JP2002104974A - ハイドロゲル損傷皮膚治療剤 - Google Patents

ハイドロゲル損傷皮膚治療剤

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JP2002104974A JP2000299914A JP2000299914A JP2002104974A JP 2002104974 A JP2002104974 A JP 2002104974A JP 2000299914 A JP2000299914 A JP 2000299914A JP 2000299914 A JP2000299914 A JP 2000299914A JP 2002104974 A JP2002104974 A JP 2002104974A
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Yasuhiko Aramomi
康彦 新籾
Yasushige Kawahara
康慈 川原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取り扱いが容易で、看護に当たる者の労力及
び患者の苦痛が軽く、更に殺菌剤を安定に含むことによ
って損傷皮膚に対して優れた治療効果を有する創傷皮膚
治療剤を提供する。 【解決手段】 ポビドンヨードを含有する、ネイティブ
ジェランガムを基材とするハイドロゲル損傷皮膚治療
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は褥瘡、皮膚潰瘍など
損傷皮膚の治療を目的としたハイドロゲル損傷皮膚治療
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】創傷の治療を行う際、従来は創傷面を乾
燥させることに重点を置いた治療が行われてきた。とこ
ろが近年、創傷面を湿潤状態にすることにより治癒が促
進されることが見出され、「ウェットヒーリング」とし
て広く認知されるようになり、これを利用した創傷治療
材が種々開発されている。比較的早期に開発されたハイ
ドロコロイド創傷被覆材は、疎水性基材に親水性コロイ
ドを分散させ、コロイドが滲出液を吸収することにより
適度な湿潤状態を維持するよう設計されている。しか
し、滲出液を吸収することによって溶解したコロイドが
創傷面に残留するために創傷被覆材を交換する際の除去
に手間がかかり、医療現場では問題とされてきた。ま
た、溶解したコロイドの固着により創傷面を再度傷つけ
てしまうこともある。その後登場したハイドロゲル被覆
材は、滲出液を吸収しても溶解せず、自らの水分と吸収
した滲出液により、創傷の治癒に適した湿潤状態を維持
し、創傷への固着も非常に少ない取り扱いの簡便な優れ
た被覆材である。しかしながらいずれの被覆材も、感染
創に用いた場合に細菌増殖の温床となる恐れがあり、感
染創への適用は禁忌である。このため、このハイドロゲ
ル創傷被覆材に、スルファジアジン銀やポビドンヨード
のような殺菌剤を添加したハイドロゲル製剤を、感染症
のコントロールに用いることが提案されている。しか
し、一般的な水溶性ポリマーからハイドロゲルを形成す
るためには、架橋剤の添加、電離放射線の照射などが必
要であり、いずれによっても殺菌剤との反応による変色
や殺菌剤の分解による含量低下が起きることが報告され
ている。
【0003】一方、1981年にKnutsonらが、白糖と
ポビドンヨードを混合した薬剤を創傷、火傷及び潰瘍に
適用し、優れた皮膚修復効果が得られたことを報告して
以来、同様の臨床効果が数多く報告されている。この配
合剤の治癒効果は、ポビドンヨードによる創面の消毒と
白糖の高浸透圧による浮腫軽減により創の状態が改善さ
れ、その結果、肉芽増殖が促されるためとされている。
【0004】ところが上記薬剤は、室温で長期間保存す
ると二層に分離したり、水飴状になったりすると共に、
有効成分が分解して薬効が低下する。そのため長期間の
保存ができず、用時調製が必須であった。そこでしかる
べき欠点を解消するための研究が行われ、緩衝剤を更に
配合することにより用時調製の欠点を解消した、白糖−
ポビドンヨードを主成分とする長期間安定な褥瘡治療軟
膏が開発、市販され、すでに医療現場で広く使用されて
いる(特公平1−32210号)。
【0005】しかし、この褥瘡治療軟膏は、適用時、ガ
ーゼなどの支持体に展延、載置する必要がある上、軟膏
の粘性が高いため、支持体上に均一に展延、載置するの
が困難であり、看護、特に在宅看護に当たる者への負担
は大きい。加えて患部からの滲出し液を吸収してどろど
ろに軟化し、更にはこれが乾燥し患部に癒着し、軟膏の
取替えの際の患者の苦痛も無視できないものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで上記のような理
由から、取り扱いが容易で、看護に当たる者の労力及び
患者の苦痛が軽く、更に殺菌剤を安定に含むことによっ
て感染創に対して優れた治療効果を有する創傷皮膚治療
剤が所望されていた。
【0007】本発明者は、種々の水溶性高分子について
検討を行い、ポビドンヨードを安定に保持し、かつ創傷
治癒を促進するハイドロゲルの原料となる物質としてネ
イティブジェランガムを見出した。ネイティブジェラン
ガムは、水草から採取された微生物であるシュードモナ
ス・エロデア(Pseudomonas elodea)が、コーンシロッ
プなどを栄養源として産生し、菌体外に分泌する多糖類
であり、グルコース2分子、グルクロン酸1分子及びラ
ムノース1分子を構成単位とする多糖類(分子量60〜
70万)であるジェランガム(特開昭55−79397
号)の脱アシル処理前の前駆体であって、下記の構造を
有する。
【0008】
【化1】
【0009】このネイティブジェランガムは、耐酸性、
耐熱性、耐塩性に優れており、糖類と混合することで、
より強靱で弾力に富んだゲルを形成する安全性の高い多
糖類である。今回、このネイティブジェランガムを基材
として調製されたポビドンヨード含有ハイドロゲルが、
創傷被覆材に要求される強度を有すると共に、ポビドン
ヨードを安定に保持し、創傷に適用されると生体にとっ
て安全な濃度でヨードを徐々に放出することにより、優
れた殺菌効果と優れた創傷治癒促進効果を示すことを発
見して、本発明を完成するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ポビ
ドンヨードを含有する、ネイティブジェランガムを基材
とするハイドロゲル損傷皮膚治療剤に関する。本発明の
ハイドロゲル損傷皮膚治療剤は、創傷被覆材に要求され
る強度を有すると共に、ポビドンヨードを安定に保持
し、生体にとって安全な濃度でヨードを徐々に放出する
ことにより、優れた殺菌効果と優れた創傷治癒促進効果
を示し、更に取り扱いが極めて容易で、かつ長期間安定
なハイドロゲル損傷皮膚治療剤である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のハイドロゲル損傷皮膚治
療剤に配合されるネイティブジェランガムは、上述した
ように、シュードモナス・エロデアが産生して、菌体外
に分泌する多糖類であり、当該分野で公知の方法で得ら
れたものを用いることができる。その製法としては、具
体的には、上記の菌又はそれと同等の菌株を、グルコー
ス3%、KH4NO3 0.05%、MgSO4・7H2
0.01%、NH4NO3 0.09%、及び窒素分と
して有機成分を少量含む液体培地中、好気的条件下、約
30℃で約50時間培養することによって得られた培養
物から菌体表面に生産された粘性物質を脱アシル処理す
ることなくそのまま単離回収することによって得る方法
を挙げることができる。ただし、ネイティブジェランガ
ムは、産生する微生物や精製条件によってもその構造は
微妙に変わりうるため、本発明で用いられるネイティブ
ジェランガムは、上記の方法などによりシュードモナス
・エロデアが産生するネイティブジェランガムの性質を
有するものであればよい。またネイティブジェランガム
は、大日本製薬株式会社からケルコゲル(登録商標)L
T100の商品名で市販されている。
【0012】本発明のハイドロゲル損傷皮膚治療剤は、
上記のネイティブジェランガムを基材として、更にポビ
ドンヨードを含有する、水を分散媒とする水性ゲルであ
る損傷皮膚治療剤である。本発明のハイドロゲル損傷皮
膚治療剤に含有されるネイティブジェランガムの配合量
は、創傷被覆材として要求される強度、ポリマーの溶解
性、均一なゲルを得ることなどを考慮すると、治療剤の
総重量に対して、好ましくは約1〜10重量%(以下単
に%で示す)、より好ましくは約1〜5%である。
【0013】本発明のハイドロゲル損傷皮膚治療剤に含
有されるポビドンヨードの配合量は、殺菌力を考慮する
と、治療剤の総重量に対して、好ましくは約0.5%〜
10%である。
【0014】本発明のハイドロゲル損傷皮膚治療剤に
は、組成物の安定性を高めるために、緩衝剤を更に配合
するのが望ましい。緩衝剤としては、乳酸系、リン酸
系、クエン酸系、酒石酸系などが挙げられるが、これら
に限定されるものではない。ネイティブジェランガム及
びヨウ素の安定性を考慮すると、これらの緩衝剤を適宜
用いて、本発明のハイドロゲル損傷皮膚治療剤を、pH
3〜5に調整するのが望ましい。
【0015】本発明のハイドロゲル損傷皮膚治療剤に
は、保湿剤として糖アルコール又は多価アルコールから
選択されるアルコールを更に配合することができる。保
湿剤である糖アルコール又は多価アルコールとしては、
例えばエリスリトール、キシリトール、ソルビトール、
還元乳糖、還元麦芽糖、イノシトール、クエルシトー
ル、グリセリン、ジグリセリン、ブチレングリコール、
プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどが
挙げられる。保湿剤としての機能、ネイティブジェラン
ガムの安定性、ポリマーの溶解性、及び均一なゲルを得
ることを考慮すると、配合量は、本発明の治療剤の総重
量に対して、好ましくは約5〜40%、より好ましくは
約10〜30%である。
【0016】本発明のハイドロゲル損傷皮膚治療剤に
は、ヨウ素の安定性を高めるために、更に可溶化剤を配
合することができる。例えばヨウ化カリウム、ヨウ化ナ
トリウム、ヨウ化アンモニウムなどのヨウ化物、グリセ
リンなどが挙げられる。なかでもヨウ化物を好ましく配
合することができる。ヨウ化物の配合量は、治療剤の総
重量に対して、好ましくは約0.1〜10%である。
【0017】本発明のハイドロゲル損傷皮膚治療剤は、
損傷を受けた皮膚、具体的には火傷、褥創、開放創、皮
膚潰瘍などを有する皮膚の治療のために患部に適用する
ための外用剤であり、これらの皮膚患部への適用に適し
た任意の形状を有することができる。その形状として
は、例えばシート状、紐状を挙げることができ、なかで
もシート状のものを好ましく挙げることができる。シー
ト状の治療剤である場合、その厚さは、用途によって異
なることができるが、例えば約0.5〜5mm、好ましく
は約1〜3mmである。
【0018】本発明のハイドロゲル損傷皮膚治療剤は、
上述の成分から調製する。本発明製剤の製造法は、特に
制限されないが、製造の一例を挙げるとすれば、ポビド
ンヨード、そして必要に応じ可溶化剤及び/又は保湿剤
を、緩衝剤を含んでいてもよい水に溶解させた後、得ら
れた溶液にネイティブジェランガムを分散させ、加熱溶
解し、得られた溶液を、必要とする形状、厚さを有する
鋳型に流し込み、室温下で放置することによりゲル化さ
せることにより製造することができる。このとき必要に
応じて、皮膚への適用をしやすくする目的で、ハイドロ
ゲルの片面に支持体を設けることもできる。このような
支持体は、本発明のハイドロゲル損傷皮膚治療剤を担持
できるものであって、皮膚への適用をしやすくするため
のものであれば特に制限されないが、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナ
イロン、ポリ塩化ビニルなどを素材とするフィルム、コ
ットン、レーヨン、ポリエステル系などを素材とする織
布、レーヨン、ナイロン、ポリエステル系、ポリウレタ
ン系などを素材とする不織布などを支持体として用いる
ことができる。支持体の厚さも、用途に応じて適宜選択
することができる。
【0019】また、ハイドロゲルの含水率を必要に応じ
て適宜調整(低く)することによって、より強靱なハイ
ドロゲルを得ることができる。
【0020】本発明のハイドロゲル損傷皮膚治療剤に基
材として含有されるネイティブジェランガムは、創傷被
覆剤として必要とされる特性を十分に有しており、具体
的には、ポビドンヨードを配合してもなお十分な強度と
弾力性を有するゲルを形成するとともに、ゲル化の過程
でヨウ素の分解を招かず、優れた経時安定性を有する。
このネイティブジェランガムのヨウ素安定性、ゲル化の
難易度、ゲルの特性について、種々の水溶性高分子との
比較検討を行った結果を表1に示す。表1から明らかな
ように、ネイティブジェランガムは、ゲルの特性(強
度、吸水性、保持性など)、水溶液中のヨウ素の安定性
の点で、他の各種水溶性ポリマーと同等又はそれ以上の
結果を示している。またネイティブジェランガムのゲル
化は、特殊な設備を要せず、加熱冷却のみで行える点も
製造に際して有利であり、総合的に評価すると、本発明
の治療剤で使用されるネイティブジェランガムが、他の
水溶性高分子よりも優れている。
【0021】
【表1】
【0022】本発明のハイドロゲル損傷皮膚治療剤は、
上述したように、火傷、褥創、開放創、皮膚潰瘍などを
有する損傷を受けた皮膚の治療に用いることができる。
具体的には、このような皮膚に、損傷に合わせた大きさ
の本発明の治療剤を、損傷が治癒するまで貼付する。貼
付した本発明の治療剤は、損傷や治癒の程度に応じて異
なるが、適宜新しいものと交換することができる。
【0023】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する。
なお、実施例は本発明の思想を限定するものではない。調製例 本発明のハイドロゲル損傷皮膚治療剤の一形態である、
以下の組成のゲルシートを、以下に記載するように調製
した。なお、ネイティブジェランガムとしては、大日本
製薬株式会社製のケルコゲルLT100を用いた。ゲルシートの組成(以下重量%) ネイティブジェランガム 3% ポビドンヨード 3%(ヨウ素成分10%) ヨウ化カリウム 1% 精製水 適量(合計100%とする) 精製水にヨウ化カリウム及びポビドンヨードを溶解した
後、ネイティブジェランガムを加えて撹拌下十分に分散
させた。90℃の水浴中で撹拌してポリマーを溶解させ
た後、1.5mmの間隙をもつ2枚のガラス板間に溶液を
流し込み、室温に放置してゲル化させ、1.5mm厚のゲ
ルシートを得た。なおポビドンヨード配合量を3%に設
定したのは、現在臨床で広く用いられているポビドンヨ
ード含有褥瘡治療軟膏「ユーパスタコーワ」(興和新薬
(株)製品)の配合量に準じたためである。
【0024】試験例 被験製剤として調製例で作成した製剤を用いて、その臨
床効果をラットを用いて試験した。対照製剤としてはポ
ビドンヨード含有褥瘡治療軟膏「ユーパスタコーワ」
(興和新薬(株)製品)、及びハイドロゲル創傷被覆材
「ニュージェル」(ジョンソン・アンド・ジョンソン・
メディカル(株)製品)を用いた。ラット(SD系、
♂、9週齢、日本チャールズリバー)の背中に3cmφの
全層欠損創を作製し、各群5匹で本発明のハイドロゲル
損傷皮膚治療剤及び上記の対照製剤を適用した。製剤の
交換は、一般的な使用態様に準じてユーパスタは最終観
察日まで毎日、ニュージェルは創作製日を0日目として
4、7、11日目に交換した。本発明のハイドロゲル損
傷皮膚治療剤は、交換時のストレスなどを勘案して、両
方の交換日程で行った。製剤の適用面積は、ニュージェ
ルで47.5×47.5mm(市販製剤1枚の1/4
大)、本発明のハイドロゲル損傷皮膚治療剤で45×4
5mmとした。ユーパスタは、開始時のヨウ素含量が、本
発明のハイドロゲル損傷皮膚治療剤と同程度となる1mL
を適用した。ニュージェルの場合、投与後にサージカル
テープで四方を固定し、製剤上に約70mm長に裁断した
伸縮包帯を置き、次いで胴周囲を粘着性伸縮包帯で巻い
て固定した。ユーパスタの場合、適用後に非固着性ガー
ゼを置き、同様に固定した。本発明のハイドロゲル損傷
皮膚治療剤の場合、適用後に製剤上にPET#25フィ
ルム片(5×5cm)を置き、同様に固定した。製剤の交
換は、所定日に同様の手法で行った。評価は、デジタル
ノギスを用いて創傷の縦径と横径を測定してその積を創
傷面積とし、創傷作製より4、7、11、14日目に測
定した。開始時の創傷面積を100%としたときの創傷
面積の推移を表2に示した。いずれの点も平均値を示し
た。肉芽面積も同様にして評価し、肉芽面積と創傷面積
の差を新生表皮面積とした。
【0025】結果 ニュージェルとの比較では、本発明のハイドロゲル損傷
皮膚治療剤(被験物1:4、7、11日目交換)を適用
されたラットでは、治癒初期において、ニュージェルを
適用されたラットよりも早く創傷面積が小さくなった
(表2)。肉芽面積についても4日目で有意に早く肉芽
面積が小さくなった(表3)。ユーパスタとの比較で
は、本発明のハイドロゲル損傷皮膚治療剤(被験物2:
毎日交換)は、ユーパスタと比較して、創傷面積の縮
少、肉芽面積の縮少、表皮新生のいずれにおいても優れ
た効果を示した。なお、ユーパスタでは、治癒の過程で
表皮新生はほとんど認められなかった(表4)。また、
ユーパスタは、軟膏の塗布及び除去が手間取るのに対
し、本発明のハイドロゲル損傷皮膚治療剤では、癒着、
残留がなく、交換は容易であった。ポビドンヨードは刺
激性の低い消毒剤であるが、創傷への適用においては細
胞毒性の報告もあり、細胞毒性による治癒遅延が懸念さ
れる。上記の試験では、本発明のハイドロゲル損傷皮膚
治療剤が、ポビドンヨードを含まないニュージェルと同
等以上の治癒効果を持つことが示され、ポビドンヨード
を不溶性のハイドロゲル中に添加したことにより、製剤
から徐放されるヨウ素が、細胞毒性の閾値以下にコント
ロールされた結果と考えられる。また本発明のハイドロ
ゲル損傷皮膚治療剤が、ユーパスタと比較して有意に早
い治癒効果を示した理由としてもやはり、ヨウ素がより
安定に保持され、ヨウ素が細胞毒性の閾値以下の濃度で
徐放されたことが考えられる。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明のハイドロゲル損
傷皮膚治療剤は、取り扱いが容易で、看護に当たる者の
労力及び患者の苦痛が軽く、更に殺菌剤を安定に含むこ
とによって損傷皮膚に対して優れた治療効果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 17/00 101 A61P 17/00 101 17/02 17/02 Fターム(参考) 4C076 AA09 BB31 CC19 CC31 DD38X EE30P EE30Q FF36 FF57 4C086 AA01 AA02 EA25 HA09 MA02 MA03 MA04 MA05 MA28 MA63 NA14 ZA89 ZA90

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポビドンヨードを含有する、ネイティブ
    ジェランガムを基材とするハイドロゲル損傷皮膚治療
    剤。
  2. 【請求項2】 治療剤の総重量に対するネイティブジェ
    ランガムの含有率が1〜10重量%である、請求項1記
    載のハイドロゲル損傷皮膚治療剤。
  3. 【請求項3】 治療剤の総重量に対するネイティブジェ
    ランガムの含有率が1〜5重量%である、請求項1又は
    2に記載のハイドロゲル損傷皮膚治療剤。
  4. 【請求項4】 治療剤の総重量に対するポビドンヨード
    の含有率が、0.5〜10重量%である、請求項1〜3
    のいずれか1項に記載のハイドロゲル損傷皮膚治療剤。
  5. 【請求項5】 ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、及
    びヨウ化アンモニウムから選ばれる少なくとも1種のヨ
    ウ化物を更に含有する、請求項1〜4のいずれか1項に
    記載のハイドロゲル損傷皮膚治療剤。
  6. 【請求項6】 pHを3〜5に調整する緩衝剤を更に含
    有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のハイドロ
    ゲル損傷皮膚治療剤。
  7. 【請求項7】 保湿剤として糖アルコール及び多価アル
    コールから選ばれる少なくとも1種のアルコールを更に
    含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のハイド
    ロゲル損傷皮膚治療剤。
  8. 【請求項8】 外用剤である、請求項1〜7のいずれか
    1項に記載のハイドロゲル損傷皮膚治療剤。
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