JP2002096951A - 部材搬送装置及び平版印刷版製造方法 - Google Patents

部材搬送装置及び平版印刷版製造方法

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JP2002096951A
JP2002096951A JP2000288637A JP2000288637A JP2002096951A JP 2002096951 A JP2002096951 A JP 2002096951A JP 2000288637 A JP2000288637 A JP 2000288637A JP 2000288637 A JP2000288637 A JP 2000288637A JP 2002096951 A JP2002096951 A JP 2002096951A
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transport
aluminum web
speed
transport roller
roller
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JP2000288637A
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Hiroshi Yamaguchi
宏 山口
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで、且つ被搬送部材を傷付けること
なく搬送できる部材搬送装置を得る。 【解決手段】 2つの搬送ローラ14に対応して、1つ
のモータ24が配置される。通常はワンウェイクラッチ
20はオフ状態とされるが、アルミウエブ12と搬送ロ
ーラ14との間の摩擦力が低下して、アルミウエブ12
に対する滑りが生じたときには、ワンウェイクラッチ2
0はオン状態となり、モータ24の回転力を搬送ローラ
14に伝達する。搬送ローラ14の径は、その周速度が
アルミウエブ12の搬送速度に対して一定値の範囲内と
なるように設定されており、搬送ローラ14の周速度が
一定値よりも低くならないため、アルミウエブ12の搬
送速度と搬送ローラ14の周速度との速度差が一定範囲
内に維持され、アルミウエブ12に傷が生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被搬送部材を複数
の搬送ローラで支持しつつ搬送する部材搬送装置と、こ
の部材搬送装置を使用した平版印刷版製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の部材搬送装置の一例として、平版
印刷版の製造工程において、支持体であるアルミウエブ
を搬送する搬送装置を例に挙げて説明する。
【0003】近年の製版法(電子写真製版法を含む)で
は、製版工程の自動化を容易にすべく、感光性印刷版や
感熱性印刷板等の平版印刷版が広く用いられている。平
版印刷版は、一般にシート状或いはコイル状のアルミニ
ウム板等の支持体(アルミウエブ)を順次送出して搬送
し、例えば、砂目立て、陽極酸化、シリケート処理、そ
の他化成処理等の表面処理を単独又は適宜組み合わせて
行い、次いで、感光層又は感熱層(以下、これらをまと
めて「塗布膜」という)の塗布、乾燥処理を行った後に
所望のサイズに切断されることで製造される。
【0004】この平版印刷版は、露光、現像処理、ガム
引き等の製版処理が行われ、印刷機にセットされ、イン
クが塗布されることで、紙面に文字、画像等が印刷され
る。
【0005】平版印刷版の製造装置における搬送装置に
は、アルミウエブの搬送方向に並べられた複数の搬送ロ
ーラを有する構成のものがある。これらの搬送ローラは
いわゆるフリーローラとされており、アルミウエブを支
持しつつ、アルミウエブとの摩擦によって回転するよう
になっている。
【0006】しかし、このようにアルミウエブとの摩擦
で搬送ローラが回転する構成では、搬送ローラの慣性抵
抗やアルミウエブに対する保持力低下等によって搬送ロ
ーラの回転がアルミウエブの搬送に追従できなくなり、
アルミウエブの搬送速度と搬送ローラの周速度との間に
速度差が生じてしまうことがある。この速度差が一定値
以上になると、アルミウエブと搬送ローラとが擦れるこ
とになるため、アルミウエブに傷が発生する。
【0007】これに対し、特開平5−161269号公
報には、図3に示すように、ゴム筒54の円周方向に沿
った溝56を、軸方向に所定の間隔で形成した張力保持
用ゴムローラ52が記載されている。この溝56の幅及
び深さを特定の範囲とすることで、金属ウエブに対する
保持力が低下しないようになっている。
【0008】しかし、このような溝56を形成すると、
搬送ローラ(図3の張力保持用ゴムローラ52)の製造
コストが高くなってしまう。
【0009】これに対し、モータ等の駆動源を設け、搬
送ローラを補助的に駆動させることで、アルミウエブと
搬送ローラとの擦れを防止する構成も提案されている
(特開平2―52846号公報参照)。
【0010】このように駆動源の駆動力を搬送ローラに
伝達する場合に、搬送ローラのそれぞれに対して駆動源
を設けると設備コストが高くなるため、1つの駆動源の
駆動力をチェインやベルト等の伝達部材によって複数の
搬送ローラに伝達することが好ましい。
【0011】ところが、搬送ローラの径に僅かなばらつ
きがあっても、搬送ローラの周速度がアルミウエブの搬
送速度に対してずれてしまうため、アルミウエブと搬送
ローラとが擦れて、アルミウエブに傷が発生する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事実を
考慮し、低コストで、且つ被搬送部材を傷付けることな
く搬送できる部材搬送装置と、この部材搬送装置を使用
し平版印刷版の支持体に傷を発生させることのない平版
印刷版製造方法を得ることを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、被搬送部材を支持すると共に被搬送部材の搬送方向
と同方向に回転可能な複数の搬送ローラと、少なくとも
1つが前記搬送ローラの複数を前記搬送方向に駆動可能
とされた1又は複数の駆動源と、を有し、前記搬送ロー
ラが前記駆動源の駆動力で回転したときの周速度が前記
被搬送部材の搬送速度に対して±0.5%以内となるよ
うにそれぞれの搬送ローラの径が設定されていることを
特徴とする。
【0014】被搬送部材は、複数の搬送ローラによって
支持されつつ搬送される。搬送ローラは、被搬送部材の
搬送方向と同方向に回転するようになっており、駆動源
の駆動力を受けて回転する。
【0015】駆動源は、少なくとも1つが搬送ローラの
複数を駆動可能とされているため、搬送ローラの数より
も駆動源の数を少なくすることができる。搬送ローラの
それぞれに対応して駆動源を設けた構成と比較して、設
備コストが低くなる。
【0016】それぞれの搬送ローラの径は、搬送ローラ
が駆動源の駆動力で回転したときの周速度が被搬送部材
の搬送速度に対して±0.5%以内となるように設定さ
れている。従って、アルミウエブと搬送ローラとが擦れ
が発生せず、アルミウエブに傷が生じない。
【0017】請求項2に記載の発明では、被搬送部材を
支持すると共に被搬送部材との摩擦によって搬送方向と
同方向に回転可能な複数の搬送ローラと、少なくとも1
つが前記搬送ローラの複数を前記搬送方向に駆動可能と
された1又は複数の駆動源と、前記搬送ローラの回転角
速度が、前記被搬送部材の搬送速度に対応して設定され
た角速度まで低下すると前記駆動源からの駆動力を搬送
ローラに伝達する伝達手段と、を有することを特徴とす
る。
【0018】被搬送部材は、複数の搬送ローラによって
支持されつつ搬送される。搬送ローラは、被搬送部材の
搬送方向と同方向に回転するようになっており、通常は
被搬送部材との摩擦によって搬送方向と同方向に回転す
る。
【0019】駆動源は、少なくとも1つが搬送ローラの
複数を駆動可能とされているため、搬送ローラの数より
も駆動源の数を少なくすることができる。搬送ローラの
それぞれに対応して駆動源を設けた構成と比較して、設
備コストが低くなる。
【0020】搬送ローラの回転角速度が、被搬送部材の
搬送速度に対応して設定された角速度まで低下すると、
伝達手段が、駆動源からの駆動力を搬送ローラに伝達す
る。すなわち、例えば被搬送部材と搬送ローラとの摩擦
力低下等によって搬送ローラの回転角速度が低下した場
合には、搬送ローラは駆動源からの駆動力で回転する。
搬送ローラの周速度が一定値以上に維持されるので、ア
ルミウエブと搬送ローラとが擦れが発生せず、アルミウ
エブに傷が生じない。
【0021】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、前記搬送ローラが前記駆動源の駆動
力で回転したときの周速度が前記被搬送部材の搬送速度
に対して±0.5%以内となるようにそれぞれの搬送ロ
ーラの径が設定されていることを特徴とする。
【0022】これにより、アルミウエブと搬送ローラと
が擦れをさらに効果的に防止して、アルミウエブへの傷
の発生を防止できる。
【0023】請求項4に記載の発明では、請求項2又は
請求項3に記載の発明において、前記伝達手段がワンウ
ェイクラッチであることを特徴とする。
【0024】これにより、簡単な構成で伝達手段を構成
できる。
【0025】請求項5に記載の発明では、請求項1〜請
求項4のいずれかに記載の部材搬送装置を使用して平版
印刷版の支持体を搬送しつつ平版印刷版を製造すること
を特徴とする。
【0026】請求項1〜請求項4のいずれかに記載の部
材搬送装置を使用して平版印刷版の支持体を搬送するの
で、支持体(アルミウエブ)に傷が発生せず、製造され
た平版印刷版の品質が高くなる。
【0027】なお、ここでの「平版印刷版を製造する」
とは、平版印刷版の支持体に各種処理等を施すことで、
最終的な製造物である平版印刷版を得るためのあらゆる
作業あるいは工程を含む。例えば、平版印刷版の支持体
(アルミウエブ)の物理的特性、化学的特性、表面性状
等を変化させる各種処理工程や、支持体に塗布液を塗布
する塗布工程、さらには、平版印刷版を所望のサイズに
裁断(又は切断)する裁断工程などが含まれる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1には本発明の一実施形態のウ
エブ搬送装置10が部分的に示されている。このウエブ
搬送装置10は、平版印刷版の製造ラインにおいて、平
版印刷版の支持体であるアルミウエブ12を搬送するた
めに使用される。
【0029】製造ラインの最も上流側には送出装置が配
置されており、この送出装置には、例えば厚さ0.1〜
0.5mmのアルミウエブ12がロール状に巻き取られ
たアルミコイルが装填されている。送出装置は製造ライ
ン全体での搬送速度に対応する速さでアルミウエブを下
流側へ送り出す。
【0030】ここで、平版印刷版用支持体の素材として
のアルミニウム板は、例えば、JIS1050材、JI
S1100材、JIS1070材、Al−Mg系合金、
Al−Mn系合金、Al−Mn−Mg系合金、Al−Z
r系合金、Al−Mg−Si系合金等を適用し得る。メ
ーカにおけるアルミニウム板の製造過程では、上記規格
に適合するアルミニウムの鋳塊を製造し、このアルミニ
ウム鋳塊を熱間圧延した後、必要に応じて焼鈍と呼ぶ熱
処理を施し、冷間圧延により所定の厚さとされた帯状の
アルミニウム板に仕上げる。このアルミニウム板はロー
ル状に巻き取られてアルミコイルとされる。
【0031】製造ラインには、アルミウエブ12の平坦
性を改善するための矯正装置(ローラレベラ、テンショ
ンレベラ等)、アルミウエブ12の上面及び下面を研磨
するための上面研磨装置及び下面研磨装置、アルミウエ
ブ12の表面を粗面化する粗面化装置、及びアルミウエ
ブ12に対して公知の陽極酸化処理を行う陽極酸化装置
等が設けられている。これらの各種装置により、アルミ
ウエブ12に必要な前処理が施される。
【0032】陽極酸化装置の下流側には、塗布装置及び
乾燥装置が配置されており、前処理が施されたアルミウ
エブ12に、所望の塗布液が塗布されると共に、塗布さ
れた塗布液が乾燥される。
【0033】平版印刷版の感光層又は感熱層の具体的な
態様としては、例えば、下記(1)〜(11)のものが
挙げられる。 (1) 感光層が赤外線吸収剤、熱によって酸を発生す
る化合物、および酸によって架橋する化合物を含有する
態様。 (2) 感光層が赤外線吸収剤、および熱によってアル
カリ溶解性となる化合物を含有する態様。 (3) 感光層が、レーザ光照射によってラジカルを発
生する化合物、アルカリに可溶のバインダー、および多
官能性のモノマーあるいはプレポリマーを含有する層
と、酸素遮断層との2層を含む態様。 (4) 感光層が、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層
との2層からなる態様。 (5) 感光層が、多官能性モノマーおよび多官能性バ
インダーとを含有する重合層と、ハロゲン化銀と還元剤
を含有する層と、酸素遮断層との3層を含む態様。 (6) 感光層が、ノボラック樹脂およびナフトキノン
ジアジドを含有する層と、ハロゲン化銀を含有する層と
の2層を含む態様。 (7) 感光層が、有機光導電体を含む態様。 (8) 感光層が、レーザー光照射によって除去される
レーザー光吸収層と、親油性層および/または親水性層
とからなる2〜3層を含む態様。 (9) 感光層が、エネルギーを吸収して酸を発生する
化合物、酸によってスルホン酸またはカルボン酸を発生
する官能基を側鎖に有する高分子化合物、および可視光
を吸収することで酸発生剤にエネルギーを与える化合物
を含有する態様。 (10) 感光層が、キノンジアジド化合物と、ノボラ
ック樹脂とを含有する態様。 (11) 感光層が、光又は紫外線により分解して自己
もしくは層内の他の分子との架橋構造を形成する化合物
とアルカリに可溶のバインダーとを含有する態様。
【0034】本実施形態のウエブ搬送装置10は、上記
した各工程のいずれにも適用可能であるが、特に、塗布
装置よりも前段階での処理工程に適用される。
【0035】図1に示すように、ウエブ搬送装置10
は、複数(図1では2つ)の搬送ローラ14を有してい
る、図2にも示すように、これらの搬送ローラ14に、
アルミウエブ12が部分的に巻きかけられて乾燥され
る。
【0036】搬送ローラ14の回転軸16は、軸受装置
18によって回転可能に軸支されている。また、回転軸
16には、ワンウェイクラッチ20を介してギヤ22が
それぞれ取りつけられている。
【0037】また、このウエブ搬送装置10では、上記
した2つの搬送ローラ14に対応して、1つのモータ2
4が配置されている。モータ24の駆動ギヤ26と回転
軸16のギヤ22とにはチェーン28が巻き掛けられて
いる。そして、アルミウエブ12と搬送ローラ14との
間に十分な摩擦力が作用して、搬送ローラ14がアルミ
ウエブ12に対して滑ることなく回転しているときに
は、ワンウェイクラッチ20はオフ状態となり、モータ
24の回転力を搬送ローラ14に伝達することはない。
これに対し、アルミウエブ12と搬送ローラ14との間
の摩擦力が低下して、搬送ローラ14の回転角速度がア
ルミウエブ12の搬送速度に対して設定された所定の角
速度まで下がり、アルミウエブ12に対する滑りが生じ
たときには、ワンウェイクラッチ20はオン状態とな
り、モータ24の回転力を搬送ローラ14に伝達する。
これにより、搬送ローラ14の周速度が一定値よりも低
くならないため、アルミウエブ12の搬送速度と搬送ロ
ーラ14の周速度との速度差が一定範囲内に維持される
ことになる。
【0038】図2に示すように、本実施形態のそれぞれ
の搬送ローラ14の径Dは、アルミウエブ12の搬送速
度及び、それぞれの搬送ローラ14の径Dのばらつきを
考慮し、搬送ローラ14の周速度がアルミウエブ12の
搬送速度の±0.5%以内となるように、搬送ローラ1
4ごとに設定されている。
【0039】次に、本実施形態のウエブ搬送装置10の
作用を説明する。
【0040】アルミウエブ12と搬送ローラ14との間
に十分な摩擦力が作用している状態(例えば、アルミウ
エブ12と搬送ローラ14との間の水分量が比較的少な
い乾燥状態)では、ワンウェイクラッチ20はオフ状態
となっており、モータ24の回転力が搬送ローラ14に
伝達されることはないが、摩擦力によって搬送ローラ1
4はアルミウエブ12に対して滑ることなく回転する。
このため、アルミウエブ12が搬送ローラ14に対し擦
れて傷付くことはない。
【0041】アルミウエブ12と搬送ローラ14との間
の摩擦力が低下し(例えば、アルミウエブ12と搬送ロ
ーラ14との間の水分量が比較的多い湿潤状態)、慣性
抵抗等によって搬送ローラ14の回転角速度がアルミウ
エブ12の搬送速度に対して設定された所定の角速度ま
で下がり、アルミウエブ12に対する滑りが生じたとき
には、ワンウェイクラッチ20はオン状態となり、モー
タ24の回転力が搬送ローラ14に伝達される。搬送ロ
ーラ14の径Dは、モータ24の回転力によって回転し
たときの周速度がアルミウエブ12の搬送速度に対して
一定範囲内となるように設定されているので、搬送ロー
ラ14の回転によって、アルミウエブ12に対する滑り
が一定範囲内に維持される。従って、この状態において
も、アルミウエブ12が搬送ローラ14と擦れて傷付く
ことはない。
【0042】このように、本実施形態のウエブ搬送装置
10では、いずれの状態においても(すなわち乾燥状態
であっても湿潤状態であっても)、アルミウエブ12と
搬送ローラ14との滑りを防止して、アルミウエブ12
が擦られることによる傷付きを防止できる。
【0043】なお、上記説明では、搬送ローラ14が2
つ設けられたウエブ搬送装置10を例に挙げて説明した
が、搬送ローラ14の数は複数であれば、特に限定され
るのもではない。また、モータ24の数も特に限定され
ないが、モータ24の少なくとも1つが、複数の搬送ロ
ーラ14を駆動可能となるように構成すると、搬送ロー
ラ14の数よりもモータ24の数を少なくすることがで
きるので、設備コストを低減でき、好ましい。例えば、
搬送ローラ14を3つ設けた場合には、3つ全ての搬送
ローラ14を1つのモータ24によって駆動するように
構成してもよいし、モータ24を2つ設け、1つのモー
タ24で1つの搬送ローラ14を駆動するようにし、も
う1つのモータ24で2つの搬送ローラ14を駆動する
ようにしてもよい。
【0044】搬送ローラ14の構成についても、アルミ
ウエブ12を確実に支持して搬送できれば特に限定され
ないが、少なくともアルミウエブ12が接触する部分を
ゴム製とすると、搬送ローラ14とアルミウエブ12と
の間で大きな摩擦力を得ることができ、しかもアルミウ
エブ12の傷付きもより確実に防止できるので、好まし
い。
【0045】また、本実施形態では、搬送ローラ14の
周速度がアルミウエブ12の搬送速度に対して一定範囲
内となるようにその径Dを設定しているので、例えばワ
ンウェイクラッチ20を介することなく、モータ24の
回転力を搬送ローラ14に直接的に伝達するようにして
も、アルミウエブ12が搬送ローラ14と擦れることに
よる傷付きを防止できる。
【0046】本発明の伝達手段としても、上記したワン
ウェイクラッチ20に限定されず、要するに、通常状態
ではモータ24の駆動力を伝達しないようにし、搬送ロ
ーラ14の回転角速度が低下した場合にのみ、モータ2
4の駆動力を伝達するものであればよい。例えば、搬送
ローラ14の角速度を検知するセンサを設け、このセン
サからの信号によってモータ24の回転を制御する構成
でもよい。本実施形態のようにワンウェイクラッチ20
を使用すると、簡単な構成で本発明の伝達手段を構成で
き、設備コストを低減させる観点からは好ましい。
【0047】
【実施例】以下、実施例によってさらに詳細に説明する
が、本発明がこれらの実施例に限定されるものでないこ
とはもちろんである。
【0048】本実施例では、板厚0.24mm、幅13
00mmのアルミウエブ12が一定速度(60〜90m
/分)で搬送される装置に、本発明のウエブ搬送装置1
0を適用した。
【0049】搬送ローラ14の表面は、硬度65°、表
面粗さ(Ra)2.0μmのCR(クロロプレンゴム)
製とし、面長(軸方向の長さ)1600mm、φ240
を基準とした。そして、これよりも径Dの大きいもの及
び小さいものを用意して、モータ24による駆動が有る
場合及び無い場合について、アルミウエブ12の傷付き
を調べた。なお、それぞれの場合について、アルミウエ
ブ12と搬送ローラ14との接触状態を、乾燥状態及び
湿潤状態に設定して調べた。結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1から分かるように、搬送ローラ14の
径Dがφ240±1.2の範囲内で、且つモータ24に
よる駆動がある場合(実施例1〜実施例3)には、湿潤
状態であってもアルミウエブ12の搬送速度と搬送ロー
ラ14の周速度との速度差が0又は小(0.5%)に留
まっているため、アルミウエブ12に傷は生じていな
い。なお、表1には示していないが、搬送ローラ14の
径がφ240−1.2の構成では、φ240+1.2の
構成と比較して、湿潤状態においてもアルミウエブ12
と搬送ローラ14との摩擦力(乾燥状態よりは低下して
いるが、摩擦力自体は存在している)によって搬送ロー
ラ14に回転力が作用し、結果的に速度差がより小さく
なる傾向にあるため、アルミウエブ12の傷付き防止と
いう観点からは、より好ましい。
【0052】これに対し、搬送ローラ14の径Dがφ2
40±1.2の範囲内であっても、モータ24による駆
動がない場合(比較例3〜比較例5)には、湿潤状態に
おいてアルミウエブ12の搬送速度と搬送ローラ14の
周速度との速度差の程度が中(1.0%)あるいは大
(1.0%より大)となるため、アルミウエブ12に傷
が生じている。
【0053】また、搬送ローラ14の径Dをφ240±
2.4とした場合(比較例1、比較例2、比較例6及び
比較例7)には、モータ24による駆動の有無に関わら
ず、湿潤状態においてアルミウエブ12の搬送速度と搬
送ローラ14の周速度との速度差の程度が中(1.0
%)あるいは大(1.0%より大)となるため、アルミ
ウエブ12に傷が生じている。
【0054】以上の結果から、アルミウエブ12に傷を
生じさせないためには、アルミウエブ12の搬送速度と
搬送ローラ14の搬送速度との速度差が0.5%以下と
なるように、搬送ローラ14のそれぞれの径Dを設定す
れば十分であることが分かる。
【0055】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、被搬送部材
を支持すると共に被搬送部材の搬送方向と同方向に回転
可能な複数の搬送ローラと、少なくとも1つが前記搬送
ローラの複数を前記搬送方向に駆動可能とされた1又は
複数の駆動源と、を有し、前記搬送ローラが前記駆動源
の駆動力で回転したときの周速度が前記被搬送部材の搬
送速度に対して±0.5%以内となるようにそれぞれの
搬送ローラの径が設定されているので、搬送ローラのそ
れぞれに対応して駆動源を設けた構成と比較して、設備
コストが低くなると共に、アルミウエブと搬送ローラと
が擦れが発生せず、アルミウエブに傷が生じない。
【0056】請求項2に記載の発明では、被搬送部材を
支持すると共に被搬送部材との摩擦によって搬送方向と
同方向に回転可能な複数の搬送ローラと、少なくとも1
つが前記搬送ローラの複数を前記搬送方向に駆動可能と
された1又は複数の駆動源と、前記搬送ローラの回転角
速度が、前記被搬送部材の搬送速度に対応して設定され
た角速度まで低下すると前記駆動源からの駆動力を搬送
ローラに伝達する伝達手段と、を有するので搬送ローラ
のそれぞれに対応して駆動源を設けた構成と比較して、
設備コストが低くなると共に、アルミウエブと搬送ロー
ラとが擦れが発生せず、アルミウエブに傷が生じない。
【0057】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、前記搬送ローラが前記駆動源の駆動
力で回転したときの周速度が前記被搬送部材の搬送速度
に対して±0.5%以内となるようにそれぞれの搬送ロ
ーラの径が設定されているので、アルミウエブと搬送ロ
ーラとが擦れをさらに効果的に防止して、アルミウエブ
への傷の発生を防止できる。
【0058】請求項4に記載の発明では、請求項2又は
請求項3に記載の発明において、前記伝達手段がワンウ
ェイクラッチであるので、簡単な構成で伝達手段を構成
できる。
【0059】請求項5に記載の発明では、請求項1〜請
求項4のいずれかに記載の部材搬送装置を使用して平版
印刷版の支持体を搬送しつつ平版印刷版を製造するの
で、支持体(アルミウエブ)に傷が発生せず、製造され
た平版印刷版の品質が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るウエブ搬送装置を示
す平面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るウエブ搬送装置の概
略構成を示す側面図である。
【図3】従来の搬送装置の張力保持用ゴムローラを示す
正面図である。
【符号の説明】
10 ウエブ搬送装置(部材搬送装置) 12 アルミウエブ(被搬送部材) 14 搬送ローラ 20 ワンウェイクラッチ(伝達手段) 24 モータ(駆動源)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被搬送部材を支持すると共に被搬送部材
    の搬送方向と同方向に回転可能な複数の搬送ローラと、 少なくとも1つが前記搬送ローラの複数を前記搬送方向
    に駆動可能とされた1又は複数の駆動源と、 を有し、 前記搬送ローラが前記駆動源の駆動力で回転したときの
    周速度が前記被搬送部材の搬送速度に対して±0.5%
    以内となるようにそれぞれの搬送ローラの径が設定され
    ていることを特徴とする部材搬送装置。
  2. 【請求項2】 被搬送部材を支持すると共に被搬送部材
    との摩擦によって搬送方向と同方向に回転可能な複数の
    搬送ローラと、 少なくとも1つが前記搬送ローラの複数を前記搬送方向
    に駆動可能とされた1又は複数の駆動源と、 前記搬送ローラの回転角速度が、前記被搬送部材の搬送
    速度に対応して設定された角速度まで低下すると前記駆
    動源からの駆動力を搬送ローラに伝達する伝達手段と、 を有することを特徴とする部材搬送装置。
  3. 【請求項3】 前記搬送ローラが前記駆動源の駆動力で
    回転したときの周速度が前記被搬送部材の搬送速度に対
    して±0.5%以内となるようにそれぞれの搬送ローラ
    の径が設定されていることを特徴とする請求項2に記載
    の部材搬送装置。
  4. 【請求項4】 前記伝達手段がワンウェイクラッチであ
    ることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の部材
    搬送装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    部材搬送装置を使用して平版印刷版の支持体を搬送しつ
    つ平版印刷版を製造することを特徴とする平版印刷版製
    造方法。
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