JP2002100297A - イオン生成方法およびイオン生成装置 - Google Patents

イオン生成方法およびイオン生成装置

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JP2002100297A
JP2002100297A JP2000291137A JP2000291137A JP2002100297A JP 2002100297 A JP2002100297 A JP 2002100297A JP 2000291137 A JP2000291137 A JP 2000291137A JP 2000291137 A JP2000291137 A JP 2000291137A JP 2002100297 A JP2002100297 A JP 2002100297A
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ion
electrode
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ions
potential
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JP2000291137A
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Hiroshi Saeki
宏 佐伯
Ken Takahashi
高橋  研
Yoshinori Takahashi
善則 高橋
Hidenori Goto
秀徳 後藤
Jun Ono
純 大野
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Tsukishima Kikai Co Ltd
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Tsukishima Kikai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 清浄なイオンを導出することができるイオン
生成装置を得る。 【解決手段】 イオン導出部20が、イオン通路21を
横切ってイオン発生室10側から順に、前記イオン発生
室で発生したイオンと同じ極性を有する第1電極22
と、当該イオンとは逆の極性を有する第2電極23と、
前記第1電極と第2の極との中間の電位を有する第3電
極24とを備え、前記第1ないし第3電極にはそれぞれ
イオン通路21となる同軸的な開口が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン生成方法お
よびイオン生成装置に関するものであり、特に清浄なイ
オンビームを導出することができるイオン生成方法およ
びイオン生成装置に関する
【0002】
【従来の技術】高真空中でイオン源となるガスを電離し
てイオン雲すなわちプラズマを生成し、このプラズマか
らイオンをイオンビームとして処理室に導出するイオン
生成装置は、スパッタリング、イオンビーム洗浄、酸化
物や窒化物の成膜アシストなどの処理を行う際に用いら
れる。図7に、従来のイオン生成装置の一例を示す。こ
のイオン生成装置100は、概略、イオン発生室110
とイオン導出部120とからなり、このイオン導出部1
20がイオンを用いてスパッタリングやイオンビーム洗
浄などの処理を行う処理室130に連結している。
【0003】イオン発生室110には、加熱装置を兼ね
た放電用陰極111と、その外周に対極となる放電用陽
極112が配設されイオン発生部118を構成してい
る。またイオン発生室110の周壁には、発生したイオ
ンを室中央に集中するための磁石113が装着され、イ
オン発生部118にイオン源のガスGを供給するガス供
給管114および室内排気のための排気管115が設け
られている。
【0004】イオン導出部120には、イオン発生室1
10側にイオン引出し電極121が、また処理室130
側にイオン加速電極122が設けられている。イオン引
出し電極121とイオン加速電極122とは、いずれも
微細な口径の網目板または多孔板からなっている。
【0005】前記イオン生成装置100は、排気管11
5を通してイオン発生室110内を高真空に排気し、放
電用陽極112と放電用陰極111との間に高電位差を
負荷すると共に放電用陰極111を加熱し、ガス供給管
114から例えばアルゴンガスなどのガスGを導入する
と、電極間の放電によってガス分子が電離してプラズマ
を生成し、このプラズマは磁石113によって室中央部
に集中される。室中央部に集中したイオン発生室110
内のプラズマは、イオン導出部120のイオン引出し電
極121によってイオン流として引出され、イオン加速
電極122によって加速され、イオンビームとして処理
室130内に導出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】最近は電子機器部材の
形成時における高純度化が強く求められるようになり、
前記処理室130に導出されるイオンビームの純度が問
題にされるようになってきた。すなわち、イオン発生室
110内にはプラズマ化されていない非イオン化ガス分
子や、排気しきれない残留雰囲気ガス分子(窒素分子な
ど)が不純物として存在すると共に、発生したイオンが
器壁や電極にスパッタリングして生成した他種イオンや
微粒子などの不純物も存在する。従って従来の前記イオ
ン導出部120によって引出されビーム化されたイオン
はこれらの不純物を随伴している。さらにイオン導出部
120内においてもビーム化されたイオンが電極の網目
などにスパッタリングして不純物を発生するので、処理
室130に導出されるイオンの純度は必要とされる程度
にまで高くなかった。
【0007】特開平5−152182号公報には網目板
を用いないイオン導出部が記載されている。しかしこの
技術はイオンビームの絞り込みを目的とするものであ
り、この技術によって清浄なイオンを導出することはで
きない。
【0008】本発明は前記の課題を解決するためになさ
れたものであって、従ってその目的は、清浄なイオンを
導出することができるイオン生成方法およびイオン生成
装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに本発明は、イオンを、イオン通路に沿って発生源側
から順次、当該イオンと同じ極性を有する第1の電界、
当該イオンとは逆の極性を有する第2の電界、および前
記第1の電界と第2の電界との中間の電位を有する第3
の電界を通過させて導出するイオン生成方法を提供す
る。
【0010】このイオン生成方法によれば、イオン発生
源で生成したイオンはまず、当該イオンとは逆の極性を
有する第2の電界に吸引され、当該イオンと同じ極性を
有する第1の電界を通過する。この際、イオンは第1の
電界を形成する電極と同じ極性を有することによって当
該電極と反発し合い、電極から離れた電界の中央部を通
過するので、イオンが電極などにスパッタリングして2
次的な不純物を生成することがない。第1の電界を通過
したイオンは、当該イオンとは逆の極性を有する第2の
電界を通過する際に加速され、イオンビームとなって所
要のエネルギーで処理室側に導出される。このときイオ
ンビームは、加速されると同時に第2の電界を形成する
電極に吸引されるため拡散する。この拡散は処理室内の
ターゲットに対するイオン密度を低下させると共に、周
辺の部材をスパッタリングして処理室内における不純物
の発生源となる。第1の電界と第2の電界との中間の電
位を有する第3の電界は、このイオンビームの拡散を抑
制し、ターゲットの形状に対応した適度の拡散角を有す
るイオンビームを処理室に向けて導出する。
【0011】前記において、第2の電界以降に第4の電
界を形成し、イオン通路の断面方向にこの第4の電界の
電位を調整して、前記イオン通路から導出されたイオン
ビームの照射パターンを制御することが好ましい。第4
の電界の電位をイオン通路の断面方向に調整すると、イ
オンビームの屈曲角を局部的に変化させることができ
る。このイオンビームの屈曲角を局部的に調整すること
によって、処理室のターゲットに照射するイオンビーム
の照射パターンを変化させることができる。前記第4の
電界は、第3の電界の中に形成することが好ましい。
【0012】本発明はまた、イオン発生室とイオン導出
部とを有するイオン生成装置であって、前記イオン導出
部は、イオンが通過するイオン通路を横切ってイオン発
生室側から順に、前記イオン発生室で発生したイオンと
同じ極性を有する第1の電極と、当該イオンとは逆の極
性を有する第2の電極と、前記第1の電極と第2の電極
との中間の電位を有する第3の電極とを備え、前記第
1、第2および第3の電極にはそれぞれイオン通路とな
る同軸的な開口が形成されたイオン生成装置を提供す
る。
【0013】このイオン生成装置は、イオン通路を横切
って同軸的な開口が形成された第1、第2および第3の
電極を備え、第1の電極がイオンと同じ極性に、第2の
電極がイオンとは逆の極性に、また第3の電極がそれら
の中間電位に荷電調整されているので、イオン発生室で
生成したイオンが第2の電極の吸引力により第1の電極
の開口を通過するとき当該電極と反発し合って開口の中
央部に集中し、イオンが第1の電極をスパッタリングし
て不純物を生成することがない。イオンは第2の電極の
開口を通るとき処理室に向けて加速エネルギーを付与さ
れイオンビームとなる。このイオンビームは、極性が異
なる第2の電極の吸引力により拡散するが、第3の電極
の開口を通るとき、過度に拡散した拡散角をターゲット
の形状に適応するように調整される。前記第3の電極
は、グランド電位であってもよい。
【0014】前記において第1の電極の開口は、前記イ
オン発生室側の縁部が鋭角に形成されていることが好ま
しい。この場合、第1の電極は開口のイオン発生室側縁
部がナイフエッジになっていて、この部分に電界集中が
起こり、イオン通路の入口付近の局所でイオンが開口の
中央部に集中する。このため開口に流入するイオンが電
極に衝突することがなく、スパッタリングによる不純物
の生成が起こらない。また、開口が第2の電極に向けて
拡径しているので、イオンが第2の電極に吸引されて外
側に屈曲しても開口の内壁に衝突してスパッタリングす
る可能性が低減される。
【0015】前記において第3の電極はイオン通路に沿
って2分割され、分割された間隙に、前記イオン通路を
横切って電位を調整し得る第4の電極が挿入され、この
第4の電極に、前記第1、第2および第3の電極の開口
と同軸的な開口が形成されていることが好ましい。この
第4の電極は、負荷電位を調整することによって、第2
の電極を通過したことによって加速され第3の電極によ
って拡散角が調整されたイオンビームの拡散角を処理室
の個々のターゲットの形状に適応するように制御するこ
とができる。
【0016】前記第4の電極は、イオン通路を中心とし
て放射状に複数の片部に分割され、それぞれの片部が独
立した電位に荷電されるようになっていることが好まし
い。分割された片部を独立した電位に荷電するとイオン
通路を横切る電界の密度が断面方向に変化するので、イ
オンビームがその場の空間電位に応じて偏倚する。これ
によって、処理室内に導出された全イオンビームの照射
方向と密度分布とを制御し、ターゲットの所望の領域に
所望の密度分布でイオンビームを照射することができる
ようになる。
【0017】前記第2の電極以降の電極の開口は、イオ
ン発生室側からイオン通路に沿って漸次拡径するように
形成されていることが好ましい。この場合、イオン通路
は全体として処理室に向けて拡径することになる。イオ
ン発生室側からイオン導出部に進入したイオンのビーム
束は、前記のように第3の電極により抑制されるとはい
え、第2の電極の拡散力によって全体として拡散する傾
向がある。そこで、イオン通路が全体として処理室に向
けて拡径することによってイオンが各電極をスパッタリ
ングして不純物を生成する確率が低減する。
【0018】前記各電極には、複数の前記開口が形成さ
れていることが好ましい。1つの開口は前記のように一
般に放射状のビーム束を形成するが、単一のビーム束で
は引出し電流値がターゲットのスパッタリングに充分で
ない場合がある。またターゲットの全体にイオンが均一
な密度で照射されない場合もある。この場合開口が複数
形成され、それぞれの開口を通るビーム束の照射領域を
調整すれば、広い面積または各種形状のターゲットにも
イオンを均一な密度で、または特定の密度パターンで照
射できるようになる。
【0019】前記イオン導出部には、前記イオン通路に
通じる排気路が設けられていることが好ましい。イオン
導出部において形成されたイオンビームは、互いに反発
しあうクーロン力によって全体としてビームの進行方向
に拡散する傾向があるので、万一の場合イオンの一部は
いずれかの電極に衝突することも考慮する必要がある。
特に第2の電極には強く吸引される。この場合、イオン
通路に通じる排気路が設けられていれば、電極へのスパ
ッタリングにより不純物が生成したとしても、これらの
不純物は排気路を通して除外され、処理室への侵入を阻
止することができる。もちろんこの排気路は、イオン発
生室から第1の電極の開口を通ってイオン導出部へ侵入
した不純物や非イオン化ガスの除去にも有効である。
【0020】前記イオン発生室は、少なくとも第1の電
極に隣接する壁面が、当該イオン発生室で発生したイオ
ンと同じ極性に荷電された補助電極で覆われていること
が好ましい。これによって、イオン発生室の少なくとも
第1の電極の近辺ではイオンが室壁をスパッタリングす
ることが防止され、イオンビームの高純度化をはかるこ
とができる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面を
用いて説明するが、以下の実施形態は本発明を何ら制限
するものではない。図1は本実施形態のイオン生成装置
を示している。このイオン生成装置1は、概略、イオン
発生室10とイオン導出部20とからなり、このイオン
導出部20が、イオンを用いてスパッタリング、イオン
ビーム洗浄、酸化物や窒化物の成膜アシストなどの処理
を行う処理室30に連結している。
【0022】イオン発生室10には、マイクロ波アンテ
ナ11と電極12とからなるマイクロ波によるイオン発
生部18が設けられている。イオン発生室10の周壁に
は、発生したイオンを室中央に集中するための磁石13
が装着されている。またイオン発生室10の周壁には、
プラズマ源となるイオン種生成ガスGを導入するガス供
給孔14…と、イオン発生室内を排気するための排気孔
15…とが形成されている。イオン発生室10の、イオ
ン導出部20に隣接する壁面には、環状の補助電極16
が設けられている。本実施形態で用いるイオン種生成ガ
スGはアルゴンガスである。
【0023】図2は、イオン導出部20を処理室30側
から見た平面図である。図3はイオン導出部20の軸心
Xを通る断面図である。また図4は、イオン導出部20
における第4の電極を横断する断面図である。このイオ
ン導出部20は全体として円盤状をなし、円盤の一方の
面がイオン発生室10に当面し、他方の面が処理室30
に当面している。イオン導出部20には、軸心Xから等
距離等間隔で、軸心Xと平行な軸Oを有する4つのイオ
ン通路21A,21B,21C,21Dが形成されてい
る。これらのイオン通路はいずれも同一構造を有してい
るので、以下の説明では断りない限り、いずれか1つの
イオン通路をイオン通路21という。
【0024】イオン導出部20は、イオン通路21を横
切ってイオン発生室10側から順に、第1の電極(以下
「第1電極22」という)と第2の電極(以下「第2電
極23」という)と第3の電極(以下「第3電極24」
という)と第4の電極(以下「第4電極25」という)
とを備えている。この内、第3電極24は、イオン通路
21の軸心Oに沿って第3電極24Aと第3電極24B
とに2分割され、この分割間隙に、イオン通路を横切る
第4電極25が挿入されている。更にこの第4電極25
は、イオン通路21を中心として放射状に4つの片部2
5A,25B,25C,25Dに分割され、それぞれの
片部には異なる電位が負荷できるようになっている。
【0025】第1電極22の開口26は、第2電極23
に向けて拡径するテーパ状に形成され、この開口26の
イオン発生室10側の縁部は鋭角とされている。また、
前記第2電極23以降の電極の開口は、イオン発生室1
0側から処理室30に向けて、イオン通路21に沿って
漸次拡径するように形成されている。第1電極22と第
2電極23との間隙には環状に排気孔27…が設けら
れ、これらの排気孔は真空ポンプに連結されている。
【0026】次に、本実施形態の運転方法と作用につい
て説明する。まず本実施形態のイオン生成装置1のイオ
ン発生室10とイオン導出部20、および処理室30を
例えば1×10-4Torr以下の高真空に排気する。処理室
30は更に高真空例えば1×10-5Torr以下に排気して
もよい。第1電極22には例えば+2KVの電位を負荷す
る。第2電極23には例えば−2KVの電位を負荷する。
第3電極24A,24Bにはいずれも例えばグランド電
位(0V)が負荷される。また第4電極25の各片部に
は、イオンビームが好適な照射パターンを形成するよう
にそれぞれ、例えば+4KVを平均値として微調整された
電位が負荷される。
【0027】マイクロ波アンテナ11と電極12とから
なるイオン発生部18を作動し、ガス供給孔14…から
イオン種生成ガスGとしてアルゴンガスを導入する。こ
れによってアルゴンガスは電離し、陽イオン(以下「A
+」と記す)からなるプラズマPが生成する。図5に
模式的に示すように、生成したプラズマPはイオン発生
室10内で磁石13によって中央部に集中され、第1電
極22の開口26からイオン通路21内に導入される。
導入されたAr+は(−)電位の第2電極23に吸引さ
れて加速され、イオンビームの束(以下、「ビーム束」
という)となって第2電極23、第3電極24A、第4
電極25、第3電極24Bのそれぞれ開口を通過して処
理室30に導出される。このときビーム束は、イオンビ
ーム相互の反発力および(−)電位の第2電極23によ
って進行方向に拡径するが、その拡散角は、それぞれの
片部25A,25B,25C,25Dに平均的に+4KV
の電位が負荷された第4電極25によって適度に収束さ
れる。さらに、第4電極25のそれぞれの片部25A,
25B,25C,25Dには適度に微調整された電位が
負荷されているので、ビーム束の拡散角は片部25A,
25B,25C,25Dにそれぞれ負荷された電位に対
応して局部的に変化する。これによって図6に示すよう
に、処理室30内でターゲット40に照射するイオンビ
ームの照射パターンはそれぞれ41A,41B,41
C,41Dのように変形する。各イオン通路21A,2
1B,21C,21Dについてそれぞれの第4電極25
の片部は独立に電位を変更できるので、これによってタ
ーゲット40に照射するイオンビームのパターンは適宜
に制御することができる。
【0028】図5において、イオン発生室10内で、第
1電極22およびその周辺に存在するAr+は、第1電
極22および補助電極16が(+)に荷電されているの
で反発力によりこれらに衝突することはなく、従ってス
パッタリングにより不純物を生成することがない。これ
によって開口26近傍での不純物の生成は防止される。
【0029】第1電極22の開口26付近のAr+は、
第1電極22と第2電極23との大きな電位差(4KV)
によって強く吸引され、第1電極の開口26から激しい
イオン流となってイオン導出部20に流入する。この
際、開口26のイオン発生室10側の縁部はナイフエッ
ジとされているので、この部分に強い電界集中が起こ
り、Ar+は開口26の中央部に集中されるので開口2
6に流入するAr+が第1電極22に衝突してスパッタ
リングを起こすことはない。
【0030】イオン発生室10内に存在する非イオン化
ガス(図5において「Ar」で示す)や不純物(図5に
おいて「▲」で示す)は、開口26の縁部における電界
集中とその部分に流入するイオン流に阻まれ、開口26
内にはほとんど流入しない。僅かに流入した非イオン化
ガスや不純物は、第1電極22と第2電極23との間隙
に設けられた排気孔27から排出され、処理室30側に
は導出されない。開口26を通った後に第2電極23に
強く吸引され衝突したAr+はスパッタリングを起こし
て不純物を生成するが、この不純物も直ちに排気孔27
から排出され、処理室30側には導出されない。
【0031】開口26を通って形成されたAr+のビー
ム束は、第2電極23の開口を通過する際、第2電極2
3の(−)電荷によって進行方向に強く拡散する。しか
し拡散したビーム束は、第1電極と第2電極との中間の
電位を有する第3電極24A,24B、および平均的に
高い(+)電位を有する第4電極25によって拡散が緩
和される。このように、最終的にイオン導出部20から
導出されるビーム束の拡散角は、第1電極、第2電極、
第3電極、第4電極のそれぞれの負荷電位によって変化
する。この際、拡散放射されるAr+は、第2電極23
以降の各電極の開口が処理室30に向けて漸次所定の拡
散角で拡径しているので、いずれかの電極に衝突してス
パッタリングを起こすことがない。
【0032】以上詳しく説明した経過によって、イオン
発生室10で発生したAr+は、非イオン化ガスや不純
物を随伴しない極めて清浄なイオンビームとして本実施
形態のイオン生成装置から導出される。また導出された
イオンビームは、第4電極の各片部の電位を調整するこ
とによって、処理室30内のターゲット40上での照射
パターンを適宜制御することができる。
【0033】本発明のイオン生成装置において、イオン
発生室の構成は特に限定されない。例えばイオン発生部
の形式や磁石の配置、イオン源、ガス供給管の配置、排
気管の配置や数などは、本発明の範囲内で任意に変更す
ることができる。イオン導出部20においても、イオン
通路の数や配置、第4電極の片部の数や配置、排気孔の
配置や数などは前記実施形態に限定されるものではな
い。
【0034】
【発明の効果】本発明のイオン生成方法は、イオンを順
次、当該イオンと同じ極性を有する第1の電界、当該イ
オンとは逆の極性を有する第2の電界、および前記第1
の電界と第2の電界との中間の電位を有する第3の電界
を通過させて導出するので、非イオンガスや不純物を随
伴しない清浄なイオンをイオンビームとして処理室に導
出することができる。第2の電界以降に第4の電界を形
成し、イオン通路の断面方向にこの第4の電界の電位を
変化させれば、イオンの進路を制御してターゲット上の
イオンの照射パターンを制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す断面図。
【図2】 前記実施形態のイオン導出部を処理室側から
見た平面図。
【図3】 前記イオン導出部の軸心Xを通る断面図。
【図4】 前記イオン導出部における第4の電極を横断
する断面図。
【図5】 前記実施形態の作用を示す模式図。
【図6】 ターゲットにおけるイオン密度のパターンの
一例を示す平面図。
【図7】 従来のイオン生成装置の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1:イオン生成装置 10:イオン発生室 14:ガス供給孔 15:排気孔 16:補助電極 18:イオン発生部 20:イオン導出部 21,21A,21B,21C,21D:イオン通路 22:第1電極 23:第2電極 24,24A,24B:第3電極 25:第4電極 25A,25B,25C,25D;
片部 26:開口 27:排気孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐伯 宏 兵庫県姫路市大塩町汐咲2丁目24番 藤和 姫路大塩ハイタウン412号室 (72)発明者 高橋 研 宮城県仙台市太白区人来田2丁目20−2 (72)発明者 高橋 善則 東京都中央区佃2丁目17番15号 月島機械 株式会社内 (72)発明者 後藤 秀徳 東京都中央区佃2丁目17番15号 月島機械 株式会社内 (72)発明者 大野 純 東京都中央区佃2丁目17番15号 月島機械 株式会社内 Fターム(参考) 5C030 DD02 DE04 DG09 5F004 AA14 BA11 BB12 BB14 DA23 EA38

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオンを、イオン通路に沿って発生源側
    から順次、当該イオンと同じ極性を有する第1の電界、
    当該イオンとは逆の極性を有する第2の電界、および前
    記第1の電界と第2の電界との中間の電位を有する第3
    の電界を通過させて導出することを特徴とするイオン生
    成方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の電界以降に第4の電界を形成
    し、イオン通路の断面方向にこの第4の電界の電位を調
    整して、前記イオン通路から導出されたイオンビームの
    照射パターンを制御することを特徴とする請求項1に記
    載のイオン生成方法。
  3. 【請求項3】 イオン発生室とイオン導出部とを有する
    イオン生成装置であって、 前記イオン導出部は、イオンが通過するイオン通路を横
    切ってイオン発生室側から順に、前記イオン発生室で発
    生したイオンと同じ極性を有する第1の電極と、当該イ
    オンとは逆の極性を有する第2の電極と、前記第1の電
    極と第2の電極との中間の電位を有する第3の電極とを
    備え、前記第1、第2および第3の電極にはそれぞれイ
    オン通路となる同軸的な開口が形成されたことを特徴と
    するイオン生成装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の電極の開口は、前記イオン発
    生室側の縁部が鋭角に形成されたことを特徴とする請求
    項3に記載のイオン生成装置。
  5. 【請求項5】 前記第3の電極はイオン通路に沿って2
    分割され、分割された間隙に、前記イオン通路を横切っ
    て電位を調整し得る第4の電極が挿入され、この第4の
    電極に、前記第1、第2および第3の電極の開口と同軸
    的な開口が形成されたことを特徴とする請求項3または
    請求項4に記載のイオン生成装置。
  6. 【請求項6】 前記第4の電極は、イオン通路を中心と
    して放射状に複数の片部に分割され、それぞれの片部が
    独立した電位に荷電されるようにしたことを特徴とする
    請求項5に記載のイオン生成装置。
  7. 【請求項7】 前記第2の電極以降の電極の開口は、イ
    オン発生室側からイオン通路に沿って漸次拡径するよう
    に形成されたことを特徴とする請求項3ないし請求項6
    のいずれかに記載のイオン生成装置。
  8. 【請求項8】 前記各電極には、複数の前記開口が形成
    されたことを特徴とする請求項3ないし請求項7のいず
    れかに記載のイオン生成装置。
  9. 【請求項9】 前記イオン導出部に、前記イオン通路に
    通じる排気路が設けられたことを特徴とする請求項3な
    いし請求項8のいずれかに記載のイオン生成装置。
  10. 【請求項10】 前記イオン発生室は、少なくとも第1
    の電極に隣接する壁面が、当該イオン発生室で発生した
    イオンと同じ極性に荷電された補助電極で覆われたこと
    を特徴とする請求項3ないし請求項9のいずれかに記載
    のイオン生成装置。
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