JP2002110093A - 蛍光ランプ - Google Patents

蛍光ランプ

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JP2002110093A
JP2002110093A JP2001225094A JP2001225094A JP2002110093A JP 2002110093 A JP2002110093 A JP 2002110093A JP 2001225094 A JP2001225094 A JP 2001225094A JP 2001225094 A JP2001225094 A JP 2001225094A JP 2002110093 A JP2002110093 A JP 2002110093A
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Japan
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bulb
fluorescent lamp
less
ultraviolet ray
ultraviolet
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JP2001225094A
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Kazuhisa Ogishi
和久 尾岸
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実質的に鉛を含まないガラスから形成された
バルブを使用した場合において、バルブ或いは紫外線低
減物質層で紫外線を低減して、紫外線による影響を有効
に低減させることができる蛍光ランプを提供する。 【解決手段】 実質的に鉛を含まないバルブ12に紫外
線を吸収する金属酸化物を含有させて、バルブ12から
発生する紫外線を金属酸化物により吸収させる。バルブ
12に含有している金属酸化物で紫外線を吸収させるこ
とにより、バルブ12内から発生する紫外線を波長30
0nm以下で40%以下に低減させることができ、点灯
時の管壁負荷が0.05W/cm以上であっても、紫
外線による影響を有効に低減させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は実質的に鉛を含まな
いガラスを使用した蛍光ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、一般用照明装置の光源として
は、例えば、白熱電球が用いられてきたが、近年、寿命
やランプ効率の点から蛍光ランプを用いることが多くな
ってきている。
【0003】図9は、代表的な電球形蛍光ランプの模式
的な垂直断面図である。図9に示すように、この電球形
蛍光ランプ100は、合成樹脂或いはガラスから形成さ
れたグローブ101、及び口金102を有し合成樹脂か
ら形成されたカバー103で外側容器を構成している。
このグローブ101内には合成樹脂で形成されたホルダ
104に支持された鞍形のバルブ105が配設されてお
り、バルブ105の内壁面には蛍光物質が塗布されてい
る。また、バルブ105には一対の電極106が配設さ
れている。この電球形蛍光ランプ100は、外部電源か
ら口金102を介して電極106に電圧を印加して、放
電させてバルブ105内の蛍光物質を発光させるように
なっている。
【0004】ところで、上記したような電球形蛍光ラン
プは、小型化することが望まれているので、バルブをU
字状に屈曲する必要がある。そのため、加工性に優れた
鉛ガラスでバルブを形成している。ガラスに含有してい
る酸化鉛にはガラスの軟化点及び融点を下げて加工性を
向上させるという効果があるからである。
【0005】ところが、鉛は有害物質であり、使用済み
蛍光ランプの廃棄による環境汚染などの問題から、近
年、鉛を含有しない無鉛ガラスでバルブを形成すること
が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鉛を含
まない無鉛ガラスでバルブを形成した場合には、鉛ガラ
スで形成した場合に比べてバルブの紫外線透過率が高く
なる傾向にある。これは鉛をガラス成分から除き、アル
カリ金属酸化物を溶融剤として使用した場合に、可視光
透過率を上げるために酸化第二鉄(Fe)の混入
比率を下げていること等の理由による。このように無鉛
ガラスでバルブを形成した蛍光ランプは紫外線透過率が
高いので、様々な問題がある。
【0007】例えば、電球形蛍光ランプの場合、バルブ
内で発生した紫外線がバルブで十分吸収或いは反射され
ずにバルブを透過するので、バルブから放射される紫外
線量が多くなり、バルブに近接している合成樹脂で形成
されたホルダが紫外線で劣化してしまうという問題があ
る。特にホルダの紫外線による劣化は、ホルダの最高温
度が100℃を超えると紫外線と温度との相乗効果によ
り急激に進行するため、小形で比較的管壁負荷の高い電
球形蛍光ランプで顕著に現れる。また、他の種類の蛍光
ランプにおいても管壁負荷が所定値以上となると、放射
される紫外線量の増加により、同種の課題を有すること
が分かった。
【0008】本発明は上記従来の問題に鑑みてなされた
ものであり、実質的に鉛を含まないガラスから形成され
たバルブを使用した場合において、紫外線による影響を
有効に低減させることができる蛍光ランプを提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決しようとする手段】請求項1の蛍光ランプ
は、実質的に鉛を含まず、酸化ナトリウムの含有量が1
0質量%以下のガラスから形成された紫外線透過率が3
00nm以下で40%以下のバルブと;バルブ内に封入
された水銀ガス及び希ガスと;バルブ内壁面上に形成さ
れた蛍光体と;バルブ内で放電を生じさせる一対の放電
電極と;を具備し、点灯時の管壁負荷が0.05W/c
以上であることを特徴とする。
【0010】本発明及び以下の各発明において、特に言
及しない限り用語の定義及び技術的意義は次のとおりと
する。
【0011】バルブは、例えばダブルU、トリプルU、
又は環状のような屈曲部を有する形状或いは直管のよう
な形状のバルブが使用可能であるが、これらに限定され
ない。実質的に鉛を含まないガラスとは、不純物程度の
鉛が含有されていても良い。
【0012】10質量%以下の酸化ナトリウムとは、酸
化ナトリウムがバルブに含有されていない場合も含まれ
るものとする。バルブに含まれる酸化ナトリウムの量を
10質量%以下と規定したのは、前記数値を上回ると、
蛍光ランプの点灯時に酸化ナトリウムのナトリウム成分
がバルブの内壁面に析出してしまい、ナトリウム成分と
水銀ガスとの反応による黒化を引き起こすからである。
このような黒化が起こると、光束が低下してしまい、十
分な明るさを維持することができない。
【0013】バルブの紫外線透過率は、バルブに蛍光体
を塗布しない素管の状態のものを意味し、バルブと同じ
肉厚のガラス片によって測定することが可能である。
【0014】バルブの紫外線透過率が300nm以下で
40%以下であると規定したのは、バルブの紫外線透過
率が波長300nm以下で40%より高くなると、バル
ブを透過する紫外線が多くなるので、例えばバルブ周辺
に配設された合成樹脂製の部材が劣化してしまい、前記
部材の寿命が短くなるという問題があるからである。
【0015】好ましくはバルブの紫外線透過率が波長3
00nm以下で10%〜40%である。バルブの紫外線
透過率が波長300nm以下で10%〜40%が好まし
いと規定したのは、バルブの紫外線透過率を低下させる
と可視光の透過率も低下してしまう傾向があるが、バル
ブの紫外線透過率が上記範囲内であれば、バルブで紫外
線を有効に低減させることができるとともに紫外線透過
率の低下による可視光の透過率の低下が少ないので十分
な明るさを維持することができるからである。
【0016】希ガスは、例えばアルゴンガスやクリプト
ンガスが好ましく、また希ガスには混合希ガスも含まれ
る。
【0017】本発明の蛍光ランプは、点灯時の管壁負荷
が0.05W/cm以上である場合に有効である。こ
こで、管壁負荷Bw(W/cm)は次式(1)で定義
される。 Bw = W/πd・Le ……(1) ただし、W:ランプ電力(W)、d:バルブの内径
(cm)、Le:放電電極間距離(cm)とする。
【0018】点灯時の管壁負荷が0.05W/cm
上であると規定したのは、点灯時の管壁負荷が上記数値
を下回ると、バルブ内部で発生する紫外線が少ないため
紫外線による影響が少ないからである。また、管壁負荷
が0.1W/cm以上である場合には、放射される紫
外線量が多くなるため特に有効である。
【0019】請求項1の蛍光ランプは、実質的に鉛を含
まず、酸化ナトリウムの含有量が10質量%以下のガラ
スから形成された紫外線透過率が300nm以下で40
%以下のバルブを具備するので、バルブで紫外線を有効
に低減させることができる。従って、実質的に鉛を含ま
ないガラスから形成されたバルブを使用した場合におい
て、点灯時の管壁負荷が0.05W/cm以上であっ
ても、紫外線による影響を有効に低減させることができ
る。
【0020】結果として、例えばバルブ周辺に配設され
た部材が合成樹脂等の紫外線の照射により劣化してしま
うものであっても、前記部材の劣化を防止することがで
きる。
【0021】ここで、合成樹脂で形成された部材が劣化
する原因の一つとしては、例えば合成樹脂は、一般に高
分子から構成されており、この高分子は紫外線に吸収特
性を持つため、紫外線を吸収して励起状態となるが、そ
の励起エネルギーを効率的に放出することができない場
合には、高分子の主鎖や側鎖の切断などが生じてしまう
からである考えられる。なお、ここでいう劣化には、例
えば亀裂、黄色或いは乳白色への変色、又は合成樹脂中
の低分子分の遊離が含まれる。
【0022】また、バルブが実質的に鉛を含まないガラ
スから形成されているので、使用済み蛍光ランプを廃棄
にする際に鉛をほぼ排出することがなく環境汚染を防止
することができる。
【0023】請求項2の蛍光ランプは、請求項1記載の
蛍光ランプであって、バルブには、紫外線低減物質がガ
ラス総質量に対して0.05質量%以上を含まれている
ことを特徴とする。
【0024】紫外線低減物質とは、紫外線(380nm
以下の波長)を吸収或いは反射する物質であり、例えば
金属酸化物や合成樹脂が挙げられる。金属酸化物として
は、例えば酸化第二鉄(Fe)、酸化セリウム
(CeO)、酸化チタン(TiO)、酸化アルミニ
ウム(Al)、及び酸化亜鉛(ZnO)からなる
群から選択される1又は2以上の金属酸化物が好まし
い。これらの金属酸化物が好ましいとしたのは、より多
くの紫外線を吸収或いは反射することができるので、実
質的に鉛を含まないガラスから形成されたバルブで紫外
線を確実に低減させることができるからである。さら
に、これらの金属酸化物の中でも酸化セリウム(CeO
)が最も好ましい。酸化セリウム(CeO)が最も
好ましいとしたのは、酸化セリウム(CeO)は紫外
線透過率が低いとともに可視光透過率が高いからであ
る。従って、酸化セリウム(CeO)を含有させた場
合には、紫外線の影響が少なく、かつ明るい蛍光ランプ
を提供することができる。
【0025】紫外線低減物質がガラス総質量に対して
0.05質量%以上を含まれていると規定したのは、紫
外線低減物質の総質量が上記数値を下回ると、有効に紫
外線を吸収或いは反射することができないからである。
【0026】請求項2の蛍光ランプは、バルブに紫外線
低減物質がガラス総質量に対して0.05質量%以上を
含まれているので、水銀原子から発生した紫外線を紫外
線低減物質で吸収或いは反射することができ、バルブの
紫外線透過率を確実に波長300nm以下で40%以下
にさせることができる。従って、紫外線による影響を確
実に低減させることができる。また、容易に製造するこ
とができる。
【0027】請求項3記載の蛍光ランプは、請求項2記
載の蛍光ランプであって、紫外線低減物質が、酸化第二
鉄(Fe)、酸化セリウム(CeO)、または
酸化第二鉄(Fe)と酸化セリウム(CeO
との混合物からなることを特徴とする。請求項3の蛍光
ランプは、紫外線低減物質が、酸化第二鉄(Fe
)、酸化セリウム(CeO)、または酸化第二
鉄(Fe)と酸化セリウム(CeO)との混合
物からなるので、バルブの紫外線透過率をより確実に波
長300nm以下で40%以下にさせることができ、紫
外線による影響をより確実に低減させることができる。
【0028】請求項4の蛍光ランプは、請求項1ないし
3のいずれか1項の蛍光ランプであって、バルブの肉厚
が0.5〜1.5mmであり、かつバルブの内径が18
mm以下であることを特徴とする。ここで、紫外線は、
バルブの肉厚が薄く、内径が小さい程、バルブを透過し
易い。請求項4の蛍光ランプは、バルブの紫外線透過率
が300nm以下で40%以下であるので、肉厚が0.
5〜1.5mmであり、かつ内径が18mm以下である
バルブを使用しても、紫外線による影響を有効に低減さ
せることができる。
【0029】請求項5の蛍光ランプは、実質的に鉛を含
まず、酸化ナトリウムの含有量が10質量%以下のガラ
スから形成されたバルブと;バルブ内に封入された水銀
ガス及び希ガスと;バルブ内壁面上に形成された蛍光体
と;バルブ内壁面上及びバルブ外壁面上の少なくともい
ずれか一方に形成された、紫外線低減物質を含む紫外線
低減物質層と;バルブ内で放電を生じさせる一対の放電
電極と;を具備し、バルブと紫外線低減層との合計の紫
外線透過率が300nm以下で40%以下であることを
特徴とする。
【0030】紫外線低減物質は、上記請求項2の蛍光ラ
ンプの説明で記載したものと同様のものを使用すること
ができる。
【0031】紫外線低減物質層は、バルブの内壁面上お
よび外壁面上の少なくともいずれか一方に形成されてい
ればよく、内壁面上のみ、外壁面上のみ、および内壁面
上と外壁面上との両方に形成してもよい。なお、内壁面
上に形成する場合であっては、内壁面と蛍光体との間に
形成する。
【0032】内壁面上および外壁面上とは、バルブに直
接的或いは間接的に接触している両方の場合が含まれ
る。
【0033】紫外線低減物質が金属酸化物である場合に
は、紫外線低減物質層は、例えば、以下のような種々の
方法で形成することができる。紫外線低減物質である金
属酸化物微粒子を溶剤に分散させた後、バルブに塗布し
て乾燥することにより形成することができる。この方法
で形成した場合には、例えば約1μmの厚さにすること
ができ、可視光透過率を高くすることができる。
【0034】金属アルコキシドを加水分解させて、焼成
することによって金属酸化物被膜の紫外線低減物質層を
形成することもできる。この方法で形成した場合には、
ナノオーダの膜厚となり、非常に薄く、かつ緻密な層を
形成することができ、可視光透過率を高くすることがで
きる。
【0035】例えばポリエチレンテレフタレートのよう
な合成樹脂に紫外線低減物質を混入した後、合成樹脂を
フィルム状にして、巻回によりバルブに被覆することに
よっても形成することもできる。
【0036】例えばポリエチレンテレフタレートのよう
な合成樹脂に紫外線低減物質を混入した後、合成樹脂を
チューブ状にして、熱収縮によりでバルブに被覆するこ
とによっても形成することができる。なお、ゾル・ゲル
法を利用しても形成することができる。
【0037】紫外線低減物質が合成樹脂である場合に
は、紫外線低減物質層は、例えば、以下のような方法で
形成することができる。合成樹脂をフィルム状にして、
巻回によりバルブに被覆することによって形成すること
ができる。
【0038】合成樹脂をチューブ状にして、熱収縮によ
りバルブに被覆することによっても形成することができ
る。このような合成樹脂としては、例えばポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプ
ロピレン、4フッ化エチレン、及びポリカーボネートか
らなる群から選択される1又は2以上の熱可塑性の合成
樹脂を使用することができる。
【0039】バルブと紫外線低減層との合計の紫外線透
過率は、バルブに蛍光体を塗布しない素管の状態のもの
に紫外線低減物質層を形成したものを意味し、バルブと
同じ肉厚のガラス片に紫外線低減物質層を形成すること
によって測定することが可能である。
【0040】本発明の場合は、バルブと紫外線低減層と
の合計の紫外線透過率が300nm以下で40%以下で
あるので、バルブの紫外線透過率を必ずしも300nm
以下で40%以下にする必要はない。
【0041】請求項5の蛍光ランプは、実質的に鉛を含
まず、酸化ナトリウムの含有量が10質量%以下のガラ
スから形成されたバルブと;バルブ内壁面上及びバルブ
外壁面上の少なくともいずれか一方に形成された、紫外
線低減物質を含む紫外線低減物質層と;を具備し、バル
ブと紫外線低減層との合計の紫外線透過率が300nm
以下で40%以下であるので、バルブ及び紫外線低減物
質層の少なくともいずれか一方で紫外線を低減させるこ
とができる。従って、実質的に鉛を含まないガラスから
形成されたバルブを使用した場合において、紫外線によ
る影響を有効に低減させることができる。
【0042】請求項6の蛍光ランプは、請求項5記載の
蛍光ランプであって、点灯時の管壁負荷が0.05W/
cm以上であることを特徴とする。また、管壁負荷が
0.1W/cm以上である場合に特に有効である。請
求項6の蛍光ランプは、バルブと紫外線低減層との合計
の紫外線透過率が300nm以下で40%以下であるの
で、点灯時の管壁負荷が0.05W/cm以上であっ
ても紫外線による影響を低減させることができる。
【0043】請求項7の蛍光ランプは、請求項1ないし
6のいずれか1項に記載の蛍光ランプであって、バルブ
が、U字状屈曲部を有することを特徴とする。
【0044】バルブが、U字状屈曲部を有するとは、一
般的に、点灯回路を内蔵し、かつエジソンベースの口金
を備えた、いわゆる電球形蛍光ランプを構成するもので
ある。電球形蛍光ランプには、いわゆるA形、G形、又
はT形の蛍光ランプ等が挙げられる。この電球形蛍光ラ
ンプには、蛍光ランプを保護するためのグローブを備え
ないものも含まれる。
【0045】請求項7の蛍光ランプは、バルブが、U字
状屈曲部を有するので蛍光ランプをコンパクトにするこ
とができる。
【0046】蛍光ランプを保護するグローブを備えない
で使用する場合であっても、バルブ内部で発生する紫外
線をバルブで低減させるので、紫外線による影響を低減
することができ、例えばバルブ周辺に配設され、かつ合
成樹脂から形成された部材の劣化を防止することができ
る。
【0047】請求項8の蛍光ランプは、請求項1ないし
7のいずれか1項の蛍光ランプであって、バルブが、合
成樹脂から形成された支持部材に支持されており、支持
部材が、支持部材に対して5質量%以上の紫外線を吸収
する金属酸化物を含有していることを特徴とする。
【0048】支持部材を形成する合成樹脂は、蛍光ラン
プの使用時における支持部材の最高温度で軟化しないよ
うな合成樹脂であり、具体的には例えば、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプ
ロピレン、4フッ化エチレン、及びポリカーボネートか
らなる群から選択される1又は2以上の熱可塑性の合成
樹脂である。
【0049】金属酸化物としては、例えば酸化第二鉄
(Fe)、酸化セリウム(CeO)、酸化チタ
ン(TiO)、酸化アルミニウム(Al)、及
び酸化亜鉛(ZnO)からなる群から選択される1又は
2以上の金属酸化物が好ましい。これらの金属酸化物が
好ましいとしたのは、より多くの紫外線を吸収すること
ができるので、合成樹脂に吸収される紫外線を低減させ
ることができ、支持部材の劣化を確実に防止することが
できるからである。
【0050】支持部材が、支持部材に対して5質量%以
上の金属酸化物を含有していると規定したのは、上記数
値を下回ると前記金属酸化物の含有量が少ないため全体
として紫外線の吸収量が減少してしまい、支持部材の劣
化を有効に防ぐことができないからである。
【0051】通常、バルブを支持する合成樹脂から形成
された支持部材は、蛍光ランプの使用時において支持部
材の最高温度が100℃を超えると紫外線と温度との相
乗効果で劣化速度が急激に上昇する。特に、電球形蛍光
ランプの場合には、バルブをU字状に屈曲させているの
で、点灯時の支持部材に照射される紫外線は多大なもの
となるとともに支持部材の最高温度が100℃を超え
る。
【0052】しかしながら、本発明では、バルブの紫外
線透過率或いはバルブと紫外線低減物質層との合計の紫
外線透過率を波長300nm以下で40%以下に低減さ
せるので、紫外線による支持部材の影響を防止すること
ができる。即ち、合成樹脂から形成された支持部材が1
00℃を超えても支持部材の劣化速度が急激に上昇する
のを防止することができる。
【0053】請求項8の蛍光ランプは、合成樹脂から形
成された支持部材に支持されており、支持部材が、支持
部材に対して5質量%以上の紫外線を吸収する金属酸化
物を含有しているので、バルブが合成樹脂から形成され
た支持部材に支持されている場合であっても、支持部材
の劣化を防止することができ、蛍光ランプの寿命を伸ば
すことができる。
【0054】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明の第1の実施の形態に係る蛍光ランプについて説明す
る。本実施の形態では、電球形蛍光ランプを用いて説明
する。
【0055】図1は、本実施の形態に係る電球形蛍光ラ
ンプを模式的に示した垂直断面図であり、図2は、同電
球形蛍光ランプを模式的に示した底面図である。図1及
び図2に示すように、本実施の形態に係る電球形蛍光ラ
ンプ1は、外側容器2を備えている。この外側容器2
は、後述する蛍光ランプ9を保護する透光性のグローブ
3と、口金4を有するカバー5とから構成されている。
【0056】グローブ3の形状は任意であるが、本実施
の形態では、白熱電球のガラス球とほぼ同一形状の滑ら
かな曲面状に形成されているとともに開口部が形成され
ているものを使用して説明する。
【0057】グローブ3は、例えばガラス或いは合成樹
脂のような透明材料或いは拡散透過性材料から形成され
ており、後述する蛍光ランプ9内から放射される光の配
光或いは光色を変えることもできるようになっている。
【0058】カバー5は、中空円錐状の筒状部6と、こ
の筒上部6の上端に設けられた小径円筒部7とが一体的
に形成されて構成されている。このカバー5の筒状部6
下端とグローブ3の開口部付近の縁部とは、例えばシリ
コーン系の熱硬化性接着剤8で固定されている。
【0059】カバー5は、例えばポリエチレンテレフタ
レート(PET)又はポリブチレンテレフタレート(P
BT)のような耐熱性に優れた合成樹脂から形成されて
いる。
【0060】カバー5の小径円筒部7には、例えば黄銅
やアルミニウムのような導電性材料から形成された口金
4が接着剤或いはかしめなどで固定されており、この口
金4を介して図示しない外部電源から後述する点灯回路
10に電力を供給し、後述する一対のフィラメント電極
24間に電圧を印加できるようになっている。
【0061】口金4としては、例えばエジソンタイプの
E26型のようなねじ込み型の口金を使用することがで
きる。
【0062】グローブ3とカバー5とから構成された外
側容器2の内部には、3本のU字状に屈曲形成された蛍
光ランプ9と、蛍光ランプ9を点灯させるための点灯回
路10と、蛍光ランプ9及び点灯回路10を支持する支
持部材としてのホルダ11とが配設されている。蛍光ラ
ンプ9はホルダ11にシリコーン接着剤等によって固着
され、カバー5に間接的に支持される。
【0063】点灯回路10は、交流高周波電力を発生す
るインバータ回路等からなり、具体的には例えば、略円
板状の回路基板の両面に電解コンデンサ、トランジスタ
のような複数の電子部品を配設して形成される。点灯回
路10は、ホルダ11により支持されることにより、カ
バー5内部に収容されている。
【0064】ホルダ11は、底部を有する円筒状に形成
されており、底部にはU字状に屈曲形成された蛍光ラン
プ9の端部を挿入して略垂直に支持するため開口部が形
成されており、この開口部近傍にシリコーン接着剤が蛍
光ランプ9の固着のために塗布されている。ホルダ11
は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリプロピレン、4フッ化エチレン、
及びポリカーボネートからなる群から選択される1又は
2以上の使用時の最高温度(例えば約100〜120
℃)で軟化しないような熱可塑性の合成樹脂から形成さ
れている。このホルダ11を合成樹脂で形成することに
より、容易に製造することができるとともにコストを抑
えて製造することができる。
【0065】ホルダ11を形成する合成樹脂には、ホル
ダ11に対して5質量%以上の金属酸化物が含有されて
いる。この金属酸化物としては、例えば酸化第二鉄(F
)、酸化セリウム(CeO)、酸化チタン
(TiO)、酸化アルミニウム(Al)、及び
酸化亜鉛(ZnO)からなる群から選択される1又は2
以上の金属酸化物がより好ましい。
【0066】ホルダ11には、爪部及び段部が形成され
ており、段部上に点灯回路10を載置して爪部で押える
ことより点灯回路10を支持することができるようにな
っている。
【0067】ホルダ11の側面には、グローブ3とカバ
ー5とを固定しているシリコーン系の熱硬化性接着剤が
接触しており、グローブ3とカバー5とから構成される
外側容器2にホルダ11を固定するようになっている。
【0068】次に本実施の形態に係る蛍光ランプ9につ
いて説明する。蛍光ランプ9は、3本のU字状に屈曲形
成されたバルブ12(12a、12b、12c)を備え
ている。バルブ12は、隣接する2箇所に形成された連
通管13によって、互いに連通されている。この連通に
より1本の放電路が形成される。ここで、本実施の形態
に係るU字状に屈曲形成されたバルブ12は、酸化鉛を
実質上含有していないガラスを使用している。
【0069】図3は、本実施の形態に係る電球形蛍光ラ
ンプ1の蛍光ランプ9内部を模式的に示した垂直断面図
である。図3に示すように、バルブ12は透光性のある
ガラスで形成されており、このバルブ12には、紫外線
を低減させる紫外線低減物質としての紫外線を吸収する
金属酸化物が例えばガラス総質量に対して0.05質量
%以上含有されている。この金属酸化物としては、例え
ば酸化第二鉄(Fe)、酸化セリウム(Ce
)、酸化チタン(TiO)、酸化アルミニウム
(Al)、及び酸化亜鉛(ZnO)からなる群か
ら選択される1又は2以上の金属酸化物が好ましい。ま
た、これらの中でも例えば酸化第二鉄(Fe)、
酸化セリウム(CeO)、或いは酸化第二鉄(Fe
)と酸化セリウム(CeO)との混合物がより好
ましい。
【0070】また、バルブ12には、例えばガラス総質
量に対して10質量%以下の酸化ナトリウムが含有され
ている。
【0071】さらに、バルブ12には、例えばガラス総
質量に対して0.05質量%以下の酸化アンチモン(S
)が含有されていることが好ましい。ここで、
0.05質量%以下の酸化アンチモンとは、バルブ12
のガラスに酸化アンチモンが含有されていない場合も含
まれるものとする。酸化アンチモンの含有量を上記数値
以下としたのは、酸化アンチモンを使用して清澄方法で
形成されたバルブは、明るさを増大させることができる
が、酸化アンチモンは有害物質であるため環境汚染の原
因になるからである。従って、酸化アンチモンの含有量
をバルブ12のガラス総質量に対して0.05質量%以
下にすることにより環境汚染を防止することができる。
【0072】バルブ12の肉厚及び内径は、例えば通常
のバルブと同じ或いはそれ以下の肉厚及び内径とするこ
とができる。具体的には、バルブ12の肉厚を0.5〜
1.5mm、内径を18mm以下とすることができる。
【0073】このようなバルブ12は、例えば金属酸化
物や酸化ナトリウムのような原料を所定の組成で配合す
るとともに十分加熱して溶解した後、徐冷或いは急冷さ
れて形成される。なお、バルブ12を形成する際のガラ
スの軟化温度は660〜680℃である。軟化温度が6
60〜680℃になることより、小型かつ屈曲型のバル
ブを形成することが容易になる。
【0074】バルブ12内には、水銀ガス、及びアルゴ
ンやクリプトンのような希ガスが封入されており、後述
するフィラメント電極24の放電により水銀ガス及び希
ガスが励起或いは電離するようになっている。
【0075】バルブ12の内壁面には、例えば440〜
460nm、540〜560nm、及び600〜620
nmの波長領域に発光ピーク波長を有する希土類元素で
付活された3種類の蛍光体21が形成されており、励起
した水銀ガスから発生する紫外線により可視光及び紫外
線を発生するようになっている。
【0076】バルブ12の少なくとも一方の端部には細
管22が形成されており、細管22内にはアマルガム2
3が封入されている。この細管22にアマルガム23を
封入することにより、水銀の蒸気圧を制御することがで
き、温度上昇による明るさの低下を防ぐことができる。
【0077】3本のバルブ12を連結した蛍光ランプ9
の一対の端部には、放電を生じさせるフィラメント電極
24がそれぞれ配設されている。この一対のフィラメン
ト電極24のフィラメントコイルには、例えば酸化バリ
ウム、酸化カルシウム、及び酸化ストロンチウムのよう
な電子放射性物質が塗布されており、フィラメント電極
24を予熱或いはフィラメント電極24間に電圧を印加
することによりフィラメントコイルの電子放射性物質か
ら熱電子が放射するようになっている。
【0078】フィラメント電極24を支持する一対のイ
ンナーウエルズ25には、補助アマルガム26が設けら
れている。この補助アマルガム26に含有されている水
銀を点灯直後に放出することにより点灯直後の光束を急
激に立ち上げることができ、光束を速く安定させること
ができる。
【0079】なお、電球形蛍光ランプ1は、12Wの消
費電力で点灯するように構成されており、このとき蛍光
ランプ9に入力される電力は約10Wであり、管壁負荷
は0.1W/cmである。
【0080】次に本実施の形態に係る電球形蛍光ランプ
1の点灯動作及び紫外線に対するバルブ12の作用につ
いて説明する。本実施の形態に係る電球形蛍光ランプ1
を点灯させるには、まず、図示しない外部電源から口金
4を介して点灯回路10に電力を供給する。この点灯回
路10に電力が入力されると、フィラメント電極24が
それぞれ予熱されるとともに一対のフィラメント電極2
4間に電圧が印可される。そして、フィラメント電極2
4が加熱されると、フィラメントコイルの電子放射性物
質から熱電子が放射される。この熱電子は、加速及び移
動して水銀原子や希ガスに衝突して放電し、水銀原子を
励起させる。励起した水銀原子は、主に253.7nm
及び185nmの紫外線を放射して、バルブ12内壁面
に形成された蛍光体21を励起させる。この励起した蛍
光体21から可視光が発生して電球形蛍光ランプ1が点
灯する。
【0081】本実施の形態に係る電球形蛍光ランプ1
は、0.05W/cm以上の高い管壁負荷条件で点灯
し、水銀原子から多くの紫外線が発生するが、本実施の
形態に係る電球形蛍光ランプ1では、紫外線を吸収する
金属酸化物を含有させたバルブ12を使用しているの
で、水銀原子から発生した多くの紫外線をバルブ12に
含有している金属酸化物で吸収させて蛍光ランプ9の紫
外線放射量を有効に低減させることができる。
【0082】具体的には、バルブ12に紫外線を吸収す
る金属酸化物をバルブ12のガラス総質量に対して、例
えば0.05〜3.0質量%含有させることにより、バ
ルブ12の紫外線透過率を300nm以下で40%以下
に低減させることができる。
【0083】また、金属酸化物の含有量を調節すること
により、バルブ12の紫外線透過率を300nm以下で
10〜40%することもできる。
【0084】このように、本実施の形態に係る電球形蛍
光ランプ1では、バルブ12に紫外線を吸収する金属酸
化物をバルブ12のガラス総質量に対して、例えば0.
05質量%以上含有させることにより、実質的に鉛を含
まないガラスから形成されたバルブ12で紫外線を有効
に低減することができる。その結果、点灯時の管壁負荷
が0.05W/cm以上であっても、合成樹脂から形
成され、かつ蛍光ランプ9周辺に配設された例えばホル
ダ11のような部材の紫外線による影響を低減すること
ができる。
【0085】バルブ12は、酸化ナトリウムの含有率が
10質量%以下であるので、黒化(いわゆるultra
violetray solarization)を抑
制することができ、十分な明るさを維持することができ
る。
【0086】バルブ12が実質的に鉛を含まないガラス
から形成されているので、使用済み電球形蛍光ランプ1
を廃棄にする際に鉛を排出することがなく環境汚染を防
止することができる。
【0087】紫外線低減物質として金属酸化物をバルブ
12に含有させているので、より確実に紫外線を低減で
きるとともに容易に製造することができる。
【0088】電球形蛍光ランプ1を使用しているが、バ
ルブ12に紫外線低減物質としての金属酸化物、及びバ
ルブ12に近接している合成樹脂から形成されたホルダ
11に金属酸化物を含有させているので、ホルダ11が
100℃を超えてもホルダ11の劣化速度が急激に上昇
することがない。
【0089】(実施例)以下、実施例について説明す
る。本実施例では、第1の実施の形態に係る電球形蛍光
ランプ1に使用したバルブ12と同形状で蛍光体が形成
されていないバルブの波長に対する透過特性を測定し
た。
【0090】表1は、第1の実施の形態に係る電球形蛍
光ランプ1に使用したバルブ12の組成を例示したもの
である。
【表1】 本実施例に係るバルブは、組成が表1のサンプルAに従
っているものを使用した。即ち、紫外線低減物質として
0.05〜0.3質量%の酸化第二鉄(Fe)、
及び10質量%以下の酸化ナトリウム(NaO)を含
有し、かつ実質的に酸化鉛を含まないバルブを使用し
た。
【0091】また、本実施例では、バルブの内径が約
0.9cm、放電電極間距離が35.0cm、ランプ電
力が10W(点灯回路を含めた合計の電力が12W)で
ある蛍光ランプを使用した。即ち、点灯時の管壁負荷が
約0.1W/cmになる蛍光ランプを使用した。
【0092】本実施例に係るバルブと比較するために比
較例1として実質的に酸化鉛を含まないバルブ及び比較
例2として酸化鉛を含有したバルブについても波長に対
するバルブの透過特性を測定した。
【0093】また、比較例1の酸化鉛を実質的に含有し
ていないバルブにもガラス総質量に対して10質量%以
下の酸化ナトリウムを含有させた。
【0094】図4は、本実施例並びに比較例1及び2に
係るバルブの波長に対する透過特性を示したグラフであ
る。図4に示すように、本実施例に係るバルブは、紫外
線透過率が300nmで約30%であったのに対し、比
較例1に係る酸化鉛を実質的に含有していないバルブ
は、紫外線透過率が300nmで約48%であった。
【0095】また、可視領域では、本実施例に係るバル
ブ及び比較例1に係る紫外線低減物質を含有していない
無鉛ガラスのバルブは、両方とも透過率が約90〜92
%であったのに対し、比較例2に係る酸化鉛を含有した
鉛ガラスのバルブは、透過率が約88〜90%であっ
た。
【0096】従って、紫外線低減物質として酸化第二鉄
(Fe)をバルブにガラス総質量に対して0.0
5〜0.3質量%含有させた場合には、バルブの紫外線
透過率を300nm以下で40%以下に低減させること
ができるとともに可視領域の透過率が非常に高いという
ことが確認された。
【0097】結果として、例えば合成樹脂から形成さ
れ、かつバルブ周辺に配設された部材の劣化を有効に防
ぐことができるとともに十分な明るさを維持することが
できることが確認された。
【0098】(第2の実施の形態)以下、本発明の第2
の実施の形態について説明する。なお、以下本実施の形
態以降の実施の形態のうち先行する実施の形態と重複す
る内容については説明を省略する。
【0099】本実施の形態では、バルブ内壁面と蛍光体
との間に金属酸化物層を形成する構成とした。ここで、
本実施の形態に係るバルブは、紫外線低減物質としての
金属酸化物を含有していなく、かつ紫外線透過率が30
0nm以下で40%以上のものである。
【0100】図5は、本実施の形態に係る電球形蛍光ラ
ンプ1のバルブを拡大して模式的に示した垂直断面図で
ある。図5に示すように、バルブ30内壁面と蛍光体2
1との間には、紫外線低減物質層としての例えば紫外線
を吸収する金属酸化物層31が例えば約1μmの厚さで
形成されている。
【0101】この金属酸化物層31に使用する金属酸化
物としては、第1の実施の形態の金属酸化物と同様の金
属酸化物が好ましい。金属酸化物層31は、例えば上記
のような金属酸化物を溶剤に分散させた後、バルブ30
の内壁面に塗布して、乾燥することにより形成される。
【0102】このように、本実施の形態に係る電球形蛍
光ランプ1では、バルブ30内壁面と蛍光体21との間
に紫外線を吸収する金属酸化物層31を形成しているの
で、バルブ30と金属酸化物層31との合計の紫外線透
過率を300nm以下で40%以下にすることができ
る。従って、実質的に鉛を含まないガラスから形成され
たバルブ30を使用した場合において、紫外線による影
響を有効に低減させることができる。
【0103】上記のような方法で、金属酸化物層31を
形成しているので、約1μmの厚さの金属酸化物層31
を形成することができ、可視光透過率を高くすることが
できる。
【0104】バルブ30を所定の形状に形成した後でも
紫外線透過率を300nm以下で40%以下に低減させ
ることができる。
【0105】(第3の実施の形態)以下、本発明の第3
の実施の形態について説明する。本実施の形態では、バ
ルブ外壁面上に合成樹脂から形成されたフィルムを被覆
する構成とした。ここで、本実施の形態に係るバルブ
は、紫外線低減物質としての金属酸化物を含有していな
く、かつ紫外線透過率が300nm以下で40%以上の
ものである。
【0106】図6は、本実施の形態に係る電球形蛍光ラ
ンプ1のバルブを拡大して模式的に示した垂直断面図で
ある。図6に示すように、バルブ40外壁面には、紫外
線低減物質としての合成樹脂で形成した例えば約1μm
の厚さでフィルム41が被覆されている。
【0107】ここで、合成樹脂は、紫外線を吸収する性
質を有しているので、バルブ40外壁面に合成樹脂から
形成されたフィルム41を被覆することによりフィルム
41で紫外線を吸収することができる。
【0108】本実施の形態に係る合成樹脂のフィルム4
1は、例えば押出成形のような一般的な方法で形成さ
れ、巻回によりバルブ40に被覆をしている。フィルム
41には、上記第1の実施の形態の金属酸化物と同様の
金属酸化物を含有させることが好ましい。合成樹脂から
形成されたフィルム41に金属酸化物を含有させること
で、バルブ40内から発する紫外線をより低減すること
ができる。
【0109】このように、本実施の形態に係る電球形蛍
光ランプ1では、バルブ40外壁面に合成樹脂から形成
されたフィルム41を被覆しているので、バルブ40と
フィルム41との合計の紫外線透過率を300nm以下
で40%以下にすることができる。従って、実質的に鉛
を含まないガラスから形成されたバルブ40を使用した
場合において、紫外線による影響を有効に低減させるこ
とができる。
【0110】バルブ40外壁面にフィルム41を被覆し
ているので、バルブ40を所定の形状に形成した後で
も、紫外線透過率を300nm以下で40%以下に低減
させることができるとともにコストの低減を図ることが
できる。バルブ40外壁面にフィルム41を被覆してい
るので、使用中の電球形蛍光ランプ1であっても、フィ
ルム41をバルブ40外壁面上に被覆することができ
る。
【0111】(第4の実施の形態)以下、本発明の第4
の実施の形態について説明する。本実施の形態では、バ
ルブ外壁面上に金属酸化物を含有した合成樹脂のチュー
ブを被覆する構成とした。ここで、本実施の形態に係る
バルブは、紫外線低減物質としての金属酸化物を含有し
ていなく、かつ紫外線透過率が300nm以下で40%
以上のものである。
【0112】図7は、本実施の形態に係る電球形蛍光ラ
ンプ1のバルブを拡大して模式的に示した垂直断面図で
ある。図7に示すように、バルブ50外壁面には、合成
樹脂で形成した例えば約1μmの厚さでチューブ51が
被覆されている。このチューブ51には、第1の実施の
形態の金属酸化物と同様の金属酸化物が含有されてい
る。本実施の形態に係る合成樹脂のチューブ51は、熱
収縮によりバルブ50を被覆している。
【0113】このように、本実施の形態に係る電球形蛍
光ランプ1では、バルブ50外壁面に金属酸化物を含有
した合成樹脂のチューブ51を被覆しているので、確実
にバルブ50とチューブ51との合計の紫外線透過率を
300nm以下で40%以下にすることができる。従っ
て、実質的に鉛を含まないガラスから形成されたバルブ
50を使用した場合において、紫外線による影響を有効
に低減させることができる。
【0114】熱収縮によりバルブ50を被覆しているの
で、チューブ51をバルブ50に密着させて被覆するこ
とができる。
【0115】なお、本発明は上記第1〜第3の実施の形
態の記載内容に限定されるものではなく、構造や材質、
各部材の配置等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適
宜変更可能である。
【0116】第1〜第4の実施の形態では、電球形蛍光
ランプ1に蛍光ランプ9を保護するグローブ3を配設し
て説明しているが、変形例に係る電球形蛍光ランプを模
式的に示した垂直断面図である図8のようにグローブ3
を外して使用することも可能である。この場合、バルブ
12に紫外線低減物質を含有、バルブ30内壁面上又は
バルブ40、50外壁面上に紫外線低減物質の層を形成
しているので、グローブ3を外して使用する場合であっ
ても、例えば合成樹脂から形成され、かつバルブ12、
30、40、50周辺に配設された部材の劣化を防止す
ることができる。
【0117】第1〜第4の実施の形態では、金属酸化物
をバルブ12に含有させた場合のみ、バルブ30内壁面
と蛍光体21と間に金属酸化物層31を設けた場合の
み、又はバルブ40外壁面にフィルム41、チューブ5
1を設けた場合のみについて説明したが、これらを組合
せることも可能である。
【0118】第1〜第4の実施の形態では、ホルダ11
に金属酸化物を含有させているが、含有させなくともよ
い。
【0119】第1〜第4の実施の形態では、電球形蛍光
ランプ1を使用して説明しているが、紫外線が発生する
蛍光ランプであればその他のものを使用することも可能
である。
【0120】第2の実施の形態では、バルブ30内外壁
面に金属酸化物層31を設けて説明しているが、バルブ
30外壁面上に金属酸化物層を設けることも可能であ
る。
【0121】第3及び第4の実施の形態では、合成樹脂
でフィルム41、チューブ51を形成しているが、バル
ブ40、50外壁面に合成樹脂を塗布して合成樹脂層を
形成することも可能である。
【0122】
【発明の効果】以上、詳説したように、請求項1の蛍光
ランプによれば、実質的に鉛を含まないガラスから形成
されたバルブを使用した場合において、バルブで紫外線
を低減して、紫外線による影響を有効に低減させること
ができる。
【0123】請求項2の蛍光ランプによれば、バルブの
紫外線透過率を確実に波長300nm以下で40%以下
にさせることができ、紫外線による影響を確実に低減さ
せることができる。また、容易に製造することができ
る。
【0124】請求項3の蛍光ランプによれば、バルブの
紫外線透過率をより確実に波長300nm以下で40%
以下にさせることができ、紫外線による影響をより確実
に低減させることができる。
【0125】請求項4の蛍光ランプによれば、肉厚が
0.5〜1.5mmであり、かつ内径が18mm以下で
あるバルブを使用しても、紫外線による影響を有効に低
減させることができる。
【0126】請求項5の蛍光ランプによれば、実質的に
鉛を含まないガラスから形成されたバルブを使用した場
合において、バルブおよび紫外線低減物質層の少なくと
もいずれか一方で紫外線を低減して、紫外線による影響
を有効に低減させることができる。
【0127】請求項6の蛍光ランプによれば、点灯時の
管壁負荷が0.05W/cm以上であっても、紫外線
による影響を低減させることができる。
【0128】請求項7の蛍光ランプによれば、蛍光ラン
プをコンパクトにすることができる。
【0129】請求項8の蛍光ランプによれば、バルブが
合成樹脂から形成された支持部材に支持されている場合
であっても、支持部材の劣化を防止することができ、蛍
光ランプの寿命を伸ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る電球形蛍光ランプを模
式的に示した垂直断面図である。
【図2】第1の実施の形態に係る電球形蛍光ランプを模
式的に示した底面図である。
【図3】第1の実施の形態に係る電球形蛍光ランプのバ
ルブ内部を模式的に示した垂直断面図である。
【図4】実施例及び比較例に係るバルブの波長に対する
バルブの透過特性を示したグラフである。
【図5】第2の実施の形態に係る電球形蛍光ランプのバ
ルブを拡大して模式的に示した垂直断面図である。
【図6】第3の実施の形態に係る電球形蛍光ランプのバ
ルブを拡大して模式的に示した垂直断面図である。
【図7】第4の実施の形態に係る電球形蛍光ランプのバ
ルブを拡大して模式的に示した垂直断面図である。
【図8】変形例に係る電球形蛍光ランプを模式的に示し
た垂直断面図である。
【図9】従来の代表的な電球形蛍光ランプの模式的な垂
直断面図である。
【符号の説明】
1…電球形蛍光ランプ 11…ホルダ 12、30、40、50…バルブ 21…蛍光体 24…フィラメント電極 31…金属酸化物層 41…フィルム 51…チューブ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に鉛を含まず、酸化ナトリウムの
    含有量が10質量%以下のガラスから形成された紫外線
    透過率が300nm以下で40%以下のバルブと;前記
    バルブ内に封入された水銀ガス及び希ガスと;前記バル
    ブ内壁面上に形成された蛍光体と;前記バルブ内で放電
    を生じさせる一対の放電電極と;を具備し、点灯時の管
    壁負荷が0.05W/cm以上であることを特徴とす
    る蛍光ランプ。
  2. 【請求項2】 前記バルブには、紫外線低減物質がガラ
    ス総質量に対して0.05質量%以上を含まれているこ
    とを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ。
  3. 【請求項3】 前記紫外線低減物質が、酸化第ニ鉄、酸
    化セリウム、または酸化第二鉄と酸化セリウムとの混合
    物からなることを特徴とする請求項2記載の蛍光ラン
    プ。
  4. 【請求項4】 前記バルブは、肉厚が0.5〜1.5m
    mであり、かつ内径が18mm以下であることを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれか1項の蛍光ランプ。
  5. 【請求項5】 実質的に鉛を含まず、酸化ナトリウムの
    含有量が10質量%以下のガラスから形成されたバルブ
    と;前記バルブ内に封入された水銀ガス及び希ガスと;
    前記バルブ内壁面上に形成された蛍光体と;前記バルブ
    内壁面上及び前記バルブ外壁面上の少なくともいずれか
    一方に形成された、紫外線低減物質を含む紫外線低減物
    質層と;前記バルブ内で放電を生じさせる一対の放電電
    極と;を具備し、前記バルブと前記紫外線低減物質層と
    の合計の紫外線透過率が300nm以下で40%以下で
    あることを特徴とする蛍光ランプ。
  6. 【請求項6】 点灯時の管壁負荷が0.05W/cm
    以上であることを特徴とする請求項5記載の蛍光ラン
    プ。
  7. 【請求項7】 前記バルブが、U字状屈曲部を有するこ
    とを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項の蛍光
    ランプ。
  8. 【請求項8】 前記バルブが、合成樹脂から形成された
    支持部材に支持されており、前記支持部材が、前記支持
    部材に対して5質量%以上の紫外線を吸収する金属酸化
    物を含有していることを特徴とする請求項1ないし7の
    いずれか1項の蛍光ランプ。
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