JP2002098994A - 液晶用マトリクス基板およびその製造方法ならびにコンタクトホール形成方法 - Google Patents
液晶用マトリクス基板およびその製造方法ならびにコンタクトホール形成方法Info
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Abstract
スクを使用して製造する。 【解決手段】 TFTアクティブマトリクス基板として
の主要部分を形成した後に、表面に感光性アクリル系樹
脂膜10を塗布して平坦化する。その上に撥水性フッ素
系樹脂11を塗布し、ハーフトーン露光を利用し、感光
性アクリル系樹脂膜10をエッチングする。凹所10a
は、部分的に硬化するように露光される部分に対応し、
コンタクトホール10bは未硬化となるように露光され
る部分に対応する。塗布型透明導電材を塗布すると、撥
水性フッ素系樹脂11が残存している部分には付着しな
い。凹所10aの部分に形成される塗布型透明導電膜1
2は、画素電極として利用することができ、ゲート電極
膜2と立体的にオーバーラップさせることができる。
Description
成するための液晶用マトリクス基板およびその製造方法
と、電子回路形成用の配線基板でコンタクトホールを形
成する方法とに関する。
m TransitorからTFTと略称される薄膜トランジスタ
をスイッチング素子に用いるアクティブマトリクス型液
晶表示装置が広く用いられている。TFTをスイッチン
グ素子とするアクティブマトリクス型液晶表示装置で
は、透明なガラス基板の表面に、TFTアクティブマト
リクス回路を形成したTFTアレイ基板を使用する。T
FTアレイ基板は、何枚ものフォトマスクを用い、フォ
トリソグラフィのプロセスによる微細パターニングを繰
返すことによって、製造されている。液晶表示装置の生
産性および製造歩留まりの向上や、コストダウンを図る
観点からは、フォトマスクの使用数の削減、つまりはフ
ォトリソグラフィプロセスの削減が検討されてきてい
る。
置の低消費電力化および高輝度化を図る上では、液晶セ
ルの光透過率を大きく改善するために、TFTアレイ基
板の開口率を向上させることが必要である。開口率の向
上の手法としては、液晶セルに電界を与えるための画素
電極を平坦な保護膜上に形成し、ゲート電極と画素電極
とを立体的にオーバーラップさせる方法が知られてい
る。この方法では、80%を超える高開口率が実現され
ている。このような高開口率アクティブマトリクス基板
の製造プロセスは、走査用のゲート電極配線とデータ用
のソース電極配線とが交差するG−S交差部、スイッチ
ング素子であるTFT素子部、画素部および周辺回路に
設けられる端子部を並べた模式的な断面構成部分に対し
て、図10(a)〜図15(p)に示すように行われ
る。
表面全体にゲート電極膜22を成膜している状態を示
す。ゲート電極膜22は、スパッタリング法などによっ
て、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、タンタル
(Ta)等の金属膜として形成する。次にゲート電極膜
22の上に、フォトレジストを均一に塗布し、1枚目の
フォトマスクを用いて図10(b)に示すようなレジス
トパターン23を形成する。次にレジストパターン23
を利用してエッチングを行い、図10(c)に示すよう
にゲート電極膜22をパターニングする。
縁膜24、第1半導体層25、第2半導体層26の3層
をプラズマCVD法やスパッタリング法などで、連続積
層成膜する。ゲート絶縁膜24は、たとえば窒化シリコ
ン(SiNx)膜などで形成される。第1半導体層25
は、アモルファス−シリコン(A−Si)膜で形成され
る。第2半導体層26は、n型不純物を高濃度にドープ
したシリコン(n+−Si)膜で形成される。
目のフォトマスクを用いて図11(e)に示すレジスト
パターン27を形成する。レジストパターン27が形成
されるのは、G−S交差部とTFT素子部とであり、画
素部や端子部には形成されない。レジストパターン27
を用いてエッチングを行うと、図11(f)に示すよう
に、第1半導体層25および第2半導体層26の2層が
島状にパターニングされる。
2(g)に示すように、全面にソース・ドレイン電極膜
28を成膜する。ソース・ドレイン電極膜28は、スパ
ッタリング法等によって、クロム、アルミニウム、タン
タルなどの金属膜を形成する。その後、一旦全面にフォ
トレジストを塗布し、3枚目のフォトマスクを用いて、
図12(h)に示すようなレジストパターン29を形成
する。レジストパターン29は、G−S交差部とTFT
素子部とに形成されるけれども、TFT素子部ではチャ
ネル部分には形成されない。次にエッチングを行い、図
12(i)に示すように、チャネル部分にはレジストパ
ターン29が形成されていないので、ソース・ドレイン
電極膜28および第2半導体層26が除去され、ソース
・ドレイン電極分離パターニングが行われる。さらに第
1半導体層25も部分的にエッチングされ、チャネル部
の厚みを調整するチャネルエッチング加工が行われる。
ドレイン電極分離パターニングおよびチャネルエッチン
グ加工が行われた後、レジストパターン29を除去した
状態を示す。次に、図13(k)に示すように、パッシ
ベーション膜30をスパッタリング法などによって全面
に形成する。パッシベーション膜30は、たとえば窒化
シリコン(SiNx)などの保護膜である。さらに図1
3(l)に示すように、感光性アクリル系樹脂膜31を
平坦化のために塗布する。
14(m)に示すように、感光性アクリル系樹脂膜31
をパターニングする。このパターニングでは、感光性ア
クリル系樹脂膜31に部分的にパッシベーション膜30
に達する貫通孔を形成する。パターニングした感光性ア
クリル系樹脂膜31をマスクとしてパッシベーション膜
30を図14(n)に示すようにエッチングすると、感
光性アクリル系樹脂膜31の表面から、ソース・ドレイ
ン電極膜28のうちでソース電極と分離したドレイン電
極に達するコンタクトホールが形成される。次に全面に
透明導電膜32をスパッタリング法などによって形成す
ると、図14(o)に示すようになる。透明導電膜32
は、酸化インジウム錫(ITO)や酸化錫(SnO2)
を用いる。
クリル系樹脂膜31の表面全体に形成した透明導電膜3
2を、5枚目のフォトマスクを用いてパターニングし、
画素電極33を形成している状態を示す。画素電極33
は、TFT素子部では感光性アクリル系樹脂膜31で立
体的にオーバーラップして形成させることができるの
で、高開口率アクティブマトリクス基板34が形成され
る。
基板34の製造工程では、(b),(e),(h),
(m)および(p)の各工程で合計5枚のフォトマスク
を使用する。このため、プロセス時間の長時間化や製造
歩留まりの低下の要因となっている。アクティブマトリ
クス基板の製造工程で、フォトマスクの使用数を減少さ
せることに関する先行技術としては、たとえば特開平5
−303111号公報を挙げることができる。この先行
技術では、基板上に先ず透明導電膜を形成する。透明導
電膜は、画素電極としてばかりではなく、ゲート電極の
下地層としても利用する。ゲート電極は、透明導電膜の
上に電解メッキを施して形成する。特開2000−20
6571号公報には、厚さが異なるレジストパターンを
形成して、図11(e)から図12(i)に示す工程
を、1枚のフォトマスクを利用して行う考え方が示され
ている。厚さが異なるレジストパターンは、特開昭61
−181130号公報に示されているように、露光量を
変えて形成する。特開昭61−181130号公報で
は、段差がある部分でも高精度なパターンを形成するた
めに、露光量を変えてレジスト膜パターンを形成してい
る。特開2000−206571号公報では、厚みが異
なる部分を利用して2段階のエッチングを行い、フォト
マスクの使用数を1枚減少させることを可能にしてい
る。同様の考え方は、C.W.Kim et al.によってSid 2000
Digest第1006〜1009頁に「A NovelFour-Mask-
Count Process Architecture fo r TFT−LCDs」や、月
刊FPDintelligenceの1995年5月号の第31頁〜3
5頁に記載されている「三国電子 IPS TFT−L
CDを2PEPで製造するプロセスを考案−TFTチャ
ネル部分をハーフトーン露光」という技術報告にも示さ
れている。
高開口率アクティブマトリクス基板34の製造プロセス
では、合計5枚のフォトマスクが必要であり、プロセス
時間の長時間化や製造歩留まりの低下の要因となってい
る。特開平5−303111号公報に開示されている先
行技術では、ゲート電極を、画素電極用と同時に成膜す
るITO透明電極膜を下地とする電界メッキで形成し、
フォトプロセスを用いることなくゲート電極膜のパター
ニングを行って、TFTアレイ製造工程に用いられるフ
ォトマスクの数を低減している。しかしながら、それで
も5枚のフォトマスクが必要であり、プロセス時間の長
時間化や製造歩留まりの低下の要因となっている。さら
に、TFTアレイ基板上への電解メッキによるゲート電
極形成の下地膜としてITO透明電極膜を用いているの
で、ゲート電極と画素電極とをオーバーラップさせるこ
とができず、開口率が低下してしまう。また、電解メッ
キによるゲート電極の作製時には、電位降下による膜厚
の不均一性が非常に大きくなりやすく、特に大型基板で
は膜厚の均一性を保つことが難しくなる。
れているような厚さを変えたレジストパターンを用いる
方法では、TFT素子部を形成する際に1枚のフォトマ
スクを低減することが可能となるだけであり、しかもI
PS(In Plane Switching)モードのTFTアクティブ
マトリクス型液晶表示装置について主として説明されて
いるだけである。ゲート電極と画素電極とを立体的にオ
ーバーラップさせ、開口率を高めたTFT基板でフォト
マスクの使用数をさらに低減する可能性については示さ
れていない。
クス基板などで製造工程で用いるフォトマスクの使用数
を低減することができる液晶用マトリクス基板およびそ
の製造方法を提供することである。
成する配線基板で、フォトマスクの使用数を低減するこ
とができるコンタクトホール形成方法を提供することで
ある。
ルを形成するためのマトリクス回路が電気絶縁性基板上
に形成される液晶用マトリクス基板において、マトリク
ス回路上を平坦に覆うように電気絶縁性合成樹脂材料で
形成され、該画素電極形成領域には凹所が形成され、さ
らに該凹所内に該マトリクス回路まで貫通するコンタク
トホールが形成される電気絶縁膜と、電気絶縁膜の凹所
およびコンタクトホール内に充填される導電材とを含む
ことを特徴とする液晶用マトリクス基板である。
は、複数の液晶セルを形成するためのマトリクス回路が
電気絶縁性基板上に形成され、電気絶縁膜と導電材とを
含む。電気絶縁膜は、電気絶縁性合成樹脂材料でマトリ
クス回路上を平坦に覆うように形成される。画素電極形
成領域には凹所が形成され、さらに凹所内にマトリクス
回路まで貫通するコンタクトホールが形成される。導電
材は電気絶縁膜の凹所およびコンタクトホール内に充填
されるので、凹所に充填される部分が画素電極となり、
コンタクトホール内に充填される部分を通じて画素電極
とマトリクス回路とを電気的に接続することができる。
画素電極とマトリクス回路とは電気絶縁膜で立体的に分
離されているので、マトリクス回路と画素電極とをオー
バーラップさせて、開口率を高めることができる。画素
電極の形成は、電気絶縁膜の凹所を充填して行うので、
フォトマスクを用いないでも精度よく形成することがで
き、フォトマスクの使用数を低減することができる。
るためのマトリクス回路が電気絶縁性基板上に形成され
る液晶用マトリクス基板の製造方法において、電気絶縁
性基板上に、感光性を有する電気絶縁性合成樹脂材料を
塗布して、表面が平坦な電気絶縁膜を形成し、電気絶縁
膜の表面に、撥水性透明樹脂層を形成し、撥水性透明樹
脂層を通して、電気絶縁膜を、予め定められる画素電極
形成領域を除いて硬化し、該画素電極領域の予め定める
コンタクトホール位置で未硬化となり、該コンタクトホ
ール位置を除く該画素電極領域で部分的に硬化するよう
に、露光量を調整したマスクでハーフトーン露光し、電
気絶縁膜を現像して、画素電極領域で撥水性透明樹脂層
が除去され、コンタクトホール位置の電気絶縁膜にマト
リクス回路に達する貫通孔が形成され、コンタクトホー
ル位置を除く画素電極領域で該貫通孔に連なる凹所が形
成されるようにパターニングし、パターニングされた撥
水性透明樹脂層および電気絶縁膜上に、塗布型導電材を
塗布して画素電極を形成することを特徴とする液晶用マ
トリクス基板の製造方法である。
るためのマトリクス回路が電気絶縁性基板上に形成され
る液晶用マトリクス基板は、電気絶縁膜の形成、撥水性
透明樹脂層の形成、電気絶縁膜のハーフトーン露光によ
るパターニングおよび画素電極の形成を経て製造され
る。電気絶縁膜の形成は、マトリクス回路が形成されて
いる電気絶縁性基板上に、感光性を有する電気絶縁性合
成樹脂材料を塗布して、表面が平坦となるように行う。
電気絶縁膜の表面には、撥水性透明樹脂層が形成され
る。電気絶縁膜のハーフトーン露光は、予め定められる
画素電極形成領域を除いて硬化し、画素電極領域の定め
るコンタクトホール位置で未硬化となり、コンタクトホ
ール位置を除く画素電極領域で部分的に硬化するよう
に、露光量を調整したマスクを用いて行う。電気絶縁膜
を現像すると、コンタクトホール位置の電気絶縁膜にマ
トリクス回路に達する貫通孔が形成され、コンタクトホ
ール位置を除く画素電極領域で凹所が形成されるように
パターニングされる。撥水性透明樹脂層は薄いので、下
地となる電気絶縁膜の厚さが減少する凹所および貫通孔
が形成される部分で消失し、画素電極領域を除く部分で
残存する。塗布型導電材料を塗布すると、残存している
撥水性透明樹脂層の部分は撥水性によって塗布型導電材
料を弾く性質を有するので、塗布型導電材料は電気絶縁
膜上の凹所およびコンタクトホール位置に充填され、画
素電極とコンタクトホールの導電部分とを形成すること
ができる。凹所と貫通孔とを電気絶縁膜に形成するため
に1枚のフォトマスクを用いればよいので、フォトマス
クの使用枚数を削減することができる。
の薄膜トランジスタを含むTFTアクティブマトリクス
回路であり、該TFTアクティブマトリクス回路の製造
工程は、前記電気絶縁性基板上にゲート電極材料で成膜
し、パターニングするゲート電極膜パターニング工程
と、ゲート絶縁膜、チャネル領域となる第1の半導体
層、オーミックコンタクト層となる第2の半導体層、さ
らにはソース・ドレイン電極となる金属層を順次積層す
る積層工程と、露光量を調整したハーフトーン露光によ
って、第1の半導体層および第2の半導体層を島状に形
成し、ソース・ドレイン電極のパターニングおよびチャ
ネルエッチングを行う分離エッチング工程と、分離エッ
チング工程後に、パッシベーション膜を成膜して覆うパ
ッシベーション工程とを含むことを特徴とする。
を含むTFTアクティブマトリクス回路を形成する際
に、TFTアクティブマトリクス回路を、ゲート電極膜
パターニング工程、分離エッチング工程およびパッシベ
ーション工程を含む製造工程で製造する。ゲート電極膜
パターニング工程では、電気絶縁性基板上にゲート電極
材料で成膜しパターニングする。積層工程では、ゲート
絶縁膜、チャネル領域となる第1の半導体層、オーミッ
クコンタクト層となる第2の半導体層、さらにはソース
・ドレイン電極となる金属層を順次積層する。分離エッ
チング工程では、露光量を調整したハーフトーン露光に
よって、第1の半導体層および第2の半導体層を島状に
形成し、ソース・ドレイン電極のパターニングおよびチ
ャネルエッチングを行う。パッシベーション工程では、
分離エッチング工程後に、パッシベーション膜を成膜し
て覆う。TFTアクティブマトリクス回路の製造の際に
は、ゲート電極膜パターニング工程と、分離エッチング
工程とでそれぞれフォトマスクを使用し、さらにゲート
電極とオーバーラップさせる画素電極の形成の際に1枚
のフォトマスクを使用するので、全部で3枚のフォトマ
スクを使用するだけで画素電極とゲート電極とを立体的
にオーバーラップさせて高開口率を得ることができるT
FTアクティブマトリクス基板を製造することができ
る。
前記撥水性透明樹脂層の残存部分を除去することを特徴
とする。
水性透明樹脂層の残存部分を除去するので、マトリクス
基板の表面の平坦化を高め、配向処理時の信頼性を高め
ることができる。
料として、感光性アクリル系樹脂を使用し、前記撥水性
透明樹脂層は撥水性フッ素系樹脂によって形成し、前記
画素電極は、塗布型透明導電材料で形成することを特徴
とする。
用いてマトリクス基板の表面を平坦化し、撥水性フッ素
系樹脂を用いて感光性アクリル系樹脂の表面の凹所とコ
ンタクトホールとに塗布型透明導電材料を閉じ込めて、
フォトマスクを用いないでも精度のよい画素電極および
コンタクトホールを形成させることができる。
電部分に、該電気絶縁膜を貫通して表面と導通させるた
めのコンタクトホールを、塗布型導電材を塗布して形成
する方法であって、感光性を有する電気絶縁膜の表面
に、該塗布型導電剤を弾く性質を有する透明樹脂膜を形
成し、透明樹脂膜を通して、電気絶縁膜を、予め定めら
れるコンタクトホール位置では未硬化となり、コンタク
トホール位置の周囲の予め定める領域を除いて硬化し、
該領域では部分的に硬化するように、露光量を調整して
露光させ、電気絶縁膜を現像して、コンタクトホール位
置の電気絶縁膜に導電部分に達する貫通孔が形成され、
コンタクトホール位置の周囲の予め定める領域に凹所が
形成され、該コンタクトホール位置および該凹所で透明
樹脂膜が消失するようにパターニングし、パターニング
された透明樹脂膜および電気絶縁膜上に、塗布型導電材
を塗布して、コンタクトホール位置の貫通孔に該塗布型
導電材を充填し、凹所に導電膜を形成することを特徴と
するコンタクトホール形成方法である。
膜で覆われる導電部分に電気絶縁膜を貫通して表面と導
通させるためのコンタクトホールを形成する際に、電気
絶縁膜の表面に透明樹脂層を形成し、電気絶縁膜を露光
量の調整によって多段階に硬化させる。電気絶縁膜の現
像によるパターニング後に塗布型導電材料を塗布する。
透明樹脂層は塗布型導電材料を弾く性質を有する。露光
量の調整は、電気絶縁膜が、予め定められるコンタクト
ホール位置では未硬化となり、コンタクトホール位置の
周辺の予め定める領域で部分的に硬化し、該領域以外で
硬化するように行う。パターニングは、電気絶縁膜を、
コンタクトホール位置で導電部分に達する貫通孔を形成
し、その周辺領域で凹所を形成するように行う。貫通孔
および凹所が形成される際に、その部分の透明樹脂層は
消失する。電気絶縁膜上に塗布型導電材を塗布すると、
コンタクトホール位置の貫通孔内と凹所内とに充填さ
れ、コンタクトホールの導電膜を形成することができ
る。コンタクトホールの導電部分の外形を形成するため
に新たなフォトマスクプロセスは不要であり、コンタク
トホール形成用のフォトマスクを用いて電気絶縁膜上の
導電部分もパターニングすることができるので、フォト
マスクの使用枚数を低減することができる。
本発明の実施の第1形態としての高開口率アクティブマ
トリクス基板の概略的な構成とその製造方法の概要を示
す。本実施形態についても、図10〜図15と同様に、
ゲート電極とソース電極とが交差するG−S交差部分、
TFT素子部分、画素部分および端子部を並べた模式的
な断面構成について示す。
極膜2を成膜した状態を示す。ゲート電極膜2は、スパ
ッタリング法等でクロム、アルミニウム、タンタル等の
金属膜を形成する。ゲート電極膜2上には、レジスト層
を塗布し、1枚目のフォトマスクを用いて、図1(b)
に示すようなレジストパターン3を形成する。さらにレ
ジストパターン3を用いたエッチングにより、図1
(c)に示すようにゲート電極膜2をパターニングす
る。
体層5および第2半導体層6を3層連続積層成膜し、さ
らにソース・ドレイン電極膜7をプラズマCVD法やス
パッタリング法などで連続して積層成膜する。ゲート絶
縁膜4は、たとえば窒化シリコン(SiNx)膜などで
形成する。第1半導体層5は、アモルファス−シリコン
(a−Si)膜で形成する。第2半導体層6は、n型不
純物を高濃度にドープしたn+−Si膜で形成する。ソ
ース・ドレイン電極膜7は、クロム、アルミニウム、タ
ンタル等の金属で形成する。さらに、全体にレジストを
塗布した後、スリットマスク等を用いて露光量を調整
し、1回のレジスト塗布で複数段階の厚さのレジストパ
ターン8を、図2(e)に示すように形成する。レジス
トパターン8は、画素部および端子部には形成しない
で、TFT素子部のチャネル部5aに相当する部分は薄
肉部8aとして形成する。その他の部分は厚く形成す
る。すなわち、その他の部分は第1の厚み以上であり、
薄肉部8aは第1の厚みより薄い第2の厚みとして形成
する。次に、図2(f)に示すように、レジストパター
ン8に覆われていない部分のゲート絶縁膜4、第1半導
体層5および第2半導体層6の3つの層と、ソース・ド
レイン電極膜7とを全てエッチングで除去する。
いるレジストパターン8の全体をアッシングで厚みを減
少させ、薄肉部8aに対応するチャネル部52aの位置
でソース・ドレイン電極膜7の表面が露出するようにな
った状態を示す。次に残存するレジストパターン8を利
用して、図3(h)に示すようにソース・ドレイン電極
分離およびチャネルエッチングを行う。チャネル部5a
では、第1半導体層5の厚みが調整され、第2半導体層
6およびソース・ドレイン電極膜7は消失する。ここで
レジストパターン8を除去すると、図3(i)に示す状
態になる。
にパッシベーション膜9を形成する。パッシベーション
膜9は、窒化シリコンなどによる保護膜であり、スパッ
タリング法等によって形成する。パッシベーション膜9
の上に感光性アクリル系樹脂を塗布すると、図4(k)
に示すように、表面が平坦化した電気絶縁膜である感光
性アクリル系樹脂膜10が得られる。感光性アクリル系
樹脂膜10を、80〜100℃の温度でプリベークし、
さらにその上に撥水性透明樹脂である撥水性フッ素系樹
脂11を塗布した状態を図4(l)に示す。撥水性フッ
素系樹脂11も、80〜100℃のプリベークする。
ットマスク等を用いて露光量を調整し、撥水性フッ素系
樹脂11の層を透過させて感光性アクリル系樹脂膜10
のハーフトーン露光を行い、多段階のパターン形状にパ
ターニングした状態を図5(m)に示す。撥水性フッ素
系樹脂11の層は、透明で、紫外線透過率が90%以上
であり、紫外線を照射すると撥水性フッ素系樹脂11の
層を透過して感光性アクリル系樹脂膜10が露光する。
感光性アクリル系樹脂膜10は、多段階の露光によっ
て、画素電極が形成される領域に対応する凹所10aで
部分的に硬化し、コンタクトホール10bで未硬化とな
り、残余の部分で硬化する。感光性アクリル系樹脂11
に対してウェットエッチングなどの現像処理を行うと、
浅い凹所10aの部分と、ゲート電極部分までの貫通孔
であるコンタクトホール10bとが形成される。撥水性
フッ素系樹脂11の膜厚は薄いので、感光性アクリル系
樹脂膜10のエッチングの過程で、リフトオフと同様の
プロセスによって、画素電極が形成さる凹所10a部分
とコンタクトホール10bの部分とから、撥水性フッ素
系樹脂11が除去される。感光性アクリル系樹脂10の
エッチングでは、コンタクトホール10bの位置で、さ
らにパッシベーション膜9も除去されて、ソース・ドレ
イン電極膜7が露出する。凹所10aを除く部分では、
感光性アクリル系樹脂膜10がエッチングされないの
で、撥水性フッ素系樹脂11も残存する。
よって塗布すると、図5(n)に示すように、塗布型透
明導電膜12が感光性アクリル系樹脂膜10の凹所10
aの部分とコンタクトホール10bの部分とに充填され
る。撥水性フッ素系樹脂11は、撥水性によって塗布型
透明導電材を弾くので、塗布型透明導電膜12は撥水性
フッ素系樹脂11が残存している部分には形成されな
い。その後、200〜250℃で焼成することによっ
て、塗布型透明導電膜12から画素電極が形成される。
撥水性フッ素系樹脂11をアッシング等によって除去し
た状態を示す。これによって、高開口率アクティブマト
リクス基板14が形成される。なお、画素電極を形成す
る塗布型透明導電膜12は、酸化インジウム錫(IT
O)などによって形成することができる。
ィブマトリクス基板14の製造では、(b),(e)お
よび(m)の3つの工程でフォトマスクを使用している
ので、合計3枚のフォトマスクでTFTアレイを製造す
ることが可能となる。すなわち、ゲート電極膜2と画素
電極となる塗布型透明導電膜12とを立体的にオーバー
ラップさせる構造を有し、高開口率で高輝度を実現する
ことができるTFTアレイを、従来の製造プロセスに比
べて非常に少ないマスク枚数である3枚のフォトマスク
で製造することが可能となる。
図3(l)で感光性アクリル系樹脂膜10の表面に撥水
性フッ素系樹脂11を塗布することに代えて、電気絶縁
性樹脂膜10の表面に、塗布型透明導電膜12を形成す
る塗布型透明導電材料を弾く性質と感光性とを有する撥
水性フッ素系樹脂11の膜をレジスト層として形成し、
ハーフトーン露光で多段階の厚みとして、凹所11aと
コンタクトホール位置11bとを形成した状態を示す。
この状態から、図2(e)から図3(i)までと同様な
工程で、電気絶縁性樹脂膜10に図5(m)と同様な凹
所10aとホールコンタクトホール10bとを形成す
る。
マトリクス基板14を製造する際に2枚目および3枚目
のフォトマスクとして用いるハーフトーン露光が可能な
マスク15の基本的な断面構成を示す。マスク15は、
透過部15A、遮光部15Bおよびメッシュ部15Cを
備える。一般のフォトマスクでは、透過部15Aのよう
に光の透過量が100%を目標に形成する部分と、遮光
部15Bのように、光の透過量が0%を目標に形成する
部分とを備える。本実施形態に用いるマスク15では、
さらに透過光量が透過部15Aと遮光部15Bとの中間
となるメッシュ部15Cを形成する。メッシュ部15C
は、たとえば間隔が使用する光の分解能よりも小さいメ
ッシュパターンやスリットパターンで形成する。マスク
15の透過光量の変化によって、たとえばポジ型のレジ
ストを使用すると、透過部15Aに対応する部分ではレ
ジスト厚みが零で、遮光部15Bに対応する部分でレジ
スト厚みが最大となり、メッシュ部15Cに対応する部
分では透過光量が多くなるとレジスト厚が減少するよう
なレジストパターン16が得られる。ネガ型のレジスト
を使用することもでき、その場合は透過光量が多くなる
とレジスト厚が増加する。
リクス基板14の製造では、図8に示すようなレジスト
パターン16を、図7に示すように、撥水性フッ素系樹
脂11の膜のパターニングにも適用している。液晶表示
装置の製造に関連して撥水性の樹脂を用いる考え方は、
たとえばカラーフィルタの製造に関連して、特開平8−
179113号公報や特開平8−292313号公報に
開示されている。実施の第1形態では、画素電極の形成
に、図8に示すようなハーフトーン露光用のマスク15
とともに撥水性フッ素系樹脂11を利用する。このよう
な画素電極の形成の考え方は、単純マトリクス型液晶表
示装置用のマトリクス基板の形成にも適用することがで
きる。
枚のフォトマスクを利用する高開口率アクティブマトリ
クス基板34の製造工程と、本発明の高開口率アクティ
ブマトリクス基板14の製造工程での3枚のフォトマス
クの使用とを対比して示す。本実施形態でも、1枚目の
ゲート膜パターニングの際には、従来と同様のフォトマ
スクを使用する。2枚目のフォトマスクは、従来では2
枚目のTFT素子部分の島状のパターニングと3枚目の
ソース・ドレイン分離およびチャネルエッチングとを、
ハーフトーン露光を利用して1枚のフォトマスクで行
う。また、本実施形態の3枚目のフォトマスクでは、従
来の4枚目のコンタクトホール形成のための感光性アク
リル系樹脂膜31のパターニングと、5枚目のITO画
素電極膜パターニングとを、ハーフトーン露光を利用し
て3枚目のフォトマスクでまとめて行う。また、本実施
形態の高開口率アクティブマトリクス基板14では、画
素電極をITO膜を塗布して形成するので、プラズマC
VDやスパッタリングなどの真空成膜法を用いないで
も、画素電極を形成することができ、製造コストの低減
を図ることができる。なお、図5(n)に示すように、
撥水性フッ素系樹脂11が感光性アクリル系樹脂膜10
の表面に残存している状態でも、液晶表示装置を形成す
ることは可能である。ただし、図6(o)に示すよう
に、撥水性フッ素系樹脂11を除去すれば、表面の平坦
性は向上し、段差が小さくなるので、液晶表示装置とし
て形成する際に行う配向処理の点では有利となる。
(o)に示すように、撥水性フッ素系樹脂11を透過し
ての感光性アクリル系樹脂のハーフトーン露光を利用し
て、端子部でもコンタクトホールを形成することができ
る。実施の第2形態では、レジスト層のハーフトーン露
光で、コンタクトホールを形成することができる。この
ような画素部や端子部と同様のコンタクトホール形成
は、液晶表示用のマトリクス基板ばかりではなく、電子
回路形成用の配線基板に広く適用することができる。ま
た、塗布型透明導電材に代えて、油性の塗布型導電材を
用いる場合は、撥水性の樹脂に代えて親水性の樹脂を用
いればよい。塗布型導電材料を弾く性質を有するレジス
ト用いれば、本発明と同様にフォトマスクを省略するこ
とができる。
形成領域で電気絶縁膜の表面の凹所およびコンタクトホ
ールに導電材を充填するので、コンタクトホールおよび
画素電極の形成にフォトマスクを用いる必要がなく、画
素電極のパターニングおよびコンタクトホール部分の製
造の際に必要なフォトマスクの枚数を低減することがで
きる。
が表面に形成される電気絶縁膜を1枚のフォトマスクを
用いてハーフトーン露光を行い、コンタクトホールの形
成とコンタクトホールを通じてマトリクスと導通する画
素電極の形成とを行わせることができる。
ラップも許容する高開口率アクティブマトリクス基板を
3枚のフォトマスクを利用するだけで形成することがで
きる。
水性透明樹脂層を確実に除去して表面を平坦化すること
ができる。
材料として感光性アクリル系樹脂を使用する。撥水性透
明樹脂層を撥水性フッ素系樹脂によって形成するので、
塗布型透明導電材料を、撥水性フッ素系樹脂層で囲まれ
る領域の内部に閉じ込めて、フォトマスクを用いないで
も画素電極を形成することができる。
線基板で、1枚のマスクを部分的に露光量を変えるよう
に用いて、コンタクトホールを生産性よく形成すること
ができる。
ティブマトリクス基板14の製造過程を示す簡略化した
断面図である。
ティブマトリクス基板14の製造過程を示す簡略化した
断面図である。
ティブマトリクス基板14の製造過程を示す簡略化した
断面図である。
ティブマトリクス基板14の製造過程を示す簡略化した
断面図である。
ティブマトリクス基板14の製造過程を示す簡略化した
断面図である。
ティブマトリクス基板14の製造過程を示す簡略化した
断面図である。
ティブマトリクス基板14の製造過程の一部を示す簡略
化した断面図である。
トーン露光用のマスク15の簡略化した断面形状と、対
応する透過光量および生成されるレジストパターン形状
を示す図である。
基板14の製造工程で用いるフォトマスクを、従来の高
開口率アクティブマトリクス基板34の製造工程で用い
るフォトマスクと対比して示す図である。
製造工程の概要を示す簡略化した断面図である。
製造工程の概要を示す簡略化した断面図である。
製造工程の概要を示す簡略化した断面図である。
製造工程の概要を示す簡略化した断面図である。
製造工程の概要を示す簡略化した断面図である。
製造工程の概要を示す簡略化した断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 複数の液晶セルを形成するためのマトリ
クス回路が電気絶縁性基板上に形成される液晶用マトリ
クス基板において、 マトリクス回路上を平坦に覆うように電気絶縁性合成樹
脂材料で形成され、該画素電極形成領域には凹所が形成
され、さらに該凹所内に該マトリクス回路まで貫通する
コンタクトホールが形成される電気絶縁膜と、 電気絶縁膜の凹所およびコンタクトホール内に充填され
る導電材とを含むことを特徴とする液晶用マトリクス基
板。 - 【請求項2】 複数の液晶セルを形成するためのマトリ
クス回路が電気絶縁性基板上に形成される液晶用マトリ
クス基板の製造方法において、 電気絶縁性基板上に、感光性を有する電気絶縁性合成樹
脂材料を塗布して、表面が平坦な電気絶縁膜を形成し、 電気絶縁膜の表面に、撥水性透明樹脂層を形成し、 撥水性透明樹脂層を通して、電気絶縁膜を、予め定めら
れる画素電極形成領域を除いて硬化し、該画素電極領域
の予め定めるコンタクトホール位置で未硬化となり、該
コンタクトホール位置を除く該画素電極領域で部分的に
硬化するように、露光量を調整したマスクでハーフトー
ン露光し、 電気絶縁膜を現像して、画素電極領域で撥水性透明樹脂
層が除去され、コンタクトホール位置の電気絶縁膜にマ
トリクス回路に達する貫通孔が形成され、コンタクトホ
ール位置を除く画素電極領域で該貫通孔に連なる凹所が
形成されるようにパターニングし、 パターニングされた撥水性透明樹脂層および電気絶縁膜
上に、塗布型導電材を塗布して画素電極を形成すること
を特徴とする液晶用マトリクス基板の製造方法。 - 【請求項3】 前記マトリクス回路は、複数の薄膜トラ
ンジスタを含むTFTアクティブマトリクス回路であ
り、 該TFTアクティブマトリクス回路の製造工程は、 前記電気絶縁性基板上にゲート電極材料で成膜し、パタ
ーニングするゲート電極膜パターニング工程と、 ゲート絶縁膜、チャネル領域となる第1の半導体層、オ
ーミックコンタクト層となる第2の半導体層、さらには
ソース・ドレイン電極となる金属層を順次積層する積層
工程と、 露光量を調整したハーフトーン露光によって、第1の半
導体層および第2の半導体層を島状に形成し、ソース・
ドレイン電極のパターニングおよびチャネルエッチング
を行う分離エッチング工程と、 分離エッチング工程後に、パッシベーション膜を成膜し
て覆うパッシベーション工程とを含むことを特徴とする
請求項2記載の液晶用マトリクス基板の製造方法。 - 【請求項4】 前記画素電極の形成後に、前記撥水性透
明樹脂層の残存部分を除去することを特徴とする請求項
2または3記載の液晶用マトリクス基板の製造方法。 - 【請求項5】 前記電気絶縁性合成樹脂材料として、感
光性アクリル系樹脂を使用し、 前記撥水性透明樹脂層は撥水性フッ素系樹脂によって形
成し、 前記画素電極は、塗布型透明導電材料で形成することを
特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の液晶用マト
リクス基板の製造方法。 - 【請求項6】 電気絶縁膜で覆われる導電部分に、該電
気絶縁膜を貫通して表面と導通させるためのコンタクト
ホールを、塗布型導電材を塗布して形成する方法であっ
て、 感光性を有する電気絶縁膜の表面に、該塗布型導電剤を
弾く性質を有する透明樹脂膜を形成し、 透明樹脂膜を通して、電気絶縁膜を、予め定められるコ
ンタクトホール位置では未硬化となり、コンタクトホー
ル位置の周囲の予め定める領域を除いて硬化し、該領域
では部分的に硬化するように、露光量を調整して露光さ
せ、 電気絶縁膜を現像して、コンタクトホール位置の電気絶
縁膜に導電部分に達する貫通孔が形成され、コンタクト
ホール位置の周囲の予め定める領域に凹所が形成され、
該コンタクトホール位置および該凹所で透明樹脂膜が消
失するようにパターニングし、 パターニングされた透明樹脂膜および電気絶縁膜上に、
塗布型導電材を塗布して、コンタクトホール位置の貫通
孔に該塗布型導電材を充填し、凹所に導電膜を形成する
ことを特徴とするコンタクトホール形成方法。
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