JP2002100610A - プラズマ装置 - Google Patents

プラズマ装置

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JP2002100610A
JP2002100610A JP2000289194A JP2000289194A JP2002100610A JP 2002100610 A JP2002100610 A JP 2002100610A JP 2000289194 A JP2000289194 A JP 2000289194A JP 2000289194 A JP2000289194 A JP 2000289194A JP 2002100610 A JP2002100610 A JP 2002100610A
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antenna
plasma
high frequency
circularly polarized
conductor
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JP2000289194A
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Nobuo Ishii
信雄 石井
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Tokyo Electron Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマの分布を均一化する。 【解決手段】 処理容器内に高周波を供給するアンテナ
30として、互いに直交するように配置されて高周波が
円偏波となるように給電される2つのダイポールアンテ
ナ31,32を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波によりプラ
ズマを生成して所定の処理を行うプラズマ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体装置やフラットパネルディスプレ
イの製造において、酸化膜の形成や半導体層の結晶成
長、エッチング、またアッシングなどの処理を行うため
に、プラズマ装置が多用されている。これらのプラズマ
装置の中に、アンテナから処理容器内へ高周波を導入し
て高密度プラズマを発生させる高周波プラズマ装置があ
る。この高周波プラズマ装置は、プラズマガスの圧力が
比較的低くても安定してプラズマを生成することができ
るので、用途が広いという特色がある。
【0003】図10は、この種のプラズマ装置で使用さ
れるアンテナの一例を示す図であり、図10(a)は平
面図、図10(b)は座標系を示す図である。このアン
テナは所謂ダイポールアンテナ531であり、プラズマ
が生成される処理容器(図示せず)からアンテナを隔離
する誘電体板512上に配置されている。このダイポー
ルアンテナ531は、誘電体板512の主面と平行に直
線状に配置された2つの導体棒531A,531Bを有
している。ダイポールアンテナ531上における電磁界
の波長をλg とすると、導体棒531A,531Bの長
さは共に略λg/4であり、ダイポールアンテナ531の
全長Lは略λg/2である。一方、導体棒531A,53
1Bの向かい合う端部は離間しており、これらの端部に
給電用の高周波電源545が接続されている。
【0004】ここで、説明の便宜のため、次のように直
交座標系を定める。すなわち、導体棒531A,531
Bの中心軸をx軸とし、導体棒531A,531Bの向
かい合う端部の中央を原点Oとする。また、x軸に直交
してかつ誘電体板512の主面と平行にy軸をとり、誘
電体板512の主面と垂直にz軸をとる。高周波電源5
45よりダイポールアンテナ531に給電すると、ダイ
ポールアンテナ531の全長Lが略λg/2であるので共
振が起こり、ダイポールアンテナ531に大きな電流が
流れ、ダイポールアンテナ531より高周波が放射され
る。この高周波は誘電体板512を透過して処理容器へ
導入され、プラズマの生成に利用される。
【0005】図11は、図10に示したダイポールアン
テナ531の放射特性を示す概念図であり、図11
(a)はyz面における電界強度分布、図13(b)は
xz面における電界強度分布を示している。ダイポール
アンテナ531より放射された高周波は、x軸に平行な
直線偏波であり、その電界強度分布は次のようになる。
すなわち、yz面では図11(a)に示すように比較的
均一であるが、xz面では図11(b)に示すように大
きな偏りが発生する。xz面における電界強度分布は、
ダイポールアンテナ531の中心Oにおける電界強度が
最大であり、中心Oから離れるにしたがって電界強度が
急激に弱まっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、このよう
な空間分布をもつ電磁界でプラズマを生成すると、y軸
上の電界強度がその周囲よりも大きいので、y軸直下の
領域のプラズマ密度がその周囲よりも高くなってしま
う。このため、例えばこのようなダイポールアンテナ5
31を用いた従来のプラズマ装置でエッチング装置を構
成した場合には、プラズマ密度が高くなっているy軸直
下の領域ほどエッチング処理が速く進行するといったよ
うに、場所によって処理速度に偏りが生ずるという問題
があった。本発明はこのような課題を解決するためにな
されたものであり、その目的は、プラズマ装置が生成す
るプラズマの分布を均一化することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明のプラズマ装置は、処理容器内に高周
波を供給するアンテナとして、互いに直交するように配
置されて高周波が円偏波となるように給電される2つの
ダイポールアンテナを有することを特徴とする。このよ
うなアンテナを用いて高周波を円偏波とすることによ
り、処理容器内における電磁界の空間分布を従来より均
一にすることができる。ただし、アンテナから放射され
る高周波は完全な円偏波でなくてもよく、偏波率が少な
くとも50%以上、好ましくは70%以上の円偏波であ
ればよい。また、上記のプラズマ装置において、2つの
ダイポールアンテナが、各々の中央部で互いに直交する
ように配置され、それぞれに等振幅の電力が互いに略9
0゜異なる位相で給電されるようにしてもよい。これに
より、アンテナから放射される高周波は偏波率が略10
0%の円偏波となるので、処理容器内における電磁界の
空間分布は更に均一になる。
【0008】また、本発明のプラズマ装置は、処理容器
内に高周波を供給するアンテナとして、円偏波の高周波
を放射するヘリカルアンテナを用いることを特徴とす
る。これにより、処理容器内における電磁界の空間分布
を従来より均一にすることができる。ただし、ヘリカル
アンテナから放射される高周波は完全な円偏波でなくて
もよく、偏波率が少なくとも50%以上、好ましくは7
0%以上の円偏波であればよい。また、このプラズマ装
置において、ヘリカルアンテナは、高周波電力が供給さ
れる導体線を有しており、この導体線は、その導体線の
軸方向から重なって見えるように軸に沿って螺旋状に伸
び、その軸方向から見たときの周の長さがその導体線上
における電磁界の波長の略0.75倍乃至略1.33倍
であるようにしてもよい。これにより、導体線の軸方向
に軸比のよい円偏波を放射することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を詳細に説明する。ここでは、本発明による
プラズマ装置をエッチング装置に適用した場合を例に説
明する。 (第1の実施の形態)図1は、本発明の第1の実施の形
態であるエッチング装置の一部の構成を示す断面図であ
る。このエッチング装置は、上部が開口した円筒形状の
処理容器11を有している。この処理容器11は、アル
ミニウムなどの導体部材で形成されている。処理容器1
1の上部開口には、厚さ20〜30mm程度の石英ガラ
ス又は(Al23 やAlNなどの)セラミックなどか
らなる誘電体板12が配置されている。処理容器11と
誘電体板12との接合部はOリングなどのシール部材1
3を介在させており、これにより処理容器11内部の気
密性を確保している。
【0010】処理容器11の底部には、セラミックなど
からなる絶縁板14が設けられている。また、この絶縁
板14及び処理容器11底部を貫通する排気口15が設
けられており、この排気口15に連通する真空ポンプ
(図示せず)により、処理容器11内を所望の真空度に
することができる。また、処理容器11の側壁には、処
理容器11内にArなどのプラズマガスを導入するため
のプラズマガス供給ノズル16と、エッチングガスを導
入するための処理ガス供給ノズル17とが上下に設けら
れている。これらのノズル16,17は石英パイプなど
で形成される。
【0011】処理容器11内には、エッチング対象の基
板(被処理体)21が上面に載置される載置台22が収
容されている。この載置台22は、処理容器11の底部
を遊貫する昇降軸23によって支持されており、上下動
自在となっている。載置台22はまた、マッチングボッ
クス25を介して、周波数範囲が数百kHz〜十数MH
zであるバイアス用の高周波電源26に接続されてい
る。なお、処理容器11内の気密性を確保するため、載
置台22と絶縁板14との間に、昇降軸23を囲むよう
にベローズ24が設けられている。また、誘電体板12
の上部には、この誘電体板12を介して処理容器11内
に高周波を供給するアンテナ30が配置されている。こ
のアンテナ30は、誘電体板12により処理容器11か
ら隔離されており、処理容器11内で生成されるプラズ
マから保護されている。
【0012】また、誘電体板12及びアンテナ30の周
囲は、底部が開口している円筒形状のシールド部材18
によって覆われている。このシールド部材18は、例え
ばアルミニウムなどの金属で形成され、アンテナ30か
ら放射された高周波が遮蔽されるので、高周波がエッチ
ング装置の外部に漏れることはない。アンテナ30は伝
送線路40を介して、給電用の高周波電源に接続されて
いる。伝送線路40がシールド部材18を貫通する領域
では、伝送線路40はシールド部材18から高周波的に
絶縁されているので、伝送線路40を流れる給電電力が
シールド部材18に漏れることはない。
【0013】図2は、図1に示したアンテナ30の構成
を示す図である。ここで、図2(a)は、図1における
IIa−IIa′線方向からみたアンテナ30の平面構成及び
その給電系の一構成例を示す図であり、図2(b)は、
座標系を示す図である。まず、アンテナ30の構成を説
明する。アンテナ30は、各々の中央部で互いに直交す
るように配置された2つのダイポールアンテナ31,3
2を有している。ダイポールアンテナ31,32は、導
体棒の中央部にギャップが設けられ、この部分に給電さ
れる構造をしている。
【0014】言い換えれば、ダイポールアンテナ31
は、誘電体板12の主面と平行に直線状に配置された2
つの導体棒31A,31Bを有し、各導体棒31A,3
1Bの向かい合う端部に給電用の伝送線路41A,41
Bがそれぞれ接続されている。また、ダイポールアンテ
ナ32は、誘電体板12の主面と平行に、かつ導体棒3
1A,31Bと垂直に直線状に配置された2つの導体棒
32A,32Bを有し、各導体棒32A,32Bの向か
い合う端部に給電用の伝送線路42A,42Bがそれぞ
れ接続されている。導体棒31A,31B,32A,3
2Bは、例えば銅又はアルミニウムなどで形成される。
【0015】ダイポールアンテナ31,32上における
電磁界の波長をλg とすると、導体棒31A,31B,
32A,32Bの長さは共に略λg/4であり、ダイポー
ルアンテナ31,32の全長Lは略λg/2である。実際
には、ダイポールアンテナ31,32のリアクタンスを
零にして放射電力を最大にするために、全長Lをλg/2
より数%程度短く設計してある。導体棒31A,31
B,32A,32Bの形状は、円柱形、平板形、円錐
形、回転楕円形のいずれでもよい。ここで、説明の便宜
のため、次のように直交座標系を設定する。すなわち、
ダイポールアンテナ31の中心軸をx軸とし、ダイポー
ルアンテナ32の中心軸をy軸とし、ダイポールアンテ
ナ31,32それぞれの中央部を原点Oとする。また、
アンテナ30から載置台22に向かう方向にz軸をと
る。
【0016】次に、アンテナ30の給電系の一構成例を
説明する。給電用の高周波電源45は、ダイポールアン
テナ31,32上における電磁界の波長がλg となる周
波数の高周波電力を出力する。高周波電源45の周波数
範囲はおよそ100MHz〜8GHzであればよい。高
周波電源45の一端は伝送線路44Aを介して3dBカ
プラ43Aの入力端子INに接続され、高周波電源45の
他端は伝送線路44Bを介して3dBカプラ43Bの入
力端子INに接続されている。3dBカプラ43A,43
Bは、1つの入力端子INと2つの出力端子OUT1,OUT2を
有し、入力電力を等分割して出力するものである。ただ
し、出力端子OUT2からの出力電力が出力端子OUT1からの
出力電力よりも位相が90゜遅れるという性質がある。
【0017】3dBカプラ43Aの出力端子OUT1,OUT2
は、それぞれ伝送線路41A,42A及びマッチングボ
ックス51A,52Aを介して、導体棒31A,32A
に接続されている。また、3dBカプラ43Bの出力端
子OUT1,OUT2は、それぞれ伝送線路41B,42B及び
マッチングボックス51B,52Bを介して、導体棒3
1B,32Bに接続されている。マッチングボックス5
1A,51B,52A,52Bによってインピーダンス
のマッチングを図ることにより、電力の使用効率を向上
させることができる。伝送線路44A,44Bの電気長
は互いに等しく、また伝送線路41A,41B,42
A,42Bの電気長はすべて等しいとする。なお、伝送
線路41A,41B,42A,42Bを合わせたもの
が、図1に示した伝送線路40に相当する。
【0018】ダイポールアンテナ31の導体棒31A,
31Bにそれぞれ接続された2つのマッチングボックス
51A,51Bを、図3(a)に示すように1つのマッ
チングボックス51で代用させ、同様にダイポールアン
テナ32の導体棒32A,32Bにそれぞれ接続された
2つのマッチングボックス52A,52Bを、1つのマ
ッチングボックス52で代用させてもよい。
【0019】また、図3(b)に示すように、高周波電
源45からの電力を3dBカプラ43で2分割した後、
分割した電力のそれぞれをトランス53,54を介して
ダイポールアンテナ31,32に供給するようにしても
よい。この場合、高周波電源45の一端を伝送線路44
を介して3dBカプラ43の入力端子INに接続し、3d
Bカプラ43の出力端子OUT1,OUT2をそれぞれトランス
53,54の一次巻線の一端に接続し、高周波電源45
の他端及びトランス53,54の一次巻線の他端を接地
することにより、3dBカプラを1個ですませることが
できる。なお、図3(a),(b)では、回路構成を分
かり易くするために、ダイポールアンテナ31の配置と
ダイポールアンテナ32の配置とをずらして描いてい
る。
【0020】次に、図1,図2を用いてエッチング装置
の動作を説明する。基板21を載置台22の上面に載置
した状態で、処理容器11内を例えば0.01〜10P
a程度の真空度にする。次に、この真空度を維持しつ
つ、プラズマガス供給ノズル16からプラズマガスとし
てArを供給し、処理ガス供給ノズル17からCF4
どのエッチングガスを流量制御して供給する。
【0021】処理容器11内にプラズマガス及びエッチ
ングガスが供給された状態で、アンテナ30に給電を開
始する。高周波電源45の一端から出力された高周波電
力は、3dBカプラ43Aで等分割されて、出力端子OU
T1から導体棒31Aへ、また出力端子OUT2から導体棒3
2Aへ供給される。このとき、導体棒32Aへの給電位
相は導体棒31Aへの給電位相よりも90゜だけ遅れ
る。また、高周波電源45の他端から出力された高周波
電力は、3dBカプラ43Bで等分割されて、出力端子
OUT1から導体棒31Bへ、また出力端子OUT2から導体棒
32Bへ供給される。このとき、導体棒32Bへの給電
位相は導体棒31Bへの給電位相よりも90゜だけ遅れ
る。したがって、ダイポールアンテナ32への給電位相
はダイポールアンテナ31への給電位相よりも90゜だ
け遅れることになる。
【0022】ダイポールアンテナ31はその全長Lが略
λg/2であるので、給電により共振が起こり、ダイポー
ルアンテナ31に大きな電流が流れ、ダイポールアンテ
ナ31からx軸に平行な直線偏波の高周波が放射され
る。同様に、給電によりダイポールアンテナ32からy
軸に平行な直線偏波の高周波が放射される。ただし、ダ
イポールアンテナ32への給電位相はダイポールアンテ
ナ31への給電位相よりも90゜遅れているので、y軸
に平行な直線偏波はx軸に平行な直線偏波よりも位相が
90°遅れている。これら2つの直線偏波は、振幅が等
しく、空間的に直交しており、しかも位相が90゜異な
っているので、円偏波となる。なお、図2(b)に示す
z軸の正方向へは右旋円偏波となる。
【0023】このように、アンテナ30から放射された
高周波は円偏波となり、誘電体板12を透過して処理容
器11内に導入される。この高周波は、処理容器11内
に電界を形成してArを電離させることにより、処理対
象の基板21の上部空間Aにプラズマを生成する。この
エッチング装置では、載置台22に負電位がバイアスさ
れているので、生成されたプラズマからイオンが引き出
されて、基板21に対してエッチング処理が行われる。
【0024】図4は、図1に示したアンテナ30の放射
特性を示す概念図であり、図4(a)はxz面における
電界強度分布、図4(b)はyz面における電界強度分
布を示している。上述したように、このアンテナ30が
放射する高周波は円偏波となるので、その電界強度分布
は図4(a),(b)に示すようにxz面及びyz面で
同様のほぼ均一な分布となる。図10に示した従来から
使用されているダイポールアンテナ531の放射特性と
比較すれば、電界強度分布が改善されていることが分か
る。図4に示すような均一な空間分布をもつ電磁界でプ
ラズマを生成することにより、プラズマの分布を均一化
することができるので、基板21の全域で均一な速度で
エッチング処理を行うことができる。
【0025】なお、図1に示したエッチング装置では図
2(b)に示すz軸の正方向に右旋円偏波を放射するよ
うにしたが、左旋円偏波を放射するには逆にダイポール
アンテナ32への給電位相をダイポールアンテナ31へ
の給電位相よりも90゜だけ進めればよい。また、アン
テナ30から放射される高周波は完全な円偏波でなくて
もよい。図5に示すような長軸の長さが2a、短軸の長
さが2bである円偏波の偏波率をb/a(×100)%
と定義すると、偏波率が50%以上、好ましくは70%
以上の円偏波を生成することにより、プラズマの分布を
改善することができる。
【0026】ここで、円偏波の偏波率の調整方法につい
て簡単に説明する。まず、互いに直交する2つの直線偏
波の位相差が90゜であるが、振幅値が互いに異なる場
合、2つの直線偏波をasin(ωt+π/2),bsin(ωt)と
表せば、偏波率は単に振幅値比b/a(×100)%で
求められる。したがって、70%以上の偏波率を得るに
は、振幅値比を70%以上にしておけばよい。また、互
いに直交する2つの直線偏波の振幅値が等しいが、位相
差が90゜でない場合、2つの直線偏波をsin(ωt−
θ),sin(ωt)と表せば、位相差θが90゜付近の値を
とるときの偏波率の位相差依存性は図6に示すようにな
る。したがって、70%以上の偏波率を得るには、位相
差θをおよそ70゜〜110゜程度に調整すればよい。
【0027】また、ダイポールアンテナ31,32の全
長Lは、略λg/2程度としたが、略λg 又は略3λg/2
としてもよい。また、このようなアンテナ30を複数個
設けるようにしてもよい。
【0028】(第2の実施の形態)図7は、本発明の第
2の実施の形態であるエッチング装置の構成を示す断面
図である。この図において、図1と同一部分を同一符号
をもって示し、適宜その説明を省略する。また、図8
は、図7に示すエッチング装置で用いられるアンテナの
構造を示す斜視図である。図7に示すエッチング装置
は、処理容器11内に円偏波の高周波を供給するアンテ
ナとして、ヘリカルアンテナ130を用いたものであ
る。このヘリカルアンテナ130は、接地された円形導
体板からなる地板131と、高周波電力が供給される螺
旋状の導体線132とから構成されている。
【0029】地板131は誘電体板12に対向配置され
ている。地板131の直径は、軸比、利得、サイドロー
ブレベルを考慮して、λg 以上の値に設定される。ここ
でλg は、導体線132上における電磁界の波長であ
る。なお、地板131を空洞状にすることにより、高利
得を得ることができる。導体線132は、その軸132
Aの方向から重なって見えるように、軸132Aに沿っ
て螺旋状に伸びている。そして、その軸132Aの方向
が地板131の法線方向と一致するように、地板131
の下方に配置されている。導体線132のピッチ角αは
およそ11゜〜17゜程度、ヘリクス周πD(導体線1
32をその軸方向から見たときの円周)は0.75λg
〜1.33λg 程度に設定するのが望ましい。これによ
り、導体線132の軸方向に軸比のよい円偏波を放射す
ることができる。また、導体線132の巻数を3以上と
することにより、良好な利得及び軸比を得られる。
【0030】ヘリカルアンテナ130への給電には、同
軸線路141を用いるとよい。この場合、同軸線路14
1の外部導体142は地板131に接続され、同軸線路
141の内部導体143は地板131の開口部を通って
導体線132に接続される。この同軸線路141は、マ
ッチングボックス144を介して、給電用の高周波電源
45に接続されている。なお、誘電体板12及びアンテ
ナ130の周囲は、シールド部材118によって覆われ
ている。
【0031】次に、ヘリカルアンテナ130の動作原理
を簡単に説明する。図9は、その説明図である。例えば
ヘリクス周πDがλg であるとき、導体線132のルー
プ断面内には、図9に示すようなTE11モードの電界が
できる。導体線132の螺旋に沿って電流が流れると、
これに伴って図9に示す電界が回転する。図8に示すよ
うに導体線132が左巻である場合には、地板131の
裏側から見たとき電界は左回りに回転する。このため、
導体線132から放射される高周波は、左旋円偏波とな
る。なお、高周波を右旋円偏波とするには、導体線13
2を右巻にすればよいことは言うまでもない。
【0032】このように、ヘリカルアンテナ130は、
図1に示したアンテナ30と同様に処理容器11内に供
給する高周波を円偏波とすることができる。このため、
処理容器11内における電界強度分布を改善することが
できるので、この電界により生成されるプラズマの分布
を均一化することができる。ヘリカルアンテナ130の
場合も、高周波は完全な円偏波でなくてもよく、偏波率
が50%以上、好ましくは70%以上の円偏波であれば
よい。また、このようなヘリカルアンテナ130を複数
個設けるようにしてもよい。以上では本発明のプラズマ
装置をエッチング装置に適用した場合を例に説明した
が、例えばプラズマCVD装置などの他のプラズマ装置
に適用してもよいことは言うまでもない。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のプラズマ
装置は、2つのダイポールアンテナ又はヘリカルアンテ
ナを用いて、処理容器内に供給する高周波を円偏波とす
る。これにより、処理容器内における電磁界の空間分布
が従来より均一になるので、プラズマの分布を従来より
も均一化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態であるエッチング
装置の一部の構成を示す断面図である。
【図2】 図1に示したアンテナの構成を示す図であ
る。
【図3】 図1に示したアンテナの給電系の他の構成例
を示す図である。
【図4】 図1に示したアンテナの放射特性を示す概念
図である。
【図5】 円偏波の偏波率を説明するための図である。
【図6】 円偏波の偏波率の位相差依存性を示す図であ
る。
【図7】 本発明の第2の実施の形態であるエッチング
装置の構成を示す断面図である。
【図8】 図7に示したアンテナの構造を示す斜視図で
ある。
【図9】 図7に示したアンテナの動作原理を説明する
ための図である。
【図10】 従来からあるプラズマ装置で使用されるア
ンテナの一例を示す図である。
【図11】 図10に示したダイポールアンテナの放射
特性を示す概念図である。
【符号の説明】
11…処理容器、12…誘電体板、13…シール部材、
21…基板、22…載置台、30…アンテナ、31,3
2…ダイポールアンテナ、130…ヘリカルアンテナ、
132…導体線、132A…導体線の軸。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気密な処理容器内に配置され被処理体を
    載置する載置台と、この載置台に対向配置され前記処理
    容器内に高周波を供給するアンテナとを備えたプラズマ
    装置において、 前記アンテナは、互いに直交するように配置され、前記
    高周波が円偏波となるように給電される2つのダイポー
    ルアンテナを有することを特徴とするプラズマ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプラズマ装置において、 前記2つのダイポールアンテナは、前記高周波が偏波率
    50%以上の円偏波となるように給電されることを特徴
    とするプラズマ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のプラズマ装置において、 前記2つのダイポールアンテナは、各々の中央部で互い
    に直交するように配置され、それぞれに等振幅の電力が
    互いに略90゜異なる位相で給電されることを特徴とす
    るプラズマ装置。
  4. 【請求項4】 気密な処理容器内に配置され被処理体を
    載置する載置台と、この載置台に対向配置され前記処理
    容器内に高周波を供給するアンテナとを備えたプラズマ
    装置において、 前記アンテナは、前記高周波を円偏波として放射するヘ
    リカルアンテナであることを特徴とするプラズマ装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のプラズマ装置において、 前記ヘリカルアンテナは、偏波率50%以上の円偏波を
    放射することを特徴とするプラズマ装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載のプラズマ装置にお
    いて、 前記ヘリカルアンテナは、高周波電力が供給される導体
    線を有し、 この導体線は、その導体線の軸方向から重なって見える
    ように前記軸に沿って螺旋状に伸び、前記軸方向から見
    たときの周の長さがその導体線上における電磁界の波長
    の略0.75倍乃至略1.33倍であることを特徴とす
    るプラズマ装置。
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