JP2002102359A - 生体器官拡張用器具 - Google Patents

生体器官拡張用器具

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JP2002102359A
JP2002102359A JP2000302130A JP2000302130A JP2002102359A JP 2002102359 A JP2002102359 A JP 2002102359A JP 2000302130 A JP2000302130 A JP 2000302130A JP 2000302130 A JP2000302130 A JP 2000302130A JP 2002102359 A JP2002102359 A JP 2002102359A
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sheath
distal end
stent
catheter
side hole
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JP2000302130A
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Katsuaki Soma
克明 相馬
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Terumo Corp
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シース開口部周囲の破断等もしくは操作性の
低下が生じることのない生体器官拡張用器具を提供す
る。 【解決手段】 生体器官拡張用器具1は、シャフト本体
部21と、拡張バルーン3と、ステント4と、シャフト
本体部21の先端にて一端が開口し、他端がシャフト本
体部21の中間部にて開口するガイドワイヤールーメン
15を備える拡張用カテーテル10と、チューブ状に作
製されカテーテルルーメン50と、ガイドワイヤーを挿
通するための側孔51を有しているシース5とからなる
ものであって、シース5の側孔形成部位52bがシース
5の先端部52aより高剛性となるように作製されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血管、胆管、気
管、食道、尿道、その他の臓器などの生体器官内に形成
された狭窄部の改善に使用される生体器官拡張用器具に
関する。特に、血管内治療における狭窄病変、主に心血
管等の狭窄部位におけるPTCA施行後に行う生体器官
拡張用ステントを安全かつ、スムーズな操作性のもと
に、目的生体器官部位まで運ぶことの可能な生体器官拡
張用器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、血管、胆管、食道、気管、尿
道、その他の臓器などの生体管腔または体腔の狭窄部に
ステントを留置して管腔または体腔空間を確保する生体
器官拡張法が行われている。これに使用されるステント
としては、機能および留置方法によって、バルーンエキ
スパンダブルステントとセルフエキスパンダブルステン
トとがある。バルーンエキスパンダブルステントは、ス
テント自身に拡張機能はなく、ステントを目的部位に留
置するには、例えば、拡張体(バルーン)に装着された
ステントを目的部位まで挿入した後、バルーンを拡張さ
せ、バルーンの拡張力によりステントを拡張(塑性変
形)させ目的部位の内面に密着させて固定する。バルー
ンエクスパンダブルタイプのステントを目的部位へ留置
する生体器官拡張用器具としては、特開平6−2350
7号公報にステントを拡張する拡張バルーンを有する拡
張バルーンカテーテルと拡張バルーンカテーテル被包す
るシースとからなるステント送入システム、いわゆるラ
ピッドエクスチェンジシステムが開示されている。この
ステント送入システムは、拡張バルーンカテーテルの先
端と中間部において開口するガイドワイヤールーメン
と、シース中間部に形成された側孔を有しており、シー
スの途中からシースの側孔を通じてカテーテル中間部に
形成された開口にガイドワイヤーを挿入して、ステント
操作を行うことができるものとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記構成のラ
ピッドエクスチェンジシステムにおいては、ガイドワイ
ヤーの出し入れ操作によりガイドワイヤーが側孔に接触
することによりシース側孔周囲が破断等するおそれがあ
る。また、シース側孔形成部位は他の部分より脆弱であ
るため、側孔周囲が破断を生ずるおそれがある。また、
ステント留置操作中にシース側孔形成部位において、生
体器官拡張用器具の後端部側において付与したトルクお
よび押し込み力(言い換えれば、プッシャビリティ)が
吸収され、操作性の低下を生ずるおそれがある。そこ
で、本発明は、上記問題点を解決するものであり、シー
ス開口部付近の破断等もしくは操作性の低下が生じるこ
とが少ない生体器官拡張用器具を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は、チューブ状のシャフト本体部と、該シャフト本体部
の先端部に設けられた折り畳みおよび拡張可能なバルー
ンと、折り畳まれた状態の該バルーンを被包するように
装着され、かつ該バルーンの拡張により拡張されるステ
ントと、前記シャフト本体部の先端にて一端が開口し、
他端が前記シャフト本体部の中間部にて開口するガイド
ワイヤールーメンとを備える拡張用カテーテルと、前記
拡張用カテーテルを摺動可能に収納するカテーテルルー
メンを有するシースとを備える生体器官拡張用器具であ
る。そして、前記シースは、前記拡張用カテーテルの前
記ガイドワイヤールーメンの他端側開口部付近となる位
置に設けられた前記ガイドワイヤールーメンにガイドワ
イヤーを挿通するための軸方向に延びる側孔を備え、さ
らに、該シースの側孔形成部位は、剛性が前記シースの
先端部より高い高剛性部となっている。
【0005】また、前記拡張用カテーテルは、前記シー
ス内において、前記拡張用カテーテルの前記ステントの
先端が前記シース内に収納された状態から前記ステント
の後端が露出する状態まで摺動可能であり、前記シース
の前記側孔は、前記ステントの長さと同等もしくはそれ
以上の軸方向長さを備えていることが好ましい。また、
前記シースの前記側孔形成部位の先端部から前記シース
の基端部まで前記シースの先端部を構成する樹脂材料よ
り硬度の高い樹脂材料により作製されていることが好ま
しい。また、前記硬度の高い樹脂材料は、ショアD硬度
55以上の樹脂材料であることが好ましい。また、前記
硬度の高い樹脂材料は、ポリエステルまたはポリアミド
であることが好ましい。また、前記シースの先端部は、
ショアD硬度50以下の樹脂材料により作製されている
ことが好ましい。また、前記シースの先端部を構成する
樹脂材料はポリエステルまたはポリアミドであることが
好ましい。
【0006】また、前記側孔形成部位は、金属製補強部
材を有していることが好ましい。また、前記補強部材
は、複数の開口を有する管状部材であることが好まし
い。また、前記補強部材は、ワイヤー状部材であること
が好ましい。また、前記シースは、シース外層と該シー
ス外層の内側に形成されたシース内層とからなり、該シ
ース内層は、フッ素系樹脂材料により作製されているこ
とが好ましい。また、前記内層は、前記シース外層先端
より突出するように作製されていることが好ましい。ま
た、前記シースに対して前記拡張用カテーテルを任意の
位置で固定するロック機構を備えていることが好まし
い。また、前記拡張用カテーテルは、前記ステントより
も先端側に設けられ、前記シースの先端方向への移動を
阻止するストッパーを備えることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の生体器官拡張用器具を図
面に示した好適実施例を用いて説明する。図1は、本発
明の生体器官拡張用器具の一実施例の正面図、図2は、
図1に示した生体器官拡張用器具の先端付近の拡大断面
図、図3は、図1に示した生体器官拡張用器具の中央接
合部分の拡大断面図、図4は、図1のA−A線断面図、
図5は、図1のB−B線断面図、図6は、図3のC−C
線断面図、図7は、図3のD−D線断面図、図8は、図
1に示した生体器官拡張用器具の分岐ハブの拡大断面
図、図9は、図1に示した生体器官拡張用器具の拡張用
カテーテルの後端部の拡大断面図、図10は、本発明の
生体器官拡張用器具の他の実施例を説明するための説明
図である。
【0008】本発明の生体器官拡張用器具1は、チュー
ブ状のシャフト本体部21と、シャフト本体部21の先
端部に設けられた折り畳みおよび拡張可能なバルーン3
と、折り畳まれた状態のバルーン3を被包するように装
着され、かつバルーン3の拡張により拡張されるステン
ト4と、シャフト本体部21の先端にて一端が開口し、
他端がシャフト本体部21の中間部にて開口するガイド
ワイヤールーメン15とを備える拡張用カテーテル10
と、拡張用カテーテル10を摺動可能に収納するカテー
テルルーメン50を有するシース5とを備える。そし
て、シース5は、拡張用カテーテル10のガイドワイヤ
ールーメン15の他端側開口部付近となる位置に設けら
れたガイドワイヤールーメン15にガイドワイヤー10
0を挿通するための軸方向に延びる側孔51を備え、さ
らに、シースの側孔形成部位52bは、剛性がシース5
の先端部52aより高い高剛性部となっている。
【0009】本発明の生体器官拡張用器具1は、いわゆ
るラピッドエクスチェンジタイプと呼ばれるものであ
り、図1、図3に示すように拡張用カテーテル10内部
に設けられ、かつ、拡張用カテーテル10の先端と中間
部において開口(他端側開口部36)したガイドワイヤ
ールーメン15と、シース中間部に形成されたガイドワ
イヤー挿通用の側孔51を有している。このような構成
により、生体器官拡張用器具1は、シースの途中(中間
部)からシースの側孔を通じてカテーテル中間部に形成
された開口(他端側開口部36)にガイドワイヤーを挿
入して、ステント操作を行うことができるものとなって
いる。
【0010】生体器官拡張用器具1は、図1に示すよう
に、シャフト本体部21と、シャフト本体部21先端に
設けられたストッパー6と、シャフト本体部21の先端
部に設けられたステント拡張用のバルーン3と、バルー
ン3上に装着されたステント4と、シャフト本体部21
の後端部に取り付けられたハブ8とからなる拡張用カテ
ーテル10と、カテーテル10を被包するシース5と、
シース5の後端部に取り付けられた分岐ハブ60とから
なる。
【0011】拡張用カテーテル10は、先端側シャフト
部10aと後端側シャフト部10bとからなり、先端側
シャフト部10aと後端側シャフト部10bは図1、図
3に示すように接合コネクター7を介して接合されてい
る。また、拡張用カテーテル10は、シース5内におい
て、拡張用カテーテル10のステント4の先端がシース
5内に収納された状態からステント4の後端が露出する
状態まで摺動可能である。先端側シャフト部10aは、
図2、図3に示すようにガイドワイヤールーメン15を
形成する内管12と、内管12の先端部に設けられたバ
ルーン3と、バルーン3の外周に装着されたステント4
と、バルーン3より後端側に設けられ、内管12を被包
し、内管12の外面との間にバルーン拡張用ルーメン1
6を形成する外管13とからなる。そして、先端側シャ
フト部10aはシース5のカテーテルルーメン50内に
摺動可能に収納されている。そして、先端側シャフト部
10bの後端部は、接合コネクター7の先端部と接合し
ている。
【0012】バルーン3は、図2に示すように、先端側
接合部3aおよび後端側接合部3bを有し、先端側接合
部3aが内管12の先端より若干後端側の位置に固定さ
れ、後端側接合部3bが外管13の先端に固定されてい
る。また、バルーン3は、基端部付近にてバルーン拡張
用ルーメン16と連通している。そして、内管12の先
端には、バルーン3の先端側接合部3aの先端部を被包
するようにストッパー6が固定されている。ストッパー
6は、弾性材料により環状に形成されており、後端部の
外径がシース5の内径とほぼ等しいか若干大きいものと
なっている。このようにストッパー6を有することによ
り、ステント4の先端方向への移動が阻止されステント
留置操作中にカテーテルからステント4が脱落すること
がない。また、ストッパー6は、先端に向かってなだら
かに縮径するテーパー状となっている。このように形成
することにより、ストッパー6に狭窄部への誘導機能を
持たせることができ、ステント装着部分を生体器官の狭
窄部への挿入が容易となる。
【0013】そして、内管12としては、外径が0.3
5〜1.0mm、好ましくは0.45〜0.8mmであ
り、内径が0.2〜0.9mm、好ましくは0.35〜
0.7mmである。外管13としては、外径が0.6〜
1.5mm、好ましくは0.8〜1.1mmであり、内
径が0.5〜1.4mm、好ましくは0.7〜1.0m
mである。シース5としては、外径が0.8〜1.8m
m、好ましくは1.2〜1.5mmであり、内径が0.
5〜1.5mm、好ましくは1.0〜1.3mmであ
る。内管12、外管13ならびにストッパー6の形成材
料としては、ある程度の可撓性を有するものが好まし
く、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフイ
ン(架橋もしくは部分架橋物も含む)、ポリ塩化ビニ
ル、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、
ラテックスゴム等が使用でき、好ましくは上記の熱可塑
性樹脂である。
【0014】バルーン3は、折り畳み可能なものであ
り、拡張させない状態では、内管12の外周に折り畳ま
れた状態となることができるものである。バルーン3
は、装着されるステント4を拡張できるようにほぼ同一
径の筒状部分(好ましくは、円筒部分)となった拡張可
能部31を有している。上記の略円筒部分は、完全な円
筒でなくてもよく、多角柱状のものであってもよい。そ
して、バルーン3は、上述のように、先端側接合部3a
が内管12にまた後端側接合部3bが外管13の先端に
接着剤または熱融着などにより液密に固着されている。
バルーン3は、図2に示すように、バルーン3の内面と
内管12の外面との間に拡張空間3cを形成する。この
拡張空間は、後端部ではその全周において拡張用ルーメ
ン16と連通している。このように、バルーン3の後端
は、比較的大きい容積を有する拡張用ルーメンと連通し
ているので、拡張用ルーメン16よりバルーン内への拡
張用流体の注入が確実である。
【0015】バルーン3の形成材料としては、ある程度
の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリオレフ
イン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリウレタン、ポ
リエステル、ポリアリレーンサルファイド等の熱可塑性
樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が使用でき
る。特に、延伸可能な材料であることが好ましく、バル
ーン3は、高い強度および拡張力を有する2軸延伸され
たものが好ましい。バルーン3の大きさとしては、拡張
されたときの円筒部分(拡張可能部31)の外径が、
1.5〜5.0mm、好ましくは2.5〜4.0mmで
あり、長さが5〜50mm、好ましくは10〜40mm
である。また、先端側接合部3aの外径が、0.5〜
1.5mm、好ましくは0.7〜1.0mmであり、長
さが1〜5mm、好ましくは1.0〜1.3mmであ
る。また、後端側接合部3bの外径が、0.8〜1.6
mm、好ましくは1.0〜1.5mmであり、長さが1
〜5mm、好ましくは2〜4mmである。
【0016】そして、シャフト本体部21(この実施例
では、内管12)には、バルーン3の拡張可能部31の
内部の先端付近となる位置の外面に先端側造影マーカー
17が固定されている。同様に、シャフト本体部21
(この実施例では、内管12)には、バルーン3の拡張
可能部31の内部の後端付近となる位置の外面に後端側
造影マーカー18が固定されている。造影マーカーは、
X線不透過材料(例えば、金、白金、タングステンある
いはそれらの合金、あるいは銀−パラジウム合金等)に
より形成することが好ましい。このようにすることによ
りバルーン3の拡張可能部31の先端および後端の位
置、ひいては、ステント4の先端および後端の位置をX
線造影により確認することができる。
【0017】本発明の生体器官拡張用器具1に使用され
るステント4は、略管状体に形成され、生体内への挿入
のための直径を有し、管状体の内部より半径方向外方に
広がる力が付加されたとき、言い換えれば、バルーン3
が拡張したときに拡張可能(伸張可能)なものであり、
いわゆるバルーンエキスパンダブルステントである。ス
テント4としては、例えば、図14に示すように、ステ
ント4の軸方向に長くかつ中央部が閉口した略楕円状も
しくは多角形状の構成要素22が、ステント4の中心軸
に対してほぼ等角度間隔にて略円周上に配列されかつ、
構成要素の円周方向の隣接部(側部)間が接続部23
(23a,23b,23c,23d)にて接続された環
状ユニット24(24a,24b,24c,24d,2
4e,24f)からなり、かつ、複数の環状ユニット2
4a,24b,24c,24d,24e,24fがステ
ント4の軸方向に並んでいる。さらに、一つの環状ユニ
ット4の接続部23と隣り合う環状ユニット24の接続
部23とが連結部25(25a,25b,25c,25
d,25e)により少なくとも1カ所連絡されているも
のが好適である。しかし、ステント4の形状はこのよう
なものに限定されるものではなく、網目状などの公知の
ものが使用できる。
【0018】ステント4の形成材料としては、ある程度
の生体適合性を有するものが好ましく、例えば、ステン
レス鋼、タンタルもしくはタンタル合金、プラチナもし
くはプラチナ合金、金もしくは金合金、コバルトベース
合金等が考えられる。またステント形状を作製した後に
貴金属メッキ(金、プラチナ)をしてもよい。ステンレ
ス鋼としては、最も耐腐食性のあるSUS316Lが好
適である。ステント4の非拡張時の直径は、0.8〜
1.5mm程度が好適であり、特に、0.9〜1.2m
mがより好ましい。
【0019】後端側シャフト部10bは、図1、図3に
示すように、シャフトチューブ32と、シャフトチュー
ブ32の後端に固定されたハブ8とからなる。そして、
後端側シャフト部10bはシース5のカテーテルルーメ
ン50内に摺動可能に収納されている。そして、後端側
シャフト部10bの先端部は、接合コネクター7の後端
部と接合している。シャフトチューブ32内には、図
1、図7に示すように剛性付与体33が挿入されてお
り、剛性付与体33は後端部にてシャフトチューブ32
に固定され、先端は、シャフトチューブ32の先端より
突出し、後述する接合コネクター7を貫通し、先端側シ
ャフト内に延びている。この実施例では、剛性付与体3
3の先端部は、先端側シャフトの内管12と外管13と
の間、言い換えれば、バルーン拡張用ルーメン16内に
到達している。
【0020】剛性付与体33は、シャフトチューブ32
の基端より、その内部を先端側に延びている。また、剛
性付与体33は、シャフト本体部21の湾曲の障害とな
らないように、基端部のみシャフトチューブ32もしく
はハブ8に固定されており、その他の部分、具体的に
は、シャフトチューブ32の基端部を除く内部、接合コ
ネクター7部分、先端側シャフト部(内管12および外
管13)のいずれにも固定されていない。剛性付与体3
3は、シャフトチューブ32の可撓性をあまり低下させ
ることなく、屈曲部位でのシャフトチューブ32の極度
の折れ曲がり、シャフトチューブ32の血管内での蛇行
を防止する。剛性付与体33は、線状体により形成され
ていることが好ましい。線状体としては、金属線である
ことが好ましく、線径0.05〜1.5mm、好ましく
は0.1〜1.0mmのステンレス鋼等の弾性金属、超
弾性合金などであり、特に好ましくは、ばね用高張力ス
テンレス鋼、超弾性合金線である。
【0021】ここでいう超弾性合金とは一般に形状記憶
合金といわれ、少なくとも生体温度(37℃付近)で超
弾性を示すものである。特に好ましくは、49−53原
子%NiのTi−Ni合金、38.5−41.5重量%
ZnのCu−Zn合金、1−10重量%XのCu−Zn
−X合金(X=Be、Si、Sn、Al、Ga)、36
−38原子%AlのNi−Al合金等の超弾性合金が好
適に使用される。特に、上記のTi−Ni合金が望まし
い。また、Ti−Ni合金の一部を0.01〜10.0
原子%Xで置換したTi−Ni−X合金(X=Co,F
e,Mn,Cr,V,Al,Nb,W,Bなど)とする
か、またはTi−Ni合金の一部を0.01〜30.0
原子%Xで置換したTi−Ni−X合金(X=Cu,P
b,Zr)とすること、また、冷間加工率または/およ
び最終熱処理の条件を選択することにより、機械的特性
を適宜変えることができる。また、上記のTi−Ni−
X合金を用いて冷間加工率および/または最終熱処理の
条件を選択することにより、機械的特性を適宜変えるこ
とができる。
【0022】シャフトチューブ32は、基端において剛
性付与体33を固定しており、さらに、このシャフトチ
ューブ32の後端は、ハブ8の先端部に固定されてい
る。ハブ8とシャフトチューブ32の境界部の外面に
は、両者を被覆するように、キンク防止用のチューブ3
5が取り付けられている。また、ハブ8の後端部は、バ
ルーン拡張用流体注入器具(例えば、シリンジ)の接続
部34となっている。シャフトチューブ32としては、
外径が0.5〜1.5mm、好ましくは0.6〜1.3
mmであり、内径が0.3〜1.4mm、好ましくは
0.5〜1.2mmである。シャフトチューブ32の形
成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ま
しく、例えば、ポリオレフイン(例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアミドエラストマー、ポリイミド、ポリウレタ
ン等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム
等が使用でき、好ましくは上記の熱可塑性樹脂である。
また、シャフトチューブ32の形成材料としては、剛性
付与体33を用いずに、ステンレス管を用いてもよい。
【0023】接合コネクター7は、図3に示すように、
先端中心より中央部へ軸方向に延び、中央部から湾曲し
後端側の外側面に到達する内管挿通路を備え、この挿通
路内を内管12の後端部は貫通し、接合コネクター7の
側面より突出する内管12の後端部が、ガイドワイヤー
導入ロ36(他端側開口部36)を形成している。ま
た、他端側開口部36の開口は、図3の基端側斜め上方
に向かって形成されている。なお、開口の向きは実施例
のものに限られず、図3の真上に向かって形成されてい
てもよい。また、接合コネクター7には、先端から基端
に延びるバルーン拡張用流体流通路37a、37bが形
成されている。この流通路により、内管12と外管13
の間により形成されているバルーン拡張用ルーメン16
とシャフトチューブ32内に形成されているバルーン拡
張用ルーメン16とは連通している。また、上述のよう
に、接合コネクター7には、先端より基端まで貫通した
剛性付与体導通路が形成されており、これを剛性付与体
33は貫通している。
【0024】シース5は、図1、図2および図3に示す
ようにチューブ状に作製され、内部にカテーテルルーメ
ン50と、中間部に側孔51とを備えている。また、ス
テント4の先端をカテーテルルーメン50内に収納した
状態ではステント4の先端部とストッパー6の後端とは
ほぼ接触している。また、シース5の後端部は、分岐ハ
ブ60の先端部と接合している。カテーテルルーメン5
0は、図1,図3に示すように拡張用カテーテル10を
摺動可能に収納する通路となっている。言い換えれば、
カテーテルルーメン50は、拡張用カテーテル10の挿
通を可能とする通路であり、カテーテルルーメンの先
端、つまり、シースの先端より、拡張用カテーテル10
の先端は突出し、カテーテルルーメンの後端、つまり、
シースの後端より、拡張用カテーテル10の基端部は突
出している。
【0025】側孔51は、ガイドワイヤールーメン15
内にガイドワイヤー100を挿通するために設けられて
いる。ガイドワイヤー100は、側孔51を介して他端
側開口部36に挿通されガイドワイヤールーメン15内
に導入される。側孔51は、図1、図3に示すように軸
方向に延びる楕円状開口部として作製され、ガイドワイ
ヤールーメン15のガイドワイヤー挿入口である他端側
開口部36付近となる位置にカテーテルルーメン50と
連通するように形成されている。
【0026】また、拡張用カテーテル10は、シース5
内において、拡張用カテーテル10のステント4の先端
がシース5内に収納された状態からステント4の後端が
露出する状態まで摺動可能であり、シース5の側孔51
は、ステント4の長さと同等もしくはそれ以上の軸方向
長さを備えている。このように、側孔51が軸方向にあ
る程度の長さを有していることにより、他端側開口部3
6(ガイドワイヤー挿入口)が側孔51内に位置した状
態でステント4の後端をシース外に完全に露出可能とな
る。具体的には、図11に示すようにステント4の先端
がシース内に収納された状態においては、他端側開口部
36の基端36aは側孔51の基端より先端側に位置し
ており、図12に示すようにステント4がシース5先端
から完全に露出した状態においては、他端側開口部36
の基端36aは側孔51の先端より基端側に位置するも
のとなる。なお、この状態においては、他端側開口部3
6の先端36bも側孔51の先端より基端側に位置する
ように構成されていることが好ましい。このため、ステ
ント留置操作中にガイドワイヤー100が側孔51に接
触しにくいため側孔形成部位は破損しにくいものとな
る。
【0027】また、生体内挿入時には、生体器官拡張用
器具1は、図1に示すように、シース5の先端より、拡
張用カテーテルのストッパー6部分の殆どが露出し、か
つ、ステント4は全く露出しない状態となっており、こ
の状態において、拡張用カテーテル10は、後述するシ
ース5の後端部に設けられた分岐ハブ60のカテーテル
ロック機構63により固定されている。このため、カテ
ーテルロック機構63を解除しない限り、図1の状態が
維持されると共に、シース内を拡張用カテーテルは摺動
不能である。また、拡張用カテーテル10は、シース5
内において、カテーテルロック機構63によりロックさ
れていない状態において、拡張用カテーテル10のステ
ント4の先端がシース5内に収納された状態からステン
ト4の後端が露出する状態まで摺動可能である。
【0028】シース5は、図1〜図3、図10〜図12
に示すように、シース外層52と、シース外層52の内
側に形成されたシース内層53とから形成されている。
シース外層52とシース内層53は一体化している。そ
して、図1、図2に示すように、シース外層52の先端
とシース内層53の先端は、シースの軸方向にほぼ同じ
位置となるように作製されている。また、図8に示すよ
うに、シース外層52とシース内層53の基端は分岐ハ
ブ60の先端部に接着剤、熱融着等により接合されてい
る。なお、実施例では、外層と内層の2層構造として作
製されているが、3層以上の多層構造であってもよい。
また、シースは、単層構造であってもよい。
【0029】シース内層53は、フッ素系樹脂材料によ
り形成されていることが好ましい。フッ素系樹脂材料と
しては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エ
チレンテトラフルオロエチレン(ETFE)等が使用で
き、好ましくは、ポリテトラフルオロエチレンである。
シース内層をフッ素系樹脂材料により作製することによ
り、カテーテルルーメン内壁は滑りやすくなり、カテー
テルルーメン内において拡張用カテーテルは容易に摺動
するものとなる。シース外層52は、曲折した生体内管
腔を容易に進行可能なようにある程度可撓性を有する樹
脂により作製されていることが好ましい。シース外層5
2の構成材料としては、例えば、ポリアミド、ポリエス
テル、ポリオレフイン(架橋もしくは部分架橋物も含
む)、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂
等が使用でき、好ましくは上記の熱可塑性樹脂である。
【0030】また、シース5の側孔形成部位(側孔周囲
部分)は、剛性がシース5の先端部より高い高剛性部と
なっている。このように構成することにより、ステント
留置操作中において、側孔形成部位の破断等もしくは側
孔形成部位における生体器官拡張用器具の後端部側にお
いて付与したトルクおよび押し込み力(言い換えれば、
プッシャビリティ)の吸収による操作性の低下が生じに
くい。具体的には、シース5(シース外層52)の側孔
形成部位52bの先端部からシース5(シース外層5
2)の基端部52cまでシース5(シース外層52)の
先端部52aを構成する樹脂材料より硬度の高い樹脂材
料により作製されている。
【0031】硬度の高い樹脂材料は、ショアD硬度50
以上の樹脂材料であることが好ましく、特に、ショアD
硬度55以上であることが好ましい。また、硬度の高い
樹脂材料は、ポリエステル、ポリアミドであることが好
ましい。ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が好適で
あり、好ましくは、ポリエチレンテレフタレートであ
る。また、ポリアミド系樹脂としては、ナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン46、ナイロン11、ナイロン1
2等が好適である。また、シースの先端部52aは、シ
ョアD硬度50以下の樹脂材料により作製されているこ
とが好ましい。これにより、シースの先端部は柔軟性を
有するものとなり、入り組んだ生体管腔をスムーズに進
行することができる。また、シース先端部52aを構成
する樹脂材料は、ポリエステルエラストマー、オレフィ
ン系エラストマー(例えば、ポリエチレンエラストマ
ー、ポリプロピレンエラストマー)、ポリアミドエラス
トマー、スチレン系エラストマー(例えば、スチレン−
ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−イソプレ
ン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレンブチレン
−スチレンコポリマー)、ポリアミドエラストマー、ポ
リエステルエラストマー、熱可塑性フッ素系エラストマ
ーなどの可撓性樹脂が好ましい。
【0032】シース5は、例えば、シース先端部52a
がショアD硬度50以下のポリアミドエラストマーによ
り、かつ、側孔周囲52bがショアD硬度50以上のポ
リアミドエラストマーにより、かつ、シース基端部52
cがショアD硬度50以上のポリアミドエラストマーに
より作製することができる。以上のようにシースを構成
することにより、ガイドワイヤーを側孔51を通じて他
端開口部36に挿入してステント留置操作を行っても、
側孔形成部位52bは破断等することなく、また、生体
器官拡張用器具の後端部側において付与したトルクおよ
び押し込み力(言い換えれば、プッシャビリティ)が側
孔形成部位52bにより吸収されることに起因する操作
性の低下を生ずるおそれがない。なお、実施例では、シ
ース5の先端部52a、シース5の側孔形成部位52
b、シース5の基端部52cをそれぞれ別の構成部分と
して作製した後接合して一体化してシースを作製してい
るが、これに限られるものではなく、側孔形成部位52
bと基端部52cを一つの構成部分として作製して先端
部52aと接合してシースを作製してもよい。接合は、
熱融着、接着剤等により行うことができる。
【0033】また、シース先端部52aの外面は親水化
処理が行われていることが好ましい。親水化処理として
は、シース外面に親水性物質(例えば、水溶性シリコー
ン、PVA、PVPなど)をコーティングすることによ
り行うことができる。シースの大きさとしては、外径が
0.8〜1.8mm、好ましくは、1.2〜1.5m
m、内径が0.8〜1.5mm、好ましくは、1.0〜
1.3mm、長さが800〜1600mm、好ましく
は、1200〜1400mmである。シースの側孔51
の大きさとしては、シースの軸方向の長さが、5〜80
mm、好ましくは、15〜50mm、シースの軸方向に
直交する方向の長さが、0.1〜1.0mm、好ましく
は、0.35〜0.7mmである。
【0034】また、図10に示す実施例の生体器官拡張
用器具のように、シース5の側孔形成部位52bは、金
属製補強部材54を有していてもよい。側孔形成部位に
金属補強部材を設けることによりシース側孔51周囲の
破断、側孔形成部位におけるトルク等の吸収を防止する
ことができる。金属製補強部材54は、図13に示すよ
うに、複数の開口541を有する管状部材であることが
好ましい。金属補強部材は、ほぼ同一径の管状部材とし
て作製されており、管状部材の軸方向に沿って延びる複
数の楕円形状の開口541を有している。開口部形状と
しては楕円形状に限られず、長方形状等であってもよ
い。管状部材は、側孔形成部位52bのシース外層壁に
内層53と接触するとともに、管状部材の複数の開口の
うち一つの開口が側孔51と重なるように設置されてい
る。管状部材の埋め込み方法としては、芯金の表面に内
層形成材料が被覆されたものの上に基端側の外層を先端
部分以外の部分に形成し、外層非形成部分の基端部上に
管状部材を嵌めて取り付け、その上に側孔形成部位用の
樹脂を被覆し、さらに、外層非形成部分の先端部上に先
端部形成部用の樹脂を被覆することにより作製すること
により行うことができる。
【0035】また、金属補強部材としては、図示しない
が、ワイヤー状部材により作製されているものであって
もよい。ワイヤー状部材の場合は、直線状ワイヤーを側
孔周囲52bのシース壁材にシースの軸方向に沿って複
数本埋め込むことが好ましい。また、ワイヤー状部材を
コイル状もしくはブレード状に作製して、それを側孔5
1付近のシース内壁に埋め込んでもよい。また、直線状
ワイヤーと、コイル状ワイヤーを組み合わせて金属製補
強部材を形成してもよい。金属補強部材の構成材料とし
ては、剛性付与体33と同様の材料を使用することが好
ましい。管状部材の金属製補強部材の大きさとしては、
長さが10〜90mm、好ましくは、20〜60mmで
あり、内径が、0.9〜1.6mm、好ましくは、1.
1〜1.4mmであり、壁材の肉厚が、0.03〜0.
15mm、好ましくは、0.05〜0.10mmであ
る。ワイヤー状部材の金属補強部材の線径としては、
0.03〜0.15mmであり、好ましくは、0.05
〜0.10mmである。
【0036】また、シース外面は親水化処理が行われて
いることが好ましい。これにより、シースが生体管腔ま
たは体腔を移動する際に内壁を損傷にしくい。親水化処
理としては、シース外面に親水性物質(例えば、水溶性
シリコーン、PVA、PVPなど)をコーティングする
ことにより行うことができる。また、図15に示す実施
例の生体器官拡張用器具70のように、シース5は、シ
ース内層73がシース外層72より先端側に突出するよ
うに作製されていてもよい。このように先端側に突出す
るように作製することにより、シースの肉厚を薄くでき
るとともに、シースの先端部の外径を小径にすることが
できる。このようなシース内層73としては、上述した
ようにフッ素系樹脂により作製されていることが好まし
い。また、シース内層の突出部分の外面には親水化処理
が行われていることが好ましい。シース内層73の先端
突出部分の長さは、0.5〜50mm、好ましくは、1
0〜40mmである。また、シースの内層73のうち、
側孔形成部位付近を除いてフッ素系樹脂により作製して
もよい。
【0037】次に分岐ハブ60について、図8を用いて
説明する。分岐ハブ60は、図8に示すように、分岐ハ
ブ本体部61と、分岐ハブ本体部61の中央部に本体部
61から分岐するように設けられたプライミング用のイ
ンジェクションポート62と、分岐ハブ60の後端部に
設けられ拡張用カテーテルの移動を制限するカテーテル
ロック機構63と、分岐ハブの先端から基端まで設けら
れた拡張用カテーテルルーメン64とからなる。また、
分岐ハブ60の後端65のカテーテルルーメン径は、ハ
ブ8の先端部より小さく作製されており、ハブ8の先端
部は、分岐ハブ60の後端付近から先端に移動しないも
のとなっている。また、分岐ハブ60の先端部には、シ
ース後端部が接合されている。シース5の後端部は、分
岐ハブ60の先端部から基端側に1〜5mmの位置に固
定されていることが好ましい。
【0038】ロック機構63は、圧縮により拡張用カテ
ーテル10の基端部を挟持する弾性体631と弾性体6
31を圧縮する操作体632とからなる。ロック機構6
3を備えることにより、拡張用カテーテル10はシース
5に対して任意の位置で固定される。弾性体631は、
分岐ハブ本体部61の基端部に設けられた凹部611内
に設置されており、弾性体631の内部にはカテーテル
ルーメン64の一部を形成するルーメン631aが形成
されている。また、本体部凹部611の内径は、弾性体
631外径より一回り大きく作製されており、弾性体6
31が操作体632により圧縮された際の弾性体の半径
方向への拡径を可能にしている。弾性体631のルーメ
ン631aは、軸方向に2つの略球形状が一部重なり合
った形状に作製されており、両端と中央部が縮径してい
る。なお、ルーメン631aは、上述した実施例の形状
に限られるものではなく、拡張用カテーテルを的確にロ
ックするものであれば、いかなる形状であってもよい。
【0039】操作体632は、中央部に先端側に突出し
た弾性体押圧部632aと、その外周に形成され、か
つ、凹部611の後端部611aと螺合する螺合部63
2bと、螺合部632cの外周に形成され操作体632
を回転させる際に担持するための担持部632cとから
なる。また、弾性体押圧部632aの内部には、カテー
テルルーメン64の一部を形成するルーメン632dが
形成されている。また、弾性体押圧部632aの先端側
部分は、図8に示すように本体部凹部611内に収納さ
れており、操作体の先端への移動により弾性体631を
圧縮するものとなっている。以上のような構成により、
操作体632を回転させ分岐ハブ60に対して先端側に
螺合した場合、弾性体押圧部632aの先端は弾性体6
31の後端に接触して、さらに、操作体632を先端側
に螺合することにより弾性体631は軸方向に圧縮され
る。そして、圧縮するにつれてルーメン631a内径は
小さくなり最終的に弾性体631により拡張用カテーテ
ル10の基端部が固定される。なお、ロック機構63の
解除は、上記と逆の回転操作により行われる。
【0040】弾性体631を除く分岐ハブ60の構成材
料としては、ポリカーボネート、ポリオレフィン(例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピ
レンコポリマー)、スチレン系樹脂[例えば、ポリスチ
レン、MS樹脂(メタクリレート−スチレン共重合
体)、MBS樹脂(メタクリレート−ブチレン−スチレ
ン共重合体)]、ポリエステルなどが使用できる。弾性
体631の構成材料としては、ウレタンゴム、シリコー
ンゴム、ブタジエンゴムなどの合成ゴム、ラテックスゴ
ムなどの天然ゴム、オレフィン系エラストマー(例え
ば、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラス
トマー)、ポリアミドエラストマー、スチレン系エラス
トマー(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンコポ
リマー、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー、
スチレン−エチレンブチレン−スチレンコポリマー)、
ポリウレタン、ウレタン系エラストマー、フッ素樹脂系
エラストマー等が好ましい。
【0041】なお、本発明の実施例では、シース5は分
岐ハブ60の先端部に直接固定されているがこれに限ら
れるものではなく、シース5後端部にハブを取り付け、
それを分岐ハブ60の先端部と螺合することによりシー
スと分岐ハブを接合してもよい。また、ステント4をシ
ース内に収納した状態(カテーテル10を基端側に引い
た状態)で分岐ハブ60の後端部はキンク防止用のチュ
ーブ35の先端部から10〜200mm、好ましくは5
0〜100mmの位置で固定されている。
【0042】次に、本発明の生体器官拡張用器具の作用
について説明する。図11に示すように、ステント4先
端がシース5内に収納された状態では、他端側開口部3
6の開口基端36aは側孔51基端の先端側近傍に位置
している。そして、拡張用カテーテル10はロック機構
63により固定され移動が制限されている。この状態に
おいて、側孔51を通じて他端側開口部36にガイドワ
イヤー100を挿入した後、インジェクションポート6
2から生理食塩水等プライミング液を注入し拡張用カテ
ーテルルーメン50内をプライミングする。ストッパー
6の後端部とシース5の先端部とが接触しているためシ
ース先端からプライミング液が漏れないものとなってい
る。そしてガイディングカテーテル(図示せず)を介し
て生体器官拡張用カテーテル10を体腔内に挿入しガイ
ドワイヤー100に沿って目的部位に誘導する。
【0043】生体器官拡張用器具1の先端が目的部位付
近に到達した後、一方の手で分岐ハブ60を保持し、ロ
ック機構63を解除して拡張用カテーテル10をシース
5に対して先端側に押し出しステント4を露出する。ス
テント4が完全に露出した状態では、図12に示すよう
に、他端側開口部36の開口先端36bは、側孔51の
先端の基端側近傍に位置している。その後、ステント4
を目的部位にて拡張、留置して操作を終了する。以上、
生体器官拡張用器具について説明したが、生体器官拡張
用器具の構成は上述したものに限られるものではない。
【0044】
【発明の効果】本発明の生体器官拡張用器具は、チュー
ブ状のシャフト本体部と、該シャフト本体部の先端部に
設けられた折り畳みおよび拡張可能なバルーンと、折り
畳まれた状態の該バルーンを被包するように装着され、
かつ該バルーンの拡張により拡張されるステントと、前
記シャフト本体部の先端にて一端が開口し、他端が前記
シャフト本体部の中間部にて開口するガイドワイヤール
ーメンとを備える拡張用カテーテルと、前記拡張用カテ
ーテルを摺動可能に収納するカテーテルルーメンを有す
るシースとを備える生体器官拡張用器具であって、前記
シースは、前記拡張器具の前記ガイドワイヤールーメン
の他端側開口部付近となる位置に設けられた前記ガイド
ワイヤールーメン内にガイドワイヤーを挿通するための
軸方向に延びる側孔を備え、さらに、該シースの側孔形
成部位は、剛性が前記シースの先端部より高い高剛性部
となっている。このため、本発明の生体拡張用器具で
は、シース側孔形成部位での破断、生体器官拡張用器具
の後端部側において付与したトルクおよび押し込み力
(言い換えれば、プッシャビリティ)のシース側孔形成
部位での吸収に起因する操作性の低下が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の生体器官拡張用器具の一実施
例の正面図である。
【図2】図2は、図1に示した生体器官拡張用器具の先
端付近の拡大断面図である。
【図3】図3は、図1に示した生体器官拡張用器具の中
央接合部分の拡大断面図である。
【図4】図4は、図1のA−A線断面図である。
【図5】図5は、図1のB−B線断面図である。
【図6】図6は、図3のC−C線断面図である。
【図7】図7は、図3のD−D線断面図である。
【図8】図8は、図1に示した生体器官拡張用器具の分
岐ハブの拡大断面図である。
【図9】図9は、図1に示した生体器官拡張用器具の拡
張カテーテルの後端部の拡大断面図である。
【図10】図10は、本発明の生体器官拡張用器具の他
の実施例を説明するための説明図である。
【図11】図11は、本発明の生体器官拡張用器具の実
施例を説明するための説明図である。
【図12】図12は、本発明の生体器官拡張用器具の実
施例を説明するための説明図である。
【図13】図13は、シース側孔周囲に設置される補強
部材の実施例の斜視図である。
【図14】図14は、本発明の生体器官拡張用器具に使
用されるステントの実施例を示す斜視図である。
【図15】図15は、本発明の生体器官拡張用器具の他
の実施例を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 生体器官拡張用器具 3 バルーン 4 ステント 5 シース 6 ストッパー 7 接合部 8 ハブ 10 拡張用カテーテル 10a 先端側シャフト部 10b 後端側シャフト部 15 ガイドワイヤールーメン 21 シャフト本体部 50 カテーテルルーメン 52 外層 52b 側孔形成部位 53 内層 54 金属補強部材 60 分岐ハブ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チューブ状のシャフト本体部と、該シャ
    フト本体部の先端部に設けられた折り畳みおよび拡張可
    能なバルーンと、折り畳まれた状態の該バルーンを被包
    するように装着され、かつ該バルーンの拡張により拡張
    されるステントと、前記シャフト本体部の先端にて一端
    が開口し、他端が前記シャフト本体部の中間部にて開口
    するガイドワイヤールーメンとを備える拡張用カテーテ
    ルと、前記拡張用カテーテルを摺動可能に収納するカテ
    ーテルルーメンを有するシースとを備える生体器官拡張
    用器具であって、前記シースは、前記拡張用カテーテル
    の前記ガイドワイヤールーメンの他端側開口部付近とな
    る位置に設けられた前記ガイドワイヤールーメンにガイ
    ドワイヤーを挿通するための軸方向に延びる側孔を備
    え、さらに、該シースの側孔形成部位は、剛性が前記シ
    ースの先端部より高い高剛性部となっていることを特徴
    とする生体器官拡張用器具。
  2. 【請求項2】 前記拡張用カテーテルは、前記シース内
    において、前記拡張用カテーテルの前記ステントの先端
    が前記シース内に収納された状態から前記ステントの後
    端が露出する状態まで摺動可能であり、前記シースの前
    記側孔は、前記ステントの長さと同等もしくはそれ以上
    の軸方向長さを備えている請求項1に記載の生体器官拡
    張用器具。
  3. 【請求項3】 前記シースの前記側孔形成部位の先端部
    から前記シースの基端部まで前記シースの先端部を構成
    する樹脂材料より硬度の高い樹脂材料により作製されて
    いる請求項1または2に記載の生体器官拡張用器具。
  4. 【請求項4】 前記硬度の高い樹脂材料は、ショアD硬
    度55以上の樹脂材料である請求項3に記載の生体器官
    拡張用器具。
  5. 【請求項5】 前記硬度の高い樹脂材料は、ポリエステ
    ルまたはポリアミドである請求項3または4に記載の生
    体器官拡張用器具。
  6. 【請求項6】 前記シースの先端部は、ショアD硬度5
    0以下の樹脂材料により作製されている請求項1ないし
    5のいずれかに記載の生体器官拡張用器具。
  7. 【請求項7】 前記シースの先端部を構成する樹脂材料
    はポリエステルまたはポリアミドである請求項1ないし
    6のいずれかに記載の生体器官拡張用器具。
  8. 【請求項8】 前記側孔形成部位は、金属製補強部材を
    有している請求項1ないし7のいずれかに記載の生体器
    官拡張用器具。
  9. 【請求項9】 前記補強部材は、複数の開口を有する管
    状部材である請求項8に記載の生体器官拡張用器具。
  10. 【請求項10】 前記補強部材は、ワイヤー状部材であ
    る請求項8に記載の生体器官拡張用器具。
  11. 【請求項11】 前記シースは、シース外層と該シース
    外層の内側に形成されたシース内層とからなり、該シー
    ス内層は、フッ素系樹脂材料により作製されている1な
    いし10のいずれかに記載の生体器官拡張用器具。
  12. 【請求項12】 前記内層は、前記シース外層先端より
    突出するように作製されている請求項11に記載の生体
    器官拡張用器具。
  13. 【請求項13】 前記シースに対して前記拡張用カテー
    テルを任意の位置で固定するロック機構を備えている請
    求項1ないし12のいずれかに記載の生体器官拡張用器
    具。
  14. 【請求項14】 前記拡張用カテーテルは、前記ステン
    トよりも先端側に設けられ、前記シースの先端方向への
    移動を阻止するストッパーを備える請求項1ないし13
    のいずれかに記載の生体器官拡張用器具。
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