JP2002096194A - Pbを含まないSn合金系ハンダ用フラックス - Google Patents

Pbを含まないSn合金系ハンダ用フラックス

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JP2002096194A
JP2002096194A JP2000286829A JP2000286829A JP2002096194A JP 2002096194 A JP2002096194 A JP 2002096194A JP 2000286829 A JP2000286829 A JP 2000286829A JP 2000286829 A JP2000286829 A JP 2000286829A JP 2002096194 A JP2002096194 A JP 2002096194A
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恵子 齊田
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    • B23K35/3613Polymers, e.g. resins

Abstract

(57)【要約】 【課題】 Sn−AgあるいはSn−Ag−Bi系など
の、所謂Pb−freeハンダに用いた際、材料劣化、
あるいは、耐久性障害を起こすことがなく、また、その
高い熔融温度における使用にも耐え、十分な清浄化作用
を有する新規なフラックスを提供する。 【解決手段】 ロジンの主成分であるアビエチン酸を主
な基剤成分とし、前記ロジン系基剤中に添加・分散する
フラックス活性増強作用を有する無機成分として、ハロ
ゲン化物イオンを構成要素としない固体状酸化合物を用
いているハンダ用フラックス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Pbを含まないS
n合金ハンダ用フラックスに関する。より具体的には、
従来のSn−Pbハンダに代わり、今後電子工業分野に
おいて使用されるであろう、Sn−AgあるいはSn−
Ag−Bi系など、Pbを含まないSn合金ハンダ、所
謂Pb−freeハンダを用いる際ハンダ付け用フラッ
クスとして利用する、ロジンを基剤とするフラックスに
関する。さらには、前記Pb−freeハンダ用フラッ
クスの製造方法に関する。所謂Pb−freeハンダ、
特には、構成成分にAgを含むSn−AgあるいはSn
−Ag−Bi系ハンダに適するハンダ用フラックスに関
する。
【0002】
【従来の技術】ハンダ付け作業の工程は、電子回路製造
において、不可欠な工程である。その際、ハンダ合金自
体の表面酸化皮膜、あるいは、ハンダ付けされるプリン
ト回路基板上の銅箔表面の自然酸化被膜を除去し、接合
する金属面へのハンダの濡れや馴染みを良好とする必要
がある。この接合面の清浄化前処理として、ハンダ付け
ペーストまたはフラックスと呼ばれるものが用いられて
いる。ハンダ付けでは、ハンダ合金の熔融とロウ付け接
合とを同時に行うため、この加熱時にフラックス処理が
なされる。
【0003】従来、ハンダ付けには、ハンダ材料として
Sn−Pb合金が利用されてきた。このSn−Pb合金
を利用するハンダ付けでは、古くから、ハンダ付け用ペ
ーストとも呼ばれるフラックス、例えば、塩化亜鉛微粉
末をパラフィンに懸濁したもの、あるいは、塩化アンモ
ニウム微粉末をロジンに懸濁したものが利用されてい
る。一般には、このフラックス(ハンダ付け用ペース
ト)中に懸濁されている無機成分が酸化被膜を浸食破壊
し、一方、有機成分は、前記の過程で露出する金属面を
覆い、空気との接触を断って再び酸化膜が形成されるの
を防止する役割を持つとされている。
【0004】すなわち、酸化被膜の除去は、次ぎに述べ
る過程により達成されると考えられている。例えば、塩
化亜鉛微粉末をパラフィンに懸濁したフラックス(ハン
ダ付け用ペースト)では、微粉末状の塩化亜鉛が酸化錫
などに作用して、パラフィンは、空気との接触を断つ。
例えば、塩化亜鉛は酸化錫に作用して、錫の塩化物に変
換して、亜鉛の酸化物となる結果、Pb−Snハンダ合
金上の酸化被膜を浸食破壊する機構などが想定される。
【0005】また、塩化アンモニウム微粉末をロジンに
懸濁したフラックス(ハンダ付け用ペースト)でも、塩
化アンモニウムが酸化錫に作用する無機成分であり、ロ
ジンは、前記のパラフィンと同様に、空気との接触を断
つ役割を持つ有機成分とも考えられる。その場合、例え
ば、塩化アンモニウムが酸化錫に作用して、一旦塩化錫
などへと変換して、表面から溶出させる。その後、ロジ
ンの主成分である樹脂酸、アビエチン酸などは、溶出し
た塩化錫に対して、カルボン酸として作用して、カルボ
ン酸塩に変換する。一方、塩化錫から遊離する塩化物イ
オン種は、塩化アンモニウムを再生する。生成した錫の
アビエチン酸塩などは、融解しているロジン中に溶解す
る。結果として、酸化錫は、錫のアビエチン酸塩に変換
され、Pb−Snハンダ合金上の酸化被膜が除去される
とも考えられる。銅表面においても、類似する反応によ
り酸化被膜の除去が達成されると考えられる。
【0006】従って、塩化アンモニウム微粉末をロジン
に懸濁したフラックス(ハンダ付け用ペースト)では、
塩化アンモニウムは、フラックス活性増強作用を有する
無機成分となっている。アビエチン酸などのロジン中に
含まれる樹脂酸は、水に不溶であり、その酸強度は高く
ないが、塩化アンモニウムは、仮に、アンモニアと塩化
水素として機能すると、酸強度を示すものとなる。ロジ
ン自体の酸性は、含まれているアビエチン酸などの樹脂
酸がカルボン酸として、プロトン供与体として作用する
結果で得られるが、塩化アンモニウムなどを添加する
と、フラックス全体としては、酸強度の増強が図られ
る。
【0007】このように、従来のフラックスにおいて、
基剤として利用されるロジンは、無機成分微粒子を分散
させる溶媒の機能を有する以外に、ロジンの主成分であ
る樹脂酸、アビエチン酸とその類縁体は、酸化被膜の金
属酸化物をアビエチン酸塩などに変換し、そのアビエチ
ン酸塩を溶解する溶媒の機能をも有する。しかも、樹脂
酸、アビエチン酸とその類縁体は、沸点は280℃以上
と高沸点であり、上記の反応をおこさせる温度、例え
ば、リフロー温度近くでも、空気を遮断するという第三
の役割にも適したものである。ロジン自体、100℃程
度で軟化するが、常温では固体であり、塩化アンモニウ
ム微粉末を均一に分散させ、その分散状態を保持する上
でも、好ましいものである。
【0008】従来、ハンダ材料として利用されてきたS
n−Pb合金は、リフローした際、周囲に若干鉛あるい
は鉛化合物を微細な浮遊飛沫として放散する懸念を持っ
ている。この鉛あるいは鉛化合物、例えば、酸化鉛、二
塩化鉛、四塩化鉛などは、毒性物質であり、微少量であ
っても、長期間摂取し、体内への蓄積すると、健康への
悪影響を与えるものである。電子回路製造におけるハン
ダ付け作業の工程自体では、これら鉛あるいは鉛化合物
に作業者が曝露されないように、十分に配慮された管理
環境下で作業が行われる。しかしながら、この管理の網
を逃れる極微細な浮遊微粉末も僅かにはあり、また、除
去・回収された鉛あるいは鉛化合物の廃棄の問題は依然
として残る。さらに、製品として出荷された電子回路
は、やがて廃棄されるが、その中に残るSn−Pb合金
は、焼却処理した際、ハンダ付け作業と同様に鉛あるい
は鉛化合物を発生させ、環境汚染の要因となることも懸
念されている。
【0009】上記の問題を抜本的に回避するため、ハン
ダ材料としてSn−Pb合金の使用をやめ、それに代わ
る、Pbを含まないSn合金系ハンダ(所謂Pb−fr
eeハンダ)、具体的には、Sn−AgあるいはSn−
Ag−Bi系ハンダなどの使用が進んでいる。これらの
ハンダ材料では、主成分のSnに対して、その融点を下
げるため、Ag、Biなどを加えた合金となっている
が、これらの酸化物をも効果的に除去できるフラックス
が必要となる。従来、Sn−Pb合金に利用されていた
ロジンを基剤とするフラックスでは、Pb−freeハ
ンダ、例えば、Sn−AgあるいはSn−Ag−Bi系
ハンダに用いた際、材料劣化、あるいは、耐久性障害を
起こすことが判明した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、従来の
Sn−Pb合金に利用されていたロジンを基剤とするフ
ラックスは、Pb−freeハンダ、例えば、Sn−A
gあるいはSn−Ag−Bi系ハンダに用いた際、上述
する材料劣化、あるいは、耐久性障害を起こすという問
題を持つため、Sn−AgあるいはSn−Ag−Bi系
ハンダなどのPb−freeハンダに適合する新たなフ
ラックスの開発が必要と考えた。加えて、従来のSn−
Pb合金と比較して、Sn−AgあるいはSn−Ag−
Bi系などのPb−freeハンダは、その熔融温度が
高いので、より高いリフロー温度においても、高い作業
性を維持でき、また、作業環境に対しても悪影響を及ぼ
すことのない新たなフラックスの開発が望まれる。
【0011】本発明は、前記の課題を解決するもので、
本発明の目的は、Sn−AgあるいはSn−Ag−Bi
系などのPb−freeハンダに用いた際、材料劣化、
あるいは、耐久性障害を起こすことがなく、また、その
高い熔融温度における使用にも耐え、十分な清浄化作用
を有する新規なフラックスを提供することにある。ま
た、同時に作業環境に対しても悪影響を及ぼす飛散成分
などを含まない新規なフラックスを提供することをも目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決すべく、鋭意研究・検討を進め、後述するよう
に、従来のロジンを基剤とするフラックスをSn−Ag
あるいはSn−Ag−Bi系などのPb−freeハン
ダに用いた際、材料劣化、あるいは、耐久性障害を起こ
す要因を特定し、その要因を除くことにより、Sn−A
gあるいはSn−Ag−Bi系などのPb−freeハ
ンダに対しても、材料劣化、あるいは、耐久性障害の発
生を抑制したロジン系フラックスとすることができるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明において、第一の発明に
かかるPbを含まないSn合金系ハンダ用フラックス
は、アビエチン酸を主成分として含有するロジン系基剤
を含むロジン系フラックスにおいて、このフラックス
は、ロジン系基剤中に添加・分散されたフラックス活性
増強作用を有する微粉末状の無機成分を含み、ただし、
ハロゲン化物イオンを構成要素とする化合物は含んでい
ないことを特徴とするハンダ用フラックスである。
【0014】例えば、前記微粉末状の無機成分が、微粉
末状の固体酸であることを特徴とするハンダ用フラック
スとすることができる。また、前記微粉末状の固体酸
が、水素還元によって、その酸強度の増強がなされてい
る、あるいは、酸点の発現がなされている固体酸である
ことを特徴とするハンダ用フラックスとすることが好ま
しい。さらには、前記微粉末状の固体酸が、無機化合物
からなる微粉末状の担体上に、前記担体に用いる無機化
合物とは別種の無機化合物が担持してなる複合体の微粉
末であり、前記複合体の微粉末が全体として、固体酸と
しての作用を示すものであることを特徴とするハンダ用
フラックスとすることもできる。
【0015】例えば、前記複合体の微粉末が、微粉末状
のAl23を担体とし、その上にNiOまたはCr23
が担持してなるAl23−NiOまたは/およびAl2
3−Cr23の微粉末であることを特徴とするハンダ
用フラックスは、より好ましい。
【0016】なお、上記する第一の発明にかかるハンダ
用フラックスにおいて、前記ロジン系基剤は、粗精製ロ
ジンに脱硫触媒の存在下、水素化脱硫処理を施してなる
変性ロジンであることを特徴とするハンダ用フラックス
であることが、より好ましい。
【0017】加えて、本発明において、第二の発明にか
かるPbを含まないSn合金系ハンダ用フラックスは、
アビエチン酸を主成分として含有するロジン系基剤を含
むロジン系フラックスにおいて、前記ロジン系基剤は、
粗精製ロジンに脱硫触媒の存在下、水素化脱硫処理を施
してなる変性ロジンであることを特徴とするハンダ用フ
ラックスである。
【0018】さらには、本発明のハンダ用フラックス
が、水素化脱硫処理を施してなる変性ロジンをロジン系
基剤として含むとき、前記変性ロジンが、前記水素化脱
硫処理とともに粗精製ロジンに由来する不純物中の蒸発
性有機化合物不純物の蒸発除去処理をも施した変性ロジ
ンであることを特徴とするハンダ用フラックスであるこ
とが一層好ましい。
【0019】なお、前記粗精製ロジンに由来する不純物
中の蒸発性有機化合物不純物の蒸発除去処理とは、Pb
−freeハンダ、例えば、Sn−AgあるいはSn−
Ag−Bi系ハンダの熔融温度およびそれ以下の温度に
おいて蒸発性を示す、蒸発性有機化合物不純物を除去す
る処理を意味する。
【0020】本発明にかかるPbを含まないSn合金系
ハンダ用フラックスの製造方法は、アビエチン酸を主成
分として含有するロジン系基剤とフラックス活性増強作
用を有する微粉末状の無機成分とを含む、Pbを含まな
いSn合金系ハンダ用フラックスを製造する方法であっ
て、少なくとも、粗精製ロジンを、脱硫触媒の存在下、
水素化脱硫処理して、変性ロジンとする工程において、
前記脱硫触媒として、フラックス活性増強作用を有する
微粉末状の無機成分としても機能する脱硫触媒を用い、
前記水素化脱硫処理工程後、そのままフラックス活性増
強作用を有する微粉末状の無機成分として用いることを
特徴とするPbを含まないSn合金系ハンダ用フラック
スの製造方法である。従って、粗精製ロジンを、脱硫触
媒の存在下水素化脱硫処理して、変性ロジンとする工程
と、この変性ロジン中に、フラックス活性増強作用を有
する微粉末状の無機成分を添加・分散する工程とを、前
記水素化脱硫処理に用いる脱硫触媒として、前記微粉末
状の無機成分を用いることにより、前記二工程を一体に
実施するようにした製造方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明のSn−AgあるいはSn
−Ag−Bi系などのPb−freeハンダ用フラック
スは、従来Sn−Pbハンダ用ロジン系フラックスをS
n−AgあるいはSn−Ag−Bi系などのPb−fr
eeハンダに転用した際、材料劣化、耐久性障害を引き
起こす要因と特定される因子が除去されたものである。
さらには、フラックス活性を増強する目的で添加・分散
される無機成分として、Sn−AgあるいはSn−Ag
−Bi系などのPb−freeハンダに適するものを添
加し、より好ましい活性化フラックスとしたものであ
る。
【0022】これら本発明のSn−AgあるいはSn−
Ag−Bi系などのPb−freeハンダ用フラックス
において達成された改善点、その改善効果を生む作用に
ついて、以下に詳しく説明する。加えて、その改善点を
持たせるため、本発明のSn−AgあるいはSn−Ag
−Bi系などのPb−freeハンダ用フラックスの製
造工程にも、対応した工夫がなされている。その製造工
程、その工程手順、ならびに、各工程の持つ作用に関し
ても、併せて説明する。
【0023】先ず、本発明者らが検討・研究により判明
させた、従来Sn−Pbハンダ用ロジン系フラックスを
Sn−AgあるいはSn−Ag−Bi系などのPb−f
reeハンダに転用した際、材料劣化、耐久性障害を引
き起こす要因について、簡単に述べる。
【0024】上でも説明したとおり、従来のロジン系フ
ラックスは、マツ科植物から得られる樹脂油のうち、精
油などの揮発性物質を留去した後の残留樹脂であるロジ
ンを基剤とし、そのフラックス活性を増強するための無
機成分として、塩化アンモニウム微粉末などを添加・分
散したものである。フラックス活性、すなわち、酸化被
膜の除去は、加熱状態において、最終的には、金属酸化
物がアビエチン酸によりアビエチン酸塩とされ、液状と
なっているロジン中に溶出されることで得られる。添加
される無機成分、例えば、塩化アンモニウムは、プロト
ン供与体となることで、フラックス活性の増強を図るも
のである。
【0025】これら基剤ロジン以外の成分のうち、Sn
−AgあるいはSn−Ag−Bi系などのPb−fre
eハンダ用フラックスとして用いた際、問題となる成分
の特定を行った。そのため、従来のロジン系フラックス
に関して、蛍光X線スペクトルを測定して、含まれる不
純物元素を分析した。
【0026】従来の実用に供せられているSn−Pbハ
ンダ用ロジン系フラックスについて、蛍光X線スペクト
ルを測定すると、図3の(B)に示す測定例に見られる
ように、塩素ならびに臭素を含有することが判る。加え
て、イオウが含有されていることも見出された。同時
に、基剤として利用されている粗精製ロジンについて、
蛍光X線スペクトルを測定すると、図1の(B)に示す
測定例に見られるように、塩素ならびに臭素は観測され
ないが、イオウが含有されていることが見出された。
【0027】この比較から、従来の実用フラックスに含
まれる塩素、臭素は、従来のロジン系フラックスにおけ
るフラックス活性を増強している成分に由来するもので
あることが判明した。また、高温(ハンダ付け温度)、
例えば、250℃においては、図3の(A)に模式的に
示すように、H+Cl-やH+Br-のような状態を形成して、プ
ロトン供与体として機能すると想定される。これらのプ
ロトン供与能が、フラックス活性を増強していると考え
られる。
【0028】このように、Sn−Pbハンダ用ロジン系
フラックスにはハロゲン化物イオン、通常、塩化物イオ
ン(Cl-)、臭化物イオン(Br-)が含まれているため、
Sn−AgあるいはSn−Ag−Bi系などのPb−f
reeハンダに転用すると、主にAgとCl-やBr-等のハ
ロゲン化物イオンから銀ハロゲン化物が生成する。この
銀ハロゲン化物の生成が、材料劣化や耐久性障害の主要
な要因となっていることを見出した。
【0029】本発明における第一の発明にかかるロジン
系フラックスは、この銀ハロゲン化物の生成を防止する
ため、フラックス中にハロゲン化物イオンを構成要素と
して含む化合物を含有しないようにしたものである。ま
た、本発明における第一の発明にかかるSn−Agある
いはSn−Ag−Bi系などのPb−freeハンダ用
フラックスは、ロジン系基剤を用いており、このロジン
系基剤に対して、そのフラックス活性を増強する作用を
有する微粉末状の無機成分を加え、活性化フラックスと
したものである。従って、本発明における第一の発明に
かかるロジン系フラックスは、このフラックス活性増強
作用を有する微粉末状の無機成分の添加に加え、ハロゲ
ン化物イオンを構成要素として含む化合物を含有しない
ようにしたものである。つまり、前記微粉末状の無機成
分には、ハロゲン化物イオンを構成要素とするものは含
まれない。
【0030】次いで、従来の実用フラックスを、Sn−
AgあるいはSn−Ag−Bi系などのPb−free
ハンダ用フラックスとして用いた際、基剤ロジンに由来
する不純物成分のうち、問題となる成分の特定を行っ
た。上述したように、基剤として利用する粗精製ロジン
には、イオウが含有されている。この粗精製ロジン中に
含有されるイオウ成分を特定するため、粗精製ロジンの
FT−IRスペクトルを測定した。例えば、図1の
(A)に示す、粗精製ロジンをエタノールに溶解した試
料のFT−IRスペクトルの測定例にも見られるよう
に、本来アビチエン酸分子にはない、SO4 2-ならびに
SO3 -に由来する振動に帰属される吸収が観測された。
この結果から、粗精製ロジン中にはイオウ分が不純物と
して含まれ、少なくとも、SO4 2-ならびにSO3 -を相
当量、すなわち、FT−IRスペクトルの検出にかかる
程度あることが判明した。
【0031】従来の実用フラックスについても、常温に
おいて、FT−IRスペクトルを測定した。例えば、図
2の(B)に示す測定例に示されるように、やはり、S
4 2 -に由来する振動、加えて、SO3Hに由来する振動
が観測された。
【0032】この結果に基づき、従来のロジン系フラッ
クスにおいて、原料の粗精製ロジン自体に含まれる不純
物イオウは、どのような状態で残留しているかを検討し
た。検討した結果、図2の(A)に模式的に示すよう
に、不純物イオウは、常温において、遊離したS
4 2-、SO3Hに加えて、一部アビチエン酸分子内にス
ルホンとして存在することが予測された。すなわち、イ
オウ成分のうち、相当部分は、有機分子中、例えば、ア
ビチエン酸の骨格上にスルホン(−SO2−)として結合
していると考えられる。また、スルホ基(−SO3H)やス
ルホオキシ基(−SO4H)などの存在の可能性も考えられ
る。
【0033】また、高温(ハンダ付け温度)、例えば、
250℃においては、図3の(A)に模式的に示すよう
に、遊離しているSO3 -+なども、H+Cl-やH+Br-と同
様にプロトン供与体として機能すると想定される。従来
の活性化フラックスでは、塩化アンモニウムなどに由来
するH+Cl-やH+Br-によりフラックス活性の増強が図られ
ているものの、粗精製ロジン自体に含まれる不純物イオ
ウの相当部分は、プロトン供与能を有するSO3 -+
どであり、これによっても、一部フラックス活性の増強
がなされていることを解明した。
【0034】このように、従来のSn−Pbハンダ用ロ
ジン系フラックスにおいて、粗精製ロジン自体に含まれ
る不純物イオウは、プロトン供与能を有するSO3 -+
などとして、フラックス活性の増強に寄与している。し
かしながら、Sn−AgあるいはSn−Ag−Bi系な
どのPb−freeハンダ用フラックスとして用いた
際、不純物イオウは還元を受けると、S2-などとなり、
銀と硫化銀を生成すると、材料劣化あるいは耐久性障害
を引き起こす要因ともなることが判明した。
【0035】本発明における第二の発明にかかるロジン
系フラックスは、この硫化銀の生成を防止するため、用
いるロジン系基剤として、予めイオウ不純物を除去する
処理を施した変性ロジンを利用したものである。つま
り、第二の発明にかかるSn−AgあるいはSn−Ag
−Bi系などのPb−freeハンダ用フラックスは、
アビエチン酸を主成分として含有するロジン系基剤を含
むロジン系フラックスにおいて、前記ロジン系基剤は、
粗精製ロジンに脱硫触媒の存在下、水素化脱硫処理を施
してなる変性ロジンであることを特徴とするハンダ用フ
ラックスである。
【0036】まず、上記の作用を発揮する上で、本発明
における第一の発明にかかるSn−AgあるいはSn−
Ag−Bi系などのPb−freeハンダ用フラックス
において好ましい構成に関して、より具体的に説明す
る。
【0037】第一の発明にかかるハンダ用フラックスで
は、活性化フラックスとするため、フラックス活性増強
作用を有する微粉末状の無機成分を添加する。一方、ハ
ロゲン化物イオンを構成要素として含む化合物を含有し
ないようにするので、前記微粉末状の無機成分として
は、ハロゲン化物イオンを構成要素として含まない化合
物であり、なんらかの機構でハンダ合金の表面などに存
在する酸化物皮膜の除去を促進する作用を有するものを
選択するとよい。なお、含有する微粉末状の無機成分の
量は、そのフラックス活性増強作用の機構と、強弱に応
じて、ロジン系基剤のフラックス活性を所望の範囲に上
昇させるように適宜選択することができる。
【0038】例えば、フラックス活性増強作用を有する
微粉末状の無機成分としては、酸強度を増強する作用を
有するものを選択することが好ましい。なかでも、固体
酸と称される、その表面が酸性を示す種々の無機化合物
固体を選択するとよい。なお、固体酸として機能する無
機化合物固体には、金属の酸化物(Al23、V23
ど)、硫化物(ZnSなど)、硫酸塩(NiSO4、C
uSO4など)、リン酸塩(AlPO4、Tiリン酸塩な
ど)、塩化物(AlCl3、CuCl2など)が知られて
いる。さらには、種々の触媒活性を示す粘土鉱質(酸性
白土、モンモリロナイトなど)、ゼオライトなども、固
体酸の一種である。さらには、無機化合物からなる微粉
末状の担体上に、前記担体に用いる無機化合物とは別種
の無機化合物が担持してなる複合体の微粉末であり、前
記複合体の微粉末が全体として、固体酸としての作用を
示すものも固体酸の一種である。
【0039】フラックスに添加した際、フラックス活性
を増強する作用の大小は、当然、これら固体酸の表面の
酸点(酸活性中心)の強度に依存する。従って、添加す
る固体酸は、微粉末の形状となし、単位重量当たりの表
面面積の総和を高くすることが望ましい。また、その表
面に何らかの処理を施すことによって、表面の酸点(酸
活性中心)の強度が増強されている、あるいは、酸点
(酸活性中心)の発現がなされている固体酸の微粉末を
含有することがより好ましい。例えば、このような付活
性処理として、水素雰囲気中で加熱して、水素還元条件
に保持することによって、表面の酸点(酸活性中心)の
強度が増強されている、あるいは、酸点(酸活性中心)
の発現がなされている固体酸の微粉末を用いることが一
層好ましい。すなわち、付活性処理に気体を利用し、ま
た、用いた気体は、処理後容易に除去できるならば、よ
り好ましい。従って、前記水素還元により、固体酸表面
の酸点(酸活性中心)の強度が増強されている、あるい
は、酸点(酸活性中心)の発現がなされている固体酸
は、一層好適である。
【0040】加えて、Sn−AgあるいはSn−Ag−
Bi系などのPb−freeハンダを用いたハンダ付け
においては、例えば、遊離したSO4 2-、SO3H、ある
いは、アビチエン酸の骨格上にスルホン(−SO2−)と
して結合している酸化状態のイオウが、還元されて硫化
物イオンに達することも多いと考えられる。このような
極めて高い還元雰囲気では、例えば、水素還元雰囲気と
同等の反応が起こることが予想される。例えば、水素還
元により、固体酸表面の酸点(酸活性中心)の強度が増
強される、あるいは、酸点(酸活性中心)の発現がなさ
れる固体酸では、ハンダ付けの際、酸化状態のイオウ
が、還元されて硫化物イオンに達するほどに強い還元雰
囲気におかれると、水素還元と同様な、酸点(酸活性中
心)の強度の増強、あるいは、酸点(酸活性中心)の発
現がおこることも予想される。
【0041】本発明における第一の発明にかかるフラッ
クスにおいて、前記する各種の固体酸のうち、金属の酸
化物は、所望の微粉末が容易に入手でき、また、一般に
水素還元によりその酸点(酸活性中心)の強度が増強す
るので、一層好ましいものである。固体酸となる金属の
酸化物を用いる際、一種類の金属酸化物を用いてもよ
く、あるいは、二種類以上の金属酸化物を併用してもよ
い。また、無機担体の微粉末上に金属酸化物を担持した
複合体の微粉末であって、固体酸として作用するものを
用いることもできる。さらに、無機担体自体が、固体酸
として機能する金属酸化物であり、その上に別の金属酸
化物を担持した複合体の微粉末も、固体酸の微粉末とし
て機能するものを用いることもできる。また、複合体の
微粉末上に、さらに他の金属などを担持した微粉末であ
って、なお、固体酸の微粉末として機能を有するものを
用いることもできる。
【0042】具体的には、本発明のフラックスにおい
て、そのフラックス活性を増強する作用を有する微粉末
状の無機成分として、固体酸となる金属酸化物、例え
ば、Al 23、V23、SiO2−Al23などを挙げ
ることができる。さらには、無機担体の微粉末上に金属
酸化物が担持され、全体として固体酸として機能するも
の、例えば、無機担体としてAl23の微粉末を利用し
ている、Al23−NiO、Al23−Cr23、Al
23−CdOなどを挙げることができる。
【0043】なお、酸化ニッケル(II);NiOは、N
iO1.2程度の黒色酸化物となることもあることが知ら
れている。この場合、水素還元状態におき、余剰の酸素
を除去すると、NiOに変換することも可能である。ま
た、固体のNiOは、水素気流中では比較的低温でニッ
ケルに還元される。また、酸化クロム(III);Cr2
3は、酸化クロム触媒に利用され、単独、あるいは他の
酸化物と複合した状態で、例えば、水素化・脱水素の反
応に触媒活性を示す。これらの金属酸化物では、例え
ば、水素還元状態に置かれると、構成している酸素が部
分的にOからOHに変換され、酸強度の増加が起こるこ
とも予測される。
【0044】好ましくは、本発明のハンダ用フラックス
は、ロジン系基剤中に含まれる、主成分のアビエチン酸
などに由来するフラックス活性を増強する無機成分とし
て、固体酸を添加する。このフラックス活性を増強する
無機成分の添加量は、例えば、変性ロジン100重量部
当たり、フラックス活性を増強する無機成分として好ま
しい固体酸である、Al23−NiOやAl23−Cr
23のような固体酸の微粉末を、0.1〜4.0重量
部、好ましくは0.1〜1.0重量部添加することが好
ましい。この固体酸の微粉末は、ロジン系基剤中に均一
に分散させるものであるので、平均粒子径が0.01〜
1.0μm、好ましくは、0.01〜0.1μmの範囲
にある微細粒子であることが好適である。
【0045】フラックス活性を増強する無機成分として
利用する固体酸の微粉末を、後ほど述べるように粗精製
ロジンの水素化脱硫処理に用いるCo−Mo触媒(脱硫
触媒)などの担体として利用する際には、Co−Mo触
媒(脱硫触媒)などの触媒金属を、担体とする固体酸の
微粉末100重量部当たり、0.1〜2.0重量部、好
ましくは、0.1〜1.0重量部の範囲に選択すること
が好ましい。前記の範囲に選択すると、所望の脱硫触媒
活性を得るために添加する、固体酸の微粉末を担体とす
るCo−Mo触媒(脱硫触媒)自体で、フラックスにお
いて目標とする固体酸の微粉末の添加量となり、より好
ましいものである。また、前記固体酸の微粉末として、
Al23−NiOやAl23−Cr23のようなアルミ
ナ(Al 23)と他の金属酸化物(NiOやCr23
とからなる複合体が好ましい。その際、その平均組成
は、アルミナ(Al23)と他の金属酸化物(NiOや
Cr 23)との比率が、アルミナ(Al23)1モル当
たり、他の金属酸化物(NiOやCr23)が、0.8
〜1.2モル、好ましくは、0.9〜1.1モルの範囲
となるもの(混合物)を用いることが好ましい。
【0046】本発明における第一の発明にかかるハンダ
用フラックスでは、常温においては、全体の酸強度はな
いか、十分に低いことが好ましいく、その点からも、上
述の固体酸を利用すると、常温においては、その酸強度
は発揮されず、高温においてのみ、所望の酸強度を示す
のでより好ましい。
【0047】本発明のフラックスにおいては、常温にお
いてフラックスの形態は、ペースト様とすることができ
る。その際、前記固体酸の微粉末などは、ロジン系基剤
中に均一に分散される。一方、ロジン自体、加熱すると
軟化し、90〜100℃に達すると融けるものの、常温
において、固体状態となるので、本発明のフラックスで
は、微粉末状の無機成分に加え、微粒子状のロジンも分
散するペースト様の混合・分散物の形態とすることもで
きる。
【0048】本発明のフラックスに用いるロジン系基剤
は、ロジンに含まれる樹脂酸をフラックス活性成分とす
るものである。市販されている粗精製ロジンは、マツ科
植物から得られる樹脂油のうち、精油などの揮発性物質
を留去した後の残留樹脂であり、高沸点の樹脂油複数を
含有している。この粗精製ロジンは、マツの種類によっ
て組成は若干変動するものの、主な成分は、樹脂油であ
り、約90%を占め、中性成分10%を含んでいる。樹
脂油のうち、主成分は、アビエチン酸とその類縁体であ
り、前記類縁体は、例えば、ジヒドロアビエチン酸、デ
ヒドロアビエチン酸、無水アビエチン酸などが主なもの
である。中性成分には、エステル体(−COO−R)が含ま
れるが、その他に、カルボキシル基(−COOH)に代わ
り、ホルミル基(−CHO)やメチロール基(−CH2OH)と
なったものも含まれる。これら樹脂油成分は、蒸留精製
を加え、ロジン油(沸点:280℃以上)としたものも
入手可能である。本発明のフラックスにおいては、この
アビエチン酸と混在しているその類縁体を主にフラック
ス活性成分として利用する。例えば、アビエチン酸自体
は、その融点は172℃〜175℃であり、ハンダ付け
温度においては、液体となるが、容易には蒸発しない。
【0049】従って、本発明のフラックスに用いるロジ
ン系基剤は、アビエチン酸とその類縁体(例えば、ジヒ
ドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、無水アビエ
チン酸)の樹脂酸以外の中性成分、ならびに不純物成分
を予め除去するなど、精製処理を施したロジンを用いる
ことが一層好ましい。
【0050】なお、本発明における第一の発明にかかる
ハンダ用フラックスにおいては、フラックス活性を増強
する無機成分を含有するので、粗精製ロジンに含まれる
イオウ分、例えば、プロトン供与能を有するSO3 -+
などによるフラックス活性の増強はなくとも構わない。
従って、用いるロジン系基剤として、予めイオウ不純物
を除去する処理を施した変性ロジンを利用したものとす
ることがより好ましい。すなわち、ロジン系基剤は、粗
精製ロジンに脱硫触媒の存在下、水素化脱硫処理を施し
てなる変性ロジンであることがより好ましい。
【0051】また、Sn−AgあるいはSn−Ag−B
i系などのPb−freeハンダでは熔融温度が高くな
り、それに伴い、従来のSn−Pbハンダを用いていた
際には、さほど問題とはなっていなかった、粗精製ロジ
ン中に不純物として含有されている蒸発性有機化合物
(VOC分子:volatile organic compound)の蒸散量
も配慮すべき量となる。粗精製ロジンは、揮発性留分は
予め除かれているものの、ロジン油(沸点:280℃以
上)よりも沸点の低い蒸発性の成分はなお残留してお
り、これらの比較的沸点の低い成分は予め留去すること
が好ましい。これらの比較的沸点の低い成分は、ハンダ
付け特性に影響を与えないが、環境大気へ放散すると、
大気汚染、さらには、地球環境の汚染、温室効果ガスの
発生源ともなり得る。
【0052】また、粗精製ロジンに含有される副成分有
機化合物のうち、そのハンダ付け温度において、簡単に
蒸発してしまう蒸発性有機化合物は、フラックス活性に
なんらの関与しない。また、ロジン系基剤は、再酸化防
止の被覆液膜という機能も重要であり、この機能に対し
ても、前記の蒸発性有機化合物は、不要なものである。
従って、ハンダ付け温度において、蒸発して、作業環境
を汚染する懸念のある蒸発性有機化合物不純物の除去を
も行った変性ロジンを用いることがよりこのましい。
【0053】この蒸発性有機化合物不純物の除去は、常
法に従い、粗精製ロジンを融解、あるいは、溶解して、
蒸留などの手法を用いて行うことができる。また、粗精
製ロジンを脱硫触媒の存在下、水素化脱硫処理する際、
蒸発性有機化合物不純物の除去をも併せて行える。その
結果、変性ロジンは、標準大気圧における沸点200℃
以下の蒸発性有機化合物を含まないものとすることが好
ましい。すなわち、変性ロジン中に残留する沸点200
℃以下の蒸発性有機化合物の総和が、変性ロジンに対し
て。200ppm(重量ppm)以下、より好ましくは
100ppm(重量ppm)以下であることが好まし
い。また、沸点が250℃〜ハンダ付け温度(例えば、
220℃)の範囲の比較的沸点の高い有機化合物不純物
に関しても、その総和を、多くとも、50ppm(重量
ppm)以下とすることが好ましい。
【0054】続いて、上記の作用を発揮する上で、本発
明における第二の発明にかかるSn−AgあるいはSn
−Ag−Bi系などのPb−freeハンダ用フラック
スにおいて好ましい構成に関して、より具体的に説明す
る。
【0055】本発明における第二の発明にかかるロジン
系フラックスは、粗精製ロジンに含有されるイオウ不純
物が還元され、最終的に硫化銀の生成を引き起こすこと
を防止するため、用いるロジン系基剤として、予めイオ
ウ不純物を除去する処理を施した変性ロジンを利用した
ものである。つまり、第二の発明にかかるSn−Agあ
るいはSn−Ag−Bi系などのPb−freeハンダ
用フラックスは、アビエチン酸を主成分として含有する
ロジン系基剤を含むロジン系フラックスにおいて、前記
ロジン系基剤は、粗精製ロジンに脱硫触媒の存在下、水
素化脱硫処理を施してなる変性ロジンであることを特徴
とするハンダ用フラックスである。
【0056】先ず、粗精製ロジン中に不純物として存在
するイオウ分の除去には、石油精製の分野では公知の手
法である、水素化脱硫の手法を転用している。石油中の
イオウ化合物を除去する手法としては、硫酸やアルカリ
を用いる化学処理法もあるが、本発明においては、この
ような化学処理法を適用すると、アビエチン酸などは、
灯油などの石油製品と異なり高沸点であるため、蒸留に
よる用いた試薬の除去は容易でない。この点をも考慮す
ると、固体触媒を用いる水素化脱硫の手法がより適する
ものとして選択される。水素化脱硫処理を施した後、固
体触媒の除去は、アビエチン酸などは200℃以上に加
熱すると液体状となり、加熱濾過などの簡便な手段で行
うことができる利点もある。従って、水素化脱硫処理
は、遊離型の含イオウ分子種のみでなく、分子内にスル
ホンなどの形で存在するイオウをも還元して除く目的で
行うものである。なお、SO4 2-ならびにSO3 -のよう
な遊離型の含イオウ分子種だけであれば、例えば、アル
コールなどの溶媒中に溶出させることで、分離・除去す
ることもできる。
【0057】水素化脱硫処理は、ロジンの主成分である
アビエチン酸などの沸点よりも十分に低い温度で行うこ
とが望ましいので、脱硫触媒として、アルミナ担持コバ
ルト−モリブデン触媒(Co−Mo触媒)などを用い
て、5気圧程度以下の加圧条件下、280℃よりは低い
温度で行うことが好ましい。前記の水素圧、温度範囲で
あれば、ロジンの主成分であるアビエチン酸自体に対す
る水素還元反応など、不要な副次反応はなく、目的の水
素化脱硫処理のみを選択的に行える。
【0058】例えば、粗精製ロジン中の固形不純物を予
め除去し、イソプロピルアルコールなどのアルコールを
加えて流動化して、この流動化したものに微粉末のアル
ミナ担体上にCo−Mo触媒を薄く担持した脱硫触媒微
粒子を0.1〜2.0%の範囲で添加し、均一に混合さ
せる。水素化脱硫処理条件としては、加圧可能な反応容
器内において、加熱温度250℃前後、やや加圧条件
(例えば、加圧圧力:1〜3気圧)で、水素ガスを循環
させつつ、ロジンを含む液体中に吹き込む手法を用いる
とよい。
【0059】従って、本発明における第二の発明のハン
ダ用フラックスにおいて、ロジン系基剤として好適に用
いる水素化脱硫処理を施した変性ロジン中に残留するイ
オウ分は、30ppm(重量ppm)以下、好ましく
は、10ppm(重量ppm)以下とすることが好まし
い。
【0060】加えて、本発明における第二の発明にかか
るハンダ用フラックスにおいても、イオウ分のみでな
く、蒸発性有機化合物不純物の除去を行った変性ロジン
を用いることがより好ましい。この蒸発性有機化合物不
純物の除去は、水素化脱硫処理と併せて行えるが、その
結果、変性ロジンは、標準大気圧における沸点200℃
以下の蒸発性有機化合物を含まないものとすることが好
ましい。すなわち、変性ロジン中に残留する沸点200
℃以下の蒸発性有機化合物の総和を、200ppm(重
量ppm)以下、より好ましくは100ppm(重量p
pm)以下とすることが好ましい。また、沸点が250
℃〜ハンダ付け温度(例えば、220℃)の範囲の有機
化合物不純物に関しても、その総和を、多くとも、50
ppm(重量ppm)以下とすることが好ましい。
【0061】本発明における第二の発明にかかるハンダ
用フラックスにおいては、ロジン系基剤として、水素化
脱硫処理を施した変性ロジンを用いるので、元来粗精製
ロジンに含まれていたプロトン供与能を有するSO3 -
+なども除かれている。従って、プロトン供与能を有す
るSO3 -+などによるフラックス活性の増強作用はな
いので、活性化フラックスとするため、別途フラックス
活性増強作用を有する無機成分を添加することが好まし
い。このフラックス活性増強作用を有する無機成分とし
ては、上述した第一の発明にかかるハンダ用フラックス
において、好ましいとされるものを用いることが好まし
い。また、その添加量も、上述した第一の発明にかかる
ハンダ用フラックスにおいて、好ましいとされる範囲に
選択することが好ましい。
【0062】一方、水素化脱硫処理により、上記の濃度
範囲まで、粗精製ロジンに含まれていたイオウ分の除去
を行うために行うためには、水素化脱硫触媒として、前
記のCo−Mo触媒の他に、MoS2触媒などを用いる
こともできる。また、Co−Mo触媒などの水素化脱硫
触媒は、触媒金属を担体上に担持したものを用いること
が好ましく、その担体には、アルミナ自体、またアルミ
ナを母剤とする金属酸化物複合体、例えば、Al23
NiOやAl23−Cr23のようにイオウ分の存在下
において、担体自体の損傷を起こさないものが利用でき
る。なお、Al 23−NiOやAl23−Cr23に含
まれるNiOやCr23は、アルコールには不溶である
ので、例えば、粗精製ロジンと混合する際、アルコール
溶媒を利用することもできる。
【0063】例えば、アルミナ担持Co−Mo触媒にお
いては、担体アルミナ粒子100重量部当たり、触媒金
属Co−Moの担持量は、合計0.1〜1.0重量部、
より好ましくは0.1〜0.2重量部に選択することが
好ましい。一方、担体アルミナ粒子自体の平均粒子径
は、0.1〜10μm、好ましくは、0.1〜1.0μ
mの範囲にある微細粒子が好適である。加熱温度250
℃前後、やや加圧条件(例えば、加圧圧力:1〜3気
圧)で水素還元反応を行うので、粗精製ロジン100重
量部当たり、担体上に担持したCo−Mo触媒などの水
素化脱硫触媒を、0.1〜1.0重量部、好ましくは
0.1〜0.2重量部添加することが好ましい。前記の
水素化脱硫触媒添加量の範囲に選択し、水素還元条件と
して、反応温度を120〜300℃、好ましくは、15
0〜250℃の範囲、より好ましくは、150〜200
℃、すなわち、250℃前後に選択し、反応容器に供給
する水素分圧を、1.2〜5.0気圧(なお、1気圧
は、1.01325×105Paである)、好ましく
は、1.5〜3.0気圧の範囲に選択し、より好ましく
は、2.0気圧前後として処理を行う。
【0064】粗精製ロジンが含有しているイオウ分の量
に応じて、反応時間は適宜選択するものではあるが、通
常の品質であれば、前記の反応条件において、20〜1
00分間の処理、好ましくは、20〜30分間の処理を
行うことで、残留するイオウ分を10ppm以下の好ま
しい範囲まで低減することができる。
【0065】なお、前記の水素化脱硫処理を行う前に、
反応の障害ともなりうる粗精製ロジン中に残留している
固形不純物を予め除去することが好ましい。例えば、粗
精製ロジンを一旦融解して、液状として、固形不純物を
固液分離により除くこともできる。また、粗精製ロジン
が粉体であり、固形不純物が篩分けで除去できるものな
らば、所定のメッシュサイズの篩を用いて取り除くこと
もできる。その後、上記の水素化脱硫触媒の微粒子と均
一に混合するため、固形不純物除去を行った粗精製ロジ
ンの粉体を、希釈溶媒として、ロジンを溶解できる有機
溶媒、例えば、アルコールなどを加えて、流動化する。
この流動化において、ロジンに含まれる液体不純物、低
融点の不純物、ならびに、希釈溶媒に易溶の不純物は、
いずれも速やかに用いたアルコールなどの希釈溶媒中に
溶解する。
【0066】この流動化処理に際して、用いる希釈溶媒
として、ロジンを溶解できる有機溶媒、例えば、炭素数
1〜4のアルコールを用いることが好ましく、特に、ハ
ンダ付け作業時、プリント回路基板の洗浄等に用いられ
るイソプロピルアルコールを用いることがより好まし
い。流動化処理においては、粗精製ロジン100重量部
あたり、希釈溶媒として、例えば、イソプロピルアルコ
ールを50重量部以上、好ましくは50〜80重量部、
より好ましくは50〜60重量部を用いることがこのま
しい。粗精製ロジンは、このような前処理を行った後、
水素化脱硫処理に供することが好ましい。
【0067】この水素化脱硫処理で還元されたイオウ分
は、硫化水素(H2S)として気相に出る。また、加熱
条件でこの反応を行うので、粗精製ロジン中に残留して
いる比較的沸点の低い蒸発性有機化合物不純物も同時に
蒸発する。この時、循環する水素ガス中に混入する硫化
水素ならびに蒸発性有機化合物不純物は、循環により反
応容器から取り出され、それぞれ分離・回収される。従
って、環境大気へ硫化水素ならびに蒸発性有機化合物不
純物が放散されることはなく、環境汚染をも防止でき
る。加えて、例えば、イオウ分がチオフェン(C4
4S)のような形状で存在している際には、水素化脱硫
処理によってブタン(C410)のような炭化水素化合
物なども副生する。これら副生物の蒸発性有機化合物
も、同じく分離・回収される。
【0068】なお、ロジンの主成分である樹脂酸のなか
には、前記の水素化還元過程で還元され、変性するもの
のあるが、これらも高沸点のカルボン酸であり、変性ロ
ジン中に残るが全く問題ない。
【0069】本発明にかかるSn−AgあるいはSn−
Ag−Bi系などのPb−freeハンダ用フラックス
の製造方法は、アビエチン酸を主成分として含有するロ
ジン系基剤とフラックス活性増強作用を有する微粉末状
の無機成分とを含むSn−AgあるいはSn−Ag−B
i系などのPb−freeハンダ用フラックスを製造す
る方法であって、少なくとも、粗精製ロジンに脱硫触媒
の存在下、水素化脱硫処理を施して、変性ロジンとする
工程と、前記ロジン系基剤として、前記水素化脱硫処理
を施してなる変性ロジンを用い、このロジン系基剤中
に、フラックス活性増強作用を有する微粉末状の無機成
分を添加・分散した状態とする工程とを有し、前記水素
化脱硫処理に用いる脱硫触媒として、前記微粉末状の無
機成分を用いることにより、この二工程を一体に実施す
ることを特徴とするハンダ用フラックスの製造方法であ
る。
【0070】前述したとおり、水素化脱硫処理に用いる
脱硫触媒としては、アルミナ担持コバルト−モリブデン
触媒(Co−Mo触媒)などが用いられるが、このCo
−Mo触媒に利用する担体として、アルミナ(Al
23)に他の金属酸化物、三酸化二クロム(Cr23
や酸化ニッケル(NiO)を加えた担体を用いることも
できる。アルミナ(Al23)自体、弱いルイス酸とし
て機能する固体酸である。このAl23担体を用いて、
Al23−NiOやAl23−Cr23とすると、アル
ミナ触媒や酸化クロム触媒としてそれ自体も水素化反応
における触媒機能を持つ固体酸の微粒子となる。
【0071】このAl23−NiOやAl23−Cr2
3のような固体酸は、常温では、その固体酸としての
機能は僅かしか発揮されないが、高温となると、固体酸
として機能が顕著となる。従って、Al23−NiOや
Al23−Cr23のような固体酸をフラックス中に分
散させると、Sn−Agハンダの熔融温度のように高い
温度では、その固体酸としての作用が発揮されるように
なり、フラックス活性を増強させる無機成分として利用
できる。さらには、固体酸としての機能を持つ、この種
の金属酸化物は、当然のことでながら、塩素や臭素など
のハロゲン元素を含んでおらず、ハロゲン化物イオンを
発生することもなく、好ましいものである。
【0072】従って、Co−Mo触媒などの脱硫触媒に
おいて、触媒金属を担持する担体として、Al23−N
iOやAl23−Cr23のような固体酸の微粉末を利
用すると、上記の水素化脱硫処理の際、混合する脱硫触
媒粉末は、そのままフラックス活性を増強させる無機成
分としても利用できるので、より好ましいものとなる。
また、触媒金属を担持する担体として、前記水素還元に
より、固体酸表面の酸点(酸活性中心)の強度が増強さ
れる、あるいは、酸点(酸活性中心)の発現がなさる固
体酸は、一層好適である。
【0073】また、触媒金属を担持する担体として、A
23−NiOやAl23−Cr23のような固体酸の
微粉末を利用する際、前記担体微粉末を、最終的には、
フラックス活性を増強させる無機成分としても利用する
場合、その固体酸の機能が十分に残されるように、触媒
金属、例えばCo−Mo触媒は、前記固体酸の微粉末上
に薄く存在するようにすることがより好ましい。
【0074】勿論、Co−Mo触媒などの脱硫触媒は、
粉体であるものの、固体であるので、水素化脱硫処理を
行った後、固−液分離の慣用手段、例えば、加熱濾過、
蒸留分離などの方法を用いて、得られる変性ロジンのみ
を分離・回収することもできる。この単離した、精製済
みの変性ロジンに、所定のフラックス活性を増強させる
無機成分を別途添加・分散して本発明のハンダ用フラッ
クスに調製することもできる。しかしながら、本発明の
製造方法のように、フラックス活性増強作用を有する微
粉末状の無機成分として、水素化脱硫処理に用いる脱硫
触媒としても機能する微粉末を選択することにより、大
幅な作業性の向上が図れる。
【0075】水素化脱硫処理を行った後、変性ロジン
は、液温度を常温(室温)に下げると、固体となり、反
応の際、流動性を増す目的で加えたアルコールなどの希
釈溶媒と分離される。分離された精製済みの変性ロジン
は、水素ガスの気泡、あるいは、希釈溶媒を僅かに内部
に閉じ込めている。この水素ガスの気泡や希釈溶媒の液
泡は、変性ロジンを再度加熱して液状として、脱気、蒸
散させて、除去することができる。この最終処理を施し
た後、再固化させて、然るべき容器内に密閉保管する。
【0076】例えば、本発明のSn−AgあるいはSn
−Ag−Bi系などのPb−freeハンダ用フラック
スの製造方法は、例えば、下記する工程によりハンダ用
フラックスを調製する形態とすることがより好ましい。
【0077】(前処理)工程1 松脂から得られた粗精製ロジンから、混入して
いる固形不純物を除去する。
【0078】工程2 希釈溶媒(アルコールなど)を用
いて希釈し、粗精製ロジンを流動化する。
【0079】この過程で、希釈溶媒に溶解する不純物は
分離される。
【0080】(脱硫処理・VOC分子除去処理)工程3 水素化脱硫に用いる、Co−Mo触媒(脱硫触
媒)微粒子を添加し、流動化した粗精製ロジン中に混合
・分散させる。
【0081】特には、前記脱硫触媒用担体として、固体
酸微粒子を用いる。
【0082】工程4 前記脱硫触媒微粒子を混合した後
粗精製ロジンを水素還元装置(反応容器)に充填する。
【0083】工程5 例えば、反応温度250℃、水素
圧数気圧の条件で、水素ガスを反応容器に循環して、水
素化還元・脱硫をする。
【0084】工程6 前記反応中に気相に蒸発する不純
物、気体状の生成物、例えば、蒸発性有機化合物、H2
Sの除去を行う。
【0085】工程7 所定の反応時間経過した後、反応
容器内温度を室温へ冷却し、変性ロジンを回収する。
【0086】(付加的後処理)工程8 前記反応に用いた水素ガスの除去を行う。
【0087】必要に応じて、不要な希釈溶媒の除去も行
う。
【0088】工程9 処理・調製済みのハンダ用フラッ
クスを所望の容器に入れ、密封する。 以上の一連の工程で、工程7が終了した時点で、脱硫処
理、蒸発性有機化合物不純物除去の処理は本質的に終了
する。また、前記脱硫触媒微粒子として混合・分散され
ていいる、脱硫触媒用担体に用いている固体酸の微粉末
自体、例えば、Al23−NiOやAl23−Cr23
のような固体酸の微粉末は、フラックス活性を増強させ
る無機成分ともなるので、この状態で既にハンダ用フラ
ックスとなっている。その後、通常、反応中に用いた水
素ガスの除去など、付加的な後工程として、その次に記
す工程8および工程9を設ける。
【0089】すなわち、前記する複合機能を持つ固体酸
の微粉末を用いて、水素化脱硫処理を行うと、得られる
変性ロジンは、図4に模式的に示すように、アビチエン
酸の分子上にスルホンとして存在するイオウは除去され
て、イオウ分を含まないアビチエン酸のみとなる。ま
た、その間に複合機能を持つ固体酸の微粉末が分散され
たものとなる。この段階で、この複合機能を持つ固体酸
の微粉末が分散した変性ロジンは、そのままロジン系フ
ラックスとなっている。しかも、前記の水素化脱硫に際
して、複合機能を持つ固体酸の微粉末は、当然に水素還
元環境に置かれ、その活性化、酸強度の増強または酸点
の発現処理も達成されている。
【0090】以上に説明した通り、本発明における第一
の発明に係るSn−AgあるいはSn−Ag−Bi系な
どのPb−freeハンダ用フラックスにおいて、その
発明の根幹をなすものは、従来のSn−Pb合金ハンダ
用ロジン系フラックスにおいて、フラックス活性の増
強、すなわち、ハンダ付け温度において、フラックスの
酸強度を高める役割を持つものとして添加されている塩
素、臭素などのハロゲン元素を含む無機成分を用いない
点にある。加えて、従来の粗精製ロジンを用いるロジン
系フラックス中に、原料の粗精製ロジンに由来するイオ
ウ分をも除去した変性ロジンを用いることで、塩素、臭
素などのハロゲン元素を含む無機成分を用いないことに
より、Sn−AgあるいはSn−Ag−Bi系などのP
b−freeハンダの材料劣化、ならびに耐久性障害の
回避するという利点を、さらに確実なものとしている。
【0091】なお、前記の不純物として含まれるイオウ
分の除去は、原料の粗精製ロジンに依存して、必要に応
じて実施すべきもので、実施すると好ましいことは勿論
であるが、発明の本質とは必ずしも言えないものであ
る。従って、本発明における第一の発明においては、任
意に選択すべき、付加的な要素に当たる。
【0092】例えば、原料の粗精製ロジンに由来するイ
オウ分のうち、大部分は、遊離したSO4 2-、SO3H、
あるいは、一部アビチエン酸分子内にスルホンとして存
在すると仮定する。さらに、仮に、ハンダ付け作業を行
う際、この酸化状態のイオウ分が硫化物イオンまで還元
されるほど強い還元雰囲気でなく、還元は起こるもの
の、硫化物イオンの生成には至らないならば、必ずしも
原料の粗精製ロジンに由来するイオウ分を予め除去する
効果は顕著に表れない。従って、ハンダ付け作業の雰囲
気と、原料の粗精製ロジンに由来するイオウ分の存在状
態によっては、不純物として含まれるイオウ分の除去を
必要としない場合も有り得る。
【0093】本発明の第二の発明にかかるハンダ用フラ
ックスは、上に説明したように、VOC分子が少なく、
イオウ不純物もなく、さらに、ハンダ付け温度において
は、フラックス活性に十分な程度に酸性は高く、一方、
室温においては、その酸性は、用いるロジンとほとんど
差がない程に低いという、ハンダ用フラックスに最適な
性質を持つ。
【0094】
【実施例】以下に実施例により、本発明のSn−Agあ
るいはSn−Ag−Bi系ハンダなどのPb−free
ハンダ用フラックス、その調製方法をより具体的に説明
する。ここに挙げる実施例は、本発明における最良の実
施の形態の一例ではあるものの、本発明はこの実施例に
限定されるものではない。
【0095】(実施例1)上に述べた検討結果に基づ
き、Sn−AgあるいはSn−Ag−Bi系などのPb
−freeハンダ用フラックスとして、以下に述べる構
成のロジン系フラックスを調製した。具体的には、水素
化脱硫処理を施した変性ロジンをロジン系基剤に用い、
この水素化脱硫処理の触媒として、Al23−NiOや
Al23−Cr23のような固体酸粉末を担体として、
その担体上にCo−Mo触媒を薄くのせた、Co−Mo
触媒−固体酸兼担体微粒子(Al23−Cr23)を用
いた。そして、水素化脱硫処理の後、変性ロジン中に分
散されているCo−Mo触媒−固体酸兼担体微粒子(A
23−Cr23)をそのまま、フラックス活性を増強
するために添加する無機成分として利用することとし
た。なお、この変性ロジンは、前記水素化脱硫処理の間
に、イオウ分の除去に加えて、原料の粗精製ロジン中に
不純物として残留していたVOC分子も除去されたもの
となる。
【0096】前記構成のロジン系フラックスを、上述す
る工程1〜工程9からなる一連の手順により調製した。
各工程の具体的な手順・条件を次ぎに述べる。
【0097】(前処理)工程1 原料の粗精製ロジンから、混入している固形不純物を
の手順で除去した。
【0098】工程2 予め、固形不純物を除去した粗精製ロジンを、希釈溶媒
を用いて希釈して、流動化した。本実施例では、希釈溶
媒として、ハンダ付け後、残留するフラックスの洗浄除
去にも利用される溶媒、イソプロピルアルコールを用い
た。このイソプロピルアルコールは、ロジンを溶解する
ことができることは当然であるが、電子装置の製造工程
において、洗浄用の有機溶媒として広く用いられてい
る。また、アルコール系溶媒のうちでは、健康に及ぼす
影響が最も低いものの一つである。
【0099】粗精製ロジン100g当たり、イソプロピ
ルアルコール50ml(約40g)を用いて、温度40
℃において、希釈溶媒中に粗精製ロジン粉末を分散・攪
拌して流動化した。
【0100】(脱硫処理・VOC分子除去処理)工程3 水素化脱硫処理に用いる触媒には、Co−Mo触媒(脱
硫触媒)微粒子を用いた。具体的には、固体酸(Al2
3−Cr23)微粒子を担体として、この固体酸(A
23−Cr23)微粒子100重量部当たり、Co−
Mo触媒金属を合計0.5重量部を担持して、Co−M
o触媒−固体酸兼担体微粒子に調製したものを利用し
た。この固体酸(Al23−Cr23)微粒子の平均粒
子径は5μmであり、平均組成は、Al23:Cr23
の比率が、1:1のものを用いた。なお、Co−Mo触
媒金属の担持方法は、従来のCo−Mo触媒においてア
ルミナ担体上へ担持する際に利用する方法を利用した。
【0101】本実施例では、粗精製ロジン100g当た
り、前記のCo−Mo触媒−固体酸兼担体微粒子1.0
gを用いた。水素化脱硫触媒を均一に分散した粗精製ロ
ジンを、加圧反応容器に充填した。
【0102】工程4工程6 この水素化脱硫触媒を用いた脱硫処理の反応条件は、反
応温度を250℃、水素化還元に用いる水素圧を2.5
気圧に選択した。水素化脱硫触媒を均一に分散した粗精
製ロジンを充填した後、加圧反応容器(水素還元装置)
中において、前記の反応条件で水素ガス循環を行いつ
つ、約30分間加熱反応を行った。
【0103】この加熱反応において、生成するH2Sな
らびにVOC分子(メタンなど)は、循環する水素ガス
中に含まれるが、これらは常法に従って分離・除去し
た。
【0104】工程7 前記の反応時間経過した後、加熱をやめ反応容器内温度
を室温まで冷却させた。本実施例においては、水素化脱
硫触媒自体は、その担体に用いている固体酸微粒子は、
フラックスに添加される活性を増強する無機成分として
も利用する。従って、この段階において、変性ロジン中
に固体酸微粒子が均一に分散されている目的のフラック
スとなっている。
【0105】(付加的後処理)工程8工程9 実質的には、フラックス調製は終了しているが、前記反
応に用いた水素ガスの除去を行った。その後、必要に応
じて、不要な希釈溶媒の除去をも行うこともできる。得
られる処理・調製済みのハンダ用フラックスは、所定の
容器に入れ、密封した。
【0106】(実施例2)本発明のハンダ用フラックス
が、Sn−AgあるいはSn−Ag−Bi系ハンダなど
のPb−freeハンダに対して、所望のフラックス活
性を有することを検証した。加えて、本発明のハンダ用
フラックスを用いると、材料劣化、耐久性障害の発生が
抑えられていることを検証した。
【0107】具体的には、上記実施例1において調製さ
れたハンダ用フラックスを、Pb−freeハンダの一
つである、Sn−Ag−Cu−Biハンダを用いたハン
ダ付けに適用した。このSn−Ag−Cu−Biハンダ
の熔融温度は210℃であり、従来のSn−Pbハンダ
の熔融温度183℃よりも高く、従来、そのハンダ付け
に際し、銅の表面酸化物の除去が困難であった。実施例
1記載のハンダ用フラックスを利用して、電子回路多層
基板(PWB)に数百のチップ抵抗をハンダ付けし、そ
のハンダ付け特性を評価した。実施例1記載のハンダ用
フラックスを使用すると、配線パターン銅表面上におけ
る熔融ハンダの広がりが良く、従来のSn−Pbハンダ
を用いた際と同様のフィレットが形成されている。すな
わち、従来のロジン系フラックスを用いたSn−Pbハ
ンダによるハンダ付けと比較して、遜色のない良好なハ
ンダ付けが行えている。
【0108】ハンダ付け後、120℃/−40℃間の熱
サイクル加速耐久試験を実施し、ハンダ付け部における
不良発生の有無を検証した。換算使用時間10年に相当
する範囲では、ハンダ付け部のハンダ表面の腐食などは
観察されなかった。ハンダ付け部の剥がれ・割れなどの
兆候は見出されないが、前記熱サイクル加速耐久試験終
了後ハンダ材内部を詳細に観測すると、このSn−Ag
−Cu−Biハンダ特有の微細亀裂が僅かに観測されて
いる。
【0109】
【発明の効果】本発明のハンダ用フラックスは、従来の
ロジン系フラックスの持つ、ロジンを基剤とする利点、
すなわち、空気を遮断する高沸点有機物の機能と金属表
面の酸化被膜の溶解除去に利用されるカルボン酸、生成
する金属カルボン酸塩に対する溶媒としての機能を生か
しつつ、所謂Pb−freeハンダ、例えば、Sn−A
gあるいはSn−Ag−Bi系ハンダ用フラックスに適
するものとしたものである。先ず、フラックスに分散さ
せるフラックス活性の増強を図る無機成分は、ハロゲン
化物イオンを構成要素としない化合物を用いるので、P
b−freeハンダのうち、Sn−AgあるいはSn−
Ag−Bi系ハンダなどに含まれる銀に対して、銀の塩
化物や臭化物などの生成が防止できる。また、好ましく
は、用いるロジン基剤に、粗精製ロジン中に含まれるイ
オウ分を除去する水素化脱硫処理を施した変性ロジンを
用いることで、銀の硫化物の生成をも回避できる。さら
には、ハンダ付け温度が高くなることに備えて、蒸発性
有機化合物も予め除去すると、作業環境などの汚染も防
止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】粗精製ロジン中に不純物としてイオウが含まれ
ることを示す分析結果を示し、(A)は、FT−IRス
ペクトル測定例、(B)は、蛍光X線スペクトル測定例
である。
【図2】粗精製ロジンを基剤に用いる従来のSn−Pb
合金ハンダ用ロジン系フラックス中にSO3Hならびに
SO4 2-の形状のイオウ不純物が存在することを示す図
であり、(B)は、常温におけるSn−Pb合金ハンダ
用ロジン系フラックスのFT−IRスペクトル測定例、
(A)は、SO3HならびにSO4 2-の存在状態を模式的
に説明する図である。
【図3】従来のSn−Pb合金ハンダ用ロジン系フラッ
クス中に、イオウに加え、塩素ならびに臭素が存在する
ことを示す図であり、(B)は、Sn−Pb合金ハンダ
用ロジン系フラックスの蛍光X線スペクトル測定例、
(A)は、高温(使用温度:250℃)における、塩素
ならびに臭素の存在状態を模式的に説明する図である。
【図4】本発明のロジン系フラックスの一例を示す図で
あり、ロジン系基剤およびフラックス活性増強用の無機
成分の構成、その存在状態を模式的に説明する図であ
る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アビエチン酸を主成分として含有するロ
    ジン系基剤を含むロジン系フラックスにおいて、 このフラックスは、ロジン系基剤中に添加・分散され
    た、フラックス活性増強作用を有する微粉末状の無機成
    分を含み、 ただし、ハロゲン化物イオンを構成要素とする化合物は
    含んでいないことを特徴とするPbを含まないSn合金
    系ハンダ用フラックス。
  2. 【請求項2】 アビエチン酸を主成分として含有するロ
    ジン系基剤を含むロジン系フラックスにおいて、 前記ロジン系基剤は、粗精製ロジンに脱硫触媒の存在
    下、水素化脱硫処理を施してなる変性ロジンであること
    を特徴とするPbを含まないSn合金系ハンダ用フラッ
    クス。
  3. 【請求項3】 前記微粉末状の無機成分が、微粉末状の
    固体酸であることを特徴とする請求項1に記載のハンダ
    用フラックス。
  4. 【請求項4】 前記微粉末状の固体酸が、水素還元によ
    って、その酸強度の増強がなされている、あるいは、酸
    点の発現がなされている固体酸であることを特徴とする
    請求項3に記載のハンダ用フラックス。
  5. 【請求項5】 前記微粉末状の固体酸が、無機化合物か
    らなる微粉末状の担体上に、前記担体に用いる無機化合
    物とは別種の無機化合物が担持してなる複合体の微粉末
    であり、前記複合体の微粉末が全体として、固体酸とし
    ての作用を示すものであることを特徴とする請求項3ま
    たは4に記載のハンダ用フラックス。
  6. 【請求項6】 前記複合体の微粉末が、微粉末状のAl
    23を担体とし、その上にNiOまたはCr23が担持
    してなるAl23−NiOまたは/およびAl23−C
    23の微粉末であることを特徴とする請求項5に記載
    のハンダ用フラックス。
  7. 【請求項7】 前記ロジン系基剤は、粗精製ロジンに脱
    硫触媒の存在下、水素化脱硫処理を施してなる変性ロジ
    ンであることを特徴とする請求項1、3−6のいずれか
    に記載のハンダ用フラックス。
  8. 【請求項8】 前記変性ロジンが、前記水素化脱硫処理
    とともに粗精製ロジンに由来する不純物中の蒸発性有機
    化合物不純物の蒸発除去処理をも施してなる変性ロジン
    であることを特徴とする請求項2または7に記載のハン
    ダ用フラックス。
  9. 【請求項9】 アビエチン酸を主成分として含有するロ
    ジン系基剤とフラックス活性増強作用を有する微粉末状
    の無機成分とを含む、Pbを含まないSn合金系ハンダ
    用フラックスを製造する方法であって、少なくとも、 粗精製ロジンを、脱硫触媒の存在下、水素化脱硫処理し
    て、変性ロジンとする工程において、 前記脱硫触媒として、フラックス活性増強作用を有する
    微粉末状の無機成分としても機能する脱硫触媒を用い、 前記水素化脱硫処理工程後、そのままフラックス活性増
    強作用を有する微粉末状の無機成分として用いることを
    特徴とするPbを含まないSn合金系ハンダ用フラック
    スの製造方法。
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