が形成さ
れた保持体20の主面と半導体レーザ素子10の素子形
成面とを各電極が対向するように位置合わせを行ない、
その後、例えば鉛スズ系の半田からなる導電性接合材2
3を用いて保持体20と半導体レーザ素子10とを接合
する。
【0048】このようにして得られた半導体レーザ装置
にパルス電流を印加して波長が400nm前後のレーザ
光を発振させたところ、発振動作電流が100mAの場
合に、光出力が5mWで動作電圧が5Vの優れた電気的
光学的特性を示すことを確認している。
【0049】なお、本実施形態においては、活性層13
を含む共振器形成部が基板11上に突出する形状とした
が、これに限らず、活性層13がエピタキシャル層中に
埋め込まれた埋め込みヘテロ(BH)型レーザ装置であ
ってもよい。
【0050】また、n側電極16を共振器形成領域の両
側に設けたが、いずれか一方でもよい。
【0051】また、保持体20に、SiCを用いたが、
これに限らず、絶縁体で且つ熱伝導率が大きいBN、A
lN又はダイヤモンドを用いてもよい。
【0052】(第2の実施形態)以下、本発明に係る第
2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0053】図2は本発明の第2の実施形態に係る窒化
物系半導体レーザ素子におけるレーザ光の出射方向に垂
直な方向の断面構成を示している。図2に示すように、
半導体レーザ素子30Aは、C面を持つサファイアから
なる基板31の主面上に、n型GaN及びn型AlGa
Nが積層されてなるn型半導体層32と、InGaNを
含む多重量子井戸構造を有する活性層33と、p型Ga
N及びp型AlGaNが積層されてなるp型半導体層3
4とが順次形成された積層体としてのエピタキシャル層
を有している。
【0054】基板31のエピタキシャル層における中央
部には、n型半導体層32、活性層33及びp型半導体
層34を含むように形成された凸状部からなり、レーザ
光の出射方向を規制する共振器形成部1が形成されてい
る。さらに、共振器形成部1におけるp型半導体層34
の上部のほぼ中央部には、互いに間隔をおき且つ出射方
向に延びる一対の溝部に挟まれた幅が約3μmのリッジ
部34aが形成されている。また、共振器形成部1の上
部におけるリッジ部34aの両側部側には、一対の溝部
によりリッジ部34aと分離された、それぞれ幅が約3
0μmの一対のダミーポスト34bが形成されている。
【0055】リッジ部34aの上面には、例えばNi/
Auからなる第2のレーザ電極としてのp側電極35が
形成され、n型半導体層32上における共振器形成部1
の両側には、例えばTi/Alからなり、幅が約150
μmの第1のレーザ電極としてのn側電極36がそれぞ
れ形成されている。
【0056】n側電極36の共振器形成部1側の領域並
びにp側電極35を除く共振器形成部1の上面及び側面
は、それぞれSiNからなる絶縁膜37A,37Bに覆
われており、共振器形成部1のp側電極35及び絶縁膜
37Bを含む頂面のほぼ全面には、例えばTi/Auか
らなるp側配線電極38が形成されている。
【0057】さらに、n型半導体層32上における、各
n型電極36に対する共振器形成部1の反対側の領域に
は、例えばTi/Auからなるn側配線電極39が各n
型電極36との重なり部分の幅が約50μmとなるよう
に形成されている。
【0058】このように、本実施形態によると、半導体
レーザ素子30Aにおける活性層33にストライプ状に
電流を注入するリッジ部34aの両側を溝部で分離され
た一対のダミーポスト34bを有しているため、共振器
ミラー形成時に、リッジ部34aが欠けてしまうという
不具合を防止でき、面が平坦な劈開面を得やすくなる。
良好な劈開面が得られれば、レーザ共振器ミラーは完成
となるが、劈開面に凹凸が残る場合には、さらに研磨に
よる仕上げが必要となる。この場合でも、劈開時にリッ
ジ部34aが欠けにくくなるので、研磨時間を短くする
ことができスループットが向上する。ちなみに、第1の
実施形態においてはミラー形成時の歩留まりが60%で
あったが、第2の実施形態においては90%にまで向上
している。
【0059】また、p側電極35とn側電極36との間
隔を短縮して低抵抗化を図りながら、n側電極36のp
側電極35側が絶縁膜37Aにより覆われているため、
保持体(図示せず)にボンディングする際に各保持体電
極との接合位置のマージンが実質的に大きくなる。従っ
て、ジャンクションダウン・ボンディング時の各電極間
のショートを防止できる。これにより、窒化物系の半導
体レーザ素子30Aの低抵抗化と放熱性の向上とを両立
できると共に、リッジ部34aの形成時の歩留まりを向
上できる。
【0060】以下、前記のように構成された半導体レー
ザ素子30Aの製造方法について第1の実施形態の半導
体レーザ素子10との差異のみを説明する。
【0061】まず、基板31上にエピタキシャル層を成
長させた後、共振器形成部1上のリッジ部形成領域及び
ダミーポスト形成領域に、p型電極形成用で且つ溝部形
成領域に開口部を持つ金属膜を形成し、該金属膜をマス
クとしてp型半導体層34に対してイオンミリングによ
るエッチングを行なう。次に、ダミーポスト上の金属膜
を除去し、共振器形成部1をマスクして、n型半導体層
32に達するまでエッチングを行なって、断面凸状の共
振器形成部1を形成する。
【0062】このようにして得られた半導体レーザ素子
30Aにパルス電流を印加して波長が400nm前後の
レーザ光を発振させたところ、発振動作電流が100m
Aの場合に、光出力が5mWで動作電圧が5.5Vの電
気的光学的特性を示すことを確認している。第1の実施
形態と比べて動作電圧が上昇したのは、p側電極35と
n側電極36との距離が50μmに増加したためと思わ
れる。
【0063】(第3の実施形態)以下、本発明に係る第
3の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0064】図3は本発明の第3の実施形態に係る窒化
物系半導体レーザ素子におけるレーザ光の出射方向に垂
直な方向の断面構成を示している。図3において、図2
に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付す
ことにより説明を省略する。
【0065】第2の実施形態との差異は、共振器形成部
1の上部に、p型半導体層34からなり凸状部を有する
リッジ部34aのみが形成されており、ダミーポスト3
4bが、共振器形成部1を形成する溝部2を挟んで両端
部に形成されている点である。さらに、各n側配線電極
39が、絶縁膜37Cを介在させて、溝部2の底部に設
けられたn側電極36の上面の一部分、ダミーポスト3
4bの側面及び上面に跨るように形成されている点であ
る。
【0066】このようにすると、リッジ部34aの基板
面からの高さとダミーポスト34bの基板面からの高さ
とが、リッジ部34a及びダミーポスト34bが共にエ
ッチングされていないため、ほぼ同一となっている。従
って、半導体レーザ素子30Bのp側電極35及びn側
電極36が実質的にほぼ同一の高さとなるため、保持体
にダウン・ボンディングする際に、p側電極35及びn
側電極36の双方が該保持体上の各電極とほぼ同時に接
合するので、リッジ部34a、すなわち活性層33に加
わる応力を小さくできる。その結果、歪によるレーザ特
性への悪影響、例えば偏光面がずれる等の悪影響を防ぐ
ことができるので、半導体レーザ素子30Bの信頼性が
向上する。
【0067】また、ダミーポスト34bをn側電極36
に対するp側電極35の反対側に設けているため、p側
電極35とn側電極36との間の距離を短縮できるの
で、動作電圧の上昇を招くことなく、リッジ部34aの
劈開時の損傷を防止できる。
【0068】以下、前記のように構成された半導体レー
ザ素子30Bの製造方法について第1の実施形態の半導
体レーザ素子10との差異のみを説明する。
【0069】まず、基板31上にエピタキシャル層を成
長させた後、共振器形成部1上にp型電極形成用の金属
膜を形成し、該金属膜をマスクとしてp型半導体層34
に対してイオンミリングによるエッチングを行なって、
リッジ部34aを形成する。次に、共振器形成部1及び
ダミーポスト形成領域をマスクして、n型半導体層32
に達するまで塩素(Cl)イオンを用いたドライエッチ
ングを行なうことにより、共振器形成部1とダミーポス
ト34bとを分離する一対の溝部2を形成する。
【0070】図4は本実施形態に係る半導体レーザ素子
が保持体にボンディングされた状態の断面構成を示して
いる。図4において、図3に示す構成部材と同一の構成
部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図4に示すように、半導体レーザ素子30Bは、その共
振器形成部側を、例えば、SiC又はBN等からなる保
持体40の主面と対向させて保持体40とボンディング
されている。
【0071】保持体40の主面上には、半導体レーザ素
子30Bのp側配線電極38及びn側配線電極39とそ
れぞれ対向する位置に第2の保持体電極としてのp側保
持体電極41及び第1の保持体電極としてのn側保持体
電極42がそれぞれ形成されている。また、互いに対向
するp側配線電極38及びp側保持体電極41並びにn
側配線電極39及びn側保持体電極42はそれぞれ電気
伝導及び熱伝導に優れる鉛スズ系の半田等からなる導電
性接合材43により接合されている。
【0072】さらに、半導体レーザ素子30Bの溝部2
には、熱伝導性に優れる絶縁体、例えばアルミナ(Al
23 )からなる充填材44が充填されている。
【0073】これにより、共振器形成部1の両側部に比
較的容積が大きい溝部2が形成されているにも関わら
ず、保持体40の主面と半導体レーザ素子30Bとが密
着するので、活性層33からの発熱を保持体40側に効
率良く伝えることができる。
【0074】このようにして得られた半導体レーザ装置
は、波長が400nm前後の短波長のレーザ光を連続的
に発振させることが可能であり、周囲温度を100℃に
した場合でも連続発振が可能である。
【0075】なお、本実施形態においては、半導体レー
ザ素子30Bの溝部2を充填する充填材44にアルミナ
を用いたが、SiN、AlN又はダイヤモンドを用いて
もよい。
【0076】また、一対の溝部2を設けることにより、
一対のダミーポスト34bを設けたが、いずれか一方で
もよい。
【0077】(第4の実施形態)以下、本発明に係る第
4の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0078】図5は本発明の第4の実施形態に係る窒化
物系半導体レーザ素子におけるレーザ光の出射方向に垂
直な方向の断面構成を示している。図5に示すように、
半導体レーザ素子50は、導電性を有する、例えば、S
iC、GaN、GaAs又はSiからなる基板51の主
面上に、n型GaN及びn型AlGaNが積層されてな
るn型半導体層52と、InGaNを含む多重量子井戸
構造を有する活性層53と、p型GaN及びp型AlG
aNが積層されてなるp型半導体層54とが順次形成さ
れた積層体としてのエピタキシャル層を有している。
【0079】p型半導体層54の上部には、互いに間隔
をおいてほぼ平行に形成されることによりレーザ光の出
射方向を規制する一対の溝部2に挟まれたリッジ部54
aが設けられ、該リッジ部54aが共振器形成部1を構
成している。また、各溝部2に対するリッジ部54aの
反対側の領域はそれぞれ広大なダミーポスト54bが形
成されている。
【0080】リッジ部54aの上面にはp型半導体層5
4と接触する、例えばNi/Auからなる第2のレーザ
電極としてのp側電極55が形成され、基板51の下面
には、例えばTi/Alからなる第1のレーザ電極とし
てのn側電極56が全面にわたって形成されている。
【0081】p型半導体層54におけるリッジ部54a
の上面を除く領域、すなわちp側電極55を除く領域
に、例えばSiO2 又はSiNからなる絶縁膜57が形
成され、基板51上のp側電極55を含む絶縁膜57の
上に全面にわたって、例えばTi/Auからなるp側配
線電極58が形成されている。
【0082】このように、本実施形態によると、基板に
絶縁性を有する基板51を用いているため、基板51の
下面にn側電極56を形成できる。これにより、電極形
成工程を簡略化できる。
【0083】さらに、p側配線電極58における溝部2
を除く領域は、p型半導体層54がエッチングされてい
ない領域上に形成されているため、p側配線電極58に
おける共振器形成部1と他の領域との基板面からの高さ
がほぼ等しくなる。従って、活性層53に対してリッジ
部54a上のp側電極55からストライプ状に電流が注
入できる上に、p型半導体層54のほぼ全面がp側配線
電極58により覆われるため、ジャンクションダウン・
ボンディングも容易となる。
【0084】また、溝部2は断面形状が比較的小さくて
済むため、劈開時のリッジ部54aの損傷を防ぐ効果は
極めて大きい。本実施形態の場合はミラー形成時の歩留
まりは95%にもなる。
【0085】また、n側電極56は基板51の下面の全
面に設けられているため、基板51の下面全体を通して
キャリアを注入できるので、動作電圧を低減できる。
【0086】また、p側電極55及びn側電極56が基
板51の両面に形成できるので、保持体(図示せず)の
主面上にはp側電極及びn側電極の両方の電極を設ける
必要がない。このため、Si又はCu等の導電性を持つ
保持体を用いることができる。SiCを基板51に用い
る場合は、基板自体の熱伝導が良いので、pn接合面
(リッジ部54a形成)側を保持体と対向させない、い
わゆるジャンクションアップ・ボンディングを行なって
も、サファイアからなる基板を用いた場合のジャンクシ
ョンダウン・ボンディングの場合よりも放熱特性に優れ
る。
【0087】また、SiCやGaNを基板51に用いる
と、エピタキシャル成長層の劈開方向と基板51の劈開
方向とが一致するため、劈開によって極めて良好な共振
器ミラー面を形成できる。
【0088】n型SiCからなる基板51上に半導体レ
ーザ素子50を形成し、ジャンクションアップ・ボンデ
ィングにより保持体にボンディングされた半導体レーザ
装置を測定した結果、動作電流が100mAのときに動
作電圧が4.7Vで周囲温度が120℃となるまで連続
発振を行なえることを確認している。
【0089】なお、本願に係る半導体レーザ素子は、窒
化物系化合物半導体レーザ素子に限らず、低抵抗化と放
熱特性の向上を図る半導体レーザ素子に適用できる。
【0090】さらに、半導体レーザ素子に限らず、半導
体層(素子形成面)とコンタクトを取る所定の電極の一
部を絶縁膜で覆ったり、又は所定の電極に配線電極を接
続したりして、発熱量が多い半導体層側を保持体と対向
させてボンディングを行なうことにより放熱特性を向上
させるという構成は、発光ダイオード等の発光素子、バ
イポーラトランジスタ又は電界効果トランジスタ等の電
子デバイスに対しても有効である。
【0091】
【発明の効果】本発明の半導体レーザ装置によると、低
抵抗化のために第1のレーザ電極及び第2のレーザ電極
との間隔を小さくした半導体レーザ素子であっても、半
導体レーザ素子の内部においては動作電流が短い距離を
流れる一方、保持体と対向する外部側は第1のレーザ電
極と第2のレーザ電極との実質的な距離が大きくなるの
で、実装位置のマージンが大きくなる。その結果、ジャ
ンクションダウン・ボンディングを確実に行なえるた
め、動作電圧の低減と放熱特性の向上とを両立でき、窒
化物系の半導体を用いた場合には、波長400nmの青
紫色半導体レーザの性能と信頼性とを向上でき、実用化
に大きく寄与する。
【0092】本発明の第1の半導体レーザ素子による
と、リッジ部の両側に該リッジ部の両端部を保護する領
域(ダミーポスト)が形成されるため、共振器ミラーを
劈開により形成する際に、リッジ部の損傷を防止できる
ので、製造時の歩留まりを高めることができる。
【0093】本発明の第2の半導体レーザ素子による
と、共振器形成部の基板面からの高さとほぼ等しい高さ
のダミーポストを備えているため、基板の劈開時に第2
の半導体層における第2のレーザ電極形成部分の損傷を
防止できるので、共振器ミラー形成時の歩留まりを向上
できる。また、ダミーポストは共振器形成部とほぼ同一
の高さを有しているため、ジャンクションダウン・ボン
ディングを行なう際に、保持体上に形成された第1のレ
ーザ電極及び第2のレーザ電極とそれぞれ対向する保持
体電極との接触がほぼ同時に行なえるので、共振器形成
部に加わる応力を小さくできる。これにより、歪による
レーザ特性への、偏光面がずれる等の悪影響を防ぐこと
ができるので、装置の信頼性が向上する。
【0094】第2の半導体レーザ素子は、絶縁性基板よ
りも熱伝導率が大きい絶縁体からなり、主面上における
第1のレーザ電極と対向する位置に第1の保持体電極を
有すると共に第2のレーザ電極と対向する位置に第2の
保持体電極を有しており、主面が絶縁性基板の主面と互
いに対向すると共に、第1のレーザ電極と第1の保持体
電極とが導電性接合材を介して接続し且つ第2のレーザ
電極と第2の保持体電極とが導電性接合材を介して接続
するように半導体レーザ素子を保持している保持体をさ
らに備えていると、ジャンクションダウン・ボンディン
グを確実に行なえる。
【0095】第2の半導体レーザ素子において、該第2
の半導体レーザ素子が保持体にボンディングされている
場合であって、溝部に、酸化アルミニウム、窒化シリコ
ン、窒化アルミニウム又はダイヤモンドからなる充填材
が充填されていると、保持体の主面と半導体レーザ素子
の素子形成面とが密着するので、活性層からの発熱を保
持体側に効率良く伝えることができる。その結果、装置
の長期信頼性を一層高めることができる。
【0096】本発明の第3の半導体レーザ素子による
と、導電性基板を用いた場合であっても、積層体に形成
された溝部の外側の領域にはそれぞれ積層体の第2の半
導体層が広がっているので、リッジ部のみが突出するこ
とがない。このため、基板の劈開時に第2の半導体層に
おける電極形成部分の損傷を防止できるので、共振器ミ
ラー形成時の歩留まりを向上できる。
【0097】第3の半導体レーザ素子において、積層体
におけるリッジ部を除く領域には溝部を含む全面にわた
って絶縁膜が形成されていると、該絶縁膜の上に配線電
極を設ければ、活性層に対してリッジ部上の電極からス
トライプ状に電流が注入できる上に、積層体の第2の半
導体層のほぼ全面が配線電極により覆われ、且つ、配線
電極におけるリッジ部と他の領域との基板面からの高さ
がほぼ等しくなるため、ジャンクションダウン・ボンデ
ィングが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る窒化物系半導体
レーザ装置を示す構成断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る窒化物系半導体
レーザ素子を示す構成断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る窒化物系半導体
レーザ素子を示す構成断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る窒化物系半導体
レーザ素子であって、保持体にボンディングされた状態
を示す構成断面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係る窒化物系半導体
レーザ素子を示す構成断面図である。
【図6】従来の窒化物系半導体レーザ素子を示す構成断
面図である。
【符号の説明】
1 共振器形成部 2 溝部 10 半導体レーザ素子 11 基板 12 n型半導体層(第1の半導体層) 13 活性層 14 p型半導体層(第2の半導体層) 14a リッジ部 15 p側電極(第2のレーザ電極) 16 n側電極(第1のレーザ電極) 17 絶縁膜 18 p側配線電極 20 保持体 21 p側保持体電極(第2の保持体電極) 22 n側保持体電極(第1の保持体電極) 23 導電性接合材 30A 半導体レーザ素子 30B 半導体レーザ素子 31 基板 32 n型半導体層(第1の半導体層) 33 活性層 34 p型半導体層(第2の半導体層) 34a リッジ部 34b ダミーポスト 35 p側電極(第2のレーザ電極) 36 n側電極(第1のレーザ電極) 37A 絶縁膜 37B 絶縁膜 37C 絶縁膜 38 p側配線電極(第2の保持体電極) 39 n側配線電極(第1の保持体電極) 40 保持体 41 p側保持体電極 42 n側保持体電極 43 導電性接合材 44 充填材 50 半導体レーザ素子 51 基板 52 n型半導体層(第1の半導体層) 53 活性層 54 p型半導体層(第2の半導体層) 54a リッジ部 54b ダミーポスト 55 p側電極(第2のレーザ電極) 56 n側電極(第1のレーザ電極) 57 絶縁膜 58 p側配線電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伴 雄三郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 上山 智 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 辻村 歩 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 石橋 明彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 長谷川 義晃 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 宮永 良子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5F073 AA13 AA74 AA84 CA07 CB05 CB19 CB22 DA05 DA24 DA32 EA28 FA15 FA22

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板の主面上に順次形成された第
    1導電型の第1の半導体層、活性層及び第2導電型の第
    2の半導体層とからなる積層体と、 前記積層体の上側部分に、前記第1の半導体層、活性層
    及び第2の半導体層を含むように形成された凸状部から
    なり、レーザ光の出射方向を規制する共振器形成部と、 前記第1の半導体層の上における前記共振器形成部の側
    方に設けられた第1のレーザ電極と、 前記共振器形成部の上部のほぼ中央部に互いに間隔をお
    いて形成され且つ出射方向に延びる一対の溝部同士の間
    に設けられたリッジ部と、 前記リッジ部の上面に設けられた第2のレーザ電極とを
    備えていることを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 第1導電型を有する導電性基板の主面上
    に順次形成された第1導電型の第1の半導体層、活性層
    及び第2導電型の第2の半導体層とからなる積層体と、 前記導電性基板の下面に設けられた第1のレーザ電極
    と、 前記積層体の上部に互いに間隔をおいて形成され且つレ
    ーザ光の出射方向に延びる一対の溝部同士の間に設けら
    れたリッジ部と、 前記リッジ部の上面に設けられた第2のレーザ電極とを
    備えていることを特徴とする半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 前記積層体の上における前記リッジ部を
    除く領域には前記溝部を含む全面にわたって絶縁膜が形
    成されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体
    レーザ素子。
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Cited By (6)

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